ロシアのインフレは抑えられていない。年率10%で推移。政府の軍事財政支出が元凶なので、21%の公定歩合も量的引き締めを結果しない。

 Lucas de Gamboa 記者による2025-7-31記事「The Limits of Russian Influence」。
  多くの企業と個人が、ロシアの銀行から借りた金を返せなくなっている。金利が高すぎるため。
   ※そこで、この個人債務をチャラにしてやるからロシア軍に入れ、というキャンペーンが進展中。

 マキシム・レシェトニコフ経済相の警告の真意。このままだと、銀行セクターの債務危機が浮上する。信用収縮が発生するカタストロフが近い。

 兵役が高賃金なので、民間から労働力が奪われている。制裁とルーブル安で、輸入品はますます高価に。

 この内実でGDPだけ成長しても、人々はますます苦しくなるばかりである。

 次。
 Howard Altman 記者による2025-7-31記事「Russia’s Jet Powered Shahed Kamikaze Drone Is A Big Problem For Ukraine」。
  露軍が、最近の対都市空襲に投入した300機を越える片道特攻ドローンの中に、8機の、ジェット・エンジン搭載の新型シャヘドが含まれていた。ウクライナ空軍発表。

 これは、「イスカンデル-K」巡航ミサイルとは別である。しかしレーダーには、同じように映る。飛翔速度は500km/時くらいだろう。

 ロシアが使ったのは、イランが2024-11に公表している「Shahed-238」で間違いない。
 2023-4の資料によれば、レンジは620~1240マイルで、巡航高度6マイル。弾頭重量は50kg。エンジンはターボ・ジェットで、理論上の最高速度は600km/時。

 このくらいのスピードだと、インターセプター用の「砲弾型クォッドコプター」では、もう対応ができぬ。

 おそらく、8機の「シャヘド238」は、ウクライナにはこれらを迎撃する手段としては高額なSAMの発射以外、何もないことを、確認するための、探りの実験であった。

 ロシア国内では、ジェット型シャヘドの量産は、しかし、簡単な話ではない。いま、プロペラ駆動型のシャヘドを月産2000機、量産していて、計画では、それを5000機にしようとしているところ。おそらくジェット・エンジンは中国から完成品を輸入するしかない。

 無人機が高速化すると、機体は頑丈にしなければならず、飛行制御のためのメカトロニクスも、高精度にしないと、そもそもまともに飛んでくれない。機体は、プロペラ型の流用では、ダメなのだ。

 次。
 ブルームバーグ・ニュースの2025-7-29記事「Xi Ties His Legacy and China’s Economy to $167 Billion Dam」。
   フーバー・ダムの16倍量のセメント、エンパイア・ステート・ビルの116倍量の鉄骨鉄筋、そして地球を5周する2車線舗装道路にも匹敵するコンクリート量を投じて、中共はチベットに巨大水力ダムを建設する。工費は1670億ドル。
 工事は7月から始まった。

 この水系は「雅魯蔵布江」(ヤルンツァンポ川・Yarlung Tsangpo river)という。チベット高原を西から東へ長々と横断したあと、さいごは中共側へではなくインド側へ下って行き、そこではブラマプトラ川と呼ばれ、さらにガンジス水系に合流してインド洋に注ぐ。

 ダム湖は巨大だが、灌漑用ではなくて発電だけなので、水はトンネル経由で大落差をタービンまで導かれたあと、再び下流にて本来の川筋に戻される。したがって発電所より下流の地域が渇水の迷惑を蒙ることにはならない。

 懸念されるのは大地震。1950年にマグニチュード8.6の「アッサム=チベット地震」が起きたことがある。それは今回の工事現場から153マイル離れたところが震源だった。

 中共は「三峡ダム」に370億ドルを投じた過去がある。1990年代、この工事が失業を吸収し、過剰工業資材(鉄鋼、セメント、銅など)の捌け口になってくれた。このダムは、いま現在、世界最大の発電所のエネルギー源でもある。

 このたびのチベット・ダムの大事業は、2021の五ヵ年計画で決まった。
 環境アセスメントやパブリック・コメントが密室内から出ることはなく、詳細計画は2024-12に承認された。

 チベット・ダムには、5000万トンのセメント、600万トンの鉄鋼、2億5000万トンの砂利、50万トンの銅、数十万トンの発破薬が投入される筈。
 三峡ダムには3000万立米のコンクリートが使われた。チベット・ダムには1億5000万立米のコンクリートが使われるだろう。

 今回の事業には、10年から15年にわたり、3兆元が投資されるはず。それは2024年度の中国GDPの2.2%相当額だ。
 それによって、GDP成長率は、0.1%から0.2%くらいは、増えるだろうという試算あり。

 別な試算では、この事業で20万人の雇用が生まれる。それは、政府が掲げる新規雇用創出目標の2%弱である。

 工事事務所は Medog という寒村に置かれるかもしれない。そこは2013年まで、自動車道路が通じていなかった山間僻地である。いまや、そこに新空港もできるのではないかと噂される。ブーム・タウンだ。

 中国の証券市場では、工事が本決まりとなったことで、建設銘柄が爆上がりしている。

 バングラデシュやインドは、豪雨の直後に中共がこの巨大ダムから放水をしただけで、下流の村に大被害が出るのではないかと心配している。
 チベット・ダムは、70ギガワットを発電するであろう。年間、300テラワットである。これは、英国1国が1年間に消費する電力に匹敵する。

 現状、中共の発電はその半分以上が石炭火力。チベット・ダムのおかげで、石炭火力への依存は減らせるだろう。習近平は2060までにゼロ・エミッションにすると公約している。
 習の父は、チベット担当の党要職に就いていたことがある。
 また、ソ連邦は民族自立志向のために分解したという因果関係を、中共は、他山の石としている。チベットは今からもっと締め付ける必要があるのだ。

 国営の「China Yajiang Group」が創設された。この企業体が、建設事業も、完工後の運営も統括する。


12~18歳の青少年を心理テストにかけ、《体制に忠誠な未来リーダー株》を選別するとともに《反逆傾向者》も焙り出す「ニューロ・プロファイリング」の試みを、ロシアが全土で実施中だと。

 Howard Altman 記者による2025-7-30記事「Critical Weapons Development Lessons From Ukraine Are Not Being Learned By The West」。
  Deborah Fairlamb 氏への『ウォー・ゾーン』の1時間インタビュー。これは読み応えがある。

 インタビュイーは2022いらい敢えてキーウ市内にずっと住んでいて、みずから「Green Flag Ventures」という投資会社をつくり、ウクライナ国内の、対ドローン、航法、通信技術のスタートアップに投資をしている。最先端の軍事技術に、とうぜんに詳しい。驚くべき話あり。

 米国内の軍事技術系のスタートアップへのアドバイス。まずデュアルユース商品を持て。そうしないと「5年の死の谷」を越えられないから。ペンタゴンから契約金を振り込んでもらえるまでに、新案の売り込みから足かけ5年かかる。そのあいだをどう生き残る?
 警察、インフラ・セキュリティ、港湾監視、国境管理などの、軍隊用とは限らない商品で、食つなぐしかない。だから、まずデュアルユースのキラーコンテンツを持て。それで収益を確保せよ。

 インタビュイーは「Swarmer」という会社に投資した。こいつは有望。プラグインのように安易に後付けするだけで、あらゆる小型ドローンを「群制御」できる。ちなみに、中国人の夜空のドローン・ショーは、群制御ではない。1機ごとにプリプログラムが入っていて、GPSで自己位置を維持しているだけ。相互の間隔を自律で計ってはいない。「Swarmer」は然らず。

 今、宇軍が使っているFPVドローンのクォッドコプターは、500ドル~1000ドルのコスト。少し大きな固定翼ドローンは、1万ドル~3万ドル。あなたがたは、1機が10万ドル以上もする無人機は、断然、拒否しなくてはならない。そんなものはまったくのカネの無駄だから。ウクライナ戦争の現実を見れば、私の言っていることが呑み込める筈。

 現状、ウクライナ軍は、必要な技術革新を、3ヵ月ごとに実現できている。これは先進西側世界では、まず無理。制度が進化の前段階だから、無理。戦争の現実によって淘汰されてない制度なので。

 ウクライナでは、中隊長と大隊長に、新武器の調達権限がある。すでにエコシステムに投入されている、承認されたベンダーのリストがあって、そこからならば、中隊長や大隊長は、直接に購入できる。国防省はそのあいだに介在しない。だから、このうえなく迅速。

 たとえば、ECM回避のためのソフトウェアの開発スピードの進化。ウクライナ国内において、2022だったら、それには7ヵ月を要していた。2023年には、それは半年弱に縮まった。2024年には、4ヵ月弱に縮まった。2025年前半において、それは1ヵ月半でできるようにスピードアップしている。西側企業はとうていこの速度にはついて来られない。

 中国やロシアの強味。政府高官が、洗濯機工場に行き、「明日からは洗濯機を製造するな。FPVドローンを来週の火曜日までに200万機納品せよ」と命令することができてしまう。欧米にこの真似はできない。しかし、これと同じことをやらなかったら、必敗の運命は避けられない。たとえば平時に米本土でひそかに数百万機の自律テロ・ドローンが組み立てられていたら?

 西側の兵器メーカーは汚い奴らだ。ウクライナにやってきて、ウクライナ軍からノウハウを盗み、いつの間にか帰国し、半年もしないで、ウクライナ製とクリソツのコンセプトのパクリ製品を開発しましたと、しゃあしゃあと発表する。複数の事例を、この目で見て来た。

 また、西側の兵器メーカーが「ウクライナの戦場でテストして成功しました」と言うのは嘘だから信用するな。これも実例を複数、見て来た。西側の兵器メーカーは、まったく、ウクライナ軍のスキルに、遠く及ばないのである。あんなのを実戦で使えば、たちまちボロを出すだけ。宣伝ばっかりだ。

 地上の無人車両UGVは、兵隊個人がFPVドローンでたちまちにやられるようになったために、その必要が急増している。18ヵ月くらい前から。

 次。
 Sania Kozatskyi 記者による2025-7-30記事「Western Researcher Reveals Timeline of Development of Ukrainian Magura Surface Drones」。
  研究者の H I Sutton が、あきらかにしてくれた。ウクライナの無人水上艇(USV)「マグラ」系列の、開発タイムラインを。

 最初の「マグラV1」は2022-5から開発スタート。4人のエンジニアが、ウクライナ保安庁から、ロシア黒海艦隊を破壊できる装備の開発を請け負った。
 ベースは、漁船とした。6メートルの船体に、強力な船外機。

 2番目のバージョンである「Magura V2」はジェットスキーをベースにして開発。海岸から、スターリンク経由でリモコンできた。

 2022年10月29日、アップグレードされた最新型「Magura V3」が、セヴァストポリ軍港を攻撃。これはUAV特攻と連動していた。
 V3の内臓炸薬は150kg。

 「マグラ V4」は秘度が高い。よって詳細不明。

 2023投入の「Magura V5」は、シリーズ最大の長さ5.5m。このモデルが少なくとも17の水上目標を破壊した。

 その次に「マグラ W6」型が開発された。三胴艇なので「W」にしたのだろう。2発のR-73空対空ミサイルをとりつけたのがこれ。

 「Magura V7」は、最新型で、2025年デビュー。5月に米国製のサイドワインダーミサイルを発射して露軍の「スホイ30」戦闘機を撃墜したのは、これ。

 次。
 Rebecca Grant 記者による記事「6 Reasons to Say ‘No Thanks’ to Building U.S. Navy Warships in South Korea」。
  米海軍のイージス艦の建造の一部は、今後は海外発注でもしないことには、中共海軍の増強に太刀打ちできなくなるだろうといわれている。しかし記者は新造の外注には反対する。メンテくらいなら外注でもいいのだが……。

 最大の理由は、「生残性」。
 米海軍の艦艇は、生残性の基準が世界一、厳しい。これは、譲れないのだ。たとえば1艦ごとに、水中衝撃波を浴びせる実爆試験が、就役前の検査として、義務付けられている。その他にも、細部にいたるまで、生残性に関しては、とてもうるさい。だから資材は安くなく、工期は長くなるのである。

 2006に自爆ボートで奇襲された駆逐艦『USS Cole』は、ビルジを排水するダメコン・システムとしての発電機が動き続けていたおかげで、沈没を免れている。これは米海軍の基準だからこそ可能だった。他国製の軍艦なら、1発で電力がすべて喪失して、おしまいだったはずだ。

 もうひとつは、韓国の造船所は、中共発のドローンによってスパイされ放題である。韓国には中共の工作を阻止する実力は無い。

 次。
 『スターズ&ストライプス』の2025-7-30記事。
  単身赴任の米兵が駐韓を命ぜられた場合、従来は1年間で帰国できたのだが、10月1日以降に新規の赴任辞令を受けた者たちは、2年間となる。
 ちなみに家族同伴の米兵の駐韓赴任の期間は、現行制度では、3年(以前は、それよりもやや短かった)。

 ※兵隊のなり手の確保に苦労している米軍のトレンドだと思われる。駐留軍の陣容を増大させるのではなく、現状の陣容を維持するためだけでも、赴任期間を延長してもらわなくてはならぬ。

 次。
 Thomas Fazi 記者による2025-7-30記事「Has Zelensky lost the West?  He is becoming a liability」。
  ゼレンスキーは西側の重荷になり始めている。

 ウクライナの腐敗防止機関であるNABUは、EUの肝煎りで創られている。またもうひとつの類似機関のSAPOは、オバマ政権時代のバイデン副大統領が強いて創設させたものだ。
 これらの機関を今、ゼレンスキーが弾圧にかかっている。だから大衆も危機感を強く感じて、澎湃としてゼレンスキー非難の大街頭デモが起きた。

 セイモア・ハーシュによれば、米政府は2023に、ゼレンスキーの首を、ヴァレリー・ザルジニ将軍にとっかえようとしたことがあったのだという。バイデン政権すら、無条件でゼレンスキーを担いでいたわけではなかった。ウクライナではすべてが腐敗していたのである。だから易々と侵略をうけることにもなったのだ。そもそも。

 一消息筋によれば、NABUとSAPOは、ゼレンスキーの個人的友人の実業家、ミンディッチに聞き取りを始めていた。要するに、ゼレンスキー本人に、腐敗捜査の手が及ぼうとしていた。それに対するゼレンスキーの反撃が、微罪容疑での家宅捜索というイヤガラセなのだ。
 EUは今回のゼレンスキーの暴挙に対し、これでウクライナのEU加盟は難しくなった、と警告を与えた。

 ※すべての長期権力は堕落し、強権化する。それは、自国内の政敵(および、将来のライバル候補者)を今すぐに始末してしまいたいという本能を抑制できなくなるからだ。ニクソンはウォーターゲイトの盗聴工作などしなくてもよかったと後知恵では言えようが、本人はそう思わなかった。なぜなら、工作できる実力を自分は持っているし、とりまきも、ヤる気まんまんだったから。しかし、どんな政治家も、8年も国内に君臨したら、大衆から飽きられてしまう(ホーチミンだけ例外だった。ゼレンスキーはホーチミンから何も学んでいない)。その「飽き飽き勢力」をバックに、どこかからか、ライバルが浮上する。その現実を、現役リーダーの本能(ならびに、とりまき連中の打算)が、認容することが難しいのだ。プー之介(とFSB)が発狂したのも、この同じ機序にすぎない。結論。定期的な政権交代は、国家の健全な永続のために、絶対に必要だね。


米海軍が対支用の無人特攻ボートの大量調達を計画していて、必要量の確保のためには、日本・韓国・ドイツのメーカーからの納品も排除しない方針。

 Ivan Khomenko 記者による2025-7-29記事「How Russia Launches Its Deadliest Drones?And Where They’re Hiding」。
  露軍がおびただしい数の「シャヘド」片道特攻機を発進させている拠点が絞り込まれた。
 7月28日の時点で、露領内に3箇所、クリミア半島に1箇所ある。

 最大の基地は、ウクライナ国境から175kmに位地する、オリョール地方の村。NATOは「アラブガ・ドローンポート」と呼ぶ。

 村には固定式発射台が8基。加えて、トラックが疾走することで初期浮力を与えてやる発射方式のための2.8kmの直線道路がある。
 この村からは同時に14機の片道特攻機を発進させ得、短時間で100機以上を送り出せる。

 村にはもともと地対地弾道弾の地下壕があった。それらを含めた15箇所の地下貯蔵所には、3000機くらいの片道特攻機が楽に収蔵できよう。

 別な、クラスノダールの海岸にある航空基地にも、長距離無人機用の区画が整備されている。
 この基地からは、滑走路を使う発進がなされる。同時に10機くらいのキャパ。25機で1波として、送り出している。
 もともと航空基地ゆえ、S-400の高射ミサイル大隊が布陣して守っている。

 「シャヘド136」のロシア内製バージョンは「Geran-2」と称する。その最大の工場はタタルスタン州アラブガ経済特区内にある。同地の工科大学では学徒が勤労動員されていて、数十の組立ラインに配属されている。

 次。
 Jakub Jajcay 記者による2025-7-10記事「I’d Rather Have a Mortar Than a Drone」。
  ※記者は元スロバキア軍将校で、ウクライナ軍に加わっていたこともある、気鋭の学究。

  ウクライナ戦争でドローンが主役に昇りつめたきっかけは、野砲と迫撃砲の弾薬が不足していたから。
 もし、迫撃砲とFPVドローンの両方が使えるのならば、皆、迫撃砲を選ぶ。なぜなら夜間や悪天候時に問題なく役に立ち、ECMに苦しまないから。

 FPVドローンは安価量産の必要があるので高額な暗視カメラを搭載しないものがほとんど。したがって夜には使えぬ。
 今、前線の歩兵部隊が味方にドローンによる攻撃をリクエストすると、そのFPVドローンが目標に着弾するまで30分は優にかかる。迫撃砲なら5分で準備して、6分後には敵をCEPに捕捉している。

 宣伝印象に騙されるな。FPVドローンが、走行している敵車両にぶつかっている動画。あれは極く稀な例外事象であって、10機のうち1機も、あのような戦果を挙げることはない。
 ドローンは、低空に下がると、ECMの電界強度に負けて、無線のデジタル・リンクは切れてしまう。有線ドローンは、高速で90度以上のターンができない。

 82ミリの迫撃砲弾は、1発100ドルである。
 FPVドローンは、いくら安いものでも1機が500ドルする。暗視カメラをとりつけたり、光ファイバー制御にすると、その単価は2倍になる。

 殊に夜間戦闘の場合、迫撃砲は、ドローンの9分の1のコストで、要求を達してくれるだろう。

 今のFPVドローンは、部品がほぼすべて中国製である。迫撃砲はそうではない。

 次。
 Ellen Ioanes 記者による2025-7-28記事「Donald Trump Jr.’s Drone Ventures Could Make a Killing」。
   親父が大統領になると決まった2024-11に、トランプ・ジュニアは、兵器系スタートアップに投資するベンチャー・キャピタルに迎え入れられている。そして早速、ドローン分野のスタートアップ「Unusual Machines」社の重役に就任した。
 ジュニアは直前に同社の株式を331580株手にしていた。そして就任の直後、その株価は倍増した。

 親父のトランプは、こんどの巨額政府予算のうち14億ドルを、米国内でFPVドローンを完全国産する民間量産工場の建設支援のために突っ込むと規定している。
 連邦法では、大統領の家族には、財務開示の義務がない。となると、こういうグレーなビジネスは、やった者勝ちということになるのだ。

 たとえばジュニアが、この会社の利益を図るために親父に直接にロビー工作したとしよう。今の法令では、それについて誰も、何らの公表の義務も負わない。

 「Unusual Machines」社は、2部門から成っている。
 ひとつは「Fat Shark」で、FPV操縦用のゴーグルを製造している。
 もうひとつは「Rotor Riot」で、これはクォッドコプターの部品を通販する部門だ。
  ※このような名称からは「三流臭」しかして来ない。

 また同社のピッチデッキ(投資家向けのプレゼン用壁新聞)を見ると、同社は豪州にあるドローン用モーター・メーカーの「Rotor Lab」社を買収にかかっている。
 買収するだけでなく、その製造ラインを米本土内へ移転させる気らしい。
 すなわちフロリダ州オーランドに1万7000平方フィートの工場を建設し、海外製(=中共製)のドローン・パーツにかかってしまう高関税を回避できるようにするという。

 いま米連邦議会は、FY2026の国防予算法案(NDAA)の審議にかかっているところ。そのNDAAは、米国内の小規模工場に小型ドローンの部品を大量製造させようという話がひとつのテーマになっている。ヘグセス長官は7-10の覚書で、ペンタゴンがそういう工場に大々的に投資するぞ、と表明している。そして「Unusual Machines」は9月からドローン部品の国内での量産を大拡充する計画を公表している。

 オーランド工場では、FPVドローンが大量生産されることになると見ていいだろう。それを国防総省がすべて買い上げるのだ。その部品のほとんどを、米国内で製造するための準備が着々と進んでいるのだ。

 ジュニアが関係する投資会社は、「Anduril」や、航空用AIメーカーの「Hadrian」「Firehawk」にも投資しているようだ。

 次。
 デビッド・キリチェンコ記者による2025-7-16記事。
 ロシア軍は、ウクライナ軍の衛生部隊や野戦病院を、たんじゅんに「フォース・マルチプライヤー」だと看做していて、むしろ他の部隊よりも高い優先順位を与えて積極的に砲爆撃して来る。ジュネーブ条約など彼らの眼中には無いことは勿論だ。

 このためいまやウクライナ軍は、「赤十字」マークなど、それが医療機関であることを示す標識を、取り除かねばならなくなった。

 たとえばマーク付きの救急車には、出動から15分以内に、露軍のFPVドローンが命中するという。

 ※負傷兵を後送するためのUGVが難地形に阻止されてしまう状況は、生地ではとうぜんに考えられる。この問題を解決するためには、ジャイロ制御で「自立」を続けられる「前後2輪」型の無人輸送機械が発明されねばならない。たとえばオランダには「ママチャリ」は無い。前方をカーゴにした「逆3輪」自転車が売られていて、三つ子でもその前方カーゴ内に楽々と座らせることができ、足漕ぎだけでどこでも走れるし、どこにでも駐輪できるような環境だからだ。しかし日本では、子ども2人をいちどに運搬しようとすれば、「前後2輪」の自転車型にするしかない。日本の地形は甘くないからだ。すなわち「タンデム2輪」でなければ、「全地形踏破」もできるわけがないと思うべし。これは負傷兵輸送ロボットにもあてはまるだろう。なおもうひとつの注意点。負傷兵の頭部は、あくまで胸部~下半身と同じ低い位置に保ったまま運搬できるようにしないと、生存率が下がってしまう。「座らせる」スタイルや、ハンモック式、介護ベッド式では、まずいのだ。

 次。
 Alexander Palmer and Sofiia Syzonenko 記者による2025-7-28記事「The Road to Kyiv Must Not Run Through Washington」。
  プー之介は、ウクライナ軍や欧州NATO諸国に戦場で勝つ必要は無いと考えている。アメリカ合衆国に援助の手を引かせることができれば、それで自動的に勝利が転がり込むと信じ込んでいる。もちろん短期の話ではなく、長期の話。

 このプー之介の妄信(陸軍大学校の戦略学のレベルでは「勝利の理論」とこれを称する)をまず崩してやらぬことには、西側が何をしようが、侵略戦争は止まらない。

 プー之介の脳内にある「勝利の理論」とは、西側の対宇支援は有限で、じきに尽きる、というもの。支援者の中軸は米国である。だからトランプが支援を絞るとか止めるとか口走れば、それがプー之介の妄念を補強し、いよいよ戦争は永続化するのである。

 このほどトランプは対宇支援を復活させ、対露制裁も考えているとほのめかした。だが、それが「一貫し永続する行動」として示されていない以上、プー之介の妄念は揺るがず、彼の脳内の「勝利の理論」は崩壊しない。つまり、行動が一貫するという信用が皆無のトランプなどが米国大統領であるうちは、ウクライナ戦争は永続化するしかないのである。

 ※この戦争は「新・三十年戦争」になるしかないんだ、という話を私は『宗教問題』のインタビューで語った。暇な人は読んでみてくれ。日本は、そうなることを前提にして、いかにして長期的に持続的にロシアを衰弱させるかを考えるのが「安全・安価・有利」であり、しかもまた、現代倫理三原則(『日支宗教戦争』で私が提言した規範/指針)に沿う。


宗教問題50:インバウンドVS宗教 (季刊 宗教問題)


アウトリガー付きのシーカヤックに「横座り」の姿勢で人が収まり、背筋力を使って艇尾に長く突き出した「櫓」をゆったりと漕げるようにしたなら、最も疲れずに長距離を人力で航海できるのではあるまいか?

 あるいは「アウトリガー」の代わりに艇の両サイドに「浮力付きパドル・ホイール(外輪)」を突き出し、その回転軸を、自転車式のペダル回転トルクにギアを介して結合したならどうだろう? この場合、人は艇軸前方向きに着座するのである。

 自転車ペダルのトルクを船底のスクリュー・プロペラに伝達する方式は既にある。が、海洋生物への悪影響や、ゴミや藻が絡まる問題があるだろうと思う。浅瀬でもきっとトラブルが起きる。だからこのスタイルは公園池のスワン・ボートには採用されないのだろうと想像する。

 自転車ペダルのトルクを、シート背後の大径の空力プロペラに伝達してやるデザインは、これまた既に人力航海マシンとして「最速」のレコードを叩き出しているが、もし、洋上で強風に吹かれたときに、このスタイルではビッグ・トラブルに見舞われると思う。

 次。
 Brian McElhiney and Keishi Koja 記者による2025-7-28記事「Japan’s first F-35B stealth fighters will deploy to southern island next month」。
  8月7日より、宮崎県の空自の新田原基地に、「F-35B」が4機、初配備される。防衛省が発表。
 2026-3-31までには、さらに4機が追加される予定。

 米海兵隊の岩国基地と、新田原のあいだは、150マイル離れている。

 次。
 Defense Express の2025-7-28記事「Drone Strike Damages Railway Used for russian Military Logistics in russia’s Volgograd Region」。
   ロシアのヴォルゴグラード州で7-27に、露軍の兵站用の鉄道停車場を宇軍の無人機が襲撃。貨物列車が炎上した。
 攻撃は同時多発的で、州のあちこちで起きた。

 次。
 2025-7-19のSNS投稿。
 「air_defenders」というドイツのスタートアップがあり、これまでも3Dプリンターで、砲弾型/涙滴型の高速クォッドコプターを試製してきたが、このほど、水平速度400km/時+を達成したという。しかもそのスピードを21分間も維持できたという。もし直線飛行としたら35km先に到達できたことになる。

 ことし3月31日に公開されている別ソースによると、「400KMH SPEED DRONE」という商品名で、この3Dプリント用のデータが販売されている。
 ただし、カーボンファイバーのサブフレームはプリンター出力できないので、別途、数値制御旋盤を駆動させて、自作せねばならない。6ミリ厚のカーボン素材をカットする必要があるのだ。その数値制御データは、付属している。

 モーター、バッテリー、電子機器、無線装置などは、別途、現物購入が必要。とうてい、入門者向けではない。

 あまりに高速であるため、経験の浅いユーザーだと、飛行はうまくいかないことが警告されている。


カナダ政府が公募中。高度2000フィート以下を飛来する敵の片道自爆ドローンを空中で自律的に迎撃できるインターセプター・ドローン。ただし、その1機のコストは、飛来する敵機の十分の一でなくてはならない。

 Defense Express の2025-7-27記事「Ukraine to Receive 10 Times More Skynode S Drone Kits: What They Are and Why It’s Great News」。
  独米資本の「Auterion」社は、ワンチップに詰め込んだ、ユニバーサルな「マシン・ビジョン」を、大量にウクライナへ納品する。
 すでに少量の供給はされてきたのだが、その量をいちじるしく増やす。部品はウクライナ国内で組み立てられるFPVドローンにとりつけられる。

 これは、米国政府が買い上げるスキームにより実現する。ペンタゴンはこのメーカーと5000万ドルの契約を結んだ。2025年末までにウクライナは3万3000個のAIチップを受け取るだろう。

 『フィナンシャルタイムズ』紙報によれば、すでに2024-6から「Skynode S」という、無人機用の汎用の computer vision system が、西側からの軍事援助の一環として、贈られてはいた。ただしその総量は3000個くらいだったと。

 このチップは、どのドローンにもとりつけられる。とりつけると、ヒット率90%の自律特攻機に化けてくれる。無人機が勝手に攻撃目標を探してくれるのだ。
 標的を見極められる距離は、最大で1000mだという。

 いま、このチップに期待されている用途は、対地攻撃ではない。「シャヘド136」をマシンが空中にて光学的に探知し、そこへ向かって衝突させてやりたいのだ。都市防空用途だ。

 次。
 「globsec.org」の2024-12-1記事「The Missing Link: Railway Infrastructure of the Baltic States and its Defence-related Implications」。
   ロシア発の次のハイブリッド侵略は、リトアニアを足がかりにできる。
 飛び地領土のカリーニングラードまで、ロシア本土から、ソ連標準軌1520mmの鉄道が直通している。それはリトアニア領をトランジットする。
 ロシアからカリーニングラード行きの列車の「乗客」になりすましてやってきた露軍の偽装兵士たちは、途中のリトアニア領内にて、勝手に降車してしまうことができるのだ。しかも、持参の「乗用車」と一緒に。

 ウクライナの穀物は、リトアニアのクライペダ港を通じて世界市場に出荷されている。しかし、鉄道ゲージの相違のため、ポーランド国境、リトアニア国境で、2回も、貨車と機関車ぜんぶを取り換える必要がある。
 このことは、次の対露戦争が勃発したときに、もしクライペダに軍需物資を搬入しても、簡単には他のNATO諸国へ届けられないことをも意味する。現状は、NATOにとっての不利しかない。


最新の推計値。ロシアは、対地弾道ミサイルのイスカンデルとキンジャルをあわせて、1年に840~1020発、量産できる。

 これを西側の防空ミサイルで迎撃しようとしても、量産が追いつきはしない、という話だ。

 2022年よりもずっと前から私が強調し続けている《新現実》が、そろそろ人々のアタマの中にも入ってきたように思う。
 「都市防空」は、ビーム兵器や適当な「高射砲」がすぐに実用化できないのであるならば、「地下化」「地上部の徹底不燃化」によって対処する以外に、現実的に、ありはしないのだ。

 1発10億円のABMなど調達しているカネがあったら、そのカネも、人も、物も、敵国都市や港湾施設に対する報復攻撃兵器の大量生産と備蓄のために集中投資しておく方が、戦争の長期化を防ぐための近道になってくれるのだ。

 「12日間戦争」においてイスラエルは、ABMでの上層迎撃に失敗した「脅威」をすぐにレーダーとAIで判定し、下層でSAMによる再度の阻止を講ずる、という重層ミサイル防空を、世界で初めて、実用化した。そこまで念を入れていながら、どうしても1割以上の撃ち漏らしを許してしまった。また、人口密集地でない町村への落下弾頭については、最初から、インターセプトを見送る方針であった。

 次。
 Evan Ratliff 記者による2025-7-24記事「Confessions of a Laptop Farmer: How an American Helped North Korea’s Wild Remote Worker Scheme」。
   2020年にミネソタの田舎町〔のトレーラーハウス?〕に住んでいたおばさん(現在44歳)は、父親が海兵隊員だったので幼少期には韓国を知っている。

 ネットで仕事探しをしていたら、Zhonghua と名乗る人物から唐突にコンタクトがあった。中国企業のためにリモートで働いてくれるIT職のアメリカ人たちとのあいだのコーディネイターを探しているのだという。新コロで、誰もがピンチに陥っていた当時、これこそ夢の仕事だと思われた。

 手始めにちょっとした仕事があり、そこで報酬が確かに支払われた。
 その数ヵ月後、住所に小荷物が届いた。中味はラップトップPCだった。
 さらにその翌日、Skype 経由で、Zhonghua の仕事仲間だという複数の人物からコンタクトあり(数ヵ月後には12人以上)。

 どうも、そのPCを組み立てて、オンライン受信できる状態にセットするだけで可いお仕事のようであった。
 ややすると、さらに複数のラップトップが自宅に届いた。
 これらをセットアップして、オンラインで使える状態を維持しているだけで、そのPC1台ごとに月々300ドルの報酬が振り込まれることになった。

 Zhonghua の会社は、じつは、北朝鮮政府機関のフロント・エージェントであった。
 このPC基地を経由して、多数のアメリカ人たちが、そうとは明瞭には認知せずに、北朝鮮のためのリモートITジョブを、請け負った。その結果の儲けの総額は大きく、毎年ざっと、2億5000万ドルから6億ドルが、米国人アルバイターたちのおかげで北鮮の懐に回収されたものと考えられている。

 Zoom や AnyDesk といったソフトを噛ませると、米国内にあるPCを、外国から操作できる。それにより、IPアドレスが米国内だと表示されるから、末端の相手は、何も怪しまない。

 しかし、たとえば Zoom の場合、連続24時間以上は、つなぎっぱなしはできない仕様になっている。だから、ホストPCに於いて、それをいったん遮断して、毎日、リセットせねばならぬ。手仕事が必要だ。300ドルは、そういうシステム・メンテナンスの駄賃というわけだ。

 「muling」とは、カネが欲しいアメリカ人が、北鮮の工作員に、社会保険番号やIDを使わせてやって、見返りに小遣い(数百ドル)を得ること。
 こんなことをしてくれるアメリカ人を探すのは簡単で、ギャンブル中毒者のフォーラムに入ればいいという。

 米国には、個人のバックグラウンドチェックをしてくれる SentryLink というサービスもあるのだが、北鮮の偽ID工作は、このチェックを易々と潜りぬけているという。

 米国内でフリーランスの仕事を探している個人を見付けたいなら「Freelancer.com」とか「Upwork」を見ればいい。
 あからさまにそこで「Remote Laptop Management」の仕事人を探している、と募集をかけても、喰いついてくる。イージー・マネーのグレーな仕事であることは瞭然としているのだが。

 北鮮人の雇用主は、おばさんのような中間アルバイターに、だんだんとずうずうしい要求をするようになる。特定銘柄の「腕時計」を買って中国の某宛先へ郵送しろ、といった雑仕事が加えられたりした。北鮮人が直接に入手するのが困難な商品があるのだ。

 次。
 Roman Pryhodko 記者による2025-7-26記事「Latvian Company Wins ●24 Million Contract to Supply Ukraine With Drones Under Drone Coalition」。
  名称非公表のラトビア国内のメーカーが、ウクライナのために、2400万ユーロで、FPVドローンを量産することになった。契約はラトビアの国防省がした。
 総数はすくなくも1300機になるだろう。
 最初のバッチの納品は、この秋からとなる見込み。


すてばちやま。

 Oleksandr Yan 記者による2025-7-25記事「Ukraine Introduces 6-barrel Drone Interceptor」。
   ウクライナの企業「3DTech」社が、こんどは6銃身のインターセプター・ドローンを完成し、デモ飛行させた。「Khyzhak Shooter」と名付けられている。

 「Khyzhak Shooter」は、何度でも帰還しては再出撃ができるクォッドコプター。6連の12ゲージ散弾銃身は、着脱可能なパッケージとして、その機体に取り付けられる。発射の反動は無い。薬室の後方にも等エネルギーの発射ガスを放出させる仕組みだからだ。

 メーカーの人いわく。有線誘導の敵の特攻ドローンをこれで迎撃できますよ。それだけでなく、地上の敵の歩兵も、こいつで銃撃できるのです。

 薬室に装弾される弾薬は、市販の猟銃用弾薬である。水鳥用のショットでも、大粒の鹿ダマでもOK。反動のキャンセル用には、薬室後方に、専用のカートリッヂを取り付ける。これを同時発火させることによって、空中での発射反動は相殺されるのだ。

 反動が無いということは、1銃身だけを単発で発射するにとどまらず、6銃身を同時に発火して斉射させても、あるいは短い間隔で「連射」させても、まったく問題はないということ。

 6銃身ではなく、2銃身に減らして、自重を軽量化することもできる。自重が軽いということは、高速の敵機に対応しやすいということ。最大で150km/時の敵機に対応し得る。

 「Khyzhak Shooter」はすでに最前線に持ち出されて実戦テストされつつある。撃墜する相手は「DJI Mavic」が多いという。

 DJIの軽快モデルに比べると、最近の、光ファイバー・ケーブルで誘導されるFPVドローンは、動きが鈍重なため、むしろ、迎撃しやすいという。

 なお、類似の製品として先行しているものに、「Varta DroneHunter」社製の「SICH」というモジュラー・システムがある。7インチ~15インチのFPVドローンならば、何にでも後付けができる連装ショットガンだ。

 ※ゼレンスキーは25日、最低でも日産1000機のインターセプター・ドローンを国内生産すべし、と発破をかけている。

 次。
 『ディフェンス・エクスプレス』の2025-7-26記事「What Made RMMV HX Trucks Appealing to Ukrainian Logisticians and What Their Critical Flaw Is」。
   ラインメタル・MAN社製の「RMMV HX」トラックは、8×8のすごいやつだ。
 エンジンは1万2400cc.で540馬力を出す。
 「RMMV HX」のファミリーは、すでに2万台以上生産されている。
 英、豪、NZ、ノルウェー、スウェーデン、オーストリー、ハンガリー、デンマーク、ドイツ、シンガポールの陸軍が制式採用。それをウクライナ軍は只で貰った。

 2025-1時点の相場でこのトラックは単価が58万ユーロ。ドイツ軍は3億3000万ユーロで568台を発注したので。

 2022以前にウクライナはこのトラックを買おうかどうか迷った。国内の「AvtoKrAZ」社が廃業してしまったためだ。しかし「RMMV HX」は貧乏国には高額すぎて手が届かなかった。

 ※世界で最初にMRAPを制式装備にしたのは南アフリカ軍だった。その史料は、ネット上のポリコレが邪魔してとても探しにくいのだが、簡単な事実は、メルセデスベンツ社の「Unimg 416~162」のシャシをベースに使ったということ。まず1974年に「Bosvarks」という型が仕上がり、それを改良して1978年に「Buffel」(英語にすれば、バッファロー)ができた。V字状の装甲底鈑の下に樹脂製の、200リッターの燃料タンクと100リッターの飲用水タンクあり。非常に地雷の脅威が高いところでは、タイヤの中にも水を満たした。それによって車重は500kg、重くなるが。米軍は、ポリコレのために南ア軍の膨大な知見をまったく関知していなかった。だから、南ア人が数十年も前から解決済みの問題を、2000年代以降、一から「再発明」する必要があった。その間にどれほどの米兵が無駄に死傷させられたかを、思ふべし。


台湾こそ、新規の原発を建てまくるべきなのである。

 なぜなら、中共がそこを攻撃すれば、とばっちりは大陸沿岸部がかぶることになる。
 いわば「放射能の長城」を構成したと同じことになる可能性がある。

 次。
 Gram Slattery, Tom Balmforth and Shivam Patel 記者による2025-7-25記事「Exclusive: Indian firm shipped explosives to Russia despite US warnings」。
  インドの企業が140万ドル分の爆薬素材(HMX/オクトーゲン)を去年12月にロシアへ売ったことを、通関記録から、ロイターは見出した。米政府はインド政府に、そういうことをするなと呼びかけている最中である。

 買ったのはロシアの企業「Promsintez」社である。船荷はサンクトペテルスブルグに入津した。

 トランプは今月になり、インドがロシアから原油を買うのを止めないなら100%関税をかけると脅している。

 HMXが「デュアルユース」商品だとは誰も思わない。インドは言い逃れ不可能である。

 ※米国内におけるTHAADの年産数は、たったの32発なのだという。「12日戦争」では、これを凌駕する数があっというまに消費されてしまった。ここから新しい可能性が見えてくるだろう。露軍が片道特攻ドローンでやっているように、これからの敵国は、真弾頭をとりつけていない、偽の安価なデコイ弾頭だけを最初から組付けてある、極力安価な地対地弾道弾を、主に守備国のABMを無駄撃ちさせてやる目的で、つるべ射ちしてくると予期せねばならない。

 次。
 Edwin Lyman 記者による2025-7-2記事「Iran can still build nuclear weapons without further enrichment. Only diplomacy will stop it」。
  IAEAは、「ウラン235」が20%以上に濃縮されているウラニウム素材は、追加濃縮なしで、すぐに「核爆発装置」に化けるのだとしている。イランは、60%まで濃縮したウラニウム素材を400kg以上、「12日戦争」の前に持っていた。それが「12日戦争」で破壊されたという証拠は出ていない。

 IAEAは、「ウラン235」を25kgあつめれば、原爆にできると算定する。90%の濃縮だとしたなら、余計な同位体も含めたウラン素材の総重量は27.8kgであろう。

 60%の濃縮度なら、その混合ウラン素材を41.7kgあつめれば、その中に「ウラン235」が25kg、混じっていてくれる計算だ。それだけの素材を適切な「爆縮装置」に仕込めば、核爆発は起こせるのだとIAEAは言う。
 ただし、90%よりも低い濃縮度である場合、より長時間、核分裂反応を一点に封じ込めておかなくてはならず、それは、長崎型原爆よりももっと大型で炸薬量の多い爆縮装置とするしかない。部屋サイズの装置になる。※それを船底に隠してホルムズ海峡で爆発させられるでしょ、とわたしは警告しているのです。

 もうひとつのオプションは、「砲身型」=広島型。広島型原爆は、ウラン235が80%含まれている混合ウラン素材を、重さにして60kg、あつめてこしらえていた。もし、ウラン235が60%含まれているとされる、イランの手持ちの濃縮混合ウラン素材から、広島式の原爆をこしらえるのなら、1発に必要な混合ウラン素材は120kgである。イランはすでに濃縮度60%の混合ウラン素材を400kg、もっているというのだから、いつでも造れるわけである。

 次。
 Shawn W. Crispin 記者による2025-7-24記事「Thai-Cambodia clashes could be death knell for Shinawatra rule」。
   24日、カンボジア軍がタイ領の市街地を砲撃。タイ軍はカンボジア軍の基地を越境空爆した。
 カンボジア軍の砲弾は、中共製である。タイ空軍機は、米国製のF-16だ。

 ※「12日戦争」中にIDF空軍は、600回以上もの空中給油の世話になったという。

 ※平時に味方哨戒機を護衛して飛ぶ小姓役のウイングマンUAVは、味方哨戒機の腹に吊架して離陸し、敵国沖合に近づくところで分離され、親機の主翼下の専用給油ポッドから適時に全自動でドローグ授油されるようにするとよいだろう。有事には、このUAVの代わりに、大型滑空爆弾を吊下できよう。つまり、哨戒=攻撃訓練となる。そうなった責任も、すべて、向こうの危険行為にあるのである。

 次。
 『デイリーメイル』の2025-7-23記事。
  ペンタゴン内部で、ヘグセス長官の解任を要求する署名活動が、5月以降、進展中だという。
 ある職員は、ヘグセスから教会礼拝に出席するよう圧力をかけられているという。勤務時間中に。まあ、その程度の低レベルな軋轢。


イスラエルとイランの12日間戦争のさなか、単価1270万ドルのTHAADを92発も発射したらしい。それは米国の手持ち総量の14%にあたり、補充するのに3年から8年はかかる、と。

 イランから飛来した574発のミサイルのうち258発についてインターセプトが企図され、うち201発の阻止に成功した(=57発は人口密集地に落下した)。そのうちどれくらいがTHAADの貢献なのかは未詳。

 次。
 ストラテジーペイジの2025-7-23記事。
  米国の戦略重爆撃機の概説。
 1938年就役の「B-17」は自重19トン。1万3000機も製造された。ドイツに投下された爆弾150万トンのうち43%は「B-17」が投下した。クルーの戦死率は歩兵よりも高かった。WWII中、欧州上空で8万8000人の米軍重爆クルーが戦死している。そのほとんどはB-17クルーであった。

 「B-24」は8000機が製造された。インド空軍が最後のユーザーで、1968年まで使っていた。

 「B-29」は自重60トン。3900機が製造された。
 これをWWII後に小改良したのが、自重78トンの「B-50」。

 1946年に、自重185トンの「B-36」が就役。たった385機が製造された。冷戦初期の主力核爆撃機。

 1951年に、自重100トンの中型ジェット爆撃機「B-47」が就役。2042機が製造され、1977まで現役だった。

 1952年に、自重221トンの「B-52」が就役。ぜんぶで742機製造され、今も76機が現役。

 1960年、失敗作の中型核爆撃機「B-58」が就役。自重80トン。わずか116機のみ量産され、1970年に退役。

 1997年、自重170トンの「B-2」が就役。21機だけ製造され、いまは19機が動いている。

 自重81トンの「B-21」はもっか、開発中。初飛行は2023年11月。

 次。
 Supantha Mukherjee, Sarah Marsh and Christoph Steitz 記者による2025-7-23記事「Spy cockroaches and AI robots: Germany plots the future of warfare」。
  ドイツの「Helsing」社は、有望なスタートアップ。4年前から、AI利用の軍用ドローンを売り込んでいる。

 ドイツ政府は、2029年迄に、年間の国防費を、今の三倍近い1620億ユーロ=1750億ドル(GDPの3.5%)にまで増やす。メーカーには追い風だ。

 メルツ政権は、兵器調達費用を新参メーカーに「前払い」してやる新制度によって、軍隊御用の入札企業を増やそうとしつつあり。

 武器の新参企業は、いっぽうで巨額の開発費を工面しながら、政府からはすぐに買ってはもらえない「死の谷」を越えて行かねばならない。この濠があまりに深かったので、スタートアップは参入を躊躇するのである。ドイツに関しては、そのためらいは払拭された。


味方の哨戒機を、敵国戦闘機のイヤガラセから護衛するために「ロイヤル・ウイングマンUAV」を活用すべきだろう。

 これからは、公海上空に於ける危険な異常接近行為に対しては No-Tolerance 対応が必要である。
 R/W UAV は、味方の有人哨戒機、電子ISR機の「護衛」役として、ふさわしい。
 UAVの滞空時間が比較的に短いという問題は、有人哨戒機に、ミニ・ドローグによる空中授油機能を付加することで、解決できる。

 次。
 Zephyr Teachout 記者による2025-7-21記事「New York City Has the Power to Bring Down Grocery Prices. All Cities Do」。
   民主党がNYC市長に送り込むゾーラン・マンダニは、食品の小売価格の不公平を是正してくれよう。
 その大胆な構想。市が5箇所の食料品店を直営する。ためしに。
 批判者は、これを共産主義実験だと呼ぶ。

 米国の糧食流通は、少数の巨大小売りチェーンと巨人サプライヤーに寡占支配されてしまっている。しかしNYC当局には、それを打破できる力があるのだ。マンダニは、それを行使する。

 いまの米国の食品小売り価格は、キチガイ沙汰の高値である。なぜこんなに値段が上がった? そこには自由競争が無いのか? じつは、食品流通の中盤より上側を支配している組織や機関がさまざまな術策を弄して、一定価格より安い値段で食品を小売りするような独立の商店を市場から駆逐してしまったのである。あとには、《小売りの砂漠》が拡がっているのみ。チェーン店は残っているが、それらは独立しておらず、自由ではなく、がんじがらめである。ゆえに低所得住民は《食料難民》となり、この大砂漠で放置されている。

 ※むかし、国鉄の「物資部」というところがあり、えらく安かったとみえて、わたしの死んだ母親は、国鉄北長野工場の線路を越えてわざわざ徒歩でそこまで往復をすることが頻りであった。当時は醤油がガラスの一升瓶に入っていた。「物資部」では、それを硬いコンクリートの床に直置き、もしくは、簀の子板の上に並べて売っていた。想うに、今日の「倉庫ショップ」の手狭版といった風情。「おつきの幼児」として買い物につきあわされていたわたしは、それをちょっと持ち上げてみたのだが、再び降ろす際に、力の加減がぜんぜんできずに、瓶の底にヒビが入って、醤油が沁み出し始めた。今ならば「あ~、いいですよ(チッ、この馬鹿餓鬼が)」で、商品を交換してくれるところだろうが、昔は売り手も皆余裕などないから、われわれは、それをそのまま買って徒歩で帰宅するしかなかったのである。ペットボトルを開発した人は、偉いんだよ!

 次。
 Oleksandr Yan 記者による2025-7-22記事「RAROG Used Heavy Incendiary Bombs Against the Invaders」。
    無人機をあつかう「第427 RAROG 独立連隊」が、新式の焼夷弾を「Vampire」大型マルチコプターから投下するようになった。落とす対象は、敵の歩兵が隠れ家に使っている木造の廃屋。投下すると、そのボロ屋根を貫通して家屋内部で爆燃する。ありていは、1.5リッターのペットボトルに「可燃液剤」を充填したものを4本束ねて、そこに少量の炸薬を添えた、集束爆弾だ。

 この方式だと、確実にサーモバリック様の爆発が起きる。
 「Vampire」は運搬力が大きいので、この7kgの集束焼夷弾を、2個吊下して、ホバリング可能。1発目の効き目が弱かったら、正確に、同じ廃屋に、2発目を追加して落としてやれる。

 昨年は、クォッドコプターから、点火済みのテルミット剤を叢林にふりかけるという用法が登場したものだったが、テルミット剤が地面に届く前に空中で半分、燃え尽きてしまうという、非効率が泣き所だった。見た目だけが、派手であった。

 こんどの工夫は、この欠点をなくした。

 次。
 Zakkari Kallenborn に記者による2022-7-25記事「Bring Back the Anti-Rail Landmine」。
   南北戦争中、南軍は、圧力センサー付きの、対列車用の地雷を創作し、2回、じっさいにその破壊に成功している。

 米軍はこの対鉄道兵器を、将来の対露戦争用に、早く復活させなくてはいけない。ウクライナ戦線の後背地における対鉄道サボタージュ活動は、この方向の有効性を疾うに証明している。露軍の補給のネックを直撃できるのだ。

 鉄橋の破壊ならば別だが、ただの線路の爆破だけではすぐに修理されてしまう。重さ60トンの機関車を狙いすまして破壊してやることによって、ロシアの運輸交通に持続的で複合的なダメージを与えるべきである。

 ディーゼル機関車の須知。
 今日のディーゼル機関車は、内燃機関を回してまず発電し、電気モーターで動輪を駆動させている。
 狙いどころは、機関車の床下にある、燃料タンクだ。地上からの距離は1~2フィート。容量は最大で5500ガロン。燃料タンクの上には、V型16気筒(12気筒~20気筒もあり)のディーゼルエンジン、直流または交流の発電機、インバーター、電気モーターを空冷するための空気ブロアーなどがパックされている。

 この燃料タンクに理想的な二次爆発を起こさせてやるには、爆薬は、セムテックス系でいいだろう。
 地雷は、除去されにくくするため、枕木の間に埋めてカモフラージュするべきだ。センサーは、震動・圧力・磁気の複合とする必要がある。また、起爆タイミングは、ちょうど燃料タンクが真上にさしかかったときとなるように調節されねばならない。

 ※ここで提言されているような専用ハイテク地雷について、今日まで、試作品ができましたとか、実験しているとか、そんな話を一切、聞かない。逆にそれは、各国で鋭意、研究開発が進んでいることを示唆していやしないか?