圧縮録音通信システムは、人手の足りないミニ自治体が防災情報をタイムリーにアップデートし続けるのに役立つ方式だ。

 Jay Bennett 記者による2018-7-2記事「So Long TNT, There’s a New Explosive in Town」。
    ロスアラモス国立研究所と陸軍調査研究所が、分子式「C6H4N6O8」の新爆薬を発明した。「Bis-oxadiazole」と呼ぶ。TNTよりも有害物質を出さず、その爆発力はTNTの1.5倍。
 トリニトロトルエン=TNTの分子式は「C7H5N3O6」である。
 TNTのメリットは、砲弾殻内に溶填しやすいこと。摂氏80度で液状になってくれるので。TNTは摂氏240度にならない限り自爆したりしないから、工場労働者は安全なのである。
 だがTNTを製造する過程では環境汚染物質が副生される。
 まず「硝化」のプロセスから、「赤水」と呼ばれる廃液が出る。
 さらに産生されたTNTを水洗するときにも「ピンク水」という汚水が出る。これも環境(土壌や地下水)に多少の悪影響がある。
 工場ではスチームによってTNTを溶かしている。その作業員はTNTを気体として吸い込む。TNTはとても蒸発しやすい(ヴェイパー・プレッシャーが高い)のだ。※だから空港では爆薬の匂い検知器にひっかかる。
 TNT分子の中には、充分な酸素原子が配合されていない。だから炭素のすべてが酸化し切れない。このカーボン残滓がTNTが爆発したさいの黒煙の正体である。※TNTが炭坑内では用いられない理由もこれ。あとガスが悪すぎるのだ。逆に、地下トンネル内制圧用爆薬としては優れていることになる。敵兵を窒息させられるので。
 現在ではTNTはRDXのような別の爆薬と混合されて「コンポジションB」として爆弾に充填されることが多い。これは黒煙問題を解消し、ほどほどに安定で、取扱上の危険も少なく、爆速も向上するが、RDXが爆発するときにもまた地下水を汚染する物質が生ずる。それは自然に分解してくれない。
 米陸軍は、TNTとは別の新爆薬の研究を数十年来、続けてきた。そして2016年に目処がついた。
 「Bis-isoxazole(オクサジアゾール)」という新物質だ。環境に無害で、TNTのように溶填容易。ただ惜しむらくは威力が低い。そこで配合をすこしいじった。
 「Bis-isoxazole」は、炭素3+窒素1+酸素1の5原子が環を成し、それが2個つながっている分子。
 この中の炭素原子1個を、窒素に置き換えた。
 溶融点に関しては、新分子をじっさいに創ってみるまでは誰にも予測なんかできない。こいつは、融点が低いことが後から判明した。
 こうして「bis-oxadiazole」ができあがる。
 爆速を計測したところ、「bis-oxadiazole」は8.18km/秒。それに対してコンポジットBは7.8km/秒。
 爆圧を計測したところ、新爆薬は29.4ギガパスカル。コンプBは26ギガパスカル。
 しかも新爆薬の爆発残渣は、自然環境中で分解されやすいことも判った。
 一般に、新爆薬成分が発見されてから、それが軍用爆薬として実用化されるまでには、5年から10年が必要。
 次。
 Kyle Mizokami 記者による2018-3-29記事「The United States’ Next Tank Could Be Protected by ‘Steel Foam’」。
   複合泡状合金素材を戦車の装甲に用いるなら、これまでの防弾鋼鈑の三分の一の重さで同じ防護力が得られるかもしれない。
 略してCMF(コンポジットメタルフォーム)。ノースカロライナ州立大学と米陸軍の合同研究成果。
 この素材については『ポピュラーメカニクス』が2016に初期実験を紹介した。
 12.7mm機関銃弾をCMFは1インチ厚で阻止できる。
 これに対して防弾鋼鈑ならば1.5インチ厚が必要なのだ。
 IEDの衝撃波も、泡構造が潰されることによって、よりよく吸収できる。
 また、高熱が伝導してくるスピードも、CMFなら半分に抑制できる。気泡の空隙が断熱力を発揮するから。
 1枚鈑金の装甲を12トン必要とする戦車があったとすれば、CMFにより、装甲重量は4トンに抑えられるわけ。
 ※参考までに、ナショナルジオグラフィックチャンネルで紹介していたM1エイブラムズの構造重量を記す。
 ドンガラの車体+ドンガラの砲塔、つまり殻だけの重さは20トン〔?〕。
 砲塔は、艤装コミで29トンある。
 車体は、パワーパックなどいっさいコミで41トンある。
 ガスタービンエンジンだけだと1.5トンある。
 履帯は片側だけで2200kgある。
 120mmの砲身は6m、重さは2.25トンある。砲尾は680kgである。


水害に強い軍用車両って何? 『空母を持って自衛隊は何をするのか』の第8章と7章を参照せよ。

 大型のマルチコプター型ドローンで、自動展張式のゴムボートを現場に届けてやる方法がすでにある筈。
 そのドローンの力で、人が乗ったボートをそのまま水上曳航してくる方法も、すでにある筈。
 人を吊り上げられるドローンもすでにある。
 これらを地元警察と消防が装備するのが、今後の中期的な課題か。
 次。
 Brandon Christensen 記者による2018-7-5記事「Top 10 Terrorist Attacks in History」。
   1999年9月4日から16日にかけ、ロシアの4つの都市でアパート爆破事件が4件発生。これを口実にプーチン首相はグロズヌイ市を空爆させ、ダゲスタンをめぐってのチェチェンとの第二次戦争に突入した。
 ところが爆破現場のひとつで地元警察が逮捕した容疑者が、FSB職員だったと分かって、すぐに釈放された。四件の爆破テロは、プーチンによる自作自演だったと疑われている。
 さきごろ、ロンドンにてVXによって毒殺されかけた元ロシアのスパイ。彼はこのプーチンによる1999年自作自演連続アパート爆破テロ・プロットに関与していた。
 しかしプーチン首相の強硬策はロシア人民には大人気で、彼は2000年に大統領に選ばれている。
 1925年4月16日、ブルガリアの共産党は、自分たちがテロで殺した将軍の葬儀がおこなわれていた正教会堂の天井を爆破。150人を爆死させた他、500人をガレキの下に生き埋めにした。
 次。
 Mustafa Saadoun 記者による2018-7-5記事「Islamic State awakens sleeper cells in Iraq’s Kirkuk」。
     IS賛助集団が、イラク北部キルクーク一帯でスリーパーセルを徐々に再稼動させつつあり。
 集団はここ数ヶ月、キルクーク外郊で作戦している。次第にエスカレートし、市民を誘拐殺害するようになった。
  ※ISの「人質」がひょっこり顔を出しているのも、関係があるのかな。
 次。
  Brendan Nicholson 記者による2018-7-7記事「P.W. Singer: Adapt Fast, or Fail」。
  シンクタンク研究員のピーター・シンガーの講演。これは次著の内容抄録になっているだろう。彼は『LikeWar』という、ソーシャルメディアそのものが武器となってしまう未来戦争について書いたものを、まもなく刊行する。
 ※このLikeは「いいね」のことか。
 シンガーの前著(共著)は『Ghost fleet』というSF戦記だった。
 蒸気エンジンが1820年代に、航空機が1920年代に、コンピュータが1980年代にやっている革新。
 今は、モノのインターネットやソーシャル・メディアが世の中を変えつつある。
 いまインターネットと90億個の「物」が結合している。
 しかしこれは五年のうちに二、三倍になるはずだ。
 全米に350万人のトラックドライバーがいる。トラック運転手は29の州において、いちばん人気がある職域である。しかしこれからドライバーが不要のロボットトラックが普及した暁には、この人たちの生活はどうなるのか?
 もしフェイスブックが米大統領選挙直前にアルゴリズムを変更すると、それがそのまま、異なった候補者が大統領になることにつながる。そんな時代になっている。


オワタワー。

   Admiral James Winnefeld Jr. (退役) と Captain Syed Ahmad (退役) 記者による2018-7記事「The Other Mine Warfare Will Work」。
 現在米海軍は、たった2つのタイプの機雷しか実装していない。
 ひとつは「クイックストライク」。これはありきたりの投下爆弾に、後付けのアタッチメントを取り付けることで、簡易沈底機雷にできるものだ。
 もうひとつは、SLMM=潜水艦発射式自走沈底機雷。
 どちらも浅海面でしか使えない。そしてどちらも真上を通過する艦船だけを攻撃することができる。
 以下、冷戦期以降、米艦が機雷にやられた事例。
 まず『サミュエル・B・ロバーツ(FFG-58)』が1988にイランの機雷にかかって半没。
 次に、『トリポリ(LHH-10)』と『プリンストン(CG-59)』が、1991の同じ日に、イラクの機雷にかかった。デザートストーム作戦中のことだ。どちらの艦も任務を中断するしかなくなっている。
 しかしもセントラルコマンドは、これで海からクウェートへ逆襲部隊を上陸させようというオプションを完全に放棄する気になった。けっきょく、上陸作戦するぞ、という陽動の宣伝だけがなされることになった。
 米軍はWWII中に1万2000個以上の機雷を撒いて日本の船舶650隻を沈めた。
 1972にはハイフォン港に機雷を撒くことによって、北ベトナム政府を和平協議に引っ張り出した。
 米海軍が現在この攻撃用機雷を等閑視している理由は、最新の機雷の整備を強く当路へ要求してくれる有力な〈パトロン〉が、米国内のどこにも存在しないためである。
 米海軍の将校たちは「機雷戦なんて弱小国が苦し紛れにやることさ」と馬鹿にする価値観に支配されている。
 さらに大問題。少なからぬ者が、米国による機雷敷設は国際法違反になる、と錯覚しているのである。
 明示的に、海洋での機雷の使用を規制している国際条約は、たったひとつだけである。
 すなわち、1907年の自発海中機雷の敷設に関するコンヴェンション。略称「ヘーグVIII」。
 ※これは、本格的且つ劇的な現代機雷戦となった日露戦争の生々しい心象の中で協議されている。
 同条約は、平時には適用されない。戦時および戦後に関して規則が定められている。かつまた、問題にされる機雷は、「触接発火式機雷」だけである。
 ※沈底していても艦船が近くを通過する時の磁場変化に感応して発火するような機雷はまだ存在していなかった。
 「ヘーグVIII」に言及されていない機雷の用法は、他の間接的に関係がありそうな国際法や慣習国際法から類推を及ぼして諸国が適宜に判定する。
 たとえば、ターゲットは商船なのか軍艦なのか。仕掛ける場所は領海なのか公海なのか。仕掛ける時期は平時なのか戦時なのか。仕掛ける理由は自衛のためなのか侵略のためなのか。これらの組み合わせ次第で、最新機雷の運用は、合法にもなり非合法にもなると考えられる。
 機雷はブロケイドのためにも用いられるであろう。
 ただしその場合、「従軍艦船」と「無辜船舶」を機雷の側から弁別できる能力が、求められるだろう。
 無辜の民間船の航路を遮断するためだけに機雷を仕掛けることは、「ヘーグVIII」も禁止しているのだ。
 また、平時に他国の領海内や公海中に機雷を敷設することは、禁じられている――と、おおむね、解釈されている。
 しかし米国の政策では、視発式など、活性化管制機雷に関しては、これを公海中に敷設しても合法だとする。
 ただし、無辜利用者による海洋利用がそれによって不当に妨害されてはならない。また、集団自衛や自衛の要件も満たされていなくてはならない。
 米空軍は、クイックストライクをスタンドオフ空域から投射して精密な機雷堰パターンで撒布できるような、有翼滑空型(GPS誘導)アタッチメントも開発している。
 われわれ米海軍は、中共との機雷戦に備えて、法律問題をクリアできる新しい「装置」を必要としている。これはセンサーを中核とし、それに爆発物をくくりつけたものになる。従来のクイックストライクのような、爆発物を中核として、そこに後からセンサーをくくりつけた簡易品とは、発想の次元が変わる。
 このセンサーは、通信ができなくてはならない。
 時々アンテナブイを浮上させて、双方向でデータをやりとりする。
  ※「単純化による対抗不能性追求」の発想が無いのか? この両名の想像力の限界。
 今の機雷よりも水深の大な海底にもしかけられること。
 高度センサー付き機雷が用意できれば、米海軍は友好ホスト国にいちいち断らずに、どしどし攻撃的に機雷を撒ける。
 また米本土に接続されている海底ケーブルを敵の破壊から防御するためにもこれらの機雷を使えるだろう。


友引と仏滅は避けた。さすがだ。

 来月にPHPから出すテロ本の初校が終わって余裕をぶっこいてたら、このニュースだ。総括コメントを再校で追記するべきなのかどうか……。
 来月下旬もしくは九月に日本国際フォーラムでAI戦争関係の講話の予定。ただし一般の人が会場に入れるのかどうかは存じません。


実戦経験では誰にもひけをとらないイスラエル軍が、十五榴/155mmSPなどを廃止しつつある。

 ストラテジーペイジの2018-7-3記事。
   2011年いらい、イスラエル陸軍は、155mm榴弾砲のほとんどを、GPS誘導の長距離ロケット砲類で置換しつつある。
 その成果として、かつてはF-16や攻撃ヘリがガザ地区のテロリストアジトをピンポイント攻撃しなくてはならなかったのが、最近ではほとんど、地対地ロケット弾で精密打撃がなされている。
 ガザのゲリラの間には肩SAMが行き渡りつつあるから、これは味方パイロットにとっては朗報だ。
 イスラエルは米軍のGMLRSが高額すぎるというので、径175ミリで射程35kmの「ロマク」というGPS誘導ロケット弾を自主開発している。ちなみに本家GMLRSは径227ミリ、射程70km。
 またイスラエルの戦車大隊は、その編制の中に、GPS誘導砲弾を発射できる120mm迫撃砲を数門、混ぜるようになった。これによって実戦における砲弾の必要量が9割以上も減ってしまい、多くの砲兵部隊が用済みとなって解散されている。
 径306ミリで射程150kmのGPS誘導ロケット弾もイスラエルは開発している。「EXTRA」という地対地型が2016年に完成。いまではその艦載型もある。そして2019年には、空対地型も実用化するという。
 イスラエル軍が、15榴なんてダメだと悟ったのは、2006年だった。ヒズボラの塹壕陣地に対して155mm砲弾を12万発以上も叩き込んだのに、僅かな実害しか与えていなかったことが調査で判明したのだ。
 かたやイラクとアフガニスタンにおいて米軍のGMLRSの効果が抜群であると知られていた。
 そこでイスラエル軍はまず、径160ミリの「アキュラー」というロケット弾をGPS誘導に改造した。レンジ40kmで、ひとつの塹壕陣地をただの1発で粉砕してくれた。
 ついで2007年にはATCMSもどきである「LORA」を完成。径610ミリなど諸元ほぼ同一。
 普通の弾頭だとレンジは300kmだが、この弾頭をチョイと軽くすれば400kmまでも届くのである。※これは重大情報だ。
 2017年にイスラエルは、このLORAを、ふつうの船荷用コンテナの中から発射できるようにした。
 つまり、そのコンテナを搭載した大型トラックまたはトレーラー、またはコンテナのみを、輸送艦船の上甲板に繋止しておいたら、そのまま輸送船や無蓋フェリーやバージが、対地攻撃用のロケット砲プラットフォームとなってくれるわけ。
 ただしコンテナ1個ではシステムとして機能しない。コンテナは最低でも2個必要だ。
 1個のコンテナにはLORAが4本入る。ロケット弾に仰角と射角を付与するのは電動モーターによる。油圧は使わない。※その電源としてトラック等が必要になるわけか。
 発射時のブラストによって船舶の甲板が傷つくことはない。
 もうひとつのコンテナは射撃統制センターである。発射員がその中に入って操作する。
 ※陸自がLCUを導入するのかLSTを導入するのかハッキリしないが、HIMARSもしくはそれもどきのシステムを、車両甲板上からそのまま発射するのにより不都合が少ないものを選ぶことが大事だ。LCU2000タイプよりもLCU1600タイプの方がフレキシブルかもしれない(ex.イタリア最新のLC23型もLCU1600の縮小型だろう)。硫黄島では小型揚陸艦に107mm迫撃砲を搭載したシステムが、日本兵の夜間の移動集合を終夜不可能にして、極めて有効だった(照明弾、榴弾、黄燐弾)。この使い途があることも忘れてはならぬ。
   コンゴでポリオ(小児麻痺)がアウトブレーク。これはソマリアやナイジェリアのが移ってきた。
 今年だけでも28件の報告あり。ウガンダ国境近くの症例もあり。
 これら内戦が止まない地域へは、予防接種の医療チームも危なくて足を踏み入れることができない。というわけでポリオは根絶されることはない。
 ソマリアとナイジェリアでは、イスラムテログループが「ポリオワクチンは西側世界がモスレムの子供たちを毒害せんとする企みだ」として反対もしている。ますます近づけない。
 ボコハラムは2016からナイジェリアでのポリオワクチン接種を許さなくなった。
 2016前半にナイジェリアからはポリオが撲滅されたと発表されていたが、元に戻った。
 2006年にナイジェリアで新規ポリオ罹患者は1200人以上いた。2014年には報告例がゼロになったが、それはボコハラム支配区での感染症調査ができなかったためである。
 やっと調査できたら、たちまち新患が発見された、という次第。
 かつてはパキスタンとアフガニスタンが、ポリオで悪名高かった。タリバン蟠踞区域には医者がまったく立ち入れなかった。しかし彼らですら近年は、子供にポリオワクチンを打つことは良いことなのだと学びつつある。
 ボコハラムはまだそれを学習していない。
 ポリオと天然痘のウィルスは、ヒトの細胞の中でしか生きられない。したがって、撲滅は科学的に可能なのである。
 ソマリアとコンゴでのポリオ流行は、ナイジェリアのウィルスが伝染したものだ。
 エボラウィルス熱は2014~2015にサブサハラでアウトブレークして11000人以上が死んだ。2017-5にコンゴで再流行したものの、今は沈静化しつつあり。
 2008に中共はコンゴ政府に対し、銅とコバルトを掘らせろ。見返りに90億ドルのインフラを工事してやる――ともちかけた。
 ところがカビラ大統領が約束した電力が供給されなかった。しかたなく中共の建設会社は2012年、隣のザンビアから電力を私費で買う羽目に……。
 これではコストがたまらんというので、予定にはなかった水力発電所をまず建設することになった。それもシナ側の負担なのだが。
 さらにショック。権利を買った鉱区の銅埋蔵量は、当初信じられた1000万トンではなく680万トンに下方修正された。
 銅の国際市価も2割下がった。
 トドメ。カビラが下野。これでコンゴ政府内に中共の友人はいなくなる。
 コバルトの市場価格はまだ高い。だからカビラは2018-3月に「過剰利益課税」を採掘企業に科す新法を導入した。


圧縮録音通信システムは、末期遺言やダイイングメッセージを残すにも最適のツールだ。詳しくは拙著で。

 Stephen Chen 記者による2018-7-1記事「China brings Star Wars to life with ‘laser AK-47’ that can set fire to targets a kilometre away」。
   中共でこのたび開発された歩兵携行用のレーザー小銃「ZKZM-500」。照射された人体の皮膚は瞬時に炭化される威力。その有効射程は800mだという。
 衣服は1秒以内に侵徹する。もし可燃繊維だったならば、その衣料は燃え上がる。
 全重は3kgである。つまりAK-47と同じ。
 最初の量産ロットは、武装警察の対テロ班に渡されるであろう。
 窓ガラスを透過できるので、人質事件の犯人制圧に使える。
 またコマンドー部隊に持たせれば、ガスタンクの外鈑を焼き切ったり、軍用飛行場の燃料貯蔵所に放火できる。
 光線は人の眼には見えないし、音もしないのである。
  ※これが水鳥猟用の猟銃になったらどうなりますかな? 音さえしなければ、水鳥の大集団が危険を認識する前に、密猟ハンターは何百羽も仕留められることになる。日の出前とか禁猟区とか市街地とかでも関係はねえ。誰も気付きゃせんのだから。中国製のレーザー猟銃によって、世界各地で無数の鳥類が絶滅危惧種となるだろう――と、ここで予言しておく。特にアフリカは終わった。
 電源はリチウム電池で、1000回以上発射可能。引き金1回につき、レーザー照射が2秒弱、持続される。
 メーカー名は「ZKZMレーザー」社である。西安市にあり。
 まだ量産の準備はできていない。しかし量産後の単価は10万元=1万5000ドルだという。
 この新兵器の第一報は、中共政府肝煎りの「シヴィル-ミリタリー一体化」事業の国営HP上で先月に公開された。
 おなじく先月には、武警用に装備を供給している成都市のメーカーが「レーザーマシンガン」を公表している。
 こちらは射程500mだという。
 レーザー兵器の小型化はシンギュラリティに近づきつつある。2009年に米国で試作したときには、Tシャツすら侵徹できなかった。
 ※すなわち相手がシュワルツェネガーかスタローン、上半身裸の特殊部隊員の場合にだけ有効だった。
 しかし2015年に中共は、小火器サイズのレーザー銃の開発資金として200億元をドンと提供。ここから各社の試作研究が活性化した。
 ジブチのシナ基地から米機に向けて発射されているレーザーも「ウェポン級」であると米政府は言う。オモチャなんかじゃないのだ。
 このレーザー光によって米軍パイロット2名が目を負傷させられている。
 懸念されること。この技術がテロリストに渡れば、どこでも、探知されることなく、放火ができるようになってしまう。
 1980年の、失明をもたらすレーザー兵器についての国連議定書(The United Nations Protocol on Blinding Laser Weapons)は、永久失明をもたらすレーザー兵器を禁止した。100ヵ国以上が署名。
 しかし中共政府のウェブサイトによれば「ZKZM-500」は、命までは奪わないから「ノンリーサル」でOKなんだと。
 反政府デモが手にしている幟や旗や横断幕やプラカードを警察がレーザーで遠くから焼いてしまう。そういう使い方ができると強調されている。
 また抗議集団のリーダーが演説しているところを公安がレーザーで狙い、頭髪や衣服を炎上させてやることで気勢を殺ぐことができる、とも。
 ※なぜこの技術突破が特定分野における「シンギュラリティ」であるのかを説明しよう。このレーザーサブマシンガンをマルチコプタードローンに吊るすようになるのも、もはや時間の問題である。さすれば徒歩の散兵による「野戦」など、もうほとんど考えられなくなる。コンクリートビルをピルボックスとした市街戦や地下坑道戦の時代は、やや長く続こう。しかしレーザー小銃の特性として「反動が無い」ことを思い出そう。キネティック弾薬ではどうも調子がよくない「90度銃身曲がり銃」や、長大な「内視鏡」形の敵ピルボックス征圧火器も、元がレーザー武器であるのなら、いとも簡単にカスタムできてしまう。やがて射手は銃ではなく「チューブの後端」を握って戦うようになるだろう。物陰から顔半分露出する必要すらない。うねうね銃身だけが敵の潜んでいるスペースに向かって潜入して行くのだ。とりあえず技本はフルフェイス型の歩兵用「鉄帽」の試作を急がないと、みじめな敗戦がすぐそこに待っていやしませんかい?


おそらくはMAVENのキモはgoogle-Earthとの連日照合なのだろう。毎日更新する全データをDoDに渡せと義務化されては興醒めなので人が去った。

 あるいは、テロリスト潜伏が疑われる特定の街区をグーグルマで高頻度で走り回ってくれ、とDoDからリクエストされる。それじゃ民間会社として困ってしまいます罠。
 次。
 MARTINE POWERS 記者による2018-6-30記事「It started with your shoes, then your water. Now the TSA wants your snacks.」。
   米国運輸安全委員会TSAはこれまで、航空機に乗る客のラップトップPC、液体飲料、そして靴底を検査させてきたが、昨年、それに加えて、スナック菓子袋類も、客の手荷物からあらかじめ分別させて、プラスチック瓶の中にそれらだけをまとめてスクリーニングする(X線検査機を通す)ようにしなさい――と空港に向けて勧告した。
 たとえばボルチモアワシントン国際空港ではすでにこれが実施されている。 利用者はいままでより10分以上、並んで待たされる時間が増す。
 各空港では、スナック菓子袋だけでなく、あらゆる形態の菓子と食品類に拡大適用。
 重量3.4オンス以上の液体の持込は、とっくに禁止だが……。
 ※盲点でした。3Dプリンターでポテトチップスそっくりにかたどった爆薬を、特殊な素雰気内で高度洗浄した気密袋に入れて厳封、さらに紙ケースで覆って、それを大量に手荷物とともに持ち込んだら、飛行機も危うい。起爆デバイスはミニゲーム機内部等に組み込めるでしょうしね。あらたな食品用の検査装置内には爆薬成分の蒸散を嗅ぎ分けるスニッファーも組み込まれているのでしょう。ところで、かのよしのり先生から聞いた話ではげんざい米国(ハワイ州)へ入国するときは審査ゲートで必ず指紋を取られる等、ロシアやシナの国際空港よりも閉鎖的な空気ですと。しかしネットで事前に申し込んでおけば戦艦『ミズーリ』の機関室や砲塔内を見学できると。またモンゴルではシャーマニズムがカルト教のように大流行りである由。これは明治の文明開化で精神混乱させられた日本の庶民クラスがいろいろな迷信に逃避・退行し始めたのと似ています。北鮮でもいずれ、田舎からそれに類した現象が起きますよ。


最初にLSDが well deck を備え、米ではウェル・デックと言うが、他国では well dock と言う。米公式では wet well であると。紛らわしい!

 CLAUDIA GRISALES 記者による2018-6-28記事「House, Senate push measures to fund defense plan forward, boost military pay」。
      連邦議会上下両院は、「2019国防授権法」の中で米兵の給与を平均2.6%増額させる予算などを認める。
 次。
 いよいよ始まるRIMPACで私が注目している演練項目は、陸自の12式地対艦ミサイルが実射するその近傍で米軍がHIMARSによる対艦攻撃をデモンストレートすることです。
 これを一里塚として、わが陸自も鈍重なMLRSや自走榴弾砲を廃して軽快かつクロスドメインなHIMARSで逐次更新しなさい/しようじゃないか ――という流れになって行くことを強く期待します。
 12式のランチャーからHIMARSの弾薬を発射できないかの試行もあっていいだろうと思います。
 理想は、逆にHIMARSのランチャーや、普通の特大型トラックの荷台から、12式地対艦ミサイルのような弾薬も発射できるようになることです。
 ランチャー/車台が共用化されて外見での区別が難しくなればなるほど、敵の偵察衛星等を通じて敵の作戦参謀を大いに遅疑逡巡させてやることができるためです。
 某無人島に展開されたMIMARSの発射コンテナの中に、GMLRSだけでなく12式地対艦ミサイルも混ぜて入れられている――と敵はまず予期しなければならないのでは、敵国は島嶼占領作戦そのものを諦めたくなります。そう仕向け得るようにするのが「装備体系による伐謀」でしょう。
 わが砲兵一般の仕事として明瞭に「対艦精密攻撃」が加えらなくてはなりません。とっくにそうするべきであったのです。すべての砲兵は、これからは、対艦射撃もする。そういう時代です。いわんや離島防衛を課題とする群島国家においてをや。
 次。
 ADSLから光への転換を一寸延ばしに遅らせている古い奴(俺のことです)で、インターネット通信が不意に断たれてしまうという困った症状がさいきん出てきた……なんていう人はいませんか?
 PCやスマホを再起動してもダメ、AVASTの無料アンチウィルスソフトをアンインストールしてもダメ、ルーターをいじっても、モデムの電源を切/入しても解決せず、なのに、固定電話の受話器を上げ下げする等の何かの拍子で接続が復活するという……。
 わたしの場合、原因がスプリッター(NTTが最初に設備してくれたマッチ箱サイズの白い分岐ボックス)の接点の経年不良化にあったらしいと気付くまでに、えらく時間がかかりました。
 男一人所帯ならばケーブルがどこを這い、スプリッターがどこに位置しようが、気にもかけないところですが、そんなもの客間で客の眼につかないように片付けてくれと女房様から依頼されれば、つい、ドアの枠に沿ってケーブルを綺麗に固定したりします。そしてケーブル長の都合によっては、スプリッターが途中、垂直に宙吊りとなる場合もありますわ。
 これがまずかった。上下にモジュラージャック端子が引っ張られ続ける、そのテンションがかからぬようにする小細工を最初に施しておけばよかったんですが……。
 何年もその状態で放置すれば端子の接触も悪くなろうというものです。ドアの開閉の震動で、スプリッター内の端子接触が急に悪くなっていたようだと推定することができました。(これは最終の結論ではありません。現時点での推定にすぎず、未確定です。)
 わたしはもうじき光回線に切り換えるのでNTT製スプリッターとも古いFAX電話機ともたぶん御縁はなくなるでしょう。が、もし同じトラブルで苦しんでいる人がいるなら、ここにヒントを書き残しておくのは無意義ではないと思いました。なにしろこの小さい部品が犯人になり得るとは、なかなか最初には思いつきませんからね。
 他にも「宙吊り結合」や、掃除機が当たるなどして結線が引っ張られたことが一因となり、唐突にテレビが映らなくなるなどの症状が出て困惑してしまう消費者はきっといらっしゃるだろうと想像しています。
 以上。


ほどほどに単純なAIを選び取る眼識が必要なのだ。

  Bradley Peniston 記者による2018-6-26記事「Google’s Withdrawal from Pentagon AI Project Risks US Lives, Says Work」。
  空軍の野心的プロジェクト、「メイヴン」とは、厖大すぎる偵察動画をAIにまず整理してもらおうというものである。これに2018-4にグーグル社員3100人が反対表明した。
 それでこの5月になり会社も、手を引くことを声明。軍との契約は2019で切れるので、それ以降はやらないと。
 これに対するロバート・ワークの反論。中共国内にグーグル社がAI研究センターをつくるという2017の話に社員はぜんぜん反対しなかったじゃないか。中共は民生技術と軍事技術を融合させると公言しているのに。
 ワークがDoDのナンバー2を辞したのは2017-7であった。現在は、ビッグデータ会社のゴヴィニ社の重役である。
 偵察機が送ってくるビデオ画像。動画分析チームは3~7人からなるが、それでもせいぜい溜まったテープ総量の15%しか視通せるもんじゃない。マシンの助けが必要なのだ。
 ※猟犬は人語によって情報を人に知らせる手段など持たないもかかわらず、人類の狩猟能力を数十倍に高めてきた実績がある。その秘訣は、単純このうえなしのインタラクション/インターフェースにあったと思う。ポインターやセッターは、水鳥の気配がする方向を、静かに、ただシューターの前で示すだけだ。熊猟犬ならば遠くの現場から吠え声によって伝えるだけ。しかしそうしたシンプルきわまる「方位限定」アシストのおかげで、ハンターの猟果は無から有に転ずる。ここのところ、ナショナルジオグラフィックTVの数年前のアフガン実録を録画で視聴して、討匪ミッションの最前線部隊に何が足りないのかがよく分かった。人感センサーを有するミニ・ドローンが、敵ゲリラの頭上でブラウン運動(不規則であることにより地上から銃撃されてもまず当たらない)のロイタリングを続けながらストロボ光を点滅させてくれるだけでいい。これで分隊長は、敵ゲリラが深い叢中に潜んでいようと、岩山の稜線に伏せていようと、そのアジマス(方位)だけは的確に承知することができる。部下全員にハンドサインで示さなくとも、射撃し続けるべきアジマスは全員に「見える」。銃口ガスのせいで土埃が濛々としても、空中のストロボ光なら依然としてよく見えるだろう。最前線の小銃分隊には、それ以上の情報など必要ないのだ。ゲリラから銃撃されたパトロール部隊が、人感センサーを有するこのハウンドドッグのようなミニ・ドローンを概ねの方角へ放出すれば、あとはスウォームのミニ・ドローンが全自動で敵ゲリラを探索し、「フラッシュ報告」を返してくれる。そのような単純なインターフェイスの「使える」システムの開発を急ごう。
 次。ストラテジーペイジの2018-6-27記事。
   スウェーデン軍が、古いホークの更新としてペトリオットSAMを調達する。さいしょは、約10億ドル分。
 ロシアからの脅威は、弾道ミサイルが半分、航空機や巡航ミサイルが半分なので、ペトリが頼りにできる。
 ホークをいくら改善してもロシアの新型ミサイルには対処できないとスウェーデンは観念した。
 2013-3の演習で露軍は露骨にスウェーデンを攻撃対象に仮定した。
 2020からスウェーデンが受領するペトリは、対航空機用がGEM-T、対弾道弾用兼近距離航空機用がPAC-3 MSE である。
 PAC-3は射程が短いのに1発の単価は2倍する。約400万ドル。
 ランチャー4基等からなるペトリオット発射大隊。100人の兵員が必要。
 PAC-2は重さ1トン。PAC-3はその三分の一。