T-62が初めてウクライナ軍によって鹵獲された。SNSに写真が出た。

 Boyko Nikolov 記者による2022-9-12記事「Confirmed: 60-year-old ‘Syrian’ T-62 tanks are fighting in Ukraine」。
   7月24日にわれわれブルガリアメディアが推定したとおり、露軍のT-62は、タジキスタン、リビア、シリアからわざわざ引き揚げたシロモノであることが、確認された。ロシアのメディアが認めたのである。

 3年前、われわれは報道した。いま、ウラルヴァゴンザヴォド工場でT-62に増加装甲がほどこされているが、これはシリア戦線で露軍が使うための準備である、と。それが今、引き揚げられてきたのだ。

 T-62は1975まで製造が続けられ、トータルで2万2700両、量産された。

 米陸軍も「オプフォー」用にT-62を確保している。ただしエンジンはキャタピラーディーゼル社製に換装し、無線装備はすべて米式にしているが。

 T-62は「OKB-520」設計局が設計した。全重37トン。
 砲塔正面の装甲厚は214ミリ。砲塔側面は153ミリ。砲塔後面は97ミリ。砲塔天板は40ミリ。
 車体前面は102ミリ。車体上半分の側面は79ミリ。車体下半分の側面は15ミリ。車体背後面は46ミリ。底板は20ミリ。車体天板は31ミリ。

 エンジンはV-55、12気筒4サイクル水冷ディーゼルで、581馬力。

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 Defense Express の2022-9-14記事「Ukrainian Soldiers Seize Several Carriers with Capsules of Fifth Level Armor」。
   鹵獲された露軍の新装備のサンプル。またひとつ。
 「KamAZ-5350-379」という6×6の汎用トラックの荷台に、そのまま載せることができる、薄い装甲の「モジュール・カプセル」だ。「MM-501」という。トラックが安価なAPCに早変わりする。

 全周、それも近距離から7.62ミリのライフル弾で射たれても貫通しない。カプセル内には14名分の腰掛けがある。すなわち1個分隊だ。

 モジュールの前端(すなわち運転台キャビンと荷台の隙間部分)にはエアコンがついているので、密閉状態で気温50度の熱地でもOK。ただし電源は外部(トラックの発電機)から供給されねばならぬ。とうぜん暖房もあり。

 四角い窓も8個ついていて、そこから外は見える。防弾ガラスが嵌っている。サイドに6、背面に2。

 出入り口は背面の観音開きドアである。天井にも丸いハッチが2つある感じ。

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 『The Odessa Journal』の2022-9-14記事「Georgia proposes to hold a referendum and ask if Georgians want war with Russia」。
   ジョージア政府は、国民投票を検討中。このさいロシアと開戦すべきかどうか?
 アブハジアと南オセチアを取り返したいのは山々なのだが……。

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 Dan Vergano の2022-9-13 記事「Ukraine’s Zaporizhzhia nuclear plant is at a crisis point. Here are four ways it could go.」。
    ザポリッジア原発は9-11を以て全基がシャットダウンしているが、炉心が高熱でなくなるまでには10月半ばまでかかるから、それまでは冷却水を回し続ける必要がある。

 ザ原発には4系統の外部電源があった。1系統は、近傍の石炭火発とつながっていた。この火発はすでに石炭が尽きているという。

 4系統すべてが、砲撃や火災によって切断されている状態である。

 ザ原発の6基のリアクターのうち4基は冷え切っているので安全。5号炉はクールダウンの過程があるていど進行しているが、ひきつづき数週間は冷やす必要あり。

 そして最後の第6号炉はシャットダウンしたばかり。

 ザ原発内には20基のバックアップ用ディーゼル発電機がある。いまやこれが恃み。
 ただしディーゼル燃料は5日~10日分しかない。ディーゼル燃料を継ぎ足さないとまずいことになる。

 ザ原発の燃料棒は、2014クリミア侵略より前は、ロシア製を使っていた。2014以降は、西側製である。

 シャットダウンのためには、連日、100トンのディーゼル燃料を継ぎ足す必要があるという。アイランドモード=外部電源途絶モード のときには。
 崩壊熱がしずまるまでは冷却水循環を止められないのだ。

 ディーゼル燃料切れなどで、冷却持続に失敗すれば、圧力隔壁内で、燃料棒のジルコニウム被覆が剥がれてしまい、放射性のガスが発生する。しかしそれは隔壁内に閉じ込められる。

 1979スリーマイル事故のときは冷却水がなくなってしまい、発生した放射性ガスが、冷却水循環系統を通って、汚水タンクから外まで出てきた。〔スリーマイル島原発は加圧水型軽水炉である。設計はバブコック&ウィルコックス。〕

 1991年に、スロヴェニアのクルスコ原発が、ユーゴスラヴィア軍から攻撃されそうになったことあり。
 同原発から数マイルのところで70名が戦死する戦闘があった。
 シャットダウンが検討されたが、けっきょく無事に済んだ。

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 Lauren Puckett-Pope 記者による『Elle』の記事。
   先の女王の喪中、現役の王族は軍服を着用せよ、との、新王の命令である。
 ハリー王子はかつて10年間英陸軍の将校だった。しかしこんどの大葬中、軍服着用は許されない。

 ハリー王子は2020にカリフォルニアに移住したときを以て、現役の王族とはみなされなくなった。よってもはや英国公式行事に、名誉ある軍服着用による出席をすることは、認められない。

 アンドリュー王子は、性犯罪告発があって、軍籍を褫奪されている。しかし軍服着用での葬儀参列が認められている。


さっそくアゼルのTB2が、アルメニア軍の牽引野砲陣地に投弾する動画が出た。アルメニアはあいかわらず上空遮蔽バラクーダを使ってない。学習能力無しですかい。

 Defense Express の2022-9-12記事「Valuable Trophy for Ukrainian Military: russian ‘Orlan’ Complex With Documentation」。
    ウクライナの特殊部隊の第8連隊は、「オルラン-10」の地上管制局の設備一式(送受信アンテナを含む)と、テクニカル・マニュアル全冊を戦場で鹵獲した。これを解析することによって、まもなくして、「オルラン-10」に確実にECMをかけてやる方法が分かる。既存の「オルラン-10」はすべて、役に立たなくしてやれるはず。

 また露軍の地上操縦者は、「オルラン-10」の操縦電波を探知されてそこにHIMARSが降ってくることも覚悟しなければならないだろう。

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 Tani Goldstein 記者による2022-9-12記事「Israeli defense firm selling anti-drone systems to Ukraine by way of Poland」。
   月曜日のイスラエル新聞の報道。
 ポーランドを仲介にして、イスラエル製の「対ドローン・システム」をウクライナに供給することになった。イスラエル政府はそれを黙認する。

 現在、ガザ地区やレバノン国境、シリア国境で、複数の対ドローン装備が実用されている。

 2月の開戦前、米政府がイスラエルに、「アイアンドームをウクライナに売ってやれ」と言ったが、イスラエルは断った。

 ※ナゴルノカラバフではまたドンパチが始まったようだ。2020年にイスラエル製の「ハロプ」が「S-300」に次々に突入するビデオが、アルメニア人によって動画撮影されていて、それはSNS上で確認できる。WWII中の急降下爆撃機は、降下のときにはエンジンスロットルを最小に絞ったものだが、無人自爆機の場合は、舵がしっかりしているからなのか超過速度など気にせぬようで、動力降下につれてプロペラ回転数も自然に上がり、宛然、「シュトゥーカ」の風車ノイズメーカーのようにやかましく、突入の瞬間があたりに響き渡る。したがってやられる側では脅威の接近が明瞭に察知されており、ひたすら機関銃で上を射撃する。だが夜間はお手上げだね。

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 ストラテジーペイジの2022-9-13記事。
   「ヴァンパイア」から発射される70ミリ誘導ロケット弾は、重さが15kgで、射程は1000mである。
 誘導はレーザーを使ったセミアクティヴ式。

 イスラエルのAUD=アンチ無人機防禦 兵器の売り物としては、1セット340万ドルの「ドローン・ドーム」がある。
 これは「ヴァンパイア」より広範囲をレーダーで捜索する。しかもまた、敵ドローンが送受信している電波を探知するESMも付属している。それにより、最悪でも距離3500mにおいて、敵の小型UAVを探知できる。

 たいがいのクォッドコプターなら10km先から発見できる。
 ドローンドームの攻撃手段は電波である。妨害電波の集中によって、ドローンを墜とす。

 またオプションとしてレーザー銃もつけられる。2000mから焼き切れる。
 しかしこのオプションを買った客は、いまのところ、ゼロ。

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 火力発電所「Kharkiv TEC-5」についての英文ウィキ解説。
  運開したのが1980年。

 主燃料は天然ガス。副次的に重油も燃やす。
 公称総出力 540メガワット。ボイラー&タービンは、3セットらしい。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-11記事「US Excalibur shells give Ukraine a huge advantage ? Russian expert」。
    米国はウクライナに「エクスカリバー」弾薬を最低1000発は与えている。
 それも、最新のバージョンだという。これは飛翔速度が大。

 エクスカリバーは照準点から2mしか外れない。
 52口径長の加農から撃てば50km飛ぶ。39口径長の加農から撃てば、40km飛ぶ。

 メーカーのレイセオンによると、いずれはレーザー・セミアクティヴ誘導もできるようにする。

 フランスの「カエサル」から発射した場合は46km飛ぶ。

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 Defense Express の2022-9-13記事「Iranian Shahed-136 Kamikaze Drones Already Used By russia (First Photos And Specs)」。
    露軍がイラン製の「シャヘド-136」無人自爆機をウクライナ戦線で使っていることが、残骸写真ではっきりした。ロシア軍は「M412 ゲラン-2」という固有名を与えている。
 M412 はシリアル番号かもしれない。

 搭載エンジンの「MD550」は、アリババ通販で買えるものである。
 カタログによれば、50馬力、水平対向4気筒、2サイクル。燃料は航空用ガソリン。

 弾頭重量は未知だが、ふつう、固定翼自爆機の場合、全重の25%以下が相場だ。シャヘド136の全重は、200kgである。

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 Theresa Hitchens 記者による2022-9-12記事「Army ponders satellite partners for ‘Lonestar’ GPS interference warning system」。
   米陸軍の実験キューブサット「ガンスモーク-L」は、地上の味方部隊に、GPS攪乱信号が出ているぞ、と警報してやる衛星である。その搭載センサーは「ローンスター」という。

 7月に打ち上げられた。

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 Jane Hu 記者による2022-9-12記事「When Hollywood Met China」。
    エーリッヒ・シウォルツェル著『レッド・カーペット――ハリウッド、支那、そして文化優越をめぐる世界闘争』は、中共が米国映画界をいかにコントロールしているかをあばいた新刊である。

 第一章では、1986の『トップ・ガン』と、2019公開予定であった『マヴェリック』の違いについて、徹底調査している。

 マーティン・スコセッシが1997の『Kundun』をモロッコで撮影しはじめて2日後、ディズニーの事務所に中共からの苦情電話が殺到しはじめた。映画のテーマがダライ・ラマだったからだ。

 スコセッシが内容について譲らなかったので、ディズニーは徹底的に、その宣伝をしないで米国内だけでひっそりと小規模上映させておしまいにする、という手を打った。

 それでも中共は1997-11-1にディズニーに対して制裁を仕掛けた。そこで社の幹部連が「土下座行脚」をして北京にゆるしを乞い、その結果製作されたのがアニメの『ムーラン』なのである。これは1999に中共での上映が許可された。

 なにしろ当時すでに、中共から上がるハリウッドの映画チケット収益が、とっくに、全米の映画収益を、上回っていたのであった。

 ちなみに1999にはユーゴスラビアの中共大使館を「B-2」が意図的に「誤爆」する事件が起き、それに対して中共は、すべての米国映画を6ヵ月間上映禁止にするという報復をしている。

 ルパート・マードックが香港資本の『Satar TV』を買収した直後に、電気通信は全体主義の明白な脅威に対抗する、と演説したものだから、中共はすかさず、個人が衛星受信パラボラを設置することを「違法」化してしまった。マードックは中共に対して謝罪する羽目におちいり、にもかかわらず、けっきょく香港や支那大陸でのビジネス展開を諦めることに……。

 2004年のコメディ『In Good Company』を覚えている人はいますか? 主演は Topher Grace 。これを中共検閲官は輸入禁止にした。理由は、米国新興企業内の出世競争の描かれ方が、古臭い中国共産党の内部権力競争に対する批判のように見られるから。対比の連想が、不快だったらしい。

 『トップ・ガン:マヴェリック』は、トム・クルーズのフライトジャケットの背中に日本と台湾の国旗マークを復活させ、とうぜんながら中共では上映されていないにもかかわらず、記録的な興行収益を上げている。

 つまりハリウッドは堂々と方向転換したのだ。事前自己検閲と叩頭政策の時代が、終ろうとしている。


攻撃された火力発電所は石炭火発だった。ミサイルは11発発射され、うち9発は迎撃された。命中弾1発のために炎上、ブラックアウト。

 Sean Spoonts 記者による2022-9-11記事「SITREP: Ukraine Captured A Lt Colonel For Sure, Fight by Night and Pro-Russian Mil Bloggers」。
    ウクライナ軍の反撃前進により、バラクリヤ市の近くで露軍「上級大将」のアンドレイ・シチェヴォイが捕虜になったという動画付きの速報。

 しかしその映像では軍服に「中佐」の階級章がついている。そしてそのビデオの人物の人相は、露軍の西部軍区の司令官である、アレクサンデル・ズラヴリョフ上級大将その人ではないかと。

 捕虜になったときに着ていた制服は「ロスグヴァルディア」部隊の夏服である。この組織はプーチンの私設ボディガードで、陸軍やFSBがプーチンを排除/逮捕しようとしたら、それに抵抗するのが仕事だ。

 いぶかしいのは、なぜ中佐の軍服など着ていたのか? 歩哨線を難なく通過したいと思ったら、「ドンバスで下士官・兵として強制徴募された住民のオッサン」風を装った方が、成功率は高いだろうに……。

 シチェヴォイは、2022-6に更迭され、その後釜の司令官がズラヴリョフ中将だと言われている。とっくに司令官ではなくなっているにもかかわらず、彼は、もとの戦場で何をしていたのか?

 さらに不可思議なこと。ロシアの「上級大将」は、米陸軍の三ツ星中将と同格だ。彼が率いる司令部は、参謀長以下100名規模のスタッフがあるはず。そいつらはどこへ消えた?

 司令官が捕虜になったなら、同時にスタッフの一部も捕虜になっていておかしくない。ところが、ウクライナ側ではそもそも敵の方面軍司令部の所在を把握できないらしい。いったいどんな混乱なんだ?

 さらなる謎。シチェヴォイは禿頭ではない。もとの写真はフサフサなのである。しかるに、捕虜になったときは無帽でスキンヘッド。これはいったいどういうことなんだ?

 いずれにしても、「上級大将」の捕獲はWWIIいらい初。

 ところでT-72の車内スペースは狭く、「フィアット500クーペ」以下である。
 米軍は、この車内に乗員3名が閉じ込められた場合、何日間、耐えられるかという実験をしたことがある。メシもクソも睡眠も全部、その車内で完結させる。結果、3日が限界だとわかった。4日目からは、車外で横になって寝ないと、もうとても戦闘など続けられたものではない。

 比較して、M1エイブラムズの場合は、4人の乗員は、その車内だけで5日間、耐えることができた。

 独ソ戦のときにソ連軍が使った戦術。何マイルも退却して、ドイツ軍が勢いのままそれを追撃して後方連絡線が細くなったところで、横あいからその連絡線を挟撃し、先頭の独軍部隊を包囲してしまう。
 ウクライナのような大平原では、こんな手口が有効なので、注意が必要だ。

 SNSのテレグラムで「WarGonzo」の仮名でプロロシアの宣伝ビデオをUpし続けている民間人、セミョン・ペゴフ。ユーチューブでは35万人の登録視聴者がいる。マリウポリにNATOが建設した生物兵器研究所がある、という偽宣伝を5月に打ったのもこやつの業績だ。ロシア政府はこやつを幾度も表彰している。アルメニア機関を経由してカネも支払われている。

ところがこんどの東部反攻で自家用車を捨てて徒歩で逃げ出さねばならなくなったペゴフは、心境の変化があったようだ。

 なおウクライナ軍はこやつをジャーナリストとは認めておらず(銃を携行している)、戦地でもし逮捕したらスパイ工作員として銃殺する可能性がある。

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 Stefan Korshak 記者による記事「Russian Troops Desperately Seeking For Ways to Surrender ? Ukrainian Official」。
   ハルキウ戦区では、露兵がしきりに「投降」したがっている、とウクライナ軍の南部戦区コマンドのスポークスマン氏は語った。

 ウクライナ軍は「投降ホットライン」を開設している。露兵は個人でそこに電話をかければ、どこでどのように投降が受け付けられるか、知ることができる。

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 Elena Becatoros and HANNA ARHIROVA 記者による2022-9-12記事「Ukraine claims to have reached Russian border as counteroffensive maintains momentum」。
   東部戦線のいくつかの地点では、ウクライナ軍は、もともとのロシア国境に到達したと報告されている模様。

 日曜日の火力発電所に対する露軍のロケット弾攻撃でブラックアウトが生じていたが、電力および上水の供給は8割方、回復したという。

 ゼレンスキーは吠えた。ロシア人よ、まだわからないのか? 寒さ、食糧不足、暗闇、断水などをわれわれは恐れない。それは、おまえたちロシア人との「友好」に比べたなら、取るに足らぬ恐怖なのだから。
 さらにいわく。われわれウクライナ人は、やがて、ガスも電気も水も食糧も確保する。そして、おまえらロシア人抜きで、すべてやって行くであろう。

 どうやら現地の露軍部隊は命令を受けているらしい。オスキル川以西の土地からは、撤収しろ、と。つまりハルキウ地区からの総退却である。

 ハルキウ火力発電所は、西郊にある。対地ミサイル攻撃により、すくなくも1人が死亡した。

 ザポリッジア原発は、放射能災害を予防すべく、発電はすべて停止された。

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 2022-9-12記事「Why do Russians need as many as ten MiG-31 aircraft to launch one Kinzhal missile?」。
   ウクライナ空軍の人が語ってくれた。キンジャル空対地ミサイルの実態を。

 2-24の開戦いらい、キンジャルが何発発射されたかについては、分析者の間でばらつきがある。最小の数値は「3発」。最多だと「15発」である。

 ウクライナ空軍のスポークスマンであるユーリー・イグナト大佐いわく。数が少ないのには理由があると。

 キンジャルミサイルの落下速度は大きいため、途中での迎撃は考えられない。
 ただし爆発威力そのものは、地対地ミサイルのイスカンデルを越えるものではない。

 キンジャルは空中発射式。露軍は、それがどの飛行機からどのタイミングでリリースされるかを予察されたくないので、いちどに多数(12機以上)のミグ31を飛ばし、そのうち1機から不意にキンジャルを放つ、というテクニックを使っている。そうすることで、未然の迎撃をありえなくするのだ。

 1発の空対地ミサイルを使うたびに11機のデコイ戦闘機が在空し続ける必要があるのだから、コストパフォーマンスは、悪い。

 キンジャルは、リリースされると、いったん高度50kmまで上昇し、そこから超音速で落下する。

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 Alex Hollings 記者による2022-9-9記事「The M777 is deadly in Ukrainian hands, but even deadlier in America’s」。
    1979年に米軍は、M198という牽引十五榴を採用した。長さ36フィート、重さ1万6000ポンド。射程14マイル。砲側員は9名以上必要。

 湾岸戦争後、米軍は、もっと十五榴を軽くして地球の裏側まで空輸しやすくしないとダメだと感じ、新型を模索しはじめる。

 これに応えてくれそうだったのがBAEだった。BAEは、昔「ヴィッカーズ」社と呼ばれた英国の大砲屋だ。

 できたのがM777である。全長35フィート。砲身は16.7フィート。発射するタマはM198と同じ。しかし砲架にチタン合金、アルミ合金をふんだんに用いることでM198よりも4割も軽くした。全重は9300ポンドである。

 それまでは、C-130輸送機を2機飛ばさないと、1門のM198チームを空輸できなかった。しかしM777ならば、たった1機のC-130によって、1門の十五榴に必要なチームを全部一括して運ぶことができるのだ。

 砲側員は、射撃しおえたM777を、3分間で、牽引姿勢に人力で畳むことができる。これも部材が軽量であるおかげだ。
 陣地進入直後、牽引姿勢から射撃姿勢に直すにも、人力で、3分間でできる。

 軽量な大砲は、トラックで泥道を引っ張っているときにスタックしてしまうこともない。

 発射するタマ「M795」は、自重103ポンド。そしてその中には24ポンド〔=10.8kg〕のTNTが入っている。破片は半径70m内で致死的だ。

 M777の砲側員は5名。最大射距離は19マイル。
 「M982エクスカリバー」だと射程は25マイル。しかもGPS誘導。

 砲腔内にはぜんぶクロームメッキがされているので、砲身寿命は3倍に延びている。

 耐久性は実戦で証明されている。2017年に米海兵隊の1門のM777が、5ヵ月以上にわたって、シリアのISに対して3万5000発以上も発射しているのだ。もちろん途中で2度、砲身は新品と取り換えたが。

 2003年のイラク占領作戦のときに米軍が全体で発射したタマ数よりも、それは、多い。驚異的である。

 2016年には、精密誘導信管キットというものができあがり、これを砲弾にとりつけると、それまで照準点から200mくらい逸れていた弾着のばらつきが、30mに収斂するようになった。タマ1発の致死半径が70mだから、これは「直撃」に近い。

 とくべつにピンポイントで砲撃をしたい場合は、挺進観測員を派出する。この将校はJETS(統合効力照準システム)というターゲティングデバイスを抱えて、砲撃すべき目標から2.5kmまで肉薄潜入。そこで「前方観測&統合ターミナル攻撃統制」に任ずる。

 このJETSとコンビを組むと、M777は、「巨大な狙撃ライフル」のように機能するという。

 ※豆ちしき。WWII中の25ポンド砲は、今日の60ミリ迫撃砲ぐらいの物理的殺傷力しかなかった。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-11記事「Russia ‘will spit out’ tanks continuously ? introduced overtime」。
   ウラルヴァゴンザヴォドの戦車製造ライン、総残業体制に。

 残業手当は率として本給の倍。また、本給部分も35%ベースアップすると工場長は明言。

 新戦車の製造ではなく、損傷AFVの修理が、国防大臣から命じられている。
 モスクワ郊外のラメンスキー工場、ロストフのカメンスクシャクティンスキー工場も同様。

 T-14は無論のこと、T-90も、ウラルヴァゴンザヴォドではもはや製造する余裕などない。

 T-80BVM、T-72B3Mや装甲車類の新造も止めてしまったのかについては情報は無い。

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 Defense Express の2022-9-12記事「S-300 Supply Obstacles, BMP-1 Negotiations Ongoing」。
    ギリシャは、所有するBMP-1をウクライナ軍に寄贈するかわりに、ドイツから「マルダー」を貰えるかもしれない。三者相談が進んでいる。
 ギリシャは「S-300」も持っているが、これをウクライナに提供することはなさそうだ。

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 Julian Spencer-Churchill & Liu Zongzo 記者による2022-9-12記事「Taiwan Anticipated Many of the Lessons of the War in Ukraine」。
   台湾国軍は2018年の「漢光34」演習で、初めて市販のドローンを使い、また、公共ショートメッセージによる住民への注意警報手順も導入した。

 2019演習では、中共軍が飛行場に地対地ミサイルを雨注してくることを想定。高速道路を飛行場の代用にする研究をいちだんと進めた。
 また民間住民の避難誘導も実験した。

 2020の「漢光36」演習では、重要インフラのミサイル防衛を三軍合同課題にした。じつは台湾のMDは、韓国や日本よりも高密度なのである。台湾よりも濃密なMDをもっているのはイスラエルだけだ。
 またこの演習では、海峡の向こうを打撃できる「雄風二型」、超音速対艦ミサイルである「雄風三型」も海空合同で用いた。

 「漢光38」演習は2022-7-25にスタートした。ポストパンデミックの最初の大演習だ。複数の海岸都市から「D-485 HE」砲弾の実弾を海に向かって発射した。敵上陸部隊を水上で破摧するため。

 もっとも新しい共通認識は、台湾軍の情報&指揮通信機能を、開戦劈頭の敵のミサイル奇襲によって破壊されてしまうのが最も痛いから、そうさせないように、司令部機能、電気通信設備、ならびにその関連インフラのことごとくを平時から「地下化」しておかないとダメだということ。この課題はすでに共有されており、これから作業が進む。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-9-12記事。
    CV-22Bは2017にも一時飛行停止になったことがあるが、これはHCEが問題だった。ハード・クラッチ・結合。すなわちローター軸を垂直にしたり水平にしたり変更するメカ。

 ことし、海兵隊のV-22が2機、おちている。1機は事情が分かっているが、砂漠で訓練中に墜落したもう1機については、まだ何の情報も公表されていない。


ウクライナの間接砲撃ソフトを使うと、口径100ミリの「MT-12」対戦車加農によっても、ボカージュ内のT-72を仕留めることができる。

 Isobel Koshiw, Lorenzo Tondo and Artem Mazhulin 記者による2022-9-10記事「Ukraine’s southern offensive ‘was designed to trick Russia’」。
    ウクライナの特殊部隊の旅団附公報将校が語った。まず「南部で攻勢をかける」というディスインフォメーションを流し、それを信じて露軍が兵力を南転させたところで、北東部に真の攻勢をかけ、うまく行っている、と。

 8-29にウクライナの南部戦区司令官が、いよいよヘルソン方面での攻勢を開始するぞとアナウンスした。

 ついで、南部戦区の司令部ではスポークスマンが、一時的な取材協力拒否を宣言し、ジャーナリストたちがヘルソン戦線に近づくことを禁じた。

 こうした芝居は半年以上前から周到に書かれていたシナリオだった。

 露軍が有力装備をヘルソン州に輸送するあいだ、ウクライナ軍は西側供与の有力装備をすべて東部に集中していた。

 露軍は正規軍部隊でハルキウの南東を守備している。そこは傭兵や地元徴兵には任せていない。

 ウクライナ政府の軍事専門家氏いわく、露軍の退却行動がへたくそなので驚いた。退却は1kmとか2kmとか、ちびちびとやるべきで、しかも敵が前進すればかならず損害を与えられるように工夫しながらするのが作戦参謀の智能の見せ所である。露軍にはそれがない。一挙に50kmも退却してしまうとは。

 次。
 Defense Express の2022-9-11記事「Kadyrov Issued an Ultimatum to the Kremlin: Change the “Operation Strategy” Otherwise He Will “Clarify”」。
   カディロフがクレムリンに最後通牒をつきつけた。ショイグを馘にし、戦争のやり方を変えろ。さもなくば最前線で起きていることをじぶんが説明する、と。

 テレグラムというSNSに11分間のビデオメッセージを投稿し、国防相を名指し非難している。
 今日・明日じゅうに作戦を変えろ。それをしないならカディロフがクレムリンに乗り込み、最前線で起きている事態を政府首脳に説明する、と。

 ※ようするに「俺に全作戦の指揮を執らせろ。見ちゃおれんから。くだらぬ“再編成”はただちに止めろ。ショイグがプーチンに“仕事してます”とPRしているだけで、そのあげくに敗勢が止められんことはもうハッキリしているのだから」と言いたいわけだ。カディロフは、ポスト・プーチンの目が自分にあるとも確信しはじめたのだろう。それで急に、静養するとかなんとかぬかしていたのか。

 カディロフは、最前線の部隊指揮官たちからちょくせつに情報を得ていることを強調している。つまりじぶんはプロ将校団の意見を代表していると。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-9-11記事。
   空挺隊員パヴェル・フィラティエヴァは2-24から4月までウクライナ戦線に従軍し、片目が病気になって入院し、そこで141ページの本を書いた。タイトルは『ZOV』という(直訳すると a call になる由)。
 ちなみにロシアでは、たとえ本当のことでも、今次戦争について政府発表以外の「報道」をした者は誰でも刑務所へ送り込むという法律ができている。

 この隊員、5月に退院するや、すぐに原隊に戻りなさいと言われた。彼は志願兵であった。しかし彼は除隊を希望した。彼の部隊長は許可しなかった。

 しかも入院の記録を部隊がなくしてしまい、合法的除隊が難しくなった。

 腹を立てた彼は、自著を書き、それを8-1にロシア版のフェイスブックのようなSNSで発表した。
 彼の見るところ露軍はすでに負けているのである。

 モスクワ政府はこの空挺隊員を事実報道の罪で懲役15年にする意向を示した。国外に協力者があらわれ、彼は8月中旬、フランスで亡命を申請した。

 『ZOV』は内外で反響を呼んでいる。著者は内容を増補しつつある。また複数の外国語版訳が、編集されつつある。いずれ出版されるであろう。

 フィラティエヴァは2007年に徴兵され、入営後に「契約兵」(=志願兵)となり、2010年まで勤務し、任期満了除隊した。

 2021-8、彼は再入隊。ただちにクリミアに送られた。階級は軍曹。所属は第56空挺襲撃旅団。まさか大戦争が起きるとは思っていなかった。

 同部隊は、2022-2-24の開戦の1週間前に、実戦の準備をするように指示され、ヘルソン州の港湾〔巨大河川に面している都市という意味。ウクライナ東部の大都市はすべてこのタイプ〕を占領する作戦に投じられた。

 この出陣準備がまるで非組織的でしっちゃかめっちゃかだったという。
 将校たちは、じぶんの部隊が何をするのか、まるで知らされてはいなかったという。ただ、ウクライナ領土を奪うのだということだけが、伝えられていたという。

 ※ということは米英諜報組織は開戦の1週間前にはキエフ北郊空港の防備を万全にするようにゼレンスキーに助言できたわけだ。末端兵が知った開戦準備の話を、米英諜報機関が承知してないわけがない。

 開戦冒頭から、露軍は通信と補給に難点があることがハッキリしたという。

 著者の部隊はヘルソン市を難なく占領できた。そこではレジスタンスは見られなかった。ヘルソン市には1日いただけで、すぐに部隊はもうひとつの臨河都市であるミコライウの占領に向った。こんどは部隊は激しい抵抗に遭った。

 この作戦中に著者は眼病に罹ってクリミアの駐屯地まで後送されたのである。

 クリミアの病院にて著者は、他の負傷兵たちから、他の旅団ではもっと酷いことになっていた実態を聞かされた。

 彼はそれをメモに書きとめた。それが書籍の中核を成している。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-11記事「British parachute unit tested quadruped robotic dog’s potential」。
    英陸軍第23降下連隊は、「ロボット犬」を兵隊と一緒に降下させる戦術を考えている。
 メーカーは「ゴースト・ロボティクス社」で、製品名は「V60型四本足」という。

 このメーカーは2015年から複数のタイプのロボット犬を製造してきた。すべて、悪天候の中で行動できるように設計されている。

 ※雑報によるとバイカル社のウクライナ工場は、従業員300人規模になる。

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 2022-9-11記事「Bulgaria will Export Electricity in exchange for Natural Gas from Azerbaijan」。
   ブルガリアの経済工業大臣がバクーを訪れ、とりきめた。ブルガリアからアゼルバイジャンに余剰電力を売る。それによって、アゼルバイジャンは、自国内の天然ガス発電所の運転を抑制することができ、余ったガスをブルガリアへ売ることが可能になる。
 ブルガリアは、暖房用のガスが得られるので、助かる。

 パイプラインは10月1日につながる。

 ※大敗走の最中にある露軍は、くやしまぎれに、ハルキウ郊外の火力発電所を攻撃し、送電をストップさせた。ブラックアウトによって、ハルキウでは上水も止まっているという。

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 Defense Express の2022-9-11記事「Ukrainian SOF fighters in the Kharkiv Region Won an Interesting Trophy」。
   ウクライナ特殊部隊はハルキウ東郊にて、ロシアの最新式スマート対戦車地雷の未使用品を鹵獲した。
 これは「PTKM-1R」といい、戦車が50m以内に接近すると振動センサーが働いて本体が地面から空中にとびあがり、その戦車をトップアタックするというロボット兵器である。

 この地雷が実戦場に持ち出されていることは、こんかい、初めて判明した。

 この地雷が世界に初めて知られたのは2021-11のエジプトでの兵器見本市である。
 これに先行するモデルは米国の「M93 ホーネット」広域適用弾薬 である。そのコンセプトのパクリだ。

 全重は 15.9 kg。充填炸薬量は945グラム。HEATのライナーは「銅・タンタル」合金。

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 2022-9-11記事「Ukraine’s Intelligence Says russian Pilots Who Bombarded Ukraine Are Planning to Escape to South America Acting Like Nazis to Avoid International Justice」。
   ウクライナの都市空爆を実行したロシア空軍のパイロットたちは、敗戦後に国際戦犯裁判にかけられる危険について話し合っており、機会を見て、中南米へ逃亡して身を隠すという選択肢が真剣に検討されている。

 これはウクライナ国防省の情報部が把握した内情だ。


米軍は早くも「戦後」のウクライナ軍の拡張強化方針につき、プランニングを始めている。

 もちろんA-10の出る幕は無い。「A-10を活かせ」と言っている連中は、蒸気船時代に帆船を海戦に活用しろと海軍に迫っているようなもの。どこの国でも最も稀少な「人材」(パイロット、整備員、メーカー技師)を、最先端世代の万能装備に集中させないで、どうやってこの人手不足時代に、強力な敵国とわたりあって行けるのか。

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 Defense Express の2022-9-10記事「Russians Apply ERA Modules For BMP-2 IFVs, Why It Is Hazardous for the Crew」。
  BTR-82Aとか、BMP-2は、側面装甲が薄すぎるため、そこに「コンタクト-1」ERAを貼り付けておくと、そのERAの爆発によって車体に亀裂が入り、却って内部乗員が死傷してしまうということが、前日のクピヤンスク付近での戦闘で判った。その破壊力は、RPGが命中した威力に匹敵するという。

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 Huw Williams 記者による2022-9-8記事「ADEX 2022: Turkey’s Titra develops loitering munition」。
   トルコの「ティトラ」社は、手投げ式のロイタリングミュニションを完成しつつあり。今年末までには量産化させたい。

 とにかく低価格を狙う。
 弾頭重量は2.5kgである。飛行テストは10月に予定。

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 2022-9-7記事「European gauge in Estonia: a long, expensive, and complicated project」。
   エストニア国内の旧ソ連規格のレール幅(1520ミリ)を、EU規格(1435ミリ)に改軌するためには、87億ユーロもかかるという試算が出た。

 ちなみに、スペイン鉄道の軌条幅は1668ミリもあり、ロシアより幅広である。
 これでは物流面でEUは統合できていることにならないのである。

 フィンランドも1524ミリという微妙にロシア鉄道より広い規格なので、早く1435ミリに直しなさいよと勧告を受けているのだが、予算がなく、とても無理だとため息をついているという。

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 Paul Szoldra 記者による記事「What Ukraine drone videos tell us about the future of war」。
   2016年に海兵隊の一大尉がエッセイを海軍協会雑誌に寄稿していわく。敵の自爆ドローンが、タクシング中のF-35Bのエアインテイクの中に飛び込んだら、それだけで2億5100万ドルの兵器は無力化されてしまう、と。

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 Associated Press の2022-9-9記事「Mexico’s Senate votes to hand over National Guard to army」。
   メキシコにも「州兵」があるのだが、米国とは違って、連邦政府の統括。これまでは、国防省とは別の、「公共安全省」の指揮下ということになっていた。しかし実態は、メキシコ州兵11万人の将兵の8割が、メキシコ国軍からの一時的出向の人材なのだ。腐敗して機能していない警察の代用品として町を巡回させたりしているのだが、麻薬犯罪の取り締まりにはまるで役立っていない。このたび、新法ができて、州兵は国防軍に一体化されることになった。

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 Kamil Galeev 記者による2022-9-8記事。
    ロシアのICBMを製造している、ロスコスモス傘下の2つの子会社。
 JSC MITTは、固体燃料。
 JSC Makeyev は液体燃料。

 クラスマシュ市にある「JSC クラスノヤルスク機械工場」は、SLBMの「シネヴァ」、ICBMの「サルマト」を製造している。それはJSCマキウェフ設計局に属する。

 チェコの「TDZ Turn」社は、ロシアの「KR Prom」という会社をプロクシに使い、クラスマシュの工場に製造機械とスペアパーツを納め、その運営を支援し続けている。ふざけた悪徳企業である

 ※もしも東京地検特捜部が一連の五輪涜職捜査で大物政治家を入獄せしめ、わが国の最も低劣な腐敗利権構造の全容を剔抉することに成功したならば、札幌五輪招致などという今から賄賂臭紛々の案件もめでたく未然辞退に至るに違いなく、山上は結果的に日本国を複数の方面で正道に立ちかえらせた《世直し大明神》ということにもなろうから、あるいは「大赦」の行なわれるタイミングで有期刑へ減刑され、早期仮釈放の目すらあるのではないか?

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 2022-9-10記事「Precision artillery guidance using cheap tablets ? how Ukrainian high-tech for effective projectile targeting works」。
   過日、ウクライナ軍は、T-64の主砲弾で、10km以上先の目標を撃破するという記録を作った。

 その1発の命中弾を得るために、戦車クルーは、合計20発くらいも発射したようである。
 最新の誘導砲弾でも、4mくらいズレてしまうことはふつうにあるので、これはすごい。

 じつはウクライナ軍の戦車クルーは、2018年いらい、市販のタブレットに、国内開発の「Kropiva」、またの名を「Nettle」というソフトを入れて、長距離間接射撃に使えるようになっている。

 これを軍のために開発してやったのは、NGOを率いるオレクシー・サフチェンコとその仲間たちだった。

 基本的には、戦線をカバーするデジタルマップである。2018以前のウクライナには、砲兵の間接照準に使えるような最新のデジタルマップもなかった。だから2014にあっけなく侵略をゆるしてしまった。

 チームはそのマップと、砲撃諸元計算機を、ソフトウェア上で合体させた。必要データを入力すれば、数秒にして弾道計算してくれる。

 ちなみに旧ソ連軍のやり方だと、印刷された弾道表などを参照せねばならず、1発撃つのに必要な計算が15分もかかったものである。

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 AFPの2022-9-8記事「Chinese carmaker BYD to build Thai electric vehicle plant」。
    中共の大手電気自動車メーカー「BYD」は木曜日、タイ国内に工場を建てる契約を調印。
 タイの土地開発会社から96ヘクタールを買う。

 場所はバンコックから140km南東。
 2024に操業を始めるつもり。年産15万台。

 BYDは欧州市場についてはまずノルウェーにショップを置いて、そこから拡大するつもり。
 ハンガリーとフランスは、すでにBYDの電気バスを輸入して走らせている。

 BYDはもともとバッテリーの製造メーカーだったが、2003年から電動自動車に着手し、いまでは大成功を収めている。

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 Joseph Trevithick 記者による2022-9-9記事「B-1B Bombers Are Hunting Illegal Fishing Boats Off South America」。
    テキサス州のダイス空軍基地所属のB-1Bはこのごろでは中米諸国のために違法支那漁船の取締りの任務を与えられ、南下飛行している。もちろん途中で空中給油を受ける。はるばるガラパゴス諸島までも足を延ばす。
  ※添付のビデオを見ると大型のイカ釣り漁船のようだ。どうしてイカ如きで採算が取れるのだろうか? コスト割れ必定だろうに。ところで太平洋ゴミベルトを調査した結果、太平洋にゴミをいちばん投げ捨てているのは日本の漁船に他ならないということが判明してしまった。従来、人目から隠されていた悪徳が発かれたのである。


最近の写真から推定。ウクライナ空軍はいまや、「スホイ27」からもHARMを発射できるようになっている、と。

 Defense Express の2022-9-9記事「Ukraine Will Get RAAM System from USA」。
   木曜日に発表された米国からの追加援助品の中には、1000発の「RAAM」砲弾が含まれている。
 これは「遠隔対戦車地雷」の略で、155ミリ砲弾の中に対戦車地雷が9発、封入されていて、それが空中で弾尾から放出&散布される。

 この砲弾の最大到達距離は17.6km、最短使用距離は4kmである。発射する砲の型番は問わない。

 地雷の信管は磁気センサー連動である。そして9個の地雷のうちいくつかには「耐磁気攪乱」の装置がついている。太陽風磁気嵐などに反応しない。

 米軍の場合、この砲弾はADAM(エリア拒止型対人地雷、M67/M72)砲弾と混ぜて発射されることで最も効果を発揮する。自動無効化期間もADADMと同じ。すなわち、短いものはADAMの「M741」と同じ4時間だし、長いものはADAMの「M718」と同じ48時間である。

 ADAMは、155ミリ砲弾の中に、くさび形の対人地雷が36個、封入されているもの。地雷は上空600mからばら撒かれるが、その散開密度は三段階に事前指定できる。地面(これには舗装面は含まれない。舗装面に当たれば壊れてしまう)に達すると、地雷は、最大7本の線状のセンサー(トリップライン)を展開する。このセンサーは最長で20フィートある。信管が活性化したあとは、ごくわずかの振動に反応して起爆する。まず本体が地上から2m弱飛び上がり、兵隊の顔面くらいの高度で炸裂。破片は15フィートまで殺傷力がある。

 ※雑報によるとエストニアは、路傍に仕掛けるEFP=自己鍛造弾地雷「PK-14」をウクライナ軍に供給している。弾丸は真横に向かって飛び出し、距離50m先で、アーマー50mmを貫徹する。

 ※雑報によるとノルウェーは、地上設置発射型のヘルファイア×160と、ナイトビジョンをウクライナへ贈る。

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 Phoebe Grinter 記者による2022-9-8記事「Tethered Drone Kit Enables Unlimited Flight Time for DJI M30 Series」。
  ラスベガスの UAV Expo で、お披露目された。DJIの有線繋止型ミニドローンがすごい。

 有線ケーブル給電式でありながら、毎秒5mで水平飛行しても、極細ケーブルが切れることはない。この独特のワイヤー捌き技術を、「V-Line Pro」という会社が開発したのだが、それをそっくり「キット」として付属させた。

 100m上空から、ひとばんじゅうでも、1万2000ルーメンの投光を続けることができる。1点を照らすサーチライトモードにすれば2万ルーメン。

 災害現場などに、救助隊員1名がこのドローンを携行して到着すれば、大型投光車や投光ヘリの応援を待つことなく、即時に現場を明るくできる。

 ※デジタル後進国の日本では軍用のマルチコプター型ドローンはテーザー式がいいのだ――という主張をわたしは2018年からしてきたが、これでもう外国と競える目はなくなった。ダメなやつには何を言っても無駄。たぶん鉄道妨害用システムもどこかの外国軍が先に完成するだろう。

 ※Kitという単語を見てひらめいたのだが、日本の玩具メーカーは、バラバラのドローン部品を箱詰めして売り、買い手が、それをプラモデルのように、じぶんで組み立てて完成させる流儀にしたら、人件費を削減できるから、商品に価格競争力が生ずるのではなかろうか? ちなみに米国では今「ゴースト・ガン」が大問題になっている。「グロック17」や「AR-15」のパチモンなのだが、何の犯歴チェックも受ける必要なく通販で注文ができてしまう。届いた箱の中にはバラバラの部品が入っていて、しかも肝腎の「フレーム」に穴あけ加工がしてない。このようにしておくことで、多くの州の法律上では、銃器の取締りの対象外となってしまうのだという。買い手は簡単に穴あけ加工することができる。それを組み立てれば「一丁あがり」。そしてなんと、すべてのパーツに、シリアルナンバーが打刻されていない。犯罪者たちは爾後はこれを使いなさいとけしかけているようなもんだ。

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 Che Pan 記者による2022-9-5記事「How this leading Taiwanese chip guru made an astonishing U-turn from avid mainland investor to China basher」。
  曹興誠=ロバート・ツァオは、台湾で二番目に大きな半導体メーカーUMCの創業者である。過去20年間、彼は中共のシンパであり、中共国内へ資金も技術も流し込み続けてきた。

 だが8月にとつぜん、曹は「反中共」の立場を表明した。
 「台湾が《第二の香港》に堕すような未来を、見たくない」と言って。

 曹は1947に大陸で生まれ、台湾で育ったという。
 台湾国立大学で電気工学の学士。1972に国立交通大学にて経営科学の修士。政府系研究機関に関わったあと、1980にUMCを起業した。

 いま、大陸で二番目に大きい半導体ファウンドリーが、蘇州の「和艦芯片制造」である。これを創ってやったのは、曹だったのだ。半導体製造に何のノウハウもなかった中共を、手取り足取り、ここまで大きくしてやったわけである。

 この利敵行為は当時の陳水扁政権を怒らせた。検察から起訴されたが、けっきょく、有耶無耶にされている。
 曹は2005にUMCの役職を退いた。そして2011には台湾国籍を放棄して、シンガポールに移住した。

 しかし2020年、曹は、台湾の雑誌『財訊』のインタビューで、大陸にチップ工場を建ててやったことを後悔している、と語った。

 米国系の「ラジオ自由アジア」の最近のインタビューによれば、曹の考えが変わったのは、2019-7-21夜に香港の港鉄道の「元朗」駅で白シャツの一団が市民を襲撃している映像を視たためであるという。

 中共最大のファウンドリーであるSMICを創ってやった別な阿呆な台湾人・蒋尚義(76)も、3月の加州のコンピュータ博物館のインタビューに答えて、いまや後悔していると語った。蒋は2013までTSMC(台湾集積回路製造)の共同最高執行責任者だった。


F-35のエンジンスターターには「サマリウム・コバルト磁石」が使われているため、早速、大ピンチ。

 中共にレアアースを依存してきたツケが回ってきて、納品がストップしているという。ハネウェルのスターターは発電機も兼ねている。

 コバルトとサマリウムの合金そのものは米本土で加工されているのだが、そのもとの素材が支那からの輸入。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-8記事「Chinese fighters over Ukraine? Many downed and burned Sukhois」。
   ロシアは極東ヴォストーク演習の裏でこっそりと、中共軍の戦闘機をリースしたいという交渉を持ちかけているのではないか、と、ジャーナリストの Peter Suciu が書いている。

 ウクライナ軍の「Buk-M1」の大隊長の証言。SAMを発射する前に照準レーダーを当てただけで、露軍の戦闘機パイロットがあわてて急機動を試み、コントロールを失って、パイロットはベイルアウトし、機体はクラッシュしたことあり。この1機を含めてじぶんの大隊のみでもすでに露軍戦闘機を11機、落としている、と。


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 Phoebe Grinter 記者による2022-9-7記事「BNSF Railway Tests Nordic Unmanned Ralway Inspection Drone」。
  本文の記事に具体的な機能が説明されていないので、以下、写真を見て想像する。

 4軸串形の大型ドローンだが、支柱脚のかわりに、(おそらくは炭素繊維製の)トロッコ車輪のようなものが4輪ついていて、これが鉄道の線路幅にピタリと合致している。

 つまり飛行するドローンであると同時に、線路上をプロペラ推進で走ることができる特殊ドローンであろう。
 線路の歪みなどを無人で計測できるのであろう。

 製品名は「Staaker Railway Drone」というらしい。もっか、ノルディック社にて、開発進行中。

 BSNF社は米国の鉄道会社である。東海岸諸州以外のほぼ全域に鉄道網をもっている。

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 A. Timothy Warnock 記者による2000-10-1記事「Air War Korea, 1950-53」。
  たとい制空権を握れたとしてもなお、敵国の鉄道を麻痺させることは至難であることを、朝鮮戦争中の空爆日記が、端的に教えてくれる。その網羅的な記述のごく一部を、以下に抜粋したい。

 1950-6-28、ソウルと38度線のあいだの鉄道を初爆撃。B-26により。
 芦屋から出撃した。1機はAAのため、着陸後、全員死亡。
 嘉手納のB-29は鉄橋を空爆。

 6-29、マックは、漢江の鉄橋を集中空爆しろと命令。
 ナパーム弾も初使用。
 ソウル駅も敵が占領していたので、爆撃。

 6-30、B-29による鉄橋爆撃。漢江北岸。

 8-10、元山の鉄道を爆撃。B-29で。

 8-19、ソウルの西の鉄橋に1000ポンド爆弾を54トン投下。B-29×9機で。
 ぜんぜん落橋しないので、ゴム紐でできてるんじゃないかと言われた。
 そこで艦上爆撃機×37機で追加空襲。翌日偵察したら、橋桁×2が落ちていた。

 1950年8月23日、「ラゾン」空対地ミサイルで平壌の西の鉄橋を狙ったが、誘導装置がWWII中のもので調子が悪すぎ、外れた。

 9月9日、北鮮軍は大邱から8マイルまで迫った(最東到達点)。この攻勢衝力を弱めるためと、仁川上陸の下ならしととして、ソウル北側の鉄道をB-29で集中爆撃。
 同時に、双発の中型爆撃機は、貨車操車場とポイント切替点を分担爆撃。

 9月22日夜、B-29が群山近くの鉄道線に沿って照明弾を落とし、その明かりを頼りにB-26が貨物列車を夜間空爆。

 1951-2月8日、B-29とB-26による総力を挙げた鉄道空爆。区間は、会寧(清津の北方の満洲国境の町)~元山。

 8月18日、「絞首」作戦の一環として北鮮全域の鉄道網を空爆。

 1951-9-23、全天の9割が雲に覆われていたにもかかわらず、B-29×8機により、順天鉄橋の中央橋桁を落とすことに成功。これはShoranという、地上の2局からの電波ビーコンを頼りにする航法を使った。今のGPSの代用のようなもの。

10月16日から17日にかけての夜、当月最大の空爆。鉄橋、操車場ほか。

 11月16日、空軍の戦闘爆撃機が平壌の北に位置する「新安州~粛川」区間と「清川江~順川」区間について合計100箇所以上の線路を寸断。

 11月18日、3機のF-84戦闘爆撃機が、新安州近くの鉄道線路を空爆する予定だったが、複数機のミグ15に邀撃されて、爆弾を投棄して逃げ戻った。

 12月21日、空軍は530ソーティを飛ばして、新安州と粛川を結ぶ鉄道を30箇所で寸断した。

 12月24日、新安州の鉄橋と、泰川の飛行場をB-29が空爆。

 1951-12-27、この月の最大規模の空爆。機関車、貨車などを狙った。

 1952-1-12から13にかけての夜、沖縄のB-29が、396発の500ポンド爆弾を、新安州の東の清川江にかかる鉄橋に落とし、この橋を使えなくした。

 1952-2-9、中型爆撃機×10機によるレーダー爆撃。100トンの500ポンド爆弾を、清洲鉄橋に投弾して、使えなくした。

 2月26日、煕川近くの鉄道橋にB-29が爆弾100トンを投下。橋桁×2を落とす。

 3月25日、空軍は959ソーティをしかけ、新安州と清洲を結ぶ鉄道線路を142箇所で寸断した。

 3月31日から4月1日にかけての夜、平安北道の郭山の鉄路などを爆撃した。

 5月26日から27日にかけての夜、また平安北道の鉄橋を爆撃。

 6月10日から11日にかけての夜、郭山の鉄橋を8機のB-29で爆撃。AAとミグにより2機が撃墜された。

 6月19日から20日にかけての夜、北鮮空爆。27機の中型爆撃機が、煕川の鉄橋を爆撃。

 6月24日から25日にかけての夜、まず26機のB-29で、北鮮にある、東西方向と南北方向の鉄路の結節点である「サムドンニ」駅を爆撃。すこし遅れてB-26も飛ばし、敵が修理しているところを攻撃させた。

 11月1日、戦闘攻撃機が、北鮮のヨンミドンの鉄橋を爆撃。

 11月4日、偵察写真により、ヨンミドンの3つの鉄橋は、機能していることが判明。さらに、バイパス鉄橋も2つ、完成していることが分かった。

 11月6日、ふたたびヨンミドンの鉄橋を、100機の戦闘攻撃機で爆撃した。そのさい、敵は5番目のバイパス橋を建設しはじめていることが分かった。

 1952-12月12日から13日にかけ、B-29×6機が、平壌郊外の鉄橋×4を落とした。それらは前に破壊していたのだが、復旧していたのである。

 1953年1月4日から5日にかけての夜。20機のB-29で、煕川の鉄道橋などを爆撃。

 1月9日から10日にかけて、17機のB-29が「ヨンミドン」の鉄橋などを爆撃。

 1月10日、ダメ押しの昼間空襲を、戦闘攻撃機が実施。鉄橋、鉄道線路、AAを狙った。

 1月10日から11日にかけての夜、B-29が宣川と安州の操車場を空爆したが、飛行機雲を頼りに照空灯を当てられ、それを目当てにミグによって1機が撃墜されてしまった。

 1月11日、爆撃評価の結果、ヨンミドンの鉄道は機能を停止していることが分かった。

 1月14日、昨夜のB-29空襲につづいて、戦闘攻撃機による空襲。新安州のAA、鉄道、橋を狙った。

 3月5日、シベリア国境に近い清津の工業地帯を16機のF-84で空襲したほか、合計700ソーティ。レールは寸断した。

 4月6日から7日にかけての夜、新安州の清江川にかかる、機能していた鉄橋を、3つ、B-29で爆撃。翌朝、戦闘攻撃機が、その損傷箇所にトラックが接近しようとするのを斥けた。

 4月15日、共産軍は、亀城からクヌリ、シンビョンニに至る75マイルの鉄道を新設した。70日かからずに竣工させた。これによってそれまで米空軍が遮断していた鉄道輸送路がバイパスされることになった。

 5月16日。チャサンのダムを空襲破壊。これにより3つの鉄橋が流された。

 7月10日。戦闘爆撃機によって新安州とヨンミドンの鉄橋を爆撃。

 1953-7月10日から11日にかけての夜、B-29がヨンミドンの鉄橋を爆撃。

 次。
 Sean Spoonts 記者による2022-9-7記事「New York Times Slams SEAL Training; “A Culture of Brutality, Cheating and Drugs”」。
    『NYT』紙の8-30のすっぱぬき記事。シールズの訓練への嫌悪感。

 水兵のカイル・ムーリンが「ヘル・ウィーク」とよばれるキツい水中訓練のあと、自室で目を醒まさなかった。その私有車を調べたらPED=パフォーマンス拡張剤 と注射器が発見された。要するにシールズ訓練生は覚醒剤モドキの薬物に頼って教程を乗り切ろうとしている実態があるようだ。

 事件後、教官の大尉が40名ほどの学生の血液を総チェックしたところ、海軍としては公式に使用を禁じているはずのステロイド剤やら、あやしいクスリを打っている者たちばかりであった、という。

 米海軍の公式見解。チート行為する奴は海軍には要らない。なぜならそのような隊員は、他のすべての物事について、同じように不実な了見をもって楽にごまかそうとするにきまっているので、軍として信用することができず、とても重要な特殊任務などは任せられない。


ルーマニア国境に近いウクライナには2018年頃、煙草をEU圏へ無税で密輸出するために自作の大型クォッドコプターを駆使するギャング団がすでに存在していた。

 こいつら、一筋縄じゃ行きませんぜ。

 ※6軸マルチコプターからノルウェー製のM72対戦車ロケット弾を真下向きに発射している写真がSNSに出ている。ウクライナ軍向けに、メーカーが提案しているものらしいが、そのメーカーの名前がさっぱりわからない。地元のガレージ改造屋集団か?

 次。
 Tayfun Ozberk 記者による2022-9-6記事「Baykar ramps up TB2 production capacity, pins faith in Ukraine」。
   げんざい、バイカル社のTB2量産ペースは、月産1機。もっか、それを月産20機に引き上げるための投資がなされているところ。2年後には実現しよう。

 次。
 Daily Sabah with AA の2022-9-1記事「Turkish drone magnate rushes to boost capacity as orders pile up」。
   ※この記事には、真上から映したTB2のすばらしい写真が添えられている。横長で寸詰まり胴のアスペクト比がよくわかる。

 バイカル社は、24ヵ国の買い手に対し、TB2を売る契約をしている。

 過去4年のあいだに、TB2は、世界で最も手広く輸出されている武装無人機となった。

 注文が殺到しているために、今から申し込むと納品は3年後だ。

 これまでに製造されたTB2は、400機以上である。
 より大型で高性能な双発無人爆撃機「アキンジー」は、製造累積が20機ほどになった。

 ウクライナ国内にも組み立て工場ができる。そこではTB2、アキンジー、そしてジェット無人戦闘機の「キジレルマ」を製造する予定だ。

 CEO氏によれば、現状、バイカル社はTB2を年に200機、製造できるキャパシティがある。※ひとつ前の記事でトルコ人記者が挙げている数値とえらく異なる。

 社としては、TB2を年産500機、アキンジーを年産40機、製造できるようにしたい。

 「TB2」の主翼を折畳式にして、STOL性を強化した「TB3」は、現在、試作途中である。

 「キジレルマ」は艦上ジェット戦闘機にするつもりである。作戦高度は3万5000フィートになるだろう。
 ※トルコ人の判断力は、日本の海自や韓国人よりもよほど良いのではないか。海軍の空母から運用する機体がUAVならば、べつに空軍のパイロットに機体を飛ばして戴く必要もなく、海軍がさいしょからぜんぶ手前で仕切れるわけである。韓国人はこのトルコを見習えば、まだ空母の目があるだろう。

 ※ギリシャはこのほど、リビアで撃墜された「TB2」の残骸を買い取って、船に積んで本国まで持ち帰った。対立する隣国の装備の弱点を細部まで解明しようとしているわけ。このぐらいの熱心さがないと軍人はダメだね。

 次。
 Howard Altman 記者による2022-9-7記事「How The U.S. Rushed Harpoon Anti-Ship Missiles To Ukraine」。
   米国がウクライナに供給したハープーンはすでに6月に戦果を出していた。

 ハープーンを市販のトラックから発射させるためには、2台を改造するという。1台は電源車である。
 その2台がケーブルで結合される必要がある。

 これを操作するウクライナ兵は米本土まで往復して教育を受けている。
 その教育は数日で完了。さいしょのチームは、帰国して3週間後には、蛇島沖の『Vasily Bekh』に2発を命中させて撃沈した。

 この「2回たてつづけ命中」シーンは「TB2」によって撮影されている。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-6記事「Russia began serial production of 120mm SPM for super cold temps」。
    一風変わった、ロシアの新型の自走120ミリ迫撃砲が量産に入ったという。
 名称は「マグノリア」という。2021に試験は完了している。

 装軌車体だが、前後重連。乗員4名とエンジンは前車に。火砲と弾薬は後車に集中。
 前車の装甲は薄い。しかし全重は45トンもある。浮航可能。

 エンジンはYaMZ-847-10 という800馬力ディーゼル。

 発射する砲弾は17kg+。
 弾薬にはHEAT弾もあるので、対戦車射撃も可能。
 最大で毎分10発可能。
 レンジは10km。

 後装式なので俯角5度での射撃も可能。砲塔は360度旋回する。

 湿地走破用に接地圧が小さいので、対戦車地雷を踏んでも炸裂しないとメーカーは主張している。
 履帯を替えることなく、そのまま、雪上車になる。
 北極圏での作戦を特に考えてある。

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 Boyko Nikolov 記者による2022-9-6記事「Nuclear munitions were created for the S-400, Buk-M3 and A-135 Amur」。
    2016年に印刷されたロシアの『Atom』という雑誌によると、露軍は「S-400」用の核弾頭を開発したそうである。それは「Buk-M3」にも装着できるし、「A-135 アムール」にも装着できると。

 この雑誌は部外秘のため、いままで外国はその内容を知らなかった。このたび、ウクライナの情報機関が内容をあばいてくれた。

 A-135 からは、ABMである「51T6 アゾフ」を発射できる。「アゾフ」には核弾頭型があることは1995年から知られていた。
 サイロになっているこのABM基地はモスクワを囲むようにすくなくも6箇所ある。
 ミサイルは900km飛翔する。

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 ストラテジーペイジの2022-9-7記事。
   ロシアは、ウクライナ領土内にある「スホイ25」の基地防空のため、「S-350」を持ち込んだ。対HIMARSの役に立つのかどうか、注目されている。

 S-350は1ヵ月ほど前から搬入されている。ただしまだ迎撃実績がない。もし戦果があればロシア人は大騒ぎしてそれを宣伝するが、それが無い。ということは、無戦果だ。

 S-350は、2020に完成した。それより旧式の世代である「S-300PS/PT」や、「Buk M1/M2」を更新する。そして値段はS-400よりずっと安い。「軽量版S-400」という感じ。

 このシステムには韓国がかかわっている。米国によって途中で手を引かされたが。同様、韓国の「KM-SAM」も半分ロシア製である。

 S-350は大小さまざまなSAMを自由に選択できる。短射程の「9M96」にも三つのバージョンがある。誘導システムは韓国製である。


「安全窓」の改造工事が間に合わないうちは、バスの車体外側後端部に、蓋付きのモニターをつけ、いつでも車内天井設置カメラの映像を外部からチェックできるようにするのがよい。

 テレビドアホンと全く同じ機能だから、いくらもかからないだろう。当然、音声聴取&交話もできるわけ。

 昔、TV映画の『コンバット』の「丘は血に染まった」の中で、歩兵がシャーマン戦車の車体後部の電話機を取り上げて、車内の車長と交話する、あのシーンを思い出そう。「来てくれて助かったぜ」「どこでもそう言われるよ」。

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 Rob Lee 記者による2022-9-6記事「The Tank Is Not Obsolete, and Other Observations About the Future of Combat」。
   露軍のT-72とT-90は、ディーゼルエンジンである。
 T-80は、ガスタービンエンジンである。これは極寒環境では使い易いのだという。

 いま、戦地では、T-80の遺棄率が高い。これはおそらくエンジンの燃費の悪さに問題がある。燃料を喰いすぎるのと、油種が灯油系で入手しにくいためだろう。
 T-80には、U型と、BVM型がある。どちらもオリックスはカウントしている。なかんずくU型の方が遺棄率が高い。

 オリックスはナゴルノカラバフの統計も持っている。同戦争ではアルメニアは、255両の戦車を喪失した。うち146両は被弾破損である。そのうち83両は、TB2にやられた。

 ナゴルノカラバフでは、アルメニア砲兵は、開戦から1時間にして、その4割が、ロイタリングミュニションおよびTB2によって損耗させられたという。

 ロシア人は気付きつつある。T-72を重APCに改造した「BMO-T」が、これからは必要なんだと。
 もはやBMPでは歩兵を守れないことは明白なので。

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 Jeff Schogol 記者による2022-9-5記事「The US military needs a lot more artillery shells, rockets, and missiles for the next war」。
    2-24以降、米国はウクライナ軍に対して、80万6000発の155ミリ砲弾、10万8000発の105mm砲弾を供給した。

 その他に、GMLRSが補給されているわけである。

 6月時点でウクライナ軍は、1日に6000発の榴弾を野砲から発射していた。これではとても兵站が持続不可能だというので、HIMARSの供与が急がれたわけである。

 1970年にカンボジアに攻め入った米陸軍は、2ヵ月間に58万発の野砲弾を射耗した。

 1916年のソンム会戦では、英軍砲兵は170万発の野砲弾を発射している。それも、たった3週間で。

 朝鮮戦争で、第8軍を率いた陸軍大将ジェームズ・ヴァン・フリートは、1日に1門の榴弾砲から発射して可い弾薬定数を、十倍に引き上げた。中共軍の人海突撃を破摧するためには、そのくらい必要だったのだ。

 結果、米陸軍砲兵は1日に1万4000発を発射した。それに対して支那軍は1日3400発がせいぜいだった。

 ※いわゆる「ヴァンフリート量」だが、質も大事である。このときは107mm迫撃砲弾にVT信管をつけたものが、著効を発揮したのだ。重迫は、歩兵部隊の重火器である。砲兵ではない。こうした論文の統計が、そこをどうカウントしているのかは、不明。

 マシュー・カンシアンは評する。教訓がある。いつの戦争であっても、将軍が事前に予期した以上に、かならず、弾薬は、必要になってしまう。そして最前線の指揮官が発射したいと思うだけの弾薬は、けっして、そこにあることはない。これから先も、そうなるはず。

 榴弾砲のタマは、常に、製造し続けている必要がある。というのは、155ミリ砲弾の貯蔵期限は、20年でしかないのだ。冷戦が終ってもう30年以上過ぎているから、西側諸国の弾薬庫の中には、使える砲弾がなくなってしまっている。これが大問題なのだ。

 ※北鮮の古い弾薬を最新の加農で発射したら腔発が起きると思うよ。その噂が走ると、砲兵たちは上層部には黙ってその弾薬を沼地に捨ててしまう。これはどこの国の砲兵でも同じ。だからウクライナ戦線が北鮮製弾薬で変化することはないと思う。

 ※SNSにすごいクォッドコプターの写真が出ている。宇軍が装備しているのだが、82ミリ迫撃砲弾と思われるものを、6発、いちどに吊るして飛べるらしい。わずか半年でここまで進化しちまった。

 ※次の段階は、鉄道破壊スペシャルの、低速の固定翼の片道自爆機だ。モノコックどころか、機体胴体の構造体じたいが、ぜんぶ「爆薬」でできているような、そんな「V-1号」もどきが、必要とされている。これなら、1トン爆弾と同じクレーターを、1トン未満の飛翔体によって、実現できるはず。

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 George Friedman 記者による2022-8-30記事「The German Weapons Shortage」。
   ドイツの外相は、ドイツはこれ以上ウクライナへは武器弾薬を贈れぬと示唆した。自国用の分が涸渇してしまうので。
 これは今次戦争の開戦と同時に認識されていた問題だった。ドイツだけでなくNATO諸国すべてがそうである。事前備蓄・事前整備が、不十分な水準で、放置されてきたのだ。

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 The Maritime Executive の2022-9-5記事「HMS Prince of Wales has “Significant Damage” Likely Requiring Dry Dock」。
    英空母『プリンスオブウェルズ』は8-27にポーツマス出港、カリブ海で米軍と合同訓練して4ヵ月後に戻るはずだった。だが出港直後から右舷のプロペラが回っていないように見えた。

 どうやら乾ドック入りして修理する必要のある大トラブルが起きてしまったようだ。
 右側の舵、スクリュー、シャフトすべてが損傷したらしい。

 英海軍は故障原因について一切、語らず。同艦は2019-12の就役いらい、故障が立て続いている。

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 Defense Express の2022-9-5 記事「What “High-Tech Decisions” Were Found Inside Modern Russian Weapons」。
   英国の独立系分析集団が、撃墜された露軍の巡航ミサイルの残骸から「基盤」を拾い集め、調べた結論。
 パーツは2000年代から1990年代の西側のチップのリサイクル品。
 したがって世代としては、ビデオゲーム機の「X360」に相当する――とのこと。

 これは「トルナドS」でも同じだった。

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 Michael Birnbaum 記者による2022-9-6記事「Heat pumps take off in coal-loving Poland amid Ukraine war」。
    電気で駆動するヒートポンプ。これがポーランド人にとっては、都市ガス(天然ガス)に代わる熱源の選択肢になっている。

 米国でウェストヴァジニアといえば石炭文化。同じような光景がポーランドにもある。

 家庭では、石炭ボイラーが、給湯と暖房に使われてきた。2021以前、それは徐々にガスに切り替わりつつあった。
 しかし今次戦争で一挙に流れが変わった。ロシアと縁切りすることの優先順位は、ポーランド人の脳内では、特に高いのだ。

 ポーランド国内での石炭価格は、前年の3倍になっている。そして全欧における天然ガスの価格は、10倍に値上がりした。

 ポーランド国内の産炭を、ポーランドの家庭内ボイラーで燃やす。これは、比較的にクリーンだったのである。ところが、ロシア産の石炭の方が安いものだから、いつのまにか、ポーランドは石炭の4割をもロシアに依存するようになっていた。これが、今、大反省されている。

 ポーランドの地元のヒートポンプ業者は宣伝する。電源となる電力は、太陽電池パネル基地で発電されているから、エコなのである、と。

 ワルシャワ空港近くに建設中の「ステイ・イン・ホテル」は、空調がすべてヒートポンプである。冷房も暖房も。

 ホテルの地下に28本の細い「井戸」を、地下165ヤードまで掘り下げている。冬は地中の方が暖かいので、その差熱をビル内にもってくる。熱を運搬する液体の流動のために、循環モーターを駆動する必要があり、したがって電力が要る。その一部は、屋上のソーラーパネルで発電する。

 化石燃料価格が暴騰しているおかけで、このヒートポンプ工事のための初期投資は、4年でモトが取れる見通しだ。これは、昨年までの計画見通しの半分である。


「園児送迎バス」には、窓際の全座席の足元と腰部に「安全窓」を設置させるべきこと。

 今日、2トン以上のトラックの操縦室には、左下方を直接に視認できる「安全窓」が、低い位置に設けられている。これは法定義務設備である。

 園児送迎バスの場合、この「安全窓」と同様の小窓が、窓際全座席の「足元」の位置、および、座席座面よりやや上の位置の、それぞれ側面に、設けられていることが、望ましい。

 これがあることにより、ドライバーが外に出て、車体の外周を1周点検しただけでも、かんたんに、全座席が無人であることを、目視によって再確認ができる。

 保育施設関係者らも、車両のドアが閉められた状態であろうとも、かんたんに、随時に、二重・三重の車内チェックを、励行できるようになる。

 また通りすがりの人が、偶然に、車内の「異常」に気づいてくれる確率も、高まるであろう。これは犯罪抑止や事故予防に役立つ。

 さらにまた、幼児送迎用バスの後方、リアウインドウ近くの天井部分には、天井貼り付け型の「半球ドームミラー」(360度室内反射鏡)が設置されていることも望ましい。

 それがあることによって、やはり車両の外部から、車内に偶然に取り残されてしまっている幼児等の存在に、気付きやすくなるだろうからである。