レバノン政府は木曜日から、トランシーバーやポケベルを、ベイルート空港発の民航機内に持ち込むことを禁止した。

 ロイターによると、これらの製品を、航空便荷物として送ることも禁止される。

 ※ある英文報道のイラストはこう説明しているようだ。ページャーの内臓電池の隣に細かいボールベアリングを詰め、さらに、20グラムの爆薬を仕込む。これらはページャーの組み立て工程の途中で細工した。9-17の深夜未明の午前3時半、「ERROR」という文字がページャーに表示されるとともに、着信を知らせるバイブレーションが起きる。ページャーの携帯者が、このバイブを止めるためにキャンセルボタンを押す。キャンセルボタンは四角いポケベルの右下にあるので、右手の親指で押すのが自然である。すると爆発が起きる――。そんな仕様だった、と。しかし別報道では、爆発は時限式で、組み立て時にタイミングが決められていたとしている。証拠ビデオのひとつは、ポケベルを手に取る前に爆発しているようにも見える。

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 Reuters の2024-9-18記事「What is Israel’s secretive cyber warfare unit 8200?」
   イスラエルには「8200部隊」と称されているサイバー戦の機関があって、このたびの時限爆発ページャーは、そこが製作を指揮したと疑われる。

 「8200部隊」は、米国のNSAと同じ仕事をする機関だという。表向きはイスラエルの国防省の内局。
 もとをたどれば、1948年に組織された、暗号解読班であった。

 2005年にイランの核濃縮工場にマルウェアの「Stuxnet」を送り込んだ工作、2017年にレバノンの国営電話会社の「Ogero」をサイバーアタックした工作、2018にISが豪州→UAEの民航機を攻撃しようとしたのを阻止した作戦なども、「8200部隊」が暗躍したという。

 「8200」機関の長が昨年、語っている。ハマスを見張るのに「AI」を活用していると。ただし2023-10-7の失態は覆い難く、機関の長(前任)は辞任している。

 「8200」機関員は、十代後半から二十代前半の、ITが得意であることを現に示しつつある人材が、一本釣りでリクルートされるという。大卒ではない、現役高校生でも、いっこうに構わない。IT企業にすでに就職している者は、特に高く評価される。というのは、サイバー作戦は、ハイテク系零細スタートアップ企業内の雰囲気とよく似た、少数精鋭者の創意の結集が求められる世界なので。

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 Jon Harper 記者による2024-9-18記事「Navy CNO unveils ‘Project 33’ with a heavy emphasis on robotic systems, information dominance」。
   米海軍作戦部長のリサ・フランチェッティ提督が水曜日に公表。「プロジェクト33」と称し、2027年までに太平洋艦隊をロボット化し、中共との戦争に遺憾なきを期す。

 この上位概念として「レプリケーター」イニシアチブがあるが、そちらはペンタゴンとしての指針。


《狩猟のテーマパーク》が、北海道で可能なのではないか?

 なにしろ土地はありあまっているんだから、のびのびと企画したらいい。

 マンモス狩りの槍投げ&石落とし体験(もちろんロボット使用)。
 吹き矢でジャングル内サバイバルする体験(もちろん擬似)。
 動物の着ぐるみを着て、罠にかかる体験(もちろんフェイク)。

 レーザー猟銃でホログラム野獣を撃ちまくるトロッコ・ツアーや、ジップライン・ツアー……などなど。

 人々に遊んでもらいながら、リアルの狩猟術や法令にも関心を高めてもらい、教育・啓蒙の社会効用をも期待する。

 こんなコンセプトなら、客を飽きさせることがない。オールシーズン、幾度でも訪れよう、という気にさせるじゃないか?

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 Stephen Farrell, Sharique Nasim, Seham Eloraby, Joe Bavier, Zoe Law, Vanessa Balintec, Deborah Kyvrikosaios, Rupam Jain and Kylie Maclellan 記者による2024-記事「Attacks in Lebanon: First pagers, now walkie-talkies」。
   レバノン国内で、こんどは日本製のトランシーバーが同時一斉に爆発。水曜日に。ヒズボラの14人が死に、450人が負傷。

 火曜日に、ページャーが3000台、一斉爆発したのに続く、イスラエルの反撃だ。

 トランシーバー爆発が報告された場所は、ベイルート郊外(レバノン南部)と、ベカー高原に、集中しているという。

 ロイターは、「メイド・イン・ジャパン」および「ICOM」というラベルが内側に貼られた、ウォーキートーキーの、爆発後の残骸写真を、報道している。

 このトランシーバーをヒズボラは5ヵ月前にまとめ買いしたという。それと、ページャー(ポケベル)の大量購入は、ほぼ同時期であったという。

 ページャーは、かつて海外では「ビーパー」とも通称された。「ビー」という音を鳴らして、メッセージがあることを知らせるデバイスだったので。

 携帯電話の大普及後も、救急隊員とか、ヘルスケア関係者の世界では、ページャーが重宝され続けてきた。殊に、その電池が長持ちし、いつまでもバッテリー切れの心配が無いところは、卓絶した長所であった。

 巨大病院の医師と看護師に持たせておくのにも、ページャーは最適だ。というのは、大病院では、厖大な人数の職員に対して、同時一斉に緊急メッセージを送信し、その返信は要求しないという「放送」を、ページャーを使って静かに確実にできることが、この上なくありがたいわけ。もちろん、特定少数の人に、「すぐに某地点へ行け」と指図するときも、ページャーを使えば手際がよく、確実である。

 ※余談だが「page」という名詞はこの場合、頁ではなく、「案内人」のこと。たとえば薄暗い大劇場内の指定座席がどこにあるか、客の先に立って案内をしてくれる人。髪型の「ページ・ボーイ・カット」とか、「ジミー・ペイジ」の姓も。もともとは王宮の小姓から発した職称なのだろうと想像す。

 爆発したページャーは、ブランドは台湾の新北市にある会社「Gold Apollo」だが、同社はライセンスを売っただけで部品を製造していないという。ライセンスは、ブダペストに本社がある「ABC」というハンガリーのメーカーに供与したそうだ。

 このたび爆発したのは日本のアイコム社の「IC-V82」というトランシーバーらしい。ただし、当該製品は2014年に生産を終了しているという。

 ※想像するに、イスラエルの海外工作機関がそれを集めて細工をし、バッタ屋を経由してヒズボラに格安で卸してやったのか?

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 Deborah Haynes 記者による2024-9-18記事「Exploding pagers: How Israel is suspected of using technology against its enemies」。

 一専門家いわく。ページャーの中に仕込める爆薬の量は、1オンス(=28.35グラム)~2オンスだろう。
 ※それは多すぎるでしょう。手榴弾並だよ、そんなの。動画の爆発は、そんなにデカくない。数グラムじゃないのか?

 1972年、パリ市内で、PLOの代表であったマームード・ハムシャリが、電話機に仕込まれた爆薬の遠隔操作起爆によって、殺されている。

 ※有線電話の受話器内に爆薬を仕込んでおいて、相手が電話に出て話している間に特殊信号音を送って起爆させるという映画の表現があったはず。残念なことに、それを最初に映像化したのは何というタイトルで何年のことか、わからぬ也。おそらく、1972年よりは後の作品だと思う。

 1996年に、ハマスの爆弾細工人 Yahya Ayyash が、携帯電話の爆発によって死亡している。つまりイスラエルにとって、こうしたデジタルリモコン爆殺方法は、目新しくない。

 2000年には、ファタハの活動家、サミー・マラビが、カランディア難民キャンプ内にて、交話中の携帯電話機が爆発して、頭を吹き飛ばされて死んだ。

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 Avi Cohen 記者による2024-9-18記事「Former IDF chief of staff, defense minister was target in terrorist plot」。
   水曜日にイスラエル警察発表。2023年9月に、イラン製のクレイモア爆薬が爆発。場所はテルアビブ市内のヤルコン公園。前のIDF参謀総長にして国防大臣であったモシェ・ヤーロンを狙ったと考えられる――と。

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 2024-9-18記事「Register of electronic military summons launched in test mode in Russia」。
    ロシアでは「招集令状」を電子化する試みがスタートした。本格実施は11月1日だが、それに先行して。

 充員招集の年齢上限はすでに30歳となっている。電子赤紙を送られた者は、慌ててロシアから出国しようとしても、空港で自動的に弾かれて捕まる。


日本で「ポケベル」が廃れたのは、犯罪集団が多くないことと関係があっただろう。ただ、これからは分からないぞ。

 SETH J. FRANTZMAN 記者による2024-9-17記事「Hezbollah’s worst nightmare: Chaos in its ranks」。

 ヒズボラは、集団内で規律の確立されているエリートのテロ・グループで、効果が低くて損失の多い、あるいは無目的に見えるテロには、ほとんど関与しない。その成員のリクルート活動も、一粒選りである。

 ヒズボラは1980年代にレバノン内で旗揚げされ、今に至る。
 そのヒズボラを大混乱させる、イスラエルの秘密作戦が17日に発動された。

 ポケット携帯式の電気的な連絡機器である「pager」〔日本のポケベルをイメージすべし〕に、爆発物が製造段階から仕込まれており、それが、イスラエルからの暗号電波コマンドによって、一斉に炸裂したようだ。

 ※日本ではポケベルは廃れ、食堂の呼び出しデバイスにその残影を見るのみだが、海外では仕事人の広域連絡用に高性能品がまだいろいろ売れているようだ。アマゾンでページャー商品を検索して最初に出てくる255ドルの米市場向け製品の場合、液晶に84文字まで表示される。もちろんリチウム電池入り。この電池をちょっと削ってその容量を爆薬に置き換えればいいわけだ。あるいは、ふつうのリチウム電池に見えるが中味の半分が爆薬成分であるような特殊電池をイスラエルは開発したのか?

 偶然、ある男がポケットからページャーを取り出したところ、それが手の中で爆発するシーンが、ビデオに映っているという。
 ※ということは、まずポケベルを鳴らし、所持者が、何の用だろうと思ってそれを手に取ったタイミングで轟爆が起きるように考えているのか。意図的に、敵人の利き手を吹っ飛ばしてやろうという魂胆。

 レバノン内の複数の病院内を撮影した動画がSNSに出回っている。急患たちの多くは手の一部が欠損している。その他にも、足、腹部、顔面に負傷した者、多数。

 片手に重傷を負ったヒズボラ・メンバーは、今後は活動がやりにくい。その手の傷を、みとがめられてしまうだろうから。

 ヒズボラは、直近11ヵ月間のイスラエルとの戦闘で、メンバーをすでに450人ほど、殺されている。もともと少数精鋭集団なので、この損失は、痛い。

 非合法活動集団は、普通のスマホを使ったら当局に簡単に監視・盗聴されてしまい、なにもかもバレバレになるので、仲間内だけで秘密の連絡をしやすいポケベルを配ることが、よくある。生き残っている麻薬ギャングも、そのようにしている。

 ヒズボラは、2005年に、元レバノン首相であったラフィク・ハリリを暗殺した。それがヒズボラの仕業だと特定できたのは、電話の記録が残っていたからであった。これを教訓にして、彼らは大事な相談では電話を使わないようにしたのである。

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 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2024-9-17記事「Hezbollah’s Exploding Pagers Could Be As Monumental A Cyber-Espionage Operation As Stuxnet」。
    駐レバノンのイラン大使、Amani氏が、なぜか、病院にかつぎこまれた。どうやら、ヒズボラと直に連絡するためのポケベルを所持しており、それが爆発した模様だ。
 ヒズボラのバックには国家としてのイランがあったことを、端的に、世界に示してしまった。

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 Boyko Nikolov 記者による2024-9-17記事「Novaya Zemlya test site is ready for a nuclear explosion」。
   ノバヤゼムリャ島の核実験場の管理責任者が、水爆実験の準備ができた、と声明している。
 前回の実爆実験は、1990年10月24日だったが、またやる気らしい。


《カミカゼ》を学び直す――長射程の対艦UAVは、どのようなコンセプトでなければいけないか?

 並木書房さんから強烈な力の入ったハードカバーの新刊が出た。ロビン・リエリー氏著『日米資料による 特攻作戦全史』。
 このジャンルの集大成的決定版資料ではないかと思われるゆえ、いずれふさわしい方々が本格的な書評・註解をなさるに違いない(昨年の『米軍から見た沖縄特攻作戦』との違いも含めて)。

 小生は、速読の結果、来たる対支防衛戦――おそらくは同時に台湾有事でもある――に対処すべき《日本版レプリケーター》の戦果を左右するかもしれぬ重要ポイントを、本書のおかげで改めて整理し得ました。

 卒爾ながら、それを列挙しておきます。

 ◇九三中練のような、木骨羽布張りの旧型練習機は、レーダー被探知距離が6km台と短かっただけでなく、AA砲弾のVT信管が作動しないで通過してくれるので、165km/時の低速しか出せなかったのにも拘わらず、しばしば被撃墜を免れて、小型艦の回避機動にも能く追躡し、著功を挙げている。たとえばDDの『カラハン』をみごと撃沈。

 ◇いやしくも可動するエンジンならば何でも取り付けて送り出せるように考えた中島キ115「剣」のコンセプトは、今日のレプリケーター特攻機にも使えるはず。離陸後投棄される降着装置や、突入寸前に翼面積を最小にして着速を増大させる工夫なども。

 ◇濃密な米海軍の防空網を突破して艦艇への突入を成功させるための最善の分散法は、とにかく「多方向」からアプローチするようにすること。

 ◇艦艇からのAAが弱くなるアプローチ方位は、艦尾方向だということは、日米両軍でよく理解していた。

 ◇当時のAAの機械的限界のため、艦艇の真上をウロウロし続け、まっすぐ降下してくる日本機は、CAPが追い払わないかぎり、対処できなかった。たとえば40ミリ機関砲は給弾が人力だが、砲身が90度上を向いていると、給弾が無理。

 ◇艦艇側では、雨で視程が不良の夜が、最もくつろいでいられた。ぎゃくに月明の夜は、最悪だった。カミカゼ側としては、雲隠れを利用しやすい雨天の昼間がいちばんありがたかった。

 ◇AAのタマに曳光弾を混ぜすぎると、カミカゼはその曳跟軌跡を辿ることによって敵艦の位置をすばやく見定めてしまう。僚艦のAA射手も、派手な曳光弾の行き先にばかり注意が向いてしまう。

 ◇航空エンジンは製造工場において15時間もの回転試験が必要だが、1944以降、そのために必要な燃料が日本国内で涸渇した。

 ◇陸軍の「マルレ」(韜晦呼称「連絡艇」の略号)は、フィリピン戦が初陣だが、海軍の「震洋」以上に大活躍している。ただし、爆雷投下後、敵艦から離れていく段階で、多くが火器の良いマトになった。

 ◇「震洋」は、メインの起爆システムが電気式であったため、迷走電流などで、海辺のトンネル倉庫内でよく自爆事故を起こした。後知恵はこうだ。メインの衝突起爆はメカニカル雷管とし、サブの自爆手段として電気もしくはケミカルバルブを備えておくべきであった。

 ◇「回天」の起爆機構は、メインが慣性衝突信管で、サブが、搭乗員が手動で作動させる電気信管。

 ◇「回天」は、針路を定めるときに深さ1mから潜望鏡を上げたが、そのあとは5mまで潜り、潜望鏡無しで衝突する。

 ◇サイパンの日本軍守備隊は、アルミの航空機用増槽を「ミジェットサブ」に改造した。実物写真あり。

 ◇カミカゼは、遅くとも10月26日には、敵艦へ一直線ダイブする途中ずっと、機銃掃射をし続けている。以後、それは常套行動となり、珍しくない。

 ◇リバティ船よりさらに大型の「ヴィクトリー船」という戦時標準型輸送艦を米軍は44年以降、534隻建造した。全長139m、15ノット。(ちなみにこの前ご紹介した最新の「HIGH BULK 40E」型貨物船は183mで13.6ノット。)

 ◇カミカゼ攻撃の矢面に立ったのは、LCTやLSMのような、艦名が数字でしか表されない、無名の輸送艇だった。こうした船艇が、ガソリンや弾薬を手分けして補給していた。

 ◇遅くとも12月30日には、カミカゼ特攻機は、艦艇に命中する寸前のタイミングで、吊下している爆弾をリリースする小技を採用していた。これにより爆弾にはブレーキがかからずに、鋼鈑デッキを何層も貫徹できる。この分離衝突方式はとても効果的であった。今日の対艦攻撃用の自爆型UAVも、衝突コースの最終段階で兵装を分離するのがよいかもしれない。それで敵艦のAA用レーダーに負荷をかける効果もあるはずだろう。

 ◇遅くとも45年1月8日のパラオ諸島以降、「遊泳特攻」戦法が、機会のあるかぎり採用されていた。伏龍のような本格的なスーツを着用せぬ泳者によるもの。

 ◇LSTの舷側の真下までやってきた「マルレ」をLSTの自動火器は射撃できない。俯角に制約があるので。「マルレ」が逃げて離れて行く段階で、ようやく、射撃できるようになる。後知恵。マルレは「煙幕」を張りながらUターン避退できるようにしておいたら、合理的だっただろう。

 ◇救命胴衣は、紐を結ぶ方式ではいけない。被弾船の乗員は手に大火傷をしていることがあるので。

 ◇遅くも45年1月21日には、日本機は、帰投する米機の後ろからゆっくりと追躡することによって、敵艦のレーダーエコーの上で、あたかも米機であるかのようにみせかけるという、巧みな欺騙アプローチ術を会得している。

 ◇護衛空母『ビスマーク・シー』の教訓。下層甲板に格納する飛行機からは、めんどうでも必ずガソリンを抜いておかないと、それが被弾を致命傷にまで拡大してしまう。

 ◇回天よりも「マルレ」の方が活躍している。桜花よりも、練習機や九七戦ベースの低速特攻機の方が多大の戦果を挙げている。これらはそっくり、「レプリケーター」の「仕様」にかんして、よく考えるべき教訓だ。

 ◇新田原が米機から空襲されそうになると、所在機は、朝鮮半島の群山飛行場まで一時疎開した。

 ◇駆逐艦『ゼラーズ』の戦訓総括。同時2機のカミカゼは、撃退できる。しかし同時3機となると、1機はかならず透過して来る。

 ◇ヴィクトリー船のキングポスト(自前クレーンの主塔)は、カミカゼ機が命中しても、倒壊したことなし。

 ◇5月4日以降、沖縄で、手漕ぎ船による肉薄攻撃が催行されている。武器は手榴弾。それに比して大発は、案外、特攻の道具としては顧みられていなかった感じ。問題は、音で気取られないことか。

 ◇4本煙突の旧式駆逐艦を輸送船に改造したものは、泊地でカミカゼに狙われると、とっさに身動きもかなわず、防禦するのはお手上げであった。こういう旧いアセットを最前線まで持ってきてはぜったいにいけない。

 ◇大本営は、米軍の九州上陸作戦は輸送艦艇1000隻でやって来ると正確に予想。その半数の500隻を撃沈するためには、特攻機が3000機必要である、と計算していた。

 ◇200kg以下の投下爆弾や爆雷の、アンダーキール炸裂が、水上艦を1発で廃船にできることは、沖縄戦のさなかに、複数の偶然の事例から、知見が得られた。今日の「クイックシンク」の淵源。

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 ストラテジーペイジ の 2024-9-16記事。
   現況、最前線のウクライナ軍は、露軍占領エリア内に縦深20kmまで、自前のFPV自爆ドローンを送り込める。
 「有効射程」ならぬ「有効ドローン覆域」が20kmと表現できる。

 このため最前線の露軍将兵は、飲用水すら前送されてこなくなってしまって、困っている。

 クォッドコプター型のFPV自爆ドローンは、双方とも、1機のコストが500ドル。
 ただしこれはサーマルビデオを搭載していない型で、夜間作戦用にナイト・ヴィジョンをとりつければ、単価は2倍以上になる。

 1機が搭載する炸薬量は500グラムほどだ。

 当初イランはロシアに「シャヘド136」を1機20万ドルで売った。
 しかしウクライナのエンジニアは、巧妙に設計すれば、等しい性能の自爆固定翼ドローンを、2万ドル未満で生産できると考えている。

 ドローンは空軍の仕事も変えた。
 かつてはBDA=爆撃加害評価 が空軍にとっては大仕事だった。自軍機が投弾した後からふたたび写真偵察して、爆撃の効果がどれくらいあったのかを判定しないことには、次の手が決められなかった。

 2002年から米軍がアフガニスタンとイラクで始めた「テロとの戦い」ですら、WWII式のBDAが不可欠だった。

 それが、2022~のウクライナ戦争では一変したのである。ドローンが、BDAを即時にやってくれるから。

 それ以前であれば、確定的なBDAには、人間の地上偵察員を現場まで派遣する必要があった。
 しかしいまやドローンが、人の代わりに、建物の敷地内や、トンネル内をすら、覗き込んで調べてくれるのだ。

 次。
 Josh Luckenbaugh 記者による2024-9-16記事「Startup to Produce Energetic Materials With 3D Printers」。
   テキサス州にある「スーパーノヴァ」社はこのほど、3Dプリンターを使って、軍用レベルの新火薬を量産する道に目途をつけた。

 粘性がふつうの100倍もある樹脂を、立体リソグラフィーに使えるようにした。

 もともと3Dプリンターは、粘性の高い素材とは相性が悪い。会社は、その壁を乗り越えた。

 エネルギー・レベルの高い爆薬のような粉体に、光硬化性の結着媒体を混ぜる。かなりの粘性となるが、その混ぜ物には、いささかの気泡も生じさせない。これを3D出力して造型し、そのまま紫外線で硬化させる。

 たとえば、無弾頭の紙飛行機と見えても、じつは、機体素材全部が爆発物である、そのような造型。

 3Dプリンターを使えるということは、最前線でもこれを量産できるわけだ。

 また、最先端のロケット推進剤を、いきなり複雑巧妙な立体構造に、固化させてやることもできる。

 ミサイル弾頭も同様。特別な対戦車弾頭を、アイスクリーム工場のようにオートメーションで量産できる。革命だ。

 ※HEAT弾頭の正面のコーン状空隙は、ただ空気を入れておくのはスペースがもったいないから、たとえば酸化剤を不活性物質の樹脂バブルで封入したもの等を、充填してはいかんのだろうか? その特殊な樹脂を、特殊3Dプリンターで製造することができるのではないか?

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-9-16記事。
   米国はウクライナに対して、米国から供与した特定の兵器を、どこに対して使ってはいけないか、事細かに注文している。じつはその注文のおおもとは、ロシアの国防大臣から米国の国防長官に対する直通通信によって、さいしょになされているものだ。米国政府は、ひたすらにそれを反映しているのである。

 ウクライナが国産している兵器を、ロシア領内の標的破壊のために使っても、米国政府はキーウに公式に苦情を言ってくることはない。

 そこでウクライナ側は、米国供与兵器と同等のレンジをもつ長距離自爆UAVを国内で製造して使用し、それと混ぜて米国供与品も、黙って勝手に使ってしまう。そして米国政府に対しては「国産兵器によって攻撃している。ロシアのクレームは、いつもの嘘だ」と回答する。米国政府はそれ以上、突っ込まない。

 ロシアがいつも嘘ばかり発表するものだから、この回答が有効なのである。
 現状、こんな感じとなっている。

 次。
 The Maritime Executive の2024-9-11記事「CNOOC Makes First Ultra-Deepwater Gas Discovery in South China Sea」。
   中共の国営エネルギー会社 CNOOC が、大深度の海底ボーリングにより、有望なガス田をブチ当てたと発表している。
 場所は、珠江の河口。
 シンセンから150浬南――すなわちEEZ内――にある、白雲と呼ばれる海盆。
 深さ4400mまで掘ったところ、650mのひろがりのあるガス溜まり〔ただし頁岩層?〕を見つけた、と。

 ちなみにこの会社のトップは汚職で追放されている。



日米史料による特攻作戦全史


《航空燃料全国スポット給油サービス会社》があってもいいはず。

 なにも空中給油サービスだけに限定する必要はない。
 STOL性のある中型の民航貨物機内に「油槽」を固縛し、短い滑走路に着陸して、燃料を必要とする旅客機のために燃料を売ってやるだけでも、商売になるだろう。

 航空燃料が手配できないためにインバウンドを呼び込めないというネックに頭をかかえている需要家は、割高でもいいから緊急に燃料が欲しいと切望している。そこへ空から「燃料配達機」がやってくる。日本の最北端から最南端まで、1社で面倒をみられる。

 こういうSTOL輸送機は、いざというとき、離島からの住民エバキュエーションにも使える。そんな用途を予約させることと見返りに、政府は一定の補助金を毎年、出してやる。これで、会社の経営基盤は堅くなる。

 「油槽」は、チヌークのようなバートル型輸送ヘリコプターの機内にも設置できる。その場合は、現地に飛行場など皆無でもかまわないわけである。

 ヘリコプターによる臨時給油サービスの場合、「輸槽」まるごとを、地上に置き去りにして、すぐに飛び去ってもいいわけ。荒天の合間を縫う日には、これが便利。

 次。
 Defense Express の2024-9-15記事「325 km/h: While Ukraine Breaks New Speed Record For Armed FPV Drone, Let’s Take a Look at the World’s Fastest」。
    ウクライナ国内のFPVドローンのワークショップである「ワイルド・ホーネッツ」社が、3Dプリンターで試作したクォッドコプターを、垂直に離陸させてから上空で横に寝かせて加速させ、水平スピード325km/時を記録した。
 証拠の動画が14日にSNSに投稿された。

 すでにクォッドコプターは、露軍の無人偵察機や、有人ヘリコプターに空中で衝突させて撃墜する用途に活躍中だが、この製品もいずれはそうした兵器のひとつになるかもしれない。

 ワイルドホーネッツは、前にもスピード記録を誇示しており、そのときは、時速260kmであった。

 露軍の固定翼無人偵察機「オルラン-10」は、巡航速度が110km/時で、最大速度が150km/時である。ワイルドホーネッツの製品は、「オルラン-10」の局地インターセプターとして好適だ。

 じつは、マルチコプターの構造でありながら機体全体をロケット形にして空気抵抗を減らし、横に寝かせて水平速度記録を狙った試みは、8年くらい前から世界各地にある。そして2024-9には南アフリカの「Luke and Mike Bell」が時速480kmを記録したという。

 ※2022-10に徳間書店さんからリリースした拙著の140ページで私は「Quadmovr」についてご紹介した。その時点で200km/時が達成できており、私はやがてこのスタイルがATGMを価格破壊すると予言した。それから2年も経つのだが、未だATGMを代置できるほどの重さの製品はどのメーカーからも発表されていない。本製品も、自重はQUADMOVRと近似の、超軽量型と見える。ということは、どうも、このスタイルで弾頭をちょっと重くすると、俄然、ハードルが高くなり、老舗の武器メーカーすら、開発を中途で断念してしまうのだと疑えるだろう。しかし記事にもあるように「SAM」の下位装備だと考えるならば、無炸填/微量炸薬の「衝突体」にも目がある。たとえば、電池式モーターに加えて、上昇時に「圧搾空気」でローターを回すしくみとしたら? ボンベは上昇し切った時点で投棄してしまい、あとは電力で水平飛行を持続するのだ。これなら、歩兵が敵UAVやAH(有人)を逐い払う道具にできるだろう。

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 Olena Harmash 記者による2024-9-16記事「Polish minister, visiting Kyiv, calls for end to benefits for Ukrainian men in Europe」。
    ポーランドのシコルスキー外相がキーウを訪れて、提言した。
 徴兵適齢なのにウクライナ国外に逃げているような奴らに西欧各国は便益を恵むべきではない、と。

 2024-1時点で410万人ものウクライナ国民が、EU圏内に逃散している。その22%は成人男子である。ふざけた話だ。

 外相いわく。ホスト諸国は、そんな徴兵逃れのクズどもに社会保障費を付けてやる必要はありませんよ。
 《国民の国防の義務》を果たさぬ不埒漢に、経済的インセンティヴを与えたら、西欧は滅亡する。

 徴兵逃れの脱走者に人権はない。したがって給付金などありえない。ポーランドではそう考えている。

 ウクライナ外相もいわく。EU諸国は、逃亡ウクライナ人をウクライナに送還するプログラムを早く作って欲しい。


9月14日就役の、ヴァジニア級核動力潜水艦の最新艦『USS ニュージャージー』。女子をたくさん混乗させるため、高いところにあったバルブを低く取り付けている。

 Howard Altman 記者による2024-9-12記事「Russia Now Using Thermite-Spewing ‘Dragon Drones’ To Torch Ukrainian Positions」。
   露軍はさっそく、真似してきた。低空低速飛行のマルチコプターからテルミット剤の金属粉をふりかけのように潅木帯(その中に宇軍の塹壕線がある)にふりかけて高熱炎上させ、植生を焼き払い、自機も最後に樹林中に墜落して自爆する。

 ウクライナ軍がビデオを公表してから、たった1週間で、同じことを仕返してみせた。これが今日の戦場のスピード感だ。

 ※もしこのドローンを、潜入挺進班が、敵の軍用飛行場の外柵の近くから発進させて、露天駐機している敵軍のAWACS、タンカー、輸送機、ヘリコプターなどの上から手際よく、華氏4440度の熔融金属粉をふりかけて回ったなら、その前線航空基地は一挙にして「全滅」じゃないか。いや、危ないのは飛行場だけじゃない。「火気厳禁」の諸施設は、ことごとく、これでやられてしまうおそれがある。

 次。
 Svetlana Shcherbak 記者による2024-9-14記事「russia Hits Targets with Standard FPV Drones at 40 km Range」。
    FPVドローンはいまや戦場の看板役者である。これからも当分そうだろう。
 それが有効であることと、可能性がデカいことを、誰も疑ってはいない。

 今や世界の軍隊の関心の中心は、どの国が、このFPV特攻ドローンの能力を、対手よりも速く巧緻に改良し、且つそれを大量製造して戦場に投入できるか――に移っている。

 ロシア軍はこのほど、無人「マザーシップ」ドローンで40km先までFPVドローンを運んでやり、そこから「子弾」のようにして小型の特攻ドローンを2機、放出するという新戦術を実現した。

 つまりDJIのホビー用クォッドコプターのようなクラスの、近距離専用の安価な無人自爆機を、地平線の向こう側に位置している敵陣の攻撃手段として、いまや使えることを実証したのだ。

 従来「野戦榴弾砲」でしか為し得なかった仕事を、歩兵部隊が自前でやれるわけ。

 ただし「マザーシップ」とした無人機に何が使われたのかは、情報がまだ集まらない段階だ。
 しかし、外野が想像するところ、それは固定翼の無人機(ウイング・ドローン)だろう。

 おそらく、マザーシップは偵察機であり指揮機でもある。マザーシップが敵陣を高空から俯瞰し、そのビデオ情報を、地上のリモコン操縦者がモニターしつつ、敵の塹壕陣地の高価値部分を見定める。そしてマザーシップ内から2機のFPV自爆ドローンを逐次に放出する。

 放たれたFPVドローンは、マザーシップとの間に無線データリンクを確立する。マザーシップはその信号を地上のリモコン操縦者まで40km逓伝する。空中無線中継局となるわけだ。

 この方式にすると、遠隔の地上から直接に末端のFPVドローンを操縦しようとするよりも、敵の塹壕近くでの妨害電波に対しては強くなると期待できる。

 固定翼の中型ドローンから、小型のマルチコプター型自爆機を放出する技法を、ウクライナ軍の第414独立無人機大隊でも開発中であると、今年の5月に報道されていた。露軍は素早くこれに反応し、後から同様のコンセプトで開発をスタートして、半年もしないで先に実現させたのだ。

 ※これも今日の技術戦争のリアリティである。「かたつむり頭」はこの展開ペースから置き去りにされるのみ。

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 Boyko Nikolov 記者による2024-9-14記事「Japan extends Pacific F-35s range for ultimate clash with China」。
   空自は空中給油機のKC-46Aを9機、米国から輸入する。総額410億ドル。
 米連邦議会はすでに承知。
 これによってF-35のパトロール時間と作戦半径が爆延びする。

 空自は現状で4機のKC-46Aを運用中だが、対支有事にはそれでは足らなくなる。
 このタンカーは、ボーイング767の改造型だ。

 ※米空軍が泣いて悦ぶ「後方支援」だ。問題は、人手をどう捻出するのか。そこで私はず~っと前に、退役パイロットからなる「民間空中給油サービス会社」を新設して、下地島に「支店 兼 訓練センター」を置きなさいよと提案したはずだ。この提案は今も有効だと信ずる。米国にはそういう会社がじっさいにある。ほんらい、こういう提案は、わたしのような外野からではなく、空自の部内から出てこなくてはいけない。

 ※石川県で、倒壊家屋の「解体」作業が遅々として進まない。まだ民間の知恵が足りんと思う。居住可能にするために最低限必要なのは、水回りだろう。そこで、「解体」と同時に、廃材を利用して「水回り施設」だけを即時・その場で、棟梁のインプロヴィゼーションとして、掘っ立て小屋式に、設計図面無しで構築してしまう、そういうパッケージ・サービスがあり得るはずだ。もちろん、後から公的資金で実費を補填するので住民は苦しみを免れる。「水回り施設」以外の寝室とかリビングは、「コンテナ」を持ってくりゃええのよ。それはサードパーティが、出来合いの商品を用意できるじゃろ。

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 Andrew Osborn and Mark Trevelyan 記者による2024-9-15記事「Putin’s options for Ukraine missiles response include nuclear test, experts say」。
    英スターマー首相とバイデンがDCで金曜日に面談。米国供与のATACMSや、英国供与のストームシャドウ巡航ミサイルを、露領内深くの標的に対して宇軍が発射した場合に、どうなるかがテーマだったと想像される。

 ハンブルグのシンクタンクの軍事専門家 Ulrich Kuehn は、プー之介はその対抗措置として核実験をやらかすのではないかと。

 ちなみにロシアが最後に地下核実験したのは1990年であった。翌年、ソ連は崩壊。

 墺インスブルック大学のゲルハルト・マンゴットも同意する。プー之介はロシアの東部で核実験するだろう。

 元クレムリンのアドバイザーだったセルゲイ・マルコフは、金曜日に「テレグラム」に投稿した。
 ロシアは駐英ロシア大使を引き揚げ、モスクワの英国大使館を閉鎖させるかもしれない。またNATO軍のF-16を撃墜して「ストームシャドウの母機だった」と強弁するかもしれない。

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 Joseph Trevithick 記者による2024-9-13記事「Russia Covering Aircraft With Tires Is About Confusing Image-Matching Missile Seekers U.S. Military Confirms」。
   昨年夏、「エンゲルス2」航空基地に露天駐機している「ツポレフ95」重爆の胴体上と主翼上に数百の廃タイヤが敷き並べられているのが民間衛星写真に撮られ、「こりゃ何だ?」と皆、不思議に思っていたが、セントコムの技術担当参謀氏が説明していわく、あれは「イメージ・マッチング」式のミサイルのシーカーを韜晦するためですよ、と。

 英仏がウクライナに供与した「ストームシャドウ/SCALP-EG」巡航ミサイルのシーカーは、赤外線の光学イメージを、搭載のAIが判断するようになっている。そのAIを混乱させようとしたものらしい。それほど、ストームシャドウが飛んでくることを恐れているわけだ。

 ※ただちに次のような商品を思いつく。不燃性にして耐熱性の軽量の長尺カーペット。これを大型機の主翼上や胴体上に敷き伸べれば、たちまち、赤外線イメージを上空に対して欺騙できるし、ささやかながら、デブリの落下衝突から飛行機表面を保護する足しにもなる。もちろん、わたしがここで提案する前に、気の利いたエンジニアなら、とっくにこういうのを商品開発できているよな? もう1年前から「問題意識」は把握されているんだから。これは「武器」ではなく、また、そのような効能を敢えて宣伝しないで、「降雹から自動車のウインドウを守るシート」として発売し、並行してひそかにユーチューバーのインフルエンサーにカネと資材を渡して、「テルミットにも耐えるぞ、すげぇ! これで駐車場火災にも安心じゃね?」と、なぜか全部英語の実験動画により不燃性を強調させる。それを外国の空軍関係者が視れば「とりあえず100トン売ってくれ」と即日にメーカーに注文が来るわ。

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 Alexander Riedel 記者による2024-9-12記事「Syrian man behind bars in plot to attack German soldiers in Bavaria with machete」。
    ミュンヘンの検察局が金曜日に公表。バイエルンのドイツ軍駐屯地に所属するドイツ兵を、27歳のシリア移民が鉈で襲撃しようとしていたと。その駐屯地からクルマで1時間のところには米陸軍の駐屯地も複数ある(うちひとつはグラフェンヴェール演習場)。

 このシリア人は木曜日に逮捕され、警察に留置中である。

 シリア人は鉈を2丁、買い求め、昼メシどきに基地門前町に兵隊たちが出てくる時刻を窺っていた。


「シャヘド136」を宇軍のF-16がヴァルカン砲で撃墜するビデオが9日にSNSへ投稿されている。

 むかし風の、自機が撮り込まないガンカメラではなく、機関砲より引いた位置からの撮影なので、わかりやすい。

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 ストラテジーペイジ の2024-9-13記事。
    豪州は米国から8隻のヴァジニア級SSNを入手する計画だ。さいしょの1隻は2033年に引渡されるだろうという。それにつづいてさらに2隻が、2040年になる前に、米国から輸入される。

 1隻目と2隻目は、米海軍の中古品が転売される。3隻目は、米国内の造船所で新造したものが売られる。

 それに続く4番艦~8番艦の5隻は、オーストラリア国内で建造されるという。
 設計図は、オリジナルのヴァジニア級に多少手を加えるという。

 8番艦の就役は2052年を見込んでいる。

 豪州海軍の水兵は、1番艦と2番艦でみっちりと、核動力艦の取り扱い方を教えられる。米海軍の水兵によって。

 この2052のリミットを米政府は絶対視しており、豪州での内製がモタモタするようであれば、4番艦と5番艦も米国製を売り渡すつもり。この場合、豪州国内では3隻だけが内製されることになる。

 米海軍は2040年代のうちに、合計66隻のヴァジニア級を運用したい。旧いロサンゼルス級を更新せねばならん。

 げんざい最新型である、「ブロック3」「ブロック4」のヴァジニア級は、1隻建造するのに6年かかる。

 「ブロック1」から「4」までは兵装に大差はない。しかし「ブロック5」は対艦ミサイルの数がやたらに増える。

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 Jamie Dettmer 記者による2024-9-13記事「Zelenskyy’s power grab is bad for Ukraine」。
    ゼレンスキーは政府幹部の大いれかえをしたところだが、国内での人気は下がっている。

 ある人いわく。工業、300万人を超す国内避難市民たちへの生活支援、教育の分野に、辣腕の行政官が起用されることが切望されているのに、このたび、期待のできそうな有能者は、起用されなかった。

 大きなところでは、クレバ外相が放逐されている。
 また、内閣ではないが、国営送電線網「ウクレネグロ」の総裁、クドリツキーも退任を強いられた。

 クレバは、参謀総長のアンドリイ・イェルマクと対立していた。イェルマクは、外交を戦略に統合させたがっている。

 ウクレネルゴは、現状ではウクライナ政府がいろいろ口出しできない独立機関で、むしろEUと直結している。これがゼレンスキーらには気に喰わない。

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 Anthony Deutsch and Tom Balmforth 記者による2024-9-13記事「Exclusive: Russia produces kamikaze drone with Chinese engine」。
    ロシアはいつまでもイラン製の無人特攻機に頼っているつもりはない。
 中共からエンジン部品を輸入して、国内設計の無人特攻機を量産しつつある。その期待の特攻機の名は「ガルピヤ A1」という。

 2023年7月から1年がかりで2500機を、メーカーは納品することになっている。

 中共には「Xiamen Limbach」というメーカーがある。名前からして、ドイツからL550Eエンジンのライセンスを買って生産している企業とわかる。このメーカーは米政府によってすでに経済制裁の対象である。
 このXiamen社は、レシプロエンジン「L550E」の部品の一部を2つの下請け会社に製造させている。

 下請けのひとつが「Juhang Aviation テクノロジー社」。こちらはまだ米国から制裁されていない。

 もう1社の下請けが「Redplus TSK Vector」社である。こちらはすでに米国から制裁されている。

 この中共製エンジンが、最終的に「ガルピア A1」に組みつけられる流れ分業となっている。
 ちなみに「ガルピア」とは「ハーピィ」のロシア訳である。ハーピィはギリシャ神話に出てくる飛翔型の半獣人。

 ※雑報によると、今年の7月いらい、ベラルーシの領空に44機ものロシア軍のドローンが侵入し、ベラルーシ軍はしょうがないのでそのうち4機を撃墜したと言っている。

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 Howard Altman, Tyler Rogoway, Joseph Trevithick 記者による2024-9-12記事「Israeli Commando Raid In Syria Sends A Message To Iran That Its Underground Bases Are Not Untouchable」。
   イスラエル軍特殊部隊は9月9日に、シリア領内の地下基地を急襲し、それら秘密施設を内部から爆破する前に、資料やデータをごっそりと押収した。イスラエルの北部国境からさらに140マイル北の砂漠に所在。

 これは、将来のイラン国内の核工場を急襲するための「手馴らし」であると同時に、テヘラン政府に対する無言の「警告」である。

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 Alex Wilson and Hana Kusumoto 記者による2024-9-13記事「Supply shortages, harsh weather delay Japanese base to be used for Navy carrier-landing practice」。
   防衛省の熊本防衛局が火曜に公表。馬毛島の飛行場工事は予定よりも3年、遅れて進んでいる。

 金曜日に星条旗新聞が防衛局に電話取材したところ、荒天や強風で資材の島への搬入が遅れがちなのと、正月そうそうの能登地震で人もモノも足らなくなったのが原因であるとのこと。

 埋め立てに使う土砂も、島で掘った土はよくないと分かったという。

 馬毛島基地が完成すると、そこが硫黄島基地に代わって、空母『ジョージ・ワシントン』艦上機の夜間タッチ&ゴー訓練に供される。

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 2024-9-13 記事「Russia chooses 60-year-old SVD rifle instead of the latest SVCh」。
    ロシアは、古~いドラグノフの狙撃銃「SVD」を躍起になって増産させている。
 新型のSVChライフルは、顧みられてはいないようだ。


【謎の勢力】いったい誰が《原潜》なんかプッシュしてるんだ?

 既存の枯れた原発の再稼動ですら何年もモタモタやって話を進められないで、「光熱費高」の深刻な社会課題解決を、奇麗事に藉口してあとまわし&先送りするだけが能なかたつむり政党の中堅議員が、急に「原潜を」と言い始めた。

 それは短期的にはカネと時間の壮大な無駄、長期的にはいまのフクイチと比肩されるほどの国家的「お荷物」を増やすこと必定の、なんの国益にもならぬ超愚策である。

 今、米国の造船所は一定レベル以上の工員を集められず、米海軍が所要する原潜新造ペースに応えられずにいる。その趨勢は今後も悪くなる一方であろう。豪州海軍に数隻分けてやるだけでも、たいへんな負荷になっている。

 核動力軍艦の機関科員には、いままでとは全く次元が異なるスキルの兵曹と士官が大量に必要(1隻につき、A・B、2チーム)。自衛隊の募集の現実から推して、まずそれは集まるわけがなく、集めたあとの教育にも10年かかる。原潜は、トータルで省力装備とは真逆なのだ。

 原潜用の工廠にも、専門の技師と「セキュリティクリアランス」を済ませた工員が、それぞれ大量に必要。

 そんな潰しの利かない特殊人材――そのひとたちは老後に何ができるかを考えてみろ――の雇用と教育に費やす莫大な税金は、他の有望部門にふりわけた方がずっと日本の国力は増強される。クォンタムとかAIとか無人機の方に。

 さらに「燃料」関係の陸上施設が必要だが、原発の新立地のもはやありえないこの国で、辺野古の埋め立てすらのびのびにさせて平気な中央政府の下で、そんなものできるわけがあるかい。

 中共は無理のある政体である。無理のある体制が倒壊するときは、物事はバタバタと急激に展開する。10年後には中共は存在していない可能性が高い。この歴史スピード感覚をどうやら持っていないらしいかたつむり頭の政治家が、急変連続時代のわが国の政府のトップに立つことは、まことに危うい。

 対支戦争は数年以内に始まるおそれがあり、そうなると日本周辺の地政学環境はそこから数年にして全く変わってしまう可能性が大。今必要なのは、その近未来の急変に確実に間に合ってくれて、予測至難な急変の連続にも堪えられそうな「道具」と「人的アセット」なのである。それは原潜ではない。

 予想外の急変に強そうな中堅政治家は誰なのか? そこに目をつけるがいい。

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 John Hill 記者による2024-9-11記事「Two US Virginia-class SSNs rotate for maintenance」。
    ヴァジニア級の魚雷戦型原潜『USS ハワイ(SSN776)』は、豪州海軍の原潜乗組み予定水兵のための教育練習艦に指定されている。これまで豪州水兵に、メンテナンスについて手ほどきしていたが、いよいよこれから、外洋パトロールに移る。

 交替に、別のヴァジニア級である『USS ノースロライナ』が真珠湾のドックに入って、これから改装工事を受ける。

 米海軍のローテーション方針においては、常時、SSNの全戦力のうち20%を、交替でメンテナンス状態に置く。
 しかし人手不足のため、過去2年、33%のSSNが、戦列外状態であった。じつはFY2015いらい、米海軍の理想ローテーション比率は、まったく達成できなくなっている。

 いま現在、外洋で配置についているヴァジニア級は22隻である。米海軍の理想は66隻であるが、こうなってはもうその実現は白日夢に近い。

 さらに米海軍の大方針では、毎年2隻の新造SSNを調達することになっているのに、2022年についにそれが長期的に達成不可能になることもハッキリした。今後、1年につき2隻ではなく、1.2隻~1.4隻しか、米国の造船所は引渡せないであろう。すべては人手がたりないせいだ。

 しかもこの大方針は、AUKUS構想が浮上する前の話。今後、豪州海軍にもヴァジニア級を渡さねばならないはずなのだが、いったいどうやってその余裕を捻出するのか、誰も知っていない。

 豪州海軍の水兵たちは、2023-12からパールハーバーに滞在して、まず原潜主機のメンテナンスから、陸上で、実物研修を受けてきた。

 また8月からは、原潜用の「サブマリンテンダー船」である『USS エモリー・S・ランド』が豪州西海岸の軍港に到着。そこで、豪州海軍に、いろいろと教育をしてやっている。

 人手不足の米海軍は、その足らない部分を同盟国に補ってもらおうと考えている。韓国の「ハンワ・オーシャン」の修船ドックに今週からいよいよ米海軍の「ルイス&クラーク級」支援船が入ったが、これもその長期計画の一環。

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 AFP の2024-9-12記事「South Korea approves building two nuclear reactors」。
   韓国政府の原子力安全委員会は木曜日、東海岸に2基の原子炉を増設する計画を承認した。蔚山市の南東にある原発。「シン・ハヌル」3号炉と4号炉である。

 竣工予定は2033年で、各1.4ギガワットを発電できる。

 ※前政権の原発全廃方針を一擲して、この早業だ。この調子なら核武装も素早くできてしまうだろう。さらに韓国は、本式の核武装の前に、原発副産物(核のゴミ)をそのまま弾頭に充填したミサイルで平壌を絨毯空襲することが可能だろう。フクイチや新コロに対する異常な北の反応から推して、これをやられたら平壌にはもはや永久に政府は置けないだろう。

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 Eric Edelman & Charles Wald , Jonathan Ruhe 記者による2024-9-12記事「What Will Trump or Harris Do if Iran Goes Nuclear?」。
   トランプもハリスも、イランが核武装したらどうする気なのか、それを国民に説明するべきだ。

 ※ABCのディベートで司会がこの話題を振らなかったのが、不思議だ。

 ※90年代の大学院生たちが仰ぎ見たインテルのような先端企業ですら、「かたつむり頭」に企業内政治を支配されるや、容赦なくダウ銘柄からの除名の危機に瀕するのである。おそるべし、おそるべし……。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2024-9-12記事「Ukrainian Forces Conduct Successful Sabotage Operation on russian Railway in Belgorod Region」。
    露領のベルゴロド州に宇軍の特殊部隊が潜行挺進して、貨物列車が通過する鉄道線路を10日に爆破した。
 そのさい、機関車と貨車11両が脱線大破した。

 ※雑報によると、カナダのオンタリオ州にあるセントクレア大学で「落第」を言い渡された十数名ものインド人留学生〔かぶりものからしてシーク教徒?〕が座り込みの抗議。オーストラリアの大学でも、ずいぶん前から、おびただしいインド人学生によって大学を乗っ取られたような状態に陥っているという〔これらは中共系機関による工作投稿である可能性も、いちおうは疑うべし〕。

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 2024-9-12記事「New M23 Mini-Submarine Seen Undergoing Sea Trials in Italy for the First Time」。
   カタール海軍からの発注を受けて、イタリアの造船所が「セリエ C」級のミニ有人潜水艦を建造していたのだが、その公試運転中の写真が公開された。

 カタールはこの型の潜水艦を計2隻、発注している。

 ※2020年に発注契約締結。それから4年で1隻目がようやく公試運転にまで漕ぎ付けた。これから乗員と整備兵の訓練もしなくてはならない。有人潜水艦は、有人戦車と同様、時代のスピードに置き去りにされる運命である。

 潜水艦を建造した工場は、ミラノの100km東の内陸部にある「Ciserano」である。なんと海岸からは250kmも引っ込んでいるのだが、商品を陸送できるならば、無問題。

 「M23」級は、全長が23mなのである。幅は5m。深さ200mまで安全に行ける。最大速力12ノット。乗員はたったの6名。それとは別に6名のフロッグマンを艦内に宿泊させられるようになっている。このフロッグマンは、潜航中に、艦首前下方にある専用ハッチを通じて出入りが可能。

 このミニサブからは、イタリア得意の「Murena」という沈底機雷を撒くことができる。(湾岸戦争時代の「マンタ」機雷と違って、円筒形。チューブから放出しやすい。)

 雷装は無し。魚雷戦などを考えないことによって、いろいろと簡略化できている。

 カタールはイタリアのフィンカンティエリ社に4隻のコルヴェットも発注している。それは2023に引渡されている。

 ※自転車に「鈴」を吊るすときは、短い、可撓性の紐に吊るして、ペダルを踏んだときのわずかな前進加速度でも、鈴が揺れてヘッドチューブなどの金属フレームにコツンと当たるように調節しておくとよい。鈴は百均店で売られている小さめのサイズのものを複数、吊るすとよい。これによって、前方の歩行者に対して、事前に、心理的に穏便に、かなり遠くから、自車の接近を警報することができる。老人の耳にも、鈴の周波数は届きやすいらしいという印象を、わたしは個人的に持った。

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 Thomas Newdick 記者による2024-9-12記事「Russian Su-30SM Flanker Crashes In Black Sea, Ukraine Says They Shot It Down With MANPADS」。
    ウクライナ国防省12日発表。黒海にて露軍の「スホイ30SM」戦闘機を、肩射ち式ミサイルによって宇軍特殊部隊員が撃墜した、と。

 ウクライナ情報部所属の特殊部隊員は、小型ボートに乗ってロシアの黒海洋上石油掘削リグ「Krym-2」を攻撃しに行く途中であった。それに反応してスホイが飛び出して来たのを、ボート上からのMANPADS発射によって、返り討ちにした。


ブリンケンは宇軍がATACMSで攻撃して可いロシア領内の標的を増やすつもりのようだ。

 バイデンが正式退場する寸前に、ATACMSによる大反撃をさせるつもりだろう。
 これによって、次の政権がトランプに渡っても、ロシア人は裏表なく反米であり続けることになる。
 またこの決定を推進した現政権の高官は、5年後にいっそう高い行政ポストを望めるようにもなるだろう。

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 Pierre-Marie Meunier 記者による2024-9-11記事「Russia Is on a Slow Path to Bankruptcy, But How Slow?」。
   ロシア財政はゆっくりと破産に向かっている。
 国内の労働力は必要数に7%足りない。あと480万人、必要なのに。

 歳入の柱は、ウラル地方で採掘される石油の輸出代金。ほとんど、それだけ。

 ロシアには非常時用の準備金がある。プー之介はそれを取り崩しながら財政破綻を誤魔化している。早晩、それは持続ができなくなる。

 2023年は、ロシアが「戦争経済」にきりかわっての、第一年目。

 ロシア財務省の統計によれば、2022年にロシア政府は310億ルーブルを支出。それに対して歳入は270億ルーブルだった。約30億ルーブルの財政赤字。
 また同年のインフレは13.8%だった。これはGDPの実質を、名目数値よりも15.8%しぼませた。

 戦争も長期化すると見られたから、ロシア政府は22年末に、翌年から「戦争経済体制」に切り替えることを決めたのである。

 アステレスというリサーチ会社によれば、2023年のロシアの歳出は320億ルーブル。歳入は290億ルーブル。

 2023の軍事費は600億ルーブル以上。これはGDPの3.9%にあたる。2021の軍事費はGDPの2.7%だった。

 歳入源はふたつに分けられる。炭化水素(石油と天然ガス)の輸出で稼いだ上納金は2022→2023で縮小した。すなわち2022には115億ルーブルあったのが、2023には88億ルーブルに。
 かたや、石油・ガスではない歳入(付加価値税、所得税、等)は25%増えて200億ルーブルになった。

 2023にロシア経済は3.5%成長したと見られる。

 外野がいくら詮索しても不明な部分。源が明かされていない2023年度の歳入が、ぜんたいの30%もある。ちなみに2022年度の歳入の場合は27%が、源が不明。

 ロシアの貿易黒字は、2021年には1220億ルーブル。2022年には2380億ルーブルだった。それが、2023年には500億ルーブルに激減した。

 2022年は、西側の経済制裁が作用する前に駆け込みで石油をものすごく売りまくった。ダンピング輸出だが、それでも数値が大きい。

 また諸資料から、2023年にはロシア政府はあらゆるところに新税を課けまくって、歳入を維持したと分かる。

 2022年からロシア政府は大量の外貨準備を売り払い始めている。それをルーブルに換えて歳入の穴を補っているのだ。

 2023-8にロシアのデジタル開発大臣は言った。情報産業分野で70万人の労働力が足りない。そしてそれとは別に、軍需工場に40万人の労働力が不足である、と。

 ロシアの鉱山成金の男いわく、ロシアの鉱工業は西側に比べて省人化が遅れており、やたらに多数の労務者を投入しないと生産が進まないのである、と。ロボットやオートメへの投資をしなさすぎだと。

 ある人の挙げた数値。国家福祉基金は、2023末には67億ルーブル残っていた。が、2023-9には13億7000万ルーブルに減った。

 公称の数値。2024年初において、ロシアの国家福祉基金には、2270億元と、358トンのゴールドが残っていると。これはつまり、ユーロや米ドルや日本円はぜんぶ、売り払ってしまったということだ。

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 Ella Nilsen 記者による2024-9-9記事「The US is dismantling nuclear warheads to power the next generation of reactors」。
    テネシー州オークリッヂにある核工場では、旧い核弾頭から高濃縮ウランを取り出して、原発燃料に生まれ変わらせる工程をフル稼働させている。

 むかしからなじみのある、核燃料棒ではない。
 最新設計の未来型原子炉用には、燃料もまた、新しいタイプが必要なのだ。

 旧来の商業原発の核燃料には低濃縮ウランを使っていた。だが、これから建設される小型のモジュラー式原発には、従来よりも濃縮度の高いウラン燃料を使う。例のテラパワーも、そういうコンセプト。

 米国は、昨年までは、ロシアから安価に高濃縮ウランを輸入して、商業原発の燃料を製造していた。しかしそれでは経済制裁にならんじゃないかというので、超党派の法律ができて、輸入を停止。それで、工場は大忙しなのだ。


外国公船の領海侵入を「無害航行」扱いしてはならない。それは無害航行とは認めない――と、無線voiceならびに光学文字パネルで表明しつつ、接舷臨検し、当該船船長を逮捕抑留するべきである。

 Svetlana Shkolnikova 記者による2024-記事「Germany would need up to 100 years at current rearmament pace to deter Russia, report says」。
    シンクタンクKiel研究所の月曜公表リポート。
 ドイツ軍が20年前の戦力を回復するまでに、これから100年かかる。この調子ではロシアを抑止できない、と。

 2022のロシアによるウクライナ侵略は、ドイツの国防政策にとっては「ツァイテンヴェンデ」(歴史的転換点)であった。

 ドイツが2004年に有していた武装状態にまで戻すのに、航空機はこれから15年、戦車は40年、砲兵は100年かかってしまうだろう。

 ※なんとアイテム数のカウントである。2004年に軍用機423機をもっていたが、いまは226機に減っているので、これをまた423機に戻すには何年かかるか、という計算をしているのだ。第一次大戦当時と第二次大戦中の軍用機の数の比較をするようなものではないか。そんなシンクタンクがあるか。

 ※この地球上に、ドイツ以上にロシアの「構造」を知っている国があるとは思えない。おそらく彼らが口にしない胸算があるのだ。それは、このまま時間の経過を待てばロシアの方で勝手に衰退してくれるだろうという未来予測だ。ロシア財政の「下部条件」を隅々まで把握していれば、長期的に確かな予想は成り立つだろう。百年後にロシアなどという国は無いのだろう。

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 Grant Newsham 記者による2024-9-8記事「America’s ‘kryptonite’」。
    中共のグレーゾーン戦略に、米軍は打つ手が無い。「何もしないか、米中核戦争か」の選択を迫られたら、たとえば現場がフィリピン沖の無人島だったなら、「核戦争」を選ばないだろう。

 ※今、ウクライナ軍は「裏グレーゾーン」を試していると思う。非核武装国が、長距離無人特攻機でモスクワの高層ビル群を破壊しても、ロシアは、返礼としていまさらウクライナを核攻撃できない。同じことは、来たる「日本有事」でも、言えるはずだ。

 中共は、覚醒剤原料フェンタニルを量産して密輸組織に卸し売りすることにより、米国内に7万人以上のヤク中死者と、その数倍の「廃人」を、年々生み出している。これは間接攻撃だから、米政府は中共に反撃できない。ここでも中共は、グレーゾーン戦争で勝ちをおさめている。

 サイバー犯罪はどうか。中共がやっていると見当はついても、米政府には懲罰できない。民主党政権だろうと、共和党政権だろうと、無力であることが証明されている。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2024-9-10記事「Ukrainian Artillerymen Can’t Use German PzH 2000, What’s the Problem」。
    宇軍が2年近く使っている、ドイツ製の自走砲「PzH 2000」。
 砲身をはじめとするスペアパーツが涸渇しているため、急速に機能しなくなっているという。

 ※高性能な装軌式SPは短期の急激戦争向きの装備。ウクライナ戦争のような、長期のダラダラ戦争には、まったく向いていない。且つまた、高性能正面装備は、やたらに人員を喰う(一線でも後方でも事務方でも)。ウクライナはロシアより人的資源が足らないのだから、まず人材を省力できる《かんたん装備系》を優先的に考えなくてはいけないのだ。それを思慮できるのは作戦系の軍人ではなく、軍備と動員に通じた政治家。その政治家がウクライナにはいない。小学生みたいな乞食坊しかいない。だが日本も他人のことは言えない。《UUV+AI》時代のいまどき「原潜」を持つべきだ――などと言っている中堅の政治家がご健在だ。

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 2024-9-10記事「The U.S. has expressed an interest in deploying a medium-range missile system to Japan」。
    米陸軍長官(文官)のクリスティン・ウォーマスが来日して、「MRC タイフーン」という、陸上のトレーラーから巡航ミサイルを各種発射するシステムを日本領土上に展開することについて前向きの発言。

 今年8月9日には、陸自の高級将官・堺一夫がワシントン州の「ルイス-マコード」基地を訪れた。そこには「第1マルチドメインタスクフォース」が所在し、「MRC タイフーン」の現物についての説明がなされた。

 4月には米陸軍は「タイフーン」を比島に持ち込んでいる。そこから射程1600kmのトマホークを打ち出せると宣伝された。

 DoDの公式方針として、この装備は2026年からドイツ国内に常駐開始させる。

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 Brianna Sacks 記者による2024-9-10記事「Facebook is blocking emergency warnings as wildfires roar through West」。
   加州在住の元消防士で、旦那は現役消防署長で、フェイスブック上に、地域の火災を速報して避難勧告や近傍消防署への応援要請をする公共ページを設けている人。煙が見える距離の火事について速報したら、フェイスブック運営が、その投稿を消去してしまった。理由は、その投稿は「スパム」だから、だと。

 「いいね」「フォロー」「シェア」を稼ぐためのミスリーディング行為である――と、運用から一方的に断定された次第だ。

 ※日本では水害の実況SNS投稿でまさにこれがあると聞く。火事については聞かれない。それはわが国では、消防隊が火災現場にかけつけるリスポンスタイムが、住民が動画投稿などをする時間よりも速いからだろう。加州は広く、野火が住宅街まで延焼してくるまでに消防隊がかけつけないことが多い。だからSNSが緊急公共安全の一端を担う。わが国では、大規模水害に関して、公共機関が後手にまわるおそれがあるから、そこにSNSフェイク投稿者の「商機」が生ずるのだろう。