知識は風をもたらす。

  Vaughn Standley 記者による2018-3-6記事「What’s Missing in the 2018 Nuclear Posture Review」。
    地球上の核爆発をすべて即座に承知ができる新システム。USNDS(U.S. nuclear detonation detection system)という。詳しくは秘密だが、これからだんだん部分的に公表されるだろう。
 こんなすごいシステムを米国は密かに構築してきていたのだ。
 ほぼ、リアルタイムで、地球上のどこの爆発でも、リポートしてくれる。
 偽の核爆発速報に反応して阿呆な元首が核戦争を始めてしまう事態は、このシステムが利用されるようになれば、予防される。
 ただし地下爆発には対応していない。
 いまのところ、USNDSの受信装置のサイズは、大型トレーラートラックに匹敵。
 しかしこの点は今から楽観していい。GPSも似たようなものだったのだ。
 かつてGPSの利用は軍隊だけに限定されていたが、1983に大韓航空機がソ連戦闘機に撃墜された事件をきっかけとして、レーガン政権が、その利用を民間にまで広げさせた。
 ついでクリントン政権が、GPSのかなりの情報を民間に使わせることを許可した。
 そしていまでは庶民が自分の携帯電話で精密GPSを受信して利用できる。USNDSも、必ずそうなる。
 その結果、核戦争が始まったり予期せぬ核爆発が起きたときに、ハザード・エリアはどこになるか、近くのシェルターはどこなのか、フォールアウトを避けるためにはどこへ移動したらよいのかという判断が、各人においてすばやく正確に可能にもなるのだ。
 将来、USNDSは、雷雲の刻々の位置、台風の眼の刻々の位置、局地的異常暴風圏の移動模様などを米国民に提供するようにもなるだろう。つまり戦災だけでなく、天災・気象災害からも米国民の安全を守る情報システムに育って行く。
 USNDSは、核戦争時にも受信を継続できるように特別に設計されている。宇宙での核爆発が起きても、通信は維持される。国連の地下核爆発監視網のように、分析までに何時間もかかったりすることもない。なんでもかんでもニア・リアルタイムで国民に情報が提示される。国連の地下爆発監視システムは、戦時には沈黙してしまう。USNDSは、敵が破壊しようとしても破壊されない。USNDSは、究極の、非常時に国民が頼りにできる情報ネットワークなのだ。
 2018NPRから、このような未来が読める。USNDSは、最初こそは国家機関だけにユーザーが限定されるが、やがては、かつてのGPSが辿った路と同様に、その利用が庶民に開放される。
 ※センサーも通信リレーも衛星なのだろう。目的を明らかにしない衛星が過去に多数、打ち上げられているので。