すべてのことは政治である。抑止も政治である。政治的な結末を、敵国指導部に恐れさせなければ、それは抑止にはならない。

 政体の自壊すら起きないことが敵陣営の側から前もって確約されていたならば、敵は抑止される理由がない。

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 Dan Katz 記者による2025-10-7記事「Made In China 2025’s Impact on Chinese Shipbuilding」。
   2015年までに、中国は世界の新規船舶受注の27.6%を受けるまでになったが、技術が未成熟だったので、LNG運搬船や洋上掘削リグなどの高度な商船は無理だった。2019年時点で、大型LNGタンカーを生産できる造船所は1個所のみである。
 コンテナ船も、最大級の船型には対応ができず、中国の造船所で建造されているコンテナ船1隻あたりのトン数は、世界平均の60%未満。

 国策として注力されている分野が、ロールオンロールオフ(RORO)船。2023年10月時点で、200隻の発注が、2023年~2026年の期間に、納入される見通し。

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 Vladyslav Khomenko 記者による2025-10-9記事「Russians Are Testing the AN-2 With an Engine From an Mi-8 Helicopter」。
  ロシアのTechnoregion社は、単発ターボプロップ輸送機の「アントノフ2」の本来のエンジンの代用として、ヘリコプター用のエンジンを搭載する実験をながらく続けている。
 このほど、「ミル-8T」ヘリ用のエンジン「TV2-117」をとりつけた改造機「TR-301/117」の飛行が、ロシア国内メディアによって報道された。

 無理な改造なので、出力は、本来の1500馬力から、900馬力に減じてしまう。
 それでも、チェコ製の「M601」エンジンの720馬力よりは、強化される。

 なお「アントノフ-2」はもともと複葉機だが、それを民間用に設計変更した「TR-301」は、単葉(高翼)の姿である。

 Technoregion社はこれまで、ターボシャフトの「GTD-350」エンジン、自動車用の「ZMZ-409」エンジン、さらにはディーゼルトラック用の「KAMAZ」エンジンを「TR-301」に載せて飛ばしてみた。それらに比べて、「TV2-117」は明らかに有望だという。

 ※ミャンマーの政府軍は、モーター・パラグライダーから手投げで爆弾を投下して、反政府勢力を攻撃中だという。

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 2025-10-8記事「Anduril, Raytheon, and AFRL validate HLG solid rocket motor」。
  空対空ミサイル用のあたらしい固体ロケット・モーター=SRМのテストが進行中。
 アンドゥリル社が開発したHLGという火薬粒の新構造を応用する。射距離を倍増できる可能性がある。
 システム全体の開発プロセスは、レイセオンが面倒を見ている。


海自は与那国島の近くで機雷敷設演習をしたらしい。先週の金曜日に。

 Gary Anderson 記者による2025-10-8記事「How to Deter China」。
  コルビー一派は『孫子』に学ぶべきだ。中共を抑止したくば、MAED=相互確証経済破滅 の戦略を採用すべし。
 中共がもし台湾で戦争を始めたら、中共からの輸出は一切、できなくしますよ、と米海軍が平時から脅かしておく。これが有効だ。連中は輸出依存症で、貿易が遮断されたら中共の下部構造は消滅する。下部構造が消失したら、一切の上部構造はあり得ない。人民解放軍は機能できず、中共中央は人民から恨まれる。是、マル経の極意也。

 海上交通を阻塞すると、米国経済も返り血を浴びるが、米国経済は短期間で落ち込みから回復する。つまり交易途絶のダメージに長く耐えられる体質を持っているのは米国の側であって、石油を自給できない中国は、ジリ貧がドカ貧になって、何もできなくなる。
 中共政体は、人民を専制支配していることの正当化理由として、経済が持続成長することが、絶対の条件なのである。もしスタグフレーションが恒常化すると、中国人民にとってはなにひとつよいことがないので、そもそも中共党の一党独裁は廃止しろという話になる。
 このメカニズムを衝け。中共中央幹部に「戦争を始めると、じぶんたちの末路が悪い」と信じさせることが肝腎也。

 ※コルビー氏はその主著のなかで、米国とその同盟者は、中共のレジーム・チェンジを追求するべきではなく、そのことを最初から公言するべきだと主張している。まったくシナ人がわかってない。シナ人にとってはレジームは何でもいいのである。また、どんなレジームになっても、大陸のあの地理あるかぎり、政府のやることはそんなに変わりはしないのである。ただ、じぶんと血族の「末路」だけが心配なのだ。だから、中共の権力者に台湾侵略をさせたくなければ、台湾で戦争を始めればおまえらの末路が即座に悪くなるんだよと心証誘導するだけでよい。それには「攻撃的機雷戦」が最も安価で人道的で有効なのである。米海軍の奥の院はこれが分かっているが、コルビー氏にはまったくわかっている様子が無いので、兵頭惟うに、米海軍&海兵隊はコルビー氏を冷視しているだろう。

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 Michael Hochberg 記者による2025-10-6記事「Ukraine Must Strike the Russian Shadow Fleet:How to build a blue-water capability fast and cheap」。
  私掠船の慣行を復活させろ。
 ウクライナ政府は、中立港で商船を購入できる。そこで傭兵を手配して、商船を武装させるのだ。
 この私掠勅許商船が、公海上でロシアのシャドー船団を追いかける。そして洋上で遭遇したら、無人兵器でスクリューを爆破して航行不能にしてやる。
 可能ならば、積荷を捕獲してもいいだろうが、そこまでせずとも、シャドウ・フリートが麻痺しただけで、ロシアは音を上げるだろう。

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 ストラテジーペイジの2025年10月8日記事。
  32ヵ国から成るNATOのうち、155mm砲弾を生産しているのは、アメリカ、英国、ドイツ、ノルウェーの企業だけ。
 しょうがないのでウクライナ軍はドローンに依存するようになり、2024年末までに、敵の戦死傷の8割をドローンによって引き起こすようになった。


スーダン政府軍が飛ばしていたトルコ製のアキンジー無人偵察機が、中共製SAMで撃墜された。

 WILL STEWART 記者による2025-10-6記事「Publisher of famous Soviet newspaper Pravda falls to his death from a seventh-floor window」。
  『プラウダ』をソ連時代に率いていたヴャチェスラフ・レオンチェフ(87)が、モスクワ西部の自宅アパートから70フィート転落して死亡した。
 カネには困っていなかった。知人には「地下の億万長者」のような印象を与えていた。
 彼はソ連時代の人々の秘密をたくさん握っていた。
 特に共産党のカネ稼ぎ術について詳しかった。プラウダ社じしんが、ソ共中央委員会のビジネスの中で、収益性が抜きんでていた。

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 Carter Johnston 記者による2025-6-10記事「U.S. Navy Authorizes Buy of 837 Anti-Ship Tomahawk Missile Seekers」。
  対艦攻撃用のトマホークをMSTというが、米海軍はレイセオン社に837発分の最新式パッシヴ・シーカーを追加発注した。これはFMSで海外に売られるミサイル(改修した上で引き渡す)分である可能性もある。

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 Vincent R. Wiggins 少佐寄稿の最新の雑誌記事「The Evolution of Air Defense」。
  スティンガー・ミサイルは、理論上は夜も使用できるが、米陸軍の教育では、昼の視界良好なときだけ発射しなさい、と助言している。
 キーワードはVACA=視覚的航空機認識。

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 Reuben Johnson 記者による2025-10-7記事「The Ukraine War Could Have Been Avoided For ‘Peanuts’」。
  2020年8月のベラルーシの大統領選挙にロシアが干渉してきた時にヨーロッパ諸国が毅然と対抗をしていたなら、西側にとってごくわずかな費用でルカシェンコは退場するしかなくなり、したがってプー之介は増長することなく、22年の開戦プランに進めなかったであろう。ものごとは初動が大切なのである。
 このように主張するのは、当時のベラルーシ野党指導者セルゲイ・ティハノフスキー。

 彼いわく。先日のモルドバの国政選挙に干渉する費用として、ロシア政府は3億ドルも計上したと考えられると。
 彼いわく。2020のベラルーシの選挙結果をルカシェンコに呑ませるためには西欧は5000万ドル使えばよかった。それでウクライナに対する2022戦争は、未然に阻止し得たのだ。なぜならプー之介の妄想の中軸は、ベラルーシ領内から最短コースを南下して3日でキーウを陥れることができるというものだったのだから。

 さいしょにたったの5000万ドルをケチったがために、たとえば今、ポーランドは、5億ドルをかけて国境の壁を強化しなくてはならなくなっている。
 また今後4年間でEUは《再武装》予算として、1兆ドルを使わなければならないでしょう。

 すべては、初動でするべきことをしなかったがために、莫大なツケがすぐに廻ってきているという次第なのだ。

 彼にいわせると、アメリカ人は、モスクワと北京を分けることができるという幻想を信じている。

 ※中露は「相互に利用」する関係にある。互いに利用されていることは理解しており、その上で、自国こそがより巧妙に相手を利用できればよいと考えている。コルビーがいくら米軍のアセットをインド太平洋に集中しようとしても、中露がそうはさせない。

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 Wolfgang Munchau 記者による記事「How Modi outwitted Trump India is turning towards China」。
  PPP=購買力平価 は重要である。PPPで測ればロシアは、ドイツや日本よりも規模が大きい世界第4位の経済大国である。だから、なんぼでも戦争を継続できるとして不思議はないのだ。

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 David Kirichenko and Alexander Motyl 記者による2025-10-7記事「Ukraine’s Drone War Is Crippling Russia’s Oil Lifeline」。
  ロシア市場のガソリンは品薄がひどくなり、多くのガソリンスタンドが閉鎖中。政府が価格上限を課して利益率を維持不可能にしているため、ガソリンはますます多く闇市場へ流されている。一部の地域では1ガロンあたり9ドルで取引されているという。

 BBCによると、1月以降、ロシアの主要製油所38か所のうち21か所が攻撃を受けている。
 民間感覚では、インフレ率は20%くらい。

 プー之介は、ロシアの必要についてトランプを説き伏せることは可能であり、米露関係に集中させることによって、トランプのウクライナへの関心はなくしてしまえると考えていた。
 ところがトランプの方はノーベル平和賞を欲しがっているので、ロシアが停戦しないのが次第に不満になるわけである。

 10月になり、米国はロシア国内の製油所、パイプライン、発電所に関する地理的な標的データを宇軍に渡しているようだ。トランプが9月末に決心した。

 トランプがトマホーク売却を言い出したので、ロシアの諸都市では7日、防空訓練が行なわれた。

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 ストラテジーペイジの2025年10月7日記事。
  ロシアには今、3000両未満の戦車しかなくなってしまった。だから、使い惜しみしている。

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 Howard Altman, Tyler Rogoway 記者による2025-10-6記事「Russian Fiber-Optic Drones Are Now Reaching Into Ukrainian Cities Deep Behind The Lines」。
  光ファイバー・ケーブルでリモコンされたFPVドローンが、都市空襲を始めた。場所はウクライナのクラマトリスク市。戦争前は20万人が住んでいた。最前線からは12マイル。

 光ファイバー・ケーブルのドローン適用はロシアが2024年春に先行し、宇軍がそれに続いている。


宇軍のFPVドローンが、露軍の無人陸戦ロボット(自動擲弾銃+クローラ)を破壊した。世界戦史上、初のケース。

 ウクライナ側では、武装UGVや無人セントリーは、非実用的で、使うことはできない――と結論している。どうやっても味方射ちの危険が除去できないのだ。
 かたやロシア側では、ライフルやMGではなくて、曲射弾道のグレネードラーンチャーならば構わんだろう――という見切り発車をしていると思われる。とっくに中国製品が手に入っているはずの「ロボ犬」の武装版を露側がまだ実戦投入していないのは、それは擲弾発射銃との相性が悪いからであろう。

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 Defense Express の2025-10-6記事「From Light Shows to Battlefield: China’s DAMODA Drone Swarm Launcher Could Turn into a War Threat」。
  中国のメーカーDAMODA、またの名をDМD社が、ドローン・ショー用に、数百の小型クォッドコプターを同時に発進させ、また全自動で回収できてしまう可搬式プラットフォーム・システムを、たったひとつのコンテナとして、実現した。

 地上におろしたそのコンテナのサイド面を開くと、その中から「12壇雛飾り」を水平に長く伸ばす感じでパレットが長々と展張される。
 そのパレット1枚の上に、升目状に54個のリセスがあり、その1個の凹部の中に各1機のドローンが収納されている。
 すなわち、1コンテナ・モジュールのみで、同時648機のドローン・ショーが可能。

 このシステムの優れている点は、ショーの終了後、数百機のドローンが全自動で各々の本来のリセスに着陸するや、即時に「充電」も始まること。これにより、ひと晩のうちに複数回のドローン・ショーを反復可能だという。

 この会社はこれまでに、同時に1万1000機のドローンを在空させて夜空のライト・ショーをしてみせたことあり。

 ※ドローン・ショー用のクォッドコプターにありふれたLEDライトを搭載しているうちはまだダメだ。ここに中華性の、長く照射していると対象が発火するほど強力な――これが通販されているのだからおそろしい――レーザー・ポインターを下向きに取り付けたらどうなるか、想像したまえ。そんなドローンのスウォームに頭上を覆い尽くされたら……? 1945-2の「ドレスデン空襲」をドローンで実行できてしまうんだぞ。いやその前に、熊を追い払うのにこういうのを使って可いことにしたらどうなんだ?

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 Defense Express の2025-10-6記事「Ukrainian Long-Range Drones Strike Tyumen Oil Refinery Over 2,000 km Away ―― A New Record in Deep Penetration」。
  ついにウクライナ軍の長距離片道特攻機が、現在の最前線から2000km離れたチュメニ油田の製油所を空爆した。
 これ以前の距離記録は、2025-8-10のルコイル・ウフタ製油所攻撃で、国境から1700kmだった。

 2000km攻撃ができるとなると、ウラル山地の東麓にあるチェリャビンスク工業拠点も標的にできることになる。核兵器製造工場を、手作りのドローンで破壊できる時代が、遂に到来したのだ。

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 退役海軍大佐 Daniel Breeden 記者による2025-10『プロシーディングズ』記事「This Century’s “Billy Mitchell Moment”」。
  アーレイ・バーク級のイージス駆逐艦には、90基の垂直発射穽があり、タイコンデロガ級のイージス巡洋艦だと、それは122基である。そのすべての垂直チューブに防空ミサイルが填実されると仮定しても、1隻の空母を護衛してくれている艦隊総体として、中~長距離SAMは、最大392発だ。
 じっさいには、トマホークや対潜ロケット、その他の物で、VLSチューブの何割かは埋められてしまっている。

 かたや、このごろのロシア軍は、ひと晩に700機のドローンやミサイルを発射することに、不自由していないようである。これが中共軍だったら、700発の十倍でも余裕だろう。

 米海軍の艦対空ミサイルの「SМ-2」は、1発が200万ドル以上。SМ-3だと、2700万ドル以上。
 それに対して、シャヘド型の無人特攻機は、1機が3万ドルである。そのコンポーネンツは中共のメーカーがロシアに密輸出して与えているもので、ロシアの工場ではエンジンもアンテナも製造しておらず、そうした中共製部品を購入してただ組み込んでいるだけなのだ。

 つまり中共は3万ドルをはるかに下回るコストでロシアの数百倍のシャヘド型ドローンを、南シナ海上で、米空母艦隊に対して持続的に集中することだって、雑作なくできてしまうわけである。

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 Patrick Drennan 記者による2025-10-6記事「Why is China funding the Russian War Machine?」。
  インドの研究機関によると、2024年に中国からロシアへ売り渡された「デュアルユース品」――光学機器、無線送信機、エンジン、マイクロ回路、アンテナ、制御基板、ソフトウェアなど――は40億ドル超。

 レーザー誘導システム、ボールベアリング、火薬もすでに提供中である。

 2025年7月、ロシアは中国に871万トンの原油を販売した。これは中国の原油輸入総量のほぼ「五分の一」に相当した。
  ※原油はガスと違って長期貯蔵が楽にできる。しかも中国はタンカーでしか原油は買わない。ロシア人とパイプラインの商売などしてはならないことを常識としてわきまえているからだ。


5日夜の空襲ではモトルシッチ工場が爆撃された。

 漸くロシアは、ウクライナ領内の無人機製造インフラに対する攻撃が必要だと認識し始めたらしい。敵国の航空エンジン製造工場を優先的に破壊するという戦略爆撃の初歩に、開戦から3年半以上かかって辿り着いた。

 ※ニュース写真で印象的なのは、ウクライナの貨物列車にコープケージがしつらえられていて、それでも無人特攻機にやられてしまっていること。コープケージは爆薬500グラム未満のクォッドコプターは阻止できるかしらないが、50kgから90kgの弾頭を内臓する「終末誘導型ゲラン」の仕事は邪魔されない。

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 Roman Pryhodko 記者による2025-10-5記事「Number of Drones That Flew Into Poland in September Exceeded Official Figure: 21st Gerbera Found」。
  19機だと当初はカウントされていた、9月の無人機侵入事件。その数はもっと多かった。10-4になって、21機めの「ゲルベラ」の残骸がポーランド国内で確認されている。

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 Mike Heuer 記者による2025-10-1記事「China tests effects of successive nuclear strikes」。
  1965年に米軍は、地下85mで4.3キロトンの原爆を炸裂させてみた。敵国の地下構造物を破壊する弾頭の研究の一貫として。

 このほど南京の人民解放軍工学大学の准教授が、このデータを利用してシミュレーションし、ICBMサイロなどの頑丈な地下構造物を破壊するためには、小型の核弾頭を同じところに3連続で叩き込むと、いちばん確実であると結論した。衝撃波の学術誌に発表された。

 5キロトンくらいの低出力弾頭を、同じひとつの敵サイロに対して、3発、地下65フィートで起爆させるのが有利。ずっと大きなイールドのRVを1発だけ地中爆発させるよりも、はるかに巨大なクレーターをつくることができると。

 ※「ミッドナイト・ハンマー」作戦のMOP三連打の成果に刺激された研究が、複数、進行中なのだろう。そのスピンアウトのひとつだろう。それと同時に北京としては、米国のICBMサイロひとつにつき、RVを3個落とせるくらいの核戦力を整備できていない現状では、とても対米開戦はできませんよ、と人民解放軍を洗脳したくなったか。

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 Sunny Lai 記者による2025-10-1記事「Taiwan develops gene-edited plants that capture more CO2, grow faster」。
  植物の遺伝子を書き変えて、二酸化炭素を普通の1.5倍吸収させ、それによって倍速成長させることに、台湾の研究チームが成功した。

 実験植物のシロイヌナズナは、3倍速で成長したという。

 ※ウィキによると、シロイヌナズナはゲノムサイズが小さく、2倍体なので、遺伝子いじりには最適なんだそうだ。


トランプは7月までは宇軍によるロシア石油精製工場空襲を禁じていたのに、8月に心境変化があって、それを解除したと見られる。

 宇軍によるロシア精油所攻撃の回数を経時的に追うと、2024-5と2024-7には8回の攻撃が実行されていたが、2024-8からは回数がガックリと抑制され、特に2024-7月~12月は、月イチのペースにまで下がった。これは大統領選挙の投票日を前にバイデン政権が、ガソリン代が高いことでトランプから攻撃されない用心の、姑息な政治であったと見られる。
 トランプ政権が始動した2025-1にそれが解除され、1月に7回、2月に9回、3月に5回。そして4月にゼロになった。プーチンに操られたトランプがゼレンスキーに対してそれをするなと命じたのだ。2025-7に1回。8月に17回。これは貯めていた長距離特攻機を一斉抛出したのだろう。2025-9には9回。

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 星条旗新聞の2025-10-3記事「Top Air Force commander in Europe will be a 3-star billet as Pentagon trims ranks」。
  欧州とアフリカ地域を担当する米空軍の司令官は、これまで四つ星大将のポストだったが、トランプはこのたび、それを三つ星中将のポストに格下げした。司令部の所在地は、ドイツのラムスタイン空軍基地。

 ヘグセスは今年5月、四つ星将軍の人数を2割減らせ、と国防省に指示していた。

 次期司令官に予定されているハインズ中将は、NATO連合空軍司令部の長も兼務することになるのだが、その場合、欧州同盟国空軍の四つ星大将たちに命令を出すことになろう。

 ※2012年にも、この職を三つ星の地位にしてしまおうとペンタゴンは考えたが、撤回するしかなかった。その理由はたぶん、NATO空軍の合同会議が、なんともやりにくくなるからではないだろうか。しかしトランプは、そこが逆に面白いと思っているのだろう。コルビー構想によれば、欧州正面は欧州諸国の財力だけでそもそも十分に防衛ができるはずなので、これからは米軍がそっち方面で加勢する必要は無いのである。その「やる気の無さ」をまず象徴的に示してやって、逐次に、実態としても、米軍の欧州からの足抜けを図りたいのだろう。

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 Alan Blinder and Michael C. Bender 記者による2025-10-3記事「The Billionaire Behind Trump’s Deal for Universities」。
  Marc Rowan氏はペンシルヴェニア大学の卒業者で富豪である。この前の冬、彼は、同大学はアンチセミティズムとプロ・パレスチナ運動で汚染されたと糾弾した。その時の提言の数々が、現今のトランプ政権による米一流大学攻撃に具現されている。ローワン氏こそが、この分野に関する、陰の政権内参謀長なのではないか。


米海軍次官補にベトナム系の退役大佐が承認された。連邦上院により。

 Vlad Litnarovych 記者による2025-10-3記事「China Launches Construction of Nuclear Supercarrier That Could Rival US Navy’s Largest Warships」。
  大連造船所を撮影した民間衛星の写真をOSINTグループが見て、いよいよ核動力空母の建造が始まったと10月2日に断定した。
 「Type 004」と称される。

 アナリストたちは、排水量を11万~12万トンと推定。
 米海軍の『フォード』級以上か。

 ※ひとつ言えることは、この核空母は2027年には間に合わない。それどころか2030年にも間に合わない可能性が大。低賃金で長時間労働してくれる職工はもう集まらない。とてつもない人件費膨張が、必至だろう。が、それはどうでもいい。肝腎なことは、「004型が未成だから、われわれは米国とは開戦できん」と、党中央が内外に堂々と説明できることなのだ。

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 Susan Ferrechio 記者による2025-9-30記事「How the U.S. military went woke: DEI offices, women in combat and drag shows」。
   負傷した戦友の重さは200ポンドある。それを担いで8フィートの壁を乗り越すことが海兵隊員には求められる。女子隊員にはそれはできない。できないのに、無理に混ぜられている。部隊全体の機能が危機に瀕するしかない。
 これを強制したのは2016のオバマである。今、ヘグセスは、それを2016以前に戻そうとしている。

 女子隊員が戦闘職種に混ざっても構わない。ただし、体力検定で女子枠の「下駄」は履かせない。それだけだ。

 ペンタゴンは、前政権が推進していた、電動AFVの研究も、黙って放棄した模様である。

 ※キャンプ・ペンドルトンでは、AAVの退役パレードが10-2にあった。海兵隊はすべてACVに切り替わる。陸自の水機団は、米国メーカーが製造していない「正面装備」を暫く後生大事に使い続けねばならない。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2025-10-3記事「Why Shooting Down a $20,000 Drone Can Still Cost $35,000」。
  『フィナンシャル・タイムズ』は試算した。Piranha Tech 社製の「Humter」というインターセプター・ドローンは、1機が3万5000ドルするであろう。機体そのものは4500ドルでできるのだが、地上支援器材が1万5000ドルし、射出カタパルトは8000ドル(約118万円)し、支援用ソフトウェア等も8000ドルするからだと。

 要するにドローンの機体本体のコストだけ注目しても総力戦の真相には迫れない。

 また、インターセプター・ドローンは、操縦者にスキルが求められる。レディネス維持のためには、兵員の訓練コストも常続的にかかって行くであろう。

 先日のポーランド領空侵犯ドローン対処では、撃墜されたロシア製ドローンより、そこに向けて発射したNATO軍のミサイルの方が値段が245倍したケースがあったという。
 ミサイルではこの無人機時代に「防空」は持続不可能なのだと認識されているので、西側は、インターセプター・ドローンの開発に一斉に乗り出しているのだ。


トランプ政権は、南米麻薬カルテルとの「交戦状態に入れり」と宣告した。

 Maximilian K. Bremer and Kelly A. Grieco 記者による202510-2記事「Hybrid air denial: The new gray zone battleground raging above Europe」。
   9月9日から10日にかけての夜、19機のロシアの無人機がポーランド領空に侵入した。それをNATO軍戦闘機が撃墜したが、使用されたAAMは1発が50万ドルから100万ドルであった。かたやロシア製ドローンの製造コストは約1万ドルにすぎない。それよりももっとチープなドローンをロシアの工作員や工作船は西欧各地の空港に向けて奇襲的に飛ばすことができる。その都度、空港は閉鎖を余儀なくされて、数万人の旅客と数百万ドル相当の貨物が滞留を強いられる。デブリなどのリスクはすべて、西側に押し付けることができる。

 UAVを用いるこうしたイヤガラセは、仕掛けた側が圧倒的に安全・安価・有利である。だから、敵国としては、やめる理由などまったく無い。むしろ、全資源をそこに傾注して回数を増やすことが、軍事経済的にすこぶる合理的だ。

 ※台湾は各種軍用ドローンをとりあえず5万機年産すると公表している。露軍の「シャヘド型」の主要パーツ(水平対向ピストン・エンジンやGNSS受信アンテナなど)は中共メーカーがロシアに供給中である。ロシアのタタルスタンの《製造》工場とやらがエンジンや電装品について担任しているのは、ほとんどが「最終アセンブル」工程だけなのだ。ところで日本国内では「50cc.原付」の製造が終了している。世界で最も効率的(30km/時定速ならリッター150km)であった、この原付用の内燃エンジン、ほとんどが中共国内の工場でマスプロされていた。つまり中共は、オートバイの「クリーン化」の波とともに遊休化せんとしている旧来形50cc.(+)級エンジンの量産ラインを、片道無人特攻機のエンジンとして、これから転用できるのである。その相手をするのに、年産5万機では、話にならない。桁が2つ、足りないのだ。

 次。
 オバマ政権時に財務長官の顧問だったスティーヴン・ラットナー氏によれば、共和党の狙いはオバマケアを完全廃止することだと。
 これが狙い通りに進むと、来年、2000万人以上の米国人の保険料が爆上がり。また今後10年内に1400万人の米国人は健康保険無しとなろう。

 ※米国は《新・鎖国》に向かいつつあるだけでなく、「この世の地獄」も実験したいらしい。今後、わざわざ外部世界から「地獄」へ移住したいと願う人がいたとしたら、その背景には、「地獄以下」の生活環境があるのだろうと推理して可だろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2025年10月2日記事。
  2004~07年のイラク戦争がたけなわになる前、米陸軍の新兵のうち高校中退者だったのは10%未満だった。
 割合はその後、24%まで昂進した。

 2005年、国防総省は、いまや全米の都市部の高校はひどい状況にあって、そこからは新兵をリクルートできない、と認めるしかなくなった。
 べつに、左翼教師が跋扈していたのではない。どういうわけか、他人とうまくやっていけない、態度の悪い無責任人間ばかりが、輩出してくるようなのだ。

 米国の人口の「五分の一」だけが、非都市部に住んでいる。しかし軍隊が「こいつなら新兵テスト合格だ」と思える青年の半分は、農村地域出身だ。これは奇妙だ。農村部では、生徒1人あたりにかけている教育費が、都市部よりも低額なのだ。

 1990年代以降、アメリカ青年がおそろしくデブになり、17歳から24歳までの3400万人のうちで軍隊で採用ができそうな許容体形の者は950万人しかいなくなってしまった。
 これは、コンピュータ・エンターテインメントが原因だとされている。

 ※ブルームバーグによると、データサーバーのために天然ガス発電所を増やそうとしても、その発電用の大型ガスタービンを供給できるメーカーは3社しかない。すなわちジーメンス・エナジー、GE・ヴェルノバ、三菱重工である。いずれも、受注が増えたからと、おいそれとタービンを量産できはしない。ゆえに、世界の電力がこれから足りなくなることは、ほぼ確定だという。カネモチ国は、メーカーに代金を先払いすることで、優先的に製造&納品してもらおうとしている。最も多数のタービンを買い付けねばならない中国では、国内のメーカーはどこも、300MW以上の出力のガスタービンを生産するノウハウは持っていない。


ポーランドの警備隊は、ベラルーシ国境では乗馬を用いている。車両だと、湿地帯における追跡行動が不自由であるため。

 Carl Benedikt Frey 記者による2025-10-1記事「How America Outcompeted Japan――And Why That Matters for the U.S. Rivalry With China」。
  ※通産省時代の日本は何が駄目だったのかに関する、目の醒めるような総括エッセイだ。この記者さんはオクスフォードでAIと労働について教えている准教授であり、『How Progress Ends: Technology, Innovation, and the Fate of Nations』(540ページ、2025-9刊)という最新の単著もある由。この記事の全文は、みなさんが各自でAIに訳させて読むべきであると私は推す。しかしすげえ時代になった。一身にして二世を生きるとはこの感覚か。

 次。
 Brayden Myers 記者による2025-9-29記事「Is This Even Capitalism Anymore?」。
  もともとの私企業を、政府が後から経営容喙権を握り、指揮・統制し、その私企業から「アガリ」を収穫するという、とんでもない時代に米国が移行しつつある。ほんらいこのような社会主義には共和党が反対してきたものだが、今、起きていることは、まさにその共和党が、統制国家主義党になっちまっているということなのだ。

 ※おそらくだが、関税はうまくいかぬと悟らされるや、次のゴリ押しの「プランB」として、米政府が有望私企業の《陰の胴元》になりおおせて収益の1割もしくはそれ以上を直納させ、政府財政赤字の削減に貢献せしめるというネオ統制資本主義を、これから試すことになるのではないか?

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 Oleksandr Yan 記者による2025-10-1記事「Russian Shahed Drones Begin Striking Moving Targets」。
  最新の「シャヘド236」は、夜間も有効な光学センサーを搭載し、なんらかの空中無線中継手段により、国境の向こう側からリアルタイムでリモコンされながら、国境の150kmこちら側の鉄道(石油タンク列車)を正確に自爆攻撃しつつあり。対シャヘド用の有人ヘリコプターにも向かってきたという。

 イランとロシアが交わした文書によると、「シャヘド236」の売値は約90万ドル。すなわち、2022年に「シャヘド136」の代価としてふっかけた19万3000ドルよりも遥かに高額だ。


<正論>無人自爆機の「無限量」応酬時代/軍事評論家・兵頭二十八
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欧州諸国軍の高射部隊がちょくせつにウクライナ西部に展開して、そのあたりを「ノー・フライ・ゾーン」にするという構想が今、話し合われているという。

 Jennifer Kavanagh 記者による2025-9-30記事「Russia likely laughing off Trump’s ‘open door’ to Tomahawks」。
  ロシアに対して、トマホークの「口だけ」脅しなど、効かない。トランプ政権のいつもの宣伝は、ロシアから嗤われている。

 トランプ政権がおそらく理解すらできていないこと。
 トマホークは、それを発射するための、たいへんに複雑で高額な「システム」を、一体の使用環境として欠かすことができない。
 今回米国は、欧州がトマホーク・ミサイルを買って、それをウクライナに渡せばいいという。だが、「システム」抜きなら、そのミサイルを、ウクライナ人は、発射することすらできやしないのである。
 では欧州は「システム」も買ってウクライナに渡せるのか? できるわけがない。それはとてつもない超高額であり、しかも、NATOの秘密がギッシリ入っているからだ。

 とうしろうのゼレンスキー大統領は、前々から、トマホーク・ミサイルを要請し続けている。
 彼は軍事のとうしろうだから、それは無理はないとして、トランプ大統領がこの要請を真剣に検討したのには、世界は驚くべきだ。

 プーチンは、ウクライナがトマホーク・ミサイルを得るという話は空想的で、軍事的現実から切り離されていると、はっきりと理解している。
 現状、トマホーク・ミサイルは、イージス型駆逐艦、米国の攻撃型原潜、米国のそれ専用のミサイル原潜、「タイフォン」という地上発射装置のどれかから、発射できる。ウクライナはこれらの能力を何一つ持っておらず、それを得るための障壁はバカ高い。

 まともな海軍をもっていないウクライナに、イージス艦の保有は無理である。
 「タイフォン」大隊は米軍にまだ2個しかない。1個はアジアに貼り付けられる。1個はドイツに展開するともいう。米軍にすら、足りない。そのうえ、とにかく最新式なので、ウクライナに売れるわけがない。

 トマホークは、米国内の工場で、1発を製造するのに2年かかっている。年産数は200発に届くかとどかないかというレベル。無駄に他国に提供できない。米国の総備蓄量は4000発以下と推定されている。これを米政府は紅海において、フーシ派に対する無効な政治ショーで数百発も無駄にさせてしまった。ペンタゴンは今はこのミサイルを節約したくてたまらない。

 アメリカ合衆国はこれまで、オーストラリア、英国、デンマーク、日本といった緊密な同盟国にのみそのミサイルを販売してきた。現時点では、イスラエルでさえトマホークの購入は許されていない。最新バージョンの残骸がロシアの手に渡るリスクを、米国は冒さないであろう。

 ※9月29日に米海軍は『USSオハイオ(SSGN-726)』をスビック湾でメディアに公開した。154発のトマホークをつるべ射ちできる専用原潜。

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 Virginia Allen 記者による2025-9-29記事「China’s Motivation to Keep the Russia-Ukraine War Going」。
  ポーランドのシコルスキ外相は、「この戦争で実際に停戦を強制できるのは中国だけだ」と考えている。
 しかし中国の方には、そんなことをする理由がまったくない。

 デイビッド・ペトラウスは、シコルスキと違って、北京には何も期待せず、代わりにもっと実効的な提案をしている。それを、欧州が採用しそうであるという。

 すなわち、欧州連合(EU)が欧州の銀行に保有している約2500億ドル相当のロシア準備金を、債券に換える。この債権を原資として、ウクライナは戦費を借りる。ロシアがウクライナに賠償金を支払うまで、ウクライナはそのカネを返還しなくていい。そういう制度。

 このカネで、インターセプター・ドローンを量産すれば、ウクライナは都市に対する連夜の「シャヘド」空襲を今後も凌いでいける。
 他方で西側が、ロシアから石油とガスを一滴も輸入しなくなれば、ロシアは金欠となり、ロシア軍が仕掛ける空襲の規模は逐次に縮小されて行く。

 ロシア政府の軍事予算要求はこのほど、はじめて、前年度より縮小されている。

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 Vladislav V. 記者による2025-9-29記事「Swedish Politicians Talking About Creating Own Nuclear Weapons」。
 「スウェーデン民主党」の党首ジミー・アケソンは、今年の3月、同国が核武装をオプションとして検討しなくてはならないと意見表明した。

 「キリスト教民主党」の内部からもその賛同者が出ている。

 ポーランドのトゥスク首相も、ポーランドが自国の核兵器開発を検討する可能性を示唆している。

 スウェーデンには原発が6個所ある。総発電量の三分の一近くが原発。ただし過去40年、原子炉の新設はしてない。
 1950年代、同国は極秘裏に、61トンの爆薬でインプロージョン・テストを実行するところまで、原爆開発を進めていた。
 米国がこれに気付き、そのプロジェクトを止めさせた。代わりになんらかの秘密保障を与えたのだと考えられている。

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 昨日、「資料庫」にUpしたインド鉄道プロジェクトの報告者・ステフェンソンとはどういう人なのか。
   ウィキ等によると、インドに鉄道を敷いた男。それまで、インドに鉄道は皆無だった。それが、ペリーが浦賀に来る少し前までのアジアの陸上交通の風景だった。

 生まれは、銀行家・兼・政治家の長男。
 ハローで教育は受けたが、父が破産し米国に逃亡。ステフェンソンは鉄道技師になることにした。

 東インド鉄道会社の経営社長となり、妻子、および弟とともに1849にインドに渡り、ただちにカルカッタから鉄道を敷き始めた。
 1856に叙爵されているから、大成功した人生といえる。

 彼は、1959と1964に清国でも鉄道を敷こうとしたが、清国政府に拒絶された。九龍~広東と、香港。(この報告書もPDFで手に入る。)

 ステフェンソンが書いた、鉄道に関する報告書は、多数ある。

 インドでは6本の線を開業させた。
 1855年に最初の121マイルが開業した。カルカッタ~デリー。
 ボムベイへつながる支線。
 ハイデラバードやマドラスにもつなげた。バンガロール、カリカットへも。

 ステフェンソンはインド人のための鉄道技師学校を始めてつくってやった。カルカッタに。

 1856に身心疲弊しロンドンへ。そこで医者から、二度とインドに戻ってはダメだと警告されて、戻れなくなった。

 マドラス鉄道は、インド南部の鉄道会社である。
 1856にマドラスと、東西海岸を結びつけた。

 大量物資、大量人間を、比較にならぬスピードで、長距離運搬した。
 鉄路を建設するにあたっては、インド政府に配当を約束した。4%以上。

 ちなみに、マドラスは東海岸にある。セイロン島の上。ムンバイは西海岸にある。カルカッタはベンガル湾に面している。はるか北。デリーはネパールやパキスタンに近い、超奥地。北方。

 この人には、鉄道技術の《基礎の基礎》を門外漢に解説してくれる、丁寧な入門書がある。『The Science Of Railway Construction』(1869)。これもミシガン大学図書館からPDFでダウンロードできる。わたしは英文のままナナメ読みしたが、絵入りで、ためになった。これが、日本が開国する前の最先端の知見だったのだ。ということは、この文献を明治前半期の多くの日本の鉄道テクノクラートも、読んだのではあるまいか? しかしこのたび、インド鉄道の報告書の方を優先して全訳してもらったのは、わけがある。おそらく「満鉄」の初期のプランナーたちは、インドの鉄道事業から、すべてを学ぼうとしたに違いないのだ。文献の中に、ヒントがあるかもしれない。