(2003年頃に旧兵頭二十八ファンサイト『資料庫』へUPされたものです)
(兵頭 二十八 先生 より)
2003年10月の長野県・御岳山のロープウェイ事故報道に接し、旧著『日本のロープウェイと湖沼遊覧船』(2000年11月刊)の内容につきまして遺憾なところがあると痛感致しましたので、改めまして、この場をお借りて訂正をしておこうと思います。
この拙著につきましては、版元さんの方へは、間違ってしまった箇所について訂正のシールを貼ったり、正誤表を付して出荷をして戴くように要請しておいたのですけれども、その措置が確実にとられたかどうか、著者として承知をしておりません。
やはり、インターネット上できちんと訂正しておく責任があると思いました。特に、初期出荷分をお買い求め戴いた方々、あるいは図書館への初期納品を閲覧された方々は、どうぞ下記をごらん戴きたいと存じます。
お手数をお掛けして申し訳ありません。
なお、訂正そのものがもう情報として古いということもあり得ます。ご容赦ください。
●p.9 キャプションを以下に差し替え。
4人乗りの搬器と次々にすれちがううち、眼下に「海浜駅」が見えてきた。広い駐車場と、名鉄・内海行きのバス乗り場もある。
●p.12 右段。
スヘ → スペ
●青森県の補足。
小川原湖にも「グルメシップかみきた」があるという。8ノット、50人乗り。冬は休む。上北町営だ。
●p.17 キャプションにつけたし。
1983年製。23ノット、58人乗り。
●p.18 右段6行目。
開いてい無い → 開いていない
●p.19 左段 下から5行目。
いうべき、日本から → いうべき日本から
●山中温泉につけたし。
山代、山中、粟津、片山などを総称して「加賀温泉」といい、仲居が夜のご予定を斡旋する仕組みが今日なお生きている。
●p.21 キャプションにつけたし。
(株)京成マリーナ。
●p.27 大丸山につけたし。
建物の一部が残骸としてあり。
●p.27 キャプションにつけたし。
少し上に先代ロープウェイ搬器が転がっている。郊外の解体屋には先々代のグリーン/クリーム・ツートンの搬器がある。
●p.28 左段18行目。
起させる → 起こさせる
●p.32 鶴見岳の補足。
山上駅は標高1300m、別府高原駅(山麓駅)は503mにあり。斜長1816m、片道10分。建設費は4億8000万円。2号支柱は48mある。
●p.33 立石山の補足。
昭和58年の資料で船原山にリフトがかかっているのが確認できた。「志高ユートピア」というレジャー施設である。
●p.45 左段。
ペアリフト → シングルリフト
●p.53 右段5~6行目。
これは他にあまり例をみない… → 三峰、鶴見岳も覗ける。
●p.54 宮ノ下につけたし。
昭和27年12月開業、昭和33年リニューアル、斜長138m、高低差53m。3線である。
●p.58 くじら丸キャプションにつけたし。
前方天井に見える垂直の突起は、ときどき水を噴き上げて見せるノズルである。
●p.59 「さがみ湖ピクニックランド」につけたし。
山頂ペアリフトは平成4年3月のAnsaku製、バーなし、最高400m。スーパースライド用のシングルは搬器間隔8m、昭和52年3月設置、1m/秒。シングルは貨物の輸送は禁止されているとかで、スライドは並行のベルトコンベアで上げられてくる。
●p.65 下の写真のキャプションと、左の写真のキャプションが入れ違い。
●p.67 「まだふみもみず」は百人一首にもある小式部内侍の歌。
●p.71 補足。
1998年2月に、在イタリアの米軍F-16がゴンドラのロープを切り、100m落下して、スキー客20人死亡。パイロットは帰還し、軍法会議無罪。
●p.75 ルビ。
「きょうせんどう」→「きゅうせんどう」
●p.86 五台山ロープウェイに補足。
昭和44年2月開業、53年9月休止。
●p.89 左段いちばん下に補足。
雲辺寺の最大径間は1882m(2/3号支柱)という。立山は1710mだ。
●p.105 日本平に補足。
観光用索道のある山の中には「走り屋のメッカ」と化しているところがある。榛名、赤城、いろは坂、六甲山、筑波、箱根……。
●p.108 右段、下から7行目。
ものといえ → ものとはいえ
●p.112 修善寺に補足。
この「城山」と → この「城山山頂」と 運行は昭和39年5月からで、廃業は昭和52年12月。会社名は分からないと同町役場の産業課のご回答であった。
●p.117 左段。
『明石丸』 → 『赤石丸』
●p.118 七夕豪雨に補足。
これは昭和47年の7/5~7/12に全国を襲った「7月豪雨」のことかもしれない。
●p.119
行方 → 行き方
ともに上原造船所製である。
●p.122 その他に補足。
TDLのは、トゥモローランドとファンタジーランドを結んでいた。
ザウスは2002年9月30日に閉園した。
●p.123 東京都に補足。
昭和20年代、渋谷駅のハチ公の上に「ひばり号」というロープウェイが走行していたという。
麻布サルは筆者が2001年7月に実見したときはメイトが2匹おり、また、他の野生育ちとは異なって毛並みが異常に良かった。
●p.125 御岳山に補足。
「みたけさん」駅は海抜831m。
「大展望台」 → 「大展望台駅」
リフトは10時頃から、ケーブルは8時台から動く。
●p.131 右段。
じつは偶然にだが、私は → じつは、偶然にだが私は
●p.133 キャプション。
ピカビカ → ピカピカ
●p.134 眉山の先代搬器について。
当時の切符の写真をみると、車掌が乗れないくらい小さい。
●p.135 右段。
じつには僥倖だ → じつは僥倖だ
●p.136 キャプション。
「のアップ」をトル
●p.141 池田湖に補足。
2001年4月に、1隻が復活したらしい。
●p.153 右段1~2行目。
「震えている他にない」とあるが、原稿では「震えているより手がない」である。このような編集人によるくだらない勝手な直しが至る所にあり、その一方でこちらの指定をまじめに実行してくれぬので、実に難儀をさせられた。以上、ちょっと言い訳でした。
●p.153 右段の下から11~10行目。
現在~存在しない をトル
●p.165 長野県に補足。
茅野市の白樺湖に『ニューはくちょう』。98人乗り、6ノット。3kmの周遊で、冬は休む。
●p.174 キャプション。
支柱には~痕跡がある → 安全のため夏は積雪期より線路を低くできるようになっている。ペアリフトは1基90kgほどであるらしい。
●p.178 右段。
3~4行目の「御岳ゴンドラリフト・スカイラブ」と、8~9行目の「御岳ロープウェイ」は全くの名前の入れ違いでありますのでお詫びして訂正します。
●p.178 右段 12行目につけたし。
夏は運休する。
●p.178 右段、下から7~1行目はトル
●p.178 下の写真。
画像の下部に何かレールのようなものが写っているが、これは撮影者が自動車の内部から撮影したのでその窓枠である。もちろんトリミングの指定をしたのだけれども、編集部はどうでもいいと思ったようだ。
●長野県に補足。
苗場に「世界最長」を謳う5.5kmの「苗場-田代ゴンドラ」が登場したらしい。
●p.180 左段の説明を修正。
昭和60年7月26日に、単純な地滑りが起きた。地震は観測されなかった。松寿荘で26人圧死。
●p.182 右段「その他」の補足。
宝暦2年初演の『亀山の仇討』という芝居のバリエーションに「ふいご渡し」のシーンの入るものがある。石井兄弟が題材。
●新潟県に補足。
三条市からアプローチする下田村の笠堀ダムにも昭和30年代から遊覧船がある。
●p.189 左段。
スペック等不明だが → 11ノット、60人乗り、19トン。
●p.191 左段に補足。
他に『はっさき丸』もあるという。50名乗り、最も小型。
●p.194 書写山に補足。
市の肝煎で書写山の伽藍を解体修理するとともに、登山の負担をなくそうとした。
●兵庫県に補足。
姫路市の「手柄山中央公園」は昭和31年から整備され、昭和41年の姫路大博覧会に合わせて単線自動循環式の「スカイウェイ」が谷越えの等高運転をした。顛末不明。
●p.195 右段。
針伏山 → 鉢伏山
●p.197 神竜湖に補足。
『さくら』は6.1トン、航海5.5ノット、85人乗り。
『ふじ』は7.3トン、5.5ノット、120人乗り。
『はくちょう』『さつき』『わかば』も現役。
●p.203 キャプションに補足。
『すいせい』は21ノット、50人乗り。第5、第6、第7、第8がある。
●p.209 左段。
『いるか丸』 → 『いるか』
●p.214 右段、下から2行目。
真の山頂には → 藻岩山山頂駅前には
●p.216 左段、5行目。
降る → 下りる
●p.218 ひぐまの写真。
この写真は同ページの上段に大きく用い、前ページのキャプションと連接させるべきものである。さもないと面白い演出にならない……ということを編集者は分かってくれなかった。
●p.223 右段、5行目。
終点で、それに → 終点でそれに
●p.223 層雲峡に補足。
スキー場は11月にオープンし、リフトは10月に夏仕様から冬仕様に切り替えてスキー客を運ぶ。リフトの椅子は161基ある。
●p.228 下の写真のキャプションにつけたし。
ともに10ノット、60人乗り。
●p.232 左段2行目。
中旬までしか → 中旬しか
●p.232 大沼に補足。
航海速力は、11.0~11.8ノット。
●p.235 右段のルビ。
はんぜん → はいぜん
※分からないから編集部でルビをつけますというのは良いのだが、そのルビが間違っていたら何の意義があるだろうか?
●山梨県に補足。
昭和16年刊の『機械科学の驚異』(加藤弁三郎著)によると、昭和10年秋頃の新聞で、富士登山ケーブルカーなる計画が報じられた。吉田口から5合目まで、深さ40mに直径16m(すれ違い箇所では30m)のトンネルを掘り、5合目で地表に出して乗り換えさせ、さらに頂上へ。乗り換え式とするのは、一気に6.5kmを引き上げるワイヤーが無いためである。車は1台180人乗りの流線形で、頂上まで40分を予定。これで、女、子供の登頂を可能にする。総工費500万円。実現せず。
●p.253 平草原に補足。
平成12年末、平草原温泉のオバハンに聞いた話:子供の頃に大阪から旅行で来て乗った覚えがあるが、山頂駅は「グリーンヒル白浜」のあたりであったと。そこで同ホテルの玄関番老人に聞いたら、今のNHKテレビ塔のところだったと。
(管理人 より)
実に部数1000部という貴重書『日本のロープウェイと湖沼遊覧船』を閲覧していて、しかも尚且つ当サイトも見てるという方が一体どれほどいるのかわかりませんが、これが、あの野心的大著の訂正であります。因みに私はe-book offで買いました。