どうせBUKだろう。

 ウクライナ上空で起きた2014年7月17日のマレーシア航空17便の撃墜事件は「かんたんお任せスイッチ」がついたロシア製地対空ミサイル「BUK」の仕業だった。
 イラン軍がロシアからBUKを買っているという情報は聞いたことがないが、S-300は買っているから、BUKと類似した機能がついた最新バージョンもあるのかもしれない。

 米軍は電波収集衛星を周回させていて、SAMのレーダーはぜんぶ宇宙で捉えている。だから、なんというSAMが発射されたのかは、とっくに分かっているのに、それを公表しないで、イランがどういう説明をするのか、ニヤニヤと見物しているところだ。

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 Brian W. Everstine 記者による2020-1-9記事「State Department Approves Possible Sale of F-35Bs to Singapore」。
     米国務省は、メーカーがシンガポールに12機のF-35Bを売ってよいという認可を出したことを連邦議会へ通知した。商談が成立すれば27億5000万ドルになる。

 12機のあと、8機が追加されるかもしれない。

 ロッキードマーティン社は、トルコに売れなくなった後なので助かると言っている。

 ※A型でなくB型というところが流石である。国土が狭小で、滑走路は開戦直後にまったく使えなくなると予想しているのだ。

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 ストラテジーペイジの2020-1-10記事。
    イランの地対地弾道ミサイル。「ファテー313」という射程500kmのが2015年からあったのだが、その筒体はスチールだった。これをカーボンファイバーに替えただけで、レンジが750kmに増えてしまった。このタイプを「ゾルファガー」といい、2017年からある。
 2019前半には、また新顔が登場。「デズフル」といい、射程1000km。イスラエルによれば、精度は低い。
 イランの宣伝によれば、製造はぜんぶ地下工場でなされているので、空襲を受けても量産続行できる。

 イランには、カーボンファイバー工場や、固体推進薬工場が、たくさんあるわけではない。だから、その少数の工場をもしも地上に出しておいたら、イスラエルからの先制空爆で、一挙にすべての地対地ミサイル製造能力がゼロになってしまう。
 したがってミサイル関連工場を地下化しておく用心は、ハイテク軍需工業基盤の育成が不十分なイランとしては、とうぜんなのである。

 先進的工業の基盤が不十分だから、たとえば誘導系に必要な無数の些細なパーツを、けっきょくは輸入に頼るほかない。だから経済制裁がこたえる。部品の密輸入は可能なのだが、それはコスト高であり、しかも、イランの収入たる石油も売りにくいので、財布がダブルで窮乏する。

 イランが液燃のスカッド系列から固体燃料に路線を変更したのは2002年の「ファテー110」からであった。これは80年代の中共製の「東風11」の劣化コピーで、レンジ200km、弾頭重量500kgだった。

 イランが保有するぜんぶの地対地ミサイルを発射したとして、目標に狙い通りに到達するのは75%にとどまるだろう。

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 Charlotte Jee 記者による記事「Microsoft has created a tool to find pedophiles in online chats」。
    大人が性的動機からチャットルームを利用して子供を誘い出すことを「グルーム」という。
 このような大人の企てを、現在進行中のオンラインチャットの途中で即座に発見できる監視AIツールを、マイクロソフト社が開発した。「プロジェクト・アルテミス」と称する。
 実験では、「見抜き」率8割を示した。

 マイクロソフト社では、探知の手の内を犯罪者どもに教えることになっては回避対策を考えられてしまうので、機能の詳細は伏せている。


暖冬に油断してハゲちらかした頭を冷やしたら風邪ひいちまった。防寒帽装着でこのテキストを打つ。

 H I Sutton 記者による記事「Demystifying The Iranian Navy’s Submarine-Launched Hoot Super Weapon」。
     ソ連時代に研究が始まっていた、スーパーキャヴィテーションを利用した高速魚雷。弾頭部から泡を出し、その気泡の中を進む。従来の魚雷よりも3倍高速になる。

 IRGC(イラン革命防衛隊)は、これを持っているんだぞと宣伝している。

 このロケット魚雷の欠点は、舵をきればバブルの外に出てしまうこと。だから、至近距離まで迫った敵のSSNを返り討ちにする決闘兵器だと考えられている。

 イランは2004年にオマーン湾でこの魚雷のテストをしている。スピードは212マイル/hに達し、6.5マイル航走したという。

 この魚雷は通常魚雷よりも大きく重い。したがってIRGC(イラン革命防衛隊)のミジェットサブからは運用できまいと思われる。

 高速艇から発射するのは意味がない。だったら対艦ミサイルを放てばいいだけだから。
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 ストラテジーペイジの2020-1-9記事。
   ノルウェーの国境線からわずか65kmのところ、アンドレーヴァ湾の海軍基地に、古いソ連の核ゴミ捨て場があって、このままでは漁場が汚染にさらされて困るので、ノルウェー政府はロシアに対して資金を援助して、数百km離れたムルマンスクの新ゴミ貯溜場へのゴミ移転を、促進させている。

 原潜の炉心にあった燃料棒などからなる核廃棄物は、14個ずつ、コンテナに密封されて、1隻の輸送船に積んで運ぶ。このコンテナ代だけで56万5000ドルかかる。そして1航海には28万ドルがかかる。これを繰り返す。

 ゴミはムルマンスクで永久ストックされるわけではなく、逐次、そこからさらに鉄道で内陸のチャリャビンスクまで運搬し、そこでより無害な核物質に転換させられる。

 アンドレーヴァ湾海軍基地は、使用済み燃料棒の捨て場として1960年代に建設されている。しかし海中への汚染物質の漏出が騒がれ、1982年に閉鎖された。

 1989年までに77万トンの放射能汚染水がバレンツ海に漂った。
 燃料棒9000本以上を納めた円筒コンテナは1500個にもなる。

 冷戦直後にお払い箱になった原潜だけでも200隻を越えたのだからたまらない。

 なお、軍用燃料棒の処理の15%は極東でなされている。北鮮等がその使用済み核燃料棒を入手するのではないかという懸念も常にある。

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 Tanya Basu 記者による2020-1-9記事「Sex tech is slowly making a comeback at CES. About time」。
    昨年、ハイテク電子おもちゃがあつまるCES見本市に、ローラ・ディカルロは、「オセア」という自社開発商品を出展した。290ドルの器材で、女性のクリトリスとGスポットを同時に刺激してくれる。
 ところがCESの親企業のCTA(消費者技術協会)が、大人のオモチャは公序良俗に反すると騒いだ。
 多くのセックス・テク企業は、女性の経営である。この問題は議論を呼んでいたが、今年の「CES2020」では、泡沫のその他コーナーの扱いながらも、各メーカーの出展を認めている。

 みずからこの分野のベンチャー資本家であり、『ハイテクセックス革命』の著書もあるアンドレア・バリカは言う。
 アマゾンでは、セックスに焦点をあてた健康機器の売り上げが、2018年において、およそ8億ドルであった、と。

 しかし、あなたがセックス器具について熱心に検索した翌日、インターネットのブラウジング中に、それらのオモチャの広告がポップアップしてくることは、決してない。これは、グーグルやフェイスブックが、それらの広告を一方的に提示することを厳しく規制する方針のためだ。多くの人は、仕事中にそんな画像が出てきたら、困惑してしまう。

 ※そこへいくと一部の日本のウェブサイトはひでえもんだな。問答無用で下卑たエロ漫画が表示されてくる。

 今年のCESにエントリーした、突出しているセクテク・カンパニーといえば、デイム社だろう。同社は、セクソロジストと技師がコンビで立ち上げたベンチャー。その主力商品「フィン」は、「キックスターター」での資金集めが認められた最初のセックス・トイであった。2019年には同社は果敢に訴訟を起こし、ニューヨーク市のMTA〔日本の営団地下鉄&都営バスのようなもの〕が同社製品の広告を排除していることは「性差別」という犯罪だと主張した。

 同社の経営者、ジャネット・リーバーマン=リューは言う。ビジュアル広告が公共の場にいつまでも提示されないということは、人々が、他の多くの人々がすでにその商品を使っているのだという事実を、認知し難くさせる。それはユーザーの女性を社会的に孤立させ、じぶんは恥ずかしいことをしているのだと誤解させてしまうだろう。

 市場調査会社のストラティスティクスは予見する。2026年には、セックストイ産業の規模は、1230億ドルに膨脹しているだろう。この産業分野だけの同友会のメンバー企業は、げんざい120社を超えている。


真珠湾攻撃の1ヵ月前に山本五十六を米軍が爆殺したらどうなるんだという話。

 Anthony Dworkin 記者による2020-1-7記事「Soleimani Strike Marks a Novel Shift in Targeted Killing, Dangerous to the Global Order」。
   ソレイマニの爆殺に用いられている理屈は、「ウォー・パラダイム」。あたかも、米国が他国と戦争中であって、その敵将を殺害するのは当然だという理屈を、対テロ作戦に持ち込んだ。

 2013年にオバマ大統領は、戦場とはいえない場所でテロリストを殺す場合には、そのテロリストが、他者の人命に対する継続・急迫した脅威源になっているという条件が必要だという基準を導入している。それが今回、撤回された。

 1986に西ドイツのディスコがリビアの爆弾テロに逢った。その報復として米軍はカダフィ本人と軍事施設を狙って4-15に空襲。それについて国連総会は、国連憲章違反であり、国際法違反だと決議している。

 国連憲章が認める自衛は、他者からの武力攻撃に対する、必要性や均衡性の外見を満たしていなければならない。しかしこんどの爆殺は、その条件を満たさない。

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 ストラテジーペイジの2020-1-8記事。
  北斗衛星群が2019-12に完成し、ことし前半から、全世界向けサービスを開始できる。

 高度3万6000kmの静止軌道に6機と、高度2万1800kmの周回軌道に24機。
 
 2019に中共は軌道上に30個の衛星を上げた。これは米国を上回る。他に2機、軌道投入に失敗した衛星がある。成功率98%だ。

 欧州のガリレオは、現役24機+予備6機が揃わないと、完成しない。2020年にはその体制になるという。

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 H I Sutton 記者による2020-1-7記事「U.S. Coast Guard Could Face A Narco Submarine Epidemic In 2020」。
      中南米の太平洋岸から北米を目指す、コカイン密輸用の潜航艇。2018年には35隻、2019年には36隻が、関係諸国の取締り当局によって報告されている。

 コロムビアにおけるコカイン生産量は、2008年から10年間で3倍になったという。

 「ナルコ・サブマリン」と呼ばれる密輸艇の多くは、じつは、真の潜航艇ではなく、乾舷高がほとんど無い、低シルエット半没艇である。このカテゴリーを潜航艇と区別して「LPV」とも称する。

 かつては1隻の輸送容量を巨大化しようとする趨勢があったが、今は、小さい潜航艇を多数建造して送り出す戦術に改まっている。1回の邀撃拿捕で送り手が蒙るダメージを最小に分散するためだ。

 ペルー軍が最近初めてつかまえた密輸潜航艇は、なんと最終仕向け地としてセルビア行きの麻薬を満載していた。コロムビアの太平洋岸の河口を出て、いったんペルー沖まで南下。そこから北転してガラパゴス諸島沖をかすめてメキシコにいったん荷揚げ。そこから欧州へは、さらに別の輸送手段で逓伝される手筈であった。


犬を抱いたオプティミスト、わんちゃんあるでと言っていた。

 Sean Quirk 記者による2020-1-6記事「Water Wars: Stare Decisis in the South China Sea」。
   2019-12-12にマレーシアは宣言し、EEZ限界からさらに続く大陸棚の延長部分であると主張する境界線を2倍に延伸。南シナ海の支配を狙う中共と真っ向から対立する、国連大陸棚委員会への申し立てである。

 インドネシアのEEZ内では、武装海警船の護衛付きでシナ漁船が濫獲しまくっており、インドネシアのコーストガードの退去命令を聞く気がない。インドネシア政府は中共大使を呼びつけて不法侵入を止めろと伝えた。

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 ストラテジーペイジの2020-1-7記事。
   2019-10-26のバグダディ殺しの詳細がだんだんにわかってきた。

 彼に反発する、ライバルのイスラムテロ組織から、バグダディの居場所情報が、もたらされていたようだ。

 バグダディの2人の妻をイラク当局が逮捕したのも大きかった。この妻の片方は、伝書使として暗躍していたからだ。
 IS幹部のセイフハウスはどこにあり、どのように運用されるものなのかが、この女の口から、すべて、分かってしまった。

 セイフハウスを、定期的に、転宅していた。

 米国は、クルド人の手先を使って、バグダディが洗濯させるために出した汚れ下着の一部を入手し、そこから、バグダディ本人のDNAを、あらかじめ、採集していた。

 米軍は、バグダディが移動中のリアル座標までは把握できなかったが、どこかのセイフハウスに入って、まだそこからは出てきてない、という情報は、得られたのだ。

 9機のヘリコプターはトルコ領空からアジトに接近した。事前にトルコとロシアには根回しされていた。

 自爆したバグダディの首を切り離してヘリの中に持ち込み、簡易DNA判定機にかけた。
 そのあとで、胴体部分も拾い集めて、いっしょに水葬している。


チープに多人数を満腹させずにおかない「蕎麦シチュー」の作り方。

 2人分くらいの乾麺ソバを、あらかじめ2つにへし折ってから茹で、その湯を取り替えることなくそのまま、余っている野菜の細切れ+めんつゆ少々+粉末シチューを投入。
 最後にそこに「すりおろし山芋」を投入すると、目をつぶって食べたときに、カルボナーラのような味だと錯覚されるぞ。
 そこまでしても30分もかからない。
 それでいて、ほぼ5人前くらいの分量が得られてしまう。
 けっこうイイ味なので「北鮮めし」には分類できぬ。惜しい。
 油はまったく使わない。ただ煮るだけ。よって地球にも人体にもヘルシー。
 
 次。
 ストラテジーペイジの2020-1-6記事。
 イタリア製の4×4多目的軽装甲車(LMV)のM65リンクスはすごい。
 なにが凄いって、シリア駐留のロシア軍が、ロシア製の車両ではなくて、わざわざイタリア製のリンクスを2016以降に調達して乗り回しているのだ。

 このためイタリアは、2014年の西側の対露禁輸制裁の約束を破って兵器をロシアへ密輸出しているのではないかと疑われた。
 調査したところ、2014以前の輸出契約を実行したものであるという。

 ロシアは2012からイタリア製LMVをテストし、好成績だったことから、60両を輸入した。当初は2500両も買うという大商談であったのだが……。

 完成品輸入ではなく、ノックダウン生産。イタリアが全パーツを供給する。

 2014の国連制裁が決議されるまでに、イタリアは264両分のパーツをロシアに届けていた。

 M65は、自重7トンである。耐IED車体デザイン。

 ※NATOが春に計画している大演習で第82空挺師団がグルジア出張の予定。この演習にコンディションのピークをもっていくという表向きの名目があるなら、その前のどの段階でも、イランに投入され得ることになるにちがいない。あるいはひょっとして米国はイランとの戦争に集中するために、対露牽制役として欧州NATO軍に期待するのかもしれない。ちょうど演習動員されている期間(この春)は、中東に注目したい。


プチ切れポープ。

 Zachary Abuza 記者による2020-1-2 記事「America Should Be Realistic About its Alliance with Thailand」。
    冷戦時代、タイと米国には共通の敵があった。中共とベトナムだ。

 しかし現在、タイの政治は議会民主主義に背を向け、専制になじんでいる。
 軍をバックにしたエリート階層は、中共との結託を望んでいる。

 タイ軍は、王室の藩屏を自認する。民主主義は、王室を終わらせる道だと見る。

 タイが米国から離れて中共にくっつくきっかけになったのは1998のアジア経済危機である。このときに米国はタイを見棄てた。

 2006に軍がクーデーターを起こし、米軍とタイ軍との協力も制約されるようになった。2014にもクーデター再発。

 タイ軍から見ると、中共は軍事的脅威ではない。むしろ、民主主義抑圧において協力ができる同盟者だ。

 米軍にとって、タイの利用価値は、ウタパオ空軍基地にまず尽きる。
 その次には、海軍基地も。
 しかしタイ政府には、米軍が国内基地の利用を要求してもそれを許さない自由がある。たとえば、ビルマのロヒンギャ救済事業に使わせてくれと米軍が頼んできた2017~18には、拒否した。 ※タイもイスラム系の流民にはほとほと迷惑していて、ビルマ政府の追い返し政策にむしろ同情的だからだ。タイは米国流の奇麗事外交には付き合わない。ビルマとは事実上の《仏教同盟》があるとも言える。そのスタンスからは、たとえばマレーシアは共通の敵である。

 げんざい、タイの上院は、軍からの推薦者で全議席が占められている。

 2014のクーデター後、米国は、タイ向けの兵器輸出に必要なローン470万ドルをカットした。その穴は、中共が、親切に埋めてくれた。
 他方では米国は、2013のエジプトのクーデターで凍結した13億ドル分の軍事援助を、さっさと再開している。一貫性がないのである。

 2018にタイは、10年がかりで潜水艦隊を整備することにして、その計画を中共に丸投げした。タイ海軍はべつに切実に潜水艦など必要としてはいないのだが、隣国のベトナム、シンガポール、インドネシア、ミャンマーまで潜水艦を買いそろえているのに、自国だけ持たないのは面白くない。
 いま、サッタヒプ海軍基地が、中共の手によって潜水艦隊母港として改築されつつある。そこには中共海軍も寄港することができるのだ。

 2019-9にはタイ海軍は中共に、2万5000トンの強襲揚陸母艦も、2億ドルで発注した。

 タイ陸軍の主力戦車はながらく米国製のM-41軽戦車だったが、2016以降、それは中共製の「VT-4」に更新されつつある。

 ただしヘリコプターはさすがに米国製が買われている。ブラックホークと、「AH-6i」(ヘルファイア運用型)だ。

 2019にメコン川の水位が史上最低に減った。これはタイに将来の食糧危機を予感させた。
 なにしろ中共はその上流に13ものダムを構築して取水しているのだ。

 次。
 Ali Mamouri 記者による2020-1-3記事「Top commander’s assassination leaves Iran with very few options to retaliate」。
    1-3にバグダッドで爆殺されたソレイマニは、IRGC(イラン革命防衛隊)の尖兵である「クッズ」の司令官。いっしょに爆殺されたアブ・マフディ・アルムハンディスは、PMU=一般人動員部隊 の副隊長だった。

 爆殺現場はバグダッド国際空港の近くで、時刻は深夜の1時だった。
 ソレイマニが空港に着き、そこから車列に乗り換えて動き出したところを、ドローンから爆弾が降って来た。その場で、合計8名が即死。

 数時間後にIRGC(イラン革命防衛隊)が認めた。他に4名のIRGC将官が殺されたと。

 この数字は、なにかどでかい反米テロ計画がたくらまれようとしていたことを暗示する。


半分ヒズボラが支配するレバノンが、犯罪人を外国へ引き渡せるわけがあろうか。

 テロ協力の疑いがあるから誰某の身柄をアメリカによこせ、という要求が殺到してしまうからね。
 犯罪人引渡し協定を結んでいない国のパスポートをもっている人物を社長に迎えた時点で、もうその日本メーカーは終わってたんだよ。

 次。
 ストラテジーペイジの2020-1-3記事。
   イランはこれまでにガザ地区に1万発、レバノン南部には4万発の短距離地対地ロケット弾を搬入している。

 イランはガザ地区に2013年から、ロケット弾の製造設備も持ち込んでいるので、75km届く地対地ロケット弾「M-75」が、ガザ地区内で生産されてもいる。

 ガザのハマスは、ロケット弾だけだとイスラエルの「アイアンドーム」を飽和できないので、迫撃砲弾も同時に発射する。

 ハマス保有のロケット弾の大宗は「カッサム」という。これは露軍の「B-12」のイラン製コピー品だ。
 径107ミリ、全重19kg、全長86センチ。レンジは6kmで、弾頭炸薬は1.4kgだ。

 他に、122mmの「BM-21」もあり。全重68kg、長さ2.9m、弾頭重量20kgだが、弾着の散らばりは107ミリ・ロケット弾よりも大。レンジは20kmに達する。

 レバノン南部にロケット弾を隠匿しているのは、ヒズボラだ。

 2006年にヒズボラは、1万4000発のロケット弾ストックのうち4000発をイスラエルに向けて発射した。そのほとんどは122mmの「BM-21」だった。

 昨年末に中共は衛星写真を公開した。高度500kmを周回するリモートセンシング衛星から撮ったものだが、地表の人間までくっきりと写っている。ようやく彼らの技術がここまで来たのだ。

 2018-6に軌道投入したリモセン衛星だと、写真分解能が10センチである。
 ちなみに米軍の新鋭偵察衛星だと、分解能は2センチだ。

 最新バージョンのKH-11衛星は、さしわたし2.4mの反射ミラーを有する。これはハッブル宇宙望遠鏡と同じ。※というよりハッブルそのものなんじゃないの? 向きを下向きに変えただけの……?


晴れ。暖かい。

 IMMANUEL JOHNSON 記者による2020-1-2記事「Marine law enforcement can carry privately owned firearms on base」。
   先月、ハワイとフロリダの2つの米軍基地であいついで発砲殺傷事件があったのを承けて、海兵隊の内規が変わった。
 非番の隊員や軍属が、私物の拳銃を護身用として基地内で携行することが、許可される。
 ただしその銃器を、公務勤務中に持ち歩くことは、許可されない。


長篠合戦図屏風をよくみると右旋回マンジの旗印があるのでナチスが参加していた。

 ストラテジーペイジの2020-1-2記事。
   インドは2019末にロシアとの間で、あらたにT-90戦車×464両のノックダウン生産の契約を結んだ。部品はぜんぶ、ロシアから来る。
 
 新規生産分は、1両にかかるコストが673万ドルで、そのうち62%はロシアに対するライセンス料と部品代である。ライセンス・フィーだけだと38%だ。

 インド国防相は、いままでは部品の内製化率は40%だったが、こんどは80%にするとフカしている。誰もそれがうまく行くとは思っていない。

 T-90の構成要素のうち、いちばん造るのが難しく高額なパーツは、エンジンとパワートレインだ。この部分を無理に国産化したりすれば、インド軍の戦車は動かなくなるだろう。

 げんざいロシアは経済制裁を受けているので、代金はルーブルで受け取ることしかできない。インドはルーブルを得るためにはロシアでモノを売るか、国際通貨市場で調達するしかない。


名物探偵こなんかなん。

 T市拘置所でカルロスは、100歳を越えているであろう白鬚の老人から、壁越しに声をかけられた。老人は、裁判所が書類を紛失してしまったために存在を忘れられてしまい、日本全国の拘置所を転々と、かれこれ50年もたらいまわしされながら暮らしていると自己紹介した。
「お若いの。いいことを教えよう。クリスマスじゃ。クリスマス前後は尾行も監視も緩くなる……」
「えっ……保釈をされても、この国の裁判は受けるなということですか?」
「そうじゃとも。なぜなら……」
 急に老人は、苦しそうに咳き込み出した。が、巡回の看守が通り過ぎるや、また元の声音になって、
「ワシに10億円の保釈金があったなら、プライベートジェットで関空からトルコへ脱出してみせるのじゃが……」
 と、獄中で数十年練ったらしい国外逃亡プランを、問わず語りに話し出した。
 あちこちの房からは、
「うるせえよじいさん」
「またその夢物語かよ。聞き飽きたぜ」
 罵声がこもごも交錯する中で、カルロスは、一語も聞きのがさずに暗記しようと、老人の《計画》に全神経を集中させた……。

『ああ……あの白鬚の老人こそは、サンタクロースだったのに違いない……』
 カルロスは、地下にある安全な退避壕の中で、ベイルート市を十重二十重に包囲したまま、大河の流れのように西へ進軍を続ける50万のイラン軍が、いよいよイスラエル軍と核砲弾を撃ち合い始めたらしい、その遠雷のような響きを五体に感じながら、次の逃亡先はどこがよかろうかと、また思案を重ねるのであった――。

 次。
 ストラテジーペイジの2019-12-31記事。
   ヴァージル・グリフィス事件。
 この技師はシンガポールの暗号通貨会社エセリウムで働いていた。
 もともと米国市民権を有していたが、それを捨てて、己れの特殊技術を餌に、多数の零細国家の市民権を買い集めていた。

 北鮮を制裁中である米国および国際機関は、北鮮のハッカーが国際バンキングサービスにいかなる工作をするのか、徹底的に監視中である。ところがグリフィスはそれを知らなかったらしい。

 北鮮に対する国連の経済制裁は、北鮮の経済成長を毎年5%ずつシュリンクさせていくであろうと見積もられている。

 グリフィスは2019に米国務省に対して北鮮への渡航許可を求めたが、当然に受け入れられない。そこでグリフィスはみずからNYCに乗り込み、カネで北鮮入りできるヴィザを斡旋してくれる闇機関に接触した。

 かくしてグリフィスは中共経由で北鮮入り。「ブロックチェーンと平和」という演題で講演した。そこで彼は、暗号通貨を使えば北鮮も、既存の国際銀行間決済システムに依拠することなく、資金を操れると語ったのだ。

 けっきょく彼とその同僚1名は、FBIからお縄を頂戴した。裁判になれば最高量刑は20年であろう。
 こやつは電子マネーについては国際級のプロだったが、アメリカ国籍を離脱すれぱFBIからはもう目をつけられなくなるだろうなどという初歩的すぎる思い違いをしていたのが、致命的であった。わざわざ米国籍を捨てて芥子粒ほどの島国の国民になろうとする動きが、逆に当局からは怪しまれてしまった。そういう時代なのだ。