こうもりだけが知っているのか。

 Przemyslaw Juraszek 記者による2020-1-30記事。
   豊和の新小銃は2016年に開発されたが、2009年のFNのSCAR-Lに似ている。

 豊和の新小銃は、世界流行に倣い、フレーム上部が押し出し成形のアルミ合金製で、フレーム下部はポリマー製。

 防衛省は1梃2800ドルで3283梃発注した。自衛隊の現役隊員は15万1000人なので、これはファースト・バッチにすぎない。

 また、新拳銃はドイツHK社製のSFP9に決まった。
 ストライカー式。
 フレームはスチール+ポリマー。弾倉がエンプティのとき703グラムという軽さ。
 マガジン容量は15発。
 ニル・グリッフェ氏がデザインしたグリップが素晴らしいと評判。
 また、すべての操作が、左手だけでもできるように考え抜かれている。
 防衛省は、1梃876ドルで、323梃発注した。

 次。
 Kate Eichhorn 記者による2019-12-27記事「Why an internet that never forgets is especially bad for young people」。
   古代の生物が、稀に、琥珀の中に閉じ込められて、現代人がそれを発掘すると、生きていたときの新鮮な状態を観察できることがある。これは例外的なケースである。

 ところが、それに比べると、現代の若者は、稀でなくふつうに、若年時に犯したバカなことのひとつひとつをすべて、未来永劫に、デジタル記録として、他者から閲覧され続ける運命にある。

 20世紀末までの青年は、高校時代にしでかした愚かな真似や、やらかしたまずい発言を、高校生ではなくなったあとの新環境で、周囲の人から、検索されて晒される心配などはしなくてよかった。今は、そしてこれからは、永久にそうではないのである。

 記者がインタビューした若い人たちは、1人が、連日300枚以上の写真を製造し続けていた。
 フェイスブックだけでも、毎日、10億枚もの写真がアップロードされている。

 2018-8にこんな小事件があった。ナオミHという十代の女子がNASAのインターンシップを獲得した。そこで舞い上がってしまい、4文字言葉を使ってその報告を天下にツイートした。それに対して1人の友人が、NASAのハッシュタグをつけてリツイート。それが元NASA職員の目にとまった。元職員からの通報によって、NASAはナオミH氏のインターンシップをキャンセルした。

 2015の小事件。テキサス州でセラという投稿者が、明日から【4文字言葉】な仕事を始めるよ、とツイートした。それを見た当の雇用者の店長がリプライ。いや、君は今、馘にしたから。仕事のない人生をがんばりなよ――と。これはするどい。なぜなら、この投稿者を雇うショップは将来も、ないはずなのだ。この記録がツイッターには残るから。

 エリック・エリクソンは1950年に『少年期と社会』を著し、その中で、青年=ティーンエージャーは、心理学上のモラトリアム状態を謳歌する、と指摘した。少年ではないけれども、かといって、成人の倫理もまだ身に付けていないから、そいつの決定の結果は社会から大目に見られると。

 だからこそ大概の国では、成人とティーンエイジャーと9歳以下の少年とでは、段階的に刑罰の適用が変えられている。

 しかしデジタル時代の今日、少年期~青年期のごくささいな失態も、成人の行為結果と同等に、コンスタントに記録され、人々から閲覧され続ける。

 つまり、こんにち、青年たちには、刑法上でこそ、モラトリアムはゆるされているが、ネット上ではいかなるモラトリアムも適用されず、成人と同じ厳罰が裁判抜きで即日に執行され、その刑期は無期なのである。

 そこから、青年の処世術はどう変化しつつあるか。
 たとえば一部の青年は、異常に防御的に身を処すようになった。ひたすら、面目をうしなうリスクを避ける生き方を、若くして身に着けようとする。何かをまずやってみて、そのあと考えるという昔の青年の冒険が、できにくくなった。

 写真を投稿できるサイトは利用者の最低年齢を18歳以上とすべきである。ところが現実には13歳でも投稿ができてしまう。嘘をつけば18歳になりすませるからだ。これはたいへんにまずい。嘘をついてなりすましたことも「犯歴」になるから。

 ※よく思うのだが、米国ドラマ/映画は「ファック」という言葉を使いすぎる。そこで、外国人であるわれわれはそれを逆手にとって、全登場人物のすべての台詞がことごとく「ファック!」のみというパロディ・シナリオを創れるのではないだろうか? 演技は全員、シリアスなのに、発せられる言葉は、「ファック」だけ。それ以外に何もなし、というね。



札幌冬季五輪はヤバイ。冬に北鮮が1発大気圏内実験したら、それで終わりだから。

 ストラテジーペイジの2020-1-29記事。
  ブルキナファソは、アフリカの国として最初にA-29スーパーツカノをブラジルから買った国だが、同国空軍はそれを実戦でも使用した。

 2011年にまず3機を購入。それから7年かけて、搭乗員と整備員が育成された。
 そして2018年に、最初の対地攻撃を実施。

 ブルキナファソ空軍は、フランス空軍(1機のミラージュ2000D、4機のRQ-9 リーパーなど)と協同して、イスラムテロリストを空から掃討している。
 仏空軍機が目標座標を割り出し、それをブルキナファソ空軍に伝えて、スーパーツカノによって攻撃させることも。

 ブルキナファソを荒らしまわっているアルカイダ系のイスラムゲリラは、田舎の村を転々と、ピックアップトラックと自動二輪車で移動し続けている。

 マリはA-29を2018に4機調達した。しかし乗員と整備員の育成が未了なので、まだ実戦には投入されていない。

 モーリタニアはA-29を4機発注し、2012年に2機買った。しかし実用段階に漕ぎ付けていない。

 セネガルはA-29を3機発注。ガーナは5機発注している。
 ナイジェリアは12機のA-29を保有している。ボコハラムの掃討に使う気だ。


では『畝傍』はどうして沈んだのか?

 David B. Larter 記者による記事「Here’s how the destroyer Zumwalt’s stealthy design handles stormy seas」。
    タンブルホーム形で凌波性がある。『ズムウォルト』級は、不思議な軍艦だ。

 「シー・ステイト6」のコンディションというのは、波高が13~20フィートになる荒天である。『ズムウォルト』はその海象を敢えて求めてアラスカ湾へ。艦長のアンドリュー・カールソン大佐いわく、タンブルホーム形の本艦の凌波性は、旧来艦型の駆逐艦と同等であると。

 艦長室で感じられるローリングの程度は「シー・ステイト3」、だいたい波高1~4フィートぐらいにしか、思えないほど。

 タンブルホームの傾き復元モーションが、旧来型よりも、機敏なのだ。

 在来艦型の巡洋艦の艦橋トップでは、艦が15度も傾斜すると、このままいつまでも復元しないんじゃないかと思われるくらいに、中正に戻るのに時間がかかる。しかしタンブルホームでは、すぐに元に復帰する。

 旋回もクイック。舵が固く効いて、しかも安定的。「トーキョー・ドリフト」と呼んでいる。

 大波に艦首を突っ込んだときの、なじみの震動も、『ズムウォルト』には皆無。不思議な感覚である。


いったい俺は、サブマリンテンダーの中で何をすりゃいいんだよ?

 CAITLIN M. KENNEY 記者による2020-1-24記事「Secretly recorded videos of sailors, Marines posted on porn site」。
    グァム島を根城にしている潜水艦補給艦(サブマリンテンダー)『USS Emory S. Land』のシャワールームで脱衣しているムキムキ水兵や海兵隊員たち多数の裸体を勝手にビデオ撮影して Pornhub に投稿した阿呆について、もっか、米海軍は捜査中。
 容疑者は、退役した元水兵。
   ※THEY WANT YOU!

 過去の類似ケース。原潜『USS Wyoming』のシャワールームに隠しカメラが置かれ、2013-8~2014-6の二度の航海の間に女子乗組員のハダカが盗撮され、そのビデオは、艦内の男たちによって共有されていた。関係者複数が2015年に処罰されている。

 地中海配備の揚陸輸送艦『USS Arlington』で2019-3に類似事件発生。現在捜査中。


地面から残雪がどんどん消えていく! まだ1月なのに? 野鳥は春が来たと勘違いしている。

 ストラテジーペイジの2020-1-24記事。
   中共の二つの造船所、CSSCとCSICが2019末に合併した。これらの会社はもうなくなって、新しく、CSGにまとめられた。

 造船業界ライバルの韓国も2019に大手2大造船所を合併させている。

 ※中共も韓国も、燃費の良い舶用エンジンは日本やドイツから輸入しなければならない。こいつらが船舶を造れば造るほど、先進国のエンジン屋は儲かる。中共海軍艦艇のエンジンについては詳しく知らないが、ウクライナ侵略の咎で経済制裁を受ける以前のロシアにはドイツから軍艦用エンジンが売りまくられていた。

 造船業界は、2008をピークとして、世界的に、長期の不況である。
 中共の造船所は、政府から軍艦を大量に受注することで、保っている。しかし人手不足はどうしようもない。それが賃金を上昇させる。

 ※もともと異なる派閥の共産党の利権であった2大造船所を統合したというのは、たいへんな力技で、危機感の強さが分かる。今後の予想をしてみよう。「海警」用の7万トン級警備船が発注されるんじゃないか? 戦艦『大和』サイズの巡視船だ。エンジンは中共国産のディーゼルとするから、Maxでも13ノットくらいしか出せない。だが、それでいい。なぜなら、そのフネの用途とは、尖閣領海にいつまでも居座って日本にイヤガラセをすることだからだ。長期の居住性が備わるなら、航洋性能など、どうでもいいのである。いまどきの巨大船舶は、ガラのわりには、人手を要しない。だから高賃金の罠に手足を縛られることなく、国威を発揚するであろう。造船所の経営も安泰だよね。


さすがに1月下旬の気温。

 Franz-Stefan Gady 記者による2020-1-20記事「India Test Fires Intermediate-Range, Submarine-Launched Ballistic Missile」。
    インドが中距離SLBM「K-4」の試射に、1-19に成功した。

 民航機への事前警報であるNOTAMは、ベンガル湾で3400km飛ばす予定であることを公示していた。

 このSLBMは最大で3500km飛び、弾頭重量は2トンという。
  ※インドの実力では、2トンの余裕がないとキロトン級の核弾頭を載せられないという事実は重要である。インドよりずっと後から核武装している北鮮がそれより軽くコンパクトに水爆をまとめられるものかどうか、常識で判断することだ。

 不明な点。インド国産のSSBN『アリハント』の船殻径は10.4mである。それに対してK-4の全長は12mある。収まらないのだ。
 水中発射試験は、原潜からではなく、水没させた筏状構造物からなされたのではないかという疑いが晴れない。

 インドの開発当局によれば、K-4のCEPは40mだそうだ。
  ※試射は何度も失敗したり、説明なしに延期されたりしてきた。CEP以前の信頼性が、ぜんぜん足りぬと見るべきだろう。


中共国内では世界仕様のTikTokは禁止されていて、国内専用の似非バージョンだけが流通許可されている。

 Caroline Delbert 記者による2020-1-17記事「18 Things You Probably Don’t Know About Prohibition」。
      百年前の1月17日、合衆国憲法修正第18条が発効し、酒類の製造と販売が禁止された。

 今、ニューヨーク市には、酒類販売ライセンスを受けている酒場が1万2000軒ある。しかし禁酒法時代のピークには、3万2000軒の闇酒場(スピークイージー)が蔟生した。

 ブートレッガーたちが国境外から高速艇によって違法な酒瓶を密輸入してくる、アトランティックシティとNY港の間の海域は、「ラム酒通り」と呼ばれた。
 密輸船取締りのため、海軍の軍艦36隻が動員されている。

 カナダからデトロイト川を使って密輸する者、バハマから英国産ウィスキーをフロリダへ荷揚げする者、なども、ギャングとして繁盛した。

 禁酒賛成をドライ派といい、禁酒反対はウェット派と呼ばれた。ハーバート・フーバーvs.アル・スミスの1928の大統領選挙戦で、論争は盛り上がった。フーバーは禁酒に賛成であった。

 メリーランド州は、禁酒法にもとづいた法の強制執行は徹頭徹尾、しなかった。
 逆に、禁酒法が廃止される流れにいちばん抵抗したのは、ミシシッピ州だった。

 酒類業界は、関係従業者の数では米国内で5番目に大きい産業だった。それが全員失業の危機に瀕し、かつまた、アルコールにかけていた税収もゼロになった。これまた「大恐慌」の下地であった。また、フーバー大統領がその穴埋め政策を何も持ち合わせていなかったことが、次の民主党FDRの地すべり勝利をもたらした。

 禁酒法は、酒の消費を禁じてはいなかった。
 個人が、ストックの酒を自宅で消費するのは自由であった。

 ウィスキーのソーダ割りのことをハイボールという。これは独特なグラスとともに、禁酒法時代に普及した。

 禁酒法の適用例外は宗教だった。シナゴーグとカトリック教会内では、礼拝用のワインが飲めた。

 禁酒法はたしかに人々に「酒=罪」のイメージを刷り込んだ。撤廃された後も人々は自制した。ようやく酔っ払いが見咎められなくなるのは1970年代である。

 カナダ、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、ロシアでは、国家ぐるみの禁酒が推進された時期がある。
 また今日でも、米国内の10州が、その州内に、完全禁酒のカウンティを擁している。

 禁酒法時代、医師が処方箋を書いてやると、人々は、薬局でウィスキーを買うことができた。有名チェーン店のウォルグリーンズは、禁酒法時代に急成長したのである。

 米国の開拓時代にウィスキーが飲まれていたというのは作られたイメージで、初期の人々はマイルドな醸造酒をたしなんでいた。それが時代とともにハード・リカーに移ってきて、社会問題が生じた。南北戦争の直後から、婦人が立ち上がって禁酒運動を起こし、それは全国規模で支持されるに至った。だからこそ改憲すら可能になったのである。
 禁酒法が撤廃されたあと、この歴史が隠されるようになった。

 1933まで続いた禁酒法の最大の弊害は、人々が法律を尊重しなくなってしまったことだった。またエリート階級が禁酒法違反で摘発されることが無く、法の下の不平等があからさまに人民に知られてしまった。

 NASCARという自動車レースは、酒を違法に輸送するための改造車同士で、私的に競走していたのが始まりだった。インディカーなどと違い、NASCARが「ストック」車体をベースにしなければならぬのは、この来歴から説明される。もともとは、ガソリンタンク車などに偽装して、ウィスキーを運んだのだ。


サーマルサイトは要するに高額なので、富裕国しか大量装備させられない。

 Owen Amos 記者による2020-1-16 記事「Why are Chinese fishermen finding so many ‘submarine spies’?」。
     江蘇省の11人の漁師が、3つのスパイ無人機を網にからげたというので当局から賞金を貰った。中共テレビが報じた。

 これはいまにはじまったことではない。2018年には18人の漁師が、9機のスパイドローンを捕獲したとして褒賞されている。

 その賞金額はすごいもので、50万元=7万2000ドルである。平均的シナ人の可処分所得のざっと17倍。

 江蘇省の海岸線は1000kmもある。対岸には韓国や沖縄がある。

 同地域の専門家、アレグザンダー・ネイルによると、網にひっかかったUUVはおそらく米海軍や日本の自衛隊が放ったものであり、可能性としては台湾からのこともあろうという。

 昨年、インドネシアの漁民が、中共製のミサイルのような形のUUVを網にかけている。海水調査用のUUVと見られる。

 いまや中共の周辺海域はUUVだらけになりつつあるのか。

 次。
 Barbara Starr 記者による2020-1-17記事「Saudi Arabia has paid $500M toward the cost of US troops in country」。
     サウジアラビア政府は、同国内で活動する米軍のために支援金5億ドルを、昨年12月に払っていたことがわかった。

 先週、トランプは、フォックスニュースのインタビューに答えて、サウジはすでにこの決済のために銀行に10億ドルをデポジットしていると話した。

 湾岸戦争にさいしては、サウジなどGCC諸国は360億ドルの米軍軍事費を負担している。


げんざい、全米の大学生の33%が、1コマ以上の「オンライン授業」を受講している。

 Franz-Stefan Gady 記者による2020-1-15記事「Russia: Delivery of T-14 Armata Main Battle Tank Delayed」。
    ロシア陸軍は、いまだに、12両発注したアルマタT-14戦車の最初の量産バッチすら受領できていない。

 計画では2022年までに、新IFVや戦車回収車とあわせて132両が納品されるはずなのだが。

 遅れの原因は、エンジン、トランスミッション、サーマルサイトにあるという。


鮭の子は鮭。

 Samantha Masunaga 記者による2020-1-13記事「The Battle Against Rust a $3 Billion Problem for the Navy」。
     船の防錆のために昔の西洋人は、羊毛から得られる天然油脂のラノリンを、今のグリスの代わりにしていた。
 1880年代には、シェラックワニス含有石綿布が当てられたこともある。

 軍艦は5年から7年ごとにドライドックに入る必要がある。
 錆びの進行が高速なのは、水線付近だ。塩水と酸素がよくまざるから。

 なぜ水線下のエポキシ系防錆コーティングは赤い色なのか。これはダイバーの目にわかりやすくして潜水作業を助けるためだった。

 錆び落とし作業は、米海軍の艦船オーバーホール費の四分の一近くを占める。2014年の総額だと30億ドル。さいきんの契約例だと、サンディエゴの軍艦2隻の錆び落とし作業をBAE社が1億7000万ドルで受注している。

 側面作業の吊り台のことは「塗装フロート」と呼ぶ。

 ズムウォルト級の艦長をやってた人の証言。錆び落とし作業くらい、考えるたび憂鬱なものはなかった。全身に騒音と汚れを浴びる、危険で疲れる、無限に続く力仕事。真っ暗な狭所の作業も多い。外壁はカンカン照りの太陽に炙られていて、クーラー無し。もちろん粉塵だらけで、特殊マスク越しに息するしかない。誰もあんな作業にかかわりたくはない。しかし、それはどうしても必要な工程なのです。

 ズムウォルト級は、上構部分に、錆びないガラス繊維複合素材を用いるなど、長期の錆び対策を最初から考えてある。それでもだ。

 古いフネだと亜鉛ブロックが鉄板の上に固定されている。しぜんの電気化学反応を利用し、鉄錆を阻止しようとする智恵で、こうすればいいことは19世紀から知られていた。

 次。
 Patrick Howell O’Neill 記者による2020-1-14記事「The NSA found a dangerous flaw in Windows and told Microsoft to fix it」。
      ウインドウズ10の欠陥がNSAにより発見され、警告されている。
 悪党がその欠陥を利用すれば、マルウェアをあたかも正規のソフトウェアのようにみせかけてユーザーのPCへ送り込める。