フーシは1ヵ月半のうちに「MQ-9 リーパー」を6機、撃墜した。3月3日からの累積で。

 Stephen Bryen 記者による2025-3記事「New Thinking Needed on National Defense」。
   WWIにさいして米国は480万人の将兵を動員し、一部を欧州で戦わせた。米国内から欧州へ送り届けた馬/騾馬は132万5000頭である。
 米国は戦車ゼロで参戦し、休戦時まで1両も国内では製造していない。輸送船は45隻が軍用登録されていたが、その他に民間から80隻を傭船した。

 WWIIにさいして米国は1680万人を動員した。リバティー船は2751隻、量産した(造船所×18箇所を動員)。だいたい2日ごとに3隻というペースで戦時標準輸送船を建造したのだ。

 今は、これができない。貨物船を1隻つくるのにも2年がかりだ。必要な鋼材は、輸入品である。

 中共の造船所だと、原油タンカー1隻は2年8ヵ月で引き渡している。LNGタンカーだと、もっと工期がかかる。

 ドライのばら積み貨物船の場合、中共の造船所は、2024年の受注分を、3年6ヵ月で、引き渡せる。

 WWII中に米国は、飛行機を30万機、製造した。今、米軍の戦闘機を全部あつめても、2531機。

 GPSは米空軍が運営している。その運営費用は、年間20億ドルだ。

 ウクライナ戦争で、新現実があきらかになった。ミサイルの量産は、急にはできない。なんと、それを欲するならば、工場をゼロから建て直さなくてはいけないのだ。最初の1発の納品は、早くて数年後だろう。

 ウクライナ人は、ドローンをアセンブルしてミサイル代わりにするしかなかった。それができたのは、中共製のドローン用パーツが市場でいくらでも調達できたからだった。そのパーツは米国内では大量には製造されていなかった。
 これはとんでもない危機ではないかという認識が、やっと、普及しつつあるのである。

 40年前、私は、インテルの共同設立者の Bob Noyes から、こう提案された。急速に古くなってしまって、メーカーからは顧みられない「サンセット」な電子部品。それらはしかし戦略ミサイルの急速生産には不可欠なものだから、国営の工場で製造ラインを維持しておくような枠組みが、必要だろう、と。同じ課題が、今もあるはず。

 米国軍需業界は三層になっている。
 最上層はビッグ4。すなわち、ロックマート、RTX(旧レイセオン)、ボーイング、ジェネラルダイナミクス。ペンタゴンと巨大事業を契約する。
 第二層が、多数の発明的企業。ビッグ4はこれらの企業の提案を買う。
 第三層が、サプライヤー。工場への投資は、サプライヤーがしている。

 なぜスティンガー等が急にたくさん必要となったときにその急速増産は不可能であるかというと、最上層が契約をとった数量をペンタゴンへ納品しおえると、下請けの第三層ではその製造ラインを畳んでしまうしかないからである。いったん、そこで、製造ラインが更地にされてしまうのだ。

 解決法として、イーロン・マスクのギガファクトリー方式がある。ひとつの工場の中に、いろいろな製品の製造に対応できる「核」の職工たちを温存しておくのだ。つまり1製品のプロではない、あらゆるハイテク兵器の製造に至短時間で対応ができるジェネラリスト工員を多数、受注がまったくない時期にも、捨て扶持を与えて工場内につなぎとめておけばよい。

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 Dina Titus 記者による2025-4-18記事「Tourism is the next casualty in Trump’s trade war. Our economy might not recover」。
  トランプ政策は、インバウンド観光客に関連する米国内の産業雇用・数百万人を、危険に晒すはずだ。
 ツーリズムは、観光地の地元に雇用を生み、税収をもたらし、地域開発に貢献する。

 いま、米国を訪れる外国人観光客数は、ようやく、新コロ前の水準を取り戻している。2024年には7200万人以上が海外からやってきた。

 2026には「建国250周年」行事と、サッカーのワールドカップ。その次には2028五輪が、次々と控えており、トランプが邪魔しなければ、米国観光業界の先行きは薔薇色だったのだ。

 トランプは隣国のカナダとメキシコを激しく圧迫中だ。この2国はしかし、米国観光業者にとっては、インバウンド収入の主柱なのである。2024年、カナダからは2000万人以上が、そしてメキシコからは1700万人以上が、米国に観光しにやってきていた。

 カナダ人とメキシコ人は、これから急に景気が悪くなるはずだ。長期休暇を利用して米国旅行にでも行こうという人も、ガックリと減るだろう。そんな懐の余裕は、なくなってしまうのだ。

 タリフは、航空切符の値段も高くしてしまう。外国人にとり、何かを食べるにも、泊まるにも、すべてが、昨年よりも高くなってしまうのだ。

 インバウンド観光客が、サービスや商品の購入のために米国内に落としてくれるカネが、これまで米国の貿易赤字を緩和していたのに、トランプ政策がそのカネの流れを止めようとしている。

 旅行ヴィザを所持している観光客に対する入国審査も、トランプの方針で、厳しくなっている。
 米国市民ではないが、ヴィザによって永住資格を得ている人々。この人々も、それで、従来のように、安心して米国外へ旅行することができなくなっている。出国したが最後、再入国は拒止されるかも知れないからだ。

 このごろでは、空港にて入国審査官が、米国にやってきた旅行者のスマホの中味を調べて、反米思想や反イスラエル思想を持っている者でないかどうか、吟味することもアリ。

 それで、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、ポルトガル、英国の諸政府は、自国から米国へ旅行しようとする人に対して、公式に警告している。

 そんなこんなで、外国人からみた米国の好感度が急落しつつつある。「YouGov」の統計では、たとえば今ではドイツ人の32%しか米国を好感していない。34%の仏人よりも低いのである。英国人ですら37%が米国を好感するのみ。カナダ人だと24%、デンマーク人は20%だ。

 米国務省の人員削減は、査証発給事務を停滞させるはずで、それで果たしてワールドカップを乗り切れるかどうか、危ぶまれる。すでに、コロムビア人の場合、米国大使館からはビザの発給を700日間、待たされてしまう。トルコ人は560日。モロッコ人は332日だという。

 国立公園管理官の人員削減も、観光業務に悪い影響があるはずだ。国立博物館の予算カットと同様に。

 ことし3月のインバウンド客数は、前年3月と比べて、9.7%少ない。これは National Travel and Tourism Office の公式データ。

 昨年まで、米国にやってくる外国人は、年に9%近く、増え続けていた。しかしこれからは、1年でマイナス9.4%となるだろう。逆転はもう始まっている。

 ラスヴェガスは、市ぜんたいが、大打撃を受けるだろう。
 ネバダ州は、その全雇用の28%が観光関係。州のGDPの37%が、ベガスなどの観光に由来している。
 トランプは、この州の税収を殺そうとしている。狙い撃ちだ。

 全米で、観光産業に携わる労働者は1500万人。観光は、米国GDPの2.5%を産み出している。

 昨年の大統領選挙期間中、トランプはネバダに遊説して、もし彼が当選したら「チップ」収入には課税をしませんよ、と公約したものだ。しかしトランプは、ネヴァダに観光客がやってこない世界を導入してくれた。「チップ」をあてにしていた人々は、その前に、仕事を失ってしまう。

 ※記者は、ネヴァダ州のラスベガスを地盤とする連邦下院議員。民主党員である。

 記者は「Visit America Act」を成立させた。この法律にもとづいて大統領は、旅行と観光に専任する「長官」を指名できるようになったのだが、トランプはそれをしようとしない。G20の中で、観光大臣を置いていないのは米国だけである。

 記者は「Department of Homeland Security Special Events Program and Support Act」も成立させた。ワールドカップのような、短期間におびただしい外国人が米国にやってくる国際イベントのさいの警備を万全化させるための法律だ。連邦に、開催地の州を、支援させる。

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 Sarah Kuta 記者による2025-4-18記事「These Large, Snake-Like Fish Are Invading the United States—and Authorities Want You to Kill Them」。
  ノーザン・スネークヘッド(=カムルチー、日本型ライギョ)は、北米では2002年に初めて目撃された。メリーランド州。放流した犯人は、食用魚として殖えることを期待したのだろう。入手は、鑑賞魚類商から、可能であった。

 全長1m近くあり、空気呼吸が可能。陸上でも3日間くらいは生存できる。
 米国では、侵略的外来生物に認定されている。

 当局は、もし釣り人がこの雷魚を捕獲したならば、頭部を切断して、ポリ袋に入れて捨ててくれと要請している。

 ミズーリ州では2019年に南東部で棲息が確認されている。

 泥地や、低酸素な水の中でも生きられるということは、そこではライバルが少なく、気候が激変しても、生き延びて繁栄し続けるということである。

 メリーランド州では、釣って食べてしまうことが推奨されている。それで数が減るから、というのだが、こいつはいちどに5万個の卵を産卵し、それはたった2日で孵化し、日頃は臆病な雷魚も、この期間に近寄る者に対しては果敢に攻撃してくる。

 連邦法により、州境を越えて移動させることは禁じられている。売り買いも違法。

 まぎらわしいのが、もとからいる淡水魚の「Bowfin」(アミア・カルヴァ)。見分け方は、アナルひれの長さ。スネークヘッドは短く、バウフィンは長い。また、スネークヘッドにはニシキヘビ(パイソン)のようなまだら模様がある。また、バウフィンを横から見ると、尾びれの付け根付近に、目玉のように錯覚される黒い1個の黒斑がある。

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 ロイターの2025-4-18記事「Four dead in ‘unimaginable’ Italian cable car crash near Naples」。
   ナポリの45km南東で、観光用ロープウェーの墜落事故。木曜日。
 カステラマレディスタビア村と、モンテ・ファイトの間を結んでいる線。

 この山から見下ろすと、ナポリ湾やベスビウス火山がよく見渡せる。
 このローブウェイは昨年は11万3000人を運んだ。

 支持索が、切断したという。
 搬器に乗っていたうちの4人が死亡。1人は乗務員。他に、2人の英国人と、1人のイスラエル人旅行客。もうひとりのイスラエル人は重傷。

 春のシーズン前に業者が支索を点検するのは法令で決まっており、常識なので、このような事故は予想外。

 交走式だったらしい。つまり搬器はもう1つあった。そっちは山の麓付近に位置していたが、自動ブレーキが作動して、乗っていた9人は無事だった。ハーネスで吊り下ろして救助。

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 Mike Schuler 記者による2025-4-18記事「USTR Proposes 100% Tariffs on Chinese Ship-to-Shore Cranes and Cargo Handling Equipment」。
   貨物船から岸壁に、積み荷を移す「SТSクレーン」。これがほとんど中共製だというので、トランプ政権は、これから100%の関税をかけたいと思っている。
 他の、港湾用の、荷捌き用の重機についても、同様。

 USTR は、次の事実も問題だと思っている。
 世界の舶用コンテナの95%は、中共製である。
 「インターモーダル」コンテナを陸送するスケルトントレーラー(インターモーダルシャーシ)の86%も、中共製である。

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 Malte Humpert 記者による2025-4-18記事「US Coast Guard Negotiating With Finland’s Rauma Marine For Construction of Up to Five Icebreakers, Helsinki Press Reports」。
    米コーストガードは、複数の砕氷船を、フィンランドの「Rauma Marine Constructions (RMC) 」に発注せんとしている。
 もし、中型が5隻であれば、総額は27億ドルと見積もられる。

 また、3隻の大型の砕氷船をRMCが受注するのではないかという噂もある。その場合、金額はもっと大きくなる。

 RMCがすでに建造したことのある型でよければ、受注から36ヵ月で納品は可能。
 米コーストガードとしては、今のトランプ政権の任期が果ててしまう前に、その最初の1隻を就役させたい。これが絶対条件だ。

 米国内で、砕氷船を建造できるのは、ミシシッピ州にある Bollinger Shipyards だが、事業予定がたてこんでおり、新規受注しても完工は2030年代のなかばになってしまう。

 それに現在、新造船のコストは、ロケットのように上昇中。2019年の契約であったなら7億4600万ドルで大型砕氷船の最初の1隻を引き渡すことができた。今だと19億ドルするはずだ。

 フィンランドは世界の砕氷船の6割を建造している。

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 2025-4-17記事「Russia ramps up oil products supplies to Indonesia」。
    インドネシアは、石油の輸入国である。これまではサウジ、マレーシア、シンガポール、UAE、カタールから輸入してきた。

 そこに最近は、ロシアが加わろうとしている。経済制裁のために売り先のなくなった石油を、ロシアは、インドネシアへ売ろうとしている。

 統計値がすでに出ている。ことしの1月から3月。バルト海の「Ust-Luga」港からインドネシアへ向けて、50万トンの重油が輸出されている。

 北極海のアルハンゲリスク港からは、2隻のタンカーが、5万トンのナフサを、インドネシアまで運んでいる。

 2024年にインドネシアは、ナフサを58200トン、重油を10万トン、ロシアから輸入していた。

 ことし3月、『Savitri』号は、33,000 トンの軽油を、黒海のロシアの港 Tuapse から、インドネシアの Karimun 港に運んだ。
 別の『Lunar Tide』号は、今月、6万トン弱の軽油を、同様に、届けている。

 Karimun は東南アジアの軽油売買のハブ基地になっている。ここで軽油がいろいろブレンドされて、地域の末端ユーザーに売られる。

 ことしはすでに、Karimun から、東チモール、ミャンマー、シンガポール等に向けて、105,000 トンの軽油が搬出されている。


B-1爆撃機が、これからは、ローテーションで三沢常駐となる。

 Greg Hadley 記者による2025-4-16記事「B-1s Deploy to Misawa for First Ever Bomber Task Force Based in Japan」。
   テキサス州のDyess空軍基地から15日に三沢に飛来した。そしてその日のうちに、韓国空軍機と合同訓練している。
 「ボマー・タスク・フォース」といい、これは2018年から始まった。海外基地にローテーションで展開するのだ。

 今年2月、グァムから1機のB-1が三沢にやってきて「ホット・ピット」燃料補給を実験している。これはBTFではなかった。

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 Paul Krugman 記者による2025-4-16記事「Why Trump Will Lose His Trade War」。
     中共側は、貿易とは何か、貿易戦争とは何かを、理解している。かたや、トランプは、じぶんが何をしているか理解していない。それどころか、じぶんが何を望んでいるのかも知らぬ有様だ。

 トランプと、彼の周りのおべっか使いたちは、国際貿易を理解していない。われわれが何を売れるかではなくて、われわれが何を買えるかが、大事なことなのだ。

 個人に譬えてみよう。なぜ人々は働く? 働くということは、じぶんの労働を売ってカネを得るという行為だ。多くは、雇い主に対して労働を売っている。人々は、労働を売った対価を得たあと、そのカネを使って、こんどは自分が欲するモノを買うのである。そのためにこそ、働いているのである。

 国際貿易をするのも、同じ必要からだ。ある国には、海外から買いたいモノがある。だから交易する。そのさい、輸入だけでなく、輸出もする。なんとなれば、輸出して得たカネを、輸入するモノの支払いに使えるからである。

 一国にとって、貿易のベネフィットとは、欲しい物を、安く、海外から手に入れることができる状態のことなのだ。その「欲しい物」は、自国内には産出しないモノであったり、自国内では安く製造できないモノである。

 たとえば米国の北部の諸州は、カナダから安価に電力を買っている。その電力はカナダ領内の水力発電ダムにおいて安価に豊富に発電されている。米国の北部の諸州には、その価格以下で豊富に発電する手段が、あいにく、存在しないのだ。

 ならば、米支が「貿易戦争」をすれば、困るのはどっちの側だろうか。

 昨日の『フィナンシャルタイムズ』紙の記事が、うまくまとめている。米国の対支輸出は、農産品が大宗なのだ。
 さらにFT紙は指摘する。それらの輸出農産物は、「低付加価値」な商品であると。
 米国の農業は、高度に生産的で、高度に資本集約的なのか? 記者はそれについては不案内である。
 ただ、単純な事実があるだろう。中共は、アイオワ州産の大豆を買わなくとも、ブラジルからいくらでも大豆を買えてしまう。

 それに対して、米国が中共から輸入しているモノの多くは、米国工業が切実に必要としている原料や資材で、しかも、その代替品の輸入先となると、すぐには見つからぬモノであったりするのだ。

 ようするにトランプは、米国産業のサプライチェーンを破壊する「貿易戦争」を始めてしまった。
 新コロ蔓延時に何が起きたか、皆、覚えているだろう。経済のいたるところで物資が欠乏し、それがあらゆるコストを押し上げた。インフレだ。あの近過去が、間もなくリバイバルする。

 米国の産業はトランプのせいで大ダメージを蒙るだろう。

 本日、『WSJ』に「U.S. Plans to Use Trade Negotiations to Isolate China」というタイトルの記事が出た。
 間違いなくこの記事は、スコット・ベッセント財務長官周辺からのリーク情報に基づいて書かれている。

 そして、過去のまともな政権の治下であれば、こうしたインサイド・スクープから、目下の政策形成過程が察知できたものなのだが、今のトランプ政権に関しては、このようなスクープに、ほとんどまったく価値がない。現政権には「ポリシー・プロセス」など、ありはしないからだ。

 ベッセント、ナヴァロ、ハワード・ルトニックら政府の高官が、頻々と、銘々に、政策の思いつきを公言する。しかし1日か2日すると、トランプがテレビカメラの前で違うことを語る。あるいは「Truth Social」にまるで違うことをポストする。その内容は、数日前の高官の発言と全然話が違う。果てしもなく、こんなことが繰り返されている。

 WSJが報じたのは、ベッセントが政策化してもらいたいと念じていることなのであるが、それはトランプの政策にはならないのである。
 ベッセントは、何ら、政策を仕切っていない。

 トランプが、第三国に対して「中共を孤立化させよ」と要求して呑ませたとする。称して「ディール」という。しかしその第三国がその「合意」を維持するかどうかは、もう、わからない。なぜなら、トランプが自からのクレディビリティを捨ててしまったからだ。過去の重大な約束事を守らないことを連日実証しつつある相手との約束を、誰も真剣に考える理由がない。トランプは過去の重要な合意を思いのままに破り捨てている。そんな相手とはそもそも約束は成り立たないだろう。なにかを約束したフリだけが、合理的に可能である。

 欧州諸国は、トランプにつきあって中共との間のサプライチェーンを破壊する理由がない。
 報復的なトランプ・タリフを回避するためにはそれをした方が悧巧だって?
 違う。無体なタリフで脅迫されて大きな譲歩を簡単にした者は、その件が済んだあとでもまた、幾度でも別件に付きムチャクチャな言い掛かりを吹っかけられては、そのたびタリフでまた脅されて、無限に強奪をされ続ける流れになってしまう。そうなる転帰は、ヨーロッパ人にとっては歴史の常識であり、容易に見通されている。

 トランプ政権は、銃による決闘に、ナイフを持って臨もうとしている。
 中共は、米国と西側のサプライチェーンそのものを破壊できるし、トランプ・タリフをきっかけに、早くももう、その段階に移ろうとしているのである。ところがベッセントは、おめでたくも、米支戦争が「市場アクセス」を敵に対して制限してやれるかどうかという、そんな少年スポーツ試合の段階だと、甘く考えている。それはナイフだ。敵はもう、銃を構えている。

 クルーグマンは憂鬱である。裁判なしに住民を捕らえて即日に南米の重罪刑務所へ送り込んでしまえるような政体は、近代政体ではない。近代政治が苦労して確立してきた「人権憲章」を平然と且つ公然と無視するわけだから。近代政体でないということは、中露と同列である。これは、GDPが失われることと、同じくらいに痛い。今回は、痛みがダブルでやってきた。

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 The Maritime Executive の2025-4-18記事「Report: Chinese Satellites Feed Houthis Target Ship Data」。
   『The Financial Times』によると米政府は、中共が衛星情報をフーシに渡し、それをもとにフーシが商船攻撃している証拠を掴んでいる。
  フーシは2023年いらい、100隻以上の商船を攻撃している。

 イランが派遣している「Qods」の面々がイェメン内でミサイル/ドローンの運用に協力している。

 イランの「Khayyam」衛星は、ロシア製。「Kanopus-V」画像衛星そのものである。この衛星は複数回っている。そのコンステレーションの中に、イラン衛星も、混ぜて貰っているという感じだ。

 中共の「Chang Guang Satellite Technology」社が、衛星情報をフーシに提供しているそうだ。
 この会社はミニ衛星を100機も、2024年から、運用している。2025年には300機にするという。

 これだけの数があれば、特定海面の特定商船の動静を、10分おきにチェックできる。

 ※仏海軍の『アキテーヌ』級フリゲートが、紅海にて、オットーメララの76mmでフーシのドローン特攻を迎撃する動画が公開されている。ただし命中の瞬間だけは、編集でカットされているなと感ずる。重要情報だからね。76mm砲弾は、1発が数千ドルというところ。有効レンジは4マイル。

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 ストラテジーペイジの2025-4-18。
   アラビア半島で、唯一、まったく石油がでない地方が、イエメンなのである。
 その代わり、イエメンには雨が降る。だから農業が可能。

 フーシを今、率いているのは、45歳の Abdul-Malik al-Houthi である。

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 Mykhailo Liuksikov 記者による2025-4-18記事「Russia Ramps Up Production of Shahed Drone Clones at New Izhevsk Facility」。
    ロシアは新たに Izhevsk 市に工場を建設して、そこで「シャヘド136」を生産し始めた。

 オリジナルのシャヘドは、翼端の垂直安定板は主翼と一体成型。しかし最新のロシア版では、3本の螺子で接合していることが、公開画像からわかる。

 Izhevsk で製造されたドローンは、K か KB か KC で始まる記号がプリントされている。

 エンジンは、イランのオリジナルは Limbach 550(ドイツ製) だが、Alabuga 工場製のものは、イランのぱくりものである「MADO MD 550」をとりつけている。そして今度の新工場では、中共製のぱくりものエンジンをとりつけているようだ。

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 Chieh Chung 記者による2025-4-17記事「Analyzing the PLA’s Early April Exercises in the Taiwan Strait」。
   直近の大演習では、浙江省の沿岸から長距離地対地ロケット弾を発射して、台湾の「Yong’an」のLNG受け入れ港の施設を破壊できることをTVフッテージでアピールしていた。

 また「YJ-21」というハイパーソニックの空対艦ミサイルを「H-6K」から運用するつもりであることも、4月1日に動画で宣伝していた。

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 Daniel Woolfson 記者による記事「Trump targets Chinese ships as Beijing boycotts US gas」。
   米政府は、米国の港に入る中共の貨物船から、賦課金を徴収する方針である。木曜日に発表された。
 これは国際海運にとっては、大激震だ。

 賦課対象は、中共で建造されたすべての商船と、中共が所有者である商船。徴収金額は、載貨の量に比例させる。しかも、一航海ごとに賦課するという。

 実施は、半年以内だという。
 さらに、3年以内には、外国で建造されたLNGタンカーにも、この賦課金制度を適用するという。

 実施されると、入港した中共船は、積み荷1トンにつき、50ドルを払わされる。この値段はその後も上がり、3年以上かけて、逐次に増徴する。

 今年はじめの噂では、1回入港ごとに1隻から100万ドル徴収するとかいう話だったが、それは当面、しないようである。

 『FT』紙によると、米国から中共へのLNG輸出は完全に止まった。テキサスを出港した最後のLNGタンカーは2月6日に中共の港に着いたが、それが最後の便になった。

 2月10日には中共が、米国のLNGに15%のタリフをかけた。それは今は49%である。もはや中国市場では、これを買い取る意味がない。

 だから中国側の買い手は、タンカーが太平洋にある段階で、その積み荷を外国のブローカーに転売してしまったはず。それでLNGタンカーは、行先を変えたのだろう。

 中共は2024には米国から24億ドル分のLNGを輸入した。
 中共は世界最大のLNG輸入国である。米国は世界第四位のLNG輸出国である。


世界の終末に読む軍事学


(管理人より)

 兵頭本最新刊『世界の終末に読む軍事学─パズルのピースは埋めておけ』のP236に掲載されている写真は、私が撮影したものなんですよ。
 兵頭二十八先生は、普通の会社員がマジで引くくらい貧乏だったので(いまも?)、本当に売れてほしいです。私は当然、買いました。


トランプ版「スターウォーズ」が構想されていたようだ。

 Mike Stone and Marisa Taylor 記者による2025-4-18記事「Musk’s SpaceX is frontrunner to build Trump’s Golden Dome missile shield」。
   「ゴールデン・ドーム」計画に、スペースX社が加わるという。アンドュリル社、パランティーア社と一緒に。
 400機から1000機の、ミサイル防衛用衛星を、スペースXは、周回させられるとのこと。
 この衛星群は、飛来するミサイルを探知して、そのコースを追尾する。

 それとは別の、攻撃衛星×200機が、レーザー銃によって敵ミサイルを破壊する。

 パランティアはこのシステムのためのソフトウェアを開発する。
 アンドュリルは無人機メーカーなので、攻撃衛星の開発を担任するのだろう。

 スペースXは、専ら、探知追尾衛星を分担するようだ。

 スペースXは、どうやら、ゴールデンドームに専従する衛星には興味がない。既存の通信衛星に、ついでに、ミサイル探知用のセンサーも載せといてやり、政府がその機能を利用したければ、「サブスクリプション」料金をお支払いくださるなら、どうぞ、いいですよ—というスタンスを、イーロン・マスクは考えている節がある。

 この「サブスク」スキームは何が有利かというと、従来の新兵器システム開発プロトコルでは、構想から実現まで、役所の面倒なしきたりにいちいちブレーキをかけられてしまって、10年前後もかかるところを、その時間をゼロ年にまで圧縮ができる。
 すなわち、メーカーが官とは没交渉に最適な仕様を決め、自費でその「機能」を勝手に実装。そのあとから、用法についてプレゼンし、これを使うも使わぬも政府の意思次第ですよ、と突き放す。仕様について開発の途中で「官」から口出しされると、永遠にそのプロジェクトは完成せず、費用も天文学的に膨張するだけだという世知を、彼らは銘肝しているようだ。

 スペースX社は、もと空軍の大将であった Terrence O’Shaughnessy をアドバイザーとして雇用している。こんどの企画に彼が関わっていないとは思われないが、彼は取材に応じない。

 もしスペースXがゴールデンドームの主幹コントラクターに決まると、それは、老舗の宇宙兵器メーカーの世評にとって打撃だろう。すなわち「ノースロップ・グラマン」や「ロッキード・マーティン」。そうした超巨大軍需メーカーよりも、シリコンバレー連合の方が選ばれたという象徴的な大事件にもなる。

 ペンタゴンにはすでに180社以上から「ウチがゴールデンドームをつくれます」というオファーが来ているそうだ。

 ペンタゴンのナンバー2、元の証券マンである、Steve Feinberg が、ゴールデンドーム計画の決定権をもっているという評判だ。

 ファインバーグは、投資会社のケルベルス・キャピタル・マネジメントの共同創設者。同社は、ハイパーソニック・ミサイルの関連会社に積極投資してきた。そして、スペースXには投資してない。
 ちなみに、政権内部の要職に就くにさいして、自身のセルベラスの手持ち株は、すべて手放す、と彼は表明していた。

 ゴールデンドームは、コスト総計が数千億ドルになることは間違いない。ペンタゴンは、2026年から事業開始して2030年には展開をさせたい。

 ※レーガンがその2期目のしょっぱな打ち出したSDIは、財政に弱点のあったソ連を「投了」させることにマンマと成功した。しかしトランプ版のゴールデンドームは、果たしてどうだろうか? こんどの主敵・中共は、カネには困っていない相手なのだ。

 次。
 Kyla Scanlon 記者による2025-4-16記事「This Is What Trumponomics Is Really About」。
  トランプ政権の経済政策の目的は「再工業化」である。

 過去の、米国の「産業黄金期」は、ユニークな条件の下に実現していた。競合できるようなライバル国はどこにもなかった。また米政府は、インフラと教育と研究開発に、巨億の資金を分配できていた。

 トランプ政権は、ひとつの現実を無視する。工場がオートメ化するのにつれて、同じモノを製造するのに必要な人員数が減っている。だから、もし、海外から米本土に工場を呼び返すことができたとしても、昔と同じ数の工員は、もはやそこでは雇用されないのである。

 単に呼び返すだけではダメで、政府が、人と機械に投資しなくてはいけないはずだ。しかし、トランプの頭の中には、そのビジョンは無さげに見える。

 ※輸入品の飼料、輸入品の肥料、そして輸入品の石油をその生産の不可欠要素として依存しつつある日本国内の農産物は、どれひとつ、保護する必要がない。そんなのはすべて無関税でいい。真に保護すべきなのは、飼料をすべて「地産地消」でなんとかしている実験的畜産業者や、肥料のすべてを「地産地消」でなんとかしている上に石油動力マシンもまったく使ってませんよという実験的な農業経営主体。また、石油を使わない「廻船」や「荷車」の運行業者。彼らこそが、もし日本国が「海上封鎖」に遭った場合の、最後の頼みの綱だから。今の国内のコメは、輸入石油と輸入肥料がなくなれば、ただちに翌年の反収は五分の一となり、流通はせいぜい隣県までが限界となるだろう。そんなものを「防衛」しても、「安全・安価・有利」にはならないのである。

 次。
 「mil.in.ua」の2025-4-17記事「Not only ground-based: Ukraine codifies amphibious UNEX UGV」。

  ウクライナ軍は、前線で、水陸両用の4×4無人車を使い始めた。荷台に負傷兵1名を寝かせて運べる。橋がない河川を渡渉可能。

 大直径のワイドタイヤを用い、その接地圧は、歩兵の靴裏より軽い。だから、これが対人地雷の上を通過しても、地雷を反応させにくい。対戦車地雷だとなおさら反応しない。

 2022年いらい、ウクライナ国内でこしらえて戦場投入したUGVの総数は80台近いという。2025年だけを数えると、18台くらい。


<正論>日清戦争の教訓と明治の大局観/軍事評論家・兵頭二十八
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ノーヘル平和賞

 Nikita Lalwani 記者による2025-4-15記事「How America Can Stay Ahead of China in the AI Race」。
   2024年の最初の7ヵ月間に、中共は、260億ドルのチップ製造機械を西側から輸入した。記録的な金額である。オランダのASML社製を筆頭に、 Tokyo Electron製、および、米国の Applied Materials 社製もある。

 オランダ政府と日本政府は、2025前半に、これらの対支輸出ができないようにした。

 米国には、米国製の特定技術を買った外国人の買い手を、その末端までもあれこれ縛ってしまえる法律がある。日本とオランダにはそれがない。つまり、ハイテク機械を輸出した先で、それがどこへ転用されて使われるかについては、何の強制もできない。

 また、日本やオランダの技師が中共内の工場に出向いてその機械類のメンテナンスをしてやることを、誰も止められない。米政府はこれが不満である。

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 Stuart Lau 記者による2025-4-16記事「Xi and Putin Drive Japan and NATO Closer Together」。
   欧州NATOはここへ来て、日本の軍需産業ポテンシャルに期待し始めた。
 日本によって、米国がカットするウクライナへの軍需品支援を、代置させたいのだ。
 マーク・ルッテはその模索のために訪日した。

 米国は、イスラエルにより多くのペトリオットを供給するために、日本がその製造に加わってくれることを歓迎している。

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 Gavin Bade, Brian Schwartz 記者による2025-4-16記事「U.S. Plans to Use Tariff Negotiations to Isolate China」。
    米政府は、70ヵ国以上に対し、中共製品の迂回輸出に協力するな、と釘を刺しつつあり。
 この「対支戦略」のイニシアチブをとっているのは、財務長官のスコット・ベッセントである。

 ベッセントは、中共経済と米国経済の遮断を構想している。
 中共の証券ビジネスと米国の証券ビジネスも、遮断したい。手始めにまず、米国の証券取引所においては中共証券の売買ができないようにしたい。

 ※中共中央政府は、西域沙漠に「地下人民公社」を建設せよ。沙漠に、オープンカット工法により、長大な「渠溝」を一直線状に掘る。そこには遠くの高地山脈から鉄管で水を引いてきて、人畜の居住と水耕栽培を可能にする。「渠溝」には透明素材の「天窓」を蓋として嵌め、入射する光量を自在に調節できるようにする。空間は、半地下に位置するおかげで、冬の暖房と夏の冷房のためのエネルギーを、最小限で済ませることができる。この巨大公共土木建設事業は、これまで地方都市に濫立した無人アパートのように、壮大な浪費に了ることがない。それはケインズ流の国民経済救済となるだけでなく、将来の核戦争から人民をサバイバルさせてくれる。私は何年も前からこの最善の社会工学提案を公示してきた。ここでもう一度、書いておく。捨てよ、沿岸部都市開発路線を! 海洋には、中国の未来は無い。

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 ストラテジーペイジの2025-4-16記事。
  ロシア国内に、ロシア人を喰いものにするハッカーが横行しており、取り締まり切れていない。
 過去3年だけでも数十億ドルを、彼らはロシア企業や個人から盗んだ。
 犯人グループのプロファイルは絞り切れていない。ロシア人もいれば外国人もいるようだ。

 2024の被害額は22億ドル。23年は16億ドル。2025年は過去最高になりそうだ。一部のロシア人は、これはウクライナ政府機関の仕業だと叫んでいる。

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 Howard Altman, Tyler Rogoway 記者による2025-4-15記事「Australia Casts Doubt On Russia Basing Bombers At Indonesian Air Base」。
   月曜日に『ジェーンズ』がすっぱ抜き。ロシアがインドネシア政府に対して公式に、長距離重爆用の基地を貸すように申し入れたと。その基地とは「Manuhua Air Force Base」(=民間のフランス・カイシエポ国際空港BIK)で、豪州のダーウィンからは850マイル北である。
 ※ビアク島の南端である。西パプアのマクノワリから東へ200kmくらい。

 豪州政府はこの報道を否定した。

 しかし『ジェーンズ』は詳しい。ロシアのセルゲイ・ショイグ(今は安全保障会議の筆頭者)が、インドネシアの国防相 Sjafrie Sjamsoeddin に2025-2に会ったときに申し入れたとしている。

 ロシア空軍が何の機種を着陸させたいのかは伝わっていないが、察することは容易だという。というのは、直近の数年、これまで何度も、その基地に「Tupolev Tu-95」重爆と「Il-76」大型輸送機を着陸させてくれんか、という申し入れをしてきているから。

 米空軍は、豪州内陸の Tindal 基地に「B-52」をときどき飛来させている。
 また、ダーウィンには米海軍と海兵隊が、2500人規模のローテーション駐留部隊を置いている。
 ダーウィン基地にも滑走路が付属しており、Boeing 747 も離着陸可能。

 かたや、インドネシア政府側としては、このようなロシアからの要求を受け入れて得になることが何もない。それは周囲のほとんどの諸国から反発を買ってしまうだろう。インドネシア軍は米国製の高性能兵器も購入しているが、その関係も危うくなってしまう。

 ただしインドネシアが米国べったりでないことも事実。2020に米政府は「P-8 Poseidon」を複数、Manuhua に着陸させてくれとリクエストしたが、インドネシアは断っている。これはロイターが報じている。

 火曜日、豪州のABCテレビは、インドネシアの国防相が、豪州の国防大臣リチャード・マーレスに、露軍機に同飛行場を使わせたりしないと伝えてきていることを報道した。

 と同時に報道は、昨年11月にインドネシア海軍がジャワ海においてロシア海軍と合同演習している事実も思い出させた。

 『ガーディアン』紙の解説。インドネシア軍は、自国領内に他国の基地が置かれることをたいへんに厭がる。だから、露軍の常駐化などまずあり得まい。

 ロシアは、南米のベネズエラに対しても、「ツポレフ95」を常駐させろと要求しているらしい。

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 「mil.in.ua」の2025-4-16記事「Russia Begins Equipping Aerial Bombs with 12-Channel Kometa Antennas」。
   宇軍の電子妨害を回避するため、露軍は、その滑空爆弾の自律誘導のための衛星信号受信アンテナとして、12チャンネルの「Kometa CRPA」を取り付けるようになった。これはこの4月かららしい。

 「シャヘド136」の国産品にも、この受信アンテナがすでに取り付けられているという。こちらは3月に確認された。


<正論>日清戦争の教訓と明治の大局観/軍事評論家・兵頭二十八
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本日みかけたネット名言。《今日もしトランプがすべてのタリフを中止したとしても、アメリカは全同盟国からの信頼を1世代にわたって取り戻せないだろう》

 Boyko Nikolov 記者による2025-4-15記事「Saab Gripen gains ground in Canada’s shift from F-35 contract」。
   4-9のスウェーデンの新聞によると、カナダ政府は本気でF-35を捨ててグリペンに切り替えたがっている。

 最新の「Gripen E」は単座、「Gripen F」は複座。どちらもエンジンは単発の General Electric F414」エンジン。その推力は2万2000ポンド。戦闘行動半径は、増槽をつけた状態で500マイル。
 長さ2600フィートの道路があれば、離着陸できる。
 AAMはAMRAAM。

 1回飛行するごとに、コストが7500ドルかかる。これは格安だという。

 ちなみに F-35A のエンジンは「Pratt & Whitney F135」で、推力は1万8000ポンドである。
 これを1時間飛ばすだけで、3万3000ドルが消えて行く。

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 Oleksandr Yan 記者による2025-4-15記事「DPRK transferred 4-6 million shells to Russia over 20 months」。
    北鮮は、直近20ヵ月のあいだに、400万発~600万発の砲弾を、ロシアに供給した。

 羅先港から、ナホトカ近くのヴォストチニィ港へ、コンテナに砲弾を詰めて、貨物船で海送している。そこから戦線までは、鉄道である。
 このコンテナを数えることで、中味が推量できる。
 コンテナは1万6000個弱、数えられた。衛星写真で。

 期間は2023-9~2025-3である。64航海。4隻の、ロシア国旗を掲げたコンテナ船。『Angara』『Maria』『Maya-1』『Lady R.』。

 コンテナの中味は、122mm砲弾、122mmロケット弾、152mm砲弾、120mm迫撃砲弾である。

 2024-1の便数が特に多かった。7隻が運んだ。20ヵ月を均すと、毎月3隻というところ。

 1個のコンテナには、122mmロケット弾ならば160ケース。120mm迫撃砲弾ならば275ケース。

 露軍はこれらの輸入砲弾を、「Tikhoretsk」需品廠に集積する。管理部隊は「No. 57229-41」である。場所は、 Rostov-on-Don 市の 100 kilometers 南。
 2024-9に宇軍の空襲がここにあり、集積砲弾の9割は吹っ飛んだと見られる。

 北鮮製の砲弾は弾道がすこし違うので、ルガにある砲兵の試射場にて「射表」が調整された模様だ。

 前線の砲兵は、次のように警告されている。赤熱した薬室の中に北鮮製の砲弾を3分以上、装填したままにしてはならない。勝手にはぜるから。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2025-4-15記事「Ukrainian Positions in Zaporizhzhia Attacked With RG-Vo Toxic Grenades」。
   宇軍の主張によると、露軍はザポリッジア戦線で、ドローンから、毒ガス手榴弾を投下しているという。

 特に Shcherbaky 村から、その報告が来ている。

 「RG-Vo」とはロシア語で「手榴弾・毒物入り」の略である。それが落とされているという。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2025-4-14記事「Ukraine Introduces Advanced Alligator-9 Anti-Ship Drone System with Integrated Laser Weapon」。
    ウクライナの無人システム軍は4-10に欧州の防衛産業会議の会場で公開した。最新の無人特攻艇「アリゲーター9」。

 宇軍はこうした特攻ボートを集団的に運用する。
 「アリゲーター5」の魚雷艇型と、電子戦型。
 「アリゲーター9」は、Tryzub というレーザー砲を積んでいるという。これは敵の航空ドローンや有人ヘリを無力化できるという。単に光学センサーを幻惑させるだけなら、射程は10kmに達するという。

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 John Tamny 記者による2025-4-15記事「Marc Benioff Wisely Reminds Us What Economic Growth Is」。
   マーク・ベニョフは「SalesForce」社の創立者である。彼にいわせると、経済成長とは雇用のことではない。逆に、いかに人を要しなくなるか、が、経済成長なのだという。WSJにそう寄稿し、一部はその意見を絶賛している。

 ベニョフの説。人は、彼がしている仕事によつては成長しない。むしろ、彼がしなくてよくなった仕事のおかげで、成長できるのだ。
 かりに「仕事」が「経済の成長」と同義なのだとしよう。だったらわれわれは車輪を廃止し、自動車、コンピュータ、スマホ、インターネットも廃止すればいい。そうなれば人々は、今よりももっと働かなくてはならなくなる。それはいかにもみじめな生活だろうが、経済は活性化するのだ。

 ベニョフの会社は、客からの苦情処理のセクション(オペレーター9000人雇用)にAIを導入したところ、3ヵ月にして劇的な改善があったという。なんと84%の苦情が、ヒューマンのオペレーターまで上がってくる前の段階で、客とAIの問答によって解決するようになったという。ヒューマンのオペレーターが乗り出さねばならぬレベルの苦情は2%だという。

 しかしベニョフは、苦情応対係を人員整理せず、9000人のうち2000人を社内の別なサポート業務に配置転換させたと自慢している。

 生産性は、マシンとヒューマンが提携することによって向上するのだ。これはおおかたの「体感」とも合致する話だろう。

 ヘンリー・フォードは、各工員をそれぞれ狭い守備範囲のスペシャリストにすることで工場の生産性を著増させ、工員の給与も著増させ、工員が自動車オーナーになれるようにした。「SalesForce」は、AIにつまらない仕事をさせることによって、ヒューマン社員がもっと有意義な他の仕事に没頭できるようにしてやり、それによって企業の生産性を好転させたのだ。

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 Nigel Green 記者による2025-4-15記事「The coming US-China financial divorce」。
   貿易上の鎖国よりも、むしろ、金融上の鎖国(米支金融遮断)が始まったことが、これからの世界経済を激変させるだろう。

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 Sam Reynolds 記者による2025-4-10記事「Understanding the competitive landscape for China’s LNG market」。
   中共の火発の業界では、燃料源としてLNGは石炭におきかわろうとはしていない。太陽光発電のほうがむしろLNG火発よりも伸びている。ただし火発の発電総量は巨大である。

 2021に中共は、世界最大のLNG輸入者になった。

 ある人いわく。2005にオハイオ州やペンシルヴェニア州で起きたことが、いま、中共で進行している、と。石炭火発を逐次にLNG火発に更新するのだ。
 しかし、ちょっと規模が違い過ぎるようである。

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 ストラテジーペイジの2025-4-15記事。
    2-12の空母『Truman (CVN-75) 』の衝突事故。
  『トルーマン』は損傷した右舷エレベーターの修理のため地中海の港へ行った。

 この事故は、2019-5に実施されるはずだったメンテナンス(燃料棒交換を含む大規模なもの)がとりやめになっていなければ、ありえなかった。5年間はドックに入っていたはずなので。

 その中間延命大工事をやめたことで35億ドルが節約された。
 延命工事をしなくとも、『トルーマン』はさらに25年、動かせる。運航経費はその25年間で200億ドルだろう。

 そのあいだに『フォード』級がどしどし就役するという皮算用だったのだ。

 次。
 Howard Altman 記者による2025-4-11記事「Trump Considering Buying Foreign Ships To Make Up Gap With China」。
  木曜日にトランプは、複数の外国から米海軍用の軍艦を購入することも考えていることをマスコミ相手に語った。
 発注するのは「top-of-the-line ships」だそうである。

 アーレイバーク級と同格のイージス艦を建造しているのは、韓国と日本である。

 「Hanwha Ocean Co.」は最近、フィラデルフィアにある造船所を買収し、米国内で軍艦修理の注文が受けられるようにした。
 韓国のライバル会社「HD Hyundai Heavy Industries」も米海軍からの注文を期待している。毎年5隻以上造れまっせ、と彼らは言っている。イージス艦を建造できる韓国企業は、こっちの方である。

 韓国型の駆逐艦、 KDX-III Batch 2 の最新艦である『ROKS Jeongjo the Great』には、韓国型のVLSが搭載されている。

 日本は、アーレイバーク級と同格の『もがみ』型を量産中。2年前に進水した『ゆうべつ』は、その8番艦だ。

 建艦ギャップについては、マイク・ウォルツが詳しい。昨年中共の造船所は1700隻の新造を受注した。アメリカの造船所はたった5隻である、と。FMSの手続きを簡略化して海外からの受注も増やそうというのが、ウォルツの大統領への提言。


米国内で流通している単行書籍にまでロシアの社会攪乱工作が浸透していて、ドイツ系っぽい無名著者名による、人種対立を煽動する内容の本が、すでに20点以上も出版されているという。

 Phillip Dolitsky 記者による2025-4-14記事「From Thucydides to Twitter」。
   現代の戦略家は、情報の洪水に溺れて、仕事どころじゃない。
 現在進行中のノイズにしじゅう悩まされているオフィスで、おちついてクリエイティヴな将来向け戦略など策定していられようか。
 やっていることが、為替トレーダーと変わらなくなった。

 だがじつはこういった嘆かわしい世態変化は、19世紀にすでに、一部の知識人に看取されていた。
 フリードリヒ・ニーチェはそれを文章にして指摘した。大衆が情報に踊らされている現代社会は「病的」だと彼は思った。

 ニーチェは、プロイセンの学校教育文化が現代社会の病気に迎合していると見た。
 まったく表面的な知識の詰め込みなのだ。そのため《深い学び》の可能性が、切り捨てられてしまっている。

 彼は、大学生を相手に、未来のドイツの教育機関をどうしなくてはいけないか、講義をしている。
 現代の生徒たちは、せっかく学校で歴史や文学の古典に触れていても、卒業するや、毎日、新聞漬けになる。
 大衆の意見から包囲されて、彼の心はそれに屈服する。爾後、彼の世界理解をかたちづくるものは、もはや、新聞の見出しだけだ。

 持続的に歴史を考究することなしに世界を理解することなどできない。しかし現代の大衆は、じぶんたちはそれを分かっていると錯覚させられる。マスコミによって。

 毎日読まれる新聞が、学校の教育にとってかわる。大衆ジャーナリズムが、必要十分な知恵の全部となってしまうのだ。

 ニーチェの時代(1844~1900)ですらそうであったとすれば、今は当時の数乗倍、そうであろう。

 リデルハートは叱咤した。3000年分の戦史の記録が残されていて、その中に警告が満ちているのに、それを知りませんでした—で、今日の戦争指導が勤まるのかと。

 今日、戦略を論じている者たちは、3時間前の世界がどうだったのかすら、覚えているか、あやしい。最新のネット・コンテンツの「まとめ」プレゼンテイターばかりが増えた。

 キッシンジャーは、良い政治家になりたくば「ディープ・リテラシー」を習性化しろ、と言った。刻々の外部刺激から、じぶんのメンタルを切り離せなくてはいけない。さもないと正しい準縄から逸脱させられると。
 ソーシャルメディアは、このディープリテラシーの対極にある。
 知識量は即席に増加される。しかし、人をワイズにはしない。過去の文脈から切り離された知識だから。

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 David Ozgo 記者による2025-4-11記事「Want To Bring Back Manufacturing? Here’s How」。
   2023年において米国人は1兆5000億ドル以上をさまざまな輸送部門の関係に使っている。これはGDPの5%以上にあたる。

 われわれが何の商品を手に入れる時も、それは輸送され運搬されてきている。そのコストが品代に含まれている。
 もし、輸送にかかるコストを減らすことができれば、人々はモノを安く調達できる。

 1920年制定の「Merchant Marine Act」は、別名「ジョーンズ法」ともいう。米国領の港湾Aから米国領の港湾Bへ商品を海送する船会社は、米国人が所有する会社でなくてはならず、また、その貨物船は、米国内で建造された貨物船でなくてはならず、また、乗組員の75%以上は、米国市民もしくは米国内の永住者でなくてはいけない――としている。

 しかし2019年のカトー研究所のリポート「Rust Buckets: How the Jones Act Undermines U.S. Shipbuilding and National Security」は指摘した。第一次湾岸戦争のとき、シーリフトコマンドが傭船した281隻のうち、たったの8隻だけが、ジョーンズ法に適っていたと。
 とにかく、米国人水夫を、貨物船業界はそんなに集められないのが現状なのだ。

 ようするにジョーンズ法は、米国の安全保障に資していない。のみならず、米国企業の経済的な商行為の障害になっている。

 EUが、その域内の商品輸送の40%を船でしているのに比し、米国は、自国内の商品輸送のたった2%だけを、海路で動かしている。壮大な無駄である。

 ジョーンズ法は、悪法である。特にアラスカ、ハワイ、米領バージン諸島、ならびにプエルトリコは、米本土との間の商品輸送を、ジョーンズ法が可能にしている寡占価格をふっかける汽船会社に頼むか、それがいやならば、空輸に頼るほかにないのだ。だから、商品には余計な輸送費が含まれることになっており、全米の消費者が、損をさせられている。

 たとえば、プエルトリコの住民が商品を米本土から取り寄せる運賃は、ドミニカ共和国から同じ重さのものを船便で取り寄せる場合の、2倍かかっている。

 特にこれからまずいのが、アラスカ産のLNG輸送である。LNGタンカーで、ジョーンズ法に適っているものは、1隻もない。だから、アラスカのLNGは、このままでは米本土へは供給しようがないのである。海外輸出だけが、可能なのだ。

 次。
 ストラテジーペイジの2025-4-14記事。
  ウクライナ発表によると、2022後半から2024後半まで、露軍は4800発のミサイルと、15000機弱の自爆ドローンを放ったと。

 ミサイルの単価は、100万ドル~200万ドル。
 ドローンの方は、イラン製の「シャヘド」が35000ドルというところ。

 露軍の典型的な152mm榴弾は、弾重が43kgで、炸薬は7kgである。その値段は、最低でも3000ドル。ハイテクの弾丸だと10万ドルする。
 FPVドローンは、やりようによっては単価数百ドルで量産できるから、露軍も、経済を考えて、従来の野戦榴弾砲の火力を、ドローンで置き換えようとしている。

 イランの技術を導入するドローン工場は、ボルガ河沿いに所在する。というのも、カスピ海から物資を川船で搬入できるから。

 ロシア政府は2026年までに、ドローン産業に労働力33万人を集めさせるつもり。2035年には、その規模は150万人にするという。

 ロシア国内での「シャヘド」の月産量は、330~350機というところ。これまでに累積2000機以上を内製した。それとは別にイランからは完成機2600機を輸入した。

 ロシアはイランに鉄道を直結したい。しかしゲージの差があって、国境でコンテナだけ相手貨車に載せ換えるという方法にするしかない。
 トラック道路だとこのゲージの障害はないわけだが、トラック輸送の運賃は列車輸送の3倍かかってしまう。


 ※まったく確認のできない雑報ルーモアだが、米国内の砲弾製造会社が、その株主の詳細を公表しなくてもいいように、ホワイトハウスが例外ルールを導入しようとしているという。これは、トランプの演説とは裏腹に、外資が梃入れすることを意味するのかもしれない。


ウクライナ軍のF-16を12日に撃墜したのは、S-400だという。

 Erica Marchand 記者による2025-4-10記事「Using liquid air for grid-scale energy storage」。
   晴れた昼間しか発電できないソーラー発電装置には、蓄電機能が必要だ。それも数時間ではなく、数日間。そういう安価なデバイスが組み合わされることにより、夜間の給電、ピーク需要時の融通が、自在になる。

 長時間、確実にエネルギーを蓄積しておける、これまでのメソッドは、「揚水」だった。ひるま余った電力でポンプを回して高所の池に水を汲み上げておき、電力の需給が逼迫したときに、その高所の水を落として水力発電する。

 だが米国本土では、この揚水蓄電に使えそうな立地は、ことごとく開発されてしまっている。

 リチウム電池は、末端消費者レベルでの短時間の蓄電には使えるが、せいぜい4時間だ。しかも、値段が張る。

 このほどMITとノルウェー科学技術大学が合同で「リキッド空気」を使う蓄エネルギー技法を考えた。LAESと称する。
 この装置は設置の場所を選ばない。クリーンである。しかも、数日間の蓄エネルギーが可能。

 断熱タンクの中に、大気圧で、非常な低温の空気を溜める。その空気の中には、水が雲のような液体の微粒子の状態で浮遊している。

 ※よくわからんが、過冷却の雲のような状態に、まず、しておくのか? 埃を除去する「一手間」も必要らしいので、たぶんそうだろう。チリがあればそれを核にしてたちまち氷結してしまう。

 さて、ユーザーが、追加の電力が欲しくなったとする。ユーザーは、その「リキッド空気」をポンプで加圧し、且つ、加熱する。すると「リキッド空気」は、すべて気体になる(水粒子は水蒸気になる)。

 そのさい、体積が膨張するので、その膨張した空気流によってタービンを回し、発電。

 加圧ポンプのために必要な投入電力は、微小で可いのだという。それで、発電量のほうが、はるかに大きくなるという。

 また、工場から出る廃熱や廃冷熱を、この「リキッド空気」←→「完全ガス空気」のプロセスのために利用してもよい。いままで無駄に放出してしまうだけだった廃エネルギーにより、蓄エネルギー&発電ができるわけ。


 次。
 Povilas M. 記者による2025-4-11記事「Ukrainians Know How to Fight Drones With Fibre-Optic Cables」。
   ウクライナ軍は前線に5km間隔で可搬式のミニ・レーダーを配置し、敵ドローンをいちはやく探知して、そこに味方のドローンをさしむけて、撃墜させる。
 光ファイバーで操縦される敵のクォッドコプターは、鈍重なので、空中でのアジャイリティがほぼ無い。だから、発見できれば、鴨として撃墜できる。

 ※つまりこちらのインターセプター任務のドローンは、有線式にはできないわけか。だが将来は、「衝突」ではなく、こちらが真上から「テグス」を垂らしてやって、敵機のローターに絡める方法によって、自爆ではない方法で敵機を撃墜できるのではないだろうか?

 次。
 Natasha Turak 記者による2025-4-10記事「Taking oil prices could more than double Saudi Arabia’s deficet to $75 villion and threaten spending plans: Goldman Sachs economist」。
   ゴールドマンサクスによるとサウジアラビアの財政赤字が顕著。IMFにいわせると、サウジは原油を、バレル当たり90ドル以上で売らないと、財政収支は均衡しない。然るにゴールドマンの予想では、2025年のブレント原油の取引価格はバレルあたり62ドルであろう、とのこと。

 サウジの政府支出は著増している。というのも「ヴィジョン2030」とかいう巨大事業をおっ始めているため。近未来には原油やガスの輸入に頼らなくていいように、自前の産業を育てようと焦っているのだ。

 次。
 Dmytro Shumlianskyi 記者による2025-4-13記事「Ukrainian Forces Use “Mother Drone” to Strike Russia’s Kursk Region」。
   クルスクではウクライナ軍が、親子式ドローンによるリモート攻撃の腕を上げつつある。

 1機の固定翼ドローンから、2機のクォッドコプター型のFPVドローンを放出する。親機である固定翼ドローンは偵察・観測し、かつまた、無線中継局の機能も果たす。

 作戦半径は60km。
 1機の特攻クォッドコプター(子機)には400グラムの弾頭が縛り付けられている。対AFV用ではなく、対レーダー用に考えられている。レーダー破壊には、その程度の爆薬でじゅうぶんなのだ。

 ウクライナ軍が、最初に親子式の無人機運用を試したのは、2024-12であった。

 今日、宇軍はそれを「マザー・ドローン」と総称しており、最大作戦距離は70kmだという。
  ※60kmぐらいが、市販品の中継用の無線デバイスの通信距離限界だと思われる。単に飛ばすだけなら電池式の固定翼機でもレンジはその数倍に行くだろう。

 次。
 Dmytro Shumlianskyi 記者による2025-4-13記事「French-German Institute Developing Optically Guided Sniper Bullet」。
  仏独資本のISLというメーカーが、12.7mm×99mmの実包サイズで、光学ホーミングできる弾薬を発明した。

 他律誘導のための電子部品は、径12.7mm、長さ54mmに抑える必要があった。

 この製品をメーカーは「I-SMART」と呼んでいる。
 光学センサー、電池、コース修正モジュール、通信ユニットなどから成る。

 誘導は、弾道の終末でなされる。飛翔の前半では、無誘導。

 現段階では、軌道修正のための計算を、誘導地上局においてしてやらねばならぬ。
 しかし、ゆくゆくは、この弾丸の中のチップで、計算をぜんぶ完結させるようにする。

 誘導メカニズムは、今、風洞実験の段階。まだ実射場でのテストには持ち出していない。

 メーカーの計画では、射距離2000mにおいて、左右誤差50mの修正ができるようにしたい。
 タマは、2000mまで3秒で達する。

 この誘導弾を使えば、その距離で、時速60km/時で横行する車両に対しても、12.7mm弾を当てられる。

 また、この誘導弾を導入することで、スナイパー育成の苦労が大幅に簡略化される。誰が射ったって、当たるのだから。

 次。
 The Maritime Executive の2025-4-11記事「Brazil’s Ag Sector Plans for Export Boom as China Pivots Away from U.S.」。
  米支の貿易戦争のおかげで成金となりそうな、最初の勝利者が浮上した。中国向けに大豆をナンボでもふんだんに輸出することが可能な、ブラジルである。

 トランプ・タリフがなければ、4月~5月には、合衆国産の300万トンの大豆が「Sinograin」社によって中国まで運ばれるはずであった。
 しかし中共が報復としてかける125%の関税と、米政府による中共傭いの貨物船に対するイヤガラセ等により、この確保分はもう、どこかに投げ売りするしかなくなった。

 ブラジル側では、ことしは1億1000万トンの大豆を輸出できるかもしれないと見ている。もちろん歴史的な大記録である。

 今年、さいしょの四半期だけでも、すでにブラジルは、2700万トンの大豆を輸出した。これは昨年同期よりも4%多い。
 現状、ブラジルから輸出する大豆の77%は、中共によって買われている。

 なお、ブラジルから中共に送られる大豆船の9割は、パナマ運河を利用している。

 次。
 Erik Prince に対する2025-4-12インタビュー記事「I’m not so worried about China militarily」。
  ブラックウォーターの創設者が、母校のヒルズデール大学で講演した。その機会に、学長のラリー・アーンがインタビューしている。

 エリック・プリンスは、中共軍がおそろしいとは考えないが、米海軍の実態がお粗末すぎるので、米海軍は台湾戦争に首をつっこまない方が悧巧だろうという。

 米海軍がおちぶれたと天下が知ったのは、4万トンの揚陸艦『ボノム・リシャール』の全損火事。サンディエゴで修船ドックに入っていたとき火災が発生。なんと最初の乗員消防隊が放水を開始したのが、出火から1時間半後だった。
 おわっているにもほどがあった。

 4万トンといえば、第二次大戦中の最大の空母よりもまだ大きな巨艦。その現役艦が、丸焼けになっているのだ。

 米海軍は正規空母で台湾戦争に干渉しようとするだろう。ところが敵は数千発の対艦ミサイルを並べて待ち構えている。正規空母は120億ドルする。乗っているのは5000人。たいへんな結果が目に見えていないか?

 1804のトラファルガー以降、英海軍は1世紀、世界の海を支配できた。しかしWWIのユトランド沖海戦では手酷くやられている。英帝国はそこから凋落した。地位も領地もうしなう一方だった。あたらしい競争者が現れた時、ガバナンスがぶったるんでいる旧体制は、もちこたえられない。これが今の米海軍にとっても、教訓なのだ。

 台湾防衛の最善の策は、台湾国内に「郷土防衛部隊」を組織しておくことだ。

 確実なことは、座標が前もってわかっている、すべてのアセットは、開戦劈頭に敵のミサイルの餌食になって、おしまいだ。

 「郷土防衛組織」は、住民、侵略者に対する反抗の意思を、リアルな実力に変えてくれる。これは、侵略者にとっての「不可測」性を増やす。勝敗を読めなくしてやれる。ここが大事だ。

 1775年において、英植民地軍に対して武器を執って立ち向かおうとしたのは、たった3%のアメリカ植民地人だった。とうじの英国は世界最強帝国だ。しかし、被支配者の反抗の意思がリアルな実力になったとき、その英帝国も敗退させられることになった。抵抗者の意思の作用は、支配者にとっては不可測なレバレッジを秘めている。

 台湾の新編の郷土防衛軍も、俺に言わせれば、住民の3%で十分だ。だいたい、72万人規模になるだろう。

 この72万人、地域土着のゲリラ戦法をよく仕込んでおいたら、それは、正規軍以上の侵略抑止力になる。

 物量はモノを言う。1945にジューコフがベルリンに突入したとき、車両は60万台あった。ぜんぶ、米国の中西部の工場でこしらえて、ソ連に贈与してやったものだ。
 この能力が、いまのアメリカには無い。

 また今の米国の政治家に、武器弾薬のコストがわかっている者がいない。だから米国が戦争に関わるたびに、くだらない高額なシステムに湯水のように税金が注入され、それが結果として米国を安全にする何の役にも立ってくれない。ただ政治家どもの地元雇用を一時的に増やしただけである。

 ヒルズデールではオーストリーの経済を学んだ。そのあと海軍に入り、シールズでかなりいい調子だった。しかし実父が死に、すぐに妻が癌にかかった。俺は家族の面倒を見る必要に迫られ、海軍を辞めた。

 家族に心配のある者は、SEALSであるべきではない。それは両立しないのだ。
 しかし、民間軍事訓練会社なら、それは両立する。だから俺はブラックウォーターを創始した。

 ブラックウォーターの規模が大きくなり、仕事が多角化するにつれて、俺はトヨタの経営者のように、「コスト」について学ぶことになった。とうとう、「ひとつの戦争にかかるコスト」が、頭の中で暗算できるようになった。米国の政治家は、この数字が見えてない。俺には見えるのだ。

 政治家はよくこういう。民間軍事会社は、政府がやるべき仕事をしているじゃないかと。
 俺は1969生まれだ。ウッドストックとアポロ11号だよ。それから50年経ったが、政府は宇宙の仕事をしているか? 今では宇宙ステーションはロシア製だ。そこに人間を運ぶロケットは、民間会社のものだろう。

 イーロン・マスクを、俺は支持しているよ。政府ができなかったコストで、彼は宇宙ロケットを完成させたじゃないか。彼がペンタゴンに大鉈をふるってくれることを、俺は期待している。

 次。
 Brendan Cole 記者による2025-4-12記事「Russia May Deploy Nuclear Weapons in Space: NATO Chief」。

   NATO事務総長のマーク・ルッテいわく。ロシアは宇宙に核爆弾を置く気だ。
 宇宙での1発の核爆発によって、米欧の数百機の衛星を破壊してしまう目的で。

 もちろん1967の外宇宙条約違反である。宇宙に大量破壊兵器を置いてはいかんのである。

 米宇宙軍の大将いわく。中共は2030年までに宇宙技術で米国に並び、2045年には宇宙を支配したいと考えている。

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 Taras Safronov 記者による2025-4-13記事「Russia Sends Ukrainian Treason Convict to Orbit」。
    4-8にバイコヌールからソユーズに乗ってISSまで送り届けられた、3人。

 ひとりは米国籍のジョニー・キム。もうひとりはロシア籍のセルゲイ・リジコフ。もうひとりが、ウクライナで反逆罪に問われてロシアまで脱出した男、アレクセイ・ズブリツキィ。

 Alexey Zubritsky は、生まれは Zaporizhzhia 州である。彼はウクライナでプロ軍人(空軍中尉)になった。そしてクリミアの基地に配属された。

 2014にプー之介がクリミア切り取りを強行。宇軍はズブリツキィに、5月12日までに内陸の基地へ移動せよと命じた。
 しかしズブリツキィは従わず、行方をくらます。

 2025-3-11、ウクライナの軍法会議は本人欠席のまま、反逆罪で有罪とした。彼は現在32歳である。

 こやつは2024にはケルンにある欧州宇宙局の施設で訓練を受けている。


アル・カポネは脱税でお縄になった。ホワイトハウスのギャング達は、SECが仕留めることになるだろう。証券取引法違反だ。

 Francis P. Sempa 記者による2025-4-10記事「The Importance of Elbridge Colby」。
   米上院は54対45の投票でエルブリッヂ・コルビーを国防次官(政策担当)として承認した。この地位はDoD内のナンバー3である。

 コルビーは第一次トランプ政権当時の2018に「国家防衛戦略」を書き上げた。米軍を海外の小紛争に派遣していてはいけない。対強敵に集中せよ、と説いていた。なぜなら米国の相対的な「余裕」はもうなくなりつつあるから。
 近年ではその集中の対象は、中共のみであると彼は言っている。そのためには米国は中東と欧州からは撤収するべきであると。NATOからは抜けろという話なのだ。

 コルビーはその著書『The Strategy of Denial(拒止戦略)』の中で、もし中共がアジア太平洋地域を支配してしまうと、その総合戦力で米国と対抗可能になってしまう。だからそうなる未来を防ぐことに米政府はとっとと全力を傾注せよ、と論じている。

 ※これはマッキンダー地政学の「ver. 2.0」だといえる。マッキンダーは、ドイツまたはロシアがユーラシアとアフリカを支配すると、次には南米が支配され、そうなったらもはや合衆国は対抗不能になると警告した。コルビーは、冷戦終結でロシアがユーラシアを支配する可能性がなくなったと同時に、太平洋諸国の経済力が欧州を凌ぐようになっているので、いまや、米国を亡ぼせるポテンシャルの重心は西太平洋域に移ったのだと認識する。

 コルビーは、インド、日本、比島、韓国、ベトナム、台湾が、米国の指導下に「反専制」連合を組むがよいと主張。
 これらの諸国がいまや、欧州諸国や中東諸国よりもずっと米国にとって重要になっているのだと強調している。

 コルビーは明瞭には書かないが、コルビーの仲間の米国内の「リアリスト」たちは、今日ではウクライナも中東もアメリカにとってはまったくどうでもよいので、しかし、台湾を中共が征服することだけは許してはいけないと言う。
 こういう割り切りは、「大西洋主義者」や「ネオコン」からは非難攻撃されてきた。しかし、コルビーが正しいのである。

 総動員できる戦争の資源。そのグローバルな「重心」(クラウゼヴィッツの術語)は、いまや西太平洋に移ったのだ。クラウゼヴィッツは、重心を支配せよ、と言った。

 コルビーは、国際主義者や、進歩派を、非難する。そやつらは、米国にはすでにその実力が涸渇しているのに、無闇に手を拡げようとするのだ。戦犯はクリントン政権である。とっくに力が衰えているのに、やたらに支援の約束を他国に与え、格好のよい高級書生論でそれを神聖化してきた。愚か者である。

 ウィルソン主義は、畢竟「イデア」であってリアリズムではない。
 さりながら、ウィルソンからバイデンまで、民主党の政権は、この夢想主義を追求した。そして共和党のGWブッシュにもそれがあり、そのために自殺的な十字軍を催させて、けっきょく米国民を傷つけた。

 ベトナム、イラク、アフガン……もうこんなことを繰り返していてはならない。

 コルビーは孤立主義者ではない。米国が世界のどこかに力の真空をつくれば、中共がそこをホイ来たと埋めるだけである。
 その力もないのに、外世界の現実を変えようとでしゃばって行く、ウィルソン流が、米国民にとって、有害なのである。

 コルビーはマッキンダーをアップデートした。マッキンダーの「ハートランド」は、いまや「インド-パシフィック」のことなのである。

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 Claire Elise Thompson 記者による2025-4-9記事「France’s new high-speed train design has Americans asking: Why can’t we have that?」。
   フランスは2026年から次世代高速列車「TGV Inoui」をパリ~マルセイユ間に走らせる。空力洗練による20%の省エネルギー。車椅子客も介助なしで乗降できる。

 鉄道は、スピードが120マイル/時以上出るならば、それは自動車の2倍以上の速さなので、高速列車と名乗ることができる。それが都市間交通として普及すればするほど、グローバルな二酸化炭素排出が減るのは、誰でもわかるだろう。

 米国には鉄道網事業体として「Amtrak」社があり、昨年は旅客3200万人を輸送している。
 その主幹線はDCとボストンを結ぶものである。スピードは一貫していないけれども、速い区間では150マイル/時に達する。

 だがTGVのように200マイル/時以上で運行する鉄道は米国には存在しない。
 この春に走り始める最新鋭列車の「Acela」が、やっと160マイル/時というところだ。これが米国内では最速の鉄道である。

 業界では、米政府からのまとまった補助金がなければ、これ以上の投資は無理だ、と言っている。

 加州では、LAとシスコの間に2020年に高速鉄道が開業するはずだった。だが事業は遅延している。資金は足りなくなっており、用地買収ができていない。CEOは昨年、連邦政府からの支援が必要だと言った。しかしトランプが大統領となったので、その話はますます非現実的になった。

 「Brightline」社は、めずらしい私企業である。
 L.A.とベガスのあいだに高速鉄道を敷こうと企画中。
 同社は、フロリダで先に成功した。まず「マイアミ~西パームビーチ」線を2018運開。ついで2023に、「マイアミ~オーランド」線も実現させた。時速は125マイル/時。
 フロリダではまったく政府に頼らなかった。

 しかし西部の高速鉄道プロジェクトは、連邦議会が超党派で公費から30億ドルを融資させたことでスタートした。「インフラ法」という法律をつくって。

 「Brightline West」の工事は今年に始まり、2028末にはなんとか走るだろう。じつは2028ロス五輪に間に合わせようという当初の算段だったのだが、それは無理だとハッキリした。
 しかし運開すれば、米国初の、時速200マイル超えの高速鉄道となる。

 アメリカ人の旅行者が、海外の各所で、高速鉄道に乗る経験が増え、なんでこれが米国内にないのよと騒ぎ出したことが、潮流変化の基礎にある。

 空港は大都市のまんなかには位置できないが、高速鉄道ならどこでも乗り入れられる。米国内の空港はセキュリティ・チェックが異常に厳しくなっており、その行列時間は長い。鉄道駅では、それもない。利便性は歴然としているのだ。

 イタリアなどでは特に痛感できようが、飛行機の小さい窓からは、A空港からB空港まで移動中の「観光」は無理である。しかし列車であれば、A駅からB駅までの移動中が、すべて「観光」の時間になるのだ。

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 Edward Fishman, Gautam Jain, and Richard Nephew 記者による2025-4-8記事「How Trump Could Dethrone the Dollar」。
   世界各国政府の、「外貨準備」の機軸通貨として、米ドルが、英ポンドにとってかわったのは、1920年代のなかばであった。
 WWII末期のブレトン・ウッズ会議で、それは公然と確定した。

 この会議において、IMFと、世銀の、ふたつの機関が創設される。
 そして列国の通貨は、米ドルにペッグされることに決まった。その米ドルは、いつでもGoldに固定兌換率で変えられるのだ。

 このGold兌換を「や~めた」と言ってやめさせてしまったのが、1971のリチャード・ニクソン大統領であった。

 しかしSWIFTで決済されている通貨は、今日、米ドルが50%である。変動相場制になっても、米ドルは頼られてきた。

 国際貿易のインヴォイスの54%は、米ドルがいくらかで表記されている。じっさいには世界の貿易の10%にしか、米国は関係していないのだが。

 米国のエクィティ・マーケットは世界最大で、2024末だと63兆ドルという規模。それは世界ぜんたいの半分に近い。

 おかげで米政府は、国債を発行するのが楽である。米国は全世界の国債の四分の一以上を発行している。その総額は28兆ドル。毎日、9000億ドルの米国国債が、オープンな市場で売買されている。

 中共が発行する「人民元」は、透明性と市場流動性がない。だから、各国の「外貨準備」として、米ドルにとってかわることができない。いつまでも。

 人民元の外貨為替交換率は、中共政府によって操作されている。
 外資がたとえば中共の地方自治体債を買おうとしても、北京中央によってそれは阻止される。外国人は、自由に投資できないのである。つまり中共にかかわると、流動性がなくなってしまう。

 だから、2022にロシアを経済制裁から救うためにCIPSという国際決済システムを北京は創設してやったが、SWIFTのボリュームの0.2%しか、CIPSは吸引できていない。いまだに。

 ユーロは米ドルに次ぐ、準備通貨である。しかしドイツが〔インフレを極度に嫌う主義から〕国債をあんまり発行しないものだから、米ドルの地位を奪うことはできそうにない。

 そもそも、ロシアが攻撃してくれば、欧州政府が発行した債権は無価値化してしまうかもしれないのである。それらの政府が亡びるので。

 BRICSは、ユーロよりも弱い。国内外にバラバラな難問を抱えた諸国の寄せ集まりにすぎず、共通の通貨も発行できない段階なのである。

 ビットコイン=クリプトカレンシーは、価値の裏付けが弱い。どこかの政府が担保してくれているわけではないので。また、交換価値がなかなか安定しないことも、見ての通りだ。透明性もない。

 Goldは、どこかの政府が供給量を自由に増減できない。そこが弱点。

 トランプのやっていることのおかげで、諸外国にとり、米国はもはや、将来が信用できる取引相手ではなくなった。となると、ドルの需要は、外国人にとっては、減る。だから、ドルの価値も下がる。

 また、ロシアに味方してウクライナをいたぶる政策、NATOのアーティクル5の信頼性をゆるがす発言等により、これまで米国の同盟者たちだった国々は、爾後、米国政府の約束を信用しなくなった。

 これまで、ドルの価値は、米国は「法の支配」を重んずる、という評判が支えてきた。その評価はくつがえった。米国は一夜にして法律を破り、他国との約束も、弊履の如くに棄てる。だったら誰がこれから、あたらしく米国と条約を結ぼうとしたり、約束を与えるんだ? 意味がないだろう。

 米政府の赤字は、いまはGDPの100%だが、2050年にはGDPの150%になるだろうという。
 もし連邦議会が、歳出を削減することなく、減税を進めるなら、将来の利子払いが重くのしかかり、財政はとみに不自由になって、経済成長が鈍ることは確実なので、外国人からみて米国の国債や株式には魅力がなくなる。

 「マラゴ協定」が狙っていると噂される大トリック。外国人が持っている米国国債を、100年償還期間の、利子ゼロの新債券に、強制的に交換してしまうのだという。

 ※敗戦直後の《旧円の預金封鎖》と同じことをやんのかよ! すげえ。

 まあ、それを実行したら、もう諸外国は、米国を「デフォルト国家」として扱うだけだろう。取引相手としての米国の信用は、ゼロになるのだ。

 世界経済を支配したかつての英国ポンドの、今の凋落。おなじことは、米ドルにもいつか、起きる。

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 Dmytro Shumlianskyi 記者による2025-4-12記事「Unmanned Systems Forces have formed a unit to shoot down attack drones」。
  ウクライナ軍の、無人システム軍の中に、対ドローン迎撃部隊が、新編された。

 ※これと、同部隊の長が左遷されたゼレンスキー人事とは、関係があるような気がする。


世界の終末に読む軍事学


ペトリの1個高射大隊を空輸するのにC-17が73機、必要だそうだ。

 Ben Casselman 記者による2025-4-11記事「The ‘China Shock’ Offers a Lesson. It Isn’t the One Trump Has Learned」。
    1999年から2005年にかけ、中共からの対米輸出は、3倍に増えた。結果、米国内の工業は、経営が成り立たなくなった。大量失業が生じた。このとき米国社会は深い傷を蒙り、それは今も続いている。

 工場の仕事は、2001に中共がWTOに加盟を認められる前から、全米で、減少傾向にあった。
 殊に、衣料品や家具製造。それらは労働集約的なので。

 「チャイナ・ショック」という造語は2016年である。しかし、それまでの12年、工業界では「自動化」も進んでいるのだ。それも工場労働者を不要にしたのである。

 変化のスピードが速いことが、生身の人間には、ダメージになる。ノースカロライナ州の某家具工場は、2000年時点で従業員32000人。それが、10年にして、4割減った。この速度と規模は、コミュニティをぶっ壊す。これが、全米で起きたのだ。

 単純労働工場のかわりに、すぐに高級労働会社がその地域に立つわけじゃない。軽作業労働者が、大学に行かずに高級事務スキルを覚えられるわけじゃない。遠い町で求人があるからと、すぐに一家で引っ越せるもんじゃない。

 解雇されてしまった労働者たちは、同じ町のなかで、前職よりもさらに安い労賃の低級労働にありつくか、失業してヤク中になって早死にするか、どちらかだったのだ。現実には。

 労働市場の変化への対応は、ひとりのキャリアの中では、起きない。次の世代に人が変わるときに、はじめてその対応が観察される。

 ※大昔に私はこれを「脳の一回性」という表現で説明した。動物の脳はノイマン型コンピュータとは違い、「上書き」によるプログラム更新は不可能なのである。その現実を前提に、政治も進めるしかないのだ。

 地域の工場がぜんぶ、短期間のうちに消滅してしまうと、両親世代は、働きながら、子どもに新しいスキルを身に付けさせてやることが、できなくなる。地域社会は、たんじゅんに、壊滅してしまうのである。

 トランプ・ショックも、同じことになるだろう。複数の著名企業が、すでに数千人のレイオフを発表している。速すぎる。この変化スピードは、労働者個人/一世帯が、吸収できない。

 米国内のごくわずかな鉄鋼メーカーは、得をするだろう。それ以外は……。

 小売業は、仕入れのコストが増える。それを、インフレで財布の紐がしわくなった消費者を相手に、売らねばならない。

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 John Tamny 記者による2025-4-11書評「Book Review: Peter Baker & Susan Glasser’s Excellent ‘Kremlin Rising’」。
    なぜロシア人はいったん得たはずの自由を捨ててプーチンになど跪拝しているのかが説明されている。
 ロシア人民は、自由は居心地が悪いと感じている。そして、過去のスターリン時代に憧れている。

 プーチンの母親はレニングラードが包囲されていたときの飢餓が原因で健康を損ねた。
 プーチンが誕生した1952時点でレニングラード市はまだ瓦礫の山状態だった。ドイツによる破壊は、いかにも徹底したものだった。それが原風景なのだ。

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 Artur Kalandarov 記者による2025-4-11記事「Putin’s 1985 Moment」。
   1985にゴルバチョフはアフガニスタンからのソ連軍部隊の総撤収を決めた。
 ポリトビューローの会議で彼はこう言ったという。――われわれの将兵がそこにいるが、なんのためにいるのか。大義が無いのだ。即刻、引き揚げよう。

 ゴルバチョフは、戦死者や、カネの無駄を気にしていた。プーチンは然らず。だからウクライナに関する1985はまだやってきていない。

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 2025-3-13記事「Interview Conducted by Claus Hecking」。
   グリーンランドの専門家で、バーモント州立大の教授、パウル・Bierman (63)に、シュピーゲル誌がインタビューした。

 トランプは鉱山経営がわかってない。有益資源が濃縮したかたちで浅い地表に集中して存在するなら、その採掘は採算に合う。しかしそうでない場合、役にたたない土をひたすら深いところから掘り出す作業になる。グリーンランドにある資源は、後者。おまけに、インフラの整った最寄りの町から、採掘現場は数百kmも離隔しているのに、どうやって経営を採算に乗せられるのだ。

 また凍土というやつは、その上に建てた建造物を、ぐにゃぐにゃにしてしまう。 Thule Air Base の滑走路も、だから、ぐにゃぐにゃだ。

 氷河が崩れて海に落下すると、津波がフィヨルドを遡る。高さ200mの。そんな事故もときどき起きる。

 港湾は、ある年は使えても、次の年には、船舶が入らなくなる。というのは、温暖化によって地盤の上の氷が融け去ると、地盤が隆起するのだ。
 グリーンランドの場合、100年で1.8m隆起する。

 それにくらべたらウクライナで何かを掘る方が、ずっと楽だろう。

 米軍はかつてグリーンランドに数十ヵ所、基地をつくった。しかし今は、 Thule しか維持できていない。他はぜんぶ、放棄したのだ。

 次。
 John C. K. Daly 記者による2025-4-9記事。
   スウェーデンの防諜機関が3月に報告。
 ロシア諜報機関は、ヤク中のスウェーデン人を一本釣りして、工作員に仕立てている。

 イランも、スウェーデン国内に犯罪ネットワークを構築している。

 ロシアは、そのスウェーデンの防諜機関の中にまでも、スパイを送り込もうと画策している。

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 Alius Noreika 記者による2025-4-10記事「Historic Robot Half Marathon in Beijing Delayed by Wind」。
  日曜日に、ヒト型ロボットによるハーフマラソン競技――ただし人間が並走する――が北京で開催の予定だったが、強風のため、4-19に順延されたと。

 ※SNSによると中国某所に「本日からアメリカ国籍の客にはサービス料(服務費)104%を加算する。詳しいことは美国大使館へ聞いてくれ」という看板を掲げた飲食店が登場。

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 2025-4-10記事「Russia and Uzbekistan to cooperate on Trans-Afghan railway」。
  ロシア政府とウズベキスタン政府は、「トランス・アフガン鉄道」で協力する協定に署名した。
 これからフィージビリティ・スタディをしようか……という段階。

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 Rebecca Holland 記者による2025-4-11記事「Go jump in a lake? 173rd Airborne Brigade paratroopers glad to oblige」。
  木曜日、イタリアにあるガルダ湖に、米第173空挺旅団400名以上が降下した。
 200名は低空のヘリから落下傘なしで湖面へ飛び降り(ヘロキャストという)。
 226名は複数の固定翼機からパラ降下した。

 部隊は先週、別なところでプール訓練を済ませている。水面に降下したとき、傘体や紐が首から上に絡まることがある。これを水中で外す練習。


またバックファイアが地上で、無人機によってやられたらしいな。

 AIの「動画」製作がますます巧妙上手になってきた。このままいけば、こういう時代がすぐに来るだろう。すなわち、「シナリオ=プロンプト」になるのだ。テキストで正しい文法で「シナリオ」を書くと、AIコンパイラがそれを動画作成用のプロンプトに変換してくれる。ついで動画生成プロセッサが、そのプロンプトに基づいてただちに、実写と見分けられない「映画」のワンカットを、複数候補、出力してくれる。それを選んで適当に編集加工してつなぎあわせると、90分尺のテムポの善い映画が1週間で、できあがる。もはや、スタジオセットは要らない。ロケも必要ない。役者も声優もいらない。絵・音のサンプルがちょっとあるだけでいい。中共は、ハリウッド・コンテンツを輸入禁止にできるだろう。その穴埋めは、AIがいくらでもしてくれるのだ。

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 2025-4-10記事「AI Surveillance at the Heart of Musk’s Government Efficiency Drive, Sources Say」。
  イーロン・マスクのDOGEは、なんと連邦政府職員のインターネット会議(Teamsなどを使うもの)をすべて監視盗聴し、AIに全発言内容をスクリーニングさせて、トランプやマスクに対して批判的な言辞を探り当て、その発話者を馘にしているらしい。テキストのやりとりも、同様に、監視しているらしい。

 ※NASDAQの発注量が、トランプによる「90日タリフ猶予」発表の数分前から激増していることが、記録から判明。株式を市場の底値で買って、ホワイトハウス発表の直後に売った者は、半日にして億万長者となったはずだ。早くも、米連邦議会議員らが、インサイダー取引に関係したのではないかとの疑いを、批判者たちは向けている。

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 Hope Hodge Seck 記者による2025-4-9記事「First Columbia-class Sub, Two Aircraft Carriers Face Delivery Delays, Navy Officials Tell Senate」。
    火曜日にわかったこと。新型『コロムビア』級のSLBM搭載原潜(オハイオ級を更新させる)は、すくなくも計画より18ヵ月、建造が遅れている。フォード級の空母も、どんどん遅れている。これらは、おそらく次の対支戦争には、間に合わない。

 『Columbia (SSBN-826)』は、早ければ2029の引き渡しになるだろう。
 その二番艦の『Wisconsin (SSBN-827)』は2032年、三番艦の『Groton (SSBN-828)』は2034年の引き渡しになるだろう。

 空母の『USS John F. Kennedy (CVN-79)』の工事は今、95%まで仕上がっているところだという。

 そしてどうやら、エレベーターとアレスティング装置(どちらも電磁式応用)に関して、いまだに苦労をしているらしい。2026年に予定通り引き渡せるかといったら、無理だろう。

 『Enterprise (CVN-80)』も、計画より28ヵ月、進捗が遅れている。引き渡しは2030年だろう。
 その次の『Doris Miller (CVN-81) 』は、いまのところ、2032年に引き渡そうという考え。

 工期が伸びるとコストも累増する。『John F. Kennedy』はこの調子だと129億ドルになる。『Enterprise』は135億ドル。『Miller』は140億ドル台となり、涙目だ。

 海軍省としては、工期を守らない造船所を罰したい。だができない。

 アラスカ州選出の、共和党の上院議員、ダン・サリヴァンが、重要な意見をつきつけている。国営の海軍工廠ではない私企業の造船所が、たった2つ、核動力軍艦を建造できる。それはしかもどちらも東海岸にある。これがよくないのではないかと。

 トランプ・タリフの影響が、軍艦建造コストにどのくらい及んでくるか、海軍省内ではまだ試算ができていない状態。

 次。
 Blaine Worthington 記者による2025-4-9記事「Break China’s Grip on Shipping with the Multilateral Maritime Alliance」。
   米国内の造船所だけでは中共の建艦能力に対抗できなくなっていることは、もうみんな、知っている。

 その対策を米国内だけでしようったって無理なのだ。これももうみんな、知ってることだ。

 だったら、与国とかたらい、対支建艦連合を結成するしかないだろう。

 商船隊の規模は、いま、とんでもないことになっている。
 米国国旗を掲げている商船は、185隻。
 中国&香港国旗を掲げている商船は、7838隻。

 2023年において、米国の造船所は、世界の新造商船の0.1%を建造したにすぎなかった。中共は50.7%であった。

 2024年において、世界の商船の2.16%が米国の船会社所有。中共企業は19%を所有していた。

 この現状で、西太平洋での大戦争に必要な後方兵站線を、海上に構成・維持できるのか? 無理だろう。
 いますぐ、なんとかせねば、間に合わぬ。

 豪州もじつは同じ悩みに直面中だ。
 豪州の貿易の99%は、船舶による。国民所得の45%は、交易で発生している。そして事実上、その貨物船のすべてが外国籍であり、外国の船会社の所有なのだ。

 2021年の統計。6170隻の商船が、豪州に入港した。そのうち豪州船籍のフネは、たったの4杯だけ。その4隻はいずれもLNGタンカーで、日本や韓国向けに液化天然ガスを運ぶものだ。

 中共の台湾侵攻は2027年だと予言されており、これは「Davidson Window」とも呼ぶ。このウインドウに間に合わせるには、これから造船所なんかこしらえようとしてもダメだ。

 ところで、日本や韓国の造船所にはひとつの難点がある。それらは中共のミサイルのWEZ=Weapons Engagement Zone に入っていることだ。有事には簡単に中共軍によって爆撃されてしまうのである。

 MMA=「対支海上ブロック」を結成するときだろう。メンバーは、米豪韓日比である。

 そのMMAの旗を掲げた商船は、他の商船よりも優遇すべし。インセンティヴを与えるために。

 WEZの範囲外に位置するどこかに、造船所を増やす。できれば豪州。

 豪日韓のあいだでは、造船所労働者の融通、技術留学ができるようにするべきである。

 次。
 Ian Bremmer 記者による2025-4-9記事「America just entered its post-globalization era」。

 多数の国が、米国からはあまり多くのモノを買わないが、その理由は、それらの国が貧乏だからである。トランプ・タリフは、それらの国の貧乏を悪化させる。よって、ますます米国のモノを売れなくさせる。

 トランプは「サービス」分野におけるアメリカの輸出超過を無視している。サービスに関しては米国は2024年に2950億ドルの黒字である。諸外国がトランプ理論を援用するなら、諸外国は米国発のサービスに、13%の相互関税を課すのが公平だということになるであろう。

 友人のラリー・サマーズは、今回のはWWII以降の最大の経済的自傷政策だ、と断じている。

 78歳のトランプは、至短の残り時間でレガシーを固めなくてはいけない。不人気の失策は長く続けられない筈。
 しかしシグナル・ゲートを見るに、トランプの取り巻き連は、無条件ロイヤル組で固められており、トランプのためのガードレールを誰も準備してやっていない。トランプは誤謬にしがみついて突っ走ることが可能だ。

 アーノルド・トインビーは、過去の文明は他から殺されたのではなく、すべて自殺によって終焉してきたと総括した。
 「グローバリズム」は悪だが、「グローバリゼーション」は、アメリカにとって利益のあるエンジンだった。トランプはそこからアメリカを「解放」することによって、トインビー式にアメリカ文明を自殺させる。

 次。
 CHARLES PAYNE 記者による記事「The truth about tariffs and the history lesson many critics are missing」。
  1921年から28年にかけて、米国政府は通貨サプライを62%増やした。いっぽう、銀行預金は51%増え、生命保険会社の集めたカネも114%増えていた。

 それに連邦準備銀がパニクって、公定歩合を上げたのが、1929のガラの原因である。
 しかも株価暴落のあとも、彼らは金利を下げなかった。

 ※そもそも1929の大暴落は、日本政府が「ロンドン海軍軍縮条約」の招待に応ずるらしいぞというルーモアがNYCまで伝わったことで起きたのだ――という話は、私が昔から唱えている仮説。誰か証明してくれよ。とうじの日本は会議に招待されたらそこで米国相手に「No」と言う可能性は無かった。出席=受諾 と皆、予想できた。日本が招待に応ずるということは、全世界で、もう巡洋艦は建造されないということを意味したのだ。鉄鋼が余りまくるという未来がハッキリしたのだ。それも、10年くらいの長期に及ぶ可能性もあった。これで株価が上がったら、そっちのほうが、インチキだろう。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-4-10記事「AEGIS system upgrade reveals weak spots in U.S. naval defense」。
    ロックマートはイージス・システムの性能向上を考えている。発熱するフェイズドアレイとコンピュータを水で冷やす、クーリング・システムの増設が肝のようだ。冷やさないとソフトウェアの安全装置がかかり、信号処理速度が自動的に低くされてしまって、同時に多数襲来する敵ミサイルを捌き切れなくなる。

 しかし新しい水冷システムでレーダーの機能が狂っては何にもならない。その検証には長時間がかかるはずだ。

 ※空母『カールビンソン』は先週の金曜日にマラッカ海峡を西へ抜けている。

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 2025-4-10記事「Commander of the Unmanned Systems Forces Sukharevsky is to be dismissed and assigned to command the corps」。
  ウクライナ軍の「無人機軍」の初代司令官が左遷された。
 Vadym Sukharevsky 大佐である。

 無人コマンドは2024-6創設。

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 Richard Thomas 記者による2025-4-8記事「Drones now account for 80% of casualties in Ukraine-Russia war」。
  ただいまのウクライナ戦線では、連日の両軍兵士の死傷原因の筆頭(7~8割)は片道特攻ドローンとなっており、かんぜんに砲兵を凌いでいる。

 なおちなみに、2022-2以降の露兵の戦死者は、累積25万人だとのこと。

 2025-3の一か月には露軍は1万500発の滑空爆弾を集中投下してきた。

 宇軍の主張によれば、4月8日の24時間に、宇軍は露兵を1300人、死傷させた。そのうち1000人は、ドローンによる戦果だという。

 また宇軍は、露兵の死者と負傷者の合計は累積92万6000人だと主張している。西側諸国の推計でも、90万人以上は固いだろうとの見積り。

 北鮮兵はクルスクで5000人が死傷しただろう。そのうち戦死は三分の一くらいだろう。