おきなければ おきなわけん

 Jason Blackstone 記者による2018-3-1記事「Giving the Super Hornet More Punch: Think SM-6」。
       米海軍は最近ついにF/A-18 スーパーホーネット用のコンフォーマルタンクを予算要求した。
 これによって落下増槽を吊るす必要はなくなる。その空いたウェポンステイションになら「SM-6」が吊るせるぞ、という話が出てきた。
 SAMを、超長射程のAAMにコンバートできるのだ。
 これで往年のF-14+フェニックスAAMと同じ仕事、すなわち、至大距離にての敵CM母機そのものの撃墜を託すことができる。
 対艦攻撃機のバックファイアを有するロシアが好戦的になってきたのと、中共がH-6Kを近代化していることに対応する。
 今のスパホが増槽×3とアムラーム×6発を抱えて飛び出しても、迎撃半径は最大400マイル。
 しかしF-18を存分に改修してブロック3にすると、4発の「SM-6 デュアル2」により迎撃半径を510マイルに延長できる。
 「SM-6 デュアル2」は現在開発中。海面から発射した場合のレンジは130マイルである。
 全長15フィート、重さ1800ポンド。
 ただし急いでも今から2年以内には「SM-6」のスパホ運用は実現しない。2020年でもたぶん無理。
 「SM-6」の炸薬量はハープーンには及ばないが、ハープーンが亜音速なのに対してマッハ4で命中するので、CIWSを突破して大被害を敵艦に与えることもできる。
 次。
  Daniel Cebul 記者による記事「Nonstrategic nukes: What are they good for?」。
    米軍は約500発の非戦略用の核弾頭をもっている。そのうち200発は、トルコ、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリーの米空軍基地に置いている。
 ロシアは1000発から6000発もの非戦略用の核弾頭をもっている。
 ロシアが戦術核を使ってきたら、こっちも戦術核を使うしかない。そのために戦術核を低威力化しておく。
 米戦略軍のハイテン大将の問題意識。米軍の持っている戦術核は、航空機から運用するものばかり。これをLRSMで更新したとしても、露軍が侵略戦争を開始した場所には即座には投入ができない。
 ※とうぜん、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリア、トルコの発進基地はロシアの戦術核で先制攻撃を受けると考える。
 そこでこのたびのNPRは、米国が海上から発射できる戦術核を充実させておくことによって、露軍からの先制戦術核攻撃はけっして成功しないとプーチンに考えさせようとしている。侵略戦争の抑止である。