ロッキードマーティン社が、出力500キロワットのレーザー砲を完成させた。従来の最強の試作品は、国防総省から受注して開発したもので、出力が300kWであった。

  Sebastian Shukla, Alex Marquardt and Daria Martina Tarasova 記者による2023-7-30記事「Exclusive: Rare access to Ukraine’s sea drones, part of Ukraine’s fightback in the Black Sea」。
   CNNが、無人爆装ボートを実験・製造している秘密拠点を独占取材。
 最新の試作ボートは、長さ5m。トラックの幌付き荷台に載せて運ばれてくる。

 無線コントローラーには「爆発」のスイッチも設けられている。どうやら遠隔操縦者が随意のタイミングで自爆させることもできるようだ。

 メーカーは、戦争前は無人艇には未経験であったという。

 新モデルのスペックは、全重1トン、炸薬300kg、航続距離800km、最高速力80km/時=50ノット。

 7月14日にケルチ橋を損傷させた爆破攻撃も、洋上から無人艇を放ったものだったという。

 これらの水上ドローンは、設計から試作、試験から実戦運用まで、ウクライナ国内で完結させている。ソフトウェアもウクライナ人が考えた。しかし量産の半数近くは、国外でなされているという。

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 2023-7-28記事「HAVELSAN Launchs CAKA Submersible Kamikaze Unmanned Surface Vehicle at IDEF23」。
   トルコのIT系企業「HAVELSAN」社が、潜航もできる小型無人艇のモックアップを「IDEF23」展示会に出している。その名も「CAKA S-KUSV」(サブマージブル・カミカゼ・アンマンド・サーフィス・ビークル)。

 同社は海軍向けの戦闘システムを納入した実績を有する。本社はアンカラにある。

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 Vytautas Valinskas 記者による2023-7-30記事「Ukrainian Soldiers Tested North Korean Ammunition. What Are Their Impressions?」。
    ウクライナ軍の第47旅団は、「BM-21」多連装ロケット発射機用の122ミリロケット弾(北朝鮮製)を、露軍に向けて発射した。

 ウクライナ国防省の中の人によると、このロケット弾は、イランの武器密輸船が洋上で拿捕されたときに、積荷に混ざっていたのではないかという。それを米国がめぐんでくれたわけだ。

 マーキングから分かるのは、製造されたのが1980年代から90年代であること。
 発射した兵隊いわく。信頼性は低い。通電しても発射されないことがあるし、着弾しても爆発しないことがある。

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 AFPの2023-7-29記事「US to Help Australia Boost Missile Manufacturing」。
    土曜日にブリスベーンで米豪間の相談があり、米国は豪州国内の兵器生産能力の増強に力を貸す方針を明示。それによって、米国一国では急の間に応じきれない兵器弾薬の突発需要を満たせるようにする。

 リチャード・マーレス豪州国防大臣は、2年以内にミサイル製造ラインを稼動させたいと語った。具体的にはHIMARS/GMLRSの終末誘導ロケット弾薬。

 米側からはブリンケンとロイド・オースチン。豪側からはペニー・ウォン外相も顔を出した。

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 Defense Express の2023-7-29記事「Polish AHS Krab in Ukraine: Durable Yet Uneasy to Repair and Vulnerable to Lancet Drones, Says War Analyst」。
    ポーランドがウクライナに供与した155ミリ自走砲「クラブ」は、すでに54両を超える。戦場で使い始めてから1年以上が経過した。
 ウクライナの軍事分析家が、その前線での評判をまとめた。

 まず装甲防護力だが、小火器の弾丸や、榴弾の破片は防いでくれている。しかし、「ランセット」の直撃には、堪えられない。たった1kg~3kgの弾頭重量のランセットに、やられてしまうという。

 戦場で破壊された「クラブ」は20両以上あるという。そのうち10両は、ランセットにやられたという。

 ちなみに「ランセット3」の弾頭重量が3kgで、それは「KZ-6」というHEATである。

 他方、露軍の砲兵に「クラブ」がやられた例はない。射撃後、すぐに陣地を変換しているので。
 「クラブ」は10秒のあいだに3発の155ミリ砲弾を発射し、即座に移動する。

 磨耗焼蝕した砲身でさらに連射しすぎて「クラブ」の砲身が裂けてしまったケースが1例あるという。

 ディスアドバンテージは、最前線で「クラブ」が故障したときに、その場で修理するのが簡単ではない。後方まで牽引するのも面倒である。

 ※ふと思うのだが「ハーフトラック」シャシの復活があるのではないだろうか? こんなに地雷だらけの近未来戦場で、すぐにもひきずって回収しなければならないとき、フルトラックよりも好都合だろう。場合によれば、自力でタイヤを回して後退し得るかもしれないのだ。

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 Jono Thomson 記者による2023-7-30記事「Taiwan’s military not suited to defend against Chinese invasion: RAND」。
   RANDが7-26に台湾関係のリポートを公表した。台湾の指導者層は、中共がほんとうに台湾に侵攻するかについて疑っている。あたかも、2022-2-24以前のウクライナ政府が、ロシア軍が侵攻を発起することについて最後の瞬間まで疑っていたように。もし侵略が開始されれば、それは台湾の国家存亡にただちに直結する事態であることは間違いない。

 台湾の指導者層は、中共はむしろ経済の強制力によって、台湾政治を中共政治に取り込んでしまおうとするであろうと考えている。

 RANDは批難する。台湾は国防に十分な予算を回していない。しかも、その限られた額の予算を、時代遅れの兵器システムの調達に使ってしまっている。
 いくつかの新しい構想は、公表はされはするものの、それは常に話だけであって、じっさいには、古臭いシステムにほとんどの国家予算が使われる。

 RANDは、台湾軍と台湾政府が、中共本土を攻撃することに高い優先順位を与えている姿勢を論難する。

 このリポートが発表された同じ日に台湾政府は、国防予算を7.5%増額させるべきだと提言した。2023年度国防予算は440億台湾ドル=14億400万米ドル。これを2024ではこれ534億台湾ドルにしよう、と。

 7-28に米政府は、台湾向けに3億4500万ドルの兵器支援をすると発表。また米連邦議会は、米政府が台湾のために10億ドルの緊急軍事支出ができる権限を与えた。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-7-30記事「With 150 Sorties & 900 Precision Strikes Daily, US Navy Capable Of Deflating China ―― Top Commander」。
   トップガン出身者でもある米海軍のサミュエル・パラロ提督は、CBSニュースに対してこう語っている。
 米空母は、1日に150回の空対空戦闘が可能。また24時間に900発の精密誘導兵器で対地攻撃できる。しかもそれを数日間、昼夜連続できる。

 『フォード』型空母だと、24時間に160ソーティ可能。「サージ」が必要なときにはそれを220ソーティに増やせる。


ウクライナ政府は、国民の休日としてのクリスマスを、従来はロシアと同じ1月7日としていたが、それを西欧と同じ12月25日に移動させた。

 Tim Lister 記者による2023-7-29記事「What Ukraine must do to win in its southern push ―― and what Russia has in reserve」。
    DCにあるシンクタンク「戦争研究所」のジョージ・バロスいわく。旅団どころか大隊単位の攻勢の証拠もない。宇軍は本当に大攻勢をかけているのか?

 衛星写真を見ると、露軍の防禦陣地帯は数線からなり、その縦深は20kmもあることがわかる。もし宇軍がその第1線塹壕を占領しても、すぐ第2線、第3……の陣地で食い止められてしまう。1躍進で20kmは進めない。

 分析家のフランツ・ステファン・ゲイディが現地部隊を取材しての総括によると、宇軍将兵は、なんで攻勢がうまく行かないのか、よく分かっているという。戦術が拙劣。味方部隊相互の調整攻撃ができていない。官僚仕事が物事を遅らせている。各級の指揮官たちにはイニシアチブが無く、上からの命令待ち。要するに根深すぎる旧ソ連式の軍隊文化は、数ヵ月で払拭できるものではなかったのだ。

 ※つくづくクラウゼヴィッツは正しい。機甲や歩兵の教練など最初からやらず、ひたすら、迫撃砲・ロケット砲とその砲弾だけ供給してやっていた方が、はるかにうまくいったはずだ。泥濘期を逆に利用できたはずだ。

 ゲイディいわく。けっきょく砲撃戦に戻ってしまった。それがクラスター砲弾供給の背景だ。砲撃で敵陣地を弱めないと、宇軍にはマヌーバの余地もないので。

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 2023-7-29記事「Poland asked South Korea for an arms loan」。
   韓国の新聞『The Korea Times』によると、ポーランド政府は韓国に要求した。次の大量武器発注をして欲しくば、まず156億ドルのローンを与えよ、と。

 すでに契約されているK2戦車とK9自走砲の代金の7割も、ローンである。それは94億ドル相当という。

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 Parth Satam 記者による2023-7-29記事「Armed With ATV-Mounted Anti-Tank Missiles, Russian Paratroopers Practice Hitting Moving Targets」。
    4輪バイク(ATV)に有線誘導のATGMを載せてその荷台から直接発射すると、どんな感じか。貴重な実験動画がロシア国防省によって公表されている。運搬と操作をたった1人でやっている。

 ATGMは「9K111M Fagot-M」だと見られる。

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 Gary Mortimer 記者による2023-7-28記事「Is DJI a Chinese company?」。
    DJIは、中国語で「大疆創新」(意味は、大きなフロンティア+イノベーション)の発音を英語化したときの頭文字である。

 2人の男が2006年に創設した。その1人は香港大学の科学技術博士。

 最初は模型ヘリコプターのオートパイロットや、ホビー用のコントローラーを製造販売した。
 2013年に「ファントム」シリーズを売り出し、大ブレーク。

 当時は米国に「3DR」というライバルメーカーがあった。同社は2014年に「アイリス」、2015年には「ソロ」というクォッドコプターの対抗商品を出している。特に「ソロ」は技術的にDJIより進んでいたともいう。しかし、市場から一掃された。DJIは低価格だっただけでなく、ビデオカメラを空撮時に安定させるジンバル機構を附加させてきたから。

 ※英語では「ギンバル」と発音するようである。

 「ソロ」にジンバル付きの「GoPro」カメラを搭載すると、軽く1700ドルを超えてしまう。それに対してDJIの「ファントム3プロフェッショナル」は、一式1300ドル。さらに2016年には「ファントム」は1000ドルで勝負してきた。

 これでDJIの天下独占が確立した。DJIは設備投資にも積極的で、日産数千機を量産する。
 もう誰もこれと競争できなくなった。

 2016以降、米国のメーカーが大衆用のマルチコプター製品で市場参入しようと思ったら、なにか超斬新な「新案」を組み込むか、さもなくば、巨額のロビーイング費用を使って、米連邦議会が中国製マルチコプターを米国市場から駆逐するように仕向ける必要があるのだ。

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 Connor Surmonte 記者による2023-7-28記事「Vladimir Putin’s Mistress Alina Kabaeva Accused of Having Affair With One of Her Security Guards: Report」。
    2018以来、プー之介の愛人の一人であるアリナ・カバエワが、昨年からは彼女の護衛の一人と乙な関係になっているという。
 カバエワはプーチンの子を3人産んでいるのだが……。

 この話は反プーチン派が「テレグラム」上に暴露した。
 プーチン(70)は詳細を報告されてはいるものの、何もしないという。

 カバエワとプーチンはスイス国内に別邸を構えている。2022-2の戦争開始直後、カバエワはそこに短期間、滞在していた。

 しかるに2022-5にカバエワはまた妊娠した。あとは言わなくともわかるだろう。

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 Aristos Georgiou 記者による2023-7-28記事「Skydiver Dies After Mid-Air Collision With Girlfriend」。
    コロムビアで、スカイダイビングのインストラクター(43)が、空中でガールフレンドと激突し、空中にて死亡した。7月21日に。
 このインストラクターは3000回以上もジャンプしているベテランであった。

 2人で同時に飛行機から飛び出し、ほぼ同時に開傘。そのさい、女性の足に、インストラクターの頭部が激しくぶつかったという。女性の足は複雑骨折。

 ところで、近年は、スカイダイビングでの事故死率は、皆が思うほど高くはない。2023年に発表されたところでは、ジャンプ10万回につき1回未満しか、死亡事故は起きていないそうである。

 入院が必要になる事故の発生率も、1万回に1回未満だそうだ。

 インストラクターが意識不明のまま着地したとき、ヘルメットは被っていなかったという。


米連邦議会上院は、米海軍に枷をはめた。これから2033年までは、原則として、同盟国であっても、外国製の部品を米軍の軍艦に使ってはならん。

 Defense Express の2023-7-28記事「Landimes Against Drones: Exotic Anti-Helicopter Mines Could Become an Effective Protection Against russian Lancet Loitering Munitions」。
   あらたなる「ひらめき」。昔から各国は、「対ヘリコプター地雷」というものをいろいろ考えていた。それは敵ヘリボーン部隊の降着を妨害しようというのが目的だった。
 この対ヘリ地雷に使われていたセンサー技術を応用して、MBTの砲塔天板で「対ランセット兵器」を機能させれば、ランセットが近づいたところで自動で作動し、MBTを守ってくれるじゃないか――という。

 ちなみに、現実にモノになった「対ヘリ地雷」は無い。それは敵味方の見境がなくて危なすぎる。またセンサーの感度をどこまで上げていいのかも分からなかった。遠くのヘリまで攻撃しようとすれば、めっちゃ高額な地雷になってしまう。MANPADSを歩兵に持たせた方がよっぽどいい、という結論が出ていたのだ。

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 2023-7-27記事「Ukrspecsystems revealed the MINI SHARK UAS specifications」。
    ウクライナの無人機メーカーであるウクルスペクシステムズ社は、手投式の固定翼電動無人機である「ミニ・シャーク」のスペックを公表した。

 ウイングスパン2.6m、全長1.25m、最大離陸重量5kg。
 滞空は2時間可能。電池容量は2万1000ミリアンペア・時。
 高度は3000mまで行ける。常用高度は1000mだ。
 最高速力120km/時。巡航は55km/時。もし42km/時以下になると失速する。
 通信可能距離は最大で35km。
 背中に担いだ状態から、飛翔させるまで、準備は5分で完了する。

 ※回収方法の説明がないが、パラシュートやエアバッグへの言及がないから、胴着させるのではないかと思われる。牽引式の2翅プロペラはゴムのように屈撓し、自壊はしないように見える。脚はない。

 ※雑報によると、タジキスタンからロシアのタタルスタンのエラブガ経済特区内にあるアラブガ工科大学に留学している女子学生たちが、強制的に「シャヘド」特攻自爆機の製造組立ライン工として軍需工場で労働させられている。15歳の学生も含まれている。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-7-27記事「Big win for Korea, kicks Germany out of Aussie M113 replacement deal」。
   オーストラリア陸軍がもっている古いM113を何で更新するか。売り込み競争が続いていたが、ハンワのIFVが勝利した。

 次。
 Stephen S. Roach 記者による2023-7-26記事「US-China Decoupling by the Numbers」。
    米連邦議員たちは、完全な米中経済デカップリングは不可能だと認識しつつある。

 米中間の貿易(モノとサービス)は、2022年において米国GDPの3%を成している。これはピークであった2014年の3.7%より19%少ない。

 この減った原因の75%は、トランプ政権が2018年に中国からの輸入品に課した関税である。

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 AFPの2023-7-26記事「NASA picks Lockheed Martin to develop nuclear rocket」。
   NASAと米軍は、火星ロケットは核動力にするしかないと考えており、このたび、ロッキードマーチン社にその開発を発注することが決まった。

 核熱推進=NTPは、核分裂の熱が発生している炉心に、極低温の水素を通し、その膨張する水素を機外へ噴射させる反動力によって、宇宙船が前進モーメントを得る。

 地球と火星の間を生身の人間に移動させる時間は極力短くしないといけない。なぜならそのあいだはずっと、宇宙の放射線に曝され通しだからである。NTPなら、最も移動を高速化(時間短縮)できるという。

 なお、安全のため、この原子力エンジンを始動させるのは、宇宙ロケットが地球周回の高軌道に達した後とする。

 このエンジンは新案ではない。NASAは50年以上も前に着想していた。しかしソ連との冷戦に国費が吸引されてしまって、その研究開発予算の目処が立たず、諦められていた。


露軍はミャンマーから輸入した120㎜迫撃砲弾を使っていることが、写真によって判明した。ERタイプ。

 Hlib Parfonov 記者による2023-7-26記事「Ukraine’s Manpower Requirements Reaching a Critical Threshold」。
   全部が公開されているわけではないソースによる2022-1-1の推計値では、ウクライナの人口は3100万人らしい。これはウクライナ政府が公表している3400万人よりも少ない。

 20年前はウクライナには4800万人も人口があった。これがガックリと減ったのは同国の混乱の歴史を考えると、不自然ではない。

 露軍が占領中の領土にとどまっているウクライナ人は200万人だという。

 ウクライナ軍の人的資源(動員済み将兵)は、1年前には100万人だと政府によって発表された。現況は秘密にされていて、外野としては推定ができるだけだが、400万人近くが動員されたうちの半数が負傷や病気によって除隊して、今は200万人ではないか。なお、戦時がつづくかぎり、招集された健全な兵隊の除隊帰郷は、無い。

 これは何を意味するか。ウクライナ政府は、もうこれ以上人的動員のできる「のびしろ」を余していない。
 すでに総人口の10%が軍務に関与しているのだ。

 ちなみに、老齢年金生活者でウクライナから去らずにいる者は、1070万人。この老人たちが徴兵されることはない。

 ベトナム戦争中、南ベトナム政府は、総人口の11.7%を徴兵していた。当時のベトナムは今のウクライナのような高齢化した社会ではない。それでも11.7%が総動員の限度だったのだ。

 WWII中のフィンランドは、全国民のうち14%から15%を動員したようである。民生経済のすべてを犠牲にした根こそぎ動員だ。

 ウクライナでは、当時のフィンランドと同様の現象が報告されている。エネルギー産業や工場の現場に人手が足りなくなっている。

 7月23日の時点でウクライナ政府は、目標とする徴募人数の半数しか徴募できていない。それが直近3ヵ月、続いているという。

 ※つくづくクラウゼヴィッツは正しい。戦争中に「騎兵」(今日の機甲)と「歩兵」を一から教練するなどという迂遠な邪道を選ばせた米軍のアドバイザーが、ウクライナ国家にとりかえしのつかない不利益を与えつつあるのだ。もちろん、それを歓迎し期待したウクライナ政府の自己責任だが……。クラウゼヴィッツが教えた通りに、援助の資源はことごとく「砲兵」の強化に集中しなくてはいけなかったのである。宇軍側が砲弾物量戦に集中していたらドンバス占領区を取り戻せたかもしれない2023春の泥濘期が無為に過ぎていく間に、クレムリンは長期戦の肚を括ってしまった。もう遅いわ。

 次。
 2023-7-25記事「Ukrinform has announced a new flying wing for Ukraine」。
   無尾翼デザインである「シルコ」ドローンは、ハルキウ市の技術者たちが設計し、このたび量産に入った。そしてメーカーは、次のバージョンをもうじきデビューさせる。

 メーカーの名前は、「スカイアシスト研究&製造会社」である。

 その必要なパーツは、中国、イスラエル、カナダ、台湾などからかきあつめているという。

 ※雑報によると、今、ウクライナ軍は、ドローン操縦兵を1万人も擁している。そしてそれと別に、ドローン操縦を訓練中の者が1万人控えているという。間もなく、世界最大のドローン運用軍隊に、ウクライナ軍がなることが確定している。

 ※ニッカンペキスポによると中共国内でも「シャヘド136」級の長距離自爆ドローンの開発完成が間近らしい。そのエンジンは、レシプロの他にマイクロジェットもあるようだ。中共工業の「量産力」を考えると、これは台湾およびわが国にとって、真の脅威の出現と言えるだろう。

 次。
 David Hambling 記者による2023-7-26記事「Russia Prepares An ‘Avalanche’ Of FPV Kamikaze Drones」。
   ウクライナで自然発生的に立ち上がったドローン運用集団「エスカドロン」。いまや彼らは月に1500機のFPV自爆特攻用クォッドコプターを生産/改造していると『フォーブズ』の記者に対して語った。
 1機のコストは数百ドル。

 だがロシアもこの量産競争についてきている。遠からずして、ロシア製のFPV特攻機も怒涛の如く大量に戦場へ補給されてくる。これはもう間違いない。

 ロシア人によるテレグラムへの書き込み。「ランセット」を長い腕のストレートパンチ力とし、FPV特攻機を短い腕のジャブ、フックとする。これらを組み合わせて多層的に戦線を支える。

 FPV特攻機を製造/改造するボランティアやスタートアップは、なにもウクライナの専売特許ではない。

 たとえば「審判の日」という名のロシア人有志集団。現状でもFPV特攻機を百機単位で露軍に納品できると誇っている。その自爆機は、ペイロードが7ポンドで、航続距離5マイル。コストはちょうど440ドルだと。
 また「アルハンゲル」というロシア人グループは、素人をたった2週間の教育で、使えるレベルの特攻FPVパイロットにまで育成するプログラムを、発明した。ウクライナではそれには4週間を要しており、なおかつ3割以上の「落第生」が出ているのだ。

 TASSの報道によると、ロシア司法省は、スポーツ省に対して、「ドローン・レーシング」を、ロシアの公式スポーツ種目にするよう6月20日に命令した。そして2024にはその種目を含めた競技イベントを催行するようにも命じた。

 ところで、プリゴジン叛乱は、意外なところへも影響を及ぼしているという。民間で複数、自発的に立ち上がっているロシア国内の軍事系ドローン団体が、一方ではまた、FSBから、警戒・監視されるようになってしまったという。その技術力とハードウェアと人員を、対モスクワに行使するのではないかと。

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 2023-7-26記事「Russian Lawmakers Approve Ban on Website Registration With Foreign Emails」。
   ロシア国会が水曜日に可決させた法律。ウェブサイトに登録するときに、外国のeメール・アカウントを使うことを禁ずる。

 この法律が成立して公布された暁には、ロシア国内でネットを利用する者は、ロシアの電話番号、もしくは政府のeポータル、もしくはバイオメトリックデータ、もしくは末尾がピリオドruとなっているドメインのeメールアドレスにて、ウェブサイトのアカウントをつくらなくてはいけない。

 ただしすでにアカウントを保持している人が、それをつくりなおす必要はない。

 この法律の目的は、外国からロシア国内のネットにアクセスしてデータを盗み取るハッキングを予防することにあるという。

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 2023-7-26記事「Russia Sentences Leading Cybersecurity Entrepreneur to 14 Years for Treason」。
   水曜日、ロシアの裁判所は、イリヤ・サチコフ被告(37)に懲役14年の判決を言い渡した。サチコフはロシアの大手サイバーセキュリティ会社「グループ-IB」を創業した共同起業者である。

 被告は2021-9に反逆罪の容疑で逮捕された。検察の求刑は18年。情報を外国に渡したというのが嫌疑である。
 反逆罪の裁判は、密室で行なわれる。判決言い渡しのときだけ傍聴が可能。

 「グループ-IB」の本社は今はシンガポールにある。

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 Alex Wilson 記者による2023-7-27記事「Ship-to-shore fuel pipeline test in Australia a first for Army-Navy cooperation」。
    タリズマンサーブル演習の一環として、沖のフネから海岸まで、燃料給油パイプ/給水ホースを延ばす訓練が実施された。

 フネは豪州の民間船で、ホースの長さは3マイル。

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 Defense Expressの2023-7-27記事「The russian Army Can Get a New 152 mm Wheeled Self-Propelled Gun, Ukrainians Ready to Eliminate Them」。
    ロシアも装輪式(8×8、全長13m、32トン)の152㎜自走砲を量産開始。「2S43」という。しかし最大射程は残念な24.5kmなので、対砲兵戦での不利が、今から予測されるという。

 ※ウクライナ軍はいままで総予備として控置してきた無傷の米式「ストライカー旅団」を遂に南部に投入したのではないか? その短期の目標は、クリミア半島内まで十五榴が届くところまで味方部隊を進出させることだろう。その中期の目標は、クリミア半島とロシア本土とのあいだの陸上の補給路をかんぜんに切断することだろう。長期の目標は、クリミア半島を奪回して、プーチンの政治的権威にトドメを刺すことだ。


アラスカの原油プロジェクトになら日本から出資する価値は大きいが、LNGだと二の足を踏む。

 ガスはオイルと違って長期貯蔵ができない。くわえて数年先の環境保護運動がどうなるかも読めない。
 2022-2以降、世界中でロシア産を代替するための天然ガス開発が加速し、カナダなど、他にも供給元が見込める。それらにはわざわざ投資する必要がない。

 私見。それにもかかわらず、アラスカの海岸からLNGをアジア向けに積み出す「港湾施設」の建設――または築港そのもの――のための投資を日本からすることができるのならば、それは安全・安価・有利だと思う。パイプラインは向こうに敷かせるのがよい。

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 John Hudson and Kostiantyn Khudov 記者による2023-7-26記事「The war in Ukraine is spurring a revolution in drone warfare using AI」。
   ウクライナの副首相は言った。ドローン製造戦争は、24時間×週無休の「テクノロジー・レース」になっていますよ。すべての製品を、日々、改善しています。さもないと敵がアドバンテージをとってしまう。

 固定翼無人攻撃機の「パニッシャー」は、電動モーターで静かに敵の頭上を航過しざまに、5.5ポンドの爆弾を投下できる。かなり正確に。

 キーウにある「UA ダイナミクス」社が製造元。同社はいま、ペイロードが4倍の無人攻撃機を開発中だ。

 FPV特攻ドローンは、「貧者のジャベリン」ですな――と語るのは「ツイスト・ロボティクス」社の技師だ。

 米政府の見解としては、自動判断AIを殺傷武器に組み込むのはよいのだが、「デシジョン・メイキング・ループ」の中には必ず「ヒューマン」を介在させざるべからず。

 ※もっと細かく言うと、突入の最後の瞬間に「あっ、こいつは民間人や」とビデオ画像から察したならば、「アボート」コマンドを送って急上昇させられるようにシステムを設計しなくてはいけない。ロシアやイランはその必要がないのだから、これは西側ロボット兵器を価格競争面で不利にするはず。しかし、やらぬわけにはいかん。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-7-26記事。
   中共は自他の間違いを学べる。ロシアは学べない。

 中共は、2014から2022のあいだにウクライナがどう準備したか、それを西側がどう助けたかに注目している。よって、台湾に関してプー之介と同じ破滅への道は選ばないのだ。

 「あくまで戦闘的にやれ。ただし、最後まで殺すな」というのが中共の対台湾戦略である。「寸止め」脅迫戦法とでも言おうか。

 中共は、ロシアよりも「経済制裁」のリスクに敏感である。というのは、いまや中共は世界最大の貿易大国だからだ。ちなみに、1兆ドル以上の貿易をしている国は、世界に3つしかない。中共、米国、ドイツである。

 ロシアは2014前は世界第19位のGDPだった。が、経済制裁を喰らった結果、今年は世界トップ30からも脱落するかもしれない。中共には、このような運命は耐えられない。

 パキスタンは、ロシアと中共の双方から武器を買っている。そのパキスタン人の評価によれば、いまや武器の性能も中共製がロシア製を凌ぐと。ただしその中共製も西側製にはかなわないと。ちなみにパキスタンこそは中共製の武器の最大の輸入国である。

 そのパキはしかし中共やサウジから借りたカネを返さず、利子すら払わず、サウジは怒っている。中共は2023-7-25に、21億ドルの借金を棒引きしてやった。

 中共から米国への輸出は、2022年には5820億ドルであった。これが今年は減りつつあり、来年以降も減り続けるだろう。

 米国を筆頭とする外国の投資事業者が中共から製造拠点を引き揚げつつある。


南部戦区に投入されたと宣伝されていた「T-14 アルマタ」戦車は、前線を去り、ふたたび、試験場に戻ったそうだ。

 Nick Paton Walsh and Darya Tarasova 記者による2023-7-25記事「Rare testimony reveals brutal life for Russian convicts fighting in Ukraine」。
   刑務所から兵隊を徴募しているのはワグネルだけではなかった。正規ロシア軍の「ストルムZ」なる大隊(複数)。

 CNNはこれらを記事にするにさいして、証言内容を他と入れ替えて、本人が同定されないように計らう。

 ある兵隊。まさに九死に一生。「ストルム-Z」に入れられたが、生き残ったのだ。
 ただし、いまだに砲弾炸裂の耳鳴りが続いており、静かな自宅でも眠れないという。

 この兵隊は徴兵されて8ヵ月以上、最前線にいた。近くで炸裂した砲弾のため、彼は9回、人事不省に陥っている。

 昨年の冬、彼は片足を射たれ、後送されたが、10日後にはまた、元いた塹壕に戻された。
 するとこんどは肩を撃たれた。
 それを2ヵ月かけて治療したところ、またしても最前線行きに。

 そこでは、手足のない囚人兵たちが、無線係の仕事を与えられていた。
 兵隊たちは防弾ヴェストを脱ぎ捨てていた。敵の砲弾が至近弾になれば、そんなものは役立たないというので。

 ウクライナ軍砲兵の砲弾は正確であるという評判。露軍の野砲は3~4倍の弾丸を発射するが、先に命中するのは宇軍の砲弾なのである。

 彼の大隊は10月時点で600人の受刑者から成っていた。最後はそのうち170人が生き残った。そして無傷なのはその170人のうちの2名だけだった。

 中には四度、負傷していた者もいる。

 彼が九度目に意識不明になったときの状況はこうだ。突撃発起。敵のRPGとドローンが次々、降ってくる。指揮官が無線で叫んでいた。「目標を奪取するまで戻るな!」。彼ともう1人の兵隊で、同時にひとつの砲弾痕にとびこんだ。

 そこに宇軍のドローンが手榴弾を上から落としてきた。それは2人の中間で爆発した。距離にして30センチだ。戦友は破片を浴びて即死。彼は視力を失った。5時間、白い靄しか見えない。その状態で後送されて、助かった。

 軍医が彼に同情してくれて、野戦病院での雑用係の仕事に就けてくれた。おかげで「契約年季」の最後まで、前線には戻らずに済んだのだ。

 前線のメシは、罐詰肉とインスタントヌードルばかりだった。ところが最前線では、水を貰うのがとても面倒なのだ。給水所まで4km、徒歩で往復することもあった。冬には仕方なく、雪を溶かして飲用水にした。

 糧食の配給もいいかげんで、数日間、メシ抜きということも、ときたまあった。

 塹壕内で盗みを働いたり仲間を殺すような者もあり。その場合、他の仲間が小銃で処刑してしまう。

 もうひとりの、徴兵後三週間で死んでしまった23歳の男。この若者も既決囚で、懲役9年半を言い渡されて、そのうち3年を務めたところで徴募された。

 シャバで20歳のとき、麻薬所持で刑務所に入れられたのだが、23歳のとき獄中から徴兵された。

 まず占領中のウクライナ領内で、簡単な突撃訓練を受けた。

 5月9日の未明に突撃が発起され、それは宇軍も予期していたので、彼の大隊は60名が死んだ。全員、囚人兵である。

 チャットの記録を母親がスマホに残していたので、この3週間の詳細も分かる。

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 The Maritime Executive の2023-7-24記事「ABS Completes Groundbreaking Study on Nuclear-Powered Merchant Ships」。
   ABS(アメリカ船舶協会)は、二酸化炭素削減のため、コンテナ船やタンカーに小型原子炉を搭載すべしという考え。その予備研究を公開している。

 1万4000TEUの積載容量のコンテナ船(船幅はポストパナマックス)、ならびに、15万7000dwtの原油タンカー(船幅はスエズマックス)をモデルに考えた。

 コンテナ船ならば、そのいちばん低いデッキの、船尾近くに、60メガワット=8万馬力の、鉛冷却式・高速原子炉を置けばよいという。

 ちなみにソ連のアルファ級SSNが、鉛-ビスマス冷却の高速リアクターを搭載していた。それで40ノット出していた。

 高温ではあるが、高圧ではない。よって事故を起こし難い。

 原油タンカーのほうは、速力は要求されないので、20メガワット=2万7000馬力でよい。
 こっちの原子炉形式は「ヒートパイプ型」。冷却液は自然循環し、外部電力は要らない。

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 「mil.in.ua」の2023-7-25記事「M58 MICLIC」。
   「M58 MICLIC」という地雷啓開システム。1トンのTNTが長さ100mのホースの中に詰まっている。これをロケットで投射する。ロケットは射角45度で発射する。
 爆発すると、幅8mの啓開路ができる。

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 AFP の2023-7-21記事「Amazon invests $120 million in internet satellite facility」。
   アマゾンが金曜日に発表したこと。1億2000万ドルを使って、ケネディ宇宙センターに自社の施設を建設する。ゆくゆくはスペースXのスターリンクに対抗する3200機の衛星群を構築し、インターネット商売を展開すると。特に、世界の僻地の、ブロードバンド環境が無いエリアから、誰でも安価にインターネットアクセスできるようにしたい。

 スターリンクは2019年に3700機の衛星で商売をスタートしている。
 中共は「国網」という衛星を1万3000機、投入する計画あり。
 カナダの「テレサット」計画は300機。
 ドイツのスタートアップ会社「リヴァダ」は600機から始めようとしている。

 EUは「アイリス」衛星を170機、回したい。

 米軍は、米軍専用のインターネット通信衛星を300機から500機、独自に回したがっている。

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 Geoffrey Aronson 記者による記事「Biden’s Search for a Security Model for Ukraine Comes Up Short」。
    バイデン政権としては、ウクライナに対する安全保障は「イスラエル方式」にする気だろう。NATOには加盟させない。

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Kris Osborn 記者による2023-7-23記事「New Army XM-17 Handgun Arrives With Advanced Fire Control, Grip & Magazine」。
    MHS……これは米軍の新拳銃の呼び名である。モジュラーハンドガンシステム。SIGザウアーのM17とM18を総称する。以前はX-17、X-18と言った。これまで長いあいだ、米陸軍は、米空軍といっしょに、これを完成させようとしてきた。

 ちなみに従来SIGザウエルのM11という古なじみも米軍は使ってきたが、これも、MHSによって更新される。

 2018年には、ドロップ・テストに合格しなかった。拳銃を落としたときにストライカーがプライマーを叩いてしまうのだ。

 その後、「二重排莢」という問題も報告されている。空薬莢といっしょに、次の実包までエジェクトされてしまうのだ。

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 Seth Robson 記者による2023-7-25記事「Bell tolls for 53-year-old motorcycle shop outside US airlift hub in Tokyo」。
   横田基地の近くのバイクショップ「バイクランド Keisho」は1970年開店。それが今月かぎり、店仕舞いする。高齢店主の さたけ・しょう が月曜に公表。

 店の跡地には、アパートが建つという。

 ケネディ大統領が暗殺されたとき、すでにさたけは基地内で自動車・オートバイを販売する仕事をしていた。60年代当時、1ドルは350円以上であった。
 その後、ベトナム戦争に深入りした米国は戦費を垂れ流し、それにともなってドルが弱くなった。

 この結果、さたけは、外国製の自動車を基地内で売るのが困難になってしまう。そこでさたけは基地のゲートのすぐ外にショップをオープンして、強くなった円をもつ日本人客を相手にするようになったわけ。

 当初は、輸入ハーレーを売った。とても安く輸入することができた。円高のおかげで。

 さたけ自身、かつてはライダーで、1984にボルチモアからホワイトハウスまでツーリングしたこともある。

 この頃では米兵&米軍属たちは新品のバイクを買ってくれなくなった。むしろリペア・ショップとして店は利用されている。

 ちなみにヨコタにはC-130のシミュレーターがあり、そのメンテナンスのために米国から契約軍属(元米空軍の整備兵)がやってきている。


「スイッチブレード600」ではないかと思われる自爆UAVの残骸写真がSNSに出ている。

 Konstantin Toropin and Thomas Novelly 記者による2023-7-21記事「A Mysterious Osprey Clutch Issue Caused the Deaths of 5 Marines. But V-22s Remain Flying」。
   カリフォルニア州南部にて海兵隊員5人が墜死した2022-6-8のオスプレイ事故。海兵隊による事故調査報告が金曜日に出た。

 クラッチを激しくつなぐと、トルクのリレー部品(主翼のように見える部分の中にある)が壊れるのである。この問題は、事故のずっと前から感づかれていたのに、事故が起きるまで、放置されていたのである。

 夏季の訓練飛行ではギヤボックスの過熱はふつうに起こることであった。

 事故機は、高度500フィートから墜落した。
 あまりに急だったので何が起きたのかわからず、コクピットからの無線連絡は無し。目撃者も無し。

 地面に激突したので燃料タンクが裂け、火災が発生した。
 この激しい火炎のためにブラックボックスは焼損してしまった。

 近所の海軍のヘリが、この墜落現場に飛来・着陸して、消火しようとしたが、手がつけられなかった。

 乗っていた5人は全員、機内で発見された。最年長が33歳、最年少は19歳。

 ハード・クラッチの問題は、海兵隊では、2010年から承知をしていたという。

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 Sarah Anne Aarup, Sergey Panov and Douglas Busvine 記者による2023-7-24記事「China secretly sends enough gear to Russia to equip an army」。
    上海の某ショップでは店頭で防弾チョッキを市販している。通販もしている。今年の春、ロシア人らしい男が来て品質を確かめて行った。その後、大量注文が来たという。

 この上海の小売量販店、シベリアのロシア商社向けだけでも、ヘルメットと防弾ヴェストをそれぞれ十万個も納品している。

 ドローンや暗視照準器のようなデバイスは、直接人を殺傷する武器ではないが、軍隊の戦闘の役に立つ。こういうアイテムが大量に中共から露軍に供給されている。

 通関統計によれば、今年1月から現時点まで、ロシアは中国から1億ドル以上のドローンを輸入した。これはウクライナが輸入したドローンの30倍である。

 防弾チョッキの中に挿入するセラミックプレート。中国は今年、2億2500万ドルを、その対露輸出で稼いでいる。

 ※レンドリースでソ連が受取っていた物資には、燃料の添加剤、無線機、防水仕様の通信ケーブル、合金用のレアメタルまであった。

 ※元NATO事務総長のラスミュッセンが発言。NATOメンバー国(複数)が、ちょくせつにウクライナ領土に入って、宇軍を助けるオプションもある、と。これが、最近のロシアとポーランドとの間の緊張亢進の背景か?

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 Brendan Cole 記者による2023-7-22記事「Putin’s Arrest of Igor Girkin Will ‘Infuriate’ Russian Troops: U.K. Intel」。
    土曜日に示された英国防省の見解。プー之介が金曜日にイゴール・ギルキンを逮捕させたことに、露軍将兵は怒っている。
 ギルキンは、元FSBの将校で、今は軍事ブロガー。

 ギルキンは過激行動を扇動した嫌疑で9月18日まで留置される。そのあと裁判がある。

 ギルキンは2014のクリミア切り取り作戦に従事している。

 2022-2-24以降のウクライナ侵略についてはギルキンはプーチンを批判し続けていた。どうして彼だけそれが許されるのかは、謎であった。

 ※ロシアの兵役動員法は次のように改正される。予備役将官は、70歳まで充員招集され得る。予備役の尉官~佐官は、65歳まで充員招集され得る。後備役の下士官・兵は、55歳まで充員招集され得る。

 ※雑報によると、ソチ市のクラスナヤポリアナホテルの従業員が面白い証言をしている。プーチンとメドヴェジェフがこのリゾート地で映画館を利用するときがある。もちろん貸切りだ。まずセキュリティーが館内に入って、爆弾が仕掛けられていないかを、チェック。ついで、真っ赤な服を着た5人のプーチンと5人のメドベージェフがあらわれ、バラバラに散らばって座席に着く。そのあと、映画が始まる、という。

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 J.P. Lawrence 記者による2023-7-24記事「Prototype Army app identifies drone threats using phone photos」。
    米陸軍は、中東に配備される部隊とその契約軍属に、あるアプリを共有させるつもり。
 そのアプリは、ユーザーが頭上に見かけたドローンをスマホ内臓カメラで撮影すると、その画像を情報センターに送る。すると対象機体の識別がなされ、さらにドローン出没情報が全部隊に共有される仕組み。

 テストでは、有人のヘリコプターを撮影しても、それはドローンではないとちゃんと認識できることが実証された。おりこうさんのAIなのだ。

 複数のドローン目撃情報をひとつのMap上に共有して行けば、やがて敵の狙いや発進地も絞り込める。

 イランは3機のクォッドコプターを密集編隊で飛行させることがよくある。そういう欺騙も見破れなくてはいけない。

 ※9月1日からロシアの小学校では、11~12歳児童を対象に、次の教練が課される。UAV操縦法。アサルトライフル操法。手榴弾取り扱い法。戦闘救護術。


PMCの当世風形態として「地雷処理請負会社」が自然発生している模様。

 Eve Sampson and Samuel Granados 記者による2023-7-22記事「Ukraine is now the most mined country. It will take decades to make safe」。
    地雷と不発弾で「汚染」されたウクライナの土地は、フロリダ州より広い。

 スケールでも、密度でも、アフガニスタンやシリアを凌ぐ。世界一の、不発弾汚染国になってしもうた。

 PFM-1S 蝶々地雷は、設計上、40時間以内に自壊することになっている。

 PMN-4 地雷は、撒布してからやや時間をかけて活性化する。

 茶筒蓋形地雷 OZM-72 には、最初からトリップワイヤーがまるめていれてある。その一端を地面の杭などに結びつける。

 棒状地雷 PTM-1。これはヘリからばらまいたり、ロケットでばら撒く。350ポンド前後の踏み圧で起爆。対車両用だ。ソ連のマニュアルによると、これは安全に除去する方法がないため、遠くから銃撃して爆発させることが推奨されている。

 米国からウクライナに供与されている、155ミリ砲弾の中から対戦車地雷が飛び散る「M21」の子弾は、自動消滅しない。あとで誰かが除去する必要がある。

 UR-77という工兵用の装甲車。そこからMDK-3というホース状爆薬を投射する。幅6m×長さ90mを啓開できる。

 春の農地の地雷除去は、雪解けから播種日までのあいだにせねばならぬ。とても短い。
 予期せぬ洪水がくると、そこで作業は中断せざるを得ない。

 とくに地雷&不発弾密度の濃いヘルソンのようなところでは、農家はトラクターに装甲鈑を縛り付けることで自衛している。トラクターなしでは収穫作業は無理だ。

 農家にとっては切実な問題なので、カネとひきかえに地雷除去を私的に請け負う「闇処理業者」が繁盛している。農家はカネを払って、自分が作付けする耕地だけを手早く啓開してもらうわけ。これは政府自治体による公式な仕事ではないから、「安全な土地」というお墨付きは、得られない。農家はそれを承知で発注するのだ。

 正規の仕事として地雷除去をきっちりする場合、費用は、1平米あたり2ドルから8ドルかかる。それで、概算では、ウクライナの農民はこれから10年かけて374億ドルを、地雷&不発弾対策費として支払う必要があるだろう。

 米国務省によれば、米国はすでにウクライナの地雷除去のために9500万ドル以上を使った。

 カンボジアでは過去30年、地雷除去作業が続いているが、まだ5年は続けないと終わるまいという。これまで地雷にかかったカンボジア住民は数万人いると見られる。

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 Jenny Beechener 記者による2023-7-21記事「Russia develops hibernating device for drones, leaving no electronic footprint」。
    TASS通信によると、ロシアの「綜合無人開発センター」は、FPV特攻ドローンである「ジョーカー」シリーズに「冬眠」装置を組み込んだという。

 この自爆ドローンは、あらかじめ敵の通りそうな地域の、ビルの屋上などの高いところへ着陸させておいて、そこで数週間も、スリープさせる。
 敵が近くにやってきたところでコマンド信号を送り、ドローンを活性化させてやる。

 この用法の何が有利かというと、離陸してから敵車両に突入するまでの飛行が、時間にして「わずか数秒」にまで短縮されるので、敵にとってはまったくの奇襲となる。だから、「対UAV」のECMを指向する暇もないし、AAで物理的に射撃する暇もない。

 ※もう何年も前、無人ヘリコプター用に「鳥の足」のミミックを研究していたチームが複数あった。あれを使えば、たとえば独立樹の高い枝にとまらせてスリープさせておくこともできるはず。

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 Oishee Majumdar & Akshara Parakala 記者による2023-7-20記事「China repurposes commercial UAVs for military resupply missions」。
   中共軍が、民生用のクオッドコプターに弾薬を吊るし、それを最前線の部隊に届けるという用法を、国営のCCTV(中国中央テレビ)が放映した。

 『ジェーン』が調査したところ、この機体は中国の通販ネットで普通に手に入る。メーカーは江蘇省にあり、農地に空から種や農薬や肥料を撒くのが本来の用途であるようだ。

 中共軍はカーボンファイバーで「駕籠」をつくり、それをこのクォッドコプターの腹にくくりつけ、その中に弾薬を入れた。底の蓋が開くようになっていて、着地はしないで味方部隊の頭上から弾薬を落としてやるようだ。

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 Francois BECKER 記者による2023-7-20記事「’Oppenheimer’ a warning to world on AI, says director Nolan」。
   新作映画『オッペンハイマー』の監督、クリストファー・ノランいわく。この映画から、AI開発への警告のメッセージも受け取って欲しい。
 ノランは過去に『メメント』やバットマン三部作もてがけてきたから、こういう話をする資格はあるだろう。

 いまAI開発の最前線の人たちは「オッペンハイマー・モーメント」に居るんですよ。
 それを創ったらもう、人類は後戻りができなくなるというね。

 最初のアラモゴルド実験をするときに、科学者も確信はできなかった。チェイン・リアクションが制御できなくなって、地球大気が全部、ダメになるんじゃないか、とかね。

 マット・デイモン(52)がレズリー・グローヴズ将軍の役を演じている。マンハッタン計画のプロジェクトマネジャーだ。

 この夏休みの映画館は、『オッペンハイマー』と『バービー』が2枚看板。人呼んで「バーベンハイマー」だと。
 ※昨年はさすがにネットフリックス流人種路線に市場が辟易したので、この2作品が製作されたか。

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 Luna LIN 記者による2023-7-20記事「Deals on wheels: Housing prices drive young Chinese into RV living」。
   中国大都市でも、30歳前のインテリサラリーマンには「持ち家」の負担は重すぎるようになり、ついに、キャンピングカー暮らしを堂々とする者が発生している

 大型RVをねぐらとしていれば、失業しても気軽に他の都市へ移って就職活動できる。

 一例。大都市でアパートを借りると、月に2500元=350ドルから、600元というところ。しかし、駐車場を借りるだけなら、日に20元でいいのである。

 ただし、トイレは公共施設に頼るという。

 最近の調査によると、「シンセン」市では、賃貸住居費が、労働者の収入の49%に達している。
 部屋を買うとなったら、もっと大変だ。中古マンションでも、1平米あたり6万5000元。大都市の私企業のサラリーマンの月給の9倍に近い。

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 AFPの2023-7-21記事「Turning scrap wood into strong, sustainable materials for re-use」。
   米国防総省によると、外地の前線近くの米軍基地から出る「ゴミ」の8割は、木材、ダンボール、紙類なのだという。だいたい、兵隊1人が毎日、重さ13ポンドのゴミを発生させている。

 このセルロース系のゴミを新素材に再生するというプロジェクトを米軍は進めている。
 木材の密度を人工的に倍化させると、重量あたりの強度がスチールよりも増すそうである。しかも水によって腐らずに長持ちし、高熱にも耐えてくれると。

 まだ研究は初期段階である。

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 ストラテジーペイジの2023-7-23記事。
    港湾の管理システムがランサムウェアにハッキングされる事件がよく報道される。
 この「ポート・マネジメント・ソフトウェア」は何を管理しているのかというと、コンテナの現在地や行方を1個1個、把握し、追跡できるのである。もちろんコンテナの中身の商品も承知できる。

 1隻のコンテナ船に何万個ものコンテナが積まれているから手作業ではとてもそんな管理はできない。そこは、コンピュータとソフトウェアに頼るしかない。そこが、ハッカーの狙いどころになってしまう。

 もちろんコンテナだけでなく、ドライカーゴや原油の港湾荷役作業も、いまではコンピュータ管理が頼みだ。そこで2020年にイスラエルは、イランの港にハッキング攻撃を仕掛けて、数日間、荷役作業をできなくしてやったことがある。

 さかのぼると2017年、世界最大の海運会社である「Maersk」社が、ランサムウェアにやられた。この会社は当時、世界の海運の五分の一を1社で引き受けていた。会社管理の港は世界に76港あり、所有するコンテナ船は800隻以上。それが麻痺してしまった。犯人は1600万ドルの身代金をビットコインで要求してきたが、危機アドバイザーは「会社で1からシステムをつくりなおしたほうが安全ですよ」と提言。Maersk社は10日を費やしてそれを実行した。この10日の停滞により会社が蒙った損失は2億ドル以上であった。

 2018年にロシアがウクライナの港湾管理ソフトを攻撃したマルウェアは、管理データを暗号化してロックするタイプではなく、管理データを破壊・消去してしまうタイプであった。つまり修復の可能性を限りなく小さくする。身代金を取る気はないので。

 2020年にはワシントン州のケネウィック港の管理ソフトがランサムウェアにやられた。ハッカーは2億ドルを要求したが、港湾当局は拒絶し、1ヵ月以上かけて、管理システムを作り直している。


ポーランド陸軍は90機以上ものアパッチを買い揃えるつもりでいるが、インド空軍は「CASの時代は終わった」と結論づけている。

 Vijainder K Thakur 記者による2023-7-22記事「Ukraine War Proves Multi-Layered Defense, SEAD Missions Hold The Key To Repel Big Enemies; 10 Key Lessons For IAF」。
  ウクライナ戦争は次のことを教えている。
 多層のSAMによる対有人機の防空は、とても有効。もはや戦場上空を有人機は飛び回れない。大型のMALE無人機もダメだ。使えるのは、人が乗れないレベルの小さな無人機と、無人カミカゼだけ。

 ※ポーランド政府は人件費の将来負担のことをまるで考えていないように見える。アパッチの大部隊は、ポーランドには持続不可能で、すぐに大量のゴミとなるはず。唯一、なにかよいことがあるとすれば、これはボーイング社をよろこばせるので、その人脈を使って米議会にロビイングし、対露有事のさいにポーランドをお見捨てなく、と運動してもらえる。調達が続きそうであるかぎり、そのレバレッジを使える。この戦略は台湾とも似ていると思う。兵器そのものに用はなく、米国議会に用があるのだ。

 次。
 Brendan Cole AND David Brennan 記者による2023-7-22記事「Not the President’s Men: Why Zelensky Keeps Shuffling His Ambassadors」。
   ゼレンスキーは駐英のウクライナ大使を罷免した。
 大統領ウェブサイトはその理由を一切説明していない。

 ワディム・プリスタイコ大使は2000年からロンドンに駐在していた。それが金曜日に馘だと発表された。
 同時にプリスタイコは、国際海洋機構のウクライナ代表の地位からも外された。

 今月、リトアニアで開かれたNATOサミットにて、英国防相ベン・ウォレスは言った。《みんな、ウクライナから、西側諸国に対する感謝の意を、聞きたいものだと思っている。わたしはAmazonではないのだ》。

 これは、会議直前までしきりに文句ばかり垂れていたゼレンスキーへのあてつけだ。

 これについてジャーナリストから尋ねられたゼレンスキーは、いわずもがなのことを口走った。

 《ウォレス氏が私に手紙を書いてくれると、とてもありがたい。私がどのように人々にお礼を述べるべきかを。》

 さらにこれについてプリスタイコは英国テレビの「スカイニュース」で《このような皮肉は健全ではない》と、おのれのボスを批判した。これでは馘にされても仕方あるまい。

 ※小者役者揃い踏みかよ。

 ゼレンスキーは2022-7-9に、それまで8年間、ベルリンに駐在していたウクライナ大使のアンドリィ・メルニクを解職した。

 これはユーチューブ番組での失言の直後であった。
 WWII中に「ウクライナ・ナショナリスト機構」という鷹派集団があり、その指導者をステパン・バンデラといった。この機構は占領者であるドイツ軍と結託して、ポーランド人と猶太人をたくさん殺している。
 番組のインタビュアーが、バンデラは80万人のユダヤ人殺しに関係していた、と言ったのに、メルニクは「証拠は皆無だ」と返答した。

 これにイスラエル政府とポーランド政府が抗議した。ウクライナ外務省は、これはメルニクの個人的見解であると声明した。

 これでメルニクは本国召還となり、今はウクライナの外務副大臣である。

 ベラルーシ駐在のウクライナ大使であったイホル・キジムは2023-6-22にポストを外された。彼は2017からミンスクに駐在していた。
 ベラルーシを侵略国家に認定し、外交関係を断つという2023-6のウクライナ国会決議草案が関係しているだろう。

 駐チェコ共和国大使も、メルニクと同時の2022-7に召還されて、外務副大臣になった。これは通常のローテーションだとゼレンスキーは説明している。

 駐インド大使も交替。こちらは本人が、8年もやってきたからそろそろ帰国のときだよ、とマスコミに語っている。

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 ストラテジーペイジの2023-7-22記事。
   ロシア企業の「Lobaev」社はこのたび、DJIのクォッドコプターがGLONASS信号でナビできるようにするデバイスを作った。

 DJI製品にはデフォルトで、GPSとBeidouの航法支援電波を利用できるシステムが入っている。GLONASS は、今次戦争前は、使えたのであるが、DJI社は、その機能を1年前に削除してしまった。

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 Robert Schreiber 記者による2023-7-20記事「Revolutionary materials and techniques transform aircraft construction」。
    ドイツ航空宇宙センター、エアバスなど欧州の複数の研究機関が合同で、アルミ合金に代わる、航空機の胴体用の新素材を、開発しつつあり。

 それは、カーボン繊維強化・熱可塑性プラスチック(LM_PEAK)である。

 これを使うと旅客機の胴体が1トン、軽くなるという。しかも、ダメージに強い。

 サーモプラスチックは、特定の温度域に熱すると何回でもモールドし直せる。したがって、廃棄物とすることなく、また再利用ができる。

 この素材を胴体に使うなら、リベットはいらない。超音波熔接ロボットによって長手方向の縦通補強材を裏当てできる。

 交軸の補強材は、電気抵抗熔接で、その縦通材にくっつける。ダストが発生せず、機体表面に穴を開けることがない。よって荷重によく耐え、ロボット導入により工期も短くなる。

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 Defense Express の2023-7-18記事「Lancet Loitering Munition Weakness Disclosed by russians Themselves」。
    ロシアの前の宣伝ではランセットは自動で標的を見つけるとしていたが、じっさいには同時に飛ばしてやる「SuperCam」という偵察無人機を通じて標的が指定される。

 ランセットの最新モデルは「Izdeliye53」という。「製品53番」という意味だ。
 ところがこいつがラーンチャーから飛び出す実写のビデオがない。すべてアニメーションの宣伝動画しかない。
 未完成なのである。

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 Defense Express の2023-7-22記事「Ukraine to Get a New Batch of Malloy Drones, And In This Case, The Size Matters」。
   英国の「マロイ・アエロノーティクス」社は、強力なマルチコプタードローンによって、負傷兵を空輸後送しようと考えており、その最新機種が完成間近である。

 「Malloy T400」は、400ポンド=180kgの重量物を垂直に持ち上げて空輸できる。兵隊が身に付けている装具は30kgあると考える。よって、重傷の肥満兵がフル装備したままでも、急いで空輸ができるのである。

 英国政府は、もっと小型の「Malloy T150」をすでにウクライナ軍に援助している。これでも68kg持ち上げられるという。

 ただし戦場写真をみると、それは負傷兵の後送にではなく、82ミリ迫撃砲弾を1発投下する、爆撃機になっているようだ。


空襲されたオデッサの穀物倉庫には、豆100トンと大麦20トンが収蔵されていた。総額にして80万ドル。飛んできたカリブルミサイルは、1発650万ドル。

 Alius Noreika 記者による2023-7-21記事「There Is a New Version of Shahed 136 Kamikaze Drone: 5 Differences」。
   残骸調査から、最近の「シャヘド136」はロシア国内で製造されているものだと考えられる。イラン製との違いがいくつかある。

 見分けるポイント。まず、「ゲラニウム-2」と書かれたマーキング中の「K」の字体が違うという。

 また、イラン製のオリジナルの「シャヘド136」は機体が一体成形品である。それに対してロシア製のは、尾部が別パーツで、それを継ぎ合わせている。

 また、オリジナルのシャヘドは、外皮の裏地がハニカム構造になっている。それに対してロシア産のは「石膏フォーム」だ。

 弾頭部のマーキングも、イラン製だとラテン文字だが、ロシア製のはキリル文字。

 電池も、ロシア製のは「デルタ」ブランドのゲル電池にされている。オリジナルのは「18650」という品番のリチウムイオン電池であったが。

 そしてアンテナ。電波干渉をブロックする「彗星」形のものがついている。イラン製にはなかったもの。

 ※こうなると気になるのはエンジンを国産化できているのかということ。機体だけ国産化してもエンジンの全数を輸入に頼っていたのでは、首なし飛行機の大量生産にしかならぬ。しかし短い期間で機体だけでもイラン製を安価な「代用品素材」を使ってコピーして量産を軌道に乗せたというのは偉い。かたや、同じ時間が与えられていたはずなのに、ウクライナはいったい何をしていたのか? 長距離型の特攻ドローンは、もし自国で製造しなかったら、西側諸国から買えるわけはないし、援助してくれるはずもないのだ。そんなことは、最初から知れきった話なのである。だったらこれこそすぐに自国内で賄うほかない分野だと意識をして、計画と作業を最優先で進めさせなくてはならなかったはず。それがちっともできておらず、あれをくれとかこれをくれとか、すこしばかり貰ったところで何にもなりはしない贅沢兵器のリストアップばかりしている。大所高所からの国家総力戦の指導ができる人材が、ウクライナ側には絶望的に欠けているのだ。戦争が長期化して苦労するのは誰でもない、じぶんたちなのに……。

 次。
 Defense Express の2023-7-20記事「Ukrainian Defense Industry State Company Admits There is No Serial Drone Production: The Problem is Systematic」。
    昨年11月に、レンジ1000kmの片道特攻ドローン「Horlytsia」を量産する――と、ウクライナ国営の兵器メーカー「Ukroboronprom」がマスコミ発表していたが、現在までまったくそのような量産はなされておらず、最初からこの発表が嘘の出鱈目であったと判明した。

 真相を、同社のプロジェクトマネジャーが、国内のジャーナリストに白状した。そもそもウクライナ政府も発注をしていないという。1機も。国営である以上、国からの発注がないのに、工場で勝手に無人機を製造することなど許されるわけもない。だから、工場は、何もしていないのである。つまり国もどこか麻痺している。

 この国営メーカーは、どうすれば無人機の生産ができるかという模索をした痕跡すらゼロ。幹部が腐りきっており、開戦から1年半、幹部は、己れのサラリーのことしか関心がない。工場の実態がバレると政府関係者や会社の重役は全員責任を追及されるから、実態を隠して嘘をついてきた。

 このプロジェクトマネジャーもまた素人だとバレている。昨年11月時点で、この無人機は片道特攻機ではなくマルチロール機だと説明していた。何度も飛ばす長寿命のマルチロール機材と、片道飛ばして使い捨てて行く自爆機とでは、部品選びから工程までおのずと別になり、設計コンセプトが、重ならない。説明が支離滅裂なのである。

 要するに、まずとてもコストのかかるハイグレードの無人偵察機を仕上げて、それを片道特攻用にも使えますよと政府に提案した。そんなものがコスパ上、合理的になるわけがないのでウクライナ国防省は関心を示さず、発注しなかった。

 レンジ1000kmという数値も、プロジェクトマネジャーの脳内試算値にすぎず、何らかの実験に基づいた数値ではなかったという。

 ウクライナ国防省ももちろん無能である。「シャヘド136のコピーを造れ」と早い段階で命ずるだけで話は早く進んだのに、誰もそれをしなかったのだ。国営企業である以上、この命令が来たら、やるしかなかったはずである。残骸はとっくに複数、得られていた。コピーする時間も十分にあった。

 ※こういうダメな国であるから、目をつけられて、そもそも侵略をされてしまうわけである。ここが教訓。

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 Holly Ellyatt 記者による記事「Is Ukraine’s counteroffensive failing? Defense experts say the risks facing Kyiv are growing」。
    戦場になっているウクライナ東部(ハルキウ)~南部(ヘルソン)国境の長さは900kmある。

 シンクタンクのマイケル・クラークは非難する。反攻計画の最初から、準備期間が長すぎた。6月に入ってから攻勢発起をさせても、すぐに夏は終ってしまう。最初から予測できたことである。

 この攻勢も二段階で予定されていた。まず全線で敵の弱点を探る。それが判明したらその場所に予備の全力を突っ込む。ところが、敵の弱点が、7月になってもまだみつからない。だからストライカー旅団も後方で控置されたままだ。

 秋に何が起きるかというと、また泥の季節に入るのである。ウクライナの地面が乾燥しているのは、夏だけなのだ。

 残された時間は、今から3ヵ月だろう。それが経過すると、またしても宇軍には砲弾がなくなり、また砲熕も磨耗してしまって十五榴は当たらなくなる。プラス、泥濘。

 ※直感というものが少しでも働く作戦アドバイザーがひとりでもいたなら、春の最悪の泥濘期にこそ、全線で浸透攻勢をかけさせたはず。それは歩兵と軽車両だけで実行できた。泥濘では敵も地雷をしかけられない。塹壕も維持できない。「西側製戦車」とその支援機材とクルー訓練を漫然と期待して待ってしまったのが、致命的だったと総括できる。もちろん米軍最上層が凡庸すぎて、そんな発想しかできなかったのだが(まさにボクシングの無能セコンド)。失敗のツケは、ウクライナ人が自国民の血で払うしかないので、最終責任はウクライナ政府にある。また1年、戦争は長引く。

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 Sinead Baker 記者による2023-7-20記事「A Russian soldier said his unit was sent into battle with no ammo and one grenade each ? to kill themselves」。
   ロシア兵に電話でインタビューした。その男によると、小銃弾は支給されず、ただ1個の手榴弾を渡された。それは自決用だと説明されたと。

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 2023-7-21記事「Russians painting false airplanes at airfields」。
   ロシアの「Yeysk」空軍基地では、舗装面に飛行機の絵を描いて、自爆無人機のカメラの目をごまかそうとしているという。

 ペイントは、6月16日以後、6月26日以前に実施されたことが衛星写真の比較で判る。
 当初は白ペンキだけ使っていたが、7月には青ペンキで陰影を添えて立体感を増したという。

 この航空基地には普段、スホイ-30/-34/-35と、ミグ-27/-29 が展開している。

 人工衛星の画像だけから「地上絵」とホンモノを区別するためには、「影」に注目する。たいてい、じきにバレるものである。

 また、光学写真ではなく合成開口レーダーで測地するスパイ衛星なら、さいしょからひっかからない。