ロシアのGPS妨害のために、サンクトペテルスブルグを狙った宇軍の長距離片道特攻機がコースを逸れ、エストニアの野原に墜落してクレーターを掘った。

 2025-8-25に連邦議会へ送られた米国防総省の報告文書の摘録。
 「レプリケイター」は2023-8-28に公表されたDoDイニシアチブである。主導したのはDoD内のDIUというセクション。2025-8までに数千機の無人兵器を展開するぞとブチ上げた。
 「レプリケーター1」とは、努力の第一段階を謂う。「ADA2」とは、オールドメインでattritable(1機の損耗が金銭的に気にならないレベル)で全自動という概念。そういう兵器を展開する。

 「レプリケーター2」は、オースチン長官が2024-9-27に示達した段階で、主に敵の小型ドローンに対処する方策を追求。「Cs UAS」と略す。
 DoDはウクライナ戦線から学んでいる。宇軍は毎月1万機の、消耗上等な無人兵器を投じつつある。
 このイニシアチブのDOD内での幹事だったカスリーン・ヒックスは、中共軍の米軍に対する「量的優越」を克服することを主眼に考えていた。

 ある者は言った。レプリケイター・システムの実現のためにはスウォームAI技術が必要だと。無人機群が自律的に位置取りと動きを制御できなくてはいかんだろうと。それにはネットワーク通信への投資も必要だ。

 レプリケイターは、速く開発して速く生産して速く世代交代できることを強調する。対概念として既存の空母が取り沙汰される。しかし当局は既存兵器システムをレプリケーターで代替しようと主張しておらず、補強するのだと主張しております〔こう言わないと大工場のある地元議員どもが大反発して企画が一歩も進まなくなる。本音は、空母などもう廃止したい。ただしトランプ政権はもう何も考えてなさそうだ〕。

 作戦上の不利につながるため、DoDはレプリケイター・アイテムの詳細情報を非公開にしてきた。今、明らかにできること。アエロヴァイロンメント社の「スイッチブレード600」、アンドゥリル社の「アルティウス600」および「ゴーストX」無人機、パフォーマンスドローンワークス社の「C-100」無人機がある。無人水上艇は、まだ名前を明かせない。アンドゥリル社製の無人潜航艇「Dive-LD」は、レプリケイターに含まれている。これら無人兵器の指揮・通信・自律制御用のソフトウェアをDoDは7つの企業に開発発注しているところである。

 「レプリケイター1.2」。この「2」というのは、選定のためのセカンド・トランシェのことである。2025-7には、DoDはそのファイナリストを決める、と以前に報道されていた。

 しかしレプリケイターの進捗は遅れている。今すでに2025夏だが、米軍は無人機を「数百機」のレベルでしか展開できていない。

 議会は、この秘密の多いレプリケイター・イニシアチブが今どうなっているのか、予算が無駄に使われていないかを確認するために、GAO(会計監査局)を動かすことができる。

 DoDは、FY2025では、レプリケイターのために5億ドルの予算を欲しております。

 尤もな外野のご意見。無人機整備ではなく、インドパコムがもっと射程の長い「対艦ミサイル」を大量調達できるように、そのカネを回すべきではないか、と。

 ペンタゴンの調達システムのどこがダメなのかに詳しいアナリストとしては、Bill Greenwalt 氏あり。彼は2023-10-19に下院軍事委員会でその関連の証言もしている。
 キーワードは「valley of death」。スタートアップには資金体力がないので、官による採用審査が2年以上もモタついているうちに倒産してしまう。

 DoDが無人機の倫理問題をどう規定しているか、そのアウトラインは「Responsible Artificial Intelligence Strategy and Implementation Pathway」および「DOD Directive 3000.09, Autonomy in Weapon System」を参照せよ。
 ※おそらく、無人特攻機が最終ダイブ中にも遠隔操縦者が随時に中止コマンドを送信してその攻撃を中断させ、機体が再上昇できるようになっていなければならない、といった規定が、そこには書かれているものと想像する。面倒くさいので私は読んでないが、イスラエルのハーピィが、ナゴルノカラバフ時点では攻撃アボート機能を搭載していない安価な全自動自爆機だったのに、いつのまにか無駄に高額な双方向通信機能付きになっているのは、こうした米主導の「人道」条項に沿わないと西側諸国向けの輸出ができないせいだろうと想像している。そういうことをやっているからロシアや中共相手にウクライナが苦労させられるんだ。馬鹿な奴らだ。

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 Roman Pryhodko 記者による2025-8-27記事「Ukrainian Naval Drones Near Production in Lithuania. Why Them」。
  ウクライナが開発した水上無人特攻艇を、リトアニアでも量産し、リトアニアは、2隻建造したらその1隻をウクライナに渡すという。すなわちそれがライセンス料。

 ※なぜこの方式を日本のメーカーも採用できないんだ? 国会と外務省は仕事をしろ。

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 Lisbeth Quass 記者による2025-8-26記事「Centrale kilder」。※デンマーク語を機械翻訳すれば読める。
  トランプ政権がグリーンランドにスパイ工作員を上陸させて、独立運動をそそのかし、分離反対派のリストアップを進めている実態を、デンマーク政府はしっかりと掴んでいるぞ。

 ※ついでに言わせてもらおう。日本にも大成功したスパイ工作員がいるのだ。そいつらも野放しだ。それは国後島奪回師団であった第五師団を旅団に格下げさせ、知床を「世界遺産」に登録させて電気的な監視通信設備を置けないようにし、羆を殺すなと自治体を電話でハラスメントして北海道民と内地民を感情対立させることに努めつつある連中だよ。

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 Evgen Istrebin 記者による2025-8-27記事「Russia is going to introduce a moratorium on bankruptcy in agriculture」。
  本年度のロストフ地方とクラスノダール地方では、収穫量がすでに25%落ち込んでいるため、ロシア政府は、農家を破産させない徳政令を出そうとしている。

 同じ記者による8-25投稿。
  ウスチ・ルガ港が無人機攻撃を受けたが、狙いはノバテクの液化ガス工場。こうしたプラントをミサイル攻撃するときの狙い所は、極低温の液化ガスを気化させてパイプラインに送り込む工程の装置部分。ここを壊されると、修理には半年以上かかる。見分け方を教えよう。円筒状のタンクは、液体タンク。ここを1個くらい破壊してもプラントは止まらないし、そもそも、ものすごいぶあつい壁なので、チャチな特攻機では壊せない。球状タンクはガスホルダー。これまた、破壊そのものが難しい。液体をガス化する装置は、サイズは低層アパートくらいで、キュービック状をしており、しかも、必ずその天井中央に「煙突」状のものが建っている。この壁はペラペラなので無人機でも確実に破壊できる。しかもいったん壊したならば修理はとてつもなく面倒である。極低温下で機能する特殊な部材でなければ、直したことにならないからだ。そんな部材はロシアではおいそれとは集まらない。特攻機が突入すると、半分ガスなので、たちまち大火災になり、設備は全損してくれる。まさに、狙い目なのだ。

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 Vadim Kushnikov 記者による2025-8-27記事「Explosion on Ryazan-Moscow Pipeline Halts Fuel Supply to Moscow」。
  26日の夜、リャザン~モスクワの石油パイプラインが、リャザン地区内で爆発。宇軍の特攻機が命中したようだ。

 これはモスクワ市民の自動車用のガソリンを供給する生命線。「Transneft」社が管理運営している。
 てきめんに、モスクワ市内のGSが麻痺しつつあるという。

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 2025-8-27記事。
 ノヴォスチがソースだというので、話半分だが、ウクライナ軍は「半個大隊」のコロムビア人傭兵部隊を抱えていて、それをハリコフ地区からドニプロペトロウシク地域に移したという。
 露軍は先に、スミ地区でこれらコロムビア兵を訓練しているキャンプを空爆して50人くらい殺したと主張している。

 ※トランプは「米兵は陸上には送り込まない」と言っているが、裏で中米の兵隊を送り込んでたりはしないだろうな? ところでレーガン政権当時にイラン・コントラ取引で暗躍した「ノース中佐」は今、どこでどうしているのだろう?

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 Kamaron McNair 記者による2025-8-23記事「The 10 public colleges with the best ROI in the U.S.」。
  米国で一流私立大学に進学すると、学費+生活費は4年間で50万ドルかかる。馬鹿げている。

 しかし公立の低廉な学部であっても、良いところがあるのだ。それを紹介しよう。

 教育投資と生涯リターンの比率がダントツ1位なのは、ジョージア州立工科大学 だ。州外の人は、3万4000ドルの授業料を払えばいい。

 2位は、バージニア州立大学。
 3位は、ノースカロライナ大学チャペルヒル校。
 4位は、カリフォルニア大学アーバイン校。
 5位は、カリフォルニア大学バークレー校。
 6位は、カリフォルニア大学サンディエゴ校。
 7位は、ミシガン州立大学。
 8位は、ワシントン州立大学。
 9位は、ノースカロライナ州立大学。
 10位は、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校。4万ドルから4万7000ドルくらいの授業料。


電気柵の日常的な保守点検は、ほとんどの農家・林業家には不可能である。では、どうするか?

 フェンスはあくまで「結界」標識として野獣に意識せしめるにとどめ、フェンスによって物理的に野獣の通交を止めようとは考えぬ方が、対羆に関しては、合理的となる可能性がある。

 熊をたじろがせるだけの通電機能を、長大な柵の全周について24時間×周年、保守できるものではない。
 しかし、「結界」に近寄る生物に、レーザー光によって警告を与える「セントリー銃巣」機能ならば、その機能の点検・保守は低コストで周年可能。
 そして「結界」前縁および「結界」の内側においては、「水(電解溶液)鉄砲」+「パルス通電」による追い払いができるはずだ。

 「結界」には、触れると強烈な臭いを付着させる機能があるとよい。羆はそのサバイバルを嗅覚に頼っているので、「落ちない特殊臭気」には、閉口するのだ。その臭気は、人間に対する警報にもなる。

 「セントリー銃巣」は、ジップラインを伝って圃場の上空を水平移動できる、空中機動型にもできる。

 感電水鉄砲の前に可視レーザー光が警告を与えるシステムとすることによって、知らない人間がひっかかることはなくなる。通電はパルス状なので、人畜を斃す力は無い。着衣の人間に対しては、原理的にテーザー銃よりも低リスク。

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 Robin Brooks and Ben Harris 記者による2025-8-21記事「An update on the efficacy of sanctions against Russia」。
  われわれは2025-6に、欧州はロシアの商船隊に対する本気の制裁を加えなくてはダメだと主張した。
 EUと英国はこの期待に応えてくれた。シャドウフリートのタンカーに対する追加制裁や、ロシア産原油を買う場合のバレルあたり上限価格を一段と引き下げた。

 ところが米トランプ政府はこれに同調しない。
 バイデン政権は2025-1-10に、政権最後の対露制裁として財務省が、ロシアがあやつる多数の商船を制裁リストに加えた。それっきりだ。

 われわれの見解では、対露経済制裁は、EUが仕掛けた場合よりも、米国が仕掛けた場合の方が、ロシアをビビらせる効果が強い。

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 ブルッキングズ研究所の Robin Brooks 氏による2025-8-26「X」投稿。
  EUの対露の自動車輸出は、2022から今日まで、ぜんぜん減っていない。それは、トルコ、カザフスタンなどを表向きの仕向け地として輸出して、途中で露領に荷物を卸してしまうという手口を使っている。輸出元においては、初手から確信犯である。

 Robin Brooks 氏による2025-8-21「X」投稿。
  2025年の上半期、ジョージア共和国へのドイツ車の輸出は、2021年の同期と比べて600%増加した。ドイツの首相には、トランプの前で偉そうな顔をする資格はないのである。裏ではロシア相手に最大の商売を続けているのだ。

 Robin Brooks 氏による2025-8-22「X」投稿。
  2025年7月の韓国のキルギスタンへの輸出は、ロシアのウクライナ侵攻以前と比べて3100%増加した。もちろん最終消費者はキルギスにはいない。EUと韓国は、常に綺麗事を語りつつ、侵略者を経済的に幇助しているのである。

 Robin Brooks 氏による2025-8-19「X」投稿。
  じつは、EUは、即効的にプー之介を弱められる手段をもっている。それはバルト海でのシャドウ・フリートの活動を禁圧することだ。これには余計な軍事費支出などほとんど必要ない。ただし、西側諸国政府に勇気がないので、それは実行できない。

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 Ed Conway 記者による2025-8-21記事「Europe tried to starve Putin’s war machine with sanctions – but something else has happened」。
  今日、ヨーロッパは、ロシアの石油を直接には買っていないが、インドの製油所でロシア原油を精製した石油製品を大量に購入している。

 トランプが対インドの関税を痛烈に引き上げることによって、ようやく、この抜け道が塞がれる。対露制裁はヨーロッパ主導では実効性がなく、米政府が乗り出すことで初めて実効性を纏う。バイデンもできなかった対インド制裁を実行すれば、トランプは偉い反露戦士であると評価されるだろう。

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 ロイターの2025-8-25記事「Iran Expects Russian Gas Deliveries via Azerbaijan to Begin Soon」。
  イラン政府は、ガスプロムとずっと交渉してきた。ようやくまとまりつつある。ロシア産の燃料ガスが、アゼルバイジャン経由で、イランへ輸出されることになりそうだ。

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 Michael Forsythe, Jay Root, Bianca Pallaro and David A. Fahrenthold 記者による『NYT』の2025-8-25記事「How China Influences Elections in America’s Biggest City」。
  マンハッタンの中共領事館は、在米のシナ人を動員して、反支的な傾向ある立候補者の落選運動を実行し、米国の選挙に干渉した。

 台湾総統との晩餐会に出席したNY州上院議員を、彼らは実際に落選させた。
 香港の民主主義を支援する立場のNY市議会議員に対しては、SNSを使った非難攻撃を繰り広げた。

 米国で税金を免除されているNPOの皮をかぶった共産党支部が過去数年来、成長中である。
 中核となる細胞は、出身地ごとに存在する華人会館。そこを鵜飼の鵜のように中共領事館が統率している。

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 Tessa Wong 記者による2025-8-25『BBC』記事「Taiwan is preparing for a Chinese attack but its people don’t think war is coming soon」。
  先月、台湾政府は、「Urban Resilience Exercise」と称する大規模防空訓練を実施。
 数日間をかけ、台湾のすべての大都市圏が交代で加わった。指定区の住民はじっさいに避難所に入り、ホテル、ショップ、レストランは営業を止められた。電車や飛行機の利用も禁止。相当に本格的にテストした。

 ※BBCは熱心に報道しているが、NHKはこの大規模訓練について何を報道したのか?

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 2025-8-26記事「The drone and the Lightning: Russian UAVs have learned how to destroy enemy large-caliber artillery」。
  「モルニヤ」固定翼特攻機。標準ペイロードは6kgだが、標的までの距離が10km以内なら、爆薬を10kg積んでもよい。つまりは対戦車地雷をそのままくくりつけられる。もし40km先を攻撃したいなら、爆薬は3kgに減らす。
 ※ロシア語をAIに訳させると、「モルニヤ」が「ライトニング」に化けてしまう。

 露兵にいわせると、宇軍のドローン・オペレーターは、離陸フェイズではリモコン電波を最弱にし、かなりの距離を飛行してから、リモコン電波を強くする。こうすることにより、露側がESMで見張っていても発進点を絞り込みにくくなり、したがって、最も価値が高いベテラン操縦兵を殺せなくなる。

 露兵にいわせると、宇軍のマルチコプター型特攻機の中には、わざと建物の壁に衝突して「不発」のまま墜落させ、それを露兵が拾って四、五回もてあそぶと、モーション・センサーによって轟爆する、特製信管を備えたものがあるという。墜落機を一般の兵隊は拾ってはならぬ。※この記事はイズベスチア。お察し。

 次。
 「focus.ua/uk」の2025-8-26記事。
 戦場から残骸として回収された露軍のFPVドローン「ガルベラ」の基盤に中国製の《マシンビジョン》専用チップが搭載されている証拠が、テレグラムに投稿された、

 「Rockchip」という商品名。型番は kr3588 。これを1枚、フライトコントローラ基盤上に追加することで、ありふれたドローンが、終末誘導を自律モードに切り替えた、空中ロックオン式の特攻機になる。その機体に対しては、AFVに貼り付けたEWジャマーは無効。


ウクライナは「ロング・ネプチューン」を数ヵ月前から使い始めているという。レンジ1000kmだという。

 レンジ200kmの「ネプチューン」地対艦ミサイルとは、外寸からしてまったく異なっている。おそらくはエンジンも新型なのだろう。
 そしておそらくは、この新型ミサイルは空中発射式であろう。レンジを重視するなら、当然にそうする。

 この新型エンジンが、「フラミンゴ」にも使われようとしているのではあるまいか? エンジンを外装するレイアウトにしておいたのは、将来、型の異なるエンジンを搭載するときに便利だからなのでは?

 ※一経済学者だったのをプー之介が国防大臣として抜擢したアンドレイ・ベロウソフの《1億総ドローン戦士化》計画、別名「ルビコン」プロジェクトが大当たりしており、宇軍の「ババヤガ」爆撃機は従来1機が100回出撃できたのに、いまは15回で撃墜されるようになったと。

 次。
 マックス・スキャンスベルク(フロリダ大学のハミルトン古典・市民教育大学院の准教授)による、2025-8-25の新刊書評記事「The Origins of the West」。
  「西洋」の起源と将来は何なのかについて、史学者のゲオルギオス・バロウシャキス(Varouxakis)が書いたぶあつい研究書。
 それは地理的概念ではなく、政治的な結束なのであるという。

 著者はクレタ島生まれ。ギリシャ語で初等教育を受けた。1974にトルコがキプロスに侵攻したときは7歳だった。彼の父親はギリシャ軍に動員された。祖父は1913より前の生まれだから、法的にはオスマン帝国の領民だった。しかし意識の上では、旧東ローマ帝国圏内のギリシャ系民はじぶんたちを「ローマ人」だと信じていたのである。

 通説では、今日の「西洋」の概念は、19世紀後半にヨーロッパの帝国主義を正当化するために生じたといわれる。
 著者はそれに反対する。むしろ、そのイデアは、「反帝国」の意図をもって考案されたのだという。より具体的には、東方のロシアの脅威に一致団結して立ち向かわなければ世界じゅうが支配されてしまうという危機意識が、人種や民族の差異を超越して、「西洋」の現代的なイメージを定着させたのだ。

 バルーシャキスいわく。「西洋」は歴史的に「ヨーロッパ」や「キリスト教」と決して同一ではない。
 なぜなら、ロシアがピョートル大帝の下で、キリスト教を国教としつつ、軍事大国として全欧をおびやかすようになったときに、その概念は生じたのだから。

 18世紀まで、ヨーロッパが意識した外敵は「南」にあった。しかしピョートル以降、また特にナポレオン戦争以降、ヨーロッパが意識する外敵は「東」(=ロシア帝国)に変わったのである。
 ロシアに対する「同盟」の必要性が、急に、意識されはじめた。それが「西側」=「西洋」という現代概念なのだ。

 18世紀のヴォルテールはたまたまピョートルと親近だったために、「西洋」のくくりからロシアを除外する明晰さを回避してしまった。
 むしろヴォルテールはピョートルのためになる歴史を書いて、大いに媚びたのである。

 正気の判断力を示したのは、19世紀のオーギュスト・コントだった。コントとその仲間は、帝国と征服に反対する「西洋共和国」を夢見た。しかしその邪魔者はロシアであろうと彼は見抜いていた。仏・伊・西・英・独は自主的に「帝国」を捨てて結束できても、ロシアはその仲間には入らないだろうと。

 すなわち、シャルルマーニュのヨーロッパ圏が、価値共同体としての偉大な「西洋」たり得たのである。

 コントの信者である英国のリチャード・コングリーヴは、その1866の著述の中で、オスマントルコをロシアよりも西洋的と見なした。

 『ブリタニカ百科事典』には1929年版まで「西側」の見出しがない。
 アメリカ合衆国が台頭したことで、「西洋」の地理的広がりは大西洋を越える。米国の『Lieber』の百科事典がその先鞭をつけた。

 日本に対抗するために西側諸国が団結しなければならない(=米国は孤立している場合じゃない)と1915に早くも主張した学究は、Walter Lippmann である。彼はジャーナリストとして知られているが、どの米国人哲学者よりも議論の水準において上回っていた。
 リップマンの同盟概念の骨子は、西側はシー・パワーを支配するのが先決だというものだった。

 1918から1922にかけ、シュペングラーが『The Decline of the West』を公刊し、西洋文化は衰退して世界の支配権はスラブに移ると予言した。世界のインテリは猛反発した。

 ヒトラー・ドイツのソ連侵攻は、西洋の議論を混乱させた。

 1940年12月にリップマンは講演し、驚くべきビジョンを公言した。いままでの教育が、人の理性を育てるのではなく、宗教モラルを押し付けるだけのものであったために、世界は悪くなってしまったと彼は信じていた。

 キッシンジャーは学部論文の中でトインビーに言及したものだったが、皮肉にもトインビーはアメリカを高く評価しておらず、むしろ1952年のリース講演でソ連を重視していることを告白した。

 アラン・ブルームはするどい指摘を残している。ギリシャ哲学の流れを汲んでいる西洋諸国だけが「自己批判」の能力を示している。それ以外のすべての強力な文化は、ただ自己民族中心に考えるだけであると。

 Varouxakisは、「西側」は今も成功しているし、回復力があるとする。
 かたや中共主唱の Belt and Road Initiative には、それに匹敵する力はないと見る。

 ※サン・アンドレアス断層を、「バイデン断層」とトランプが改名させる――というジョークがSNSに出ていて、ワロタ。政治リーダーの失策のことも「FAULT」と書くので。

 次。
 Oleksandr Yan 記者による2025-8-25記事「Russian Army Deploys RG-60 Thermobaric Hand Grenades」。
  TASSによると、露軍が最新型の手榴弾を使い始めている。
 「RG-60」といい、卵型。破片は、最初から小粒の鋼球が外皮に埋め込まれている。そして炸薬はサーモバリックであるという。

 もともと「RG-60TBO1」というサーモバリックの手榴弾が2000年代からあった。それに、破片機能を後から付加したのである。

 外皮はポリマー製。スチール合金粒は900個、入っている。
 それが秒速1300~1500mの速さに加速されるという。
 距離8mにおいて、安物のボディアーマーを貫通できる。

 延時信管は「UDZ-5」で、投擲してから3秒~4秒ではぜる。着地してから延時がスタートするモードにもできるという。
 しかし報道画像を見ると、古めかしい「UZRGM」信管がついているようだ。

 全重は600グラム。炸裂すると13立方mの火球が生まれる。中心温度は3000℃近くなる。
 サーモバリック手榴弾は、狭いトンネル壕内やAFV車内では毀害力を発揮してくれるが、露天状態ではほとんど花火でしかなくなる。そこで、破片を加えた。

 ※橋の下に大量の対戦車地雷を積み上げておき、遠くからFPVドローンをリモコンしてその集積にゆっくり突入させることで起爆させ、橋を大爆破するという動画がSNSに出ている。この方式にすると導爆線や電線を引く必要がない。「張作霖爆殺」のような工作が、はかどることであろう。

 次。
Tatiana Rybakova 記者による2025-8-11記事。

 ロシアでも農家は、播種の前に銀行からカネを借り、収穫を売ったあとにローンを返済する。しかしこのパターンが不可能になっている。
 中央銀行が23~25%の年利を設定しているので、「ロシア農業銀行」も年利をそれより著しくは低くできない。しかるに農業の利益率はせいぜい10~15%なのだ。それ以下の金利でないならば、借りることが自殺行為になってしまう。

 「ロシア農業銀行」は、従来は政府からの補助金でなんとかやっていた。だがどうやら軍資金に苦しむモスクワ政府は農業補助金を打ち切ったらしく、「ロシア農業銀行」は、新規ローンを停止している。むしろ債権の貸しはがしに動いているという。

 かたや農業省は、生産者と3~5年契約を結ぶことで、食料品の市価を抑制しようと動いている。インフレになればプーチンから怒られるからだ。ということはロシア農家は、これから当分、生産物を安く買い叩かれてしまう。そんなときに銀行から借りていたら、たちまちローン地獄に陥るのは必定。だれも作付けするわけがない。

 南部の黒土帯では、プー之介のおともだちの富豪の身内が、農地を、私人・私企業から次々に強奪している。州政府の武力がその強奪を手伝っている。

 このような体制下では、農家は誰も、土地の生産性をよくしようなどとは思わない。生産性が上がれば、プーチンのギャング団に目を付けられて、土地を強奪されるのがオチだからだ。

 ロシア政府としては、できるだけ少数の「大貴族」に農地を寡占させてしまうことが、とても好都合。その「大貴族」を脅迫すれば、政府の好きなような安い値段で年貢米を上納させられるからだ。

 ※『モスクワ・タイムズ』によると、小麦が高騰しているので、ロシアの消費者は比較的に安価な国産の「蕎麦粉」にシフトしたが、そのソバの作柄が、今年はとても悪いという。ちなみにロシア産の蕎麦粉の輸出先は中国だけである由。


ローマ帝国の崩壊と米国の崩壊の相違は、後者においては軍事的な墜落よりも早く、その政治文化が諸国からのきなみに嫌悪される段階に達した。

 Defense Express の2025-8-24記事「WSJ: Ukraine Still Has Some ATACMS, But the U.S. Secretly Forbids Strikes on russia」。
  『ウォールストリートジャーナル』紙によれば、トランプ政権はまたしても、宇軍に渡したATACMSの発射を禁じている。この禁止措置は2ヵ月以上前からだという。

 米国国防総省は、今年の春の終わり以降、ウクライナがロシア領内300kmを砲撃するなと、非公開で通牒している。

 エルブリッジ・コルビー政策担当国防次官が、この秘密の仕組みを制度化した。
 ヘグセスはこのプロトコルを使い、ATACMSを含むすべての米国製システムの、対露使用をしないように命令可能だ。

 それだけではない。米国はウクライナに、衛星によって得た標的情報を与えているが、この米国情報に基づいた長距離攻撃も、禁じている。したがって、英仏供与のStorm Shadow / SCALP-EG巡航ミサイルも、使い道がなくなっている。

 次。
 『Defense Express』の2025-8-24記事「How Much russia Pays for Shahed Now, Down From $300,000 Per Drone in 2022」。
    CNNの報道によると、いま、アラブガで組み立てられている「シャヘド」片道自爆機の単価は、7万ドル前後だという。
 2022年には1機を30万ドルでイランから買っていたのと比べて、コスト・カット努力の跡が認められる。

 他方、シンクタンクのCSISは、2025-5時点で、シャヘドの単価は2万ドルと5万ドルのあいだだろうと試算している。
 さすがに2万ドルはありえまい。しかし5万ドルは、あり得るだろう。

 ちなみにウクライナ製の長距離自爆機「FP-1」は1機が5万5000ドルである。今、日産100機だという。

 これまでにリークされた公文書から、次のこともわかっている。
 最も初期にロシアがイランから「シャヘド-136」を買ったとき、イランは1機につき37万ドルを要求した。
 その後、量産効果により、ロシアが2000機を買いつけたときは、1機あたり29万ドルに下がった。
 さらにその後、ロシアが6000機を買い付けたときは、単価は19万3000ドルに下がった。

 次。
 Peter Frankopan 記者による2025-8-14記事「The geo-economics of Russia’s bad harvest」。
  げんざい、ロシア産の肥料と穀物を中東やアフリカに輸出する分には、西側から経済制裁はかけていない。これは人道を重視したので。
 しかし2025年のロシアの穀物収穫は、過去17年で最悪になることが確実だ。つまり、売れる量は多くない。

 ソ連は食料を自給できなかった。農民に増産のモチベーションがなかったので。
 そこでソ連崩壊後、農民の土地私有を認めたら、とたんに、ロシアは農業大国になった。

 2014にロシアがクリミアを侵略したので、西側はロシアから食品を買わないことにした。
 しかし2016にはロシアは世界最大の小麦輸出国になった。

 ことしのロシア農村には春の霜害が生じ、10万ヘクタールの畑が全滅。続いて記録的な夏の高温が、南部に旱魃をもたらした。
 ロストフ州が穀物生産のメッカだが、当局は非常事態宣言。
 ロシアは2022に穀物を1億5800万トン輸出したものだが、ことしは1億3000万トンになるだろう。

 次。
 Defense Express の2025-8-24記事「European Company Opens Factory in the U.S. to Produce 432,000 155 mm Shells Annually」。
  チェコスロバキア・グループ(CSG)の子会社である「MSMノースアメリカ」社は、既存のアイオワ陸軍弾薬工廠に梃入れして、敷地内に最新鋭の炸填ラインを建設する。年に43万2000発の155ミリ砲弾に爆薬を充填する。月に3万6000発だ。

 チェコ企業はこのプラントのために6億3200万ドルを投ずる。ラインは40ヵ月以内に稼働開始する。2029年9月にはフル稼働予定。

 ラインは高度にオートメ化されたものになる。
 それによって、これまでと同じ費用で、より多数の砲弾を製造できるようになる。

 ただし、信管や、発射薬の増産計画が、進んでいない。だからとうぶんは、西側各国軍は、155ミリ砲弾を無駄遣いできないであろう。

 次。
 『マリタイム・エグゼキュティヴ』の2025-8-22記事「U.S. Deports More Cruise Ship Crewmembers as Visa Review Expands」。
  クルーズ船の乗員として米国の港に入ったフィリピン船員が次々に身柄を拘束されて、略式の手続きのみで強制送還されている。送還を拒めば本式裁判となり、25万ドルの罰金や懲役が待つとおどかされている。

 この動きは、港と内陸を結ぶ、コンテナ輸送トラックの、外国人ドライバーの追放政策と連動している。英語の道路標識を読めないドライバーを、トランプは根絶するつもり。

 ※これはトラックドライバー労組に媚びた政策と想像できるが、米国内の物流コストは容赦なく上がり続けるであろう。

 ※この夏、BSで昭和29年版の『ゴジラ』をゆっくり見直す機会があり、いろいろと「惜しい!」と思わされた。ジュラ期の古生物がもし深海で生存していたのだとすれば、そいつには鰓呼吸が必要だった筈。あの背中のフィンが鰓なのだという設定にすべきだった。水爆実験のせいでまずその鰓に障害があらわれ、よって海中には長くいたたまれなくなる。それなら、この怪物の「怒り」が、オーディエンスにも伝わるだろう。被曝したせいで、この怪物は常に呼気に放射能を含むようになったのだ。そのようにして体内蓄積を防ぐしかないのだ。空自の戦闘機は、ガンマ線のおかげで計器を狂わされてしまう。そのような説得的な描写が欲しかった。ところで今日の「ナノ・バブル」発生器と過酸化水素を組み合わせれば、あの作中のナントカいう兵器は、現実になってしまうのではないだろうか?

 ※今日の話のみでなく、数十年前にも、フィクション作家のあいだに「常識のギャップ」があった。そもそも戦前から、すべての専門エリート集団に「互助」のインフォーマルな制度が自然に発達している。それはしかし、当該エリート層のインサイダーの末席に加わらぬうちは、けっして、わからなかったりするのだ。野坂昭如は、帝国海軍の艦長(大佐)の子弟が路傍で餓死したりすることはありえないという「互助」制度の存在がわからなかった。それは明治初期いらい隠し立てもされずに続いた伝統のある互助文化なのだが、海兵出でも帝大生でもなかったアウトサイダー作家の目からはまるで「透明」(不可視)だったわけだ。梶原一騎は、昭和20年代に大学野球をやっていたような「エリート層」が、そもそも日雇い人夫でいたわけがないという常識を、想像もできなかった。星一徹クラスであれば、エリート同窓のどこかの企業経営者から部長待遇で迎えられたのは当然である。


ホワイトビーチで12時間も鎮火できなかった『ニューオリンズ』の火元は、やはり倉庫だったようだ。

 「電池テロ」の時代の到来は、避けがたいのではないか。

 次。
 Frontelligence Insight の2025-8-21記事「Shaheds, Dollars, and Beijing: How China Powers Russia’s Drone Production in Alabuga」。

  ※すごい調査報道だ。中共がロシアのシャヘドの大量生産をいかに幇助しているか、全容に迫っている。日本政府が中共に経済制裁を加えないのは、おかしいだろう。

 「北京マイクロパイロットUAV制御システム」社は、MD550およびMDR208エンジンの実際のメーカーではなく、その販売者。
 「ゲラン-2」に搭載されているこのエンジンは、じっさいには「Limbach Aircraft Engine Co.」によって製造されている。

 Limbach Aircraft Engine Co.(=厦門Limbach Aviation Engine Co.としても知られる)は2012年6月23日創立。
 Limbach Aircraftは、Fujian Delong Aviation Technology Co.Ltdが100%所有している。〔そもそものドイツの会社Limbach Flugmotoren GmbHも、その所有になった?〕

 Limbach Aircraftは小型2ストローク4気筒航空機エンジンの設計の特許を2014年に取得している。
 Limbach Aircraft社は北京政府から巨額の補助金を受けて、25年6月から108000平方メートルの新工場をぶっ建て始めており、竣工の暁には、そこで片道自爆ドローン用のエンジンを大量生産する計画。

 ※これは対日攻撃用なので、いまからこの工場を無人機で空爆する方法を研究しなくてはいけない。

 福建省のJingke社はオートバイのキャブレターのメーカーだが、ロシア向けに片道自爆無人機用のキャブレターを製造して輸出している。すでに1000個は届けたか。

 「ガルベラ」に搭載されているエンジンのメーカーは中国の「Mile Hao Xiang Technology Co.」で、2022年から2023年にかけて、150万ドル以上を、主に「Sequoia JSC」と「Unikom LLC」(どちらもロシアの商社)に売り渡した。

 Mile Haoxiang Technology は 20cc.から222cc.までの2スト・エンジンを得意とす。そのひとつが「DLE60」で、「ガルベラ」UAVのエンジンになっている。宇軍が墜落機を解析して、証拠を押さえた。

 結論。モスクワがシャヘドなどを100%内製化したとフカしているのは100%嘘で、実態は、中共から輸入した中共製部品を、アラブガの組み立てラインで最終組み立てしているというのにすぎない。

 次。
 Defense Express の2025-8-23記事「From Recon Drone to FPV Mothership: How russia Uses Orlan-30」。
  8-22に有志団体「Come Back Alive」が写真を公表した。それは宇軍のインターセプター・ドローンが敵の「オルラン-30」をとらえる寸前のものだが、その敵機は翼下にFPVドローンを2機吊るしていた。

 ほんらい偵察UAVである「Orlan-30」を、敵は特攻ドローンのマザーシップに改造してきたのだ。

 ただ、翼下のFPVドローンに縛り付けられているはずの弾薬が写真では見えない。よほど少量なのだとしか考えられないが、不審なことである。なぜならマザーシップから自爆機を発進させる流儀のメリットは、自爆機の搭載電池を軽くしてそのぶん搭載弾薬を重くできることにあるからだ。

 この写真のもっと興味深い点は、敵機の左翼に焦げ跡があること。つまりこの機体は歴戦であり、過去にインターセプトドローンの空中自爆を受けながら生き残って帰還し、また再出撃しているのだ。

 なお、吊るしているFPVドローンは、ロシアの「Skvorets」という製品ではないかと思われる。

 次。
 Patricia Marins 記者によるX投稿「Things don’t add up with the Flamingo」。
  フラミンゴについてメーカーは、弾頭重量1150キログラム、レンジ3000kmと吹かした。
 しかし、比較してみよう。トマホーク巡航ミサイルは、全重1500kgで、弾頭450kgである。搭載のウィリアムズ407-415エンジンは非常に軽くて45~65kgしかない。ブースターを含めた全長は約6.2m。

 英仏のスカルプとストームシャドウは、トマホークとほぼ同じ重量とサイズである。これには必然の理由があるのだ。長射程で、しかもレーダー被探知を抑制しようとすれば、その寸法に落ち着く。

 だが、ウクライナのミサイルは「IVECHENKO AI-25TL」を搭載するらしいから、エンジンだけで300kgだ。
 公開画像より見て、フラミンゴの全長は8m未満ではありえず、12mになるかもしれない。
 IVECHENKOの旧式高推力エンジンは、燃費がとても悪い。
 記者はAIに、IVECHENKO AI-25TLエンジンで、5トンの機体を、巡航速度で1000km飛行させたときの燃料消費量はいかほどか、訊ねた。答え。1000kmまでで900kgの燃料を消費する、と。

 メーカーCEOが言及した3000kmならば、燃料は2700kgはなくてはならず、ミサイルの全重は5~5.5トン、長さは少なくも10m、飛行速度はマッハ0.6~0.8だろう。

 これは、高価なのに、簡単に迎撃されてしまうミサイルであろう。

 というわけで記者は、この「フラミンゴ」は眉唾ではないかと疑う。ウクライナ発のディスインフォメーションではないのかと?

 次。
 ロシアのサイト「ttps://en.topcor.ru」の2025-8-23記事「Russia has identified the assembly site of Ukrainian Flamingo missiles」。
  フラミンゴ・ミサイルをどこで組み立てているか、AP通信社の公開写真からイッパツでわかってしまった。
 キエフ地方のヴィシュネヴェ市内だ。

 同工場では、現在、2025年の1~8月に製造された25発以下のミサイルしか保有していない。ミサイルの80%は「FP-5」の部品を英国から搬入したものだろう。ウクライナ人はそれを組み立てているだけだ。

 なぜバレる写真が拡散したかというと、ウクライナ政府はこの企業になかなか資金を渡さなかった。契約が先だというわけだ。そのため企業の側で焦ってしまい、政府がどうしても契約を早く結ぶしかなくなるように、自発的に大宣伝することにした。それでAPのカメラマンを工場内に入れて写真を公表させ、性能について語り、ウクライナ政府がもう契約から逃げられないようにしたのだ。

 その策謀は図にあたり、ゼレンスキー大統領は、この冬からフラミンゴの量産を開始する計画だと言わざるを得なくなった。

 この工場で毎日1機のミサイルを組み立てられるのは、材料供給の限界から、来年の初めまでだろう。


左右の主翼下に1機ずつ、FPVドローンを吊架した「改造型オルラン-10」、すなわちマザードローンが、宇軍ドローンの空中体当たりによって撃墜された。子機を放つ前だった。

 ttps://censor.net というウクライナ語のウェブ・メディア。ウラジスラフ・ネダシコフスキー記者による2025-7-25記事。
  おそらくウクライナでいちばん高度な「防弾・防爆・防盗」性能を発揮する金属ドアの実用知見を1998年いらい集積してきた私企業「Omelchenko Company」の来歴を紹介している。

 これらの金属製ドアは市民用の防空待避所などに使われる。無数の特許をとっているが、無断盗用は防ぎきれない、と創業社長イゴール・オメルチェンコは言う。

 次。
 オルガ・プロコピシナ記者による2025-8-4記事。
  ウクライナ農地の地雷除去作業は、巨大ビジネスであるという話。数十億ドルのオーダー。

 ウクライナの国土面積は137058平方キロメートルだが、2025時点で農地面積は688平方キロメートル。そのうちの狭い地域、例えばニコラエフ州の地雷除去だけでも、数年の時間と数億ドルの費用がかかる。

 州は農家に地雷除去費用を全額補助すると約束している。2022年2月24日から2024年4月15日まで私人が実施した地雷除去工事費用の80%も公費で補償するという。

 ウクライナ政府は、2023-4に、内閣直轄の「人道地雷除去センター」を設立した。ここが農地の地雷除去のめんどうも見る。
 国の補償プログラムは、2024年9月から運用開始された。

 資金が出てくるまでの手順。
 農家は、州農業登録簿(SADR)を通じて地雷除去を申請する。
 人道地雷除去センターが区画の登記を調査。現状も調べて、必要経費の見積りを出す。そして Prozorro というインターネットのサイトを通じて当該エリアの地雷除去作業の入札を行う。
 受任した事業所は、作業にかかり、完了後、センターに確認文書を送信。
検査の後、人道地雷センターは、事業所にカネを振り込むように銀行に文書を送る。

 このシステムはEUの助けで構築された。EUはプログラムのための共同融資もしてくれている。

 2025年、農業地雷除去の補償額は30億UAHのレベルで組まれている。
 受注者は巨大企業体である。「Humanitarian Security LLC」という企業だけで24年に5億470万UAHを貰った。

 この会社は現在、テキサスサファリベンチャーとかいうアメリカの会社が保有している。

 別な、やはり地雷除去を受注している会社の「Transimpix Demining」は、米国籍人やイスラエル国籍人が共同所有者。同社はハルキウ近郊の72.71ヘクタールを地雷除去し、521万UAHを受け取るはず。

 ※この記事は地味ながら模範的なインベスティゲイト報道の好手本で、他に生々しい数字が満載だ。

 次。
 ウラジスラフ・ネダシコフスキー記者による2025-8-5記事。
  ウクライナ国内のドローン産業の急発展をふりかえる。

 まず2014年にロシアがクリミア、ドネツク、ルハンスク地方に侵攻したときに、宇軍は、航空写真を撮影するための偵察ドローンが必要になつた。

 その後、民間有志が DJI Mavic から小型擲弾を投下する改造を始めた。また、輸入品の改造ではなく、国産モデルを製造しようという動きも民間からスタートした。なにしろ他国はドローンをウクライナに売ってくれなかった。ロシアを刺激したくないから。

 結果、まずDEVIRO=「Sorleca-100」、Ukrspecsystems(PD-1、PD-2)、Skyeton(Raybird-3)、および「Atlo-Avia」(=Furia)ができた。

 2022-2の前夜、ウクライナ国内には7つの無人機メーカーがあった。
 いまは500社が240種のアイテムを製造・開発中。

 2022年7月、ウクライナ政府は、ドローンの軍隊を育てる戦略を策定し、23年に軍事革新を支援する「Brave1プラットフォーム」を立ち上げた。13億UAHの助成金を計上。

 2025年初頭、ルステム・ウメロフ元国防相によると、ウクライナが数量において軍用UAVの世界最大の生産国になった。
 2024時点で宇軍が使うUAVの96%が国内メーカーによって製造されている。

 工業のポテンシャルは大きいのに、政府にカネがないので、能力の37%しか活用できていない。このネックを打破するには、22年から禁止されている「武器輸出」をメーカーに対して自由化してやることである。さすればメーカーがじぶんで資金を稼ぎ出し、それで工場を拡張したり人を雇うことができるから。

 しかしデニス・シュミハル国防相は、ウクライナ政府は依然として武器輸出は認めないと言っている。

 敵味方対峙線から、当初は500m、やがて2kmまでが、攻撃型無人機の「キルゾーン」になった。まもなくそれは5km、7km、10kmと拡がるであろう。

 車両が10km走ってすぐに身を隠せる場所がない場合、絶体絶命になった。装甲していようと関係なし。だから今では、車両は前線の手前10kmまでしか近寄れない。そのあと、歩兵が徒歩で20kmも移動しなければならない。

 露軍は、長さ20kmの光ファイバー・ケーブルを繰り出す自爆ドローンを投入しはじめている。
 中期的には、この光ファイバー・ケーブルの長さは60kmになってしまうだろう。

 その60kmを、装軌車や四輪以外の手段で移動しなくてはならないのだ。

 さすがに1200kmの戦線すべてを濃密なドローンで飽和するまでには、とうぶん、なるまい。

 次。
 Ashby Lincoln 記者による2025-8-13記事「Canada shifts auto imports from U.S. to Mexico amid tariffs」。
  カナダがメキシコから輸入した自動車の総額が、米国からのそれを初めて上回った。
 過去三十数年、このようなことはなかつた。


日本にも、使い捨ての小径タービン・エンジンの大量生産ラインが今すぐ必要だ。有事にはどこの国も、それを売ってくれない。新設工場の稼働までには、開戦から4年がかかってしまう。

 候補地は、追浜か苫小牧工業団地か室蘭か。

 次。
 Defense Express の2025-8-21記事「Ukrainian Fire Point FP-5 Flamingo in Detail: Warhead From the U.S., Possibly Bunker-Buster, and Ballistic Missile Body」。
  ウクライナのスタートアップ企業「Fire Point」がAP通信の工場取材に応じた。
 工場では現在、「FP-5 Flamingo」巡航ミサイルを、月産30基、組み立てている。このペースは10月には月産210機になるという。

 取材時の映像資料から、弾頭部分には、米国製の投下爆弾がそのまま嵌め込まれているのではないかと推定可能になった。1150kgあるという。すなわち2000ポンド爆弾「マーク84」からテイルフィンを外したものだ。「BLU-109/B バンカーバスター」の可能性もあり。

 ミサイルの胴体部分は、表面の巻線模様から、分厚いFRP製のように見える。
 エンジン・ナセルにのみ、金属が用いられているようだ。特に高温になるので。

 エンジンルームに、CRMPAアンテナ。これはGNSS信号に対するジャミングを排除できる。ロシア製の「Kometa-M」という受信キットに相当する。

 次。
 ストラテジーペイジの2025-8-20記事。
   露軍はハルキウ東方で1日に50m前進している。ドネツクの調子の好い前線では135m。
 WWIのソンム攻勢時、英仏軍は1日に80m前進した。
 1918のベローウッドでは連合軍は1日480m前進した。
 1943のレニングラードでは露軍は1日1000m前進した。

 次。
 Taras Safronov 記者による2025-8-21記事「Ukrainian Armored Vehicles Has Launched Serial Production of VOLS Buggies」。
   「Ukrainian Armor」というメーカーが、軍用バギー車「VOLS」の量産を開始した。
 月産数百台を目指しているという。CEOは Mezha Media と Vladyslav Belbas 氏。

 ウクライナ国防省はなんとも工業に素人な集団なので時々説得に苦労する。こっちが2名乗車の軽快なバギーを提案しているのに、それを4人乗りの軽装甲車に仕立ててくれ、と要求してきた。必然的にそれは高機動は無理で、何の取柄もない防弾タクシーになってしまう。もちろん単価は跳ね上がって大量製造も無理だ。

 われわれの「VOLS」バギーは、単価2万ドル以下で製造することが目標だ。どんなピックアップトラックよりも安くする。
 これは既存の軍用トラックの仕事を引き受けるのではなく、それらが為しえないミッションを引き受ける。

 エンジニアの Volodymyr Sadyk が最初の「VOLS buggie」を2022に自主製作した。同年、190台も宇軍へ納品。

 4×2駆動とすることで、軽量化と低姿勢化を可能にした。後輪駆動。エンジンもリア置き。
 グラウンド・クリアランスは38センチである。車両のロールバーの高さは1.4m。ドライバーの頭部はその10センチ下だ。

 搭載量は、人も含めて500kg。兵隊2人が乗るなら、あと300kgの荷物を、車体の前後に縛り付けて運べる。車体前方の荷室は鉄板でカバーされている。車体後部はエンジンがあるのでその上の暴露棚に積む。

 折り畳み式の担架をとりつけると、負傷兵の救護車になる。

 試作品は1900cc.のフォルクスヴァーゲン「ゴルフ」ターボディーゼル115馬力を使った。しかし量産型では、1500cc.のルノー「K9K」ターボディーゼルを載せる。これで300kmの戦場走行可能。

 ギアは4速。

 今後の目論みとして、前輪に電動ハブをとりつけて、ハイブリッド4×4化する。これにより、電動だけで静かに敵中を進んだり、もし車体後部が破壊されても電動モーターを使って前輪だけで避退して来るという技が可能になる。

 次。
 『モスクワ・タイムズ』の2025-8-21記事「Leading Russian Drone Manufacturer Faces Financial Turmoil」。
  ロシア版のプレデターである無人機「オリオン」を開発したメーカー「Kronstadt」社が、倒産の危機に直面しているという。
 同社の無人機ラインナップには「Inokhodets」もある。

 過去3ヵ月、40の下請け企業から総額6億2630万ルーブリを支払えという民事訴訟を起こされているという。ざっと780万ドルだ。
 債権の大きなところでは「Research Institute of Modern Telecommunications Technologies」社が2億2060万ルーブリ。「Innovative Technologies and Materials」社が1億5110万ルーブリ。

 Kronstadt社は、2023-8にも、「Turbodjet Micro」社から未払い金の訴訟を起こされて、潰れかかった。それいらい、苦境は続いていた。

 会社の財務状況。2020年いらい、20億ルーブリの収益がある。と同時に36億ルーブリの純損失があるという。

 ※最新の「後知恵」は、他国がアメリカの真似をして1機が10万ドル以上する無人機をつくったら、もうそれじたい、最初から失敗作だということ。戦術面でも、軍政面でも、戦争指導面でも。トルコのバイラクタル社は、この罠に陥らない独自の道を開拓した。学ぶ価値はとても大きい。


毛だらけの掃除もおわる新学期/二十八

 Joe Sommerlad 記者による2025-8-19記事「Top Air Force general to resign because Pete Hegseth wants to take Pentagon in ‘different direction’」。
  米空軍参謀総長のデイヴィッド・アルヴィン大将は、このポストの任期4年のうちあと2年を残しているのだが、ヘグセス長官の意向により、来る11月1日付けで離任する。
 空軍長官(文官)のトロイ・メインクが発表した。

 『WP』紙によると、アルヴィンは先週、退職するようにヘグセスから促された。本人は辞めたくなかった。

 おそらくトランプの寵愛を受けているThomas Bussiere大将があとがまに座るのであろう。「ミッドナイト・ハンマー」作戦の演出家が。

 次。
 『マリタイム・エグゼキュティヴ』の2025-8-19記事「Chinese Smuggler Gets Eight Years for Shipping U.S. Guns to North Korea」。
  ロングビーチ港から北鮮へ武器を密輸出した中国籍の男が加州の刑務所で8年の刑期を務め始めた。※おそらく司法取引あり。

 いま42歳のこの男、2012から学生ビザにて米国に住まい。平壌から総額200万ドルを受領して、火器、弾薬などを米国内で調達して北鮮へ密輸した。物品はコンテナにてまず香港へ送り、そこから北鮮のNampoへ転送させる段取り。2024-12に逮捕され、2025-6の法廷では有罪を認めた。

 FBIは、この男が2022に北鮮から受信した電子メールを傍受して、プロットを知った。
 この男は中共にある北鮮の大使館に出向いてもいた。

 初荷は火器をぎっしり詰め込んだ3個のコンテナで、2023にロングビーチから送り出した。書類には、「中味は冷蔵庫」だと虚偽記載。

 この男は北鮮から受け取った資金でヒューストン市内の銃砲店を買い取り、そこで火器を堂々と買い集めて加州まで陸送し、ロングビーチから海送する事業に乗り出した。

 2024-9には、9ミリ拳銃弾を6万発買い入れた。その他、化学物質の探知器材や、手持ち型の高性能な無線受令機なども仕入れて、北鮮へ海送しようとしていた。

 また北鮮からの指令では、民間航空機のエンジンや、飛行機搭載用のサーマル・イメージ・センサーも、仕入れるように言われていた。

 ※ウクライナ経済が2022年の全面的な石油飢饉から恢復できたのは、政府が価格統制を撤廃したからだった。あらゆるルートからの石油輸入も自由化……というか、無届け輸入販売が黙認された。いま、ロシア国内ではガソリンが品薄でGS前に大行列ができているが、これは価格統制されているから。価格統制を撤廃すれば、ガソリンの売価はただちに需要とバランスするまで高騰するから、貧乏人のクルマはガソリンスタンドにはそもそも並ばなくなる。かたやウクライナでは、庶民の誰でも石油を買えるのはよいとして、政府がその流通からあがるはずの税収をなくしてしまった。現状、無許可のミニ精油所が大都市周辺に多数あり、それが「地下GS」にガソリンを卸している。それらGSは税金を収めていない。この闇ビジネスには、戦前から、政府の高級公務員たちが関与している。

 ※ウクライナは戦時下だというのに電気自動車輸入に関する優遇措置を7年間も続けている。他国からめぐんでもらった戦費を、くだらない電気自動車の補助金などに割き続けているのだ。この優遇は来年1月まで続く。それを延長しろという国内ロビーも有力だという。

 次。
 スロバキアのディフェンスニュースの2025-8-17記事。
  ウクライナ軍参謀本部発表。
 無人地上システムのことを「BPS」と称す。
 今年7月、地上ロボットによって前線まで推進された需品の量は、6月と比較して80%以上増加した。

 次。
 ロシアの「地域の声」ニュースの2025-8-19記事。
  カムチャツカ津波は樺太の漁業会社に打撃を与えた。赤字が積み重なり、漁場契約更新の年である2028年には一斉廃業になるかも。
 保険会社はまだ、支払ってくれない。

 25年の漁獲量は増えるという。しかしロシア国内の魚価は下がず、むしろ上がるだろう。

 同じく8-18記事。
 ロシアの法律が変わり、26年3月をもって、外車をタクシーに登録することができなくなる。
 つまり、LadaかMuscovitesしかタクシー会社は購入できなくなる。これは運賃の値上げを必然的に結果する。
 利用客はガックリと減るだろう。

 同じく8-15記事。
 ロシアの法律が変わり、2030年1月1日から、ロシアの河川を遡航する船舶に限り、船齢40年以上のぼろ船は、ロシアでは運航はゆるされなくなる。外国船籍だろうと同じ。
 新法は、2024-12にケルチ海峡でぼろタンカーが自壊して深刻な海洋汚染を惹き起こした事故がきっかけ。


スペインでは夜間に市街地に侵入してきた野猪を「弓矢」で駆除することが公許されている。至近距離+高所作業台からの俯瞰射撃に限定することで、「逸れ矢」の危険など実質ゼロなのである。騒音迷惑もかからない。

 詳しくは、2022年にネット公刊している「鳥獣から人間を保護する法律が必要だ」を参照して欲しい。この3年間の行政の無策に、いかに私が呆れているのか、分かってもらえるだろう。

 次。
 Катерина Супрун 記者による2025-8-19記事「Defender Dynamics Developed a Series of Foton Drones With Automatic Target Destruction」。
  《空中ショットガン》である「Foton」というクォッドコプター兵器を製造している「Defender Dynamics」社。ドローンのサイズは、7インチから11.2インチまで、揃えている。敵のドローンを散弾によって撃墜できる。

 7インチ級のドローンには、散弾銃身は1~2本、とりつけられる。1本の銃身から1回しか、散弾は発射できない。

 ※記事添付の写真により、ようやく判明したこと。薬室は、バレルの中央部に、横向きに直角に突き出している。市販散弾のカートリッヂと同じ寸法のブランク・カートリッヂを、その薬室に装填してから、ナット状の蓋で閉塞する。ワッズ/コロスと散弾は、おそらくバレルの前半分に、マズルローディングによって装填するのだろう。そしてカウンター・マス(その正体は未詳。ガスだけなのかもしれない)は、バレルの後半分に、挿入されているのだろう。薬室に電気点火されると、爆燃ガスは、前方に向けては散弾を、後方に向けてはカウンターマスを、吹き飛ばす。前後に飛ぶ質量が同じであるため、反動は相殺される。

 弾薬が装填された状態で、1本の銃身は、500グラムしかない。12ゲージながら、アルミ合金製の特製バレル。だから、クォッドコプターで持ち上げて飛行できる。
 3㎏のペイロードがあるマルチコプターなら、6銃身にできる。その6銃身を同時に斉射しても、反動はゼロである。

 空中で照準をつけるためのソフトウェアも同社製。半自動の空戦が可能になっている。
 敵機との距離計測には LIDAR が用いられている。

 散弾を発射して敵ドローンを撃墜できる範囲は、距離50センチから5mまで。

 チタン合金製のバレルも用意している。
 いま、新型の10インチ級ドローンを開発しており、それはテストの段階にある。

 会社は、次の段階として、固定翼UAVにこのショットガンと自動照準ソフトウェアを搭載するつもり。それが仕上がれば、「オルラン-10」を確実にウクライナ軍の上空から駆逐できるようになる。

 ※日本の企業はこのモデルを参考にして、「垂直下方銃撃」専用の害獣駆除ドローンを製作できるはずだ。いまの狩猟法がどうして《発砲してよい条件》をうるさくいうのかといえば、水平に発射された後の逸れ弾や跳弾で万一にも人や住宅が危険にさらされてはならないからである。しかし、散弾を羆の頭上5mから真下の地面に向けて鉛直に俯瞰発射するのであれば、流れ弾など常識的に考えられもしまい。道路上だろうと夜間だろうと、何の問題も起きないだろう。ドローンは光ファイバー・ケーブルによる有線式操縦とするのが、鮮明な映像証拠を記録しやすく、理想的だろう。重量級のオクトコプター・クラスなら、サーチライト+可視レーザー・スポット照準(同時に人に対する注意喚起信号にもなる)を楽々と同時搭載できる。その機体を、熊を地上から視認できる距離から飛ばすのである(これによりケーブルの事後回収も確実に可能)。そして、この駆除作業型機とコンビを組ませる、捜索追跡用の非武装ドローン(無線操縦式)にも、真下向きのサーチライトと可視レーザー・スポッターを搭載する。時間とともに害獣は学習し、ドローンの音を聞いたりレーザーの光芒を見ただけで山奥へ逃げ帰るようになるはずだ。弾丸は、火薬を使わない「スプリング弾撥」方式にもできるはずだ。その場合、弾丸も、人に対して非致死的な麻酔弾やガス弾にできる。ますます、万一の誤射や暴発や跳弾があったとしても、人命が損なわれるような危険は限りなく極小化することができるだろう。駆除ドローンは目視距離内での運用なので、麻酔弾を命中させた熊は、遅滞なくリトリーヴの上、薬殺できる。

 次。
 Defense Express の2025-8-19記事「Two Possible Drawbacks of Ukraine’s FP-5 Flamingo Cruise Missile」。
  大型の巡航ミサイルである「FP-5」には2つの短所があるだろう。
 3000kmを飛行させるためには、大量の、よって重い燃料を抱えて発進しなくてはならない。

 チェコ製のジェット練習機である「L-39アルバトロス」は最大離陸重量4.7トンで翼幅9.5m。それとくらべて「フラミンゴ」は、MTOWが6トン、ウイングスパンが6mもある。安く大量生産することを最優先にしたデザインなのにもかかわらず、どうしてもそのくらいになってしまう。

 1950年代に米国で開発された巡航ミサイル「MGM-1マタドール」と「MGM-13メイス」のデータが比較の参考になろう。

 ※別ソースで補うと、マタドールには、推力20kNのアリソンJ33-A-37ターボジェットエンジンを搭載。ブースターなしの全重が5.4トン。弾頭重量1.3トン。翼幅8.7m。初期型のレンジは400km、後期型は1000km。巡航高度は12000m。着弾点は狙ったところから820mも逸れることがあるので、弾頭は核の一択だった。メイスはアナログ世代の地形照合航法装置を搭載し、無線誘導の必要をなくした。そのかわり、巡航高度は高くはできない。地形照合レーダーが機能しなくなるので。エンジンは23kNの改良アリソン。レンジは2300km。弾頭重量1トン。MTOWは8.5トン。後退翼のウイングスパンは7m。沖縄にも配備されたが、核弾頭技術が進歩し、こんな大きな巡航ミサイルは無用となり、70年代にターゲット・ドローンに改造されて自主的に全廃。

 フラミンゴは、外形がステルスではなく、地表スレスレを巧妙に巡航するようにはつくられておらず、したがって、敵の戦闘機によって空中で捕捉されるであろう。

 ただウクライナ側は、ロシアの防空は東へ行くほど手薄だから成算はあると考えている。じっさい、大型の「Tu-141 Strizh」無人自爆機(いちおう超音速)は、インターセプトされていない。

 図体が重いと、エンジンも強力にするしかない。ブースターぬきで1.3トンのトマホークには、推力3.1kNを生成するウィリアムズF107ターボジェットが搭載されている。

 自重5.4トンの「Tu-141」は、19.6kNのKR-17Aターボジェットを使用している。

 そこからの推定だが、FP-5フラミンゴに必要なエンジン推力は20〜23kNの範囲内だろう。小型ビジネスジェットに使われるクラスのエンジンが必要だ。

 ウクライナ製のエンジンでフラミンゴに使えそうなのは、24.5kNの「AI-322」か、17kNの「AI-25TL」だろう。後者はL-39が使用するエンジンだ。

 ※参考値情報。本田技研工業が6月17日に軟着陸を成功させた「再使用型ロケット」の試験機は、推進薬込みの重量が1312kgで、それを、6.5kNのエンジン×2基でコントロールしたそうだ。

 ウクライナの倉庫にはAI-25のストックが大量にあると思われる。この巡航ミサイルは、4時間飛んでくれればいい消耗品なので、エンジンが新品でなくても構わない。

 メーカーのMilanion Groupは、UAEの「IDEX-2025」会場にて、FP-5を月産50機、量産できると豪語した。このことは、エンジン供給問題がすでに解決されていることを示唆している。

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 ストラテジーペイジの2025-8-19記事。
  現在、イラン人の40%しかイスラム教を信じておらず、他は古来のゾロアスター教などを遵奉している。
 多くのイラン人は、ペルシャは中世のアラブによる征服から回復しておらず、イスラム教はアラブ人よりも悪いと考えている。
 IRGC(イラン革命防衛隊)も、世論調査によって実態を把握している。ますます多くのイラン国民がイスラム教を棄教しつつあると。


鳥獣から人間を保護する法律が必要だ──「害獣退治庁(仮)」の組織および装備を提言する


スロバキアとハンガリーにロシアから石油を送出していた「ドゥルジバ」パイプラインが停止したという。

 Shubhangi Palve 記者による2025-8-17記事「Hitting Russia Where It Hurts The Most! How Ukraine’s Drone Strikes Aim To Cripple Moscow’s Income & Military Fuel?」。
  BBCいわく。ウクライナは2024年にロシアの製油所や燃料貯蔵庫を81回空襲した。今年のペースはそれを上回る。
 ヴォルガ地域の国営サラトフ製油所は1日14万バレルの原油を処理できるのだが、最近の宇軍の無人機特攻により、設備は破壊され、原油の搬入を停止した。

 8月2日には、年産1380万トンの処理能力があるリャザン製油所の3基の蒸留塔のうち2基が破壊され、生産力が半減した。モスクワ地域はこの工場から油脂燃料を供給されているのだが。

 サマラのノヴォクイビシェフスク製油所も、操業が止まった。

 宇軍は、国境から2000km離れたコミ共和国のウフタ製油所も無人機で空襲しており、露軍は防空資産を広範囲に分散して貼り付けるしかなくなっている。

 ロシア政府は8月、西部の港から輸出する原油を日量200万バレル近くに増やすと決めた。これは、工場破壊によって国内では精製できなくなってしまった原油を、そのまま国外へ売るしかなくなったことを示す。

 買い手は、中国(他のエネルギーも含めて昨年は2195億ドル)、インド(同じく1334億ドル)、トルコ(同じく903億ドル)だ。

 キーウ経済大学の算定。ロシアは6月だけでも石油輸出で126億ドル稼いだ。2025年の1年間では1530億ドルになるだろう。

 ロシア国内では、ガソリン価格が、「プレミアムAI-95」で1トンあたり77000ルーブルを超えた。国内製油所に受け入れられる原油が半減した状態が半年以上続くのでは、そうなるのがあたりまえ。

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 Defense Express の2025-8-18記事「Ukraine’s “Flamingo” is the FP-5 Missile With 3,000 km Range and a One-Ton Warhead」。
  UAEに本社がある「ミラニオン」グループが、ウクライナ軍のために量産中の巡航ミサイル「FP-5」の詳しいスペックが報じられた。
 飛翔距離は3000kmで、ネプチューンの3倍。巡航速力は850~900km/時。飛翔時間は4時間。
 弾頭重量は1トンで、昔の「V-1」に匹敵。MTOWは6トン。
 ウイングスパンは6m。
 トレーラー式のラーンチャーから打ち出す。

 メーカーの「ミラニオン」社は、この巡航ミサイルを月産50基可能だと、展示会で公表した。翼を畳んでキャニスターに収納するといった面倒なことはなしにして、製造工程を極力簡略にしたという。

 コンテナからのいきなりの発射ではないので、射出準備に1発あたり40分かかるという。

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 Vladislav V.記者による2025-8-17記事「‘Another democratic Shahed’: U.S. Introduces MQM-172 Arrowhead Drone」。
  米国のメーカーである「Griffon Aerospace」が発表した。シャヘドのほぼ丸パクである片道特攻機「MQM-172 Arrowhead」が完成したと。

 ターゲット・ドローンとしてまずは開発し、うまくいったので、こんどはそれを自爆機としても用いることにした。
 弾頭重量は45kg。

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 Patricia Marins 記者による2024-8-20の記事「The truth about the Ukrainian Air Defense Systems」。※1年前の記事です。
  SAMのメーカーはその迎撃率について、嘘ばっかり公言してきた。記者は以前からその数値をおいかけている。
 ウクライナ政府の大本営発表も酷いものだったが、8-20にその方針をやや転換したようだ。

 記者いわく。迎撃率が60%あると言っているライターは、疑え。まして、80%などと言っているアナリストは、金銭を受け取っているか、あるいは自分が何を言っているのか理解していないかのどちらか。SAMの世界では、迎撃率が50%に達したら、例外的な好成績である。

 ウクライナ軍最高司令官が発表した、2022年2月24日から2024年8月までの正直データから、次のことが分かる。

 露軍はミサイルを9590発、片道自爆無人機を13997機、放った。宇軍はこのミサイルのうち25%、ドローンのうち43%の迎撃に成功した。
 カリブルのような巡航ミサイルは67%迎撃できた。
 シャヘドやランセットは63%迎撃できた。
 弾道弾のイスカンデル、トチカ、KN-23は4.5%しか迎撃できず。
 改造弾道弾のS-300/400は、0.63%しか迎撃できず。
 キンジャルは25%迎撃できた。

 ※同じ記者の別記事いわく。現在まで世界トータルで11000発のペトリオット・ミサイルが製造され、今、全世界で在庫されている数はその40%未満だろう。

 ※ストラテジーペイジによれば、イスカンデルは1発300万ドル、北鮮製のKN23ミサイルは1発600万ドル。重爆から放つ長距離Kh-103巡航ミサイルは、1発1200万ドル。

 ※兵頭の結論。105ミリの戦車砲をHA砲架に載せた高射砲を急造する必要がある。このための設備投資は、遠い将来まで無駄にならない。

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 John Spencer, Stuart Lyle and Jayson Geroux 記者による2025-8-16記事「Breaking NATO’s Cult of the Urban Offense」。
  NATOの市街戦ドクトリンがあまりに時代遅れ。
 ビルの窓から飛び込んで来るUAVが抱えているサーモバリック弾で、フロア全体が消し飛ぶというのに、ひとつの部屋の壁にどうやって穴をあけるか、などというしょうもない訓練をしている。滑空爆弾が飛来すれば、ビル全体が崩壊する現在、鉄筋ビルは防禦の拠点でも何でもないのだ。

 1943年12月、ドイツ軍は、Ortona にある小学校にあらかじめ爆薬を仕掛けておき、そこをカナダ兵が拠点として利用するように誘った。カナダ軍はこれにひっかかって、小学校の中に蝟集したところで、ドイツ兵が爆薬を起爆させた。
 この罠はとてもうまくいったのでカナダ軍は学習し、カナダ軍もその戦術を模倣した。またウクライナ軍はバフムトでこの戦法を露軍に対して試み、2023年3月27日、それは成功したという。

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 Connor Vasile 記者による記事「Romania Shows How State-Owned Companies Don’t Work」。
  ルーマニアは2007にEUに加盟したが、なんでも国営にする癖が抜けず、今日1400社もの国営企業がある。
 そして、稼ぎだす以上の支出を垂れ流しており、EUの厄介者となっている。
 無能公務員の大集団を税金とEU補助金で喰わせてやっている構造だ。

 ルーマニアが手本にすべきなのは、2023末にアルゼンチンの大統領になったハビエル・ミレイだ。月に25%もあったインフレ率は、いまでは1.62%で、しかも貧困率は40%以下になった。外部からは1銭も資金援助されていない。