低温ゆえ腐葉土化してない地中堆積層の潜行的な延焼は、消火しようがない筈。

 Kyle Mizokami 記者による2018-7-26記事「Sweden Dropped a Laser-Guided Bomb on a Forest Fire」。
   スウェーデン空軍は2機のグリペンからGBU-49 レーザー誘導爆弾を投下することによって森林火災を消そようと試みた。クリスマスケーキの蝋燭を吹き消すのと同じ効果を期待した。
 スウェーデンの山火事は2週間燃え続けていて、アルヴダレン地区に近づいた。そこは陸上から消防隊の近づき難い僻地にあり、かつまた、古くからの射爆場である。不発弾を踏む恐れがあるから、もしアクセス容易であっても、消防士など投入させてよい場所ではない。
 グリペン戦闘機は、高度9800フィートから、1発の誘導爆弾を投下。着弾点から半径100ヤードの炎は、吹き消されるという。
 GBU-49は、500ポンド爆弾である。誘導は、レーザーにもGPSにも切換が随意。
 レーザーは煙に弱い。GPSは敵のジャミングに弱い。レーザーは移動目標を執拗に最後まで精密に追える。GPSは爆弾をリリースしたら母機はすぐ空域から離脱していい。それぞれ一長一短あるので。
 ※どう考えても戦闘機から高額な誘導爆弾を落とさねばならぬ必然性は無く、また、たかだか500ポンド×2発で山火事が消えたはずもない。ただの通常の射爆訓練を「消火」と称してみただけなのであろう。しかしそれを大真面目に報道させている当局は、いったい何を考えているのか。もともとスウェーデン人にも部分的にイカレたところがある。暑さでそれが発現するのか。
 1935年のこと。ジョージ・S・パットン将軍が、ハワイのマウナロア火山の溶岩噴出を止めようと、同火口を爆撃させたことがあったという。たぶん失敗しただろうが。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-8-5記事。
  エストニア人はフィンランド人の同類で、言語も近親。エストニアは、スラブ人の国々の中に浮かぶ孤立圏なのである。
 20世紀初めに、フィンランドとエストニアは合邦したらよいのではないかと話し合われたこともあった。が、バルト海によって分断されている地勢のために、まとまらなかった。
 首都のタリンに総人口の半分が暮らす。
 タリンとヘルシンキの間の距離は87kmである。
 エストニア人はタリンの放棄はできない。だから同市を「バルト海のスターリングラード」として徹底抗戦するつもりだ。
 露軍の軍事雑誌には、そのようにして要塞化された敵国都市をいかにして征服したらいいかという研究文がすでに寄稿され出している。
 彼らも、未来戦は市街戦だという認識なのだ。