10月1日、トルコのエネルギー大臣が報告した。2027年までに、黒海の「サカリャ」ガス田からの天然ガスで、トルコの国内需要の三分の一以上は賄える見通しだと。

 Minnie Chan 記者による2021-10-16記事「US nuclear submarine accident sparks safety fears in South China Sea」。
   米SSN『コネチカット』は核エンジンには損傷がなかったと発表されているが、もし放射能が南シナ海に漏れていたらどうなっていたのだろうか。

 この事故は発生から6日後に世界に公表された。それまで、沿岸国住民、通航する商船、操業する漁船は、何も知らずにいたわけである。

 『コネチカット』は全長107m。水中排水量は9000トン以上もある。いくら機敏に操舵できるとは言っても限度はあるだろう。

 中共の一軍事研究者は指摘する。件の米潜の内部で機関周りの配管が壊れて乗員が放射能汚染された可能性は、ふつうにあり得るだろう。だから事故の続報をいまだにいっさい公表できないでいるのだ、と。

 また、匿名の中共の一専門家氏いわく。中共は新造の原潜1隻に100億元=15億ドルの予算をつけているが、同時に、原潜1隻を廃艦にするときにも、まったく同額の予算を計上していると。
 つまり原潜は、それをスクラップにするときに、異常なコストがかかるのである。

 ※ゆえに、ライフサイクルトータルコストをよく考えろという話。

 中共でも米海軍と同じように、リアクターを船殻から取り出して、放射性の部材は最終的にはセメントに封じ込めたうえで、どこかに永久に貯蔵させておくことになる。廃艦後のゴミ管理にもコストがかかり続けるわけ。

 ちなみに米海軍は原潜の原子炉を、最後にはハワイ沖の海底に捨てている。
 中共では、新疆の無人の砂漠に、それを埋めている。
 ロシアは、北極海のノヴァヤゼムリャ島の港のすぐ外側に、シンプルに、潜水艦まるごと投棄している。

 たとえばソ連の『K-27』潜は、乗員9人が放射能漏れで死ぬ事故を起こしたあと、ノバヤゼムリャ島の北東海岸(カラ海)に1981年に投棄された。そこの水深は、たったの30mである。

 捨てるのも面倒なため、ずっと埠頭に繋留したままにされている退役原潜もある。これはすべての原潜保有国で行なわれている。

 近年、南シナ海では、知られていなかった海底火山がいくつも発見されている。その活動のため、海底地形が刻々と変化している。

 2013年7月、台湾の調査チームは、南シナ海の半径10km内に8つの未知の海底火山を発見した。

 ※つまりこの記事は、『コネチカット』が未知の海底地形に激突した可能性を強く示唆している。だとするなら、相手側潜水艦の情報がいまだにひとつも漏れてこない理由が合理的に説明される。

 次。
 『星条旗新聞』の記事。
    2020年に訓練中に水陸両用装軌車が沈没して、乗っていた海兵隊員と水兵が溺死した事件。
 事故の原因が指摘された。あまりに車体各部の手入れが雑であった。
 航空機に比べて、米海兵隊のAAV7の整備基準が、甘すぎたのだ。

 たとえばブレーキの壊れた航空機は飛行することは許されないだろう。ところが車両の場合、ブレーキが壊れていたって、とりあえずは走れるし、使えてしまう。この文化が、水陸両用車にも及んでいたのが、致命的であったと。

 げんざい海兵隊は水陸両用車の検査基準や運用基準を改訂している。AAV7の場合、たとえば、ビルジポンプが4つついているが、そのすべてが機能するかどうかを、水に入る前に必ず確認しなければならない。非常脱出時に点灯するライトについても、同様。

 次。
 Rachel Wait 記者による2021-10-12記事「Charging An Electric Car: Your Questions Answered」。
    電動自動車=BEVと、プラグインハイブリッド車=PHEVを合計すると、その新車販売に占めたシェアは、2021-9月において、21.6%となった。昨年とくらべて10.5%増えたことになる。

 ※この記事は英国の話であるので、注意せよ!

 EVを充電するときは、自宅で充電するのが、いちばんコストが低くなる。
 そのさい、家庭用コンセントをそのまま使うことは推奨されない。やたら時間がかかるし、回路に負荷もかかるのである。

 ウォール・チャージャー(ウォール・チャージング・ユニット/ウォール・ボックス)という、すべての市販電気自動車に対応した、小箱状の充電器端末が市販されているので、これを自宅ガレージの壁にとりつける。そこから充電するようにすれば、電気自動車に最短時間で充電ができるのである。

 ウォールチャージャーには、3キロワット規格、7キロワット規格、22キロワット規格がある。22キロワットのものがいちばん速く充電が完了する。

 一般的なのは7キロワット規格だ。しかし、いちばん安価なウォールチャージャーをお望みなら、3キロワット規格でよい。一晩かけて充電すればよいと割り切れば、3キロワット規格でも十分なのだ。

 22キロワット規格のチャージャーには「三相」のケーブルが前提である。これはすべての市販EVが対応しているとは限らないので、事前に確かめる必要がある。7キロワット規格なら「単相」でいいので、どの家庭でも、どの車両でも、まずだいじょうぶだ。

 EV車の充電用コネクターには「1型」と「2型」がある。あなたのEV車はそのどっちなのか、知っていなくてはならない。

 「1型」コネクターは、北米でよく見られる。欧州の古い電気自動車も「1型」だ。5ピンである。
 「2型」コネクターは今日の欧州に多い。7ピンである。そして多くの公共充電所が、「2型」対応である。

 自宅用のウォールボックスの値段は、300ポンドから800ポンドの間だ。

 英国政府は、その費用の75%を補助してくれる(ただし上限として350ポンドまで)。
 ウォールボックスは、ユーザーがじぶんで工事することは許されない。許可された業者が、とりつけてくれる。

 自宅ガレージでウォールボックスを使って充電すれば、満充電の電気代は5ポンドだ。
 自宅充電しかしない人の場合、EV車にかかる1年間の電気代は、450ポンドから730ポンドであろう。
 3キロワットのウォールボックスでは、満充電には8時間から14時間かかる(車両のバッテリー容量によって必要時間が変わる)。
 7キロワットのウォールボックスでは、3時間から5時間。
 22キロワットのウォールボックスなら、2時間で満充電できてしまう。

 電気自動車のカーナビには、最寄りの公共充電所を自動で探してくれる機能がついている。
 また、スマホで「Zap-Map」というウェブサイトを開いても、公共充電所の位置はわかる。対応コネクターの型や、あなたのクルマがそこで満充電するのにかかる時間まで、それは教えてくれる。

 高速道路などにある公共の充電ステーションで、「ウルトラ・ラピッド」という最速給電モードを選択すれば、45分にして、あなたのEV車のバッテリー容量の80%まで、充電される。80%を超えると、安全保護機能が働き、以後の充電速度は遅くなる。これは、仕様である。

 「ラピッド」モードは、50キロワット。「ウルトラ・ラピッド」は150キロワットから350キロワット。
 「ラピッド」の場合の料金は7ポンドから10ポンドである。

 今日、英国では、EV車が満充電で走り出すと、100マイルから300マイル、走れる。
 ほとんどのEV車は、バッテリー切れになる前に、ドライバーに、最寄りの充電拠点を教示してくれる。

 それでも電池切れになってしまったら、誰かのクルマで最寄の充電所まで牽引してもらうことになる。

 英国版のJAFのような機関としてRAC(ロードサイド・アシスタンス&総合保険)社がある。RACは給電車を揃えて待機しているので、電話すれば、その救助車がやってきて、あなたのクルマに、10マイル走れる分だけ、充電してくれる。

 複数の保険会社が、車両保険の一環として、たとえば、路上でバッテリー切れになったときにかけつけて30分の給電(だいたいそれで10マイル走れる)をしてくれるサービスをつけている。

 豪雨の中で給電作業をしても安全か? 安全である。
 ただし、猛暑や極寒の環境では、バッテリーの性能は低くなる。これは、覚えておかなくてはならない。

 ※英国のうらやましいところは、辺鄙な田舎で立ち往生したとしても、平地が多いから、危険の高が知れていることだ。わが国の場合、もし豪雪の山間僻地でバッテリー切れになったら、凍死の危険がある。したがって、電池だけに頼ったら命が危ない。これは私見であるが、北国では、ガソリンで駆動する小型発動発電機を、必ず装備するべきだと思う。大型旅客機の尾部にある「APU」の機能を、期待するのだ。なぜガソリンかというと、通りすがりのオートバイからも燃料を分けてもらえるから。灯油や軽油も使える多燃料式にできれば、理想的なのだが……(ロータリーエンジンにすればそれも可能?)。そういうポータブルな車両用APUを、「発発」のメーカーで開発して、カーショップで売り、誰でもEV車のトランクに常備しておけるようにすべきだ。その側面には「三角表示板」が最初からペイントされていると、もっと気が利くことになるだろう。


中共は今年、世界最大のLNG輸入国に昇格。それまで最大輸入国は日本だった。

 ストラテジーペイジの2021-10-15記事。
   エルドアンは10-7にインタビュアーに語った。F-35のために支払った14億ドルは返してもらいたいものだと。トルコは100機、買う予定でいた。

 10-6報。トルコは40機のF-16を新規に買いたい。また80機のF-16を近代化改修させたい。

 10-5報。中共はロシア産LNGを買い増している。そのおかげでLNGの国際価格が上がり、トルコが困っている。ロシア産LNGの最大の買い手はドイツである。しかし間もなく中共がそれを抜くであろう。

 LNGの輸出契約というものは、毎年の、最低輸出量だけを、前もって決めておくのである。欧州諸国から、急に、「もっとくれ」と言われても、事前契約で定められた最低保証量を超えて輸出できない場合は、とうぜんにある。それで、ロシアが文句を言われる筋合いはないのである。欲しければ、時価でスポット買いすればいいだけ。それが市場経済というものだ。

 10月3日時点で、トルコ国内には、登録されたアフガニスタン移民が18万2000人いる。加えて、登録していないアフガン人が12万5000人いる。加えて、シリア難民が370万人いる。

 米軍は、イスラエルをこれまでセントコムに含めてきたが、これからはユーロコムに含めることにした。

 次。
 Maciej Szopa 記者による2021-9-3記事「Russian Air Force. Last Moments Before a Grand Regression [OPINION]」。
    ロシア空軍は米空軍に次ぐ規模だが、ソ連時代の機体が続々と退役を迫られている一方、それを新型機で更新する予算はない。だから、時間とともに、弱くなる一方である。

 2021-1時点で露空軍には、重戦闘機スホイ27が380機、ミグ29系列が267機、迎撃機ミグ31が131機、スホイ24が274機、爆撃機スホイ34が125機、CAS機であるスホイ25が193機あった。トータル1370機。、

 これに、重爆撃機のツポレフ160が16機、ツポレフ95が42機、バックファイアーのツポレフ22Mが66機。
 海軍航空隊のミグ29K系が22機、スホイ27/33が43機、スホイ24が22機、スホイ25が4機である。

 露軍全体で1585機。これはシナ空軍より多い。しかし米軍にはかなわない。

 ※さいきん目が悪くてテキストを二度確かめるのが億劫なので、上掲の数字等について特に興味のある人は必ず原文を照合して欲しい。

 上掲機数のうち、200機以上は、いかなる飛行もできなくなっている。機体が古いので延命改修しなくてはいけないのだが、その予算がないのだ。ポーランド空軍はソ連時代にミグ29を買って保持しているので、延命改修ができないことの意味を正確に把握している。

 露軍には新鋭のミグ35がある。ただし、6機だけだ。それは、航空ショーにて海外の潜在顧客にアピールする宣伝を展開するためだけに発注されたのである。

 使いでのよい軽量戦闘機の後継機が無い。単発エンジンのスホイ75「チェックメイト」に期待をかけたいと考えているが、量産は2030年より先になるという見通ししか、立っていない。

 米国のF-15に対抗してつくったスホイ34は、127機つくられた。
 古いスホイ24「フェンサー」は296機あり、まだ飛べる。しかしその最終生産機は1993年、早いものは1967年製造である。

 これを更新させようというのがスホイ34なのだが、量産計画はいまのところ30機。それで296機の代わりになるとは思えない。

 ロシアの航空産業界のポテンシャルがいかほどなのか、2010年代の半ばに判明している。最大で年に18機しか、造れない。それがピークの成績であった。政府が生産設備に巨額投資してくれない限り、これを上回ることはありえない。ということは、露軍の航空戦力は、1年また1年と、減っていく一方だ。

 ここ数年は、1年に、たったの数機ずつしか、新造のジェット軍用機はロシアの工場から出てきていないのである。

 スホイ30は134機製造されている。これでスホイ24の仕事をひきつがせたい。

  ※このスホイ30はなぜここで突然出てくるのだ? 134機は少ない数じゃないだろう?

 過去10年に、134機のスホイ30と、98機のスホイ35(ただし調達予算は128機分ついている)が、製造されている。

 これに、近代化改修を済ませた22機のスホイ27が、実戦に使って不安のない戦闘攻撃機である。

 露軍は、380機のスホイ27機を飛ばせる状態である。

 理想的には旧式機の引退を、スホイ57によって埋めたいのだろう。だが、その量産機は、これから7年以内には1機も納入されないと考えられる。

 ミグ31は最終生産機が1994年製である。
 海軍航空隊のミグ31Kは、ハイパーソニック戦術ミサイルの「キンジャル」を発射できるようにした艦上機である。しかし機体を製造してから30年以上経っていることには変わりはない。そろそろ寿命が尽きかけているはずだ。

 スホイ25の後継CAS機はどうする機なのか。197機が現役なのだが。
 ひとつの可能性は、113機ある、ヤク130練習攻撃機を CAS任務に充てるというもの。
 だがたぶんは、「S-70 オホトニク」無人機に ひきつがせるだろう。2018初飛行の新型機体。

 1997に製造が終わっているバックファイアの後継にはPAK-DAが考えられているが、初飛行が早くても2023年。量産はいつになるかわからない。

 ソ連時代の設計であるブラックジャックは、製造が再開され、1、2機が納品された。

 支援機になるともっと悲惨。
 露軍は15機のAEW機を運用している。ところが過去10年で、たった1機しか、それが納品されていない。

 空中給油機のイリューシン78は、ぜんぶで19機ある。そのうち、直近10年に納品されたものは6機である。

 輸送機のイリューシン76は、114機ある。そのうち、直近10年に製造されたものは6機である。
 アントノフ124の製造を再開させるという話は、立ち消えた。

 ロシア軍のパイロットの訓練飛行時間は、中共軍にも劣後するようになった。
 これが、増加しつつある軍用機墜落事故の背景の事情である。

 2010年よりこのかた、ロシア軍は46機を事故で喪失している。スホイ24×11機、ミグ29×10機(うち2機はリビアのゲリラに撃ち落とされた)、スホイ27×7機、スホイ25×6機、ツポレフ22×3機、スホイ30×3機、スホイ34×3機、スホイ35S×1機、スホイ57×1機。
 すなわち新鋭機も8機、墜ちている。

 次。
 Adam Kehoe 記者による2021-10-14記事「Were You Scanned By A Laser Beam From The Sky In California Recently? Here’s What Did It」。
   緑色の可視光帯のレーザー(複数波長)で海岸の水面部を空からスキャンすると、海底の深浅を測量することができ、3Dの沿岸海底マップができあがる。
 この測量作業を、加州で米陸軍工兵隊が夜間に実施しているのだが、知らない住民が見るとびっくりして騒ぎになる。

 次。
 Alex Wilson 記者による2021-10-15記事「Biggest US naval base in Japan unveils state-of-the-art sub-tracking simulator」。
   第七艦隊は、横須賀基地内に、イージス駆逐艦の乗員12名が揃ってASWを訓練できるシミュレーター・センターを新設した。

 じっさいに外洋にて取得されたばかりの最新の敵潜音源を、出港前の駆逐艦のソナーマンたちが、あらかじめ、聴いて慣れておくことができる。そのさい、先に追跡した艦の乗員から、リアルな「癖」についての助言も受ける。

 工費は35万ドルしたそうだ。

 同類施設はすでに、パールハーバーとサンディエゴにある。今後は、スペインのロタ軍港と、フロリダのメイポート軍港にも設置したい。

 ※『サウスチャイナモーニングポスト』に、台湾の対岸にある三つの中共空軍基地と台湾との距離関係が図示されていて、それを見ると、いま米陸軍がテスト中の、HIMARSから発射ができる500km級射程の地対地ミサイルの意味が、ますますよく分かる。台湾の東海岸から発射しても、それらの航空基地にSSMが届くようになるのだ。これでは、中共軍の台湾侵攻など、ほとんど非現実的になってしまう。格納庫を多少ハードニングしても、滑走路を即時にデブリだらけにされたら、開戦劈頭から攻勢は頓挫するしかない。


情報委員会と外交委員会に所属している米連邦上院議員が10-13の米海軍記念日にシナ製駆逐艦の写真を掲げて祝賀挨拶のツイッター投稿をし晒すという赤っ恥。

 The Maritime Executive の2021-10-13記事「Chinese Shipyard Closes Due to Lack of Profitability」。
    中共の中堅造船会社、天津新港重工業。10月末で操業を停止するとアナウンス。

 債務が嵩んでいるため。2000年にも破産したことがあるが、リストラで復活していた。
 ここ数年、造船業が儲からないので、店仕舞いを決めたのだという。

 同造船所は最大50万トンまでの船を新造できた。修船は30万トンにまで対応していた。
 船渠は全長1000フィートまで収容できた。

 注目されるのは、同造船所で2021-6に完工した、世界最大の民間病院船『グローバル・マーシー』3万9000トンだ。「マーシー・シップス」社によるこのフネの運用は2022から始まる計画であった。

 起工が2015年。2020に進水。
 内部には、手術室が6箇所。ベッドは200床。

 同社の仕事は、複数の同業会社が引き継ぐであろう。

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 The Maritime Executive の2021-10-14記事「[Video] Fire Damages Russian Coal Export Terminal Supplying China」。
    ロシア極東の石炭輸出港として最大である「ワニノ・バルク埠頭」で火災が発生。
 この影響は、そこから石炭を輸入していた、中共、日本、韓国、台湾に及ぶであろう。

 火元は、石炭を移送するベルトコンベイヤーだった。10月11日のこと。

 複数のコンヴェイヤーが破壊されてしまった。
 これによって、石炭ばら積み船に、岸壁から石炭を落としてやることができなくなった。

 港湾を運用しているのはSUEK社。埠頭は2008年にできた新鋭積み出し港である。
 発火の原因はおそらく炭塵だろう。炭塵抑制装置は設置されていたのだが。

 次。
 Marine Matra News の2021-10-14記事「Dupuy de Lome (A759) ? Cross the Taiwan Strait, This is the French ‘Spy’ Ship in the Indo Pacific」。
    フランス政府のシギント船、白塗りだが、どこからみてもアンテナだらけのスパイ船が、台湾海峡を通航した。10月13日報道。
 このフネは『デュピュイ・ドゥロム』。

 フランスの情報省が運用する補助軍艦である。
 ことし5月に、太平洋の所属となった。8月にはグァム寄港。10月1日には日本の港を出港した。

 これにさきだち、仏海軍のフリゲートが台湾を訪問している。

 フランスはニューカレドニアに殖民地を有しているので、インド太平洋国家のひとつなのだと自己定義している。
 太平洋で抱える人口は150万人。EEZは900万平方km。

 このフネはオランダで建造され、2006に就役した。
 もともとの母港はブレスト。

 次。
 Chen Aizhu and Jessica Jaganathan, Scott Disavino 記者による2021-10-15記事「EXCLUSIVE China looks to lock in U.S. LNG as energy crunch raises concerns- sources」。
   中共の複数のエネルギー企業が、米国から長期契約でLNGを輸入しようという交渉を進めている。

 アジア域では、天然ガスの値段は、今年、5倍以上に跳ね上がっている。

 ※総選挙のゴタゴタが沈静化したらすぐにも、わが国が本腰を入れて巨額投資するとアナウンスすべき研究開発分野の主軸が、見えてきたと思う。それは、既存の石炭火力発電所から出るカーボンを地中に於いてトラップさせる「大深度地下煙突」や、コンクリート表面に二酸化炭素が結合するメカニズムを応用して無用または有用の鉱物に炭素を結合させてやはり地中へ半永久に埋め戻してしまう新技法の研究だ。科学的「相場値」から考えてできるわけのない、そして中性子汚染部材の放射性巨大ゴミの問題が庶民の目から隠され続けている「核融合発電」などの夢物語に回す予算があるなら、すべて火発の「マイナス炭素化」に投じた方が、はるかに日本国民のエネルギー安保は鞏固になるし、しかも、世界じゅうを幸せにできる。それにしても、グレタのおかげで大変なことになってきやがったぜ。


好企画。

 並木書房さんから、伊藤学氏著『陸曹が見たイラク派遣最前線』が10月20日に刊行される。その見本を読ませてもらいました。
 著者は2004年8月から11月までイラクのサマーワ基地に駐屯。原隊は岩手の第9戦車大隊だった。

 人間、めぐりあわせで、いろんな経験をします。
 2003年に米英軍がイラク全土を完全占領することになり、その作戦の直後から、日本もイラクの「復興」を手伝えという話になった。
 それでまず空自がクウェートに輸送拠点をつくり、ついで陸自の小部隊が、北の師団から持ち回りで、イラクへ送り出されることになった。

 次は第9師団から派遣部隊を出すぞ――というタイミングに、著者が偶然めぐりあわせた。それで、そのチャンスに乗ることができた。

 羨ましいと思います。

 つまり2004年に第9師団の現役自衛官で、若くて身体が絶好調で、家庭の事情にも拘束されないという身軽さにも恵まれていたおかげで、テッポウ持ってイラクへ飛ぶという激レアな体験ができたわけである。
 (本書では当然のこととして解説はされてないのだが、陸自はイラクへ戦車を搬入しなかった。4輪の軽装甲車はサマーワにはあったが、数は、陸曹・陸士を全員乗せるほどはなかった、と本書でわかる。)

 派遣隊員の選抜。隊と隊員の諸準備。青森空港を747型機で離陸してタイの中継空港を経てイラクへ降りるという道すがら。……ことごとく好いテンポで同書は擬似体験をさせてくれる。

 砕石路面では普通の自転車のタイヤはすぐにパンクしてしまって使いものにならない、などの情報が貴重だ。

 約3ヵ月の勤務を終えて青森空港に戻ったら、迎えの3トン半トラックのバンパーに原隊の部隊名が読めて、非常に懐かしくなるという描写はイイ。「9戦車本管」とでもテンプレスプレーされていたのかな。

 これが兵隊だったら、さらに続けて、営内居室の鉄枠二段ベッドとOD毛布の寝心地が、極上に感じられたりするところであるが、この人は陸曹だからふだん営外の家で寝泊りしているのかもしれず、その感想は聞けない。

 ともあれこの本は一晩で目を通せるテキスト量ながら、じっさいにイラクに行って帰ってきた気分になれるのである。
 私は、読んで満足しました。いちども出征の機会は無かった元自衛官として、ずっと心にかかっていた空白を、いささか満たされた思いがします。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2021-10-14記事「The Army Just Tested Its New Ballistic Missiles That Takes Aim At Previously Prohibited Ranges (Updated)」。
    10月13日にロックマート発表。開発中の「プレシジョン・ストライク・ミサイル(PrSM)」の試射が成功したと。場所はヴァンデンバーグ空軍基地。ラーンチャーはHIMARSのものを転用した。

 じっさいにどのくらいの距離を飛ばしたかは非公開であるが、事前の落下海域に関する危険警報から推定して、500km近く飛ぶポテンシャルはあるミサイルだと知られる。

 ※公式には脱退しているINF条約の規定では、レンジが500km未満であれば、開発にも保有にも配備にも何の制限もなかったのである。

 過去の試射において、すでに400km以上飛ぶことは、判明している。

 ※那覇から魚釣島まで、射程420kmあれば届くので、このニュースは大朗報。つまり沖縄本島にC-130でHIMARSが空輸されてくれば、そのラーンチャーの中身は「PrSM」だろうと中共軍では想像をせざるを得なくなる。このミサイルは動いている舟艇にも命中する。よって、この装備が米陸軍に部隊配備されるようになった時点で、中共軍による尖閣侵略は不可能になってしまうのである。

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 Bill Gertz 記者による2021-10-13記事「Chinese military seeks to dominate from space, deploys war-fighting tools into orbit」。
    北鮮が宣伝で公開した写真の中に、中共の「東風21C」と「東風21D」に似せたモノが含まれているという。
 後者は、レンジ1100海里の「対艦弾道弾」だ。

 それは、「東風17」HGVもどきとは、別に撮っているのである。
 もちろん、ハリボテの可能性大。ステージセットだ。

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 James Kell 記者による2021-10-14記事「Australia’s Nuclear-Powered Submarines Should Be Built in America」。
   米国の造船業界は、いま、毎年、2.6隻の『ヴァジニア』級原潜を建造している。
 1930年代に発見された「セオドア・ライトのコスト逓減法則」によれば、ある製品の量産数が2倍になるごとに、それがいかほどに複雑な工業製品であったとしても、一定のパーセンテージで必ずコストは下がるという。
 つまり、いま、世界でいちばん原潜を安く建造できる国は、米国である。
 だから豪州は米国からSSNを買うべきである。

 『ヴァジニア』級を1隻造るのに、年にのべ1万7500人の工員が働いている。納入費用は48億ドルである。

 ※この案件はコストが問題なのではなく、地政学が問題なのだということが、この若い大学院生には分かっていない。

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 The Maritime Executive の2021-10-13記事「Scandlines to Proceed with Second Ferry Rotor Sail Installation」。
   デンマークにある船会社の「スカンドラインズ」社は、「円筒状ローター帆」を2隻目の古いフェリーに後付けした。
 その前に2万3000トンのフェリーで実験してみて、データをとったところ、調子が良かったので。

 この金属帆のメーカーは「ノースパワー」社。
 帆だけでなく、1.6メガワットアワー容量の蓄電池も増設する。それとディーゼル機関とで、ハイブリッド運航する。

 このハイブリッド化によって、フェリーが排出する二酸化炭素が4%以上、減る。

 この会社のバルト海航路は、ドイツと往復するもので、南北に走る。それに対してバルト海の風は、西風または東風である。常に船は横から風を受ける。塔状の「ローター帆」は理想的なのである。

 筒径は16.5フィート。高さは98フィート。据付け工事は、一晩でできてしまう。

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 Christian Shepherd 記者による2021-10-14記事「Americans vanquished, China triumphant: 2021′s hit war epic doesn’t fit Hollywood script」。
   長津湖ではシナ兵2万人が死んでいる。うち4000人は凍死であった。
 しかし、米軍を撃退したのである。中共軍は来る対米戦争でも苦戦するであろうが、最後は勝つので、人民は、中共党の指導を信ぜよ! そういう国内向けの宣伝映画。

 映画は9月30日から上映開始。
 2週間で興行成績6億6700万ドルを売り上げた。

 製作予算は2億ドル。エキストラ7万人を動員した。

 この製作会社は2017年に、《アフリカで中共軍の特殊作戦部隊が欧米傭兵を駆逐する》という筋書きの『狼の戦士2』を大当てして、やたら爆発するアクション映画がシナ市場でもウケるという手ごたえを掴んでいた。アカデミー賞にノミネートされることはなかったが。

 今回の『長津湖の戦い』は中共党中央の宣伝部門がお墨付きを与え、公式にバックアップしている。それで、中共軍が全面協力。
 ※よって、エキストラ代はタダってこと。

 ロケでは、3つの省の政府も協力した。

 朝鮮戦争モノのシナ映画は、過去10年間、流行らないジャンルとなっていた。その前は、《中共が北鮮を助けたんだ》という現代史の教育と対外宣伝が主眼だったのである。
 このごろまた、朝鮮戦争映画が作られるようになったのだが、昔との違いは、宣伝の主眼が、《中国が米国に勝ったんだ》という、国内向けの士気振作に置かれていること。朝鮮はどうでもいい。

 昨年、武漢肺炎の影響を受けて、米国の映画市場はシュリンクした。その結果、中共の映画市場が稼ぐチケット代の方が、北米のそれを凌駕するようになった。いまや中共が、世界最大の映画市場なのである。

 北京政府の事前検閲にハリウッドのプロデューサーが屈従せざるを得ない情況が、続いているわけである。

 次。
 Travis Pike 記者による2021-10-13記事「The APC9K: We get hands-on with the Army’s new SMG」。
    米陸軍は、SMG=サブマシンガン にひきつづき価値を見出している。極限までコンパクトにすることにより、狭い装甲車内で使いやすい自動火器ができるからだ。

 公式採用されそうな「APC9K」は、銃身長が4.3インチ、全長14インチ(ストックを畳んだとき)、重さは6.7ポンド。

 特にボルトハンドルが、何かにひっかかったりしないような、絶妙なデザインになっている。
 ボルト操作、マガジン交換は、左利きの者でも問題なくできるよう設計されている。

 単純ブローバックながら、距離100ヤードでも小さなマトに正確に当たってくれる。



陸曹が見たイラク派遣最前線

Police-Mecha-Dog to support arrestment 

 Joseph Trevithick 記者による2021-10-12記事「Robot Dogs Now Have Assault Rifles Mounted On Their Backs」。
   ついに《ロボ・ドッグ》登場!
 「ゴースト・ロボティクス」社と、「スウォード・インターナショナル」社はこのたびチームを組み、自動小銃を内臓して戦闘する機械犬を開発した。例のボストンダイナミクス社が先鞭をつけたロボット犬の背骨部分がアサルトライフル、頭部が銃口になったと思えばよい。足が生えて走り回る自動火器なのだ。

 自動小銃は、6.5ミリのクリードモア実包を使う。その特殊用途無人銃SPURを開発したのがスウォード社。それを載せるプラットフォームたる四足無人地上車両Q-UGVを提供するのがゴーストロボティクス社だ。

 Q-UGVは、すでにフロリダ州のティンダル空軍基地の警備に投入されている。ただしそっちは自動小銃とは融合していない非武装のタイプ。

 マガジン容量は、非公表である。再装填をどうするのかも非公表である。ゴーストロボティクス社によれば、初期状態では薬室には装填されておらず、リモコンで初弾を装填させるという。
 仕事が終われば、薬室から抜弾され、薬室が空になった安全状態で帰還するという。

 ゴーストロボティクス社いわく、この犬が発射するタマは1200m先でも正確に当たると。つまり乱射型の自動兵器ではなくて、狙撃を担任させるロボットだ。写真からは、銃口にサプレッサーがつくとも想像される。

 ※5.56ミリではなく、軍用に普及していない6.5ミリを選んだのは、1200mのレンジを最低重量で実現するためか。だったらボルトアクションの38式歩兵銃そのままでもいいよね。

 ※明らかに、米国には《メカドッグ》の非常に大きな市場があるのに、ベンチャー経営陣の誰もそこに気づいていないように見えるのは、間抜けな話だ。それは「機械警察犬」である。麻薬でラリっている体重120kgの巨漢を、生身のサツカンが取り押さえようとするのはリスクがありすぎるだろう。この「取り押さえ」を「警察のイヌ」に手伝わせることができれば、サツカンが悪党どもに対抗して体重を増やして不健康になる必要はなくなる。もちろんロボット犬に噛み付き機能を持たせることは簡単だがそれでは容疑者の手足が食いちぎられてしまうので行政として好ましくない。よって、飛びついてハグすることによって拘束する。どうやっても走って逃げられないようにするのだ。自転車や自動二輪車のタイヤにも前からとびついて、そのまま止めてしまう。そのような機械犬を複数、放つのである。まったく制御アルゴリズムとしては簡単だ。そして需要は絶大。《キカイヌ》にリーシュをつけておけば、手元スイッチで容疑者を「感電」させてやることも、催涙ガスまみれにさせてやることもできる。頭や尻から「投網」を射出することもできるはずである。警察用として対人識別のアルゴリズムが洗練されたら、その次は軍用だ。塹壕に立て籠もる敵の歩兵を最終的に始末する「自爆犬」になるだろう。

 ※対歩兵用の小火器と自走ロボットを組み合わせようとする場合、それは「蛇形」とするのが最も有望なのだという話は、ずっと前に拙著『AI戦争論』の第7章で論じてあるので、興味のある人は図書館で捜索してみてください。歩哨線突破のサイレント銃器にも、これが応用できる筈。

 次。
 Mike Stone 記者による2021-10-13記事「Pentagon says hypersonic weapons are too expensive」。
    DARPAの長いわく。
 げんざいロックマートとレイセオンがとりくんでいるハイパーソニックミサイルの試作。どちらも、1発つくるのに数千万ドルかかっているという。
 枯れた技術を用いるトマホーク巡航ミサイルが1発500万ドルであるのに比べ、高い。

 FY2022にペンタゴンが要求しているハイパーソニック研究費は、38億ドル。FY2021では32億ドルだった。

 次。
 Wyatt Olson 記者による2021-10-13記事「Air Force drops new 5,000-pound bunker-buster bomb for first time 」。
   F-15Eから5000ポンド(1発2.5トン)の地下貫徹爆弾を投下するテストが木曜に三回おこなわれ、三回とも成功した。
 この爆弾は「GBU-72 アドバンスト 5K 徹甲弾」といい、高度3万5000フィートから落とす。対北鮮用のスペシャルである。

 通常、F-15Eは2000ポンド爆弾を使っている。

 これより以前、「GBU-28」という古い5000ポンドのバンカーバスター爆弾があり、1991湾岸戦争から実戦使用されてきているが、それよりも各部を改良している。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-10-13記事。
    1958年いらい、人類は1万2000機に近い人工衛星を軌道投入してきた。
 2020年だけでも1200個である。尤も、そのほとんどは、重さ100kg以下のマイクロ衛星か、31kg未満のキューブサットだが。

 この調子だと、毎年5000機もの衛星が、新規に軌道投入されるようになる未来も近いだろう。

 そこで、1基のSLV(宇宙向け打ち上げロケット)の最終段から、いちどに多数の小型衛星を放出させる「ディスペンサー」という装置が注目される。その市場ニーズは右肩上がりだからである。

 欧州では、スイスのRUAG(ドイツ語の頭文字だが、英訳すると、アーマメント・コーポレーション)がほぼ、独占している。

 すでに、RUAGによって1000機以上の衛星が軌道に正しく投入されてきた。SLVそのものが失敗しない限り、このRUAGは100%機能してきたのである。

 RUAGは1979年に最初の1機の衛星を放出した。
 今日でも、10トン以上の衛星を軌道投入するときには、便乗衛星が無い場合がある。

 げんざいまでのところ、ひとつのRUAGがいちどに放出した最多の衛星機数は、31機である。



AI戦争論

中共は高度1万5000mを20時間飛べるジェットエンジンの無人機「WJ-700」を1月に初飛行させていた。巡航速度は600km/時。

 Tyler Rogoway 記者による2021-10-11記事「Why Multi-Billion Dollar Nuclear Submarines Still Run Into Things Underwater」。
    米海軍の原潜で20年間、ソナーマンをやっていたベテランである、アーロン・アミックに尋ねてみた。
 どうして最先端のセンサーを持つ『コネチカット』が水中衝突事故などに巻き込まれるのかと。

 短距離用の、高周波のアクティヴ・ソナーを使うと、海底の沈船や機雷は、測音員にとっては「視覚化」される。

 ところがアクティヴ・ソナーを使うと、こっちの居所を、そのソナーの反射が戻ってくる距離の2倍も遠くに位置する敵潜が、聴けることになっちまう。

 最先端の高周波ソナー(ハイレゾ・ソナー、マッピング用ソナー)は、前方と側方、5000ヤードまでの海底を「視覚化」してくれる。しかし敵潜は、そのアクティヴソナーの発信音を、1万ヤード以上も離れたところから、察知する。そうなったら、あとは、こちらに気づかれないように、こちらを尾行できるわけだ。

 だから、基本的に、潜水艦のアクティヴソナーは、手持ちの精密なデジタル海底マップと、現在の自己位置を照合するための、最初の1回だけしか、使わない。あとは、加速度計によって自己位置を推定し、パッシヴ・ソナーだけを頼って索敵する。

 慣性ジャイロの誤差が蓄積したところで、またアクティヴソナーを1回使い、海底地形との再照合を行なう。

 米海軍の潜水艦長に与えられているデジタル海底マップ(紙に印刷されたバックアップ地図もあり)は、頻繁に最新情報に更新されている。いままで知らなかった沈船にぶつかるといった危険は、だから、あまりない。

 ベトナムおよび豪州とは「この海域にはおれたちの潜水艦は出さない」と相互に相談して決めているので、南シナ海でベトナム潜や豪州潜と不意に衝突することは考えにくい。
 しかし、その2ヵ国以外の潜水艦とは、米潜は、いつ水中衝突してもおかしくない。

 ※わが海自潜は、台湾より南の南シナ海へは行かないという、対米取り決めがあると想像される。

 行動中の潜水艦は、背景ノイズにうまく身を隠せるような水域・深度を好む。互いにそう心がけているので、すぐ近くにいながら、互いの存在をパッシヴソナーで察知していないということは、普通に、あり得る。

 UUVは、旧来のSSNが侵入できないような浅く狭い海域にも送り出せるので、大流行している。UUVなら座礁してしまっても味方の人命はリスクにさらされない。SSNだと人命リスクだけでなく、大きな政治リスクも生じてしまう。なにしろ原子炉なので。

 ※長年、シーウルフ級しか行くことのなかった、ごく浅い、シナ海岸のすぐちかくで、最近増えてきたUUVと激突……というのは、ありそうな話だ。それは、米軍がマッピング用に放ったUUVかもしれないのだ。

 南シナ海の海底地形は、じつは、刻々と変化している。プレートテクトニクスが活発なので、海底が盛り上がったり沈降したり、常に変わり続けているのだ。おまけに海岸近くは、他国の領海なので、なかなか海底地図情報を更新しにくい。

 それに、ところどころ、突然深くなったり、突然浅くなったりしている。
 特に、垂直断崖のように、突然浅くなっているところが、危うい。

 水中で何かに衝突したときの手順は決まっている。最後は、海面の安全を確かめた上で、浮上するのが普通である。
 いったん浮上したら、また潜水することはない。そのまま修理港まで浮航で戻る。

 次。
 星条旗新聞の記事「USS San Francisco Sits In Dry Dock」。
    いまから16年前、SSNの『サンフランシスコ』が〔古いマップには載っていなかった〕海嶺に激突して艦首がもげ、浮上してグァムのアプラ港に入り、そこのドライドックで応急修理して、母港のピュージェットサウンド海軍工廠まで6500海里を自航して戻ったことがあった。

 このたび、またしても新鋭原潜の『コネチカット』が海中で何物かと衝突し、浮航によってグァムに辿り着いた。

 困ったことに、かつて『サンフランシスコ』を修理した乾ドックが、もうアプラ港には、存在しないのである。※モスボール?

 今は、浮きドックしかない。

 グァムでできることといえば、埠頭脇に繋留して、原始的な修繕を施すことまで。
 艦齢42年の「潜水母艦(サブマリンテンダー)」が1隻、グァムには所在するから、その乗員が、手伝う。他にもう1隻、テンダーがある。

 しかし不完全な修理では、ハワイかピュージェットまで辿り着く前に、まずいことになるかもしれない。『コネチカット』は34億ドルもしたのである。

 1995年に、もう冷戦は終わったというので、マリアナ諸島の修船施設が整理されることになり、それは1997に完了した。
  ※フィリピンからの米軍撤退は1992。中共がミスチーフ礁を占拠したのが1995。

 グァムの船渠が民営化されると、米海軍としては、むしろ外国の船渠に仕事を外注した方が安いということになった。
 グァムのドライドックは、仕事がなくなり、消滅した。2つあったのだが。

 第二次大戦中に建造されたフローティングドックの『リチャード』(YFD-64)は、2016に比島の民間会社に売却された。

 浮きドックの『マシニスト』(AFDB-8、通称ビッグブルー)は1980建造だが、2011ハリケーンで損傷したので、2016に中共に送って近代化改修してもらっているところだ。その改装工事はまだ終わっておらず、グァムには戻ってきていない。

 1990年代初めには、グァムには修船工が800人いた。今はその半分以下だ。

 次。
 Matthew M. Burke 記者による2021-10-12記事「Customizable command-and-control vessel arrives on Okinawa」。
    『ミゲル・キース』は、『ルイス・B・プラー』級の遠征拠点艦である。勝連崎にあるホワイトビーチに10月5日にやってきて、沖縄の第七艦隊および第三海兵遠征軍の将校が内部を見学した。

 飛行甲板は、ヘリコプター4機を同時に発着させられる広さ。大量のコンテナを運搬し且つ捌ける。

 母港はサイパン島である。が、それは帳簿上だけで、いつもあちこち動き回っている。
 艦名は1970にベトナムで戦死して議会勲章を死後授与された海兵伍長の名である。

 この艦は、作戦の指揮統制艦となる機能を完備している。

 後方のデッキハウスには40名の契約民間船員が居住している。運航は契約社員任せなのだ。
 前方のデッキハウスには100名の水兵が。彼らは5ヶ月ごとにサンディエゴ港にて、チームまるごと交替する。「ブルー」組と「ゴールド」組が用意されているのだ。

 海軍の最も大型のヘリコプター×1機を修理できる格納庫もあり。しかしウェルデッキはないので、揚陸艦のようにホバークラフトを吐き出すことはない。また飛行甲板はF-35Bの運用を想定していない。

 海軍は、機能性のコンテナをいろいろ開発している。ミッションに応じて、特殊コンテナを取り替えて行く。

 契約船員の厨房には「揚げ物調理器」がある。しかし水兵用厨房にはない。したがって、水兵たちは上出来のポテトフライにはありつけない。

 次。
 Jennifer H. Svan 記者による2021-10-12記事「Bombers refuel with mobile kit created by airmen during historic pit stop at Spangdahlem Air Base」。
    2機のB-1Bがこのたび、西部ドイツのスパングダーレム空軍基地に降り立ち、VIPER=汎用統合パートナー給油キット を試した。

 この地上給油装置は、ホットピット、すなわち軍用機がエンジンをアイドリングさせている状態で、急速給油してやることができる。

 4500ガロンの燃料を40分で入れてしまう。

 米空軍のあらゆる機種に対応する、この給油キットの重量はわずか375ポンドである。軽い。それじたいを空輸できる。そして、いかなる同盟国の飛行場でもこれを機能させることができるのだ。

 従来ならば、大型の「給油トラック」がないとできなかった仕事を、もっと簡便に機動的にやれるようになった。

 この装置を考えついたのは、じつは空軍の地上整備兵曹(マスター・サージェント)2人組。空軍は「スパーク・タンク」という発明改良コンテストを毎年開催しているのだが、今年、その最優秀賞の最終選考に残った5つの発明品のひとつだという。

 キットの構成パーツは、すべて基地の既存品である。

 はじめ、欧州基地のF-16で試し、調子が良かったので、全機種、そして全世界の基地にこれを適用することになった。
 この年末までには、太平洋の基地にも出現するであろう。

 次。
 Mychael Schnell 記者による2021-10-11記事「California to ban gas lawn mowers, leaf blowers」。
   土曜日、加州のニューソン知事(民主党)は、ガソリンで駆動される芝刈り機や、ガソリンエンジン付きの枯葉ブロアーを、大気汚染防止の観点から、販売を禁止するという州法に、署名した。
 2024-1-1以降は、売れなくなる。

 ポータブル発電機も2028年までにはゼロ・エミッションにしなくてはいけないという。

 オフロードエンジンをつけたこれらの機器は、加州では、大気汚染の小さからぬ原因なのだという。
 APによると、加州には1670万台もの、こうした小型エンジンが、存在する。これに対して乗用車は300万台。

 エンジン駆動で枯葉を吹き飛ばすポータブルマシンを1時間動かせば、それは、2017年型のトヨタ・カムリでロスからデンバーまで1100マイルをドライブしたのと、同じ量の大気汚染物質を放出するのだという。

 ※その前に、飛行機がとびすぎ なんじゃね? カリフォルニアでは。


あれほど高速で推進してきた米軍将兵に対するワクチン接種。強制命令も出ているにもかかわらず最後の詰めができず、フィニッシュできぬ情況。

 Holmes Liao(廖宏祥)記者による2021-10-8記事「China’s Development of Hypersonic Missiles and Thought on Hypersonic Defense」。
   中共のHGVである「DF-17」は、そのブースター部分を「DF-ZF」という。
 また中共は「Starry Sky(星空)-2」というHCMを開発途中である。
 ちなみに「ハイパーソニック」をシナ語で書けば「高超声速」である。

 CAS=中国科学院のIMECH=力学研究所が「激波風洞」(衝撃波風洞)を建設しはじめたのは2008年である。
 この風洞は2012に完成した。

 2020-4のCAS公刊誌によれば、この「JF-12」風洞は「星空」HGVの開発用に供されている。
 『サウスチャイナモーニングポスト』紙の2018-8-6記事によれば、星空2はマッハ6で巡航し、核弾頭を搭載する。

 JF-12風洞は、マッハ5からマッハ9の風を、130ミリセコンドの間、再現できる。データをとるにはこれで十分である。

 高度条件は25kmから50kmを再現できる。
 ショックトンネルがないと、スクラムジェットの燃焼が熱的に継続できるかどうかは、分からない。

 ハイパーソニック風洞は、JF-12の他に、四川省の綿陽市にあるCARDC=中国空気動力研究与発展中心(アエロダイナミクスのリサーチ&デベロップメント・センター)も複数、持っている。こちらは中共軍が直接に管理運用している。

 しかしIMECHのショックトンネルが、性能においてそれらを凌ぐと考えられる。

 IMECHレベルのショックトンネルは、NASAは1980年代から持っている。それに2010年代で追いついたということ。

 中共は130ミリセコの持続が世界記録だと誇っているのだが、例によって偽ニュース発信にすぎない。NASAはX-43Aの実験でもっと長い時間、ハイパーソニック環境をテストできている。

 2018-3からIMECHは、JF-22という別な風洞の建設に着手した。
 こちらは、デトネーションドリヴン=爆発駆動 による 超高速およびハイ・エンタルピーを再現する激波風洞であるという。

 この新風洞の場所は北京市の懐柔区。2020-12には、米軍における「PRR(プロダクションレディネス評価)」および「SVR(システムヴェリフィケイション評価)」に相当するステップを通過した。

 米国は愚かにもハイパーソニック研究の成果をオープンな学術会議で発表するものだから、シナ人はそこから最新情報を得まくりであった。
 たとえばNASAのグレン研究センターは、CFD=コンピュータを駆使した流体力学 のさきがけだが、そのアルゴリズムをおおやけの場で教えてやっていた。

 JF-12とJF-22の主務担当者である姜宗林は、2016年にAIAA=米国航空宇宙研究所から、地上試験部門の「賞」を貰っている。CFD業界では、体制を越えた交流が深いわけである。

 ハイパーソニック研究にはCFDの応用が欠かせない。中共はその智恵を米国人から取得できた。

 これは『ワシントンポスト』紙が2021-4-9に報じていることだが、CFDの前提がスパコンである。そのスパコンには米国で設計されたGPU、CPU、メモリーチップが必要で、中共はながらくGPUなど国産していなかったのである。そしてそれらを駆使してCFDを実行させるアルゴリズムも、米国人が考えたものだった。米国はこれらの知見を只でシナ人にくれてやった。

 このような技術知見の流出は、国家安全保障上のセイフガード発動の対象とされるべきなのに、現行の連邦法、たとえば「エコノミック・エスピオナージ法」によっては、規制はされないのである。

 CASIC=中国航天科工防御技術研究院 が、米軍のハイパーソニック兵器を阻止する防空兵器もつくらなければならないと提言したのは2012年である。

 まずは、800kmから1000km先からハイパーソニック弾の飛来を探知できるセンサー網の構築が必要だとCASICは指摘した。

 次に、リアルタイム迎撃のために、センサーが送ってくる膨大なデータを高速で処理し、ノイズを取り除き、敵のECMを妨害を凌駕できる、情報センターが必要である。

 次に、探知から迎撃判断、迎撃命令の下令から実行までの流れを最高に効率的に遂行できるように、政府と軍の組織図の洗練がなされなくてはならない。

 次に、大気圏内滞在型、および、大気圏外滞在型の、インターセプターを持つ必要がある。

 具体的にはCASICは、空対空ミサイルを、2012年時点では、考えていた。ただし、ハイパーソニック弾の高度から考えて、第一段階の「探知」すら難問であり、CASICにも見込みがある成案はなさそうである。

 中共には「中国空空尋弾研究院」という、空対空ミサイルの専門の開発機関がある。この研究院でも、2016に、対ハイパーソニック専用の衝突型AAMや、航空機搭載型のエネルギービーム砲を提案している。

 中共軍の中のSSF=「戦略支援部隊」の支配下にある「航天工程大学」は、既存の早期警戒機と地上レーダーもハイパーソニック防空の役に立つと言っている。
 それに加えて、高出力で高分解能のフェイズドアレイレーダーを陸上と軍艦に据えるべきであるとも。

 SSF内の複数の技師は、赤外線利用のセンサーは三次元の精密な標的追尾が難しいが、早期警戒の役には立つと言っている。それを宇宙に展開すべしと。

 旧第二砲兵の工学部大学校であった、現「火箭軍工程大学」は、ハイパーソニックの迎撃を、四段階で考えている。

 ファースト・ステージでは、敵のハイパーソニック兵器の発射を宇宙から衛星コンステレーションによって探知し、追尾すると同時に速報する。

 セカンド・ステージでは、衛星から知らされた標的を地上の早期警戒レーダーで捕捉する。
 サード・ステージでは、真標的とデコイとを識別し、指揮統制センターに知らせる。

 第四ステージでは、指揮センターが防空部隊に迎撃命令を出す。

 情報と命令の流れが「長鎖」を成していてはハイパーソニック迎撃には間に合わないので、組織を極限までフラットにして、リスポンス・タイムを最短化しなければならぬ――とも、中共軍の専門家は指摘している。

 AVIC=中国航空工業集団公司は、ハイパーソニック迎撃には、航空機に搭載したレーザー砲がいちばん有望だと推奨する。
 しかし航空機の振動が大問題となる。またハイパーソニック弾の頭部はセラミックで耐熱化されているので、レーザーの熱にも耐えてしまうかもしれない。

 ハイパーソニック弾の弱点は、その滑翔中、あるいは巡航中に、針路を多少変えられるといっても、航空機なみの旋回は不可能なことで、したがって、空対空兵器による迎撃に、最もチャンスがあるのである。複数の中共軍研究者は、無人機をプラットフォームとするのが合理的になると提唱する。

 中共の空軍工程大学では、無人機を海の上空、高々度に散開させて、長時間ロイタリングさせることによって、シナ本土に飛来するハイパーソニック弾を阻止することができないか、研究している。

 この無人機群は、センサー役と発射役とに分ける。センサー役には兵装を搭載しない。そして発射役には、重いセンサーは積まない。

 発射役の無人機は、1発の重さが250kgで射程200kmのAAMを各6発、抱えて飛ぶ。そんな構想。

 中共はMTCRに賛同していない。中共がハイパーソニック兵器を完成したら、それは、パキスタン、イラン、サウジアラビア、シリアにも売られるだろう――と米海軍協会ニュースは2021-5-18日付で予想している。

 中共をMTCRに加入させるためには、ぎゃくに、米国がMTCRの自主規制を脱し、台湾、日本、豪州に、長距離地対地ミサイルの技術を移転してやることが、有効かもしれない。もちろん併行して米軍も、長距離地対地ミサイルを中共領土周辺に展開する。そうでもしないと中共のコースは変わりはしないのだ。

 ※ここに「韓国」の名が挙げられていないのは要注目だろう。

 レーガン政権の国務長官ジョージ・シュルツは、米軍が中距離未満の核ミサイルを西欧に配備したからこそソ連はINFに合意したのだと言っている。同じことである。


豪州軍が採用したのは、電動自動二輪ではなく、電動アシスト自転車だったで御座る。

 Belmont Lay 記者による2021-10-7記事「Australia army introduces e-bike for outfield stealth missions」。
    豪州軍が「eバイク」(電動アシスト自転車)を採用したと豪州国防省が公表したのは10月6日のこと。ユーチューブでその模様を確かめることができる。ペダルがはっきりと映っている。

 それを吐き出している8輪戦闘偵察装甲車「Boxer」は、ドイツとオランダが開発した。豪州軍は2019年から受領しており、2026年までに211両取得する予定。

 豪州軍は2022までこのeバイクを試用し、2022に方針を確定する。

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 メーカーHP。
  ※このeバイクの商品名は「Stealth B-52」というらしい。それをメーカーのHPで調べてみた。

 電池は、2.0キロワットアワー容量のリチウムイオン。
 ピーク出力は6.2キロワットである。
 満充電は3時間で完了する。110ボルトもしくは240ボルト。

 フロントサスは200ミリ、沈む。
 リアサスは250ミリ沈む。

 モーター駆動による最高速度は80km/hである。モーターは前輪のハブに位置し、前輪だけを駆動させる。

 ペダルの力は後輪に伝えられる。ギアは9段変速。

 車体全重は51kg。

 身長193センチ、体重120kgの大男でも、問題なく乗れる。

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 2021-10-10記事「At least 16 dead after plane carrying skydivers crashes in central Russia」。
    ロシア中央部のタタールスタン共和国でスカイダイバー多数を載せた「L-410」機が墜落。16人が死に、6人が重症。

 墜落時刻は現地の午前9時20分。離陸の直後であった。

 この機体は1987年に製造され、所有していたのは、政府系の義勇兵協会。
 このパラシュートクラブは世界でも五指に入る水準なのだと会長は豪語していた。

 一ソースは指摘する。重量超過だったと。
 「L-410」はチェコの「Let Kumovice」社製の、ターボプロップ双発輸送機。

 ※察するに、ローテイトの直後に首輪を格納したら重心が後ろに偏り、急激に機首上げ姿勢になると「お客」も後方に片寄ってしまって、もはや昇降舵によっては機首下げ不能に陥り、直後に主翼上面から気流が剥離、失速墜落したのか? 「L-410」は最新型であってもパイロット2名+客19人しか乗れないことになっているのに、墜落機は古い型のようである。今日の肥満したスカイダイバーらが主傘と予備傘にビデオに防寒衣類をまとって、リミットを超えてしまったのか。だがこれまでずっとその流儀で事故が無かったのはどうしてだ?

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 ストラテジーペイジの2021-10-10記事。
    インド空軍はダッソー社から中古の「ミラージュ2000」×19機を3200万ドルで買った。主として、部品取り用である。ただし完全に飛べる機体も8機、混じっている。

 インド空軍はかつて「ミラージュ2000」を59機買い、そのうち49機が現役。

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 AFPの2021-10-10記事「Green energy springs from abandoned UK coalmine」。
    イングランドの北東海岸にダウドンという炭鉱があり、1991年に閉山になっている。

 坑道の一部は海面下だから水びたしである。
 しかし、この坑道には地熱があることが昔から承知されていた。
 この地熱のおかげで、坑道内の水は摂氏20度に温められている。

 この貯留温水を一次熱源とし、そこに上水パイプをくぐらせれば、上水を加温することができる。
 さらに、最新のヒートポンプで熱交換させれば、上水を摂氏55度以上に加温することができる。これは家庭用ボイラーとして十分な性能である。

 地元の1500戸が、この温水の供給を、新プラントから受けられるであろう。2年後を予定。
 英国では、この規模での地熱利用の試みは、初である。

 グラスゴー市で来月、「COP26」サミットが開かれる。ボリス・ジョンソン首相は、2035までに英国のエネルギーをすべてリニューアブル・ソースに切り替え、2050には国家としてカーボンニュートラルを達成するとブチ上げている。

 地熱利用はシステム設置と保守管理のコストがそれなりに必要だが、天然ガス熱源よりも、安価に温水を供給できる。
 オール電化システムで熱水を供給するのと比べれば、地熱温水のコストは四分の一である。

 ヒートポンブは、それを作動させるために、電力供給が必要である。よって、カーボンニュートラルではないのだが、省エネであることは間違いがない。

 次。
 AFPの2021-10-10記事「A.Q. Khan: Nuclear hero in Pakistan, villain to the West」。
   アブドゥル・カデール・カーンが新コロに罹り、イスラマバードの病院に入院していたが、日曜日に死去した。85歳。
 パキスタンの核武装国化を実現し、イスラム圏に初の核爆弾をもたらした。

 北朝鮮、リビア、イランに、カーンが核兵器製造技法を教えたと西側世界は糾弾している。
 この糾弾を承けてパキ政府は2004年にカーンを自宅軟禁。

 2006年に前立腺ガンと診断されたが、手術で快癒した。
 自宅拘禁は2009-2に解かれたが、外出するときはパキ警察の厳重な護衛付きであった。

 カーンは1936-4-1にインドのボパール市で生まれた。
 1947の印パ分裂のとき、家族はパキスタンへ移住。

 1960年、カラチ大学で、科学の学士。ベルリンに留学して冶金を修め、さらにオランダとベルギーでも学んだ。

 彼のミッションは、ウランの遠心分離機をパキ国内で設計・製造することだった。それがないと原爆級のウラン濃縮はできないのである。

 カーンは、当時オランダにあった、英蘭独合同の核技術合同研究機関である「ウレンコ」から、遠心分離機の設計図を盗み出した。

 カーンがパキスタンに戻ると、当時のブット首相は、立ち上げたばかりのウラン濃縮事業の主任に、彼を指名した。

 1978年、濃縮成功。1984年までには、最初の原爆装置を組み立てた。これはカーンの後年の回顧証言である。当時の世界はまったく把握していなかった。

 1988、核実験を強行。これは世界を驚倒させ、パキスタンは世界から経済制裁を受け、同国経済は暗転した。

 2001-3、米国政府からの圧力に屈したムシャラフ大統領は、カーンを「カフタ研究所」の所長から解任、カーンは一特別顧問の身分になった。

 1990にパキスタンの国際問題研究所で講演したカーンは、濃縮装置の部品を海外から掻き集めたと語っている。パキ国内で国産できる部品は限られていたのである。

 この発言についてムシャラフは、余計なことを話したとしてカーンを譴責した。

 2008に自宅でインタビューしたAFP記者に対してカーンは、この発言は、核兵器拡散の犯人がパキ政府ではなくじぶん個人にあったとする自己犠牲行為だったのだと答えている。つまり本当はパキ政府が拡散させていた。

 パキスタンではカーンは英雄であった。それでカーンはじぶんで政党を組織し、2012-6に111人の候補者を立てたが、全員、落選した。

 同年、ウルドゥ語の新聞に暴露した話も世界を震撼させた。カーンは、ベナジール・ブット首相(2007暗殺)の命令に従い、2つの外国に核技術を移転した、と語ったので。国名は明かされなかった。

 晩年のカーンは新聞に意見記事をたびたび寄稿し、科学的な教育が大事だと訴え続けた。


「レジ袋」は、どうすりゃよかったのか?

 新規に発生する「金銭負担」と「手間」は、いかにも正当であるという思いを、商店主と買い物客の双方が持てるような制度でなかったら、それは「悪い行政指導」だ。

 商店には、次のことだけを義務化するべきであった。
 すなわち、売り子がカウンターで適切と考えて取り添えたサイズや枚数を超越するサイズや枚数のレジ袋を客が要求してきた場合、要求に応える前に必ずその「対価」を受け取らなければならない、と定めるのである。

 そして商店には、次の自由選択があることを同時に強調するべきであった。
 すなわち、「レジ袋は要らない」と申し出た客に対しては、商店側の自主ルールに基づき、各種の報酬を返戻することができること。それはポイント加算の形であっても構わないし、現金返戻であっても構わない――と。

 これによって、人々の合理的な手間の範囲内で、レジ袋消費の最少化がしぜんに誘導できたはずである。誰も損はしない。

 しかし環境省の役人はもっと高次の懸念に脳内を占領されていたのだろう。すなわち、近未来に、西側先進諸国が一斉にレジ袋を禁止してしまった暁に、日本だけが依然としてそれをふんだんに使いまくっているということになったら、「太平洋汚染の主犯は日本人だ」というブラックプロパガンダの槍玉にあげられてしまう――との悪夢だ。とにかくそれを回避することを急いだのだろう。
 たとえば次の報道を見よ。

 次。
 KIRO 7 News Staff による2021-10-1記事「Statewide plastic gag ban now in effect」。
  米西部ワシントン州では、使い捨てのレジ袋の禁止は2021-1-1から全面施行される予定であったが、遅延していた。ようやく禁止化された。

 レストラン、小売店、零細商店、大型雑貨店にこの州法が適用される。それらの店では、使い捨てのプラスチック袋は渡してはならない。

 州知事によって施行が延期されていた理由は、禁止するプラスチック製レジ袋に替わるべき、紙製もしくはプラスチック製の、環境的に正しい袋の生産が、間に合わないから。

 州の環境局いわく。プラスチック製レジ袋は他のどの「散らかし物」よりも環境を汚染していた、と。

 まずそれらを製造する段階で、有害物質が放出される。それを使用し、それを燃やし、あるいはそれが屋外で腐朽するにまかせると、その過程でも、有害物質が放出される。

 プラスチック製レジ袋はリサイクルも簡単ではない。そんなものをリサイクルさせていたらその作業員の健康が危うい。
 回収してまたレジ袋として再利用させようとしても、レジ袋はとても機械に詰まりやすいので、作業計画の見込みがとても悪い。そもそもレジ袋は一回使ったら孔が開くレベルの耐久性で設計・製造されているから、再利用させようという発想そのものが現実的ではない。その線は駄目である。

 新法では、小売商店主は、紙袋、または、新規格の合法プラスチック袋に商品を入れて渡したら、その袋1枚につき、8セントを必ず徴集しなければならない。
 ※袋の大きさは関係ないようである。

 食料切符を州政府から支給されている貧乏人らは、袋の代金を負担する必要なし。

 従来のようなプラスチック袋の提供がひきつづき許される商店も指定されている。たとえば肉屋。処方箋調剤薬局。新聞。ドライクリーニング。

 とにかくこれで、ワシントン州の河川に浮かぶレジ袋のゴミは減るであろう。

 ※ならばわが環境省はどうすればよかったのか? 「第三のレジ袋素材」の研究を、先手先手で国内の中小企業や大学に、コンテスト形式で、けしかけ続けるのが、筋であったろう。紙のように木材を原料とするものでは、外国のエコマフィアは納得せぬだろう。屋外に捨てられたとき、適宜のスピードで分解して行くものである必要もある。特に塩水に浸かったときは、すぐバラバラになることが望ましい。珪素、蜘蛛の糸(タンパク質)、等々、候補は無限に考えられるはずだ。今からでも遅くはない。


電動オートバイで長駆偵察をさせるのではなく、ラスト数kmの隠密敏速偵察をさせるという発想。

 Haryo Adjie 記者による2021-10-9記事「Australian Cavalry Use Electric Bikes for Reconnaissance, “More Stealth and Healthy”」。
   ウクライナ軍の装輪装甲偵察車BTRは、車内からドローンを飛ばす仕様となっているが、このたび豪州軍は、箱状の8輪装甲車内から有人の電動バイクを送り出す、戦場偵察方法を研究開始した。

 オーストラリア陸軍の第14軽騎兵連隊(クインズランド州)が、「Boxer」戦闘偵察車両(CRV)を使っている。ヴィークルと呼ぶが、2輪の電動バイク(eバイク)である。

 最高時速90km、航続距離は100kmだそうだ。

 従来の内燃機関の自動二輪車よりも馬力は小さいのだが、軽量であるため、路外でより速く動けるという実感があるという。

 音も排気臭もしないので隠密偵察にはうってつけだ。

 ※詳しい説明の無い記事だが、写真から想像するに、1台の装甲車から、電動バイク×2台を吐き出すのではないかと思われる。車内には充電設備(または交換式バッテリーのストック)があるのだろう。この着想が優れているのは、電動バイクに無理な航続力を要求せず、それによって軽量・コンパクトで高性能にできたこと。しかもバイク1台の単価は抑制されるだろうから、実戦では、やむをえず使い捨てにして徒歩で帰還するとしても、惜しくはない。

 次。
 Harry Valentine 記者による2021-10-8記事「Breakwater Innovation to Manage River Flooding」。
    いまから1000年以上前、南米のマヤ人たちは、支流の標高の高いところで水流を制御することが、下流域の氾濫洪水を防止するのによい、という治水工学の見識を獲得していた。

 そこで最新の提案。現代において、よく水害が起きる地域の上流支流部に、テトラポットのダムを築けば、水害は起きなくなる。

 テトラポットのことを南アではドロスという。最大80トン。
 そもそも南アで1963に発明され、翌年、同国のイーストロンドン港の護岸用に初めて敷設されている。
 英文ウィキペディアによると、コンクリートには鉄のウィスカーを混ぜることもある。
 ドロスはアフリカーンズ語(オランダ語系)で、複数形はドロッセ。