アジアフライ

 ADAM TAYLOR 記者による2018-2-24記事「What we know about shadowy Russian mercenary firm behind attack on US troops in Syria」。
   ワグナー社の傭兵たちの戦場デビューは2014のウクライナ領土切り取り作戦。
 この会社の総指揮官は、2013までGRU(露軍情報部)の一員であったドゥミトリー・ウトゥキンであると信じられていた。
 軍を退役したあとウトキンは、「モラン警備保障グループ」や「スラヴォニック社」に就職した。後者は2013にシリアに傭兵を派遣し、悪名を轟かせている。
 ウトキンは米国財務省から個人としての制裁対象者に指名されている。ウクライナの侵略に加担しているので。
 ワグナー社は2015-9からシリアに傭兵を送り込んでいる。その1ヵ月前から露軍機がシリアで反アサドゲリラを空爆開始していた。
 他にワグナー社は、スーダンや中央アフリカ共和国にも、傭兵を派遣している。
 さてプリゴジンの方だが、こやつは「プーチンのシェフ」と陰口されたレストランオーナーだった。
 こやつは9年間刑務所で暮らした過去を持つ。強盗と組織売春の罪で。だが今はロシア屈指の富豪になった。
 プーチンのために、汚い仕事を請け負う、鉄砲玉の親分である。
 サンクトペテルブルクにある「インターネット・リサーチ・エージェンシー」という会社を通じて2016年の米大統領選挙の結果を左右させようとフェイク工作もした。
 プリゴジンはケータリングサービス会社「コンコード」も所有し、その会社は巨額の「投資」もする。
 昨年の報道では、ウトゥキンは「コンコード」の総支配人のリストに入っている。
 ワグナー社はさいしょはシリアの露軍基地の警備だけをしていたが、2016~17のパルミラ奪回戦では最前線にも動員されている。
 APの昨年の報道によれば、シリア国営石油会社は、ISから精油所を奪還してくれれば、そのアガリの一部をワグナー社に与えよう、ともちかけた。
 表向きは傭兵会社はロシアでは違法。だから「スラヴォニック社」が2013にシリアから戻ったとき、メンバー数人が逮捕された。
 プーチンは、傭兵会社のアイディアは良い、と支持を公言している。
 ワグナーの傭兵部隊が米軍から袋叩きにされているときに、ロシア正規軍はいっさい、援けなかった。
 プーチン側近の座を、ショイグとプリゴジンが競っているのだという解説もある。
 昨年ISは、露兵捕虜のビデオを公表した。これはワグナー傭兵だった。
 シリア介入はロシア本国では不人気なので、プーチンはできるだけ現地での犠牲は知られたくない。それで傭兵を使っているのだが……。
 ロシア人の32%は、シリアがロシアにとっての「ニュー・アフガニスタン」になってしまうのではないかと恐れている。
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 DAN LAMOTHE 記者による2018-2-24記事「New court ruling jeopardizes military’s ability to pursue old rape cases」。
   出訴期限法によれば強姦の起訴は事件から5年以内にしなければならないというので1997に空軍将校が起こした事件についての2015年の訴えが2018-2に却下されたが、米軍はこの時効をなくする方向で動いている。
 2006年以前の事件を今訴えても受理するように。
 軍法会議では強姦犯に死刑が言い渡されることもあり得る。1986秋から2006秋までに犯された事件については。
 2006に統一米軍法規の出訴制限が、強姦罪については撤廃されている(議会で可決された)。
 1986以前の事件については、出訴まで5年という訴訟制限が生きている。
 1986から2006までは、米軍は「死刑が適用され得る全犯罪について時効をなくする」ことになっている。そして軍法では強姦犯人が死刑にされることもある。
 今では、退役将校が、除隊後何年もしてから強姦容疑で軍法会議にかけられることもあり、となったのだ。
 軍法会議にも控訴審がある。その上は、連邦最高裁判所である。
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 Matt Spetalnick, Phil Stewart, David Brunnstrom記者による2018-2-24記事「U.S. prepares high-seas crackdown on North Korea sanctions evaders – sources」。
   日本の防衛省の役人いわく。現行の対北鮮国連制裁の枠組みでは、国旗国の政府および船長の同意なくして、公海上での商船臨検などできぬ。