Kris Osborn 記者による記事「Air Force F-35 Threat Library to ID Chinese J-20 & Russian PAK-50 in Flight」。
F-35の機上コンピュータには「ミッション・データ・ファイルズ」と称する戦場データベースが備えられている。これは参考図書室のようなもので、地球のどこであれ、当該地理情報とその地域に固有の遭遇予期脅威が、敵戦闘機も含めてことごとくインプットされる。
ある地域で新しい脅威が見出された場合、それは評価を経たうえで、F-35のミッション・データ・ファイルズに書き加えられる。すなわち逐次にアップデートされていく。
敵情報だけでなく、もちろん味方国の航空機の諸情報も、MDFには登記されねばならない。
このファイルのアップデート作業を、フロリダ州のエグリン空軍基地でやっている。
たとえば、遠くの謎の航空機から、F-35がレーダー照射を受けたとする。MDFはそのレーダー波を解析し、それがどの国のなんという戦闘機なのかを、F-35のパイロットに教えてくれる。対空ミサイルが向かって来た場合も、同様にして、その正体をすぐに教えてくれる。
この、教えてくれるタイミングが、早ければ早いほど、F-35は無敵になる。なぜなら、敵機が、その空対空ミサイルが有効になる距離まで詰めて来ようとしているうちに、F-35の方が敵機よりも先に対策(反撃)を講じてしまうからだ。
エグリン基地では、「この地域のこの情報を入れといてくれ」とユーザーがリクエストしてきたアイテムを優先してデータライブラリに入力登載するようにしている。
F-35機載のミッション・データ・パッケージには、全世界の民航機の情報だって入れられる。しかし大問題がある。ひとつのデータを入力してライブラリに登載するのにも、けっこうなマン×アワーが必要なのだ。システムとして「インテグレーション」を取る必要があるから。
だからアイテムを選ばずにランダムに包括的に登載するようなことはやっていられない。最も死活的となる、想定敵国の戦闘機に関する最新データの追加更新を優先するべきだろう。
現実的解決として、げんざい、世界の地域を12に分け、その地域別に、12セットのミッションデータファイルを、空軍ではととのえるようにしている。
ミッションデータは最新の「3f」だけでなく「3i」や「2B」の機上コンピュータにも入っている。
ブロックIV になると、英国製のミサイルも発射できるようになる。
投下式の「細身爆弾」のII型も。これは三種類のセンサーを使える。赤外線、ミリ波、レーザー。
全天候で、動く標的でも直撃できる。
ブロック2BはAMRAAMが使えるようになる予定。
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Bill Gertz 記者による2018-6-19記事「China Industrial Policy Seeks to Steal ‘Crown Jewels’ of U.S. Tech」。
ホワイトハウスは、中共による経済侵略行為を、次の6種と定義する。
知財の剽窃。
技術移転の強制。
管理すべき輸出を野放しにしていること。
原料輸出を政府が恣意的に制限させること。
米国人の個人情報を含むあらゆる情報の収集。
国家後援企業を手先とした米国企業の開発スタッフごとの乗っ取り。
技術窃取は中共の公安部MSSがやらせている。MSSは海外に4万人、国内に5万人のスパイを置いている。
このMSSに、中共軍の10万人以上からなるサイバーコマンドが2013年から協力している。
百度はカリフォルニア州に研究所をぶっ建てて、グーグルやアップルやフェイスブック等のAI企業と競うつもり。
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Tom Ricks 記者による2018-6-19記事「Socrates the Military Analyst? What He Thought Made an Effective General」。
ソクラテスは若いときに兵士としてペロポネソス戦争で奮戦したことが知られている。
だがそれだけではなかった。
敵中退却三千里をやってのけた傭兵隊長クセノポンの回想によれば、ソクラテスは軍事分析の言葉も遺していた。クセノポンはそれを直接にソクラテスから聞いているのである。
司令官にとって戦術は仕事のごく一部。兵隊への需品補給もできなくてはならない。紳士的であると同時に残酷にもなれなくてはいけない。
また、クセノポン自身も言う。最高の指揮官とは。部下の兵隊たちをして「この指揮官に続いてわれわれは火と危険の中へ飛び込んで行くのだ」と思わせることができる者なり。