9月7日、ベラルーシからラトヴィアに無人機が越境して墜落した。場所は国境から50マイルの「Rezekne」市郊外。機体は「シャヘド136」系統であった。

 Malte Humpert 記者による2024-9-8記事「In Desperate Move Russia Sends First-Ever Conventional LNG Carrier Through Arctic」。
   ロシアのLNG生産企業ノヴァテク社は、西側制裁のおかげで砕氷船仕様のLNGタンカーが傭船できないものだから、非砕氷船仕様のLNGタンカーを北極海航路へ送り出した模様。

 次。
 Defense Express の2024-8-9記事「Ukraine Launches Domestic Production of F-1, RGD-5 Hand Grenades, the Ordnance’s Already in Use With the Army」。
   ウクライナ国内の工場で、「F-1」手榴弾と「RGD-5」手榴弾の内製が始っている。

 F-1は、もう100年近く前のロシア軍のデザイン。しかし実用性はあるという。

 「F-1」は1915年の設計。赤軍は1928年に採用した。破片が多く、したがって、防禦用。すぐに物陰に伏せないと、投げた人間が危ない。
 これ自体は英軍のミルズ手榴弾からインスパイアされているが、「F-1」もまた米軍の「Mk2」パイナップル手榴弾に影響を与えたのだという。

 「RGD-5」はソ連軍が1953年に採用した、軽量でつるつるの、攻撃型手榴弾である。破片が飛ぶ範囲を抑制してある。

 ここで人々は疑問に思うはず。なぜ、ソ連末期の「RGN」および「RGO」手榴弾のほうを生産しないのかと。
 この2種類の手榴弾は信管が進歩していて、時限の他に、着発でも起爆させられるのだ。

 理由は、要するに、兵隊が慣れていてあらためて教育する必要がないことや、部品が手に入りやすいことの方が、重視されたのである。

 ※あと、ドローンから投下するときの設備設計ね。重量や発火方式が変わると、すべてやりなおしになってしまう。今までの実戦ノウハウの蓄積がパーになる。

 次。
 AFPの2024-9-8記事「Drought sinks longest Polish river to record-low level」。
   ポーランド国内を流れる最長の河川は「Vistula」川である。1000km以上。バルト海に注ぐ。
 この水位が、統計史上、最低にまで減り、さらに下がるかも……。同地では、モロッコなどとは逆に、旱魃なのだ。

 ワルシャワ市のある測定点では、水位は25cmしかなかった。2015年には26センチという記録がある。それを破った。

 傾向として、2015年いらい、ずっと旱魃なのだという。これからもっと酷くなるだろう。

 次。
 Konstantin Toropin 記者による2024-9-6記事「Amphibious Ship Suffers Breakdown, Marking at Least Third Navy Mechanical Issue This Year」。
   『USS イヲージマ』の調子がよくない。木曜日にまたノーフォーク軍港に戻ってきた。推進系ではない部分――水圧系かもしれないし発電機かもしれないし給水設備かもしれない――で機械故障があったと公表されている。

 3月には『ワスプ』も、出航してすぐに引き返してきたが、こっちの故障はスクリューの軸であった由。
 4月には『ボクサー』が、舵の不具合を理由に10日で港に戻ってきた。

 ※大金をかけ何年も費やして改装工事した強襲揚陸艦だが、艦齢30年以上で土台がガタガタなのか、それとも近年の米国造船所に人がいなくなっているせいなのか、ちっとも戦列を満たしてくれない。これなら、昨日紹介した「HIGH BULK 40E」型のような、8ヵ月で1隻新造できる安価な大型貨物船の方が、来たる対支戦ではずいぶん役に立ってくれるだろう。この型、動かすだけなら船員24人で足りてしまう。そしてなんといってもデッキ上の自前のクレーン1基で30トンをやすやすと持ち上げてしまえる。それが4基もついている。水陸両用兵員輸送装甲車の「AAV7」は自重26トン+貨物4トンだ。これを1度に4両ずつ、泛水させられるわけだよ。現代の二重船底の貨物船は、万一中共の対艦ミサイルが命中しても、沈みはしない。これでリスク分散を極大化し得るはずだ。


気候変動のなりゆきで、外患と関係なく、日本国内でも船舶によるエバキュエーションが必要になる日が来そうだと予想するよ。

 ストラテジーペイジ の2024-9-8記事。
    ウクライナ軍はロシアの北極圏にある航空基地を攻撃した。長距離重爆のたまり場。その重爆から対地攻撃用のミサイルが発射されていた。

 ※それとは関係ないが、先日ウクライナの西部に打ち込まれた「キンジャル」は、意図的にベラルーシとウクライナの国境線に沿って飛翔させ、迎撃を躊躇するようにしていたそうだ。

 基地は、ウクライナ国境からは1800kmも離れた場所だ。人家のほとんど無い、大森林地帯。

 この攻撃は、民間のトラック業者になりすました挺進部隊が、基地に近いところから自爆ドローンを発進させたものだと信じられる。

 ロシア国内では鉄道貨物運輸の機能が衰えているため、多くは、中央アジア諸国経由で、シナ製の密輸品をトラック業者に運んできてもらわないといけない。そのトラックの数は膨大なので、いちいち積荷を改めていられない。だから、ロシア語が話せるウクライナ兵をドライバーに仕立てれば、このような潜入作戦はかんたんにできてしまう。

 この攻撃の直後、サンクトペテルスブルグで予定されていた海軍行事が中止された。
 そこでは2隻の原潜などが住民に一般公開される予定だったのだが、ウクライナ軍がどこから攻撃してくるかもわからないので、艦艇はいずこかへ去った。

 ※昨日、「函館どつく」の一般公開イベント「大型船 船内見学会」に出かけて、水を入れてない乾ドックの底まで降りて、よいものを見せてもらいました。台湾から発注された木材ばら積み船『FRANBO BRAVO』号。積載重量4万トン。フネの自重は8800トン。全長183m×幅31.6m。岸壁からいちどに30.5トンを吊り上げられる自前のデッキクレーン×4基。5つ並んだセミボックス構造のホールド(艙)をそれぞれ機械開閉のフォールディング式ハッチカバーで覆うことができ、その蓋の上にヘリコプターが降りることもあるのだという。船尾近くには、能力3トンの雑用ジブクレーン×1。本船の吃水は10.37mで、技術の限界まで浅い。それでありながら艙の深さは10mくらいもあると見えたり。もちろん船底も側面も鋼鈑二重張りだ。ビルジは完全に清浄化される。こんなハイテクの巨船を8ヵ月の工期で竣工させてしまえるという。スクリュー直後の舵に飛行機の主翼のようなフィンをとりつけ、ヨットの帆と同じ仕組みで「揚力」を前進力へ転換し、燃費を数%向上させている。最大速力は13.6ノットだが、運ぶのは急ぎのコンテナじゃないから、それでいい。艙の寸法を聞きそびれたが、1区画の前後は25mくらいもあるじゃろう。これを見てしまっては、もはや次のような空想を押し留めることは不可能だ。「住民エバキュエーション」に、特殊なフネなど要らないのである。こういうのが1隻あればいい。この艙に臨時に「蚕棚」を設置すればいい。戦前の兵員輸送船のように。今なら、何かモジュラー式の、ずっと気の利いた物が工夫できる。それを艙内に「逆ピラミッド形」に積み上げたら、利用者の心理的な圧迫感もなかろう。そして、デッキクレーンには「人間用エスカレーター/リフト」をとりつけられるようにすればいいのだ。最新のユンボが「手首」だけワンタッチ交換できるようになっているが、そういうものがフネ用にも設計できるはずだろう。それで、岸壁(もしくは通船、浮き桟橋、バージ上)から、至短時間に大量の人間を掬い取って艙の底まで急いで移せばいいではないか。もちろん艙内は事前・事後に洗滌するから衛生上の問題も無いわ。

 次。
 Diana Stacy 記者による2024-9-5記事「How the Marine Corps is testing a ‘narco-boat’ for resupply efforts」。
  海兵隊は、麻薬カルテルが建造したナルコサブをモデルに、無人で離島の友軍に補給物資を届けてくれるロボット潜航艇を試作してテスト中である。

 全長55フィート、航続距離は数千浬。
 2023年に2隻のプロトタイプができていた。

 これを装備することになるのは、沖縄の海兵隊だ。これから数年がかりで、調達が進む筈。

 次。
 『Taiwan News』の2024-9-8記事「Taiwan’s domestic sub undergoing harbor acceptance test」。
   台湾国産の潜水艦の第一号『Narwhal』は、浮きドック内でほぼ仕上がり、公試運転前の港内試験が続けられている。正式進水は今月中を予定。公試運転は来年6月。引渡しは2025-11の予定。

 これまで備品の不良が70以上報告されており、造船所のTSC社の内部に妨害工作員がいると言う者もいる。
  ※台湾こそナルコサブコピーの無人機雷敷設ロボットを数万隻も量産しなくちゃダメではないか。それでブロケイドを突破して食料や燃料を搬入できるのだから。

 次。
 2024-9-8記事「Leopard 1 tank with MTU 8V199 engine」。
   ロールズロイス社とFFG社は、旧い「レオパルト1」戦車のエンジンを「MTU 8V199」に換装するビジネスを始めたい。
 もともと「MTU MB838」が載っている。ところがドイツのメーカーはもうそのエンジンを製造していないのだ。

 エンジンを換装するついでにトランスミッションも新しくする。

 この改修は、ゲパルトなどの派生車体すべてに適用できる。
 「8V199」エンジンは出力800kWである。すなわち「MB838」よりも190kW、増強される。

 新エンジンは、旧エンジンより低コスト。メンテナンスのインターバルも長い。

 「レオ1」の現用国は、貧乏所帯が多い。おいそれと新戦車になど更新できない。そこに改修の市場がある。

 いま、9ヵ国が「レオ1」とそのファミリー車両を使っており、その数は4700両である。昨年からはウクライナもユーザーだ(独、デンマーク、蘭が総計110両寄贈する)。

 新エンジンは、「Boxer」装甲車の主機でもある。

 FFG社は、冷却関係を担当する。
 また新トランスミッションの「4HP250」はZF社が用意する。


ブダノフが率いている、ウクライナの国防情報局で、1800km飛翔する特攻ドローンをこしらえた。

 詳細は明かされていないが「Lyuty」という名前の、TB2にちょっと似た機体なのかもしれない。

 次。
 Howard Altman, Tyler Rogoway 記者による2024-9-6記事「Carrier Captain In Combat: What Went On During 7 Months Under Fire Around The Red Sea」。
   紅海~アデン湾でフーシと戦ってきた空母『アイゼンハワー』の艦長、クリストファー・ヒル大佐に訊いた。
 同空母は中東海域に9ヵ月居て、やっと引き揚げてきたばかりである。

 同空母を中核とする機動部隊IKECSGは、800発近いミサイルをこの9ヵ月で発射したという。
 またイランからイスラエルに向かって飛んでいた巡航ミサイル/無人機を、米海軍として初めて撃墜した。

 F-18グラウラーはいままでわかりやすい空戦の戦果がなかったが、この9ヵ月で、ドローンやら輸送ヘリやら、何機か撃墜した。

 輪形陣のアーレイバーク級駆逐艦からは、初めてSM-6を実戦発射。

 女性パイロットが操縦するF/A-18 スーパーホーネットが撃墜スコアをあげたのも初。

 また米艦隊として、リアルの「対艦弾道弾」の飛来を初めて経験した。

 アイク艦隊は地中海と北海で演習中だったのだが、そこにハマスの10-7侵略が始って、1週間後に、中東へ移動することになった。

 艦上戦闘機によって落とした空中標的は、数十にのぼった。

 『アイゼンハワー』は、ホークアイのC型を積んでいる最後の空母だが、E-2Cの調子はとてもよい。
 この艦長は、週にいちど、E-2Cに同乗して、飛んでいたという。時にはその操縦桿を任された。

 ※この人のキャリアで、10年前には現役のE-2Cクルーだったらしい。だから旧い飛行中隊を預けられたのか。

 米空母の艦長がみずから搭載機で飛び立つことはよくあることで、この艦長はグラウラーやF-18で飛び出すこともあるという。しかし、かつて20年間も操縦していたE-2Cがいちばんリラックスできるから、つい、それが多くなる。

 ※水上特攻ボートに関する質問には、ほとんど答えてはいけない模様である。米海軍は、その分野こそが最先端脅威だと認識しているのか。

 『アイク』の中には、ヒンズー語を話せる女性の「E-3」(上等水兵)がいたので、救助したインドの難破船の乗組員との通訳に重宝したという。

 今回体験したことは、リポートにまとめられ、近い将来、海軍大学校で講義される。

 次。
 ストラテジーペイジの2024-9-7記事。
    西側圏内に住み、中共のためのエスピオナージの手先となっている「オペレーター」のシナ人は、自分が「反北京」であるように装って、現地人やシナ人留学生たちを信用させて、情報を集めている。

 ※わたしの亡父の元同僚だった人が、戦中は中国戦線に出征していたらしかったが、若いときのわたしはどうしようもないうつけ者で、貴重な体験者から詳しい話を聞いておくという知恵が回らなかった。ただ、生前いちどだけ、「好きな落語のネタ」について質問したことがあった。というのは、この人の素人落語が部隊では大うけだったので、一時はプロになろうかとまで考えた――という話を間接的に承知していたからだ。回答は「そば清」だった。そしてここがうつけの真骨頂で、質問をわたしはそこで了えてしまった。今ようやく、いろいろと推理できる。「そば清」は、大食い競争の話だ。意外性の高いオチは、悪いが当時の兵隊たちにはむしろわかりにくかったはず。要は、部隊の誰もが切実に飢えていたので、兵たちは大食いの話を聞いて手を打ったのに違いないと思う。中支(あるいは南支? それすら聞かずじまいだった)でも昭和20年は半飢餓状態に近かったのだろう。子ども時分、この人が先導する、長野市郊外の山林中の山菜採りに、わたしは幾度か同行した。マジシャンではないかと、いつも思わされた。わたしの視力は1.5~2.0あったが、どれほど目を凝らして見つけてやるぞと意気込んでも、常にこの人(近視眼鏡をかけていた)の方が早く、遠距離から山菜を識別した。たぶん戦地でも、このスキルが生死を分けたのではなかったか。そしてまたその足が、ほとんど疲れを知らない持久速力であった。『麦と兵隊』などを読むまでは、なぜそんなスピードでどこまでも平気で歩き回れるのか、理解できなかった。生き残って復員できる者の、それが最低資格だったのである。レジャー用の山岳ガイドブックに「健脚者向きコース」などと書いてあると、わたしはいつも、このおじさんの短躯の巻き脚絆姿を思い浮かべ、「俺にはぜったいに無理」と畏怖の念を喚起する。自衛隊の職種希望に「普通科」と書かなかったのも、潜在的なこの自覚が関係していたのだ。

 次。
 Nivedita Bhattacharjee 記者による2024-9-7記事「Explainer: What is helium and why is it used in rockets?」
    なぜ宇宙船はヘリウムガスを多用しているか。
 それは不活性なので燃料タンク内で燃料と化学反応しない。しかも軽い。
 また沸点がマイナス268度なので、宇宙の寒いところでも液化したり凍ったりしない。

 ロケットの燃料槽から燃焼室までよどみなく燃料を流してやるときに、ヘリウムガスは役に立つ。
 また、冷却の媒体としても、ヘリウムが使えるのである。

 燃料と酸化剤が消費されたタンク内には、やはりヘリウムを充填しておく。それにより、タンクが負圧で潰れない。

 しかし分子が小さく、軽いので、ヘリウムは、ごく微少な隙間があっても、そこから漏出する。

 さいわいなことに、空気中にヘリウムが混じったかどうかをセンサーで探知させるのは楽勝である。

 それで、今年5月にボーイングのスターライナーを打ち上げる前にも、実は、わずかなヘリウムの配管からの漏洩が、スラスター付近で検知されていたのだが、大したことはあんめえ、と、6月の有人初発射を強行していたのだ。

 こんかい、人を宇宙ステーションに置き去りにしてスターライナーだけを無人で地球に戻したのは、このヘリウム漏出が止まっていないため。

 あるエンジニアは証言する。まったくあたらしいバルブを考えないと、ヘリウム漏れはなくせないぞ、と。

 ヘリウムは高額なので、代用品として、同じ不活性ガスであるアルゴンや窒素が、バルブ等の開発中には、よく使われている。しかしそれだと分子サイズが違う。

 欧州の「アリアン6」ロケットでも、ヘリウム漏れをなくすのに苦労をしているようだ。

 ※雑報によるとパレスチナのTVフッテージでちょくちょく、同じおっさんが、両手で赤子を差し上げて何事か叫んでいる。この赤子はじつは「人形」で、毎回、違ったものが用意されてくる。しかしおっさんはいつも同じ人相なので、スチル画像を並べれば、「雇われ演技者」であることはバレバレであるという。


USスチールの近代化に期待できないなら、オーストラリア西部のピルバラ山塊に巨大一貫工場群をぶっ建てた方が、未来の自由世界の安全強化につながるだろう。

 というのは、これから人口と経済ののびしろが莫大らしいアフリカ市場にとても近い。何兆円ものカネを動かすなら夢も大きい方が面白い。ゼロから最新工場をつくればいい。

 豪州西岸なら、砂漠みたいな土地が余っているだろうし。

 豪州には、あとひとつかふたつの「海軍工廠」も必要になるはずで、そこへも資材をサクッと供給できよう。

 スエズ運河はこれから完全閉塞されそうだから、豪州のどこかに大きな寄港地ができてくれることを、世界の商船業界も望んでいる筈。

 次。
 Howard Altman, Joseph Trevithick 記者による2024-9-5記事「The Story Of Sailors Secretly Installing Starlink On Their Littoral Combat Ship Is Truly Bonkers」。
    2023年に西太平洋に配備されていたLCSの『USS マンチェスター』に乗っていた古手の兵曹たち(ただし2交替組のゴールド・クルーの一派)が、こっそりと私的にスターリンクのアンテナを艦橋に取り付けて、映画のストリーミングを観ていたことがバレた。艦長はまったくあずかり知らないでいた。

 スターリンクのアンテナは受信だけでなくインターネットの送信もするから、ESMを備えた敵軍がこのLCSの位置を探知できてしまう状態であった。

 兵曹たちは申し合わせて醵金し、スターリンクの契約をして、そのアンテナを「0-5 ウェザーデッキ」〔おそらく艦橋のどこかにある庇状の構造体の上面部〕に固定した。そこは下から見上げても直視はできないエリアであった。
 取付け工事をしたのは、仲間の最古参の女性兵曹で、経営学修士号を有していた。この女は今年、軍法会議にかけられている。

 こんなことをされてはLCSのエミッション・コントロールは無いもどうぜんだし、場合によっては艦内のスパイが敵に機微情報を通牒できてしまうわけである。

 またその私的ネット回線を通じてマルウェアが届けられ、それが艦内に蔓延してしまう恐れもゼロではない。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2024-9-6記事「Ukraine adopts ground drones for evacuating wounded soldiers」。
  ウクライナ軍は、負傷兵の後送に、無人装軌車を実用し始めた。

 このUGVは、「FOXTAC」という国産品である。
 車高はたったの40cmしかない。

 通常、無線リモコンは700m内でするが、電波を10km届かせることも不可能ではない。
 有線リモコンのオプションもあり。
 また、車両は自車の「軌跡」を記憶しているので、敵のEWのせいで無線リモコンが切れたとしても、患者後送作業は続行される。

 2023年夏の激戦では、連日、400~500人の負傷兵が発生した。

 次。
 ストラテジーペイジの2024-9-6記事。
   今、最も多数のロシア兵を殺しているタイプのFPVドローンの1機のコストは、500ドルくらいである。

 次。
 Paige Oamek 記者による2024-9-6記事「Unsealed FBI Doc Exposes Terrifying Depth of Russian Disinfo Scheme」。
   水曜日に米司法省は、2024大統領選を偽情報によって左右するべくロシアが開設していた32のインターネット・ドメインを押さえたことを発表した。

 ロシアの工作名は「ドッペルゲンガー」。
 AIでどんどんフェイクニュースを濫造させる。そして、トランプを当選させる。

 ロシアはそのプロパガンダを拡散させるために2800以上の「インフルエンサー」のリストを持っており、それも司法省は公開した。その「五分の一」は合衆国内に住所がある。

 ロシアからの観察では、米国内の右翼運動のカギは、ゲーマーとチャット利用者どもなので、それをターゲットにしなくてはならない。


米空軍所属の2機のF-35Aがフィンランドにて、飛行場ではない舗装道路を使って離着陸する実験を成功させた。9月4日に。

 John Vandiver 記者による2024-9-4記事「US forces should consider Ukraine’s freewheeling model for social media messaging, analysts say」。
    RAND研究所は、ウクライナ軍の自由奔放なSNS利用は、対露に関しては、効果を上げていると肯定的に評価。米軍も、統制するばかりが能じゃないだろう、と示唆している。

 次。
 Defense Express の2024-9-5記事「Ukraine’s FPV Drone Intercepts russian Lancet Loitering Munition」。
   露軍の「ランセット」固定翼自爆機の後上方から宇軍のFPVドローンが近づき、衝突して撃墜する動画がSNSに公開された。

 ※これまた、2機1組の戦果だろう。さらに上空に、下方を見張っているドローンが存在し、それと連携してFPVドローンを空中標的に導いているはず。

 ※ランセットの側では、後上方からの脅威に、まったく気付いている様子がなく、等速水平飛行を終止、続けている。

 あるウクライナ人によれば、もうすくなくも115機の空中目標を、FPVドローンによって撃墜しているのだという。

 次。
 ロイターの20249-6記事「Rebecca Cheptegei: Uganda athlete dies, days after boyfriend set her on fire」。
   パリ五輪の女子マラソンにウガンダ代表として出場して44位であったレベッカ・チェプテゲイ選手(33)が、ガソリンで焼き殺された。下手人はケニア人の男友達。

 2021-10いらい、ケニアでは有名女子スポーツ選手が立て続けに3人、殺されたことになる。

 全身の75%に火傷を負い、ケニアの病院で手当てされていたが、多臓器不全で、帰らぬ人になった。
 犯人も体表の30%を焼き、同じ病院にて治療中。

 チェプテゲイは2児の母である。そしてウガンダ国籍ながら、ケニアに土地と住宅を所有していた。この土地をめぐって、下手人の男と争いがあったという。

 ケニアの政府統計によれば、2022年以降、ケニア国内の15歳~49歳の女性の34%が肉体的暴力を蒙っている。既婚女性だと41%が被害者だという。

 2021-10に、五輪ランナーであるケニアの女子選手 アグネス・ティロプ(25)が、頚部を複数回刺されて死亡した。亭主が殺人容疑で逮捕されたが、「俺はやってねえ」と主張している。

 この問題に詳しい専門家いわく。ケニアでは成功した女子選手にヒモがたかり、そのヒモが金を引き出そうとして殺傷トラブルになるのがお決まりだと。

 次。
 Adam Givens & Gian Gentile 記者による2024-9-5記事「Ukraine, Kursk, and the Importance of Lines of Operation in History」。
    ゼレンスキーのクルスク反攻は、ロバート・E・リーによる1863夏のペンシルベニア北上攻勢と似ている(その結果、ゲティスバーグ会戦が起きた)。
 リーは、麾下の南軍を給養するために、蓄積豊富な農村地帯を行軍コースに選ぶ必要があった。
 リーは、その北上によって北部の領域内を混乱させようとした。
 リーは、南軍が主動的に攻撃しなければ、北軍が準備している次の新規攻勢にやられてしまうのみだと思っていた。

 しかしゲティスバーグでリーは敗れた。
 対手のミード将軍は、高地を占領して布陣し、塹壕陣地の防禦力は堅く、その後方補給線は太かった。
 リーの常套であった「内戦機動」では、この北軍の後方補給線を遮断できなかった。

 次。
 Defense Express の2024-9-3記事「Polish Company Develops Warmate 50 Loitering Munition Capable of Reaching Moscow」。
    ポーランドで開催中のエキスポ「MSPO 2024」に、地元の企業「WB グループ」が、新型特攻無人爆撃機のモックアップを展示した。
 「ウォーメイト50」と称し、レンジ数百kmで、ポーランド領内からモスクワ市を空襲できるよう、特に考えて、もっか、開発中だという。

 弾頭重量は、50kgくらいらしい。
 エンジンは、内燃機関を使う。

 偵察任務をさせることは一切考えない。特攻自爆のみに単機能化し、徹底的にコストを下げて、急速に大量に製造してモスクワを打撃し続けるのだ。


中共軍の「殲20」戦闘機は、今年、300機の大台に乗ったと推定される。

 『Militarnyi』の2024-9-4記事「British Modini introduced a Dart 250EW jet drone to destroy electronic warfare systems」。
    ポーランドで開催されている「MSPO 2024」に、英企業が「ダート 250EW」という、ジェットエンジンの使い捨てドローンを出展している。

 「モディニ ダート 250」という既存のジェット無人機がある。それを元にして改造した。

 Modini社製の新型フライトコントローラーを搭載する。そのシステムは、全自動で、敵が発している電波源を探り、そこに向かって自機を突入させ、自爆する。

 また、地形追随飛行力も進化している。時速400kmのスピードなのに、けっして地面から100m以上離れない。だから敵はSAMではこれを撃退はできない。

 特製フライトコントローラーは、敵が強力な電波妨害をかけてきたときには、直前まで覚えておいた目標座標に向かい、INSを恃みに直線降下して自爆する。

 ※この記事にはエキスポ会場内で撮られた写真がついている。注目したいのはドリー(移動台車)。この特攻機は片道仕様だから、ランディングギアを機体に固定するのは無駄、且つ、有害だ。そこで、滑走離陸させるときにだけ、別あつらえの4輪ドリー上に結合し、離陸の瞬間に、そのドリーから機体の腹を切り離すようにしていると思しい。このドリーが、どうみてもただの台車ではない。それじたいが無人車(UGV)らしい。各輪のサスペンションはフォーミュラカートの様で、前2輪はあきらかに操向ができる。さらに車体中央底部には電池がぎっしり載せられているようにも見える。おそらく、離陸滑走時の急加速を、UGVが電動モーターによってMaxに助長するというコンセプトなのだろう。これを使えば、UAVの使い捨てエンジンのスラストが非力でも、離陸するのに、長い滑走路は無用になる。そこらにあるふつうの自動車道を、臨時に、UAVの発進基地とできるわけだ。道路に穴があいていたなら、AIが自律判断して軽く操向して避けることもできよう。しかも、機体が離昇したあと、ドリーは自走によってまた、風下側の離陸スタート地点まで、戻ってくるであろう。

 ※200km/時くらいまで加速したドリーを急減速させるときに「回生ブレーキ」が使えると、さらに好都合だろう。それに適した電池が某社にはあるよね。被弾しても絶対に燃えないやつが……。

 次。
 AFP の2024-9-3記事「South Korean shipyard starts overhaul of US Navy vessel」。
   火曜日、韓国の民間造船所(ハンワ系列)が、米海軍艦艇の修理事業を正式にスタートした。
 オーバーホールもこれから全面的に請け負う。

 従来、もしも中共沿岸で米軍艦が損傷をしたなら、いちいちハワイや米本土の造船所まで戻る必要があった。これからは、その手間はなくなる。

 ※あまり報道されていないが、米本土の造船所の労組をどうやって説得したのかが知りたい。たぶんは、米本土の造船所は人手不足のために海軍の要求に満足に応えられなくなっているではないか、という非難レトリックが効いたのだろう。同じレトリックが、新日鉄がUSスチールの経営権を握りたいと思ったときも、すぐに着想されなくてはいけなかったのだ。新日鉄ならば米軍の砲弾需要にすぐに応じられるんですよという事前の水面下の周到なPRが、必要だったのだ。

 次。
 『ワイヤード』の2024-9-3記事「The US Navy Is Going All In on Starlink」。
    いちど出航したら、寄港するまで何ヵ月もかかる軍艦勤務。これをすすんでやりましょうという若い水兵志願者が、いまどきいるわけがないので米海軍の人員募集担当者は困ってしまい、ついにこのほど、打開策として全面導入することに決めたのが、スターリンクである。

 べつにスターリンクで戦術連繋しようというわけではなく、軍艦上に用意したスターリンク回線を水兵に自由に使わせることで、洋上勤務も悪くないですよ、とPRしたいのである。米海軍は。

 高速衛星ネット回線であるスターリンクを使えば、陸上にいるときと同じように、オンラインゲームもできるし、友人や家族とチャットもできる。

 従来も海軍は、艦上の水兵と陸の家族とのあいだの連絡用に、衛星回線を使わせていたのだが、それは最低限の通信速度環境であった。少数の古い通信衛星を経由させるので。

 米海軍の計算では、艦上にスターリンク用の追加アンテナを設けると、それを利用する水兵は、毎秒1GBの私的通信が可能になるだろうという。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2024-9-4記事「Demodernized AK-12 2023 Model Secures Place in the National Guard of the russian federation」。
    カラシニコフ社は、同社製の「AK-12改」が8-28に露軍の郷土防衛軍によって採用されたと発表した。
 すなわち2023年モデルとよばれる「退化」型。

 2023年型は、「2発バースト」の機能を除去し、セレクトできないようにした。役に立たず有害なので。
 他にもいくつかの不評な点が、元に戻されている。よって「退化」型と称する。

 次。
 Hina Husain 記者による2024-9-3記事「Canadians turn on Trudeau over immigration」。
   カナダは移民をすこぶる歓迎する国であったが、最新の與論調査が示したところ、65%のカナダ国民は今や、トルドー政権の移民招致計画は数量的に行き過ぎだと思っている。カナダでも、逆風が吹き始めたのだ。

 トルドーが政府を率い始めた2015年、野心的な目標が掲げられた。2025年までに移民を50万人受け入れて定住させる、と。

 しかし住民は、近年、家賃がやたら高くなり、ヘルスケアの機能も悪くなってしまったのは、移民のせいだと理解している。

 ※雑報によると、ハマスが掘ったトンネルの総延長は、NYCの地下鉄網を凌ぐことがわかってきた。その工費を用立てたのは西側である。


火曜日、ゼレンスキーは、国軍の参謀次長 Rostyslav Shurma を罷免した。

 ロイターによれば、副首相 Olha Stefanishyna も免職された。

 次。
 Christopher Bing and Katie Paul 記者による2024-9-3記事「US voters targeted by Chinese influence online, researchers say」。
    中共のSNS工作部隊が、米国内の有権者になりすまして、11月5日の大統領選挙の投票結果を左右しようと奔命中である。

 スパムとプロパガンダを織り交ぜるので「スパモフラージュ」などと呼ばれることもある。
 米国でこの活動が始ったのは2017年。今日では50以上の投稿型ウェブサイト上で、数千のアカウントを駆使するまでに巨大化した。

 中共発のスパモフラージュは、米国の共和党にも民主党にも肩入れをしない。米社会と米政府に人々の最大の批判が向くようにけしかけている。

 大統領やその候補者の報道動画を変造したようなものは、各プラットフォームでも、削除やアカウント停止などの措置を自主的に講じている。大衆に与える影響が大きく、しかも悪質なので。

 ※雑報によると、ミル28NMがクルスクで活躍中というロシアの広報が怪しいので写真の中のレンズの反射を手がかりに場所を特定したら、そこはドネツクの村であることが分かったという。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2024-9-3記事「Aerial Refueling Boom Pods That Could Go On F-15s In The Works」。
    米空軍は2つの企業に対して「バディ・ストアー」と称する、後付けポッドに一式まとめられた空中給油システムの開発を発注する。

 このポッドは、コバンザメのように、既存の軍用機や民用機の腹に貼り付けられる。たとえば旧式のF-15戦闘機にこのポッドをとりつければ、たちまちにして、米空軍の新鋭の戦術航空機に対する、高性能な空中給油機として、第一線に貢献ができるようになるのである。

 海軍機の場合、空中でホースを長く延ばす給油システムで、艦上戦闘機の「バディ給油」ができるポッドも早くからできていた。それに対して空軍機は、短いブームを斜め下に伸ばす方式。こちらのタイプは後付けポッド開発が容易ではなく、しかも大型機でなくては効率も悪いと考えられて、いままでは、顧みられていなかった。

 ※これは正しい方向だ。ブーム式の大型の空中給油機は、給油効率は良いかもしれないが、いまや超射程AAMを中共軍も手にするようになっており、被弾のリスクがまったく無視できなくなった。あまりに高額で数も少ないため、数機がやられただけでも、南シナ海での航空作戦計画が破綻しかねない。そのような可能性を放置しておいては、敵が元気づいてしまうから、その芽を摘む。これを『孫子』の言葉で「伐謀」と言う。

 次。
 Harry Valentine 記者による2024-9-2記事「Re-evaluating Gas Turbine Engines for Future Maritime Propulsion」。
    商船用の「ガスタービンエンジン」が、すこぶるエコな新世代の主機として、登場する可能性が出てきたという。
 旧来のガスタービンは、最高温度で最大回転速度に達すると、出力が最大になると同時に燃費効率もいちばん高くなる。つまり低回転だと効率が悪くて燃料の損だし、さりとて高回転にすれば、燃費の数値はよくても燃料は馬鹿みたいに消費されてしまう。とても商船用には向かないキャラクターのエンジンだ。

 旧来のガスタービンエンジンで、1軸のスクリューシャフトを、全速の25%で回転させようとすると、エンジンのエネルギー変換効率は、全速時の半分に低下してしまうのだ。

 そこで、「外燃機関」でありながら「クローズドサイクル」でもある新種のガスタービンが、構想されている。
 「クローズド」の意味は、同じガスが、圧縮段とタービンを、なんどもぐるぐると回って、いつまでも「排気」されないから。

 この新基軸のメリットは、最大出力の25%でトロトロと回していても、良好な燃費効率を期待できるのだという。つまり商船向きである。

 ただしハードルがある。外燃機関だから、熱交換をせねばならぬ。超高熱に耐えてくれる素材が求められる。それ次第で、効率も最大出力も左右される。

 提案されている新エンジンは、圧縮段が2つにタービンが3つ、燃焼室が2つ、熱交換器も2つから成る。

 ※10年間、メンテナンスを重ねつつ乗用し続けてきたスチール製のママチャリが、さいきん「重い」と感じられるようになってしまったので、思い切って総アルミ製の26インチに買い換えたら、あまりの違いに驚嘆の日々。デザインは堺市の「サカモトテクノ」。軽さを欲して敢えてシングルスピードを選んだところ、これもまた大正解であった。「新車」は、前カゴあり、後部荷台もあり。この前駕籠に買出し物資を載せた状態で漕ぎ出すときの軽快感は、身体が予期に相違してバランスを崩しそうになるほどである。またヘッドライトが進化しているのにも感心。意図的に下方へも光を分割して、前輪のハブからリムまでビカビカに照り輝かせる設計なのだ。これによって、自動車ドライバーからの視認性は十全である。荷台には、百均店で調達した「Wフックロープ×2本入り」を巻きつけておく。12ロール入りのトイレットペーパーを買ったときに、一挙動で確実に固縛できるのだ。あと、百均の猫鈴も、どこかに吊るしておけば、前方の歩行者が接近を耳で察してくれる。

 ※「吊り上げ式」の駐車場が、水害対策として、これから、考えられるのではないか? 駐車場に鉄塔を立て、鉄塔頂部から放射状アーム。そのアームからワイヤーを垂らして、1台ずつ、車両を簀の子に載せて、吊り上げてしまう。二輪車だったら、ちょくせつフックで懸ける方式も可能だよね。駐車密度も上げられるからそれでペイするし、車両盗難だって、防げるんじゃないか?


ロシア政府は今年、全歳出の40%を軍事費に回すであろうと予測されている。

 『モスクワ・タイムズ』の2024-9-2記事「Russian Manufacturing Growth Hits 1-Year Low in August」。
     月曜日発表の統計値から分かること。ロシアの製造業は、かつてなく成長率が鈍っている。

 次。
 2024-9-2記事「Ukrainian drone burns a forest belt with termites」。
   ウクライナのまったいらな耕作地帯で、畑の境界線になっている、細長い潅木帯。
 ここは敵の兵隊が隠れ潜むところなので、焼き払った方がよい場合がある。

 その道具の最新版。
 クォッドコプターに、特殊な焼夷剤入りの箱を吊下させる。それをFPV操縦により、グリーンベルト上を低空飛行させつつ、「ふりかけ粉」のように連続的に焼夷剤を滴らせれば、雑木林は下草から丸焼けになってくれる。粉末は、放出の開始時点で既に点火されているようである。落下中において既に燃えている。

 SNSに投稿されている動画を見ると、粉末は空中においてすでにオレンジ色の閃光と濃厚な白煙を発している。ここから、焼夷剤の正体はテルミットだろうと見当がつく。「三酸化鉄」粉とアルミ粉のミックスだ。

 軍用の普通のテルミット剤は、燃えると摂氏2400度になり、鉄道のレールを溶着できるほどだ。

 箱の重量は公表されていないが、数kgというところか。
 強力な13インチのマルチコプターなら、ペイロードは8kgある。その荷重状態で水平距離5kmまで進出できる。

 宇軍はテルミットを空中から粉末として地表に注ぐ用法を今回、初採用したが、以前から、マルチコプタードローンにテルミット梱包(1kg)を吊るして、遺棄されている露軍のAFVのハッチの中に落としてやり、確実に焼却破壊する技法は、よく使っていた。
 ※爆風が発生しないので、マルチコプターが巻き添えにならず、重量級のマルチコプターを使い捨てにしないで、何度も反復出動させられる。ちなみに通常のテルミット反応では毒ガスの類は発生しない。白煙を吸っても命にはかかわらない。しかし閃光に紫外線が含まれているため、至近から直視していたら、目は悪くなるであろう。

 既知情報によれば、ウクライナ国内で重さ1kgの四角柱形の「テルミット梱包弾」を製造しており、その単価は12ドルくらいだという。同じ重さの爆薬よりもずっと安い。
 外形を円柱状にしないのは、敵AFVの天板にヒョイと投げ上げたときに、ころがり落ちないようにと考えているらしい。テルミット反応の高熱は、装甲鈑にも穴をあけてしまう。

 次。
 Nishank Motwani 記者による記事「The Danger of AI in War: It Doesn’t Care About Self-Preservation」。
    AIをプレイヤーに加えた兵棋演習があちこちで試行され、知見が蓄積されている。AI主導の戦争指揮には、特徴が見られることがわかってきた。人間が采配するウォーゲームよりも、容易にエスカレーションに進む。核戦争の開始にも、ためらいがない。

 人間にとって、戦争とは、生き残る意思を賭けたものである。だから、万一の失敗のおそれを無視できず、名プランの実行にも、ためらいがつきまとう。
 それと異なり初手から無生物たるコンピュータは、自己の生存には頓着しない。ということは、最大戦果が期待できるならば、大概のリスクを度外視することに雑作が無い。

 人間にとって戦争は、我の意思を彼に強制する営為である。コンピュータにとってはそうではない。


100機以上のスウォーム・ドローンがモスクワを空襲し、複数のビルが燃えていると。

 Svetlana Shcherbak 記者による2024-8-31記事「Ukrainian Air Force Has for the First Time Shown the Detailed Use of JDAM-ER and Revealed Its Actual Range」。
   ウクライナ空軍の「ミグ29」には、2022末から米国製の「JDAM-ER」を運用するための機体改造が施され、2023-3に、その最初の実戦投弾がなされている。

 このほど公式ビデオが宇軍によって公表され、その取り付け方の詳細が明示された。

 ビデオから、クルスク地方の「Seym」川に架る橋を爆砕したのは、JDAM-ERであったことも判明した。
 このことから、実戦環境下における同兵装の実用的な水平飛翔レンジを、推定できる。

 兵装をリリースした場所は、「Sumy」地区の「Zhary」村の上空だろうと、映像から判断した。そこから橋までは、約40kmだ。
 リリースは低空からのトス爆撃法による。すなわち投弾直前、機体を高速にして急上昇させ、その途中で爆弾を抛り出す。

 このたびのビデオ画像の解析では、リリースの高度までは掴めなかった。

 残る疑問。ロシア製の機体で西側の兵装を運用して精密に当てるためには、特注のプログラミングも必要である。それはどうやっているのか?
 過去、「AGM-88 HARM」をミグ29およびスホイ27から運用させるにさいしては、ソフトウェアの入力端末として「iPad」が役に立っていた。今回も、その便法が使われているかもしれない。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-9-1記事。
   ロシアにとって今、香港が、兵器と弾薬密輸の最重要拠点になっている。

 香港当局は、ロシアの原油タンカーやばら積み貨物船がその正体を誤魔化して香港に密輸品を卸すのに協力している。貨物船は戻り道で中共製の兵器・弾薬を搭載してロシアの港まで戻る。

 これは新しい話ではなく、ずっと下地があるのだ。2004年いらい、在香港の複数の商社は、中共製の武器の密輸出で稼いできた。輸出先は、さまざま。

 次。
 Khaleda Rhman 記者による2024-9-1記事「Is College Still Worth? Many Americans Say No」。
  ダラス市でレストランの店長をしている23歳。この人は大学を1学期だけで中退した。

 今日、4年制大学を卒業するためには、1人の学生は10万ドル以上の借金を抱え込むであろう。それに利子をつけて、数十年もかけてローン返済をしていかなければならないのだ。

 そんな長期の経済的な大負担に見合う、生涯の幸福はあるか? 無い、というのがこの23歳の胸算用であった。
 じっさいまた、1~2年生が受講せねばならない大学の初級授業が、新味を感じさせない内容のものばかりだったという。高校生のうちに勉強してしまった範囲だったという。

 こんなものに時間を使うのだったら、その同じ時間を「労働」に使い、若年にして経験を積んだ方が、もっと自分の市場価格を高められると、この人は直感し、その直感に従ったのだ。

 多くのアメリカ人が、この人と同じ価値判断をするようになっている。

 2021のガラップの意識調査によると、子育て中の親の46%が、じぶんの子どもが高校卒業後にすぐに4年制大学に進学する必要はないと考えている。

 過去十数年、米国では、テクノジー産業が、4年制大卒の肩書きを信用も重視もしなくなった。要するに、産業の最前線が求めているものとは関係のないことを大学が学生に教えていることが多い。「Z世代」もそこに敏感だ。

 2024年に750社にアンケートしたところによれば、18%の企業はいまや、管理職に任用したい若い人材に対して、最初から大卒資格をもはや要求していない。

 他方、労働省の統計によれば、四大卒の労働者は、高卒の労働者よりも、給料が65%多い。また失業率は、高卒が大卒の2倍に近いとも。

 理工医系の大学教育は、学生がかけた費用を、卒後に取り戻す目途が立つ。人文系は、〔法曹大学院コースを行くのでないならば〕然らず、苦しい。これは大学の経営者側も同様で、学生の人気が低くて財務が火の車だと、教育内容も人間重視ではなくなってしまう。人文学部なのに。

 次。
 2024-9-1記事「Ukraine Eyes Billions in Revenue from Controlled Defense Industry Exports」。
   ウクライナ国内の兵器産業は、現況、年に200億ドルの武器弾薬を製造できるキャパシティがある。
 またウクライナ政府は、年に60億ドルの武器弾薬を調達できる予算がある。

 この差額の140億ドルは、将来、輸出が可能である――と、ウクライナの業界団体が皮算用。

 しかし夢と現実のあいだにはギャップがある。国家が、あたらしいテクノロジーに全賭けするのだという決意と方針を示して、必要な資金と労働力をここに一点集中してくれないと、産業キャパシティがリアルの工業生産にはなってくれない。
 民間会社の自社投資では、遅々とした拡大しか期待できない。

 そこで提案する。政府は国産武器の輸出を奨励しなさい。
 そうすれば企業は自社の稼ぎを増やし、その中から技術開発資金の余裕を得るから。

 現状、ウクライナには、私企業による武器輸出を禁ずる法令は存在しないのだが、政府の胸先三寸指導により、それが事実上、できないのだ。

 要するにウクライナ政府は国内の企業に《勤労奉仕》をさせて武器弾薬を無料で造らせて納品させたいと念じているのだ。政府からは資本注入をせずに。

 増税して原資をつくって政府が武器をどしどし発注しどしどし買い上げるというのが戦時では当然なのに、ゼレンスキーは納税者からの反発がおそろしく、その常道を避けるつもりなのである。

 それで、国内企業に無償・無報酬での献納をさせようと安易に考えている。
 そんなヒッピー式・共産主義式の頭で、最先端のハイテク兵器が大量生産できるわけない。まるで経済がわかってないのだ。

 2024-7にウクライナ国防省内の兵器生産委員長は、国内武器メーカーによる輸出が必要だと発言。
 8月12日、政府内に、そのメカニズムを考える作業部会が立ち上がった。

 次。
 Defense Express の2024-9-1記事「Ukrainian Drones Finally Reached Moscow’s Oil Refinery」。
   モスクワ市へ電力を供給している「カシラ発電所」に9月1日の夜、3機の自爆ドローンが突入した。
 この発電所は「Oka」川岸にある。

 また同時に「Tver」地区の「Konakovo」市にある発電所と都市ガス供給ステーションも特攻機にやられた模様。

 次。
 Hydrocarbon Processing News の2024-8-30記事「Russian diesel output set to fall 7.5% m/m to 7 MM tonnes in August」。
   8月のロシアの軽油生産量は、7月より7.5%減った。
 これは宇軍に爆撃された精油工場の修繕が追いつかないためである。

 ロシアではこれから秋の収穫作業ピークを迎える。その農機とトラックを動かすのに軽油は欠かせない。
 この内需を満たすために、軽油の輸出が減らされるはず。おそらく秋の軽油の輸出量は、7月の「五分の一」になるだろう。

 ※こうした統計を解析されるとロシアの弱みがありありとわかってしまうので、ますます石油関連統計の発表をロシア政府は禁ずる傾向にある。


チェコ人旅行者の雑報によると、ドイツ国内の鉄道は異常。一等切符を持っていないイスラミック集団がなぜか一等車席を勝手に占領していて、悪臭と混乱の極みだったと。

 Thomas Fazi 記者による2024-8-31記事「Who’s afraid of Sahra Wagenknecht? Germany’s ‘left-conservative’ has redefined populism」。
   9月にドイツ連邦の東部の3州で、国政選挙がある。ザクセン、チュリンゲン、そしてブランデンブルク。
 いずれの州でも、右派大衆政党であるAfDが大勝するであろうと、いまから予測されている。

 AfDは、現勢でも、ドイツ国内の第二党。第一党=政権党は、中道右派たる「CDU/CSU連合」だ。

 旧東独には、いまだに「共産党」の残骸も生き残っており、それだけで同地では「第三党」ができるという。

 来年には、旧西ドイツでの議席改選がある。旧東独で、イスラミック流民の国外追放が成功するかどうか、そのなりゆきが、全ドイツの行く末を左右する。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-8-31記事。
   全地球のGDPは105兆ドルくらい。
 NATO加盟諸国のGDPを合計すると、その半分になっている。

 ロシアは、ウクライナ戦争開始前は、世界GDPの2%を占めていた。稼ぎのほとんどは石油・ガスの輸出であった。それが経済制裁の対象になったので、石油・ガス輸出収益は、戦争前より2~3割方、落ちてしまった。必然的に、時間とともに、戦勢の維持が苦しくなっている。

 ※なぜ資源大国の経済はおちぶれるのか? 自国内の最良の人材が、鉱業の中でも殊に楽をして儲かるところ(たとえば水攻せずとも自噴が続いてくれる大油田や、オープンカットの大炭田)に競争的に集まって「勝ち組」を誇り、他分野へは、その競争に最初から参加しなかった草食系もしくは富に恬淡な人材しか就かぬことになるからだろう。人間の才能が無駄遣いされる世界なのだ。国内政治を牛耳るのは「勝ち組」ベースだから、けっきょくは国民全員、資源輸出と心中させる道を、彼らがリードするのみ。プー之介はかつて大学生を前に、これからの国家間戦争はAIで決まるからAI開発者になってくれと演説したものだが、誰もなるわけがなかった。ハイテク・スタートアップをガスプロム幹部以上の「勝ち組」にしてくれる機構的なインセンティヴを国家が用意できないんだから。それを用意できるほどの機転は、既存の「勝ち組」エスタブリッシュメントには、とっくになくなっている。だとすれば、頭が冴えている大学生ほど、まずロシアをいかにして脱出するかを考え、じっさい、皆、逃げてしまった。こうしてロシアは、大過去の延長線上をひたすら、走り続けるしかないのである。


 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2024-8-31記事「Newly Encountered russian UAV Displays Amateurish Build and Chinese Engine」。
    ウクライナ戦線にて、8-30に、露軍が飛ばしてきた無人機を撃墜したら、エンジンがミニ・ターボジェットだった。
 そのエンジンは中共製であった。

 無人機に詳しい者によると、この機体には「弾頭」がついていない。
 特攻機の「シャヘド」を撃墜されないようにする、空中デコイ役だったのだろう。

 全翼型のレイアウトである。
 そして工作の細部はあきらかに、これをこしらえた者が、ホビー用のラジコン模型機のビルダーであることを物語っているという。

 中共には「Swinwin」というホビー用のジェットエンジンのメーカーがある。
 誰でも通販でその製品ラインナップを買える。
 撃墜した機体についていたのは「SW400pro」である。通販価格は6500ドル~1万2000ドル(送料別)。

 そのエンジンは、径14.6センチ、重さ3kg、推力400ニュートン。
 燃料は、ガソリンでも灯油でも可い。
 1分間に燃料1kgを消費する。

 次。
 Iain Marlow 記者による2024-8-31記事「Kamala Harris isn’t looking to pick new fights with China, unlike Donald Trump」。
    トランプは、中共からの輸入品に60%の関税をかけるといっている。
 かたやハリスは中共と戦う気がまったくない。ハリスを外交で補佐しているのはフィル・ゴードン。こやつはバイデン撤退表明の直後に書いた。「中共とは責任をもって競争しなければならない」。
 トランプとは違い、関税では戦わないと言ったに等しい。

 バイデンはハリスよりマシなところがあった。ジミー・カーター以来、大統領任期中、いちども訪中しない大統領となる公算が大なのだ。

 ハリスは連邦議会のTikTok禁止法案に上院議長として賛成していながら、大統領としてそれをどうするのかに、全く無言及。

 次。
 Andy Robinson 記者による2024-8-30記事「BLAST OFF US gearing up for all-out SPACE WAR with Russia and China as general warns West ‘must be ready’ for orbit battlefield」。
  米国「スペース・フォース」の幹部がいま、欧州諸国を巡っているところ。
 各国要路と何を相談しているのかは謎だが、中共が月の裏側の資源開発に本気になっていることと関係があるかもしれない。

 地球から月へ人を送るには3日かかる。地球から火星へ人を送るには8ヵ月かかる。

 ※トランプは選挙公約として「宇宙軍にも州兵を創設する」と言っている。ナポレオン名言集によれば、ある人がこれから何をするかは、過去に何を実際にしてきたかを調べるだけで分かる(何を言っているのか、ではなく)。したがって「州兵宇宙軍」は、まちがいなく、できるだろう。宇宙軍を創設するときに、彼は必要なマシーンとその操作法を掌握したのだ。同じことを繰り返すのは、安易に可能である。クラウゼヴィッツはこの現象を説明しようとしたときに「摩擦」という語を使った。トランプだろうが誰だろうが、すでに潤滑油が回っているマシーンしか、動かせるものではない。