Svetlana Shkolnikova 記者による2024-7-16記事「Vance credits service in Marine Corps for teaching him ‘how to live like an adult’」。
オハイオ州選出の上院議員であるJ・D・ヴァンス(39)は、まず高卒で2003年に海兵隊に志願し、7年間の軍歴がある。その間、2005年から6ヵ月間、イラクへも派遣された。
米国史上、元海兵隊員が2大政党の党大会で副大統領候補に選定されたのは、今回が初めてだ。
海兵隊での所属原隊は、彼の自伝『ヒルビリー・エレジィ』によれば、ノースカロライナ州チェリーポイントにある、第2海兵隊航空ウイング。
入隊前、彼は、連続して1マイル走った経験すらなかったそうである。
フィナンシャル系の世間知も持ち合わせず、たとえば大学の学資補助制度の申請文書はチンプンカンプンだった。
しかし、海兵隊を除隊する頃には、彼は3マイルを19分以内で走れるようになったし、自分に最も有利な学資ローンを選ぶ眼力も獲得していた。
すなわち彼は、軍隊のおかげで、社会に押しつぶされない社会人に生まれ変わったのである。
海兵隊内で彼に与えられた仕事は「広報担当」であった。
イラクでは従軍記者の真似事もやった。たとえばKC-130J空中給油機のクルーに密着取材した。
海兵隊現役最後の9ヵ月は、チェリーポイント基地のメディア担当広報係将校にしてもらえた。このポストは伝統的には、その基地の最も古参がなるものなのだが。
ここで彼は、自分が1日に20時間も仕事ができることを発見した。また、テレビカメラに向かって明瞭に説得的に語る術を会得し、基地を訪れる海兵隊の将官たちにも堂々と応接し得るまでに成長する。
除隊したのは2007年である。
初めて連続3マイル走ったときのタイムは25分。まず凡庸。
ゴール地点に立っていた教練軍曹が言った。「ゴールでゲロしないやつは、力を出し惜しんで走ってきた奴だ。」
そして、短距離のダッシュ走を何度も命じた。
ヴァンスはじっさいに嘔吐し、困憊した。
教練軍曹いわく。「毎回、走るたびに、ゴールでその状態になっているべきなんだ、お前は」
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Adam Lucente 記者による2024-7-15記事「Meet J.D. Vance, Trump’s VP pick: Hawk on Israel, critic of foreign aid」。
ヴァンスは2022の選挙で当選し、2023-1からオハイオ州選出の連邦上院議員。
上院では、銀行、小売、経済、高齢者に関係した委員会に属している。
政治家になる前は、ハイテク工業系のベンチャー・キャピタリストだった。企業弁護士でもあった。
※このキャリアと彼のインド系の奥さんはどういう関係があるのか、知りたい。
彼が全国区の有名人になったのは2016の自著公刊からである。
アパラチア山地のくそ田舎で生まれ育ったことを強調している。
ことし5月には、クインシー研究所で演説して、政府のウクライナ支援に疑問を呈した。
いわく。露軍相手に戦っているウクライナ人を尊敬するが、米政府が、いつまでも終らない戦争に資金を注ぎ続けることは米国の国益ではあるまい。
この演説でまたいわく。米国は2003年のイラク作戦で、中東にイランの手先を増やしただけだった。それと同じことを繰り返してはならない。
ことし4月に上院は、ウクライナに対する610億ドルの軍事援助を承認している。その議論のさいにヴァンスはこう発言した。2003年に一海兵隊員だった私は外交政策のプロと称した連中からまるめこまれた。彼らはイラクの体制を変更できると請合っていたが、ことごとく嘘であった。
またヴァンスの上院発言によれば、ヴァンスは米国がイラクを占領した結果として、イラク国内に古来存続していたキリスト教徒(150万人)が、今日ことごとく消滅することになり、ただ、イランによる宗教支配が広まっただけだとも認識している。
ヴァンスは他方では、イスラエルに対する米国の支援は、米国の最高の国益なのだと主張する。それはウクライナとは違うのだと。
イスラエルが開発しているレーザー高射砲の「アイアン・ビーム」は、米国のミサイル防衛にも貢献してくれるから、援助の価値があるだろうだと。
米国は世界最大のキリスト信奉国であるから、イエスが生まれ、死に、蘇った土地に無関心ではいけない。
「アメリカン・ファースト」と「プロ・イスラエル」は同じなのだというレトリック。
CNNのインタビューではヴァンスは、ハマスを非難し、イスラエル支援を強調した。
ハマスを根絶するまでイスラエルはやるべきだとヴァンスは信じている。それは過去40年の教訓なのだと。
イスラエル軍のやり方に、米国人は口を出すべきではない。
CNNのインタビューでヴァンスは示唆した。イランが拡張しようと画策している広域戦争に米国はまきこまれてはならない。また、米国の工業生産体系を再建することで、対支の抑止を新たに構築するべきである。
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RISTO HUVILA 記者による2024-7-15記事「Why is European political elite even toying with idea of recognizing a Palestinian state?」。
現在、欧州27ヵ国のうち14ヵ国が、パレスチナを国家承認している。国連193ヵ国のうちでは145ヵ国が。
パレスチナには、画定した国境線がない。ウエストバンクはファタハが支配し、ガザはハマスが牛耳っている。
国家の体を成していないパレスチナと較べて、台湾は近代国家の要件を立派に満たしている。
そこでは民主主義が行なわれ、人権が尊重されている。
しかるに台湾を国家承認しているところは世界に12ヵ国しかない。ヴァチカンとグァテマラを除くと、皆、太平洋の零細国家だ。これら零細諸国は中共に商売を依存していないので、北京から脅されても痛くも痒くもないのだ。
台湾を国家承認するべきである。
中共は、反人権国家だし、独裁政体だし、ガザのトンネル掘削をサポートしている。台湾を軍事的に脅迫し続けている。
※そう言うならまずイスラエルが台湾を国家承認しないのはどういう理由?