駆逐艦サイズの《小型無人機母艦》なら、「沿岸地方孤絶集落への救恤アクセス」と「沖縄離島等からのエバキュエーション」の2大課題を同時に解決できるだろう。

 そのスペック。

 フラットデッキ型、もしくは「拡大ひえい」型。

 浅吃水船体とする。これにより、隆起した海浜にも安全に近寄れる。
 海浜に近寄ることで、飛行デッキ上から目視によってVTOLドローンをオペレートしやすい。

 VTOLドローンは、予備機材も含めて大小数十機を運用す。

 船体中央部に「ムーンプール」を設ける。これにより、接近せんとする海岸の海底地形をまずUUVで先行偵察させられる。

 小型ボートを揚収しやすい船尾構造もしくは舷側設備。これにより、沿岸と本船の間の小型艇のシャトリングを最速化する。

 VTOLドローンは、ゴムボートをスリング運搬できる、内燃エンジン付きの強力なものにする。このクラスの型式認証は陸上運用が前提だと取得がほぼ無理だが、原則「水上艦←→岸」の海上飛行しかさせぬ大前提ならば、航空法の縛りをミニマムにできる。

 VTOLドローンは、陸地に着陸することなく、吊下ロープによって救恤物資を届ける。原則として、海岸の道路に下ろす。

 「多機能・垂直型・電磁カタパルト」を設ける。このカタパルトからは、偵察用UAVの他、「兵装」を射出できる。砲熕火器を備えぬフラットデッキ艦ながらも、通常の護衛艦とくらべて遜色ない「対地・対艦・対潜」攻撃能力を兼帯できる。

 兵装射出機能を「垂直カタパルト」に集約統合してしまうことによって、この無人機空母は戦闘艦として「省力化」を極限まで追求できる。

 この艦なら、「レプリケーター・イニシアチブ」に沿ったスウォーム・ドローン母艦の働きもしてくれる。

 この艦は近未来の「北方領土回収」作戦でも必ず重宝するだろう。

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 Jonathan Snyder 記者による2024-2-16記事「Marine base in Japan adds water-rescue drone to fire department’s arsenal」。
    岩国の海兵隊が、地元消防署に、EMILYをデモンストレートした。これはリモコン操縦できる水上救難の道具で、重さ26ポンド、全長4フィート、幅1フィート。3.5マイル離れた場所へ時速25マイルで自航して行き、レスキューロープなどを届けてやれる。動力は1.2キロワットの電気駆動モーターで、1回の充電で14分動く。

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 Karissa Bell 記者による2024-2-15記事「Meta takes down Chinese Facebook accounts posing as US military families」。
   メタはこのたび、米軍の家族になりすまして反戦宣伝を展開していた中共工作部隊のアカウントをフェイスブックとインスタグラムから排除した。

 たとえばフェイスブックでは33あった。ターゲットの中心は米空母乗員の家族。
 投稿内容は、台湾、イスラエル、ウクライナに関する米政府の外交が間違っているとするものが多い。

 ※AI生成動画の進化が速い。

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 Defense Express の2024-2-16記事「Is it Possible to Identify a Missile by the Crater it Left, or Why it’s Important to Look into Sources」。
    2月15日にブチャ市の野原に落下した弾道ミサイルのクレーター分析から、これは北鮮のKN-23であると認定された。
 クレーターの直径は8m~10mだが、中心からの半径40mの植生が刈り払われ、その地面は黒焦げになっている。

 この地面はたまたま砂質土壌だったのでこんなにクレーターが大きく掘られたのだという。岩質土壌だとこうはいかない。
 おそらく弾頭重量は500kgだろうとのこと。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2024-2-16記事「National Resistance Center of Ukraine Uncovers Mercenaries Recruitment Tactics and Broken Promises」。
    ロシアが海外で傭兵を募集するとき、月給は2000ドルから4000ドル払うと口約束をしていながら、現実には「数百ドル」しか支払われていないことがわかった。

 これら外国傭兵の出身地は、シリア、ネパール、アフガニスタン、インド、コンゴ、エジプト、そして中央アジア諸国である。

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 Boyko Nikolov 記者による2024-2-15記事「Sky victory: US Harrier pilot takes down seven Houthi kamikazes」。
    強襲揚陸空母の『バターン』に所属する海兵隊航空隊の第231スコードロン。その「ハリアー2」のパイロットであるアール・イヤハート大尉は、フーシが放ったドローンをすでに7機撃墜したという。

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 Phil Rosen 記者による2024-記事「The 2008 housing bust suggests China’s only halfway through its property crisis. Here’s how the downturns compare」。
    ゴールドマンサックスによる分析。2021年の第3四半期から、2023の第3四半期までのあいだに、中国の不動産の価値は16%減った。
 これは、まだまだ底ではない。米国のサブプライムの経験からすると、まだ落下の半分まで来たにすぎない。

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 NC Bipindra 記者による2024-2-16記事「India Cuts UN Funding; Expert Calls To End Peacekeeping Missions Until UNSC Permanent Membership」。
    国連の常任理事国の地位が与えられないのなら、インドはもう国連の平和維持軍に人員を出すのはやめようぜという有力な意見あり。
 世界最大の人口、世界第四番目の経済規模、そして核武装もしているのに、安保理常任理事国として扱われないのはおかしいという不満。


米海軍は水曜日にお達し。向後、水兵は、ハンドポケットしても可い。

 Pavlo Kuliuk 記者による2024-2-15記事「The Real Zelensky in the Ukrainian Conflict」。
     1991独立後のウクライナには「国家的政治エリート層」が存在しない。そのため国家に権威がなく、国民が団結していない。

 ふつう、独立は戦争によってかちとられる。その過程で全国民が一心となる。政治指導者グループも自然に形成され国民から認知される。
 しかし1991にウクライナ人は、銃を手にすることなく独立を与えられた。だから国家の指導者も顕在化しなかった。

 独立後にウクライナ国内で誕生したウクライナ人が総人口に占める率は15%である。歴代大統領は全員、ウクライナ生まれではない。

 ウクライナ土着の強い政治指導層が存在しないことが、西側強国政府によるウクライナに対する「政治指導」を簡単にしてしまう。政府の強さがまるで違うからだ。

 これが、今のような非常時に、まったく政治経験の浅いゼレンスキーがウクライナの首班であり続けられる理由を説明する。

 ウクライナの国家予算の半分以上は外国からの下賜金や対外債務である。
 ゼレンスキーはこの2年間、国家に何が起きているかも知らないし自分と自国が置かれている事態もわかってない。ここが分かっている唯一のグループが軍である。その長がザルジニーだった。ザルジニーの方がウクライナの現状と未来が読める指導者候補に育ってしまったからゼレンスキーが解職した。

 宇軍はたった2年で、政治集団として成長し、国家エリート化し、ウクライナの政治指導者層の空白を埋めた。今、大統領選挙をすれば、同国随一の組織的マシーンである軍が推す候補が圧勝する。だからゼレンスキーとしては放置できなかった。

 ※2022-2下旬に、大都市民に対して「火炎瓶を造れ」と呼びかけたのが、ゼレンスキーが戦争を契機に真の国家指導者として成熟し、且つ、国内の人心を束ねて「ネイション」を再創造するプロセスのスタートだった。これが怪しくなったのは、前線部隊の防空用MANPADSではない、都市防空に使うつもりの本格的なSAMシステムを西側からありがたく頂戴し、「もっとクレ」と連呼し始めたところからだった。WWII中にロンドン市民は2万人死んでいる。それに比べれば露軍によるキーウ空爆など、子供の石投げのようなものだ。その防御は第一義的に市民総出の地下トンネル建設によって対策させるのが、戦時国家指導者としては正しいのだ。さすれば都市民の総動員にもなり、世論はますます団結するのである。ゼレンスキーは西側政府に対しては、対モスクワ報復攻撃用のドローン技術と素材の密かな提供を執拗に求めるべきだったのである。それをできていれば西側と対等の指導者として認められたのだ。そして「最新戦車はいらない。古い迫撃砲とAPCをくれ」と言い続けていれば、軍からも一目置かれる指導者になれただろう。

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 Thomas Newdick 記者による2024-2-14記事「Ground-Launched Small Diameter Bomb Makes Combat Debut In Ukraine」。
   ロシアのブロガーが14日にSNSの「テレグラム」に、SDBの回収残骸の動画をUPした。これは、GLSDBが戦場ですでに発射されているという最初の一般人向け提示証拠である。

 HIMARSのレンジが50マイルなのに対してGMLRSは94マイル飛ぶ。

 ※それより重要なのは、量産ペースを急カーブで巻き上げられること。ひょっとすると、ボーイングといっしょにこれを開発したSAAB社は、来年のいまごろは、ロシアを滅亡させた殊勲功労企業として表彰されているかもしれない。

 F-35の爆弾倉におさまるようにスリムに設計されている、重量250ポンドの投下爆弾「GBU-39/B」。1発5万ドルのこの爆弾に、羽根を生やさせ、地面から、MLRS用の227ミリ・ロケットブースターで投射してやる。そういう、キメラ兵器。

 GMLRSは1発が10万ドルである。

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 Jared Keller 記者による2024-2-14記事「Lighter, More Protection: Army Next-Gen Helmet Now Fielded to 82nd Airborne Division Soldiers」。
    米陸軍は、最新型のヘルメットを前線兵士に今日から使わせる。まずは第82空挺師団から。
 NG-IHPS=次世代統合型頭部防護システム と称する。

 2018年から使っているヘルメットよりも4割も軽くなっている。にもかかわらず防弾性能は高くなっている。

 ※背もたれの高いオフィス・チェアー(重役椅子)と自転車(それもVelocipede型)は、一体式にフュージョンできるのではないだろうか? ここには大きな可能性がある。非常災害時に、歩行不自由者をその椅子に縛り付けて、その背もたれの先端を自転車や原付の後部に結合し、牽引走行して緊急エバキュエーションすることができる。「1人の健常者で1人の重患者を運べる」ことが可能となっていれば、組織は――そして社会は――「置き去り」「見殺し」の犠牲を1人も出さずに済むのだ。これはインパールとガダルカナルと東部ニューギニアから私が得た新戦訓である。チェアーの骨組みをスチールパイプとし、あたかも「椅子型の棺桶」のように人体を取り囲む結構としておけば、大地震がオフィスを襲ったときに、その椅子が人を守ってくれるかもしれない。


塹壕戦を有利にしてやるには、「自走タイヤ爆弾」しかねえ!

 Alex Wilson 記者による2024-2-14記事「US personnel ‘routinely denied’ emergency care in Japan, military probe finds
   2022-1~2023-2のあいだに救急搬送を断られた在日米軍関係者は24人にのぼる。

 昨年2月、沖縄にて、海兵隊員の7歳の娘が日本の病院での治療を断られて死亡した。
 この少女は沖縄のショッピングモールで三階相当の高さのエスカレーターから落下して頭を打った。

 日本の救急隊は2つある地元病院と、沖縄の海軍病院にコンタクトを取るのに30分以上を要した。
 さいしょの地元の病院は「他の救急患者がいる」という理由で受け入れ拒絶。
 ふたつめの地元の病院は「ウチの能力を超えている」という理由で受け入れ拒絶。
 みっつめの海軍病院は、喉頭挿管に失敗した。

 救急隊は米海軍病院に電話をかけたが、番号が正しくなく、自動音声につながった。
 そのあと、米国の「911」に電話し、そのオペレーターの指導で米海軍病院に搬送し得た。ここまでで30分が過ぎた。

 すでに処置なしだったという。
 そのあと48時間弱をかけてサンディエゴの海軍医療センターへ患者を移送。そこで脳死が宣告され、生命維持装置がはずされた。

 米国と違い、日本の病院は、救急患者を受け入れるかどうか自由裁量権をもっている。
 これは日本人の患者も同じである。2022-12において日本の救急隊は8000回、そのようなお断りに遭っている。
 2023-1においては、1万6000回の搬送お断りが発生している。

 報告書は他のケースも記載している。ある海兵隊員は、急性虫垂炎の緊急手術を8時間待たされた。
 ある米軍人の配偶者は、糖尿病性ケトアシドーシスを発症したが、20の病院に断られた。

 ある海兵隊員は、航空基地の格納庫で感電したが、9つの病院から治療を拒まれた。この患者のケースでは、在日米軍が日本の外務大臣へ電話をかけて、やっと入院できた。

 議会を通った法により、DHA=国防医療庁 は、2023-1以降、軍病院では、軍人家族でもないただの民間米国人を基本的に診ないことにしており、在日米市民の場合も、町の病院を使いなさいと言われている。

 しかし言語の壁などがあり、受け入れる側からすれば、面倒な患者に来てほしくない。

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 Megan Eckstein 記者による2024-2-14記事「Marines’ underwater missile-delivery drone faces key test this month」。
   ナルコ・サブにヒントを得たUUVから奇襲的に「NSM」(新鋭対艦ミサイル)を2発、水上へ発射できるシステムを、海兵隊がこれまでずっと開発していたことがあきらかにされた。
 2タイプあるという。

 これらは高速艇やビーチング式揚陸艇に搭載して行って、敵の近くの海に放つ。まず、探知されることはないという。

 しかもとてもチープなので、喪失したとしても痛くない。

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 Jakub Jajcay 記者による2024-2-14記事「My Lessons Learned From the Ukraine War」。
   記者は2022-8にウクライナ軍に志願し、歩兵大隊の小銃手になった。
 それから10ヵ月間、記者はハルキウ、ドネツク、ルハンスクを転戦した。
 入隊時に、記者は政治学の博士号を持っていた。その前はスロバキア陸軍の将校だった。

 ウクライナから帰郷後、記者はNATOの本職たちを相手にセミナーを何度か開いた。そこで討論を重ねるうちに、このような記事をまとめて公表することが有益だと思った。

 記者は塹壕の中で、ウクライナ人のへこたれない根性を見た。これが侵略者を食い止めている原動力である。
 1000kmの対峙線のうち、バフムトのような市街戦は例外である。ほとんどすべての前線は、非市街地での野戦である。それゆえNATO軍の教官どもが、ウクライナ兵に市街戦のやり方を時間をかけて教えているのは、無駄もいいところである。

 ウクライナの大原野&耕地は、見通しが良い。このような土地では、そもそも、敵に接近することが容易ではないのである。これがNATO軍の教官どもに、さっぱり把握されていない。

 塹壕と地雷だらけの大草原。その全てが敵の火砲の射程内。こんなところで歩兵が気の利いた機動戦など組み立てられるものではない。
 ここでは歩兵の仕事は単純化される。「敵歩兵の籠もる塹壕をいかに襲撃してやるか」を考えることだ。

 2年間で、ウクライナ軍の歩兵戦術は進化したか? ぜんぜん進化してねえ。
 前線に送られてくる補充兵は、「歩兵戦術」のカケラも教練されてねえ。

 中隊が交替で最前線に赴くとき、このド素人兵どもにてめえの命を預けなくてはならねえ。

 最前線の配置につく段取りはこうだ。
 最多のときは30人もの兵が、1両のBTRもしくはMT-LBの天蓋に跨乗して行く。

 下車点に到着。われわれは10分間をかけて、装甲車の中から需品を引っ張り出す。とにかくノロい。てれんこてれんこやる。

 そこから1名~数名のランダム・グループに分かれ、持ち場の塹壕に、ゆっくり歩いて行く。たいがいそこは潅木林帯だ。敵の塹壕は500m先で、敵の物音が聞こえてくる距離だ。しかるに、こっちは平気でLED懐中電灯を使う。

 みんな露軍の塹壕を舐めている。露軍の塹壕は「地下都市」なのだ。それは単純な塹壕ではない。交通壕のネットワークもできている。そこを攻めるには、無知ではダメだ。システマチックに敵の塹壕を掃討して行く、歩兵部隊の手順がある。その教育が必要だ。

 記者は数ヵ月、小隊内のドローン操縦士を相棒にしていた。そこから得られたインサイダーの知見は以下の如し。

 まず確かなこと。いかなる将来の戦争も、もはやドローン無しで勝つなどということは、思いもよらない。
 しかし、まず「勝つ」ことは忘れろ。何を措いても、ドローン戦場で生き残る術を確保せよ。そうでなければ、そもそもサバイバルができないのだ。

 今日の戦場では、部隊のいかなる動きも、秘匿遮蔽されていない限りは、即座に敵にみつかり、そこへドローンが突っ込んで来る。

 安物の市販ドローンの監視から逃れるには、とにかく、昼間は動かないこと。動けば見つかるが、止まっている限り、安物ドローンのISRは、気付けないので。もちろん、これは「遠目」の話だ。至近距離ではみつかる。

 SNSに上がっている無数のビデオを視ればわかるだろうが、ドローンは高度100m以下では偵察しない。また、真下も監視してはいないものである。

 遠くにドローンの気配を感じたら、動きを止めて地面に伏せろ。それで大概のドローンの凝視からは免れるのである。

 敵ドローンの俯瞰視野を少しでも邪魔する地物はすべて利用しろ。たとえば樹幹に身を寄せて立つこと。これは有効である。

 超高性能なISRを搭載したプロ用ドローンはあるが、戦場を埋め尽くすほどの数を用意できる軍隊はほとんど無い。近い将来の戦場で、そんなドローンが頭上をすっかり覆ってしまうことはない。

 記者が従軍していたとき、所属大隊は、ドローンは最前線の小隊で1個、運用していなくてはダメだという結論に達していた。最前線から運用するほど、善いという考えだ。
 その結論に即して、すべての小隊内で数名ずつのドローン係が指名されていた。

 歩兵小隊がドローンを持っていなかったらどういうことになるか? 前方に何か気になるモノが見えたときに、その確認をしてもらうためには、無線で上級部隊に頼まなくてはならない。この無駄手間を省けるのだ。
 ※敵がESMを持っている場合、無線交信をやたらにしないことは、とても大事である。

 最前線では、露軍のECMは強烈だった。こっちの無線は常時ジャミングがかけられていて、交話不可能だった。
 だから、最前線小隊が、独自のドローンを飛ばして、前面の敵情を把握することに至大の価値があるのだ。

 ※ますます確信したこと。超小型のテーザーのクォッドコプターを小隊は常用するべきだ。それは下士官の班長が持つ「他撮り棒」の上端から離昇するようにしたらいい。有線式なら無線エミッションもゼロ。よってESMに探知されないしジャミングも無効だ。

 ドローンを露軍の塹壕上空でうろつかせることは困難である。こっちのリモコン電波よりも敵のジャミング電波の方が強く、制御信号が途切れて墜落してしまうのだ。

 この電界強度の対抗がしやすいという点からも、最前線の小隊みずから、ドローンを操ることには利点が大きいのである。

 記者は推奨する。中型無人機や大型無人機も、できるだけ、最前線からリモコンした方がよい。万事、その方が有利になる。シチュエーションアウェアネスで敵を圧倒できるだろう。

 ドローンは、消耗品として扱われるのが正しい。記者の所属小隊は、おおむね、月に1機のペースで、偵察ドローンを喪失した。

 エバキュエーションの問題。
 2022秋のLymanでわれわれは50人中隊だったが、8時間連続の砲撃を受けて、20人を死傷させられた。

 最初に負傷した数人はラッキーだった。装甲車で後送してもらえたから。

 ところがそれに続く十数人は不幸だった。後送する手段がないのだ。

 これから戦争に行く中隊長は、あらかじめ CASEVACプラン=負傷者救急計画 を、特定の車両について言い含めておかないといけない。特に大事なこと。最初の負傷者を後送した軽装甲車が、患者を卸した先で、別な任務を与えられてしまうこと。それをさせるな。患者を卸したらすぐにまた元の前線までもどれ。これを徹底しないと、地獄を見るぜ。

 ※そもそも宇軍には車両のドライバーに与える「ディスパッチ」の慣習も無いという驚くべき後進性が語られているが、長いので略す。


チープな70mmロケット弾を改造したVAMPIRE防空ミサイルがシャヘド1機を撃墜したビデオ証拠が出てきた。

 やっとかよ、という感じだ。新システムの熟成にはこのぐらい時間がかかるのだね。
 つまり今から他国が類似品を開発しようとしても、ぜ~ったいにこのメーカー(L3ハリス)には追いつけない。

 次。
 TOC 記者による2024-2-14記事「Enigmatic genesis: unveiling China J-20’s surprising origins」。
    1996年から2003年のあいだに中国語で作成されたペーパーを記者は入手した。そこには「殲-20」の開発事情を理解するヒントが詰まっている。

 このペーパーには「中国の戦闘機開発についての戦略的研究」というタイトルがついている。

 書いたのは、瀋陽航空機会社の副社長にして主任設計者であった名物男。

 米ソ冷戦がおわった時点で中共空軍は米軍に30年の後れをとっていた。中共の戦闘機の75%は「ミグ19」系列だった。それは1950年代の技術であった。

 1991年から中共は、まずソ連の第四世代戦闘機の輸入を開始。スホイ27が中心だった。

 中共空軍はこれを気に入り、スホイ27の最多の輸入国となる。
 スホイ27のキャラクターは、デカい戦闘攻撃機である。「重戦闘機」といえる。そのキャラクターが「殲-20」に反映している。

 この中国語レポートでは、台湾空軍が2010年代からF-35を使いはじめるだろうという予測も立てていた。

 このリポートは、「WS-15」エンジンが2021年までに完成すると予測していた。そして「殲-20」の戦列化は2020年だろうと見ていた。
 じっさいには「WS-15」はあと四年は完成しそうもない。かたや「殲-20」は予測よりも4年早く、作戦可能にされた。

 朗報もある。当初、推力15トンを狙っていた「WS-15」は、最新の見通しでは、18トンを発生できそうだから。

 2022-3に東シナ海の上空で初めて米軍のF-35と中共の「殲-20」は互いをレーダーで見た。そのディテールは報道されていない。

 中共は小型戦闘機の「殲-10C」にまでAESAレーダーを積むようになっている。その探知技術は日々向上している。

 2024年のなかばまでに、「殲-20」は300機以上になるはずだ。そして2025年には、年産100機のペースで増強中であろう。

 次。
 今年予定の新刊『自転車で勝てた戦争があった(仮)』の前宣伝です。

 以下に8本の「Chukudu」関連動画URLをご紹介しておきます。これらはいずれも兵頭とは縁なき人たちによるアップロードで、その動画の意図については兵頭が特に承知するところはございません。ただ、全木製スクーターの機能と構造を理解する参考に、これらの動画が役立ちました。

 一、
SCOOTER | video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=IfGIyAN9vqU&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 二、
Cheapest Scooters of video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=FMt0sslSlVk&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 三、
Khas Kongo Yang Lahir dari Ide video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=le0Hw8OuR3M&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 四、
CHUKUDU : Racing Wooden Scooters video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=l2DA9eyNKWQ&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 五、
Ramah Lingkungan Yang Terlahir Dari Masyarakat Miskin Di Negara video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=iVv37SG6Vbg&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 六、
Chukudu: Congo’s home-made scooter | Africa on video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=M4E8K1mh7js&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 七、
rasenden Roller im Kongo video Thumbnail Source: ttps://www.youtube.com/watch?v=XTy2aifnvRQ&pp=ygUHY2h1a3VkdQ%3D%3D

 八、これは以前にも紹介済みです。
 ttps://twitter.com/Rainmaker1973/status/1728477272431079520

 次。
 2006-6-27記事「CARPET ―― New Mine Breaching System Based on Fuel-Air Explosive (FAE)」。
  ※古い記事です。もしこのシステムが与えられていたら2023夏の宇軍の南部攻勢は成功したという論者をみかけたので、掘り返してみました。

 イスラエルのラファエル社が開発した地雷原啓開システムは「カーペット」という。

 このシステムはすでにIDF陸軍が使っているし、来年=2007年にはフランス陸軍も採用する。

 燃料と空気をまぜて爆発させるFAE技術を応用。

 既存のAFVなら何にでも後付けで搭載可能。

 まず、最大20発のロケット弾をつるべ射ちする。この弾数は、地雷原が広くなければ、減らす。

 ロケット弾は、燃料の「雲」を発生させる。ついでそれに点火し、爆轟させる。
 これによって大概の地雷は殉爆する。地形や植生にはほとんど影響を受けない。

 ロケット弾のレンジは、最短65m先、最長165m先である。その差分は100mであるから、長さ100mの啓開済み通路を1分間のうちに用意できるわけ。

 カーペットはAFV車内からリモコンで操作できるので、オペレーターは敵火から安全である。
 全自動にして機械に任せることもできる。

 このロケット弾の長所は、コンテナ内にあるときにもし敵の銃弾が命中して中味の液体燃料が漏出しても、まったく爆発は起きず、したがって、それを運んでいるAFVや、近傍の味方歩兵には、何の損害も無いことである。というのは、ロケット弾の弾頭容積のほとんどを占めているのは爆薬ではなく、「液体燃料」だから。適正にエアロゾル化しない限り、それは爆発することはないのだ。

 このため「再装填」用の次弾を車載していても安全である。
 再装填は簡単にできる。

 ロケット弾1発は、径265ミリ、重さ46kg。これが20発おさまったラーンチャーの重さは3.5トン。

 IDFはこのシステムをすでにレバノン国境でヒズボラの市街地陣地に対して使っている。市街戦向きのシステムでもあるのだ。

 仏軍はこのシステムを戦闘工兵車両に搭載したいと考えている。

 ※雑報によるとロシアは徴兵法を改正し、現行で51歳までとしている下士官・兵の年齢上限を65歳にし、将校については70歳にする。つまり2023-6以前に動員された兵隊は半永久に除隊できなくなる。

 ※ザルジニーはなぜウクライナの民衆の間で人気があったかというと、ウクライナの大臣どもの息子が徴兵逃れをしていることを指弾していたからだという。


ある試算。MBTを電化しようと思ったら、15分で充電できないと困る。そのためには17メガワットの発電機を回さねばならぬ。その発電機は1時間に1200ガロン以上の軽油を燃やす必要があるだろう。

 速報です。
 「プッシュバイク」の実験に興味があり、新刊『自転車で勝てた戦争があった(仮)』の出版まで待ち切れないという人は、とりあえず下記のユーチューブ動画をご覧ください。ご感想・ご意見をお待ちします。

 これまで1年以上、旧軍の自転車について調べてきて、今、少しばかり把握し、且つ想像していることがあります。
 たとえば……。

 S16の辻グループ(於・台湾)は、イタリアのベルサグリエリの戦術綱要を翻訳しただけなのではないか? だから、道路佳良なマレー半島のスピード作戦には適用できたが、「自転車を輜重に使う。しかもジャングル内の泥道で」という発想は、日本陸軍のどこを探してもまるで無かったのではないか。

 いわゆる日本兵の「餓死」は、「退却時の置き去り」によって発生している。インパールでも東部ニューギニアでも、攻勢が頓挫するまでは、1人も餓死などしていない。なぜ退却時に置き去りにされるかというと、1人の「独歩不能衰弱者」「重患者」を運んでやるためには、8~9人もの健全兵が必要だったからである。

 この問題を、ウィンゲート旅団はどう解決したか? 「置き去りでいい」とした。傷病兵は村に置き去りにしろとウィンゲートが厳命していた。これは騾馬(ミュール)では傷病者は運べなかったことを意味している。さらに英文ネットをながめていると、マイナー寄稿者が、暗闇の真相に光を当ててくれている。やはり、ウィンゲート挺進隊も、衛生兵が重患者をピストルで処置して竹薮に匿すということをふつうにやっていた節がある。

 ウィンゲートの最大の功績は、宣伝である。チンディッツの第一次作戦は、《8日以上の絶食によって、二度ともとの健康体には戻れなくなった廃兵》を百人単位で量産したという点でまさにインパール作戦退却フェイズの雛形だった。その失敗部分を日本側に対して完全に隠しおおせたことで、科学的懐疑力をもたない牟田口がひっかかって同じことをやれるじゃないかととびついた。

 独歩できない衰弱患者をそもそも発生させないようにするための糧食輸送、ならびに、1人の重患者を1人の健全兵だけで後送してやることのできる、当時の日本軍にも調達可能な道具があったはずだ。それはタンデム2輪の「全木製スクーター」である。

 サイドバイサイドの2輪では、どうにもならない。ここに気付いているのは世界ひろしといえどもベトナム軍だけである。だから今のベトナム軍は、特殊輜重用の自転車を国内メーカーに納品させていながら、そのディテールを、積極公開させていない。ぼやけた写真しかネットではみつからないのだ。彼らは、次の本番でもそれがじぶんたちだけのスペシャルな強みになると理解しているのだろう。

 次。
 Defense Express の2024-2-11記事「Ukraine Got New Winged FPV Drone With Longer Range and Durability, to Spend Less HIMARS Rockets」。
    安価に大量生産をすることを主眼として開発され、すでに最前線で使われている、ウクライナ国産の固定翼自爆機のディテールがわかってきた。

 名称は「Darts」という。弾頭重量3kg強。

 製造コストは米ドル換算で、1170ドルから1330ドル。
 弾頭重量70kgのHIMARSが1発で22万3000ドルだから、HIMARSのコストはダーツの17倍だ。

 ※これは微妙じゃないか? ダーツ×17機で、50kgの弾頭重量となるので、HIMARS×1発(弾頭重量70kg)よりも総威力は低いわけだ。ただしHIMARSはラーンチャーと指揮通信で箆棒なカネがかかっている。その負担がDARTSには無い。

 ※ロイター2-12報によると、オーストリーの国営エネルギー会社OMVに、ガスプロムから天然ガスを輸入する長期契約を終らせることを、同国は検討している。エネルギー大臣が語った。ちなみに今の契約は2040まで有効。


ロシア工場の古い砲身鍛造機械はオーストリーのスタイヤー製。最新のはイタリアのダニエリ製。

 Sugam Pokharel, Matthew Chance and Mihir Melwani, CNN, and journalist Nishant Khanal 記者による2024-記事「Russia has recruited as many as 15,000 Nepalis to fight its war. Many returned traumatized. Some never came back」。
    傭兵としてロシアに雇われてウクライナ戦線で負傷し帰郷した、37歳のネパール人。
 CNNは彼にインタビューした。

 この人物、ネパール内のマオイスト派、つまり反政府ゲリラであった。
 90年代から反政府。一時期アフガンでNATO側傭兵になっていたこともある。

 マオイスト派と政府の内戦は17年前に終っているので、やることがないから、ロシアに雇われた。ネパール内では彼は就職できないのである。

 彼は昨年の9月にモスクワに飛行機で着いた。
 わずか2週間の教練を経て、バフムトの第一線に送り込まれた。武器は小銃だけ。

 そこは緑がまったく無かった。地面の雑草すらもゼロ。寸土といえども、砲弾で掘り返されていないところがないんだ。だから草木ゼロ。

 この傭兵、最前線には二度投入された。そしてトータルで1ヵ月、そこに居た。

 ある日、尻に銃弾を受けた。仲間が数百m、後送してくれたのだが、そこで今度は、クラスター爆弾にやられた。

 「あの日のことを思い出すと今でも頭が痛くなるよ」と元傭兵くん。

 彼のようなネパール国籍のロシア兵が、昨年いらい、1万5000人もいるのである。
 俸給は月2000ドル以上保証。それと同じくらいインセンティヴがあるのは、ロシア国民としてのパスポートをくれること。ネパールのパスポートは信用度が世界最低ランクなので外国への出稼ぎがままならない。北朝鮮のパスポートよりも、飛行機に乗るときに不自由なんである。その点、ロシアのパスポートはまだ、役に立つ。

 世銀統計によれば、ネパール人ひとりあたりのGDPは、1336ドル。2022年において。


BAE社は、「Malloy Aeronautics」社を買収して子会社化した。

 マロイ社は、電動の重輸送マルチコプター「T-600」を開発したメーカー。全重300kgのこのドローンは昨年のNATO海軍演習で、対潜魚雷を投下してみせている。

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 Alexey Lenkov 記者による2024-2-10記事「Russians grasp Ukrainian UAV with Pakistan-Turkey connection」。
 ロシアのベルゴロドで回収された特攻ドローンの残骸を調べたところ、機体はトルコの技術を使ってパキスタンで組み立てられており、それにウクライナで弾頭を取り付けたものであることがわかったという。

 ある人によると、エンジンは中共製の空冷水平対向2気筒エンジン「DLE170」だと。

 ※ネットで調べるとそれはパラモーター用で、アリババ通販で19万円弱で買える。2気筒水平対向空冷ガソリンという部分は同じだが、全体のレイアウトは異なって見える。

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 Ashish Dangwal 記者による2024-2-10記事「Russia Reinforces Arctic With Specializes ‘Railway Troops’; Aims For Rapid Mobilization Amidst NATO Build-Up」。
   露軍は、将来の北極圏での作戦用として、あたらしく、北海艦隊の下に、鉄道部隊を新編するという。イズヴェスティアの報道。
 すでに最初のユニットは立ち上げられていて、今後、これを拡張するのだという。

 ※必要があってガダルカナル戦の版権フリー写真を探していたら、シービーズ(米海軍の飛行場設営部隊)がガ島で軽便鉄道を敷設していたことを知った。能登半島型の災害地にもこれは使えるはずだから、自衛隊内に「鉄建連隊」を創設するべし (既存連隊の改編で可い) 。トロッコと「モノラック」(傾斜地果樹園作業用の歯車式モノレール)を組み合わせれば、たいがいの場所に物資は行き届く。トロッコの動力はオートバイでいい。


キプロス島は伝統的にロシア商人に資金洗浄の拠点を提供してきた。しかしようやく同島の「Hellenic Bank」の口座が閉鎖され始めたという。

 Defense Express の2024-2-9記事「An-2 Biplane Considered as Decoy Material With a Lancet UAV Tethered For Strike Capability」。
    ウクライナのPRANAネットワークというグループは先ごろ、ハッキングによってロシア軍の文書を大量に入手したというのだが、その文書のひとつから、複葉単発機の「アントノフ2」を使って宇軍のSAM陣地を騙し、高価なSAMを無駄射ちさせてやろうとする、その手口が分かった。

 この技法は2020にアゼルバイジャン軍がやっていたのに似ているという。

 ただし、An-2によって、ランセット無人機を曳航するという点があたらしい。

 An-2は、高度4000m以下で宇軍のSAM陣地に向かって飛ぶ。
 そのさい、ランセットを曳航するのだが、このケーブルは給電線にもなっていて、ランセットからは、それが有人の戦闘攻撃機であるかのように装う、強力な電波信号が出続けている。

 SAMはランセットをめがけて飛んで来る。ケーブルが長いおかげで、その爆発にAn-2はまきこまれないという。
 一説に、An-2も無人化されていると。

 ロシアは1400機もの古いAn-2を保管しているので、これを無人機に改造して消耗させても、惜しくないという。改造費は1機が100万ドル。どうしてもスペアパーツが入用のときは、中共で製造中なので、買えるという。

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 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2024-2-8記事「Army CH-47s Fill In For Grounded Marine MV-22s In White House Airlift Role」。
   昨年11月に日本近海で米空軍のCV-22が墜落した事故のために、米本土ではいまだに、海兵隊のMV-22Bオスプレイが飛行停止されたままである。

 米本土では、この穴を埋める手伝いとして、米陸軍のCH-47Fチヌークが大忙しだ。

 バイデンが選挙キャンペーンでNYCのハドソン川沿いの会場に往復するのに、従来であれば護衛機および随員運搬機としてMV-22が随行していたのだが、それができなくなっているから、チヌークが飛んでいるのである。

 米大統領本人とその家族、最側近を載せる「マリン・ワン」の機体は、オスプレイではない。「VH-3D」と「VH-60N」である。この2機種を「ホワイト・トップ(s)」とも呼ぶ。ちなみに近々、ホワイトトップ用の機種は「VH-92A」で更新される予定だ。

 それに対して、大統領の護衛や、他のお供の者たちを運送するのが「グリーン・サイド」で、MV-22はそっちの機種である。

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 Juan King 記者による2024-2-9記事「Australia sends sailors to Guam for US Navy nuclear submarine training」。
    豪州国防省2-4発表。原潜乗員となる訓練のためにグァム島へ37名の将兵を派遣する。
 そこには、潜水艦母艦の『USS Emory S. Land』が待っている。そこが学校になる。

 ※豪州の潜水艦乗りだった Peter Briggs 氏の意見記事(2024-2-8)によると、イギリス海軍は人手不足でこれから先、とんでもないことになるから、豪州海軍が運用するSSNは、米国のヴァジニア級に一本化するべきだという。この人の、人手不足を甘く視ていない考え方は、賢明と思う。

 ※ロシア人の男子平均寿命は64歳だが、すでに同国では70歳まで徴兵が可能になっている。

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 Seth Robson 記者による2024-2-8記事「Army watercraft company that saw action at Normandy and Vietnam reactivates in Japan」。
     米陸軍のLCUを操船する、第5輸送中隊は、1997に休眠していたが、復活した。『USAV Calaboza』と40名の陸軍クルー。※要するに船舶工兵。

 横浜ノースドックでその式典がとりおこなわれた。

 輸送中隊の前身は「機械修理廠」(Mechanical Repair Shop Unit 306)で、1917年にまで遡る。ノルマンディ海岸にも出張したし、ベトナム戦争中はメコン川に船を浮かべてそこで仕事をしていた。

 フネの力は偉大である。これ1隻で、C-17×7機分の物資を、沿岸被災地まで届けられるのだ。LCUだから、じかにビーチングすることもできるのである。バウスラスター付き。

 完全装備の歩兵なら400人を載せられる。
 航洋力があり、佐世保からフィリピンに行くくらいはなんでもない。

 中隊は280人規模で、本籍地はキャンプ座間である。
 2021年時点で中隊が運用していた船舶は、LCU×5隻、曳船×2隻、MSV×4隻。

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 Nate Raymond 記者による2024-記事「Gun makers to ask US Supreme Court to bar Mexico’s lawsuit」。
    メキシコには毎年、米国から50万梃もの銃器が密輸されているという。これでは治安は崩壊するというのでメキシコ政府は米国の8メーカー(スタームルガー、ベレッタUSA、バレット、コルト、S&W、グロック社など)を2021年に提訴し、賠償として100億ドル支払えと要求している。8社は米最高裁に対して、これをやめさせろと陳情。

 ※ぜんぜん関係ないがイギリスのBSA社自転車博物館のHPには古い新聞のコピーがたくさん公開されていて、そのひとつに、S&Wのコンシールドハンマーのスナブノーズの広告があり、時期は大正時代前後だろうが、サイクリストが転倒したときに有鶏頭のリボルバーだと尻ポケットの中で暴発してしまうことがあるが、この商品ならそんなことはありませんというPRがされていたことが分かる。

 じつは米国にはPLCAA=合法銃器売買保護法 という連邦法があって、銃器メーカーがその製品の不正な使用に関しては責任を問われることがないという保障になっている。これが申し立ての根拠だ。

 焦点は、メキシコ政府が主張するように、米メーカーが密輸商売を幇助していたかどうか。もし黙認したり便宜を図っていたなら、とうぜんPLCAAの保護対象外である。


ルーマニアの造船所はこのたび、ポルトガル海軍のために「無人機空母」を建造することになった。

 ルーマニアの造船所は、オランダやパキスタンにもフリゲートやコルヴェットを納品してきた。面白いことに、ルーマニア海軍からの受注は過去三十年間、ゼロだという。

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 ロイターの2024-2-9記事「Five facts about Oleksandr Syrskyi, Ukraine’s new army chief」。
   オレクサンドル・シルスキー上級大将は2019からウクライナ陸軍の総司令官だった。木曜日、ザルジニーのあとがまとして、全軍の総司令官に就任した。

 生まれは1965年である。

 1980年代に旧ロシア領からウクライナに引っ越した。
 ソ連軍将校としてモスクワの高級指揮学校に入り1986年卒。砲兵を5年指揮した。
 よってシルスキーの戦術は、基本的にソ連流である。

 2014年からドネツクとルハンスクでロシアの侵略者との戦闘を指揮。2019に全ウクライナ陸軍の指揮を任された。

 2022-2~3月にキーウを守りきったので4月に国家英雄勲章を貰っている。

 2022-7にハルキウ方面での反攻を計画・指揮。かなりの面積を奪い返している。

 2023前半、バフムトの防衛を指揮。相手はワグネル。ほとんど潰滅させた。そこに価値があると本人は主張した。批判者は、バフムトはすでに瓦礫の山なので守る価値は無いと腐していたが。

 シルスキーの信条。いちばん重要なのは兵隊たちの士気だと。ゆえに頻繁に最前線を訪問している。
 西側記者に答えたところでは、睡眠時間は毎日4時間半。リラックスのためにはジムへ行く。
 シルスキーは妻帯者で、息子が2人いる。

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 Tom Balmforth 記者による2024-2-9記事「Ukraine’s popular ‘Iron General’ replaced as war grinds on」。
    大統領ゼレンスキーは、戦場への、新しいアプローチを希求している。そのため古顔のザルジニー総司令官を解職した。木曜日。

 ザルジニーの考え方は、CNNに対して2月1日に本人が語っている。ザルジニーは、大軍である露軍と、小兵力の宇軍が戦うためには、ドローンを筆頭とした先端的な技術的イノベーションだけが恃みになると考えている。

 ザルジニーは、ウクライナが国家総動員体制になっていないことが不満である。もっと徴兵すべきなのに政府がそれをためらっていることが不満である。すでに動員されている将兵は、交替が来ないので疲れ切っているとザルジニーは考えている。

 ザルジニーの軍歴は1990年代にさかのぼる。つまりウクライナがソ連から分離独立した後に、ウクライナ軍に入って将校になった。

 2014年の侵略にさいしては東部国境を守った。

 2023-11にザルジニーは言った。戦況は消耗戦モードに入っており、それはロシア軍にとっておあつらえむきだと。ゼレンスキーは戦線が膠着しているという対外イメージを嫌い、ここから両者間にヒビが入った。

 2022後半、露軍は、ハルキウとヘルソンでの苦戦を経て、塹壕陣地を構築するようになった。これで宇軍の前進を止めた。

 ※まだまだ情報が少ないが、ロイターのこの2本の記事だけから判定すると、前のイギリス首相にそそのかされて南部で機動攻勢をかけようとしたのがザルジニーで、その失敗の責任をしかし自分では取ろうとせず、政府が50万人追加徴兵しないことへもっていこうとしているために、ゼレンスキーが馘を切ったのか。ただし英米とのリエゾンとしてはザルジニーは使えるから、政府は外交ポストを用意するつもりなのか。シルスキーの「砲兵主義」は正しい。ロシア人やウクライナ人にはその流儀がいちばん向いている。英米の軍事アドバイザーはまったくわかってないのである(オースティン長官もわかってない口なので、なんの指導もできなかった)。とは申せシルスキーにも野戦重砲の弾薬が地面からは湧いてこないことが分かってない。分かっていたらとっとと「迫撃砲主義」に切り替えていたはずだ。ここで政治家の「教養」が問われる。ゼレンスキーに軍事史の教養があったら、政治主導でその切り替えのイニシアチブを取れていたはずなのだ。政治家は作戦に口を出す前に補給の世話を焼かねばならない。それを自力でどうしたらいいかわからず、まったく米国におまかせにするしかない無能なのである。だから米議会が紛乱すると、たちまち兵站が窮する。交替しなければならないのは、軍事史の教養がない政治リーダー、お前だ。しかし、ウクライナには、その交替候補者が、ひとりもいないのだ。

 ※雑報によると、ロシア軍はドゥバイからスターリンクを買って、自軍内でも利用しているという。
 ※雑報によると、サウジアラビアはインド製の砲弾を輸入する。

 次。
 AFPの2024-2-8記事「US regulator declares AI-voice robocalls illegal」。
    FCC連邦通信委員会は、他人に似せたAI生成の人工音声は、「電話消費者保護法(TCPA)」違反であるとした。

 これはバイデンの偽声でニューハンプシャーの予備選投票を棄権しろと呼びかけた直近の犯罪を承けたもの。
 TCPAは、無差別にロボットが電話をかけて録音テープでCMする行為を禁じた法令。
 さいきんはシステムが巧妙で、発信者はローカルの誰かのように思わせる。

 ※雑報によると中共のSNS検閲制度はこんどは「きりん」のイメージを禁止するらしい。


ウクライナの国内でようやく「ランセット」のコピー品の量産に入った。

 雑報によるとこれまで半年、研究開発を続けてきた。レンジは40km以上に達する。それにしても、半年で本格派のロイタリングミュニションの完成かよ! 戦時体制の真骨頂だね。

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 Defense Express の2024-2-7記事「Zircon Missile Used For Strike on Kyiv: Apparently, the russian “Wunderwaffe” Was Shot Down」。
    2月7日のミサイル空襲。ロシアはこのなかに1発、「3M22 Zircon」を混ぜてきた。それはキーウを狙って発射された。

 道路脇のなにもないところに大クレーターを掘ったこのミサイル、ロシア最新のハイパーソニック弾で、1発の値段が米ドルにして2億1000万ドルのものであるという。

 このミサイルは宇軍のSAMで邀撃された結果、コースが逸れたのだともいう。

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 2024-2-7記事「Russia Strikes Kharkiv with North Korean Hwasong-11Ga (KN-23) Missiles」。
   ハルキウ市には北鮮製の「KN-23」ミサイルが撃ち込まれた。工場に命中し、それにより老人2名が負傷した。
 この弾道弾は、すでに12月30日と1月2日にも露軍によって発射されている。

 ※雑報によるとロシアのイジェフスク市(ウラル山脈に近く、ヴォルガ河に沿う)のICBM「トポルM」の製造工場「Votkin」で大爆発が起きた。この市にはカラシニコフ社もある。

 次。
 Defense Express の2024-2-7記事「Jet-Driven Shahed-238 Disassembled: Engine From Chechia, Satellite Navigation Tools From Canada」。
    ウクライナ軍は、撃墜した「シャヘド238」のジェットエンジンがチェコ製であったことをつきとめた。
 そのメーカーは「PBS Velka Bites」社という。
 18.9kgのターボジェットで、1500ニュートンを発生する。径272ミリ、長さは518ミリだ。

 PBSアエロスペース社のHPによると「PBS TJ150」のパラメータは以下の通り。発電出力は650W、外径10.71インチ、全長25.04インチ、エンジンの重さ37.7ポンド、高度2万9528フィートまで運転可、高度1万3123フィートでの再点火可、飛行最大速力0.9マッハ。

 このエンジンにより「シャヘド238」は、時速520kmで巡航できる。この速度値は宇軍の防空レーダーが探知した数字なので、信用できる。

 航法衛星の電波を受信するアンテナは、カナダの「Tallysman」社製のものが組みつけられていた。


 次。
 Defense Express の2024-2-7記事「russia Got belarusian Furnaces to Produce Engines for T-72B3 and T-90M Tanks」。
     ベラルーシの工場に発注していた「窒化炉」が、チェリャビンスクの戦車工場である「ウラルトラク」内に据え付けられた。
 この設備投資により、MBT用の「V-92S2」エンジンを増産するという。

 ※どうもよくわからないのだが、窒化炉で表面硬化するのは装甲鈑ではないのか? エンジンと関係あんの?

 ※2022-2に露軍は3417両のMBTでウクライナに侵攻し、2023なかばまでに、その60%を喪失した。ウクライナ側のMBTはもともと露軍の量の三分の一以下である。

 ※米GD社が米空挺師団のために新開発したM-10戦車は、エンジンがディーゼルで800馬力。主砲は105㎜で、台湾にやってくるシナ軍相手にはこれで十分だと言っている。ただし砲塔は紛う方無き有人砲塔。できたとたんに時代遅れなんじゃ……?

 次。
 ストラテジーペイジの2024-2-7記事。
   2023年の下半期、ロシアの石油輸出収入は144億ドルで、過去最低を記録した。

 ※雑報によると稠州商業銀行〔浙江省の?〕は従来、中共からロシアがモノを輸入するときの決済機能を果たして来たが、このほど、そのロシア国内での仕事を停止した。水曜日にロシア国内のSNSに第一報が出た。想像されること。これは米国からの経済制裁をおそれたからか。

 ※タッカー・カールソンはEU圏内のいくつかの国から入国拒否や経済制裁を喰らうおそれがあるという。テロリストたるプー之介のしもべとして活動開始したので。