★《続・読書余論》の最新Up は、ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』です。

 1812年のフランス軍によるロシア遠征は、べつに冬のために失敗したのではなく、大軍で長い距離を進むのに最初からスピードを上げすぎて、冬が到来する前の往路において自滅したのだということが、150年以上経って、ほぼ解明されています。

 「長い旅をする者は、急いではならぬ」という古い諺が中東にある。今、露軍の前進スピードは遅々としていますが、ナポレオンやヒトラーの失敗を避けようとしている結果、そうなっているのかもしれません。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

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 AFPの2022-3-4記事「How commercial satellites are shaping the Ukraine conflict」。

   キエフ北郊の 40マイル=64km の道路渋滞を写真撮影したのは、民間の Maxar の衛星サービスである。

 マクサーの衛星カメラは「首振り」が利くので、真下でない地面も撮影可能。より細かな注文に応じ得るのだという。

 米国の国家偵察局(NRO)はマクサーの主たる上得意である。「どこを撮れ」という注文のほとんどが米政府から出ている。今はウクライナに集中していると言ってよい。

 米政府は、撮った写真を公開するかどうかをよく考えて決めている。たとえば、ウクライナ軍の塹壕陣地が映っていたら、そんな情報をロシア人に知らせてやるわけにはいかない。そうした写真は、公表させないのである。

 ※風呂なしで連続1週間の野営となると、露兵もそろそろ疲労が溜まって来る頃だろう。

 以下、雑報集。

 フィンランド国境から車で国外脱出を図るロシア人多数。制裁前に有効ビザを取得できていた者に限られるが、空路はもう使えないから、開いている国境はここだけなのだという。
 ただし、プーチンは戒厳令を発してデモを根絶しようとする可能性あり。そうなったらもう陸路旅行も不可能になる。

 3-5時点の露空軍機の損害。スホイ30SM×1、スホイ34×1、スホイ25×2、攻撃ヘリ×2、ミル8輸送ヘリ×1、「オルラン10」無人偵察機×1。

 市街監視のため高層アパートビルの屋上へ至ろうとしてエレベーターに乗り込んだ露軍兵士たちが、外から電源を切られて、エレベータ内に閉じ込められてしまった。

 ウクライナ人は、ボウガンのような仕組みで火炎瓶を飛ばす装置をDIYしつつあり。※スピゴット型がいいかもしれないね。

 ※日本からの緊急援助品だが、核攻撃が起きれば大量の火傷患者が出るから、抗生物質をポーランド領内に分散的にストックさせておくべきではないか。地下鉄のある町が適当だろう。


★《続・読書余論》ナイジェル・ニコルソン著『ナポレオン一八一二年』昭和62年刊


最新の《続・読書余論》は、船田亨二著『ローマ法入門』昭和18年刊・ほか です。

 ローマは三回世界を支配したのだとよくいわれます。その三回目が「法学」です。今日のすべての国がその影響を受けています。

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 John Konrad 記者による2022-3-3記事「UPDATE: NATO MEMBER OWNED SHIP SINKS OFF ODESA ? Russia Used Civilian Ship As A Human Shield」。
   木曜日、エストニアの船会社が所有し運用するパナマ船籍の貨物船『Helt』号ががオデッサ沖で露艦隊に砲撃されて爆発沈没。

 ウクライナが陸上で防備を固めているオデッサに近づきたいロシア艦隊が、この貨物船を「タマよけの盾」として使おうとしたものの、船長が従わなかったために、撃沈したっぽい。

 ウクライナ海軍の声明。露艦隊がやっていることは現代の海賊だ。
 『M/V HELT』は汎用貨物船で長さ79m。建造されたのは1985であった。

 エストニアは、NATO加盟国である。

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 indomilitary の2022-3-4記事「Ukrainian President Requests Three Squadrons of A-10 Thunderbolt “Tank Buster”」。
   3-3の『ディフェンスニューズ』によれば、ゼレンスキー氏は米国に対し、「A-10 サンダーボルト II」を三個飛行中隊分、くれ、と要望したのだという。

 WWII初盤の1941-2にチャーチルが「英国に武器を与えよ。われわれはそれでうまくやれる」と演説し、FDRがそれに応えて武器援助法を議会に通した。それを再演して欲しいと。

 ゼレンスキーは当初はNATOが空軍で上空援護してくれと求めていた。しかしNATOは拒否した。

 ゼレンスキーにいわせると、A-10の機体にウクライナ標識をペイントすれば、すぐにも使いこなせるのだそうである。

 ※ウクライナ政府の戦争指導部は素人の集まりか? 有益な助言ができる側近はゼロなのか? 今次の事変がおさまったあと、「予算が無ければ無いなりに自力でできたはずの努力」すらもロクにしていなかったウクライナ国防省、軍幹部、国会議員、そして大統領の責任が、あらためて問われなければならないだろう。


★《続・読書余論》船田亨二著『ローマ法入門』昭和18年刊・ほか


最新の《続・読書余論》は、昭和15年改訂の『應用戰術ノ参考 全』です。

 旧日本陸軍はS15にこっちの方から対ソ戦を始める気でした。営々とそのための準備をしていた。

 その総決算が、士官学校テキストの『應用戰術ノ参考』です。各国戦車の要目の表は空白になっていて、授業で別にメモを取らせたと思しい。
 それはいいのですが、軍用制式トラックや動員予定の民間トラックの燃費データがどこにもない。
 こんなレベルで対ソ戦というのは、チト無理があったでしょう。

 張鼓峰は、むしろソ連の方から関東軍の実力を探ろうとした「威力偵察」だった可能性があります。
 ノモンハン以後は、もう『應用戰術ノ参考』の価値は大いに揺らいだことでしょう。

 関特演が対ソ戦に移行できなかったのも、トラック用の燃料がまったく足りないと、陸軍省で分かっていたからでした。

 まあとにかくおもしろいのでご紹介した次第です。
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 Amber Wang 記者による2022-3-2記事「Ukraine invasion: Russian forces face tough resistance and logistical issues, experts say」。

 これまでロシアは380発の地対地弾道ミサイル/巡航ミサイルを、ウクライナに向け発射した。

 これまでロシアは20箇所強の、ウクライナ軍防空陣地を破壊した。

 キエフに続く道路上に、行軍長径60kmにおよぶ露軍車列の大渋滞。
  ※冬だから停まっているだけでも燃料は少しずつ減るし、メシは三度々々必要。こまりましたね。

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 Tyler Durden 記者による2022-3-2記事「These Are Russia’s Most Important Export Partners」。
   世銀のデータによると、ロシア最大の貿易相手は、中共である。ロシアの輸出の13.4%がシナ向けなのだ。

 第二位は? オランダである。そこにロッテルダム港が所在するために、そこで短期間でも船の積荷が卸されれば、統計にカウントされるためだ。
 つまり表向きの数値だけでは欧州諸国の対露貿易はよくわからない。

 そこで統計分析者に聞いたところ、リアルで突出しているのはドイツだという。
 ドイツは主にロシアから原油と天然ガスを、194億ユーロ、買っている。ドイツがロシアから輸入している総額の59%である。他の商品としては、金属、石油製品、コークス、石炭も、ドイツはロシアから購入している。
 ロシアにとって、ドイツの次には、ベラルーシ、トルコ、韓国、イタリア、カザフスタンが、重要な輸出先市場だ。

 はんたいに、英国と米国の市場は、ロシア製品の輸出先としては3.1%を占めるにすぎない。

 ※プーチンは、ステロイド以外に、「若返り」を謳う、超怪しい注射を射っているのかもしれない。それと常用の栄養錠剤が複合して、不期作用を起こしているのではないか。脳内に。

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 Jillian Deutsch 記者による2022-3-2記事「RT, Sputnik content officially banned across European Union」。
   ロシアの官製通信社、RTとスプートニクは、公式に、EU市場から締め出された。

 この2社はEU内にて2つのTVチャンネルを放送できていたが、それは禁止される。
 これら2社からスマホアプリをダウンロードすることもEU圏内ではできなくなる。
 これら2社が流したコンテンツをSNSにシェアする行為も禁じられる。

 今週、ユーチューブ、フェイスブック、インスタグラム、ティクトクは、RTとスプートニクのコンテンツを既に自主的にブロックしている。

 しかしEUの公式決定後は、すべてのプラットフォームが、ロシアプロパガンダの拡散阻止の責任を負わされる。

 ※ジュネーブ条約で、捕虜は公然と辱められてはならぬという一項があるので、もしネットでそのような動画を拾った場合は、顔を隠さずに転載すれば、投稿者は国際法違反になる。だいたい、露兵降人の顔を晒したりしたら、銃後の家族に危険が及ぶおそれがある。それでは対露軍の勧降の目的に沿わなくなる。投降しやすいネット環境をつくってやることにより、露軍の士気と団結を崩してやれるのである。


★《続・読書余論》『應用戰術ノ参考 全』昭和15年改訂


最新の《続・読書余論》は 「上陸戦 ミニ特集」です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

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 Ragip Soylu 記者による2022-2-28記事「Russia-Ukraine war: Turkey’s Bayraktar TB2 drones proving effective against Russian forces」。

 ウクライナ軍が週末にSNS投降した、バイカル社製の攻撃無人機「TB2」の戦果動画。撮影の場所は、キエフに近い「Kherson」であった。しかも、破壊したのは「BUK」だ。2014年にオランダ人多数の乗った民航旅客機(マレーシア航空17便)を高度1万mから叩き落した、対空ミサイル車両である。

 やはりというか、ロシアがしきりに宣伝していた「パンツィール」対空戦車も、露軍のコンヴォイをこのUAVから少しも守ってはくれなかったようだ。

 げんざい、TB2にエンジンを供給しているのは、ウクライナのメーカーである。

 2-27のツイッター上のウクライナ軍の発表。TB2が、露軍の「BUK」も撃破した。場所は「Malina Zhytomyr」地区。

 専門家がたいへん不審とすることは、TB2が地上にある開戦劈頭になぜ露空軍はそれを空爆して全滅させられなかったのかということ。TB2が地上部隊の大脅威になることは知れきっていたのに。

 オープンソースで確かめられるところでは、まだ1機のTB2が返り討ちに遭っただけである。ロシア国防省は3機墜としたと言っているが。

 ※スペインは防弾ヴェスト、地雷探知機、医療品などをウクライナへ贈る。デンマークは2700発の対戦車火器(AT-4?)を贈る。日本は何を贈るんだ? 在庫の小銃擲弾やロケランなどを贈ったら天下の哂い者となるだけだ。やはり基本キットは、手榴弾と導爆線と工業雷管だろう。それさえあれば、あとは現地でIEDを工夫できるから。

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 Dr. ZarMarch 記者による2016-2-22記事「Top 8 Disturbing Facts about Russia’s Vladimir Putin」。
  大統領選挙に楽勝し続けるプーチンの怪奇。たとえば、1389人が有権者登録をしていたグロズヌイの投票区では、プーチンは1482票を獲得して圧勝したという。有権者よりも多い。
 そしてこの選挙区では有力対抗馬のジュガーノフが、たった1票しか得なかったという。
 あり得ます?

 ※RIAノヴォスチは、2-26の8:00ジャストに「露軍の攻勢と新しい世界」という記事を出して、すぐに消したという。ネット魚拓が採られている。これは予定原稿であったと疑われている。つまりプーチンは、たった2日で戦争に勝つ気でいたのだ。ロシアの指導層は、狂人によって指導され、それに厭々つきあっている可能性がある。米国連邦上院議員たちが、米国情報部から内密レクチャーされた分析をそれとなくマスコミにリークしはじめた。プーチンは正真正銘、精神異常だという説が浮上中。

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 Antonia Colibasanu 記者による2022-2-28記事「The Economic Retaliation Against Russia Takes Shape」。
   ロシアの銀行がSWIFTから外されると、ロシア市民のマスターカード、ヴィザカード、アップルペイは使えなくなる。だから、みんな、ATMに殺到して現金をおろそうとしている。

 SWIFTはベルギー国内にあり、EUの手続きには時間がかかるので、即時には遮断は起こらない。

 ロシア国内だけの金融機関決済網としてロシアはSPFSの構築を急いできた。土日は営業しないとか、メッセージの上限が20キロバイトだとか不便は大きいが、外国からの掣肘は受けずに済む。ロシア国内の取引の20%はこのSPFSによって維持できる。ちなみに昨年末、ベラルーシは、SWIFTを脱してSPFSに入ると表明した。

 ちなみにSPFSの中共版はCBIBPSという。これとSPFSのリンクをロシアは模索しているものの未だ実現はしていない。

 ロシアの中央銀行は6400億ドル相当の外貨を、ルーブル価値の維持のために抱えている。ルーブルの通貨レートが下落したら、ドルやユーロを売ることで、その相対価値を保つ操作ができたのだ。これまでは。
 しかしSWIFTから排除されたら、この通貨介入が難しくなる。ルーブルの価値は国際的に落ちるところまで落ちる。

 ロシア国内ではハイパーインフレーションと大量失業は必至である。※ということはいよいよ「プーチン後」にロシア版ナチ党が台頭するのか。早く四島の治安を維持しないとたいへんなことになるだろう。


★《続・読書余論》 上陸戦 ミニ特集


最新の 《続・読書余論》 は、吹浦忠正著『聞き書 日本人捕虜』1987年刊・ほか です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

 次。
 Sean Spoonts 記者による2022-2-28記事「What Do Those Letters Mean On Russian Tanks And Vehicles?」。
   ウクライナに侵略中の露軍車両には白ペンキで目立つサインが注記されている。
 米軍には今やその必要はない。敵味方識別信号が電波ベースで把握できるからだという。
 露軍はあきらかに同士討ちをおそれている。ウクライナ軍の装備と基本は同じだからだ。

 「V」とペイントされているのは、露軍の「海兵隊」所属車である。
 「Z」とペイントされているのは、露軍の「東部軍管区」から来た車両だ。
 四角枠の中にZとペイントされていれば、それは「南部軍管区(クリミア)」から来た車両だ。
 「O」とペイントされていれば、それはベラルーシから来ている。
 「X」とペイントされていれば、それはプーチンがチェチェンに育成したカディロフ軍閥の差し出した車両。
 「A」とペイントされていれば、それは露軍特殊部隊SSOの所属だ。

 次。
 Jon Hemmerdinger 記者による2022-2-25記事「Russia-Ukraine war opens prospect of aerospace titanium shortage」。
    エアバスとボーイングを筆頭とする世界の民航機のメーカーは、困っている。チタン合金の原料の多くは、ロシアの「VSMPO-アイヴィスマ」社からの輸入なのだ。

 次。
 Niclas Poitiers, Simone Tagliapietra, Guntram B. Wolff, and Georg Zachmann 記者による2022-2-27記事「The Kremlin’s Gas Wars」。
   EUはその輸出商品の5%をロシア市場に売っているにすぎない。それに対してロシアはその輸出商品の半分を欧州で売っている。ここに依存度の非対称がある。

 EUの経済規模は、ロシアの経済規模の10倍もある。
 ※長年米国政府が、「おまえらもっと国防費にカネ使えや!」と迫っていたのも当然だ。余裕で自衛できる資金力があるのに、何もしてこなかった。それが今日の事態を招いた。

 EU加盟国で、ロシア市場に輸出品の2割以上を買ってもらっている国はどこにもない。
 また、最も高い率でロシアに輸出している、ブルガリア、エストニア、リトアニアですら、GDPに占める金額はそれぞれ、3%、3%、6%だ。

 フランス、ドイツ、イタリアに至っては、ロシア市場では1~2%しか、輸出品を捌いていない。
 したがってロシアは、「ガス止め」以外の経済的に有力な制裁報復手段を持っていない。

 エネルギーに関しては、EUの一部の国々が、まずい立場だ。

 スペイン、ポルトガルは、ロシアからはまったくガスを買っていない。※北アフリカからのパイプライン。
 ベルギー、フランス、オランダも、ロシアからは全ガス輸入のうちの10%以下しか買っていないので、あまりコタエないだろう。
 イタリアは40%だ。
 ドイツは、50%のガスをロシアに依存している。
 オーストリー、ハンガリー、スロヴェニア、スロヴァキアは、60%のガスをロシアに依存している。
 ポーランドは、80%のガスをロシアに支配されている。
 そして優勝はブルガリア。なんとガスの100%を、ロシアから買っている。

 とりあえずブルガリアとポーランドは、エネルギーをガスに頼りすぎている経済構造を全面的に改めないと、災厄に突き進むのみだろう。

 このように悪魔にキンタマを掴ませていた自業自得といおうか、露軍が侵略戦争をスタートした2月24日のみでも、全欧の天然ガス価格は、60%値上がりした。別にロシアはガスのコックを締めてはいないのだが……。

 これで「新コロ後」の経済回復の皮算用はすべてご破算だ。電力価格の値上がりは避けられず、それはインフレを招き、家庭の購買力を殺ぎ、企業の競争力は低下してしまう。

 日本や韓国がLNGタンカーで買っている分を融通しようとしても、とてもEU需要に足りるもんじゃない。これから数年間は、どうしようもないのである。

 ※いやどうしようもある。全家庭で石炭を燃やせばいいだけ。家庭用ストーブキッチンの最新型を開発しよう。煙もCO2 もあまり出さない形式を工夫するのだ。それがこれから先、数年続く大ヒット商品になると見た。


★《続・読書余論》吹浦忠正著『聞き書 日本人捕虜』1987年刊・ほか


最新の《note》は「台湾」特集と「日清戦争」小特集です。

 そろそろわが軍も準備をしないとね。
 https://note.com/187326mg/  をご覧ください。

 次。
 indomilitary の2022-2-27記事「Ukraine Releases Video of First Bayraktar TB2 Drone Attack After Russian Invasion」。
   侵攻開始から3日目の2-27、ようやくバイラクタルTB2の攻撃動画が、ウクライナ軍によってSNSにUpされた。

 ウクライナ陸軍の参謀総長のフェイスブックページに最初に投稿されている。
 このUAVによる攻撃は、ウクライナ南方の「Kherson」地区の「Chornobayivka」市でなされたようだ。
 そこには国際空港がある。

 土曜日、ウクライナの在トルコ大使館が、「Kherson」市でTB2によるドローン攻撃を実施したと語っていた。

 次。
 indomilitary の2022-2-27記事「Panzerfaust 3 ? German and Dutch anti-tank rockets to help Ukraine」。
  オランダは、「パンツァーファウスト3」の発射機×50と弾薬400発などをウクライナへ搬送する。
 ドイツは、オランダの分とは別にPz3を、発射機×400、タマ1000発、ウクライナに送る。
 英国はNLAW対戦車ミサイルを数千発、ウクライナへ送る。

 Pz3 は内径60ミリの発射筒に外径100ミリの弾頭を前装し、無反動で発射。発射筒の重さは2.3kgである。
 弾頭は三種類。ホローチャージ型は12.9kg、タンデム成形炸薬型は13.3kg、バンカーバスター型は13.3kg。

 弾頭部の飛翔速度は115~220m/秒である。

 飛翔はロケットによって水平に継続する。モーターは距離920mまで燃え、そこで自爆。だいたい戦車に狙って当たるのは400m以内だ。

 ※スウェーデンは5000発の対戦車弾薬(カールグスタフ用?)をウクライナに送る。これは1939にフィンランドを援助していらいの対外軍事援助になるという。デンマークは野外手術車を送るという。またウクライナ政府は公式に、外国人義勇兵を募集し始めた。

 ※日本は、自衛援助専用の対戦車火器をストックしておかないとダメだ。LAWのような、パッケージ内に照準器も完結していて、パッケージが長期保存と荒っぽい輸送に耐える、完全使い捨て仕様になっているものが、適当である。これは援助専用品とするのがよい。それなら性能を割り切れるから。なまじ自衛隊も使うものにすると、すぐに性能を欲張る者があらわれ、企画を破綻させてしまう。

 次。
Tanya Basuarchive 記者による2022-2-25記事「Ukraine is turning to online crypto crowdfunding to fund its fight against Russia」。
    ウクライナの国防費は600億ドルで、これはロシアのたった十分の一でしかない。いままで、国防努力が足らなすぎたのだ。

 ウクライナのNPO「カムバックアライブ(生きて帰って来て)」が、武器を買うための「ゴーファンドミー」というクラウドファンディングのプラットフォームを通じて、クリプトカレンシーの義捐金を募っている。
 ひとりの匿名寄付者がこれに300万ドルを寄付したようだが、それを含めてもまだ400万ドルしか集まっていない。

 「カムバックアライブ」は2014のドンバス内戦開始と同時に立ち上げられた。当初の目的は、ウクライナ兵に防弾ヴェストを着せてやることだった。

 寄付者は米英の「チェース銀行」窓口を通じて、ここに寄付できる。

 「ゴーファンドミー」とは別な国際クラウドファンディングプラットフォームの「Patreon」は、この「カムバックアライブ」の利用を2月25日に排除した。というのは、武器購入を名とした資金集めはプラットフォームのポリシーに反するというので。

 だがこれはおかしな話だ。なぜなら今まで何年も、排除されていなかったのである。

 次。
 AFPの2022-2-26記事「Russia bans ‘invasion’ and ‘assault’ in media」。
   ロシア情報統制局は、国内の独立系メディアに対し、ロシアが「侵略」しただとか「攻撃」しただとかいう表現を取り除け、さもなくば放映・出版をブロックし、罰金刑に処す、と命じた。土曜日に。

 プーチンは、ウクライナの政治指導部を「麻薬中毒患者の集まりであり、ネオナチだ」と金曜日に罵った。
 これは『ノバヤ・ガゼッタ』が報じた。このメディアも独立系である。

 次。
 The Maritime Executive の2022-2-25記事「Merchant Ships Attacked and on Fire off Ukraine」。
    モルドヴァ船籍の2091トンのケミカルタンカー『ミレニアル・スピリット』が被弾炎上。同船はオデッサ沖に停泊していて、積荷は600トンの燃料油である。

 2発のミサイルが命中したという。1発は上構に命中。2発目は火災を惹き起した。
 救命艇も破壊されたため、乗員はライフジャケットだけで海に飛び込んだ。

 ウクライナの救難艇が乗員10名を救出した。乗員はロシア人であった。2名は重症のため入院。

 これより前、ウクライナ軍参謀本部は、別な商船が被弾炎上したとSNSに投稿した。写真を見ると、それはパナマ船籍、8万5000トンのバラ積み貨物船『ナムラ・クイーン』と分かる。「Yuzhny」港の近くに碇泊していた。ミサイルは上構に命中した。

 その1日前には、カーギル社が、6万1000トンのばら積み貨物船『ヤサ・ジュビター』が黒海を航行中に爆弾で損傷したと認めた。この船はトルコ所有で、カーギルへ貸されていた。AISデータによると、ウクライナの「Dneprobugsky」を出てロシアのノヴォロシスクに向う途中だった。

 黒海での海上保険料は急騰している。


★《続・読書余論》 「台湾」特集

★《続・読書余論》 日清戦争 小特集


最新の《note》は、「防空」大特集。

  https://note.com/187326mg/  で お確かめください。

 ウクライナには「軍隊」と呼べるものが無かったのではないかという疑いを、多くの外国人が抱いていると思います。2014のときもそうでしたが、それから7年経っても、ほとんど改められていなかった。
 どうやらウクライナは理想的な「九条の国」だったのです。それを漫然と放置していた大統領がいまさら泣きごと言うのは見苦しい。

 オデッサにやってくることは分かっていながら、守備軍によって対艦ミサイルが発射されたというニュースが皆無。いまどき「敵前上陸」が無血で成功なんて、あり得るか? 築城もしてなかったとか? 呆れるしかない。もし市街戦が続いているという続報が来ないようなら、1990のクウェートと同列だと認定したい。

 開戦劈頭に航空基地をミサイル奇襲されることは知れきっているのに、疎開措置を取った痕跡がない。
 航空部隊が反撃したというニュースが皆無。

 地上進攻してくる道路で路肩爆弾を作動させたというニュースが皆無。
 そして、陸軍部隊による「反撃」機動のニュースが皆無。

 これはもう、平時からロシアに侵略してくれと頼んでいたに等しい、「理想的九条国家」のありさまだったのでしょうね。そのように推定可能です。

 だから露軍は、燃弾を本格的に準備し推進する必要がなかった。平時演習レベルの燃弾所要量だけで、侵略プログラムを組み立てられてしまった。

 アメリカもそこは分析できていたに違いないので、本腰でウクライナ人を助ける気はないでしょうね。これが「理想的九条国家」の末路です。
 北京でスキーしている場合じゃなかったですよね。ウクライナ人は。

 ところでプーチンの動機だが、FSBと露軍のどちらにも不満のないように給料と年金を支払い続けることが、ロシアの財政ではもうできなくなったのではないか?
 この問題を一挙に解決するには、国家を長期の戦争状態に引きずり込むしかなかった。
 そうなれば西側から経済制裁が加えられるから、給料と年金の不払いは西側のせいだと宣伝することもできる。

 まあ、それはどうでもいいので、アメリカはさっさとウクライナとベラルーシと北海にある全ガスパイプラインを吹っ飛ばすべきだ。それでEUとロシア経済は半永久に遮断され、「ネットゼロ」の話も雲散霧消し、世界は明朗化するから。


★《続・読書余論》 「防空」大特集


最新の《note》は、トマス・アクィナスの神学大全と、ノモンハン&機甲の大特集、および、ロシア軍小特集 です。

 共産主義の屁理屈の根っこにはキリスト教神学がある。これをおさえておかないと国際宣伝戦で悪魔に勝つことはできない。おさえましょう。たったの300円です。

 ノモンハン事件でソ連の機械化部隊に対する苦戦を日本陸軍がどれほどショックに感じたかは、その後数年間で刊行された一般向けの数学系・理工系の書籍をながめると、得心できます。紙不足の統制経済下の出版は、陸軍省の許可なくしては不可能だったからです。

 日露戦争における国際法や戦費の工面、さらにそれが日本の世相をどう変えたか、おさらいしておくのも有益でしょう。

 いずれも、  https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

 次。
 Rupert Darwall 記者による2022-2-24記事「Standing Up to Putin Means Ditching Net-Zero」。

   バイデン政権が成立するとまず北米の「Keystone XL」パイプライン敷設計画の免許を取り消したが、こんな環境政策をやっていればロシアがますます地政学的に強敵に成長するだけだろう。

 米国ニューイングランド地方は他地域とのガスパイプラインの連接がよくない。2018の冬は大ピンチだったが、ロシアからLNGタンカーが入港することで何とかしのぐことができたのである。米国じしんがロシアにエネルギーを依存するというトンチキなことになっているのだ。それを解消するのが「Keystone XL」パイプラインのはずだった。その敷設を禁止してバイデン政権は何をしたいのか。

 「ネットゼロ」というスーパー理想主義は、EUという単国家を超越した法支配空間内においてのみ、有効なのだ。とうとうそれが証拠立てられた。このたびロシアが単国家として無法をやり始めたら、EUにはなすすべが無いのだ。

 米国が環境問題で、このEUに追随すれば、米国もまた、無法国(ロシアと中共、その他)に対して、EUと同様、何もできなくなってしまうだろう。

 EUが国連におしつけた「気候プロセス」からも米国は脱退すべきである。もうそんなことをやっている場合じゃない。EUにはロシアの侵略をストップする力が無いのだから。

 EUの中ではドイツが、はやばやと2000年に「リニューアブルエネルギー法」を成立させて、ソーラーと風力に本格投資すると決めた。が、それは事実上は、ロシアのガスへの全面依拠路線の確定であった。※メルケルは首相になったのは2005だが、キリスト教民主同盟の党首になったのは2000-4。

 イギリスも苦しい立場だ。EUからは脱退したものの、エネルギーに関しては、イギリスはEUと一体であるしかないからだ。EUの気候政策に付き合わぬわけにはいかず、それは英国に非常なコストと、地政学的な弱点を負わせている。

 ボリス・ジョンソンは2019に商業的フラッキング(地下への水注入法による石油採掘)を禁じた。そして今月、試掘中の2つのシェール層をコンクリートで塞いで探査を打ち切らせる命令を下した。

 そもそもソ連が西欧へ天然ガスを供給しはじめたのは1960年代である。

 当時の西ドイツ(石炭には不足していなかった)の指導者ウィリー・ブラントが、その取引を推進したのは、もっともな理由があった。東西両ドイツを再統合するためには、まずソ連となじみになるしかなかったからだ。だからこそ、東ドイツが最も、ソ連=西独のガス貿易に、反対をしたものである。

 2009年にガスプロムは欧州向けのガス送出を止めたことがある。
 にもかかわらずドイツとベルギーは原発の廃止を決めてますますプーチンの支配に入りたがっている。

 地政学的リアリズムとは、エネルギーの現実主義だ。
 この現実主義の立場からは、「ネットゼロ」は西側世界の自殺であると予見できる。

 ※熊プーがプーチンを声援できるわけがない。なぜならロシアが今見せている侵略テクニックは、満州事変や冀東・冀察政権(北支分離工作)と同列だからだ。大連や東支鉄道を作ったのは帝政ロシアである。新疆も一時はソ連勢力圏に入っていた。それらを返してもらうといわれたら中共はどうするんだ?


★《続・読書余論》『世界の名著20 トマス・アクィナス』1980年刊

★《続・読書余論》ノモンハンと戦車と機械化 大特集

★《続・読書余論》 ロシア軍 小特集


★《続・読書余論》の最新Upは、袖井林二郎著『マッカーサーの二千日』です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-2-22記事。
   ウクライナはイスラエルに、「アイアン・ドーム」を売ってくれと頼んだが、イスラエルはロシアを刺激したくないので、この引き合いを断った。

 プーチンが今やっていることは、1938にヒトラーがチェコスロバキアを切り取った手口と同じだ。そして1938の英国チェンバレン内閣と同じ手緩い反応を、NATOと米国は続けている。

 とうじ、英政府は、チェコ人となんら相談することなく、ドイツによるチェコ領土併合を認めてやったものである。

 ヒトラーは、それ以上の領土併合は考えていないと1938までは英国に口約束していたが、翌1939にポーランドを半分切り取った。これで第2次大戦になった。

 ロシアは常に、隣国の強さだけをリスペクトし、弱い隣国からは徹底的に毟り取るだけである。

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 SOFREP の2022-2-21 記事「‘Don’t You Know There’s A War On?” Rationing In WWI」。
    米国はWWIに1917から参戦したが、そのさい、アルコール飲料の販売規制がかかった。特に兵営と弾薬製造工場の近辺での販売が厳禁。またビール工場への穀物輸送も阻止された。

 このアメリカ以上にすごいことをやったのが帝政ロシア。なんとWWIにさいしてウォッカを禁止した。そしてこの措置は革命後も1925年まで継続され、「文化革命」と自画自賛されていた。

 英国はジョージ5世が率先して、ワイン、蒸留酒、ビールの消費を、戦争終結まで断った。

 酒豪のアスキス首相だけが、公然と、これに倣わなかった。ということは皆、陰ではこっそり飲んでいたのだろう。

 米国ウィルソン大統領は、戦争中は諸事経費をきりつめるべきであるとして、1918年に、ホワイトハウスの芝刈りを禁じた。そのかわりに、多数の羊が庭に放たれた。
 その羊の毛は刈り取られ、収益は赤十字に寄付された。「ホワイトハウスウール」と称された。

 長距離爆撃に使われたツェッペリン飛行船の皮は、1機分が、25万頭分の牛の腸からできていた。文字どおりの、「飛ぶソーセージ」だったのだ。
 ドイツ当局は、この膨大な腸を確保するべく、ブラートヴルスト(独式ソーセージ)の製造を統制した。肉屋は、腸をすべてツェッペリン工場向けに提出しなければならなかったのである。

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 Brett Tingley 記者による2022-2-22記事「Scores Of ‘Dark Vessels’ Belonging To China’s Maritime Militias Are Operating In Contested Waters」。

 民間衛星会社の「Unseen Labs」は、宇宙から海上の電波発信源を同定できる能力を売り物にしている。同社は、中共があやつる、見かけは非軍艦・非公船である不審船多数が、トランスポンダー(AIS)のスイッチを切った状態で東シナ海を横行している実態を明らかにした。

 国際海洋機構の2004の定めにより、300トン以上の外航貨物船、500トン以上の内航貨物船、そしてすべての客船は、AISを切ってはならない。中共はこれに違反しているのである。

 また各国はそれぞれに、国内法でAIS運用基準を定めている。たとえば米国の全長65フィート以上ある漁船は常時、AISをつけっぱなしにしていなくてはならない。

 中共は、米海軍の駆逐艦がコンテナ船にぶつかると弱いという弱点を知ったので、コンテナ船が輻輳する海域でわざとAIS無しの商船を充満させ、米海軍の接近をたじろがせようという魂胆なのだろう。


★《続・読書余論》袖井林二郎『マッカーサーの二千日』中公文庫2004、初版1974年


最新の ★《続・読書余論》は『四王天延孝回顧録』です。

 雑誌『諸君!』の2009-4月号に、四王天の長女と結婚した山口隆一が1951年に中共で処刑されていたという謎を追った三山喬氏の記事が寄稿されています。四王天の自伝は70歳頃までで終わっているので、その補足になるでしょう。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

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 Chris Cruden and Nicholas Krohley 記者による2022-2-22記事「Flunking the New York Times Test: Making Sense of Russian “Covert” Action」。
    NYT紙は2019-10-8に報じている。GRU内の暗殺部隊「29155」部隊による違法作戦の詳細を。
 現地に慣れている元スペツナヅの隊員が、ロシア周縁部諸国に入り込んで、反露スタンスの政治家、ロシアから出国した反モスクワのロシア人である活動家たちを次々に殺しているというものだった。

 じつは国家情報業界では、「裏工作の失敗基準」というものがあり、そのひとつは、《『ニューヨークタイムズ』の1面にとりあげられたら、それは失敗作戦だ》とする。

 この基準ではGRUは失敗したことになろう。記事では29155部隊の所属隊員の個人名や、司令部所在地まで報道されてしまっているのだ。

 だがロシア人はアメリカ人とは同じようには考えない。彼らは、違法暗殺作戦が大手メディアに報じられることで、それを次なる恐怖作戦の梃子として利用できると期待しているのである。

 ほんとうのプロが国家意思をうけて暗殺仕事をするのに、民間ジャーナリズムが何をつかめるというのか。NYTがスッパ抜きと信じた材料は、じつはすべてGRUが意図的にばら撒いたパン屑なのだ。

 違法だろうが何だろうがロシアは殺そうと思った個人は殺してしまえるし、それがバレてもぜんぜん平気だぞという「宣伝」くらい、クレムリンにとって都合が良いストーリーはない。なにより、国内から反対者や裏切り者や対敵投降者が続出するのを抑止できる。次の脅迫はいっそう容易になり、ロシアの対外影響力はますます大きくなるであろう。そうなれば、戦わずして勝利できるのである。


★《続・読書余論》四王天延孝著『四王天延孝回顧録』昭和39年刊