イラストレーターは常時募集中です。YouTubeの提案も待ってるよ!

 Ray Payne 記者による2022-5-15記事「Uber-style tech helped wipe out almost entire Russian battalion」。
   「GIS Arta」は、ウクライナ人のプログラマーたちが、英国のデジタル・マッピング企業と合同で開発した、シチュエーション・アウェアネス・システムである。
 ユーバー・アプリのようなノリで、味方砲兵から射撃可能な位置に出現した敵目標に対する精密な砲撃の諸元指南〔おそらく方位角と距離、比高。射角や装薬は砲側で決めればいいから〕を、ひっくるめて2分間弱で済ませてしまう。従来であれば、標定だのなんなので、効力射までに20分間以上も要するものだった工程を、革命的に短縮したのだ。

 ユーバー・アプリは、乗車希望の客がいる位置の、最寄の場所を走っている車両ドライバーに、その客をピックアップするように指示を飛ばす、自動案内システムである。

 この「客」がロシア軍部隊、「私設タクシー車」が、味方の砲兵だと思えばよい。
 味方の偵察ドローンや、斥候、対砲レーダーが、敵の戦車、トラック、自走砲等の出現を偵知するや否や、そこにタマが届く味方の砲兵に、超速で射撃の指示が飛ぶ。そんな感じだ。

 だが、全自動ではなく、射撃統率司令官がいる。その司令官だけが暗号回線で閲覧できる端末に、戦場情報マップが示されるわけである。だから、人間が攻撃目標と攻撃手段をチョイスし、命令を与えるシステムだ。

 攻撃可能な味方の砲兵が複数あったばあい、射撃コンピュータのアルゴリズムが、最も適当と思われる砲を推奨する。それを射撃統率司令官が、選べばいい。

 このシステムがさっそく大戦果をもたらした。シヴェルスキー・ドネツ川を渡河せんとした露軍車両が、2日間のうちに70両以上、砲撃によって殲滅されてしまったのだ。

 「GIS アルタ」の協同開発は、相当前から進められていた。そして2014年5月には、ウクライナ軍に導入されたという。

 このシステムは、味方砲兵が「放列」を崩して、バラバラに離れた位置から砲撃しても、初弾の弾着がほぼ同時になるように、調整してやることができる。このようにされると、露軍の「対砲レーダー」は混乱し、こちらの砲兵の位置を標定できなくなるのである。

 露軍側砲兵にはこんな気の効いたシステムはないから、砲兵の射撃中隊は、一箇所で「放列」をつくらなければならない。それはこちらの砲兵としては、好いマトだ。

 「GIS アルタ」を、どの部隊が使用しているかなどの詳細は、秘密にしておく価値があるので、公表されていない。
 数は、「けっこう多い」そうである。

 ウクライナ軍は「対砲レーダー」に大いに助けられている。敵の放った砲弾や地対地ミサイルが、着弾する前に、狙われている味方の部隊に対して「そこからすぐ移動しろ」と警報できるのである。

 イーロン・マスクが提供した「スターリンク」通信網が、この「GIS アルタ」を機能させるために、役立っているという。「GIS アルタ」のチームは、マスク氏が開戦初盤にすばやく衛星通信環境を提供してくれたことに、強く感謝している。

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 The Maritime Executive の2022-5-16記事「MOL Partners to Develop Tilting, One Rotor, Floating Wind Turbine」。
   日本の三井OSK商船は、オランダのベンチャー会社「タッチウインド」が提案する、「水平回転一枚ペラ」の「傾いたフローティング風力タワー」の協同開発をすることに合意した。

 タッチウインドの創設者、リクス・ファンデクリッペ氏の発案は、「凧」の機能を回転翼に与えるというもの。
 このブレードは、花時計のように水平面を回転するもののようだ。
 ブレードが1枚なのでコストが抑制され、しかも、より大きな発電力を得られるという。

 支柱は、洋上風の強さに応じて、自動的に傾きを強める仕組み。こうすることにより、強風が吹くからといっていちいち発電を止める必要が、なくなるのだという。
 テストでは、風速70m/秒でも、問題がなかった。
 従来の風力タービンは、風速25m/秒で、発電中止となるのだが。

 フローティング型なので、陸上でぜんぶ組み立てて、それを所定の海面へ曳航して、錨をおろせばいい。
 長さ200mの一枚ローターを使うと、起電力は、12.5メガワットだという。


四月二十九日に打ち上げられた「コスモス2555」が高度を維持できず5月18日にアラスカに墜落する模様。

 偵察衛星だろうから、できるだけ低軌道から撮影させようとしてしくじったのか。

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 Kimberly Johnson 記者による2022-5-16記事「Marine Corps To Advance Uncrewed VTOL Program」。
   有人ヘリコプターの無人化では老舗であるカマン社が、最新型の、無人で荷物を運んでくれる海兵隊用の後方補給ヘリコプターを開発していて、その形状が明らかになった。

 これは最大で2名の乗員の添乗も可能なのだそうだが、従来とはあべこべに、無人のクォッドコプターをそのまま巨大化し、申し訳に、「しょーがねーなー、乗っけてやっか」という感じて人も乗れるようにしてやっている……ような感じ。

 この巨体ドローンは800ポンドの荷物を垂直にスリングで持ち上げ、そのまま523海里〔=968km〕、運搬することが可能である。

 他に、民間輸送市場を狙っている「ベータ・テクノロジー」社(ヴァーモント州)は、20kgの荷物を運搬させる電動モーターの垂直離着陸ドローンを開発せんとしている。

 「ピピストレル」社は、今、「ヌーヴァ」という垂直離着陸ドローンで20kgの荷物を輸送できる目処をつけているが、これを300kgに拡大するつもりらしい。

 輸送大手のFedEx社は、ベンチャーの「エルロイ・エアー」社と組んで、500ポンドの荷物を持ち上げられる垂直離着陸輸送無人機を、来年、試験飛行させられる見込みだという。

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 Ocean News の2022-5-9記事「Rotech Subsea Provides Key Inter Array Cable Repair at Dutch Offshore Wind Farm」。
   洋上風力発電の建設でめんどうなのが、そのタワーから岸までの海底埋設ケーブル。海底の泥の中、深さ1.5mに、ケーブルを埋めてやらなくてはならないのだ。
 保守点検では「埋め直し」の作業もしなければならない。

 この面倒な作業を自動化する水中作業ロボットを、「Rotech Subsea」社が開発した。

 北海は、海岸からかなりの場所まで、水深がせいぜい20mとか30mの浅海が続いている。だから、深海作業機にする必要はない。そこが都合がよい。

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 2022-5-16記事「Teaching underwater stingray robots to swim faster and with greater precision using machine learning」。
   シンガポールの「技術設計大学」でこのたび「頴娃」形のUUVを開発。
 エイがヒレを動かすように、円盤状の人造ヒレを動かさせるのだが、どう制御すれば効率的な推進力を水中で発揮するようになるか、マシン自体に学習させるようにして、制御アルゴリズムを洗練した。

 「バイオ・インスパイアード・ソフト」というアプローチだ。

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 The Fish Site の2022-5-12記事「Can cod farming make a profit?」。
   ノルウェーの海洋養殖センターは、「鱈」の養殖に挑んでいる。

 ハードルはやはりコスト。
 魚肉1kgを増やすのに、費用が40クローネ~43クローネ(4.09ドル~4.4ドル)で済むようにしないと、天然タラを漁獲するのとくらべて、市場競争力は無いのである。

 海の魚も「家畜化」する。ノルウェーの試験場では、すでに5世代を連続養殖し、いま、6世代目を育てているが、このくらいになると、もう「脱走」しなくなるという。生育もますます快調なペースになってくれる。

 その顕著な性格変化は、5世代の時点で起きたという。

 鱈は、1尾が2kg以上あるなら、市場は大歓迎だ。

 そして、第五世代の養殖タラは、平均して、一尾が3.85kgにまで肥ってくれた。22ヶ月から23ヶ月で、である。
 10年前に養殖試験を始めたころは、こんなに大きくはなってくれなかった。

 餌の量も、昔よりは少なくて済むようになっている。個体の性成熟を回避させる技術が、この低コスト化に貢献している。

 養殖途中で死んでしまう率も、今では14%まで低下した。

 ノルウェーの養殖鱈は、最大5.0kgまで肥らせることができている。
 タラは、ハラワタを抜いて頭を切断すると、残る身の重さは63%である。

 稚魚は117グラムである。ここから、平均3.85kgまで大きくするのだ。
 鱈を1kg肥らせるのに必要な餌は、1.24kgである。


謹告。このたびユーチューブに作品をUpしたので、5分間ほどお時間がある方は、お楽しみください。

 タイトルは《「働かなくとも食べられる社会」を求めて 第一回》です。

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 ストラテジーペイジの2022-5-16記事。
   米国は200両の「M113」APC(おそらくA3型で15トン前後)をウクライナに供与したが、これは米陸軍と予備軍においては現用品なので、まだ数百両を送る余裕がある。

 装軌式のこの装甲車、6000km走行するごとに、履帯を新品と交換しなければならない。2条1セットで、1万ドル以上かかる。最高速力も、道路上であろうと、65km/時までしか出せない。

 ロシア軍の「BMP-3」は19トンである。100ミリ低圧砲と30ミリ機関砲付き。この100ミリの砲身からレーザー誘導弾も発射できる。※だからびっくり箱になる。

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 indomilitary の2022-5-16記事「BMPT Terminator ―― Become an MBT Protector, Born to Face War in the Cities」。
   ロシアはウクライナ戦線に、約9両の「BMPT」を持ち込んでいるという未確認情報がある。

 T-72のシャシに、市街戦用の火器として、30ミリ連装機関砲、同軸7.62ミリ機関銃、30ミリ擲弾発射機、4基の対戦車ミサイルを、七つ道具のように乗せたもの。

 配備が開始されたのは2005年。
 露軍の目論見では、市街戦に投入するMBT×1両につき、このBMPT×2両を「護衛」に付ければいいんじゃないかというものだった。

 郊外ではこの比率は逆転させ、MBT×2とBMPT×1がチームになる。

 ロシア以外では、カザフスタン軍とアルジェリア軍が、BMPTのユーザー。

 BMPTは5人乗り。V-9エンジンで1000馬力。全重48トン。

 ※T-72の既存車体を安く再利用するという着想はよかったが、武装を欲張りすぎて48トンにもなっていたのか。それで1000馬力では、ウクライナの地質では使い物にならんわけだ。割り切りが悪すぎる。たんにT-72の主砲を重機関銃に替えて、車内に補助乗員を随意に2名追加できるくらいの、余裕があるコンセプトにしておけば、成功したかもしれない。すくなくともびっくり箱にはならずに済む。

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 Kamil Galeev 記者による2022-5-16記事。
   4月20日のこと、ロシアの国会議員、セルゲイ・レオノフは、ウクライナ人の捕虜に強制献血させろ、と発言した。
 この議員の所属する政党は、この前死んだジリノフスキーの党だと知れば、納得の発言だろう。
 ジリノフスキーが欠け、政党の存在感が無くなりつつあるので、必死なのだ。

 名物男だったジリノフスキーの葬儀には、プーチン、メドヴェジェフ、キリレンコ、ショイグ、ナリシキンらが参席した。
 棺の脇には「死骸警固兵」が佇立する。これは国家的葬儀での栄誉礼のひとつだ。
 死人にさいごの挨拶をしに近寄る者が死人を冒涜しないように、佇立しているのである。

 ところがプーチンが近寄ったときだけは、この棺衛兵は、その場所からどかされた。
 さすがである。
 プーチンは、誰一人信用しない。あらゆる兵隊がじぶんに害を為す可能性があると恐れているのである。

 ところで世間はジリノフスキーの生前の演技に騙されていただろう。彼は意図的にピエロを演じていた。
 ジリノフスキーは文系のインテリである。アジア・アフリカ諸国研究所というハイランクの教育機関でトルコ語を専攻した学究なのだ。

 ロシアでは、若い学生が、政府の安全保障系の専門エリートとして立身を夢みるならば、東洋文学や東洋史を専攻するのが、近道なのである。あるいは南欧語の言語学の専攻……でも可い。通訳級の外語専門家に、まずは、なることだ。

 ポルトガルはアンゴラとモザンビークに植民地をもっていた。だから、アフリカに干与したいロシアは、ポルトガル語の専門家も必要とするわけである。イゴール・セーチンを覚えているか? 2008~2012の副首相だが、彼はポルトガル語を専攻していて、プーチンから抜擢された。

 プーチンを権力者に押し上げた功労者のひとり、セルゲイ・ドレンコも、やはり、スペイン語とポルトガル語の言語学専攻学生だ。

 もともと中東語だとかスペイン語(植民地宗主国語)だとかの学問と、ロシアのエリート社会が、重なっていたわけじゃない。両者はまったくの無関係であった。

 ところが、冷戦中の国家の要請が、非エリート階層出身の外語学生たちに、中央エリート入りの道を与えてくれたのである。その伝統は、今もある。

 1990年代以降、東洋関係語、アフリカ関係語の語学生は、エリートの卵である。彼らが体制に反対する理由がどこにあろう? だからロシア人の身体検査をするときは、まず学生時代の専攻を洗え。

 では、1990年代以降、不満を抱いているインテリは誰か? ロシア支配域内の非ロシア民族出身者で、じぶんの出身民族の文化や歴史を研究した学生である。かれらは絶対に中央では出世できない。それで、地元で権力者になりあがっていることが多い。

 ロシア圏域の政治が、「人民」によって変わるなどとは、絶対に思うなよ。
 この圏域の政治は、エリートが握っている。エリートだけが変えてしまう。

 エリートは、人民によっては、けっして、おびやかされない。エリートは、「対抗エリート」によってのみ、地位をとってかわられる。90年代の特殊語学生は、モスクワにおいては、「対抗エリート」のホープ層だったのだ。

 ロシアがこれからどうなるか知りたいか? だったら、次の「対抗エリート」に浮上しそうな層を調べなさい。「人民」を研究しても無駄である。

 地方のボスや、地方の利権集団を調べることも、有意義である。西側に出て目立った活動をしているプーチンのとりまき連中は、ざんねんながら、「次の対抗エリート」ではない。そんなのに注目するのは、無駄骨だ。プーチンが失脚すれば、彼らひとりひとりは、只の落ち武者。

 次。
 台湾メディアによると、プレデターもどきの国産無人機「騰雲二型」が、佳山基地をとびたって台湾東沖で3時間飛行し、テストに成功した。
 ※この「二型」というのは「2号機」の意味らしい。「一型」は2022-2-18に台湾国内の湖に墜落して全損しているのである。

 なお台湾は米国から「MQ-9B」(非武装型のスカイガーディアン)も、買うことができている。それと併用して行くつもり。

 ※米国企業が「Wolverine」という、クォッドコプターながらマジックハンドがついていて、物(小型爆発物や、偵察ロボット)を投下したり、ぎゃくに地面から物(同じ重量の墜落UUVでもOKらしい)を掴み上げたりできる軍用級のUUVを完成している。これを台湾語に訳すと「金剛狼」になるらしい。なぜこのドローンが、対宇援助用に量産させられていないのかは、謎。やはり部品のサプライチェーンが詰まっているのか。


YouTube チャンネル云那さん

「働かなくとも食べられる社会」を求めて 第一回 スクリプト/兵頭二十八

クオッド仔豚ぁ

 Nicholas Slayton 記者による2022-5-15記事「Ukraine is now using Russia’s own tanks against them」。
   敵から取った駒をこちらの駒にして使えるルールがあるボードゲームとして「Uno」がある。それと同じ現象がウクライナでは起きている。

 NYTの記者がハルキウからリポートしてくれた。トラクター工場にて、鹵獲した露軍の戦車を工員たちが修理し、それを次々にウクライナ軍の装備にしているのだ。

 ついでに、遺棄された敵車両内に作戦文書などの情報が遺留していないかも捜索する。
 また、破損が酷くて再生できない車両は、部品取りに回す。

 工程の最後に、カモフラネットを被せ、テストドライブしてから、味方部隊へ引き渡す。

 良いコンディションで鹵獲した敵の戦車は74両にのぼるとウクライナ側では言っている。それに対して、戦場で破壊されたウクライナ軍戦車も70両以上はあるはずという。

 ※雑報によると、アルメニアに停戦監視のために配備されていたと思われる露軍のAFVが、塗装を上塗りされて、あらためてウクライナ戦線に持ち出されていることが、確認されている。APCも底をついているのだ。

 次。
 2022-5-10記事「Teledyne FLIR Defense Introduces New Laser Target Designator Payload for Small (Group 1) Unmanned Aerial Systems」。
   米国の「テレダインFLIRディフェンス」社は、マルチコプターに吊るすことができる重さの、本格的なレーザーデジグネーターを開発完了した。商品名「ストームキャスターDX」。NATO規格に合わせてあり、これで将来は西側軍の戦術ミサイル等を誘導できる。

 このメーカーは「テレダイン・テクノロジーズ」社の子会社。
 とりあえず「FLIR R80D スカイレイダー」という既存のマルチコプターに取り付けてみた段階だ。

 デジグネーターの重さは1250グラム。

 ※アゾフ製鉄所など南部都市を囲んでいる露軍を排除できないのは、そちら方面ではウクライナ軍の後方連絡線が細くて、航続距離の短いマルチコプター型爆装UAVの大量投入に至っていないからだろう。固定翼型自爆UAVの「スイッチブレード」の投入が待たれていると思うが、この記事のようなシステムでも、いいのだろう。ただし、今次戦争には、こいつは間に合いそうにない。

 次。
 2022-3-24記事「UAS Unveiled with Integrated EOD Ground Robot」。
   マルチコプターによって、地上走行型のロボット車を吊るし、それを敵地に降ろしてやる。そのようなシステムが完成した。

 母機のマルチコプターは「ヘヴン・ドローンズ」社の「H100 ロボ」。吊るされる無人車は、「ロボティーム」社の「マイクロ・タクティカル・グラウンド・ロボット」。

 ※塹壕や地下陣地に籠もっている頑強な敵歩兵を排除するためには「蛇型ロボット」が必要だと私は思っているのだが、小さいロボットはすぐに電池がなくなるので、長距離を移動させることができない。敵前までの移動を、別手段でさせる必要があるのだ。こうした「親子式」の運用が、その解決法になるだろう。

 ※非力なクォッドコプターで、重い爆弾を運搬させる方法はあるか? ある。ペイロードと同じ浮力のアドバルーンをつけて放てばよいのだ。爆弾を投下する瞬間に、バルーンも切り離す。あとは、本体のクォッドコプターだけが、飛んで戻ってくる。


日本の原発技術者たちには「政治的課題」を解決しようという意欲・視点がない。だから自民党から見放される。

 日本の原子力エンジニアは何をすべきなのか? 「政治的課題の解決」である!

 どうして、票田に関連施設を抱えていない大多数の自民党議員たちが、原子力を見放しているのか、原発村の技術者たちがわかってないのは、困ったことだ。

 ロシア制裁と戦乱にともなう地球的なエネルギー危機は、おそらく2年~5年スパンの嵐となって、わが国を襲うであろう。

 しかるに日本の原子力村ときたら、あいかわらず「20年~30年スパン」の事業案しか、呈示し得ないのである。おまけにそれは社会の危機を解決してくれるものではなくて、ただの「一里塚」。

 そんなものしか呈示し得ないことに開き直り、国が30年スパンで予算をつけたり汗を流すのは当然だとまで錯覚している集団なのである。

 彼らには、日本の「政治的課題」の解決に、貢献する意思がないようだ。いままでとは全然別な角度の提案が必要なのだ。それが無い。
 だから自民党の方から、原発を見放すようになる。しかたのない流れではないか。

 プライオリティーは「廃棄物」の未来活用だ。これは「処分」ではダメだ。それは政治家に大荷物を与えるだけ。庶民の気持ちも明るくならない。政治家から見て、何の魅力もない。そんなものが「正答」だと思い込んでいるところに彼らの脳内の限界がある。

 「活用」でなかったら目はないのだ。「活用」は、一挙に社会問題を解決するレベルである必要はない。庶民の気持ちを明るくするものなら良いのだ。それなら政治家にとってマイナスの荷物とはならない。それであれば、票田的に無縁な政治家も、協賛する気になる。

 次。
 2022-5-13記事「Tidal blade facility to be at leading edge of green energy testing」。
   荒海の潮流の力を受けて駆動する75トンのタービン発電機。それも、寿命20年間を目指す。その応力耐性試験が英国で始まる。

 これは英国政府の肝煎りでスコットランドの海岸が選定されている。エジンバラ大学が全面関与。

 潮流を受けるブレードの長さは50フィートもある。

 ※潮流発電は、外海に設置すれば、海象の猛威に負けて、見込みより早く壊れる蓋然性は高い。しかし、この案件は庶民の心を暗くしない。失敗したとしても、政治家たちにとって大荷物になるわけではない。したがってどの政治家も、これに賛成することで得点が稼げる。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-5-15記事。
   露軍の野砲兵は、6門で1個中隊。それが3個中隊で、1個砲兵大隊を成している。
 しかし宇軍の砲兵はそんな部隊編制を守る必要がない。

 1門だけで行動することができ、それがスタンダードになるかもしれない。まさに、あたらしいトレンドを創っている。

 2014に目を醒まされたウクライナ軍の砲兵部隊は、「対砲兵」の腕を磨いた。ロシアはかならず次の侵略をしてくると分かっていたからだ。
 それが今次戦争では著効を発揮している。ロシア軍砲兵が、「対砲兵戦」を嫌い、都市砲撃に熱中している理由の一つでもあるだろう。

 宇軍の砲兵は、たった1門で移動し、陣地進入し、2発ばかり射撃したら、すばやく陣地を変換してしまう。「放列」を布置しないわけだ。そんな流儀に対して、露軍は「対砲兵戦」を組み立てようがないだろう。たった1門では「段列」も空から見極められない。

 じつはウクライナも国産の155mm榴弾砲を生産している。「2S22」という装軌のSPで、今年から部隊配備が始まったという新品だ。
 その製造拠点であったハルキウ・トラクター工場は、開戦初盤から露軍の砲撃の目標にされて痛めつけられた。しかしウクライナ側は、生き残った機械をルーマニアに移転して、そこで3月に生産を再開した模様。戦時の工場疎開をやってのけたのだ。

 ※これが本当ならルーマニアにも工場投資の価値がある。デュアル能力工場を扶植することで、NATOの弱い翼を強化して、ロシアの滅亡を早めてやることができる。

 西側で最軽量の牽引十五榴であるM777は、イギリスで設計された。わずか4トンである。※FH70は10トン弱だった。隔世の観あり。

 しかも照準システムがコンピュータ化されていて、初弾を正確に発射するまでの時間が、ことのほか短い。だから米海兵隊も愛用中だ。

 ウクライナ軍が開戦後に援助された多連装ロケットは、いまのところ、すべて122ミリのソ連規格で、ポーランドおよびチェコ共和国からのプレゼントである。ゼレンスキーは米軍規格のMLRSかHIMARSをさらに要望しているようだ。

 次。
 Jedrzej Graf 記者による2022-5-13記事「Hyundai Rotem: we propose a digital Wilk MBT and a Polish Korean Wheeled Armored Vehicle」。
  ヒュンダイロテム社がポーランド軍に韓国戦車を売り込み中。

 K2戦車の120mm砲は韓国内製。サスは油気圧。
 韓国でも採用されたばかりなので、これから30年、メンテナンス体制が維持されることは約束できる。

 K2は、ポーランド、ノルウェー、エジプトに提案されている。

 ノルウェー版には、イスラエルの防護システムと、コングスベルグのリモコン銃塔が付く。
 無線機はノルウェー製を積む。

 エジプトは、1000両のM1戦車を擁しているが、その他にT-55/62やM60も合計1000両くらい、抱えている。それを更新したがっている。

 韓国はポーランドに対し、製砲技術、油気圧サス、自動装填装置の技術移転をしてもいいという提案付き。
 その移転は15年以内にできるだろうという。

 以上、エンジンとトランスミッションはどうするつもりなのかについて、一言の説明も無し。


トルコは表向きはプーチンを怒らせないよう演技しているが、本音はロシアの破滅のためにはなんでもする。

 Dan Sabbagh 記者による2022-5-15記事「‘War-enabling, not war-winning’: how are drones affecting the Ukraine war?」。
   航空アナリストのアメリア・スミスはSNS上のビデオを見ていて気付いた。ウクライナ軍が飛ばしているBT2に「T253」とペイントされた機体があり、これは、以前にはなかったものである。おそらくは、トルコからウクライナに、最新バッチの製品が届けられつつあるようだと。

 米国の海軍系シンクタンクのサム・ベンデットは言う。露軍は「オルラン10」をたったの40機未満しか、事前に準備できなかった。戦争計画は1年も前から定まっていたのに。あんな広い戦線なのに、それっぽっちで十分なわけはない。

 撃墜した「オルラン10」を分解調査して、ウクライナ軍は結論した。こいつは市販の民生パーツだけを組み合わせて手作り工作してあり、部品調達コストは1機分が3000ドルだろう、と。戦争以前には、1機が8万ドルから12万ドルはするだろうと言われていたのだが、まるで違った。

 しかしトルコの「BT2」も、オフザシェルフ部品のフル活用であることは同様なのである。だからこそ、あんなに安いのだ。

 ある専門家氏いわく。ウクライナ軍は、ぜんぶで6000機ほどの、偵察用のドローンを、戦場で使用中であろう、と。

 ※トルコはいまのところ、口ではスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に反対と言っておく。土壇場で賛成すればいいだけだから。

 ※ネアンデルタール人はどうして亡びたかを考えると「人類自己家畜化(self domestication)説」がとても有効だと思わざるを得ない。「新人」は自己家畜化度が進んでいた。ネアンデルタール人はチンパンジーよりはそれが進んでいたが、新人よりはそれが遅れていた。この差が、ネアンデルタール人を、新人と比べてずっと粗暴で、つきあいにくく、新発明のできない集団におしとどめていた。すなわち、いまのロシア人集団である。西側世界が「新人」段階を前進してきたあいだ、ロシア人集団は地政学的な運命から「自己家畜化」に遅れをとり、ネアンデルタール人に近くなってしまったのだ。ネアンデルタール人は個体で比較すると新人よりも身体は巨大で筋力も上回っていたが、とにかく集団で新事業を興すことは苦手だった。だから、頭脳派の新人がネアンデルタール人を「有害な隣人」として、その新兵器と集団戦術を駆使して放逐したように、西側世界はロシア人集団を駆逐して行く。大観するとそういう人類史の流れが見えるであろう。

 ※古代エジプト人は、砂漠によって周辺の外敵から守られ、ナイル氾濫のおかげで働かずして食っていくことができたので、おそらく5000年前に「自己家畜化」の最先端に達した。あのピラミッドも、奴隷を強制労働させて建設したのではあるまい。「自己家畜化」した住民たちが、新案事業として、人間らしい知恵の総力を結集したのであろう。しかしその後、気候が変わり、ヒッタイトなど外敵の侵入を絶え間なく受けるようになると、軍事力の高度化をないがしろにしてきた油断の文化伝統が重過ぎて、彼らの世界は終焉するに至ったのだろう。

 次。
 The Maritime Executive の2022-5-13記事「Royal Navy Tests Out Underway Refueling With a US-Flag Merchant Tanker」。
   米軍の「シーリフト・コマンド」が借り上げているタンカー『Maersk Peary』は、商船構造であって軍艦ではないが、これと並走しながら軍艦(補給艦)が洋上で燃料を受け取るという米英合同実験が成功した。

 英海軍はフォークランド紛争のときも、商船のタンカーを艦隊といっしょに派遣した実績がある。
 だがそれいらい今日まで、商船の軽油タンカーからじかに軍艦が給油してもらわねばならぬ事態は起きていない。そこで、腕を鈍らせないために、こうした訓練も必要なのだ。


ミャンマーの反政府ゲリラが使っている「爆撃用改造ドローン」とその爆弾について。

 Robert Bociaga 記者による2022-2-26記事「Myanmar’s Drone Wars」。

 過去5ヵ月間〔この記事は今年2月であることに注意。つまり記事の事態は2021-10からだということ〕、ミャンマーの複数の武装反政府グループは、安価な市販のドローンを、戦闘用に活用している。

  ※ミャンマー政府軍の狙撃手によって撃墜されたクォッドコプターの写真あり。

 俺たちは、さいしょは「F11」というシンプルなドローンから使い始めたんだ。あまり遠くまでは飛ばせないものだった――。と語るのは、「KGZ-A(カレンZ世代軍)」のメンバーである。

 KGZ-Aは、多数ある反政府集団のひとつだ。2021-5-26にカヤ州(タイ国境)で結成されたという。
 メンバー構成は、15歳から30歳。テロに反対し、難民に食糧やシェルターを提供するNGOなのだという。

 KGZ-Aは、KNDF(カレン族防衛軍)の下部団体である。他のグループに、対面やオンラインで、ドローンの戦場での使い方を教えてやっている。ドローンばかり扱っているわけではなく、地上兵器も使うという。

 軍閥政府は不法に権力を握り、人民を勝手に殺している。だからそんな軍閥どもを殺すことは我々の欣快とするところなのである――とKGZ-Aの団員は話す。

 サガイン地区でタッマドー(ミャンマー軍)を殺人ドローンで攻撃している、別な反政府グループとしては、ASF(アウンサン軍)もある。

 3日ごとに1機、KGZ-A団は、ドローンの「DJI P4」モデルを改造した「無人爆撃機」を、増やしている。手作り改造なので、急速量産は無理なのだ。

 投下する爆弾にも個性がある。KGZ-A団の爆弾は、外殻が塩ビのパイプで、空力安定フィンが尾部に備わり、頭部にはU字状にベントされた舌状の薄い金属板。これが地面に当たると、屈撓して電池のプラス極に接し、それによって電気雷管に通電する回路が構成されて、炸裂する。かたやASF製の小型爆弾は、外殻構造はほぼ同じだが、電池を用いず、頭部から突き出した五寸釘が押されてプライマーを突くことで発火する、メカニカル着発信管だ。

 投下機となるドローンは、繰り返して使用したいので、あまり低空を飛ばすことはできない。起伏のある地形で樹木にひっかかったらおしまいだし、高度が十分でなければ無線リンクが切れるからだ。ところが、ほどほどの高度を飛ぶということは、ドローンが下から銃撃され得るということでもある。

 ミャンマー国軍は、このドローンからの爆撃を警戒して、部隊を休止させるときは、かならず樹冠が密に頭上をカバーしてくれている密林内を選好している。簡易爆弾は、この木の枝に当たれば、そこで過早に爆発してくれる。

 ミャンマーでは、クーデターで首都を逐われた前政権の集団も、抵抗活動を継続している。たとえば前の「国防大臣」は、今もその肩書きを名乗っているが、実質、ゲリラの幹部なのである。その「MoD」氏いわく。このサイズのドローンは有効ではあるが、ゲームチェンジャーと呼べるほどの威力はない、と。

 これら反政府抵抗集団が申し合わせていることは、無辜住民を巻き添えにしないことだ。
 KGZ-Aの者いわく、爆撃ドローンは住民が密集している場所へは飛ばさない。そのためにも、必ずまず偵察機で下界の様子を見極めてから、爆装ドローンを出撃させているのである、と。

 軍閥政府は以前から中共製の「CH-3A」無人機を少数民族相手に使っているが、さいきん、ロシアから「パンツィールS1」近距離SAMや、対空警戒レーダー、そして「オルラン10E」固定翼無人機を調達した。

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 ベリングキャットによる2022-1-20記事「Myanmar’s Rebels Get Resourceful With Improvised Drones」。
   KGZが「DJIファントム」から手作り爆弾を投下している動画をSNS(フェイスブック)に初投稿したのは、2021-12のことである。
 これがミャンマーで最も早い、ホビー用クォッドコプターをリモコン爆撃機に改造して実戦使用したケースの証拠。

 ただし、爆発の瞬間が映っていない。これは、信管機能がうまくいってないことを示唆する。

 二番手は、アウンサン軍が2022-1-2にSNSに投稿したビデオで、そこには6回もの攻撃シーンが含まれていた。
 こちらは爆発シーンあり。※つまり「釘信管」の方が、実用的であったのか?

 ミャンマーで軍のクーデターが起きたのは2021-2である。この事態がなければ、反政府ゲリラも、ドローンの改造など思いつかなかった。

 ちなみにISが2016年にクォッドコプターから投下した爆弾は、40ミリ擲弾〔米軍規格か?〕の改造品だった。
 また、PKKがドローン投下爆弾として使っているのは、30ミリ擲弾〔ソ連規格〕である。

 ISが投下機に選んだのも、「DJI ファントム」であった。
 ISは2017年にはドローンを使った爆撃を数百回、実行した。

  ※1.5kgくらいある対戦車手榴弾を、それも複数個、投下できる、業務用のマルチコプターを使えるのが、今のウクライナ軍だ。だがその運用法はISによって予言されていた。また、その動画がゲリラ仲間の戦意を鼓舞し、海外からの声援を集めるという政治的利用法は、ミャンマー・ゲリラが一歩さきがけていた。その宣伝がなければ、世界の暇人は誰も同情はしないのである。


スウェーデンは、軍犬用の両眼保護ゴーグルを、ウクライナ軍へ寄贈した。

 雑報によると熊プーが脳の動脈瘤だという。

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 ストラテジーペイジの2022-5-14記事。
   米空軍と海軍が合同で開発した、通常爆弾を落下中にGPS誘導できるようにし、なおかつ艦船を「即沈」できるようにした特別なキット「Quicksink」について。

 この爆弾はJADAMのバリエーションなので、攻撃目標の敵艦から最大24km水平に離れた空から投下できる。

 なにがすごいかというと、はじめはグライダー弾、そして最終弾道は「水中弾」となって、海面下を水平に直進して敵艦の艦底部分を襲うのである。

 ※旧日本海軍の「九一式徹甲弾」の、緩降下爆撃バージョンと思えばよい。ただし炸薬量は桁違いに大きい。貫徹によるのではなく、アンダーキール爆発を狙っているのだと想像できる。

 じっさいに、スクラップ化予定の大型貨物船を射場海面まで曳航し、そこに「クイックシンク」を1発落としてみたところ、文字通り轟沈した。船体はまっぷたつになり、1分未満で海没。このような威力は、従来なら、1本数百万ドルの長魚雷によってしか、発揮できなかったものである。

 「クイックシンク」にGPS妨害をかけても無駄である。INSでバックアップされているからだ。
 特に、攻撃対象が大型の貨物船である場合、船脚は遅いので、INSの誤差はあまり問題にならない。

 Quicksinkを運用・投下する母機には、「ターゲティングポッド」がついている必要がある。
 ターゲティングポッドは、高度6800mからでも、遠くの艦艇を「視覚化」してパイロットに見せてくれる。そのフネに乗っている者が軍人なのか民間人なのかを、テレビ画像で教えてくれるところが、特に重宝。

 遡ると、米軍は2011年に、「B-1B」爆撃機から、レーザー誘導式のJDAMを投下して、航行中の舟艇を直撃できないかという実験をして、成功させている。当時のターゲティングポッドは「Sniper」であった。しかしこの方式だと、母機はさいごまでレーザー照射をし続けねばならぬため、すぐ敵から遠ざかることができず、しかも、爆弾は船を上から直撃することしかできない。相手が巨艦であった場合、必沈は期しがたく、母機が返り討ちに遭うかもしれなかった。その上、レーザー誘導のためのキットは、GPS誘導キットよりも高額なのだ。

 あたらしい「クイックシンク」は、台湾防衛に使われる。中共軍は多数の「Ro/Ro」船(自動車運搬船や、大型フェリー)を使って大軍を揚陸させる肚であることがわかっている。その「Ro/Ro」船を、クイックシンクはただの1発で沈めてしまえる。多数の陸兵は、フネおよび満載の車両もろとも海の藻屑に……。投下母機は、AWACSによってコース誘導され、電子妨害専用機がエスコートする。

 クイックシンクに折畳翼をとりつけると、さらに滑空距離は60km以上にも伸びる。電子妨害機のエスコートがあれば、それが途中で撃墜されることもないのだ。

 「クイックシンク」は、2018年の2000ポンド爆弾版「クイックストライク」の派生版として着想された。
 「クイックストライク」は、遠くの空から撒ける沈底機雷である。通常爆弾に、GPS誘導装置と、折畳滑空翼と、尾部複合センサーをとりつけて、封鎖予定海域から60km以上離れた「B-52」から、ばらばらと12発ほどリリースする。爆弾は、パラシュートで減速してそれぞれ正確な座標に着水、そのまま沈底機雷堰を構成する。この実験は500ポンドJDAMでは2015年に成功した。

 投下爆弾をJDAMに変えるための後付けキットは、単価が2万6000ドルである。
 投下爆弾に、折畳の滑空翼とGPS誘導装置を後付するキットは、単価が46万ドル。これで、水平距離120kmの攻撃が可能になる。
 水平距離900kmでのリリースを可能にする「JASSM ER」という後付けキットだと、93万ドル。

 ※空自の既存アセットを利用すれば、1発1億円で、「敵地反撃」もできるわけ。

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 Stetson Payne 記者による2022-5-14記事「Chinese Aircraft Carrier Liaoning Spotted Off Taiwan In Satellite Imagery」。
  台湾東沖で活動中の中共空母『遼寧』と随伴艦が、民間の衛星写真によってもありありと捉えられてしまった。

 こういう写真の解析を専門にしている「Detresfa_」という会社が、見つけた。
 衛星は「Planet Labs」社のものである。

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 John Hudson 記者による2022-5-14記事「Flood of weapons to Ukraine raises fear of arms smuggling」。
   米国内の新たな心配。大量にウクライナに供給しつつある武器弾薬類が将来、ウクライナ軍以外のグループの手に渡ることはないのか?

 おそらくそれは不可避である。というのも米国自身が「第三者譲渡不可条項」をおおっぴらに無視している「現行犯」だからだ。すなわち、いま米国からウクライナに与えようとしている「ミル17」輸送ヘリは、もともと「モスクワ政府の承認なくして第三国へ譲渡しない」という条件付きでロシアから正規輸入したものなのである。

 ペンタゴンの言い訳。それは米国法の下では合法である。国家の安全保障が優先される、と。

 2022年に米国からウクライナに援助した軍需品の金額は、過去、アフガニスタン、イラク、またはイスラエルに援助したどの単年度の金額よりも大きくなるはず。


エストニアがイスラエルから買った射程290kmの「ブルー・スピアー」対艦ミサイルをウクライナへ供給する意向につき、イスラエルが承認を与えた。

 それにしてもドネツの渡河でどうして浮航能力のあるAFVを第一波に押し立てなかった?
 先には、せっかく浮航力のあるAPC/MICVをぜんぶ幹線道路沿いに進出させて、ATGMの餌食にさせ、こんどは、浮航ができないMBTをバレバレの浮橋から一点渡河させようとして大失敗。戦車用の潜水キットを使ったようにも見えない。やることがチグハグすぎる。

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 Megan Eckstein 記者による2022-5-14記事「The Navy doesn’t want nukes on ships, despite interest from some combatant commanders」。
    米海軍作戦部長・マイク・ギルデイ提督は連邦両院議員を前に説明。

 前のトランプ政権は、米海軍の水上艦や潜水艦に、核弾頭付きの巡航ミサイルを搭載させようと考えていた。作戦部長は、それは厭なこったと意見表明。

 バイデン政権は、この計画を白紙化させる意向である。

 共和党の連邦議員、および、米軍の「欧州コマンド」の司令官トッド・ウォルターズ大将は、前政権の海上核巡航ミサイル(SLCM-N)計画に賛成。つまりバイデン政権がFY2023でその関係の予算を要求しないことはゆるせん、と考える。

 「戦略コマンド」のチャス・リチャード提督も、下院軍事委員会への書簡で、いまのウクライナと中共を見れば、米国に抑止用の核が不足しているのは明らかだろ、と。

 さらにリチャード提督は上院軍事委員会で答弁。ロシアは低威力核で欧州を脅迫している。それに対する同質報復手段を、低威力核弾頭のSLCM-Nが、やたら目立たぬ形で担保してくれるはずだと。

 ギルデイは1980年代〔レーガン政権時代〕に、核弾頭付トマホークを搭載した軍艦を指揮していたことがあった。その経験から言うと、これはものすごくカネがかかる。単にミサイルを積めばいいというものじゃない。全乗員と指揮系統に特別な訓練が不可欠である。また、ミサイルプレゼンスを途切れさせてもいけない。信頼性は常に最高度に保っていなくてはならない。発射しろと命じられたらすぐに撃てなくてはならない。いずれをとっても大変な手間とコストがかかったものであると。

 ギルデイいわく。ロシアの潜水艦を米本土に近寄せたくないなら、米海軍のSSNを今の50隻から66隻へ、できれば72隻へ増やしてくれ。そのほうが、水上艦に核トマホークを搭載するよりもずっと有効だと。

 ギルデイいわく。非核のハイパーソニックミサイルを、水上艦から発射するのがさらに良いオプションだ。この開発を加速するための予算をくれ。

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 Bydgoszcz, Lodz 記者による2022-5-14記事「Rage Against the Regime: The Ultras Who Stood Up to Lukashenko」。
   ベラルーシでは、サッカーのフーリガンの顔役たちが、反ルカシェンコの一大勢力なのだという話。

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 indomilitary の2022-5-13記事「Russia’s Black Sea Fleet Reinforced B-871 Alrosa ? Waterjet-engined Electric Diesel Submarine」。
   タスが5-11にリリースした宣伝。
 黒海の海軍力を増強するため、古い『キロ』級をバリバリに改造した『アルロサ(B-871)』がもうじき公試運転に入る、と。

 この潜水艦はもともと黒海艦隊に所属していた。1990-12就役だからまだソ連時代。
 黒海艦隊にはキロ級が4隻あるのだが、そのうち2隻はシリア沖に貼り付いている。

 改装された『アルロサ』はスクリュープロペラではなくウォータージェットで推進される。
 非常に静粛であるという。

 全長76.2m、幅6.5m、水上排水量2300トン、水中3040トン。52人が乗組む。
 カリブル巡航ミサイルを最大で4発搭載できる。
 魚雷は18本。

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 雑報によると、ウクライナの第79空挺旅団が撃墜した、露軍の無人機「オルラン10」に、ESM・兼・GSM信号を妨害するデバイスの「Leer-3」が搭載されていた。

 また露軍は、いまや「オルラン10」の翼下には小型爆弾を吊下できるのだぞ――と宣伝するビデオをリリースしている。投下シーンなし。装着シーンのみ。離陸シーンもなし。

 また雑報によると、ブチャに戻った住民が家の中で次々に仕掛け爆弾を発見している。ベッドのマットレスの間とか、子供のピアノの内部に、ごていねいに仕掛けられていた写真が撮られている。ビョーキかよ。


夏の海 知った蛙の 戻り道 /二十八

 Zachary Kallenborn 記者による2022-5-12記事「Seven (Initial) Drone Warfare Lessons from Ukraine」。
   各種電子妨害装置や高性能防空ミサイルを国内で調達できる大国の軍隊であっても、敵軍の各種無人機を阻止する手段は現状ではまったく不十分であることが明らかになった。

 たとえばTB2は、開戦いらい数機が撃墜されているが、そのかわりに、露軍が投入した自走SAMの半数近くを逆に撃破してしまった。圧倒的に「歩」が良い。

 またこれら無人機が提供している戦場動画が、SNS投稿を通じてウクライナ側の善戦を世界に強調宣伝することになり、ウクライナ国民を心理的に鼓舞し、それを支持する与国の輿論を盛り上げるという無形の大貢献を果たしている。

 TB2は、ナゴルノカラバフ戦争時とは役割をかなり変更している。
 2020年のナゴルノカラバフ紛争のときは、TB2が、アルメニア軍の戦車120両、APC53両、牽引野砲143門などを撃破したとされる。
 今次ウクライナ戦争では、TB2は対戦車攻撃には全く使われていない。戦車を1両も撃破していないのだ。
 TB2というものがありながら、戦車の撃破は、地上軍のATGMや、安価なマルチコプタードローンからの小型弾薬の投下や、地雷によって分担されているところが、今次戦場の大きな特徴である。

 露軍は過去何年もシリアで、ドローンによる攻撃を受けている。だから、ロシア軍とドローンに詳しいサム・ベンデットは、不思議がっている。というのはウクライナに突入した露軍地上部隊には、対ドローン用のECM装備が皆無であるように見えるからだ。彼の結論。露軍は、敵のドローンなど脅威ではないという間違った評価を、シリアで得てしまったのだ。

 ※それではナゴルノカラバフの最新戦訓をどうして無視したかがちっとも説明されない。アルメニア軍が破壊された戦車やSAMはすべてロシア製だったのだから。この謎は、プーチン体制下のロシア人の「情報適応」によってのみ、説明可能である。独裁者が「嘘による言い訳のプロ」で「自家宣伝中毒症」に懸かっているとき、とりまきの臣下も、被支配者人民も、その宣伝に逆らってはいけないのだ。軍事専門幕僚たるショイグやゲラシモフすらも。

 これについては米軍もあまり偉そうなことは言えないはずだ。将来の戦場で、敵が各種ドローンを多用してきたときに、それをすべて叩き落せるだろうか? 甚だ疑問である。特に米陸軍に顕著なのだが、みずからドローンを多用しようという意欲も希薄だろう。装備や戦術体系を変更する「リスク」を、出世主義の(キャリア上の「減点」をおそれる)将校たちが、皆、回避している。

 対ドローンのECMは簡単な話じゃない。局所においてGPSを妨害することは常に可能である。露軍はそれには長けている。ところがドローンの側では、GPSに頼らない飛行も、いろいろと可能なのだ。

 ※マイクロ波をAESAで一点集中して、ドローンが内臓する姿勢制御チップを短絡破壊させる方式が最も有望視されている。その「地対空電波砲」の装備はしかし未だどの軍隊も制式化すらできていない段階。なにしろ専用のレーダーとセットだから、高額になる。それに、たぶんチップ素材を変更すれば、外からの電磁波をシールドできるようにもなるであろう。

 ※もうひとつのECM回避法として「有線化」が挙げられる。昔の対戦車ミサイルのように尻からワイヤーを繰り出す仕組み。今の光ファイバーケーブルはごく軽くなっているし、マルチコプター型ドローンによる超低空飛翔に限れば、そのラインはすぐに地面にまで垂れて、余計な重さ(抵抗)も生まない。最終攻撃段階で初めて高く上昇させればいい。そして帰路には、ワイヤーボビンを切り離して捨ててしまって、最後に有線のコマンドで受信した帰還点の方位情報(機体姿勢と相関)を記憶しておいて、そこへINS航法(ジャイロ頼み)で飛び戻ればいい。

 ※業務用級のマルチコプタードローンをATGM化できると「逆BILL」が可能になる。すなわち、地面スレスレの高さから、斜め上方に向けて自己鍛造弾を発射するのだ。かつてチャレンジャー戦車の前方下面は、RPGによって貫徹されてしまった(操縦手、重症)。露軍戦車の側面下部は、それよりももっと脆く、すぐ裏側は、カルーセル弾庫である。貫徹ができなかったとしても、履帯は間違いなく爆破できるわけである。シリアとウクライナで、APS防禦装置など何の役にも立たないことが分かっただろう。この試みは世界中の兵器ベンチャーが、考えているはずである。

 2020年9月にホビー用のドローンがロサンゼルス市警のヘリコプターのローターにひっかかって、その有人ヘリは不時着を余儀なくされている。軽量なドローンの衝突には、バードストライク以上の破壊力がある。

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 2022-5-10記事「’I quit the Wagner group after the Kremlin sent me to Syria ? here’s why’」。
   55歳のガビドゥリン氏。元ワグネルの傭兵で、ながらくシリアで戦闘してきたが、2019年に退職した。しかし、今次ウクライナ戦争がスタートする数ヵ月前に、リクルーターから電話で「また現役に戻ってウクライナで戦わないか」と誘われたという。

 その電話のリクルーターは、相手のウクライナ軍は未経験兵の寄せ集めだから楽勝だと語っていたという。ガ氏は、それを信じなかった。

 ガ氏は誘いを断った。

 氏は今、フランスに住んでいて、ワグネルで体験したことを本に書いて出版する予定である。彼は片方の腎臓を手術で摘出してしまっている。

 ※雑報によると、シリアに派遣されていた露軍が呼び戻されている。それは航空部隊も、なのか? 詳細は不明。

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 Andrei Soldatov and Irina Borogan 記者による2022-5-12記事「Putin Pulls Russian Spy Agency Out of Ukraine」。
   プーチンは先週、ウクライナ情報をプーチンに上げる担当からFSBを外し、代わって、GRUに頼ることにした。

 そのGRUのキーパーソンは、ウラディミル・アレクセイエフ。

 ウクライナ情報は従来、FSBの「第五課」の担当だった。「ロシア語を話す住民が一斉蜂起しますよ」などとプーチンに請合っていたが、まったく外れた。FSB長官のセルゲイ・ベセダは逮捕され、悪名高いレフォルトヴォ刑務所に一時ぶちこまれてしまった。

 アレクセイエフはスペツナズ出身で海外(西側)大使館勤務も重ねてきた。2011からGRUを仕切っている。 ショイグが国防大臣に就いたのが2012である。

 ※雑報によると、アゾフスターリ製鉄所に向けて露軍は、240ミリの誘導式の迫撃砲弾を撃ち込んでいるという。地下壕攻撃スペシャルと考えられる。
 また米国がウクライナ軍に、60ミリ軽迫撃砲の「M224」をすでに供給中であることも、写真投稿によって判明した。
 トルコはアゾフスターリの地下の負傷兵たちについて、トルコの船舶にて預かり、終戦まで戦場に戻さない、という提案をモスクワにしたのだが、プーチンが拒否した。
 エルドアンはフィンランドのNATO加盟はまずいようなことを口走っている。NATO30ヵ国のうち1ヵ国でも反対すれば、新加盟はできない仕組みである。

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 ストラテジーペイジの2022-5-13記事。
  警備艇の「ラプトル」型は、サンクトペテルスブルグの造船所で建造されている。開発は2013に成功。
 23トン、全長17m。
 乗員2~3名、お客20名または荷物20トンを載せられる。

 固定武装のリモコン14.5ミリ銃塔。有効射程は2000mだが、光学照準装置は3000mまで有効である。

 他に手動で発射する7.62ミリ軽機がある。こちらは最大射程が1500mだ。

 また、乗員には肩SAMも持たされているはずなのだが、あきらかにバイラクタルの位置までは届かなかったのだろう。だから逃げ回るしかなかった。

 「ラプトル」の窓ガラスはすべて防弾仕様である。人が所在する要所も防弾壁材である。
 航続距離は200km。

 1991年にスウェーデン海軍が、21トンの「CB90」型警備艇をバルト海に就役させた。輸出もされて大ヒット。「ラプトル」はこの「CB90」の模倣品なのである。

 「CB90」は15.9mながら、お客を21人運ぶことができ、武装はリモコン12.7ミリの他、手動の12.7ミリ×2と、40ミリ自動擲弾発射砲。最高時速74km。巡航時速37kmでの航続距離は440km。またウォータージェットによる急旋回もできる。