『日本史の謎は地政学で解ける』の見本が届きましたわ。

 自分で言うのもおかしいが、こいつは面白い。
 祥伝社からの刊行。ISBN978-4-396-61631-1 C0021 。
 奥付は平成29年11月10日初版となっている。
 みんな、今すぐにアマゾンで予約しようじゃないか!
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 JASON BEHNKE 記者による2017-10-28記事「Sailor’s withdrawal from energy drinks highlights Navy’s workload problems」。
   5年間、毎日「エナジードリンク」を飲んでいたある米海軍水兵が自宅で奇怪な症状に襲われた。エアコンが効いている室内に居るのに、おびただしく汗をかく。身体がぞくぞくと震え、ベッドから出るのにさえおそろしい気力をふりしぼらなければならぬ。頭は、冷蔵庫に突っ込んで冷やさないと気が済まない。
 2隻のイージス艦があいついで商船との衝突事故を起こして17名が死んだ。その原因は水兵の勤務シフトがムチャクチャで睡眠不足に陥っているからではないかと疑われているが、医療専門家は、水兵たちが毎日エナジードリンクをガブ飲みすることについても警告を発する。
 この問題は2010年には把握されていた。アフガニスタンに派兵され、エナジードリンクを毎日3本以上飲んでいた地上部隊の兵士たちが、夜になってもなかなか寝付かれず、睡眠時間が4時間未満になってしまう。逆にひるまには非常に眠くなって、勤務中にうつらうつらとしてしまうことが。
 先月、マケイン上院議員がリチャードソン海軍作戦部長に尋ねた。一部の水兵たちは艦隊勤務中、週に100時間も作業しているというのは本当かと。リチャードソンは否定しなかった。
 NOSエナジードリンク1本の中には、54グラムもの砂糖が溶け込んでいる。
 ふつう男子は1日36グラム、女子は25グラムの砂糖で十分だとされているのだ。
 NOS1本の中には200ミリグラム以上のカフェインも入っている。
 成人は1日のカフェイン摂取を400ミリグラム以下に抑えるべきだと推奨されている。
 エナジードリンクの飲み過ぎは、心筋梗塞、不整脈、心臓肥大などの心臓疾患も引き起こす。
 心拍が薬効で速くなる結果、心臓が肥大し、それが心臓を長期的に故障しやすくするのだ。
 伝統的に海軍は、特に軍艦内では、皆がカフェイン中毒の気味がある。
 若い水兵にドリンクを買ってもらいたかったらカフェインと砂糖をこれでもかというぐらい入れればいい。艦内の酒保でそうした商品を扱わないとしても、世界中の寄港地でちょっと上陸しさえすれば町のショップにそんなドリンクが溢れている。しかもやたら安い。
 件の水兵(筋肉質体型で、定期的にジムで鍛えている)が病院で検査したら血糖値が256もあった。ふつうは8時間絶食していると、1デシリッターの血液中に100ミリグラム未満の糖分しかないものである。食後2時間でも、その値は140ミリグラム以下のはずなのだ。
 作業やトレーニング前にサプルメントを摂取する米兵の慣行もヤバイ。それはカフェインの塊なのだ。


釜山で500ktが炸裂しても夏なら対馬にフォールアウトは来ない。ならば冬は……? 詳細は年末売りの某ムック寄稿で。

 APの2017-10-28記事「Putin Himself Fires SATAN 2 Nuclear Ballistic Missile」。
  このたびの演習でプーチンが核ミサイル発射を直接に指揮したようだ。
 ロシア北西部のプレセツクからカムチャツカの「クラ」射爆場に向けて「トポリ」が発射された。2017-10-26に。
 バレンツ海からは1基のSLBMがやはりカムチャツカに向けて発射された。
 オホーツク海からは2基のSLBMが、逆向きに、アルハンゲリスクの「チジャ」射爆場に向けて発射された。
 同時に、カムチャツカ、北極圏のコミ州、そしてカザフスタン内のそれぞれ演習空域において、ツポレフ160、ツポレフ95、ツポレフ22(バックファイア)が巡航ミサイルを発射している。
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 MIKE STOBBE 記者による2017-10-28記事「Opioid epidemic shares chilling similarities with the past」。
    米国の最初の麻薬禍は、南北戦争直後に起きた。新薬のモルヒネで中毒になった元負傷兵たちだ。
 1900年代の前半、このモルヒネ中毒患者を救済しようと開発されたのがヘロインだったという。
 コカインもやはり同じ目的で製薬会社が開発したのだという。
 じつはコケインは鼻腔の通りを良くする。だから花粉症の公式治療薬だった時期もあるのだ。
 1910年、ウィリアム・タフト大統領は、コカインは米国が直面した最も深刻な薬禍だと議会に訴えた。
 1800年代の麻薬といえば阿片だった。それはローダナム=アヘンチンキという液体の薬として、鎮痛目的や睡眠薬として処方された。
 リンカーン大統領の妻マリーは、頭痛薬としてアヘンチンキを処方され、中毒患者になっていた。
 サンフランシスコのチャイナタウンには阿片窟があった。
 目た人が伝えるところでは、阿片窟は地下埋葬所のように静かで、ヤク中どもの重々しい寝息が聞こえていたそうだ。
 鎮痛薬としてのモルヒネはドイツのE・メルク社が開発した。南北戦争中にその依存症になった者たちが多いため、モヒ中を「軍隊病」と呼ぶこともあった。
 メルク社はコカインを、薬局で処方箋無しで客に売れる強壮薬用の主成分として、メーカー向けに出荷した。さまざまな最終製品をさまざまな症状の患者が買った。
 醸造会社はワインやソーダにコカインを混ぜた。米国南部では、労働者たちがみずから気付け薬として鼻から吸引した。
 バイエル社がヘロインを市販し始めたのは1890年代である。
 最初は錠剤の形で、処方箋なしで誰でも買えた。インフルエンザや呼吸器系疾患の患者に投与された。
 やがて、従来の麻薬にあきたりない者たちが、ヘロインを粉末にして鼻から吸ったり、水に溶かして静注するようになった。1905年頃だ。その方が効果は劇的だからである。
 それは2015年におけるオピオイドのひとつ、ヴィコディン錠のような濫用のされ方であった。アメリカは、同じことを何度も体験しているのだ。
 1914年、連邦議会は「ハリソン法」を通した。コカインとヘロインは医師の処方箋なしに患者に売ってはならぬ。酒や食品に混ぜてはならぬ、とした。
 ただしハリウッドでは1920年代にもコカインは濫用されている。
 大恐慌は麻薬の買い手を文無しにしてしまった。さらにWWII中のUボートは、海外産のドラッグの米国流入を阻止してくれた。
 しかしWWIIが終戦した結果、米国の闇市場には、海外産のドラッグが自由に流れ込むようになった。
 覚醒剤アンフェタミンは1930年代にバローズウェルカム製薬会社により開発され、1950年代の米国に溢れた。
 痩せ薬としてもそれは販売されたのである。
 これを注射したドライバーは猛速度を出すので「スピードきちがい」と呼ばれた。
 60~70年代に、ベトナム戦争が若い兵隊をドラッグに近づけ、米本土でのヘロイン禍を招いた。
 1970年と71年のニューヨーク市において、黒人とプエルトルコ人の死因の第一位は、ヘロイン絡みであった。
 黒人やプエルトリカンのヘロイン中毒患者など、誰も同情しない。
 そこでニクソン大統領は1971年に国家事業として「麻薬に対する宣戦布告」。
 ドラッグディーラーに対する量刑が跳ね上がった。
 70年代後半にヘロイン濫用は減った。代りにコカインが再浮上。最初は粉末だったものが、80年代には高純度に精製した結晶固形物状に。これを「クラック」と呼ぶ。
 供給はふんだんであり、末端小売価格が1塊5ドルに値下がり。買い手は、平滑なガラス表面の上で、剃刀の刃を用いてクラックを適量に分割する。
 注射の必要がなく、マリワナのように蒸発物を鼻から吸収できることが、若者の間にクラック=結晶コカインに対する警戒心を弱めさせた。大流行。
 法的対策として、粉末状コカインの所持および販売よりも、結晶状クラックの所持および販売の量刑の方が重くされた。
 警察の取り締まりが奏功して、クラック濫用も1990年代に沈静化した。
 米国社会による「村八分」も効いている。クラック絡みで殺人を犯したり逮捕された者が所属する家族やコミュニティを、市町村が排除するように努めた結果だった。
 政府・自治体は、クラックが青少年の脳を破壊するというイメージ宣伝をTVでガンガン打った。「クラック頭」のイメージは米国社会に定着し、クラック濫用者は人外のものであるかのように差別されるまでになった。
 ある研究者の試算では、1900年時点では米国人の300人に1人はドラッグ中毒者だったと見られる。現在、米国人の133人に1人がヤク中であり、しかも中毒源は昔のクスリよりもヤバイ。
 ヘロインが最も蔓延した1970年の全米の過剰摂取死者は3000人未満であった。
 クラック蔓延のピークだった1988年の全米の過剰摂取死者は5000人弱だった。
 しかるに2016年、6万4000人以上のアメリカ人が、各種の麻薬過剰摂取で死んでいる。
 オキシコンティンという新麻薬(オピオイド=阿片もどき)が登場した1995年から事態が急に悪化したのだ。
 それはモルヒネやヘロインのような強烈な効き目がありながら、その依存症の危険度は低いのだと思われた。
 というのは、もともと疼痛治療薬である。長期連用が前提だから、中毒作用も弱いだろうと思われたわけだ。
 しかし一部の患者はもっと薬効を欲するようになり、錠剤を砕いて鼻から吸ったり、水に溶かして静注すれば、もっと劇的にイイことを発見した。
 量を多くすれば効き目が強いのは当然で、末期癌患者の激痛を緩和するために、モルヒネの100倍近くも効くものなのである。終末医療に使うのならば、どうせすぐ死ぬ人たちだから、量が多くても問題はないのだが。
 オピオイドはすっかりヘロインを駆逐したようだ。2016年のヘロイン濫用者は、過去41年間で最低だった。


四刷が決まりました。

 Rick Montcalm 記者による2017-10-20記事「Proof of Concept: Big Questions the Army’s New Foreign Advisory Units Must Address」。
   ミレイ陸軍参謀総長いわく。イラクやアフガンへの勤務を永久戦争と思ってはならぬ。永久訓練指導だと思え。
 ※比島(ミンダナオ)では大勝利があったが、どうやらアフガンは情勢が悪化している。これから陸自がどっち方面に派遣されるかで天国と地獄が分かれそうだ。マラウィ市の5ヶ月にわたる戦闘については次の『宗教問題』で解説いたしましょう。とても興味深いのだ。現地ではドゥテルテの支持率も高い。フェイク報道に騙されるな。
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 MUJIB MASHAL 記者による2017-10-23記事「Tillerson in Kabul? Two Photos Lead to Many Questions」。
   ティラーソンがアフガニスタンの大統領と面談したのはカブール市内ではなく、そこから車で90分かかるバグラム基地内の地下室だ。
 写真の背景。軍隊共通時刻である「ズールー・タイム」を示すデジタル時計が、抹消されている。そこが軍隊の基地だとバレてしまうから。
 ティラーソンはそこからイラクに寄り、帰国した。
 2017-9のマティス長官の訪問中、カブール空港には50発以上のロケット弾が落ちてきた。
 ある市をゲリラにほとんど征服されても、市役所機能を別な建物に移してしまえば、その市は陥落してないと言い張れる。そんな宣伝が横行している。アフガニスタンでは。
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 Kris Osborn 記者による2017-10-19記事「Army seeks next-gen targeted EW attack technology for drones」。
    陸軍は、グレイイーグルのパイロンに吊下できるECMポッドを欲している。
 これによりラジコン起爆のIEDの電波を妨害してやる。
 いま陸軍が車載しているその電波妨害機は「DUKE V3」という。※MRAPの前方に突き出している四角い板か?
 歩兵が携行するジャマーは「Thor III」「GATOR V2」という。
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 JONATHAN LEMIRE 記者による2017-10-23記事「White House: Trump plans to visit Camp Humphreys, but not Korean DMZ」。
   トランプは38度線のDMZには行かない。代りに、ソウルの南40マイルのキャンプハンフリーを訪れる。
 マイク・ペンスは2017前半にすでにDMZを視察している。
 次。
  Vivienne Machi 記者による2017-10-23記事「Officials Want Industry to Help ‘Digitize’ the Marine Corps」。
   米海兵隊は、国軍として新型のデジタル通信機(ベースはアンドロイドのスマホ)を開発させて正式に制定して末端兵に支給するなどという時間のかかる方法はもう古いと思っている。
 これからは、「お前たちが各人で良いと思ったスマートフォンを市場でテキトーに選んで携帯せよ。そこに部隊から必要な情報を流してやるから」という方式に変えたい。
 無人機からの画像もスマホで見るのがいちばん簡単だろう。
 戦場で通信が途中で切れるのはイタい。そこで海兵隊では、レーザー通信法も考えたい。問題は、直進しかしないレーザー信号は地平線を越えると、もはややりとりができないこと。解決方法としては、上空の飛行機で反射させることを考える。
 ※自慢じゃないが、日本語の活字媒体で「サイバー・アタック」という英語を最初にカタカナにして紹介したのは私である(『諸君!』バックナンバー1997年6月号を見てくれ。これより早く使っている人がいたら教えて欲しい)。
 つまり今から20年前には国家間や軍隊間のコンピュータ・ウィルス攻防はサイエンスフィクションのテーマだったのだが、そこから急速に現実化して行った次第だ。
 もしAIがサイバー工作犯人となったら、人間はそれに対抗できるか? 何がリアルで何がフェイクか、もう分からなくなってしまうだろう。
 せめてECMに強い通信方法として海兵隊はレーザーを使う気だ。日本のメーカーも、レーザー信号を受信できるスマホを開発し始めるといいだろう。第三者に傍受されないトランシーバーとして使えるもの。 面白いだろ?


新著は3刷がかかりました。

 SETH ROBSON 記者による2017-10-17記事「White House releases details of Trump’s 5-nation tour of Asia」。
  トランプ大統領のアジア歴訪日程。
 11-3のハワイを皮切りに、日本、韓国、シナ、ベトナム、比島を巡回し、ホワイトハウスに11-14に戻る。
 ハワイではアリゾナ記念館に立ち寄る。11-3~11-4。
 ついで11-5に日本へ。11-6まで。拉致被害者と面会。
 韓国へは11月7日に立ち寄り、在韓米軍を激励する。
 韓国議会でも演説する。
 北京へは8日に。11-9まで。
 10日にはベトナムのダナンへ。ここではAPECが開かれており、スピーチする。
 11日にはハノイへ。
 12日にはマニラへ。ASEAN50周年を祝う。
 13日も比島でセレモニーがある。
 次。
 2017-10-17アクセスのUPIニューズ。
   ベルギーの Kleine Brogel と ドイツの Buchel に、米軍のB61爆弾がストックされている。
 NATOがそれを使う、対露核抑止の年次演習が Steadfast Noon である。
 その基地をどう防護するか、も訓練する。


風船爆弾が何を狙っていたのかやっと理解できた。

 DON THOMPSON AND DAN ELLIOTT 記者による2017-10-15記事「US, states struggle to pay spiraling cost of fighting fires」。
   加州は緊急事態のためにとってあった4億6900万ドルの予算のうち半分以上を使ってしまった。そこにこんどの大火事が来た。
 モンタナ州も山火事続きで、今年度の消防支出が9月下旬で4億ドル近い。
 なぜ消防費用がこんなに増えたか。米西部の夏と乾季とが長引いている。それで枯れ木・枯れ枝の乾燥が進んだ。過去の防火が成功しているために、何年も蓄積された枯れ木・枯れ枝が今回の燃料となっているのだ。
 どんな小規模な火事でも消してしまえといういままでの政策が、育ちすぎの森林をもたらし、それらが一斉に枯死することで、格好の燃料と化す。
 森林縁や森林内に建設される住宅も増えた。森林庁によれば4300棟もある。
 そうなると森林と住民インフラが錯綜するので、ますます消火は簡単ではなくなる。原野ならば放置していてもよかった小火もぜんぶ消火せねばならない。
 連邦森林庁(農務省の下位組織)が、山火事の消火費用を第一に負担する。この他、内務省も、毎年数百万ドルを消防のために出している。
 2000年以前は、連邦の消防費用は10億ドルを超えたことはない。
 しかし2000年以降、10億ドルを超えた年度が14回あり、15億ドル以上になったことは10回ある。
 加州消防局(カルファイアー)の予算は年間10億ドルである。そのほかに州には4億6900万ドルの緊急事態備蓄金がある。
 ※ラスベガスの乱射事件についてISが犯行声明を出したように、加州の山火事については平壌が「朝鮮人が火をつけまわっている。トランプが悪い」とテレビで声明するのだろうか?


これはもう美爆テロ。

 ストラテジーペイジの2017-9-14記事。
   北鮮は従来、インターネット電話線(光ファイバー)が渤海の海岸付近のシナ国境経由で国外とつながるのみであった。
 中共が北鮮に高速インターネット回線を提供したのは2010年である。
それ以前には普通の電話線しか外とはつながっていなかった。
 が、このたびロシアも光ファイバー有線をつなげてやった。それは国境の向こう側のロシア側の鉄道駅と直結している。ロシアでは、長距離の電話線は必ず鉄道に並走しているからだ。
 さかのぼると、北鮮国内でのハッカー育成は1990年代からスタートしていた。
 2009に北鮮は、中共で違法コピーされたウィンドウズXPを国民が使うことを禁じた。
 支那語版ウインドウズXPもどきに代わって政府が提供したのが、ライナックスからカスタムしたハングルのXPもどき「赤星」であった。
 しかし動画観賞に関しては支那版XPの方が北鮮版リナックスよりすぐれていたので、ユーザーはなかなかXPコピーを捨てなかった。
 2010には警察が支那語XPのユーザーを一斉手入れ。
 三代目は2011年に31歳で権力を継承した。
 北鮮の官製OSである「赤星2.0」は2011に登場した。これは「ウインドウズ7」もどきである。
 2012に北鮮政府はインターネットに使える衛星回線を獲得した。
 北鮮が大学生および信用できる階層にインターネットのアクセスを広く許すようになったのは2014年。
 北鮮の官製OS「赤星」は、2016年にハッキング被害を受けた。それだけインターネットユーザーが増えたわけだ。
 「赤星3.0」は2016にリリース。こちらはマックOS10に似せていた。
 2017には「赤星4.0」が開発の最終段階にあるようだ。
 マイクロSDカードの容量は今では128ギガバイトもある。北鮮の出稼ぎ労働者たちは、海外で西側のテレビ番組等をそれに録画して北鮮国内に戻ることができる。国境で検査されようが、すべての荷物の中から1枚のSDカードを探知できるものではない。
 このSDカードのコンテンツを支那製のスマホで視聴するわけである。これが北鮮国民の娯楽。
 北鮮側ではくやしいので、SDカードにマルウェアを仕込んで、外国人が泊まるホテルの室内にわざと残置したりする。外国人がそれを自分のスマホに差し込めば、感染する。


Rotten to the Korea ?

 KIM GAMEL 記者による2017-10-12記事「US military plans semiannual evacuation drills against backdrop of North Korea tensions」。
     10月23日から27日にかけ、韓国内の米軍人家族・軍属に対しエバキュエーション訓練。これは半年に一回実施されているものである。
 「カレージャス・チャネル」という演習名で毎回やっている。
 子供も含め、じっさいに手荷物を持って指定集合地(米軍基地)に集合する。そこで点呼を受け、出頭を記録され、諸説明を受ける。
 ペットも家族と同じ扱いである。
 有事にはまず全員がいったん日本に避難するのである。
 訓練への参加は強制である。国防総省が雇った民間人およびその同伴家族も参加が義務付けられている。大使館員も参加する。
 在韓米軍基地と一切無関係の米国籍居留民は、参加しなくていい。そのような者は数万人いるのだが、米大使館はその者たちを有事にどうするのかは詳細を公表していない。
 有事にエバキュエーションを命令するのは国務省である。
 大使館いわく。基地と無関係である米国人居留民/観光者も、「海外旅行者スマホ点呼」=STEP のプログラムには積極参加して欲しい。有事にオンラインで自分の現在の居場所等を通知できるから、いろいろ安心である。詳しい情報は大使館のウェブサイトを見よ。
 昨年は、トルコからほとんどの米人家族と軍契約民間人は脱出した。エルドアンが反米路線を走り始めて何が起きるかわからなくなったので。


パドックの頭の中が最大の謎。

 ストラテジーペイジの2017-10-9記事。
  フィンランドの最新技術。120mm迫撃砲と砲弾100発を、普通の20フィート・コンテナの中にパッケージ。
 コンテナ内に3人が入って発射する。全部しめて重さ10トン。
 このコンテナを搭載できるトラックやトレーラーは、そのまま、自走迫撃砲となる。もちろん地面にコンテナだけ卸しても使える。
 このコンテナを搭載した船舶は、そのまま120mm砲で海戦ができる。連射レートは最大で毎分10発。
 120mmの迫撃砲弾はレギュラータイプだと最大8200m飛ぶが、ロケットアシスト弾にすれば13km飛ぶ。
 すでにイスラエルが完成していた迫撃砲リコイルのダブル緩衝機構を組み込んだ。
 イスラエルは、6トンのトラックであれば直接に120ミリ迫撃砲を搭載して荷台から発射できるとフカしている。
 じつに反動は1割にまで減ずるのだという。そのかわり速射はできなくなる。リコイルが戻るのに時間がかかるため。
 たとえば毎分20発発射できた迫撃砲だとしたら、毎分16発しか射てなくなる。そのデメリットは、GPS誘導砲弾で補うしかない。
 120重迫のタマの重さは155ミリ榴弾の半分しかないが、発射レートと、垂直に落下して水平に破片を散らせる効力を考えると、15榴以上にすごい。
 ※推理。米国では1986年以前はフルオート機関銃の販売が合法だった。ブローニングのベルト給弾の7.62ミリすらも。現在も所持は合法だが、登録が厳重なので、パドックは機関銃のオプションは避けた。実行前に当局から警戒されないように彼は細心の注意を払っているのだ。また、連射中に故障したり銃身が過熱した場合は、銃ごととっかえる方針を選択した。貫通力の高い7.62ミリよりも.223を選好しているように見える理由は、たぶん、バンプ・ストックとの相性が、5.56ミリNATO弾の方が良いからなのだろう。コントロラブルなのだと想像できる。ではなぜ、トリガーガード内にとりつけられる電動式の「ガットリング化クランク」メカ(右手を使ってクランクを1回転させるたびに引き金を押す動作を3回やってくれるメカ。手動式も数タイプあるが、最初からクランクがない電動モーター式もある)を通販で取得しなかったか。やはり、この部品を複数発注すると、自動的に当局から目をつけられると警戒したのだろう。手製のサプレッサー(サイレンサー)を使わなかった理由。これがわからない。次に模倣犯が現れるとすれば、サプレッサーを使うだろう。窓に目立たないサイズの穴だけ開け、銃口が室内になるようにすれば、音はもっと隠せた。
 ※ローメーカーたちの限界。フルオート銃を禁止する法律を、「目的」「意義」には重点を置かずに、単純にメカニズム定義だけで規制したために、ガットクランクやバンプストックが野放しになってしまった。これはローメーカーたちの敗北である。そうせざるを得なかったのもNRAへの顧慮なのだろう。


往年のシェリダン空挺戦車の152ミリ臼砲。発射すると衝撃で車内の電装品が故障したそうだ。

 Carl Zimmer 記者による2017-10-5記事「A ‘Sonic Attack’ on Diplomats in Cuba? These Scientists Doubt It」。
       米国務省は、キューバのハバナ市の大使館に勤務するアメリカ外交官たち20人ぐらいが、難聴や、意識障害などさまざまな奇病をわずらっていると言い立てている。
 国務省では、キューバ政府による超音波攻撃だと疑っている。
 しかし、音響学の専門家の意見は、否定的である。
 超低周波の可能性はないのか?
 じつは米軍は2002年に、低周波音響を武器にできないかと研究させたことがあったのだが、放棄された。ちょうどうまく効く波長の選定・生成が難しかったそうである。
 また、低周波音では即効的ダメージを人に与えることもできなかった。
 ならば高周波はどうか?
 2万ヘルツ以上の音をハイパワーで人体にぶつけると細胞が傷つくことは確かめられている。鼠ならば、殺せる。
 これを利用しているのが腎臓結石を非侵襲的に破砕できる音波パルス治療器。数方向から結石に照準してパルスを当てると焦点が合ったところだけに破壊的な衝撃を加えることができる。
 兵器レベルの有害音響にさらされる危険があるところでは、耳栓ではまったく不十分で、ヘッドフォン状のイヤーマフが必須アイテム。
 ※近未来の軍用ヘルメットは、フルフェイス型になる。これだけはガチ。
 音響は距離とともに減衰する。かつまたハヴァナ市のような湿気の高いところでは、減衰はさらに急なはず。
 また、高周波だと建物の外壁でほとんど跳ね返されてしまうはずだ。内部まで到達するのは低周波である。
 じつは携帯電話のマイクは超音波まで拾うことができる。だから超音波工作が実際にあれば、携帯電話に録音されるかして証拠が残るはずである。
 ※ちかごろこれほど不審・不可思議な話は無い。AIダイアグノーシス先進国の米国さんなら、館員の愁訴とビッグデータを照合して、すぐにマシーンが原因を教えてくれそうなものなのに……。NBC兵器テロを警戒して、大使館内の気圧を屋外よりわずかに高くする特別な空調でも設置しているのではないか? あるいは気密性が高すぎて屋外と気圧ギャップがあるとか。あるいは誰かが空調にハッキングしていて、悪戯で気圧をランダムに変更しているのか。電灯線の電圧が不安定ならば同じ現象が起きるかもしれない。


米軍はディーゼルを廃止する気まったく無し。

 Charles Lyons Jones 記者による2017-10-5記事「Article 9 and Japan’s missile defence dilemma」。
   北鮮がもっている9種類の弾道弾のうち、日本向けに適しているのはノドンである。射程1200km強。
 もし日本領土外に着弾するミサイルを破壊すると、それは、「国際紛争を武力で解決」することになってしまって、日本国憲法に抵触する。
 4500km飛ぶ「火星12」が日本に着弾することはない。これはグァム向けだ。それを日本は迎撃できない。そこで改憲が必要になるわけだ。
 BMD任務イージス艦による迎撃が成功する第一要件は、その運用艦の位置。
 もし日本の『金剛』型が、米海軍の『アーレイバーク』型よりもちょうどよい位置にいた場合、迎撃成功率は金剛型のほうが高くなる。しかし「9条」あるかぎり、グァム防衛のために日本の駆逐艦は使えないのだ。
 ※このレトリックの馬鹿々々しいのは、米政府がグァム島に「チージス」(地上配備型イージス)を置くだけでグァム防衛については問題は簡単且つ確実に解決してしまうこと。まちがいなくそこに落ちてくるのだから、そこから反対コースで打ち上げるのがいちばん誘導も単純化される。チージスはイージスより維持費も安い。海象の悪影響も受けない。トランプ政権は、軍艦を100隻増やとブチ上げる前に、こっちを先にやったらどうなんだい? 自国領土なんだし……。
 次。
 Gary Gastelu 記者による Fox News記事「Cummins developing revolutionary new diesel engine for U.S. Army」。
    カミングス社は、加州のアケイティズパワー社の垂直「かちあい」ディーゼルエンジン技術を導入して、米陸軍のための先端戦闘エンジンを開発する資金47400万ドルを陸軍からもらった。
 ※アケイティズは『イーリアス』に登場するアイネイアースの忠実な部下、誠実な友アカーテース。
 これは2サイクル・ディーゼルなのだが、1本の垂直シリンダーの中で、2つのピストンが対向的に動く。両方のピストンはシリンダー中央部でかち合う。かち合う直前にシリンダー中央部へディーゼル燃料が噴射されるのである。
 この垂直シリンダーが、たとえば3本直列に配置される(その場合、ピストンは6つになる)。
 この仕組みにすることで、ヴァルヴトレインを廃止できたという。
 かち合い式のメリットは、シリンダーヘッドからの損な放熱を最小化できることにある。よってディーゼルの効率がメチャ上がる。
 既製エンジンと同じ出力を、より小さな体積のエンジンで実現でき、しかも燃費は1割以上よくなる。
 とりあえずの目標は、ブラドリー歩兵戦闘車に搭載している600馬力ディーゼルを、この新型で換装すること。陸軍によるテストは2019年から始める予定である。
 ※『東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる』、とうとう出ましたね。この本は売れるだろうが、オレとしては出来映えに不満がある。というのは、接続詞の使い方がオレらしくなさすぎる。事情は……お察しください。同じ接続詞が連続して何回も出てくるのは、幼稚ですよ。表紙の「7地点」てのもミスリーディングじゃね?