米・露・支すべてが勝手に滅亡したあとの日本中心のハッピー・セットを考えたい人は、今すぐに『世界の終末に読む軍事学』を予約しよう!

 書店発売は、今月の中旬であります。

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 Kamsi Obiorah 記者による2025-3-30記事「Taiwan’s Defense is out of Stock」。
   国防総省は、高額・高性能な空対艦ミサイルであるLRASMの調達をこれまで停滞させるに任せ、また米政府は、機能に定評がある地対艦ミサイルのハープーンを敢えて台湾に売ろうとしてこなかった。このおかげで2027の「予定日」を前にして、台湾防衛構想が難しくなっているのである。

 米空軍は、FY2020とFY2022に、ただの1発のLRASMの予算も要求しなかった。FY2021には、わずか5発が予算要求されている。

 米海軍は、FY2020からFY2025にかけて、毎年平均71発のLRASMを要求し続けている。しかしそれは空軍の無気力を補うほどの数量ではあり得ない。

 いまの調子だと、2027年には、海軍と空軍あわせて629発のLRASMを揃えていることになるだろう。しかしRAND研究所の見積りでは、台湾をめぐる65日間の米支戦争に必要なLRASMの数量は、1200発だという。

 台湾は、2020年に、FMSによる400発のハープーン・ミサイルと100台のラーンチャーの発注を済ませた〔代金を米政府に対して前払いしているということ〕。
 しかるに米政府がボーイング社にその製造を発注したのはそれから2年半後だった。

 いまのままだと、台湾は2026年の時点でも、既発注分の三分の一のハープーンを受領できているのみであろう。

 米政府は、ハープーンをまずウクライナにやり、ついでサウジアラビアに売るという優先順位を決めているのだ。台湾はその後まで待たされるのである。

 2023公表のCSISによるシミュレーション。もし2026に台湾有事となれば、米兵の1日あたりの死者数は、ベトナム戦争が酣だった時を上回るだろう、と。
 しかもLRASMは開戦初盤の3日目にして、すべて撃ち尽くされてしまうという。

 中共の建艦能力は今、米国の15倍である。中共の『076』型揚陸艦は世界最大サイズで、しかもカタパルトを有し、数十機の航空機を放つ。

 台湾の主力兵器メーカーは、近過去2年に、131発の「Hsiung Feng」対艦ミサイルを製造した。
 このポテンシャルは拡張されなくてはいけない。

 記者の提案。同時にアメリカは、有事に台湾を防衛するという約束を撤回するべきだ。なぜならアメリカには、その約束を果たすに足る、対艦ミサイルのストックがないからである。

 ※この記者には軍歴は無く、外交シンクタンクである「John Quincy Adams Society」に属す。このシンクタンクからは、米国は欧州防衛にもアジア防衛にも積極的に乗り出すべきではないという論議が量産されている。


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 ストラテジーペイジの2025-3-31記事。
  シンガポールは、そのマラッカ海峡警備のために、「MARSEC」という無人リモコン艇を採用した。排水量30トン。長さ16.9m、幅5.2m。最高速力50km/時弱。航続時間は40時間。

 これは2人のオペレーターによって操縦される。その操縦は、陸上または、すぐ近くの別の船の上からなされる。

 無線を有していなさそうな小舟に音声によって警告するため、LRAD= Long Range Acoustics Device も搭載している。
 武装は複数の 12.7mm machine-gun である。
 また、非殺傷性の、レーザー光線銃も備える。これは海賊に対して目潰しとして用いるそうだ。

 中共は、2000トンの『Zhu Hai Yun』を登場させた。
 それ自体、無人で動かせるという。AIを使うとフカしている。
 そしてその船内には、無人艇(一部は潜水型)と無人機が15機、収容されている。マザーシップなのだ。

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 Vladimir Signorelli 記者による2025-3-31記事「The Weaker U.S. Dollar Is MAGA’s Silent Killer」。
   ステフェン・ミランは、トランプ政権の経済アドバイザーの座長。この御仁、ドルを弱めればよいのだという考えなのだが、それを実行するとどうなるか。

 世界の「備え用の通貨」としてのドルの価値が下がるということ。
 トランプ就任いらい、ドルはすでにGoldに対して値を下げ続けている。
 Goldの価値がこのように上がるのは、歴史に徴して、警告である。これから経済の大波乱が来るという。
 1880年代、ドルは(重さ約二十分の一オンスの)Goldに兌換比率が固定されていたので、それは関税の変動に対するガードレールになっていた。

 1970年代にニクソン政権はドルの価値を引き下げた。それはスタグフレーションにつながった。今、ドルを弱くすれば、同じことになるだろう。

 弱いドルは、輸入品、なかんずく原油の価額を押し上げる。それは自動車燃料、食糧品、日用品の価額を押し上げる。それは、選挙でトランプを熱烈に支持した低所得者層の家計を直撃する。

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 Joel Jose and Siddarth S 記者による2025-3-31記事「Goldman raises odds of US recession to 35%」。
   ゴールドマンサックスは、米国経済のリセッションは20%ではなく、35%になるだろうと、予想を悪い方へ修正した。
 また米国の2025年の経済成長も、2.0%ではなく1.5%だろうと、下方修正した。

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 AFPの2023-3-31記事「China discovers major new oilfield off Shenzhen」。
  深センの170km沖の海底を掘れば天然ガスが出てくるという、昔も聞いたような大本営発表。
 CNOOC=China’s National Offshore Oil Corporation が月曜日に。
 埋蔵量は1億トンだそうだ。

 「Huizhou 19-6」という海底鉱区を試掘したところ、日量413バレルの原油と、6万8000立米の天然ガスが得られたと。

 ※このような宣伝をすることで、いったい今、誰にとっての得があるのか、絞り込めない。

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 The Maritime Executive の2025-3-31記事「Iran Reports Stopping Two Foreign Tankers for Oil Smuggling」。
  イラン当局は、外国船籍の2隻のタンカーを密輸容疑で拿捕して曳航中という。積み荷は「diesel fuel oil(=軽油)」だという。

 船名は『Star 1』と『Vintage』。
 うち1隻はUAEの所有らしい。イランから石油製品を搬出する密輸集団が存在するのだという。

 また1隻は、中共から固体ロケット燃料用の原料を運んでいるとの既報あり。

 ※イランはホルムズ海峡の水中で核実験するだけでトランプ政権を打倒できる。ガソリンが高騰するとどんな米政権ももちこたえられないのだ。トランプもそれを知っているし、イランもそれを知っている。だからイランが空爆されることはない。

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 Mark S. Bell and Fabian R. Hoffmann 記者による2025-3-31記事「Europe’s Nuclear Trilemma」。
   欧州はロシアの侵略を、短射程の戦術核だけでは、止められない。というのは、ロシアは初盤で簡単にバルト三国を占領してしまい、そこを次の作戦基地にできる。「アグレッシヴ・サンクチュアリゼーション」という戦略だ。そこに居座った露軍に対しては、英仏は、核攻撃をしかねるだろう。

 ※バルト三国がダーティボムと長距離UAVを組み合わせた対モスクワの報復手段を取得する以外に、合理的な抑止は無理だろう。無理な抑止を構築するに足るカネが、英仏にはもう無いはずだ。


世界の終末に読む軍事学


ポーランドが今、露軍から侵攻された場合、弾薬の備蓄量からして、単独では、2週間しか戦争できないそうだ。

 同国の、国家安全保障委員会の大将が、報道機関のインタビューに答えた。

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 Gary Warner 記者による2025-3-25記事「Navy to spend $300M to prepare Naval Base Kitsap as a homeport for Ford-class aircraft carriers」。
    ワシントン州の軍港キットサップにフォード級の巨大空母『JFK』を受け入れるための改修工事に、海軍は3億ドルを投ずるつもり。
 それには、隣接ブレマートン市に新設される変電所と新電力系統も含まれる。

 『JFK』は今年の夏に就役する予定。建造したのは東海岸のニューポートニューズ。今は東海岸で公試運転中。

 ただし、キットサップの改修は、工期4年が見込まれている。そのあとで、ようやく『JFK』の母港にすることができる。2029年より先の話なのだ。

 電力網の一新は、なぜ必要か?
 『ニミッツ』級空母の母港には、4160ボルトの給電が必要だったのに対して、『フォード級』だと1万3800ボルトが必要なのだという。※ワットアワーではなく電圧で表現している記事の意味がどうも呑み込めぬ。

 『フォード』級は、『ニミッツ』級よりも電力を喰うのだが、そのかわり、固有の乗員は減っている。最後の『フォード級』空母である『GHWブッシュ』(2009就役)よりも344人、省力化されている。だいたい2800名である。

 これは、出撃時に連れていくパイロットと整備員2500名とは別。

 『ニミッツ』級は、艦のサービス・ライフを50年として設計されている。その現役の中間時点で、大修理を施す。長期間ドックに入れて、上甲板から機関室までバラし、2基の原子炉内の核燃料を交換するのだ。この作業は、ニューポートニューズにあるハンチントンインガルス造船所でしかできない。
 1番艦『ニミッツ』はもうじき、退役して解体工程に入れられる。

 海軍は、今11隻ある『ニミッツ』級を、古いものから逐次、『フォード』級で更新するつもり。
 いまのところ、『フォード』級は6隻、計画されている。しかし工事はスケジュールより遅れている。

 もっか建造中である3番艦『エンタープライズ』は2029年に就役させようとしているが、どうなるかわからない。

 4番艦の『ドリス・ミラー』(真珠湾空襲のときに炊事係ながら対空機関銃を撃ちまくった黒人水兵の名にちなむ)は2032年に就役させたい。5番艦『クリントン』は2036に就役させたい。6番艦『GWブッシュ』は何年の就役を見込むか、発表されていない。

 ※むかしの帝国海軍ならば、敵の最新鋭巨大空母(エセックス級)が登場する前に対米開戦せねば――という発想になっちまったわけだが、今日、中小の水上艦をベルトコンベヤ式にマスプロしているのは中共の側なので、彼らはぜんぜん焦っていないだろう。それに、大急ぎで開戦に間に合わせた『瑞鶴』も、就役して1~2年は大活躍なんかできなかった。空母システムは2年くらいかけないと、チームとして仕上がらないからだ。中共は、『JFK』が2027の台湾戦争に間に合うとは思っていないだろう。ところで『カールビンソン』が先日、グァムに入港した直後に、島に接近中の同空母の航跡を宇宙から撮影したと称する人工衛星の写真が、なぜか、公表されている。そしてウェブサイトで調べれば、現在はシャム湾の奥、バンコックのすぐ南の沖に所在することも分かってしまう。あたかも、中共海軍からの先制攻撃を誘っているように見える。ヘグセスの「シグナル」事件は、じつはイランからの奇襲攻撃を誘う罠のつもりだったのでは? トランプは、金喰い虫の米空母が無用の長物であることを、なんとしても証明したいのでは? そして私は予言する。フォード級の建造が中止と決まらない場合には、7番艦の艦名は、トランプとされるだろう。

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 Alison Bath 記者による2025-3-26記事「Navy’s shipbuilding strategy requires total overhaul to meet aims, audit finds」。
    米会計検査院GAOは、火曜日に報告した。
 米海軍は、今296隻ある戦闘用艦艇(補給艦なども含む)をこれから30年で381隻に増強したいと言っているが、無理じゃね? と。

 非現実的な設計計画のLSМも、このままでは、ズムウォルト級や、新鋭フリゲート艦の轍をなぞり、コスト数倍、納期は延び延び、けっきょく数隻の調達で打ち切りという運命が見えているぞ、と。

 ※GAOは米海軍に対して、軍艦の建造に適用できる民間商船の建造ノウハウが数百もあることを細かく教示し、その提案のうち数十は、過去にじっさいに反映されたそうである。すげぇ。

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 Jorge Rivero 記者による2025-3-25記事「Innovating Under Fire: Lessons from Ukraine’s Frontline Drone Workshops」。
   記者はことしの1月、5日間にわたってウクライナ軍の海兵部隊を取材し、根掘り葉掘り、最新知見を集めることができた。

 現状、露兵の死傷原因の7割は、宇軍のUAVによっている。
 また、露軍兵器の破壊要員の9割が、宇軍の無人機攻撃によっている、そんな戦線もある。

 宇軍のすべての前線「大隊」内に、12人くらいからなる「無人機ワークショップ」がある。そこで諸問題が機動的に解決され、最新戦術も生み出される。
 急に必要になった部品は、3Dプリンターでこしらえる。

 電池のメンテナンスも、このワークショップの担任だ。電池供給が、いまや、死活的に重要。
 不良電池をつけてUAVを飛ばすと、途中で墜落したり、目標破壊に失敗する。これによって攻撃が頓挫するだけでなく、得られなくてはいけなかった情報も得られなくなってしまう。影響が甚大。だから、悪い電池を1個でも混在させてはいけない。

 敵のEWに即座に対処する決定権限も、ワークショップが担うしかない。この対応を軍隊の官僚機構に任せていたら、数週間も、敵の優勢を許してしまい、こっちの領土が削られてしまう。とりかえしがつかない。

 ワークショップがあることで、過重労働で疲労しているドローン操縦チームが、さまざまな余計な雑務から免除される。ドローン戦術に持続して集中できるようになるのである。

 ドローンへの爆薬類の取り付けは、電気雷管や火薬類を取り扱えるプロが所在しているワークショップが専任する。これを末端のドローン部隊にさせることはまったく推奨できない。危険すぎるからだ。

 ワークショップは、敵も優先的に破壊しようと鵜の目鷹の目で探している。もし所在が絞り込まれると、ミサイルが飛んでくる。だから、ワークショップは車両で移動できるようにする。最前線で味方にサービスしつつ、敵の砲兵の的にはならないように、河岸を変え続けるのだ。
 この車両には、デジタル通信端末も、備わっていなくてはいけない。

 リトアニア軍もこの研究をしていて、UAV用のワークショップを一式載せて移動できる車両は、他からの燃料補給等がなくとも2日間は活動できるようにできていなければならないと結論している。

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 AFPの2025-3-25記事「NATO takes Ukraine lessons into Europe’s top air defence drills」。
   NATOはこれから連続十日間の防空演習をする。反映されている最新のシチュエーションは、「シャヘド136の大量使用」である。西側の防空担当者は、この難問に即時に向き合わなくてはいけない。

 「シャヘド136」が特定目標を攻撃するとき、その「軌跡」にはパターンがあるだろうか? 有益な情報は、すべて、ウクライナ軍が持っている。


<正論>硫黄島の戦いが今に伝えること/軍事評論家・兵頭二十八

※産経新聞WEBサイトに無料登録すると読めます。


来月の新刊の予約が可能になっているようです。

 並木書房さんの『世界の終末に読む軍事学』です。

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 The Maritime Executive の2025-3-16記事「Second Shipload of Ballistic Missile Fuel Nears Iran」。
  貨物船の『MV Jairan』がマラッカ海峡を通過した。同船はイランが中共に派遣した2隻の貨物船の2隻目で、中国産の「sodium perchlorate」=過塩素酸ナトリウム を満載して、バンダル・アッバス港に戻らんとす。

 過塩素酸ナトリウムは、過塩素酸アンモニウム(ammonium perchlorate)を製造するための原料になる。イランは、過塩素酸アンモニウムから、弾道ミサイルの固体推薬を製造する。

 ※ウィキで補うと、過塩素酸アンモニウムに合成ゴムとかアルミ粉を錬り混ぜたものが、日本のH-II型ロケットのブースターになっている。別なモノを混ぜれば「カーリット」という爆薬になってしまう。

 このフネのオーナーであるイランの船会社は、米国財務省によって制裁対象に定められている。
 いまのところAISは切っておらず、おそらく3-26よりも早い日に帰港するだろう。

 『ジャイラン』は1万6694トン。このたびの過塩素酸ナトリウムは、24個のコンテナに詰め込まれている。
 この量だと、過塩素酸アンモニウムにした場合、250発の中距離弾道弾のブースターに化けるだろう。

 イラン国内のロケット推薬工場は、Parchin (テヘランの南)と、Khojir にある。

 フーシやヒズボラにロケット弾を援助しまくっているイランは、どうやら、深刻な「過塩素酸アンモニウム飢饉」の状態にあるらしい。

 貨物船は、マラッカ海峡を抜けてインド洋に入ったところで、イラン海軍からのエスコートを受けるはずである。

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 ストラテジーペイジの2025-3-16記事。
  世界の原油生産のビッグ3は、合衆国、サウジ、ロシアである。この3国で39%を掘っている。

 ロシアは、イランからカスピ海の舟運を使って入手したモノを活かすために、ヴォルガ川とドン川を連絡する、長さ101kmの運河〔1952年にできたという〕を2023に大浚渫し、大型船が、カスピ海と黒海の間をそのまま行き来しやすくなるようにした。

 現状、積み荷5000トン、全長140m、幅17m、吃水3.5mまでの貨物船なら、カスピ~黒海を自由に出入りできる。

 件の運河は、年に1200万トンの物資を通す。現状、その半分は原油もしくは石油製品である。
 ロシアは、イラン船がこの運河を利用することを2021に許可した。

 この運河の途中には13箇所の閘門がある。
 ヴォルガ河は、カスピ海に注いでいる。
 ドン河は、アゾフ海に注いでいる。

 カスピ海の塩分濃度は、黒海の三分の一くらい。

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 Olena Harmash 記者による2025-3-17記事「Ukraine’s Zelenskiy appoints new chief of general staff to speed up reforms」。
  ゼレンスキーは、Anatoliy Barhilevych 中将の参謀総長職を解き、後任に、Andriy Hnatov 少将を据えた。日曜日の人事。
 Hnatov の軍歴は27年である。

 ウクライナ軍はいま、88万人、いるであろう。

 今年はじめ、宇軍の中枢は、「旅団」中心の編成を、「軍(corps)」中心の編成にあらためたい、と言っていた。
 これは、総延長1000kmある対峙線で有機的に重点を形成するためには、旅団単位で決心していては、スピードが遅すぎるという反省から。

 ※自由主義世界の――つまり統制経済システムではない――先進社会においては、これからは、大型工事だとか大規模建設プロジェクトにかかわることが、ますます《不吉》になる一方だという厭な予感がする。その代表例は北海道新幹線だが、これは永久に完成しない気がする。核戦争後の倉庫になると思えば、既成部分は無駄にはなるまいが、未整部分は、どんどん完成予定年度が遠くへ離れ去っていく。あたかも膨張する宇宙の辺縁のようだ。上水網や下水網だって、自治体はこれから、まともに維持するだけでも手一杯になるだろう。投機マネーを集めて比較的に速く完工するタワーマンションも、数十年経てば共用部分の修理がマネージできなくなり、廃墟化すると噂される(人が住まない前提のフラックタワーは、この苦労が無い)。おそらく、これからの正しい方向は、システムをできるだけ細分化することだ。「旅団」を「軍」にまとめてしまうのではなく、その逆に、「旅団」を「小隊のあつまり」に替えて行くイメージだ。200cc.以下の「サイドカー」で16歳の少年が荷物を運搬して小遣いを稼ぐことを、法令で許すべきだ。そのドライバー経験を2年積んだら、こんどは18歳で「乗客」を運んでもいいことにするのだ。この流儀なら、過疎自治体の独居老人は、生き残れる。

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 Defense Express の2025-3-16記事「How Ukrainian Soldiers Counter Enemy Tactics in the Kupiansk Sector」。
  露軍は歩兵を小部隊に分割して、夜間、宇軍の背後の補給道路に地雷を仕掛けさせている。これを翌朝に除去する宇軍の工兵の負担が増している。

 露軍の自爆ドローンもさいきんは、光ファイバー・ケーブルで操縦されるようになった。これを迎え撃つ宇軍の兵士は、ポンプアクションのショットガンを使っている。宇軍のすべての部隊に、その散弾射撃の専門兵が置かれている。彼らは特別に訓練されている。

 ※宣伝ビデオによると、露軍は「シャヘド136」の国産品を、ピックアップトラックに背負わせて、そのトラックを疾走させることで、離昇のための初速を与えてやり、それによって、RATOの調達費用を節約している。おそらく、RATOを量産するための過塩素酸アンモニウムの入手が、おいつかなくなってしまっているのではないか? こうした特定ケミカル原材料の不足は、世界的な現象のように思われる。

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 AFPの2025-3-16記事「China’s Baidu releases new AI model to compete with DeepSeek」。
  また新しい無料のAIサービスがインターネット市場に投入された。
 「百度」が開発した「Ernie 4.5.」。
 1月にリリースされたライバルの「ディープシーク」よりもさらに低コストだという。
 また、他社のAIよりも回答が速く出てくる、と主張している。

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 The Maritime Executive の2025-3-16記事「Russia Agrees to Help Landlocked Ethiopia Rebuild its Navy」。
  エチオピアは、海軍を復活したがっている。ロシア海軍はそれに手を貸しましょうと言って、エチオピア政府に近づいている。

 エチオピア海軍は1950年代に創隊されたが、1993にエリトリアが分離独立してしまったことにより、エチオピア領土には海岸線がなくなってしまった。

 しかし2018年、エチオピアの新首相アビィ・アーメドは、海軍を再建することに決めた。フランスが助けてくれると彼は思っていた。
 2019にマクロンがエチオピア訪問。まず人材教育がスタートした。
 それは外国頼みとならざるを得ないので、ロシアが手伝いますよと言って来れば、エチオピアは断らないのである。

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 「mil.in.ua」の2025-3-16記事「US Considering Recognition of Somaliland in Exchange for Military Base」。
  『フィナンシャル・タイムズ』紙によるすっぱ抜き。
 米政府は、ソマリランドを国家承認してやるかわりに、紅海に面するベルベラ港付近に米軍用の海軍基地を置かせろ――と要求しているそうだ。

 ついでに、ガザ住民や、米国内から追放する輩の定住地も、ソマリランド内に提供してくれよ、と言っているらしい。

 なお、「国際刑事裁判所に関するローマ規定」の「アーティクル7」によれば、住民を強制移住させることは「人道に対する罪」とみなされ、ICCがトランプ一派を訴追することになるであろう。

 ※雑報による、カナダ人と米国人の労働者としての境遇比較。カナダの最低賃金は1900円~1500円。米国の最低賃金は7.25ドル=1078円。連邦の所得税の中央値は、カナダが20.5%、米国が22%也。健康保険は、カナダは税金でカバーされ、米国は1人が平均7000ドル/年を負担する。労働組合の組織率は、カナダが30%、米国10%也。有給の育休は、カナダでは最大78週間。米国ではゼロ。よってカナダ人はトランプ軍とあくまで戦う。併合されても良い事無いから。


世界の終末に読む軍事学


ポルトガル軍は米国製のF-35の購入をキャンセル。手持ちのF-16も、欧州製戦闘機で更新するという。

 Sofiia Syngaivska 記者による2025-3-14記事「Over Half a Million Wounded Service Members, the Strain on russian Military Medical System Further Drains」。
   ロシアの諸地方で、民間の病院や医院の閉鎖が相次いでいる。無医村がどんどん増えている。
 医師や医療従事者たちが、皆、傷痍軍人の手当てのために、西部の都市に駆り出されているからだ。

 2024年には160の公立病院が閉院した。それには産科18施設、小児科10施設が含まれる。
 げんざい、ロシアには50万人以上の傷痍軍人がいるはずである。

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 ロイターの2025-3-13記事「Trump says he still has ‘great relationship’ with North Korea’s Kim Jong Un」。
  トランプは語った。ひきつづいて北鮮の三代目とは良好な関係を維持していると。

 これはNATOの事務総長のマーク・ルッテを前に、オーバルオフィス内で語った。そのさい、三代目のことを「ニュークリア・パワー」だと表現している。「I have a great relationship with Kim Jong Un, and we’ll see what happens, but certainly he’s a nuclear power」。

 ※たぶん国務省系のスタッフの入れ知恵だろうが、「IT」でもなく、「SHE」でもなく、「HE」を使うことで、米政府が北鮮を「核武装国家」として認めたわけじゃないよ、とエクスキューズができる余地を生じさせた。トランプは、1月20日に、北鮮国家を指して「ニュークリアパワー」と呼んでしまったので、その痛い失言を、修正させるべく、国務省系スタッフが、わざわざこの場で発言させたものと思う。表には出てこないが、有能なプロンプターが、居るのである。あたかも、日銕の会長が不必要千万に攪乱してくれている日米関係を、水面下で必死で鎮静化させるべく奔走しなければならないわが外務省スタッフたちの図。

 ※3-10に北鮮は、日本海ではなく黄海に、弾道弾複数を打ち込んだ。この日よりも前の時点で、トランプと三代目との間になんらかの連絡があったと邪推することもできよう。米軍基地とかんけいない方角、なかんずく中共領土の方角に発射するのなら、不問に付すというわけだ。

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 Zach Winn 記者による2025-3-14記事「Making airfield assessments automatic, remote, and safe」。
    数学の博士号をこれから取ろうというランドール・ピーターセンは、MITの修士学生として5年間、米空軍のために、空爆を受けた滑走路をすばやく点検して被害の全体図を得る最適手順の研究を続けてきた。
 敵の攻撃には、ケミカルもあり得る。残っている脅威には、不発弾もあり得る。

 デブリが散乱している広い飛行場の景色から、クラスター爆弾の「子弾」の未発弾を、いかにして瞬時に見分けるか。

 ピーターセンは、その仕事はUAVにさせるしかないと理解している。もともとピーターセンは西海岸の空軍大学校で土木建設の勉強を始めた。スポーツとしてクロスカントリーも続けている。歩き回るのは嫌いじゃないが、飛行場はとにかく広すぎるのだ。しかも被爆後の踏査には防護服の着用が必要だ。

 マルチスペクトラムの光学センサーを積んだ無人機が、いちばん早い仕事をしてくれる。

 MITが研究の場として優っているのは、そこでは企業や軍のパトロンがすぐにみつかる。それと、学科や専攻を越えた「お知恵拝借」がふつうに可能で、難題を次々に乗り越えられる。

 次。
 WSJ の記事「When Dana Bare tried to quit Xanax, it was too late」。
  ベンゾジアゼピンは、抗不安、催眠、筋弛緩の作用を服用者にもたらす。連用すると、脳がやられて痴呆化する。

 2023年には米国内で2400万人以上が、「ザナックス」のような薬物を摂取している。ザナックスはベンゾジアゼピン系である。ベンゾジアゼピンが、政府公認の処方薬の中に入っているのだ。

 症例。ダナ・ベアー。ザナックスを飲むようになってから2年後、パニック障害が突発するようになった。
 しかも、なにかをすぐに忘れるようになってしまった。

 ダナ・ベアーは、医師から処方された不眠治療薬として、ザナックスを飲み始めた。10年以上前だった。
 すぐに眠れるようになった。

 しかし、やがて彼女の神経系は衰弱し、身体が、このドラッグに依存するようになった。
 5年前、彼女はザナックスをやめようとした。すると、脳が電撃を発して身体を苦しめた。たとえばシャワーを浴びるや、何かにつきとばされたような感覚が走り、激痛が1時間以上続いて、ついには失神するのだ。

 ザナックスを服用すれば、このような苦痛は収まる。身体が依存症になったわけである。ヤク中だった。

 Xanax は、alprazolam のブランド名である。近似した薬品には、Klonopin (clonazepam)、Ativan (lorazepam)、Valium (diazepam) がある。これらは、たちどころに服用者を鎮静させ、眠らせてくれる。不安の多い時代には、需要されるのがしぜんだ。

 ザナックスは、パーティ・ドラッグとしても濫用される。
 長期服用者は、しだいに、必要量が増えて行く。

 次。
 Ian Schwartz 記者による2025-3-13記事「Rep. Maxine Waters: Trump Expects Violence and Confrontation, “He’s Working Toward A Civil War”」。
   加州選出の民主党下院議員、MAXINE WATERS は言う。奴はもう一回、米国内で内戦を起こす気だ。そしてアメリカの独裁者になるつもりなのだ。
 奴が「鑑」と讃仰しているのはプーチンと三代目だ。

 奴は選挙前から言っていたじゃないか。当選しなかったらシヴィル・ウォーだと。隠してないんだよ、そもそも。

 キング牧師は、細民は抵抗するために組織としてまとまれ、ただし暴力はいかんぞ、と教えていた。俺はその教えを守ってきた。
 だが奴の方は、米国社会をどうしても暴力の巷へもって行く決意なんだ。

 次。
 AFPの2025-3-14記事「US bars Thai officials over Uyghur deportations」。
  タイ政府が、国内にいた数十人のウイグル人を2月後半に中共の求めに応じて中共へ身柄送還してしまったことに米国政府は腹を立て、マルコ・ルビオは金曜日、タイ政府の公務員に対するヴィザの発給を停止させた。

 ルビオはカナダで開催されたG7に出席している。
 ルビオは上院議員時代から、ウイグル問題で中共を攻撃し続けていた。



世界の終末に読む軍事学 [ 兵頭 二十八 ]

(管理人より)

 兵頭本最新刊『世界の終末に読む軍事学─パズルのピースは埋めておけ』
 兵頭二十八先生は、普通の会社員がマジで引くくらい貧乏だったので(いまも?)、本当に売れてほしいです。私は当然に買います。


【臨時急告】またしても「お役立ち」動画が出ましたぜ! 

 YouTube に「kurobe356」さんがアップロードしてくださいました。

 「【切り抜き動画】ベトナム人民軍式自転車による負傷者運搬訓練」です。
 https://www.youtube.com/watch?v=KDqoRidJKso

 担架を同時に2つ運び出すことができる《縦列2輪荷車》なんてものが、あり得るのかどうか、疑っておられる方は、まずこれをご覧くださり、その後で小生の「note」をご確認くだされば、理解は進むでしょう。

 ご注意。
 動画では、物資運搬のついでに、人が「乗車」しているシーンがあります。それに対し、私がこれから実車製作してテストしようと念願しているのは、あくまで、《特別な荷車》です。
 座席は最初から設けず、後輪を駆動させるメカニズムも一切無し。したがって日本の法令上の「自転車」ではございません。

 小生の管見ですが、概して「自転車マニア」の方々は、今回の事業のパートナーにはなり難い人々だと想像をしています。スポーツ競技やレジャーへの関心が強すぎるためです。
 「輸送」や「補給兵站」や「救護」にご関心の中心のある方々にこそ、この動画は見て戴きたい。切なる祈願であります。


兵頭二十八 note

【切り抜き動画】ベトナム人民軍式自転車による負傷者運搬訓練


兵頭二十八先生の産経新聞「正論」欄の連載が始まりました。(管理人より)

(管理人より)

「正論」新メンバーに前駐中国大使・垂秀夫氏ら 新たに10人決まる

 一体いつ始まるのだろうと思っていたけど、2月6日に公開されていました。まさか単発ってことはないと思うので、良かった良かった。
(「いつ始まるんですか?」とご本人に聞けば良いじゃねえかと思う方もいるかもしれませんが、待てばわかるものを質問するのは、私は苦手なのです)

<正論>ベトナム「2輪荷車」が秘めた力/軍事評論家・兵頭二十八

 無料の会員登録が必要になるようですが、ネットで読めました(ベトナム政府様! マジでよろしくお願いします!)

今更ですが皆様、2025年もよろしくお願いします。


電気ストーブの消し忘れをなくすには、人が立ち上がって室内を見渡したときに、必ず視野に青色の輝点が飛び込んで来るように、商品の頂部(天板)にLEDの通電インディケーターが上向きについているべきである。

 募集中! タンデム2輪の「手押し」荷車の模型を造ってくれる人、ご連絡ください。

 次。
 David Hambling 記者による2025-1-10記事「1,200,000 Drones: Ukraine’s Unmanned Weapons are Transforming Warfare」。
   2024年の1年間だけで、ウクライナは120万機のドローンを組み立てた。
 長距離片道攻撃用の「Lyutyy」という国産無人機は、レンジが600マイルである。

 それらすべてのドローンのうち、9割は、対AFV用のFPVクォッドコプター。

 民間篤志のファンドライザーが、国家以上の貢献をしている。Serhii Sternenko というボランティアは、13万3000機のFPVドローンを宇軍に寄贈した。これはNATO加盟国のどの1国の陸軍の保有ドローン機数よりも多いのである。

 FPVドローンの主流は、サイズが「7インチ・フレーム」から「12インチ・フレーム」までの、レーシング用ドローンである。

 FPVドローンの搭載爆薬量は、劇的に増えた。2022年においては、1.5kg=3ポンドの爆装がギリギリだった。しかし最近では、3kg=6ポンドの爆装をしているものがある。
 特攻マルチコプターのレンジは、理論上、12マイルあるが、現実には3~6マイル飛んだところで目標に突入している。

 片道特攻UAVのうちどのくらいが、サーマル・カメラを搭載しているのか、その統計は無い。しかしSNSに上がっているビデオの比率からして、その数はまだとても少ないものと考えられる。

 24年に、ウクライナ軍は、露軍のUAVを空中で体当たり撃墜する作戦を始めた。その撃墜スコアは、いまやトータルで1000機を越えている。

 Sternenko が扱っている FPVドローンの単価は、昼間用カメラ搭載モデルだと、300ドルから460ドルくらい。価格はフレーム・サイズに比例する。
 夜間対応カメラ搭載モデルだと、これが、700ドルから800ドルになるという。

 偵察用として最もポピュラーな市販機は、「DJI Mavic 3」だろう。
 滞空45分可能、ズームは標準で56倍である。
 「Mavic 3T」は、サーマルカメラ搭載のバージョン。小売価格にして4000ドルだ。

 固定翼の偵察ドローンは、2024年に5000機が供給された。品名としては、「Shark」「GOR」「Furia」など。

 そのうち「A1-CM Furia」は、電動で3時間滞空可能。最大で50km先から動画を電送できる。航法にGNSS信号は必要としない。夜間も飛べる。コストは7万ドル。

 重量級のマルチコプターは、2024年には2000機が供給された。「Nemesis」「Kazhan(“Bat”)」「Vampire」などの品名あり。ヘクサコプター型もしくはオクトコプター型である。これらはすべて、夜間飛行に対応。

 単価2万ドルする「E620 Kazhan」のペイロードは20kg。レンジを8マイル以上にしたければ、この荷物は減らす。
 重量級マルチコプターは、82ミリ迫撃砲弾や、120ミリ迫撃砲弾を投下する。「TM-62」という対戦車地雷を改造した特製爆弾も投下する。
 重量級マルチコプターを、地雷敷設に使うこともある。地雷原には最初、味方が通行できる通路を設けてあるものだが、敵がやってきたら、その通路にも地雷を置かねばならない。そういう任務に役立つ。

 片道長距離自爆攻撃機は、2024年中に、6000機以上、調達された。品名としては「Lyutyy (“Fierce”)」や「Firepoint」など。
 精油所や、空軍基地を空襲しているのは、このタイプである。
 宇軍は2025年には、このタイプを3万機、調達する計画だ。

 「Lyutyy」はウイングスパンが23フィート、ペイロードは100ポンド超で、レンジが600マイル以上。「シャヘド136」の対抗品といえる。単価は20万ドル。

 軍功章を授与されたオペレーターの Timofiy Orel は、2024-1~5月、42両の戦車、44両のBMP、10両のMT-LB、28両のBTR装輪AFV、露兵400人を、その率いるチームのドローンで破壊殺傷した。

 次。
 Prabhat Ranjan Mishra 記者による2025-1-10記事「New US spy drone can fly at 15,000 feet for 14 hours, pack 30-pound payload」。
 米陸軍は、「Textron Systems」社が開発した新型ドローンを受領した。1月中に、用法に習熟する。
 「MK 4.8 Hybrid Quad (HQ) Aerosonde」という。
 4軸電動ローターにより、垂直に離着陸するが、巡航時は、内燃エンジンのプッシャープロペラと主翼の揚力を用いる。滞空14時間可能。高度1万5000フィートまで上昇でき、ペイロードは30ポンド。主に偵察に使いたい。

 BCT=旅団戦闘団 の目となる。

 機材は、兵隊2人で担いで動ける。組み立てて発進させるまでの時間は30分。
 エンジンの燃料は「JP-8」。

 ※陸軍のプロジェクト名を「FTUAS」と言うらしいのだが、これはぜったいに、彼らの脳内で「フタ」と変換されている。日本のエロアニメ・ジャンルの「ふたなり」はすでに英語として通用するのだ。

 次。
 Victor Davis Hanson 記者による2025-1-10「X」投稿「Dresden in Los Angeles and our Confederacy of Dunces」。
  LAの有権者は、じぶんたちで選んだ左巻きのペテン師たちの行政のおかげで、このたび廃墟を得た。

 新規の貯水池整備を禁じ、既存のダムをぶっ壊して陸水を無駄に海へ注がせ、「気候変動」に対処した気になっていた、その愚劣の報いをじぶんたちが受け取ったのだ。

 古いタフガイ・タイプの白人男性消防士はよくないといって上から下までDEI採用枠を増やした、その結果が示された。LAはWWII中のドレスデンにされてしまった。

 次。
 Howard Altman 記者による2025-1-10記事「One Of Just Two CL-415 Super Scooper Planes Taken Out Of Palisades Fire Fight By Drone」。
   2機しかなかった「消火用飛行艇」のうち1機は、ドローンとの衝突により、飛べない状態だった。

 「CL-415」は別名、スーパー・スクーパー。海面に着水して5分ほど滑走すると、胴体内の1600ガロンの水タンクが一杯になる。それを抱えて離水し、山火事の上から散水できる機体だ。

 FAAによると、消防活動を妨害したドローン操縦者は、禁錮12ヵ月+科料7万5000ドルに直面する。

 ※海水をポンプで汲み上げて消火栓に供給する「Fire main」という設備が大型船にはあるようだが、これを陸上に常設できるかどうかが、今後、研究される価値があるだろう。それにしても、金満家の豪邸の多くが「耐火」設計になっていなかったとは、呆れた。もしLAが核攻撃を受けた場合、いちばん遠くまで届く熱線により、住宅は全滅だろう。考えが甘いにも、程がある。


新年あけましてお目出度う存じます。

 このようなご挨拶が毎年可能になっている、身の幸運を噛みしめております。
 ちかごろ旧往来の整理がままならず、賀状を出しそびれてばかりなのですが、この場を使いまして、皆々様のご厚誼に心より御礼申し上げます。

 次。
 David Choi 記者による2024-12-31記事「North Korean troops making ‘human wave’ attacks against Ukrainian forces, US says」。
    ウクライナに対するバイデン政権最後の軍資金援助(それには文官の給料も幅広く含まれる)についてイエレン財務長官はコメント。ウクライナがうまく行くことが、合衆国のコアな利益なのである。ロシアによる違法な侵略を阻止することは、世界の民主的でルールに基づいた秩序を擁護し、米国の安全と経済的利益を増進する所以だ。またこれが、他の専制主義体制や侵略計画国〔=中共〕に対し、お前らは揺るぎのない決意に直面するんだぞ、との、疑いの余地のないメッセージにもなる。

 ※これは、次のトランプに対する、最も短く要約した説教になっている。トランプ爺さんは長い文章は読んでくれないらしい。しかしこのくらいのレトリックなら、テレビ・ニュースの音声を通じ、頭に入るだろうという計算を、現政権の中枢では、しているのだろう。現政権スタッフが、最後の仕事と思って、張り切っている感じがする。

 次。
 James W. Carden 記者による2024-12-30記事「The Untold Story of Carter’s Fateful Foreign Policy」。

  カーターは長寿だったが、ロザリン夫人もすごい。77年間連れ添って2023-11にご逝去であった。

 カーターの外交は、ズビグニュー・ブレジンスキー補佐官(国家安全問題担当)が領導した。
 ブレジンスキーはなんとしても政権中枢に参与したかった。だから、1976の大統領レースでカーターの敵手になった者たち複数にも、自分を売り込んでいる。

 トルーマン政権の四人目のセクデフだったロバート・ロヴェットは、《米国生まれならぬ者を国家安全保障担当補佐官にしたらダメだ》と言っていた(ちなみにキッシンジャーも帰化移民)。

 クリントン政権で国務長官に就いているオルブライトは、ブレジンスキーの弟子だった。ブレジンスキーがその後の米国の対露姿勢を画定したので、その弟子なら不安は無かろうというので、オルブライトは抜擢された。

 記者いわく、過去数十年、米国の外交は、ボス(大統領)に面従腹背の専門エリートたちによって、牛耳られている。

 カーターは、国務長官にはジョージ・ボール(国務省の高官経歴あり)が良いと思ってはいたが、おそらく上院が承認してくれまいと懸念した。当時「ネオコン」は民主党が基盤で、上院議員のヘンリー・ジャクソンが領導していた。反イスラエル的な発言をためらわぬジョージ・ボールを、ヘンリー・ジャクソンは気に入るまい、とカーターは懸念し、それでけっきょく、国務長官にはサイラス・ヴァンスを登用したのである。

 ジョージ・ボールは、リンドン・ジョンソン大統領のインナーサークルに属していたとき、ベトナム戦争についての先見の明をあらわしていた。おそらく、ボールが国務長官になっていたなら、ブレジンスキーと衝突しただろう。

 カーターの最初の間違いは、イスラエル・ロビーに、あっさりと戦利品を与えたことで、二番目の間違いは、ブレジンスキーを重用したことだ。

 ソ連について2つの学派があった。ブレジンスキーは、ソ連の内部構造なんて考えてやる必要はなく、ソ連が過去にしてきたことと、今、諸国に対してやらかしていることを見るだけでも、これからソ連が対外侵略しかしない未来は確定なんだという主張。
 出てくるアウトプットが、ひたすらの対外侵略なのだから、レーニン、スターリン、フルシチョフ、ブレジネフにどんな差異があるかなどと考えるのは無駄だ。非ロシア世界の諸国民にとっては、そんな差異は無意味なのである。

 ハーバード大教授のアダム・ウラムもブレジンスキーと同じポーランド移民だから、まったくブレジンスキーに賛成であった。
 これに反対していた学派の代表は、プリンストン大のステフェン・コーエン教授(ロシア政治研究者)だった。

 ブレジンスキーにいわせると、キッシンジャーとニクソンが進めたデタント(この用語はドゴールから借りた)に、良い結末など、ありえぬことだった。

 ブレジンスキーは1998にフランスの新聞に明かしている。ブレジネフは1979-12-24にアフガニスタンに対する侵略戦争を始めた。そのあとCIAは、公然とムジャヘディンを支援した。これが知られている公式史実。だがじつは、1979-7-3にカーター大統領が命令を下していた。カブールの反ソ勢力に密かに援助しなさい、と。同日、ブレジンスキーはカーターにメモを書き送ったという。その援助は、ソ連の軍事的な干渉を呼ぶであろう、と。

 じっさいにソ連軍がアフガンに南下した行動は、ソ連がペルシャ湾まで南下しようとしているのではないかというかねてからの疑いを、米国要路に納得させた。ブレジンスキーは正しく、ロシアの内部構造などどうでもいいのである。ロシア国家は、勢力をますます拡張して全世界を支配することしか頭にないのだ。

 ※人が何を語っているかではなく、何をやってきたかだけを見なさい、というのがナポレオンの金言。それは、「構造」は行動に統計的に表れる、という知恵なのだろう。「構造」内部はブラックボックスで可いのである。いずれにしても、それを他者が知ることなど不可能なのだから。しかし「機能」は推定できるし、予言も可能だ。

 ペルシャ湾を米国はぜったいにソ連の支配下には置かせない、という骨子の、「カーター・ドクトリン」が策定された。書いたのはブレジンスキーである。

 ブレジンスキーは2017に死去しているから、2014のロシアのクリミア切り取りも見届け、《俺が正しかっただろう》と言えるのだ。

 ※ハンナ・アレントの名言を引く価値があるだろう。いわく。〔ヒトラー隆盛時代の党による〕常続的な嘘の発信は、人々にその嘘を信じさせようとしたのではない。誰も、何も信ずることができぬ空間をまず定着させることが、必要だったのだ。なぜなら、真実と嘘との判別ができなくなった空間内においては、人はもはや、善と悪の区別がつけられない。そこでは人々は、考える力を剥奪される。知ることも、意志も奪われた人間は、嘘の支配に屈してしまう。そうなった後でなら、政府はその民衆に、どんなムチャクチャなことでも、させられるのだ。

 次。
 Clarence Oxford 記者による2024-12-23記事「DARPA’s ASIMOV seeks to develop Ethical Standards for Autonomous Systems」。
   DARPAは、AI利用の自動兵器システムに「倫理」を嵌め込む研究を、「CoVar」社に委託した。複数年契約。

 次。
 「mil.in.ua」の2024-12-31記事「Ukrainian Naval Drone Hits Russian Mi-8 for First Time」。
  無人ボートに積載されたSAMを遠隔操作で発射して、1機の「ミル8」を撃墜した。

 またしてもブダノフの「国防情報局」がやってくれた。無人ボートの「マグラ V5」から「R-73」という対空ミサイルを放ち、露軍の「ミル8」を返り討ちにした。このヘリは先にボートを銃撃してきたものである。
 その日付は12月31日だったという。場所は黒海。

 このSAMは操舵に可動フィンの他に「ガス噴出」も使うタイプ。もともとは、短距離用のAAMなのだが、それを転用した。

 さらにもう1機のヘリも損傷させている。しかし、そのヘリは陸上基地まで辿り着けた模様。

 次。
 『The Maritime Executive』の2024-12-30記事「U.S. Coast Guard Warns Shipowners to Watch Out for Fake Pilot Ladders」。
  水先案内人が入港直前の大型商船に乗り移るときに、金属梯子を垂らしてもらうのだが、この「パイロット・ラダー」を安価なまがい物で間に合わせようとする海運会社が跡を絶たない。それは、水先人の命に関わる危険な欠陥を内包している。

 法規によって、この「パイロット・ラダー」の規格は定められている。それが守られていない。


(管理人Uより)

 兵頭二十八先生の記事が掲載されるのでしょう。良かった良かった。

産経新聞
「正論」新メンバーに前駐中国大使・垂秀夫氏ら 新たに10人決まる


2024年の1年間、露軍はウクライナの発送電施設に向けて1712発のミサイルと無人自爆機とを配分した。

 John Vandiver 記者による2024-12-30記事「US military presence in Somalia likely to be scrutinized by incoming Trump administration」。
   第一期トランプ政権は、ソマリアからの米軍撤収に着手した。が、果たせなかった。
 第二期では、ソマリアどころか、全アフリカからの米軍撤収が始まる可能性がある。

 アフリカコマンド の司令部はシュツットガルトに置かれている。
 ソマリアには米兵数百人がいて、「アルシャバブ」に対抗する勢力を訓練してやっている。
 今、アフリコムが期待をかけているのは「Danab」という武装集団だ。

 バイデンは2022にソマリア駐留軍を「常駐」から「ローテーション」にきりかえたが、これを当時のアフリコム司令官のタウンセンド大将は、敵を利するとして批判している。

 マーク・エスパーの回想記によれば、トランプはアフリコムの仕事全般を評価していなかった。軍人であれ外交官であれ、アフリカに人を割くのが無駄だという考え。第二期ではその信念を実行するだろう。

 第二期トランプ政権は、軍事資源を「対支」に集中する。他方面からは、引き揚げてしまう。
 この指針を理論づける男が、ペンタゴンの高官に登用されるエルブリッヂ・コルビー。彼によると今の米軍は世界の各所に薄く展開されすぎている。もっと太平洋だけに先鋭的に集中すべきだと。

 次。
 Matthew Shoemaker 記者による2024-12-28記事「America’s case for Greenland. It’s key to US national security in the Arctic」。
    1951年に「グリーンランド防衛合意」が結ばれている。
 その「アーティクル II」では、米国はグリーンランドのどこでも軍事施設を建設できるとした。今の「Pituffik」宇宙基地――旧名「Thule」空軍基地は、この条項に基づいている。

 有事もしくは危機切迫時には、グリーンランドにいる米軍指揮官が実質、命令を出し、領有権をもっているデンマークの役人や軍人は、その補助に回る(作戦の決定権が無い)。

 陸上のみならず海空の接続エリアにおいても米軍は自由に移動でき、それをデンマーク政府から控制されない。

 米軍はグリーンランドの上にインフラ投資ができる。それに関してデンマークへは1セントも補償はしない。

 この1951条約をもっと強化しようというのがトランプの考えだろう。
 強い関心事は、地下資源開発。レアアースの中共寡占に対抗できるかもしれない。

 次。
 Ari Heistein 記者による2024-12-25記事「How the Houthis turned their weaknesses into strengths」。
  フーシが支配しているイエメンの人口は2000万人である。
 1990年代に、フサイン・アルフーシという男が率いる「ハック党」というのがあり、それは選挙では1%未満の支持しかあつめ得なかったが、2006~2010の「サーダ戦争」と呼ばれる内戦で、武装勢力としてのしあがった。
 このときに、今日の軍閥の重鎮格の幹部連が、鍛えられて、成長したわけだ。

 2006より以前からイエメンはアラブの中でも最貧地域だった。ゆえに政府は、ゲリラ討伐のための予算をロクに組めない。人民の飢餓救済にぜんぶ予算を使うしかなかった。おかげでフーシのような反政府ゲリラが長期的に維持され、成長すらできたのである。

 この極貧と、サウジがイエメンに仕掛けた戦争を理由に、世界がイエメンに莫大な援助を注いだ。フーシはその中間で組織的にピンハネして肥え太り、戦力を拡充できた。フーシには、中間搾取のためのフロント企業を設立する知恵もあった。

 もし特定の住民が、フーシ流の小学校での偏向思想授業、フーシ流の少年軍事教練招集に協力しないと言った場合、フーシは、海外からの援助物資がその一家には渡らないよう、操作をすることができた。極貧のイエメンでは、海外援助物資を受け取ることができなければ、誰であれ、餓死の他はない。

 フーシの拠点がイスラエルと離れていることも、フーシの長期伸長には、有利であった。
 イランはフーシに長距離攻撃火力を与えた。これが他の地域だったならば、西側の重大関心事になったところだろうが、アラビア半島の東の端という、ほとんどどうでもいいような地域であったため、西側はほったらかした。

 2023年にフーシは、パレスチナを応援するという名目で、紅海の入口のバブエルマンデブ海峡で、通航する商船に対する無差別攻撃を開始した。

 フーシの拠点から最寄りの米軍基地は、1000km以上も離れているため、米国も、すぐにフーシ撲滅の軍事行動に乗り出せなかった。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2024-12-30記事「Stinger MANPADS defeated by Russian glide bombs」。
   2024-3からロシア空軍機は、「D-300」という滑空爆弾を、標的の80km手前から放り出すようになった。
 すなわち、国境線より40km引っ込んだところから、滑空爆弾をリリースしている。リリース高度は1万mだ。

 この爆弾は重さ 500 kg で、全長は3mくらいである。
 着速は、だいたい1000km/時になる。

 次。
 Svetlana Shcherbak 記者による2024-12-30記事「SPAAGs vs. Anti-Aircraft FPV Drones: The 93rd Mechanized Brigade’s Innovative Approach to Drone Warfare」。
   あるウクライナ兵の証言。「ZU-23-2」――双連の23ミリ高射機関砲――は、高度900m以下ではよく当たり、稀には高度1600mの無人機を落とせることもある。

 しかし露軍の偵察ドローンがそれ以上の高度でやってくると、対処は難しい。そこで、こっちもドローンを飛ばして、空中で体当たりさせるしかないということになってきた。

 従来、「オルラン-10」などは高度1000m~1500mで飛ばされていたのだが、今や露軍はそれを2500mか、もっと高い高度で運用している。

 次。
 Defense Express の2024-12-30記事「Gamepad Controller Was a Great Idea: German Tests of Tytan, the Interceptor of Shahed Drones Deployed in Ukraine」。
   ドイツで完成した新顔の、対シャヘド用に使える、体当たり型固定翼ドローン。
 「TYTAN」という。

 MTOWは5kgしかないが、ペイロード1kgで、電動双発である。最高速度は250km/時、レンジは15km以上。
 このスピードは300km/時まで伸ばせるという。レンジも20kmにできるという。

 機体構造には3Dプリンターが用いられ、特に胴体は、塑像をつくるように「添加剤」だけで構成されているという。とうぜん、安い。

 機体は専用のコンテナ内に備え付けのミニ・カタパルトを使って、ほとんど垂直に近い角度で射出される。

 コントローラーが手に持つ端末は、「Steam Deck」という市販のポータブル・ゲーム機器のものを流用している。オフザシェルフだから、安い。

 ※2024年の道南近郊温泉ベスト1として、私は「黒松内温泉 ぶなの森」を推薦しておく。ここで満足できない人には何を勧めても無駄だろう。ベスト2は、福島町にある「吉岡温泉 ゆとらぎ館」だ。新築であるのにもかかわらず、他の温泉が人で一杯の時節でも、そのような混雑と無縁であるという立地を、特に買いたい。


(管理人Uより)

 兵頭二十八先生が載っている……。

産経新聞
「正論」新メンバーに前駐中国大使・垂秀夫氏ら 新たに10人決まる


ベトナム戦争末期のシブいAFVの情景再現模型展示を拝見して久々に心強さを覚えた日曜日であった。

 「LVTP-5」が存在したことをまったく忘れていた。いかんいかん……。
 あのビルのことを「亀プラ」と略すのだとも教えられた。

 次。
 Stephen Losey 記者による2024-12-5記事「A-10s are being spotted in Syria. Here’s how they’re being used.」。
   いまやボーンヤード行き5分前の「A-10」だが、シリア東部では、米空軍がこれを直近の数日間、かなり頻繁に超低空で飛び回らせるようにしていた。
 イラク国境あたりのアサド政府軍+イラン軍分遣隊の将兵にその姿を見せ、あたかも反政府ゲリラに米軍がCASを提供しているかのように思わせて、敵陣営の士気の低下を助長させる、心理作戦だったという。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2024-12-8記事「Russia hides its Su-34 fleet to evade deadly ATACMS strikes」。
   露軍は最前線基地の「スホイ34」をATACMSのレンジ外にある「エンゲルス2」空軍基地まで後退させた。
 これは衛星写真のOSINT分析によってつきとめられた。

 エンゲルス基地はウクライナ国境から600km離れているため、ATACMSで攻撃されるおそれはないのである。いちおう、デコイ機も各種多数、そこに並べている。

 というのも、ソ連時代の無人偵察機「Tu-141」を改造した特攻機が2022-12にいちど、突っ込んできたことがあるため。
 2023-8には別なタイプのドローン攻撃も受けている。大した被害は無かったが。

 次。
 「mil.in.ua」の2024-12-8記事「Czech Republic procures smart anti-tank mines」。
  チェコ共和国の兵器メーカー「STV GROUP」が「SENTRY」というハイテクの対戦車地雷を、約1億7200万ドルで政府から受注した。
 この地雷はフィンランドの「Forcit Defense」社の設計である。

 重さ10.5㎏の地雷が、リモコン化されている。無線コマンドによって、広い地雷原をいっせいに安全化することもできるし、個々の地雷だけ活性化させることもできる。

 安全化した瞬間に味方軍がその地雷原を越えて前進する、という段取りが可能だ。

 地雷にはGPSセンサーがついているから、もし誰かがそれを動かせば、こっちで把握できてしまう。

 この地雷の上を敵戦車等が通過すると、磁気センサーと音響センサーによって敵車両は識別され、その車体の中央部を、成形炸薬が撃ち抜く。

 敵の工兵が掘り返そうとすれば、自爆する。

 この地雷は、リトアニアも購入しており、ベラルーシ国境、ならびに、カリニングラード国境に埋設されている。

 次。
 『ニューズウィーク』の2024-12-8記事「John Bolton Suggests Syria May Have ‘Interesting’ Files on Tulsi Gabbard」。
   トゥルシ・ガッバードは、2017にシリアに渡り、アサドと写真を撮り、アサドは自国民を毒ガス攻撃してはいないという宣伝に手を貸した。そのことを元国連大使のヘイリーが指摘している。

 ガバードは2019年には、アサドは米国の敵ではないとも弁護した。シリアであれどこであれ、米国を直接攻撃していないなら構うな、というのがガバードの主義。自分でそう言っている。

 ジョン・ボルトンいわく。2017時点でアサドはイランならびにロシアの同盟者。ガバードには、米国の国家安全保障の要職に就く資格は無い。このたびダマスカスが陥落したので、いろいろと面白い文書証拠が白日の下に曝されるであろう。幾人ものアメリカ人がアサドの悪だくみに加担していた過去が判明するだろう。

 次。
 AFPの2024-12-6記事「Iran launches heaviest space payload into orbit」。
   金曜日にイランは、2つの人工衛星を軌道投入した。ふたつあわせた重さは300kgという。
 ひとつはLEOの通信衛星。

 打ち上げロケットは「Simorgh」といい、2段式の液燃である。

  ※300kgでは未だ初歩的な原爆を北米大陸まで飛ばせない。

 次。
 Robert Schreiber 記者による2024-12-8記事「Retrofit project makes micro gas turbines hydrogen-compatible」。
  水素専焼のマイクロ・ガスタービンを実現するには、燃焼室に水素を送り込むノズルからフラッシュ・バックという炎の逆流が起きてしまわぬような仕組みを工夫する必要があるが、ドイツの研究所が実験室レベルでそれに成功したという。

 実験装置は、既存のコジェネ用のマイクロ・ガスタービンに手を加えたもの。

 水素燃料のタービンエンジンは、それが実現すれば、カーボン・エミッションがゼロであるばかりでなく、窒素酸化物のエミッションも極少(15ppm)な、クリーン発電装置となる。

 夜間、しかも無風のとき、ソーラー発電機も風力発電機も、稼働してくれない。そんなときに火力発電装置が即座に電力供給を補えなくてはいけない。その火発をクリーン化できる。

 研究チームは、既存の天然ガス火力発電所を、まず水素混焼に改造し、ゆくゆくは水素専焼に変えるというステップを考えている。これはドイツの国家的な要請である。

 水素の混合率は、当初はわずかな水素比率からスタートするが、逐次に、水素の割合を増やして行く。

 主任研究者いわく。水素はケミカル反応速度が大きく、天然ガスの10倍の速さで伝火する。着火に必要な熱エネルギーも小さい。このことは、これを扱うさいの危険がそれだけ高いことを意味する。

 天然ガスを燃やすマイクロ・ガスタービンは、病院などで、頼りにされている。もちろん、自家発電と給湯のコジェネ。
 発電を、地域や大口ユーザーの足元で、分散的に負担するのは、これからの合理的な方向だ。


(管理人Uより)

産経新聞のウェブサイトで『兵頭二十八』を検索すると、兵頭先生関連の記事がヒットします。
※直近に記事が掲載されたという意味ではないです。