五月末に徳間書店から『空母を持って自衛隊は何がしたいのか?(仮)』を上梓します。

 今回からは写真を全部じぶんで選んで「グランデの5階で売れる本」を目指すことにしますた。要するに、超おもしろい……ってこった。只今GW進行で爆走中。
 次。
 Peter Layton 記者による2018-4-26記事「Australia’s Chinese Ballistic Missile Problem」。
     豪州は2017後半にとつぜんBMDに興味を抱いた。
 中共が南シナ海に6箇所以上の砂盛島を造成しているからだ。
 パコムに今度やってくるデイビソン提督の考え。砂盛島は完成したがそこに部隊がまだ配備されていない。部隊を配備したら、次はオセアニア方面へ中共は出て行くつもりだ。
 ※中共はかつて、PACOM司令官のハリスを馘にしろと公言した。これを覚えている米指導層は、ハリスを退役させて駐豪大使に任命するとあたかも中共のリクエストを叶えてやったかのような対外イメージが生ずるので困った。駐韓大使ならば、シナ人が厭がる男をシナ国境に張り付けるわけだから、米国が譲歩したことにはならない――と判断したのだろう。……ところで民放BSの番組で西條八十が戦前に『支那の夜』を作詞したことをしらじらしく回避していたが、阿呆かよ。それじゃあ敗戦直後に精神的窮地に立った事情がちっともわからんじゃん。
 東風21C/Dを砂盛島に前方展開されるのが、いま、豪州の戦略プランナーにとっては気がかりだ。
 東風21はシナ本土からだとマレーシアの途中までにしか届かない。
 東風26だと西パプアまで。
 しかし砂盛島に東風21を置けば、東風21はインドネシアまで届き、東風26は豪州の北西海岸まで届く。
 東風21は、非核の弾道弾としては最も遠達する。3000~4000kmといわれている。ペイロードは1.2トンから1.8トン。これも最大。
 中共は2015後半に、東風26のふたつめの旅団をつくると公言し、2018-4中旬にその旅団は開業した。
 東風26はいまのところ44基。
 弾道弾は戦時に量産できない武器なので、開戦前のストックをできるだけ大事に使わねばならない。
 弾道弾が最高に戦果をあげるとしたら、飛行場、港湾、そしてドック入り中の軍艦。
 SM-6もレンジ2000kmくらいの低速BMには対処できるが、3000kmオーバーの高速BMには対処できない。ターゲットが高速すぎるとダメなのだ。
 日米で共同開発中のSM-3ブロック2Aは、レンジ3000kmオーバーのBMへの対処を狙っているものだ。※いまのところうまくいってないけどね。
 豪州はイージスアショアをダーウィンに置くべきだ。これなら水兵がムダに張り付けられないから、万年人手不足の豪海軍の艦艇活動を人員面で圧迫せずにすむ。
 日本も2022から地ージスを運開するそうだ。
 THAADはカバレッジ・エリアが狭くてダメだ。ダーウィン~ティンダル(北西海岸ダービー港)の線を防空しようとすれば、2個大隊必要になる。地ージスならば、ただの1ユニットで足りる。