イスラエルのエイラート港に船が寄らなくなって、港湾運営が破産に瀕しているという。

 Svetlana Shkolnikova 記者による2024-7-16記事「Vance credits service in Marine Corps for teaching him ‘how to live like an adult’」。
    オハイオ州選出の上院議員であるJ・D・ヴァンス(39)は、まず高卒で2003年に海兵隊に志願し、7年間の軍歴がある。その間、2005年から6ヵ月間、イラクへも派遣された。

 米国史上、元海兵隊員が2大政党の党大会で副大統領候補に選定されたのは、今回が初めてだ。

 海兵隊での所属原隊は、彼の自伝『ヒルビリー・エレジィ』によれば、ノースカロライナ州チェリーポイントにある、第2海兵隊航空ウイング。

 入隊前、彼は、連続して1マイル走った経験すらなかったそうである。

 フィナンシャル系の世間知も持ち合わせず、たとえば大学の学資補助制度の申請文書はチンプンカンプンだった。

 しかし、海兵隊を除隊する頃には、彼は3マイルを19分以内で走れるようになったし、自分に最も有利な学資ローンを選ぶ眼力も獲得していた。
 すなわち彼は、軍隊のおかげで、社会に押しつぶされない社会人に生まれ変わったのである。

 海兵隊内で彼に与えられた仕事は「広報担当」であった。
 イラクでは従軍記者の真似事もやった。たとえばKC-130J空中給油機のクルーに密着取材した。

 海兵隊現役最後の9ヵ月は、チェリーポイント基地のメディア担当広報係将校にしてもらえた。このポストは伝統的には、その基地の最も古参がなるものなのだが。

 ここで彼は、自分が1日に20時間も仕事ができることを発見した。また、テレビカメラに向かって明瞭に説得的に語る術を会得し、基地を訪れる海兵隊の将官たちにも堂々と応接し得るまでに成長する。

 除隊したのは2007年である。

 初めて連続3マイル走ったときのタイムは25分。まず凡庸。
 ゴール地点に立っていた教練軍曹が言った。「ゴールでゲロしないやつは、力を出し惜しんで走ってきた奴だ。」
 そして、短距離のダッシュ走を何度も命じた。
 ヴァンスはじっさいに嘔吐し、困憊した。
 教練軍曹いわく。「毎回、走るたびに、ゴールでその状態になっているべきなんだ、お前は」

 次。
 Adam Lucente 記者による2024-7-15記事「Meet J.D. Vance, Trump’s VP pick: Hawk on Israel, critic of foreign aid」。
   ヴァンスは2022の選挙で当選し、2023-1からオハイオ州選出の連邦上院議員。
 上院では、銀行、小売、経済、高齢者に関係した委員会に属している。

 政治家になる前は、ハイテク工業系のベンチャー・キャピタリストだった。企業弁護士でもあった。
  ※このキャリアと彼のインド系の奥さんはどういう関係があるのか、知りたい。

 彼が全国区の有名人になったのは2016の自著公刊からである。
 アパラチア山地のくそ田舎で生まれ育ったことを強調している。

 ことし5月には、クインシー研究所で演説して、政府のウクライナ支援に疑問を呈した。
 いわく。露軍相手に戦っているウクライナ人を尊敬するが、米政府が、いつまでも終らない戦争に資金を注ぎ続けることは米国の国益ではあるまい。

 この演説でまたいわく。米国は2003年のイラク作戦で、中東にイランの手先を増やしただけだった。それと同じことを繰り返してはならない。

 ことし4月に上院は、ウクライナに対する610億ドルの軍事援助を承認している。その議論のさいにヴァンスはこう発言した。2003年に一海兵隊員だった私は外交政策のプロと称した連中からまるめこまれた。彼らはイラクの体制を変更できると請合っていたが、ことごとく嘘であった。

 またヴァンスの上院発言によれば、ヴァンスは米国がイラクを占領した結果として、イラク国内に古来存続していたキリスト教徒(150万人)が、今日ことごとく消滅することになり、ただ、イランによる宗教支配が広まっただけだとも認識している。

 ヴァンスは他方では、イスラエルに対する米国の支援は、米国の最高の国益なのだと主張する。それはウクライナとは違うのだと。

 イスラエルが開発しているレーザー高射砲の「アイアン・ビーム」は、米国のミサイル防衛にも貢献してくれるから、援助の価値があるだろうだと。

 米国は世界最大のキリスト信奉国であるから、イエスが生まれ、死に、蘇った土地に無関心ではいけない。
 「アメリカン・ファースト」と「プロ・イスラエル」は同じなのだというレトリック。

 CNNのインタビューではヴァンスは、ハマスを非難し、イスラエル支援を強調した。
 ハマスを根絶するまでイスラエルはやるべきだとヴァンスは信じている。それは過去40年の教訓なのだと。
 イスラエル軍のやり方に、米国人は口を出すべきではない。

 CNNのインタビューでヴァンスは示唆した。イランが拡張しようと画策している広域戦争に米国はまきこまれてはならない。また、米国の工業生産体系を再建することで、対支の抑止を新たに構築するべきである。

 次。
 RISTO HUVILA 記者による2024-7-15記事「Why is European political elite even toying with idea of recognizing a Palestinian state?」。
   現在、欧州27ヵ国のうち14ヵ国が、パレスチナを国家承認している。国連193ヵ国のうちでは145ヵ国が。

 パレスチナには、画定した国境線がない。ウエストバンクはファタハが支配し、ガザはハマスが牛耳っている。

 国家の体を成していないパレスチナと較べて、台湾は近代国家の要件を立派に満たしている。
 そこでは民主主義が行なわれ、人権が尊重されている。
 しかるに台湾を国家承認しているところは世界に12ヵ国しかない。ヴァチカンとグァテマラを除くと、皆、太平洋の零細国家だ。これら零細諸国は中共に商売を依存していないので、北京から脅されても痛くも痒くもないのだ。

 台湾を国家承認するべきである。
 中共は、反人権国家だし、独裁政体だし、ガザのトンネル掘削をサポートしている。台湾を軍事的に脅迫し続けている。
 ※そう言うならまずイスラエルが台湾を国家承認しないのはどういう理由?


米陸軍は、155ミリの自走砲を万能「高射砲」化するための、新型弾薬等を開発してくれる企業を、公募開始した。

 拙著『自転車で勝てた戦争があった』のために筆者兵頭に代って山の中での改造プッシュバイク「実験」をひとりで敢行してくださった「Kurobe356」さんが、ひきつづいて、貴重なベトナム語動画からの翻訳編集の作業も進めてくださっています。

 最新の地道な成果は、
   https://www.youtube.com/watch?v=a6nndN__gMI&t=609s
    をごらんください。
 「【切り抜き動画】字幕追加版 ベトナム人民軍における押し歩き自転車の運用」を視聴することが可能です。

 これは参照価値の高い動画です。

 兵頭仮称「2018年型」=前後T字支柱付きの(すなわちカンバス地のハンモック式ストレッチャーに包んだ仰臥患者2名の運搬にも対応した)弾薬等運搬自転車(別動画によれば荷重300kgまでも対応可) の実用上の具体的な注意点が伝わってくるでしょう。

 たとえば積載した複数の弾薬箱の全体の重心を考えないと、前輪が浮き上がってしまうようです。

 ちなみに独特の「一本竹棒担架」で負傷者を担送することをベトナム軍内では「槍渡し術」と呼んでいるらしいことを、少年向けに解説されているベトナム語ウェブサイトの機械翻訳から、承知できました。

 次。
 AFPの2024-7-15記事「Austria pivots towards mountain bike tourism as Alps warm」。
    オーストリーのアルプス山地には、夏になると、ロープウェイを乗り継いで、かなりの高所まで観光客がマウンテンバイクを持参することができる。
 というのはそれらロープウェイは冬のシーズンには、スキー客を高所へ運び上げる。とうぜん、スキー板収容スペースがある。そこに、マウンテンバイクを置けるわけだ。

 ヨーロッパ諸国は概して土地が平らなので、日常の自転車交通には適しているのだが、レジャーとして下り坂を楽しめるようなリゾート地はすくない。だから、全欧から、ここにマウンテンバイカーがやってくる。

 かつて、欧州の山岳リゾート観光地は、夏と冬と、おなじくらいに稼いでいた。
 しかし新コロ流行のおかげで、冬の客は消滅。
 新コロ克服以降も、夏場が冬場よりも繁盛するパターンが続いている。これに対応しなければならない。

 夏場のオーストリー・アルプスでは、訪問バイカーの人数は、ハイカーに次ぐ。その比率が漸増を見せている。

 山岳リゾート側の今の対応は、遅すぎた。とっくの昔にやるべきだった。
 というのは、近年、欧州アルプス域の冬の降雪量が減る傾向が続き、スキー場としての未来は細くなっているからだ。

 オーストリーの問題は、リゾート地のまわりに私有地が多く、地主が余所者のマウンテンバイクを拒絶していること。今、政府がそれら地主たちを説得して、夏場にトレイルを開放してもらえるように交渉しつつある。

 私有地への不法侵入は、オーストリーでは、最大730ユーロ=800米ドルの罰金に該当してしまう。そして地主たちは、その科料を数千ユーロにまで増やせ、と要求している。
 ※それだけ無法者による害が多いのだろう。

 スポーツレジャーで年々、大金を稼ぎ出せるチャンスがあるのに、それをこのようにして排斥している国は、オーストリー以外にはない。

 マウンテンバイクのワールドカップは2001年に創設され、その最初の開催地はオーストリーであった。
 現在同国内には24箇所以上の「バイク・パーク」や「トレイル・センター」が造られている。

 バイカーを快く思っていないのは、土地所有者だけではない。狩猟家と、ハイカーも、自転車野郎どもを迷惑だと思っている。
 その事情はスイスでもほぼ同様だ。

 次。
 Howard Altman 記者による2024-7-14記事「Ex-FBI Agent’s Analysis Of Secret Service’s Actions Surrounding Trump Assassination Attempt」。
   狙撃犯がその屋上によじのぼった倉庫建物は、「アメリカン・ガラス研究所」の所有物件だという(WP紙報)。

 またAPによると、ローカル警察官が1名、犯人の架けた梯子に登り、犯人に迫ろうとしたが、犯人がライフルを向けたので、すぐに梯子を降りて退散。その隙に犯人は射撃を始めた。

 その直後、シークレットサービスが犯人を射殺した。

 この倉庫建屋はシークレットサービスの警固圏外に位置し、その警備は地元警察が担任していた。しかし、会場を狙撃できる可能性のある近傍の建物屋上等に、そうした不審人物がアクセスしていないことを監視する責務は、シークレットサービスにある。
 その確認の人手が足りなかったというのなら、地元警察や連邦職員に、とうぜんに助勢を依頼せねばならなかったはずなのだ。

 元シークレットサービス氏いわく。演説会場だけでなく、移動車列を直視してライフル射程で要人を狙撃可能な「高所」があれば、すべて人を配してカバーしておくようにしておかねばならない。警固圏外でもかんけいない。われわれの現役時代はそうしていた。

 だが会場の回りが高所だらけの場合、現実には、警備は薄く拡散するしかない。そこでこんなことが起きる。
 1999年にシアトル市にクリントン大統領が入った。現地では、WTOに抗議するデモが不穏だった。シークレットサービスの狙撃手は、ある高層ビルの、閉まっている窓の内側から外を見ている、無線機を持った2人の男が、大統領に対する脅威であると思った。じつはその2人は警察官だった。

 次。
 Washington Examiner Staff 記者による2024-7-15記事「Secret Service rejects accusations that security was diverted from Trump to Jill Biden’s rally」。
    日曜日のトランプの警固が手薄になったのは、ピッツバーグでジル・バイデンを警固するために人員を割いたからだという一部の声を、シークレットサービスは、否定した。

 ※陰謀論が噴出するのが無理もない情勢だが、ある雑報はこう指摘する。クルックスは過去、SNSに政治的な投稿をしたことが一度もない。マニュフェストを書いている痕跡もなく、犯行声明も無し。

 ※数多い雑報の中でなるほどと思わされたのは、あの「国旗」の存在。本来、あんなものを要人の演説会場に置いてはいけないのだそうである。なぜなら、スナイパーはそのはためきを見て、現地の風向と風速を推し測ってしまうから。

 次。
 Jonathan Snyder 記者による2024-7-15記事「F-35Cs, Ospreys to replace Super Hornets and Greyhounds at Marine base in Japan」。
   月曜日に米海軍発表。
 岩国基地の海軍のF/A-18は、F-35Cで更新する。
 また、岩国基地にある空母用の固定翼輸送機「C-2A グレイハウンド」は、オスプレイ(CMV-22B)で更新する。

 グレイハウンドは今、15機、残っている。

 岩国に同居している海兵隊は、F-35Bを2個飛行隊、もっている。

 ※雑報によると、Thomas Lockely は、彼のこれまでのSNS投稿をすべて削除してインターネット空間から姿を消したという。彼は「ヤスケ」の広宣人である。しかし2015にウィキペディアが引用する学術論文を勝手に書き変えたと批難されている。


犯人は、トランプのジャケットは防弾素材であるはずだと信じて、ヘッドショットにこだわったのか?

 James Powel 記者による記事「What to know about the AR-15, the style of gun used in Trump assassination attempt」。
   トマス・クルックが150mの狙撃に用いたライフルは「AR-15」、もしくはその類似品であった。
 セミオートマチック。

 米国は2004年(共和党のブッシュ子政権時代)に、アサルトライフル型の小銃の市販を、セミオート限定で解禁した。このおかげでアーマライト社は「AR-15」を売りまくり、大儲けができた。

 『ワシントンポスト』によれば、2023年時点で、米国の成人20人の1人が「AR-15」を保有しているそうだ。そして同紙によれば、全米の銃乱射事件17件のうち10件で、「AR-15」が使用された。

 「AR-15」を使えば、普通の射手が、500m先の自動車に命中させることは、じゅうぶんに可能。

 ※犯人が「8発射った」という初期情報があった。それを聞いて、犯人は「.30-06」を8発射てる「M-1ガーランド」小銃の銃身切り詰め型でも用いたかと思った米国人は、すくなくなかったはずだ。ところがじっさいには犯人は、遠距離狙撃向きの実包からまず選ぶという思考回路をもっていなかった。一生一度のパフォーマンスのために、軽量弾を使う「AR-15」を躊躇なく選んでいる「アマチュア性」は、逆にシークレットサービスらの、意表を衝いたのではなかろうか。

 次。
 自衛隊体育学校は、「プッシュバイク」競技のルール策定につき、ベトナム軍との合同研究を始めるべきだ。

  こんなに人手が足りない時代に、自転車無しで、陸自に何ができるっていうんだ?

 『江戸風俗図説 第六巻 江戸物価事典』(S57刊)によると、東海道の登り坂で人足に担がせる荷物は5貫目=18.75kgまでだった。「本馬」でも36貫=135kgしか積載させなかった。

 今の陸自隊員が江戸時代の人足よりタフだとは、私は考えない。

 ベトナム軍式プッシュバイクなら、1人で200kgをやすやすと運送し、しかも飼葉も水も世話も要らない。

 自転車の全面導入は、日本国防史の必然だと思う。

 その暁には、オリンピックの各種自転車競技にも「本職=自衛官」を名乗る選手が、常連のようにして送り出されるようになるだろう。それは若い新隊員の募集面でも大きなプラスになる。

 体育学校は、さらに視野を広く持たなければいけない。プッシュバイクも「スポーツ化」できるのである。またそれが、とても望ましいことなのだ。

 道東で今も開催されている「輓曳競馬」は、ざんねんながら、見ている者を不安にさせてしまう。現代人の価値観から、甚だ乖離した競技である。
 しかし「プッシュバイク競走」に、不快感を感ずる現代人はいないと思う。
 わが国発の「Keirin」が国際競技に昇格したように、プッシュバイク競走も国際競技化されると、私はここで予言しておく。

 そのイニシアチブを、体育学校が執れ。秘密主義のベトナム軍には、それはできない企てだから。

 次。
 「Railway Gazette International」の2024-7-13記事「Finnish EMUs to have propane-based HVAC units」。
   鉄道の客車用の冷房システムに、「プロパン」系の媒体を使えば、地球温暖化に加担する程度が激減するというので、その製品が開発された。

 ※フィンランドの列車にクーラーが必要なのか。冷蔵庫用?

 次。
 「indomilter」の2024-7-14記事「Bentuk Pakta Pertahanan dengan Jepang, Filipina Ingin Dapatkan Sistem Rudal Hanud Toshiba Type 81」。
   どうも陸自が使っていた「81式短SAM」と「改良型ホーク」を、フィリピン軍に格安で売却する相談が進んでいるらしい。
 小野寺五典元防衛大臣がインタビューで認めたという。

 ※東芝製の短SAMはともかく、ホークは米国開発のライセンス生産品だから、第三者への移転には米政府と米議会の承認が必要で、ものすごく面倒な話じゃなかろうか。それと、短SAM改の頭部には、超小型のフェイズドアレイレーダーが載っているはず。その秘密保持に目途がついたのか。

 次。
 Daily Sabah 記者による2024-6-26記事「Turkiye’s new combat drone reaches highest altitude so far」。
   トルコ国内で改良中の「バイラクタル TB3」が、飛行試験中に1万1000mまで上昇した。
 エンジンはトルコのTEI社製の「PD-170」である。

 ちなみにトルコの国産の双発プロペラ機である「バイラクタル・アキンジー」は、1万3700mの高度記録をすでに作っている。

 「TB-2」を折り畳み翼化した「TB-3」は昨年末、連続32時間の滞空ができることを、実証している。

 ※とは言いながら、一方でバイカル社は、ウクライナ製の良いエンジンをライセンス生産したいと考えていて、その交渉を進めている。つまりPD-170ではダメなのだ。だが輸出商売にさしつかえるから、そんなネガティヴな話は広報しない。

 次。
 「Militarnyi」の2024-7-14記事「Ukraine Tests Bullet Jet Drone for Intercepting Enemy Air Targets」。
    ウクライナのメーカーが「Bullet」という名称の、空中衝突型のミニ・ジェット・ドローンを開発した。
 これが相手とするのは、露軍の固定翼偵察ドローンや、ロイタリングミュニションや、有人ヘリコプターである。インターセプター・ドローンだ。

 離陸は舗装滑走路からする。自動で着陸させて回収することも可能だ。ビデオが公開されたテスト飛行では、130km/時の速力を出している。これだと「空対空」用途には物足りない。しかしまちがいなく設計者は、その数倍の最高速力を狙って製作しているはずだ。

 「Bullet」の製作単価は、米ドルにして1万4000ドル。その価格の中に、地上管制局と、飛翔体×5機が、含まれているという。


雑報によるとポーランド議会は、国境を強行突破して来ようとする《難民兵器》に対して現場の軍警が実弾を発射して殺傷できるようにする法律を通した。賛成401対反対17で。

 Shannon K. O’Neil 記者による2024-7-10記事「Stagnant Urban Productivity Stunts Latin America’s Economic Growth, Plus Chinese Lenders Turn Away From Latin America」。
    ラテンアメリカの経済成長スピードは、21世紀において、アジアの半分である。

 世界銀行が最近、その理由を指摘した。ラ米は、その都市が、非生産的なのだ。

 ラ米の農業分野と鉱山分野は、世界経済の拡大需要に引っ張られて、過去20年、商売が右肩上がりであった。しかし、都市部の商工業分野は、ダメダメである。

 ラ米の工業化を過去35年、阻んでしまったのは、中共製の安価な輸入商品である。特に中共がWTOに加盟してからが、激増した。

 製造業が低迷したとき、社会に生じた失業者を、金融や保険や情報産業のサービス部門が吸収するなどという話は絵空事で、現実にはありえない。それで、ラ米経済は今のダメ姿に堕ちた。

 労働者たちが、地方から都市に移住しても、ラ米においては、大して所得が増えることにはならない。
 低劣なインフラ、配慮の無い都市計画、公共交通の不存在が、過密都市の中に、流動性の乏しいスラムを増殖させるだけなのだ。

 ラ米では行政がこれらの貧民に手をさしのべない。救済しようという気がない。それで巨大な闇経済が自然形成される。低所得者を公共が守ってやる法律は皆無に近い。

 ラ米では、都市と都市の間の移動が、とても不便である。高速インターネット環境も貧民にはアクセスできないので、どこかに才能を持った個人がいても、その才能は狭いスラム内の埋もれ木として朽ちるのみ。

 世銀は提言する。ラ米経済を良くするためには、なによりもまず都市部の貧民たちが利用できる公共交通を整備すべしと。

 ラ米諸国は、1990以降、あまりにも少ない公共投資しか、この公共交通のためにしていない。それはGDPの3%である。そんなだから、東アジアの経済成長の後塵を拝し続けているのだ。

 次に、低所得労働者が、デジタル・インフラストラクチャーを利用できるようにせよ。これだけでも、経済は成長するはずである。

 中共のカネ貸しは、2010年代にラ米の未来を見限って、爾来、資金を引き剥がし始めている。中共資本はラ米には興味を失っているのだ。

 次。
 Kelsey Gallagher 記者による記事「Canada Is Arming the World’s Bullies」。
    GACという組織の報告によると、昨2023年にカナダは21億4300万カナダドルの武器を、合衆国以外の外国へ輸出している。
 ちなみにカナダ政府は、対米武器輸出に関しては、何の規制もかけていないし、また、何の公式報告もしない。

 「フリーダム・ハウス」という団体によると、2023にカナダから非米地域へ輸出された武器のうち半分近くの10億400万カナダドル分は、サウジアラビアやUAE、カタールといった、民主主義からは程遠い政府が買い手である。

 同団体は、外国の自由度を三段階に分類している。クウェート、タイ、モロッコを筆頭とする「部分的に自由な国」に、昨年カナダは武器を15億4400万カナダドル、輸出した。

 サウジは「全く自由ではない国」に分類される。そこには9億460万カナダドル分の武器を輸出した。
 過去十年ちかく、連続して、サウジがカナダ製兵器の筆頭輸出相手国である。
 主力商品はLAVだ。ジェネラル・ダイナミクス社の陸戦兵器部門のカナダ工場製。


カフカの名言 :「一人の阿呆は、阿呆な奴。二人の阿呆は、阿呆ども。十万人の阿呆なら、それは政党」。まさに今の米民主党だ。

 Boyko Nikolov 記者による2024-7-12記事「In Japan, a US F-35 Lightning II pilot jumped from his plane」。
    岩国基地の地上に停止している海兵隊のF-35のコクピットから米軍パイロットがあわてて飛び降り、そこに消防車がかけつけてくる動画が、「X」に投稿されている。何が起きたのかは不明。

 次。
 AFPの2024-7-12記事「Taiwan to end honour guard performances at Chiang Kai-shek statue」。
   台湾政府が金曜日に発表。
 蒋介石の銅像の前で1時間に1回、衛兵が交替するときの仰山な儀式。観光客を集めるスポットだったが、台湾が独裁者礼賛だと思われてはいけないので、交替式の場所を変更し、銅像からは切り離す。

 次。
 APの記事「U.S. Coast Guard Patrol Spots Chinese Naval Ships Off Alaska Island」。
    ベーリング海にて米国コーストガードは、中共海軍の艦隊が米EEZ内を航行しているのを視認し、監視中である。そこは米国の領海ではない。

 中共の軍艦は3隻。アムチトカ海峡の200km北方地点で発見した。
 コディアク島にあるコーストガードの航空隊がヘリを飛ばしたところ、アムクタ海峡の北135kmに、4隻目を見つけた。

 ※ベラルーシで軍事演習したり、全地球的に、海陸の隅々で、同時多発的にライバルを精神圧迫しないといけないという義務感が、大国の指導層にはある。バイデンのようにボケると、脳内でドパミンが分泌されず、この競争の感性がなくなってしまうので、一切の指揮が部下任せとなり、構造的に危険だろう。

 次。
 Howard Altman 記者による2024-7-11記事「Ukraine Situation Report: Russian Strategic Missile Testing Facility Attacked」。
    ウクライナ軍はあきらかに、対峙線から400マイルも離れた露領内の「カプスチン・ヤール」の核ミサイル実験基地を特攻ドローンで空襲したようである。

 ※オースチンがロシアの国防大臣に電話して会談したと伝えられるのは、この件に関して、どこまでやらせる気なのか、説明するためだったのではないか?

 ※長駆空襲にはUJ-26という固定翼(先尾翼型)の無人機が複数、使われた模様。

 ※雑報によると、ヘルソン地区にて、露軍の偵察用マルチコプターが、ウクライナの河川漁民の小舟から魚を投げつけられてぶつけられても、グラつくだけで墜落はしないことを、POV動画によって証明した。相当に大型の機体だったか。

 ※雑報によるとイスラエル軍はガザ地区内のUNRWA拠点をガサ入れして、大量の弾薬の他に、爆撃機仕様の固定翼無人機も押収した。

 ※雑報によるとロシアのFSBが、空母『アドミラル・クズネツォフ』に対する破壊工作を阻止したと宣伝している。

 次。
 Defense Express の2024-7-12記事「Historic Agreement Secured: Northrop Grumman Will Produce Ammunition in Ukraine」。
    ウクライナ大統領府発表。
 ノースロップグラマン社とのあいだに契約が成立。
 同社はウクライナ国内で弾薬を製造する最初の米国企業となる。

 まずは、20㎜弾(ケースは120㎜で、米軍仕様)、30ミリ弾(ケース長は2種あり、うちひとつはブッシュマスター対応)、40ミリ弾(ケースは180㎜)、50ミリ機関砲弾(ケースは228ミリ)からスタートする。

 ※雑報によるとポーランドの航空ショーにおいて、イタリア製ジェット練習機の「M-345」が曲芸披露中に墜落した。動画あり。

 次。
 Leila Nezirevic 記者による2024-7-12記事「Finland approves bill aimed at stopping asylum seekers from Russia」。
    フィンランド議会は、ロシア国境から越境してきた「自称・亡命希望者」どもは全員、その場から追い返して可いという権能を、国境警備隊員に付与する法案を承認した。これはロシア政府がイスラム教徒の「難民兵器」を駆使しているのに強力に対抗するため。


ウクライナは「グリペン」は受取らないことに決めた。

 Boyko Nikolov 記者による2024-7-11記事「Ukraine rejects Gripen due to F-16 integration challenges」。
  スウェーデン側の公表で分かった。
 拒否する理由は、F-16受け入れですでに宇軍は手一杯で、別システムに対応できるだけの人材が無いため。

 ※兵器の接受にも教育にも維持にも、なべて多人数の「人」が必要だということが、素人にはなかなか理解されない。しかもその「人」は、そこらのプー太郎どもを駆り集めたのではダメで、有意の未来ある俊英青年とバリバリ中年でなくては、話にもならないのだ。そんな人材、今どき、どこの国にももう余ってなどいない。ごく限られた、稀少&貴重な人材を、ならば、どこに固めて投入するのが、いちばん国家を安全にするか? その計算をつきつめて、仕分けがなされている。例によってこれを閑却したさいきんの「小学生ネタ」は「A-10を捨てずにヨルダン空軍にひきとってもらえばいいじゃないか」というもの。ヨルダンにもそんな余計な「人」は余っていないから、この話は実現不可能な与太話だ。しからばなぜ、こんな話が執拗にあとからあとから湧いて出てくるのか。「A-10」のような正面装備は、納品したら終わり、ではないのである。納品後の「修繕事業」が、メーカーには、おいしいのだ。これがもし、民間の建て売り住宅であったなら、住宅の私人オーナーは、雨漏りを修繕しないでバケツで我慢しよう、という選択ができる。ところが国軍の正面装備はそうはいかない。定期修繕をしないわけにはいかないのだ。この定期修繕の金額が、庶民感覚の想像を絶した巨費である。ゆえにまさにこここそがメーカーには「麻薬」級においしいのである。「A-10」のスペアパーツを製造している米本土内の工場群としたら、「A-10」がいくらすべてのパフォーマンスでF-16に劣ろうとも、そんなこと、知ったこっちゃないのだ。古くて役立たずな「A-10」が世界のどこかで現役であり続けてくれることが、企業の年商に、霄壤の差をもたらすからである。だったら、その存続のための「工作」費用を、出し惜しむ理由などないよね。というか、経営者としては、そうするのがむしろ義務と考えられる。その工作費の1万倍の定期年商が将来も確保されるとしたら。

 次。
 Katie Bo Lillis, Natasha Bertrand and Frederik Pleitgen 記者による2024-7-11記事「US and Germany foiled Russian plot to assassinate CEO of arms manufacturer sending weapons to Ukraine」。
    数ヵ月前、米国情報部は、ロシア政府がラインメタル社のCEO アルミン・パペジャー を暗殺しようとしている計画を探知し、それをドイツ政府に知らせ、阻止させた。
 ロシアは、ラインメタル社がウクライナ国内に工場を建てて砲弾とAFVを製造しようとしているのを、この暗殺計画で妨害するつもりであった。

 ロシアが経営陣を殺そうと謀っているのは、ひとりラインメタル社だけにとどまらない。ウクライナとかかわる欧州の兵器メーカー複数が、ターゲットであるという。

 ロシアは過去半年以上、全欧で現地のチンピラをリクルートして、ウクライナ向けの軍需品倉庫を放火させるなどのサボタージュを繰り返している。多くは、直接には手を下さない破壊工作だ。

 ※SNSにはさっそく《トランプだったらこの暗殺プロットを知っても、ドイツに通牒しなかっただろう》という揶揄が書き込まれている。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2024-7-11記事「Denmark to Fund the Production of Ukrainian Bohdana Howitzers for Ukrainian Forces」。
    デンマークは、ウクライナ政府にカネをやり、18両の「ボーダナ」自走榴弾砲をウクライナメーカーが製造できるようにしてやる。

 これらの装備は来月には宇軍に納入されるという。

 2024-6にデンマークとウクライナ政府のあいだでとりかわされた協力合意に基づく。

 次。
 Philip Obaji Jr. 記者による2024-7-10記事「‘We now face guns’: Small-scale miners fear Wagner’s advances in CAR」。
   中央アフリカ共和国ではがんらい、金鉱やダイヤモンド鉱山に無数の流民が住み着いて勝手に手掘り作業で採掘をしていた。

 近年、そこにロシア資本が入ってきて、貧民どもを鉱区内から追い立てては、鉱山を囲い込むようになった。
 最初は、中央アフリカ共和国のトゥアデラ大統領が2017に、反政府ゲリラを鎮圧するためにロシアのワグネルグループを呼び寄せた。そこから今の事態が始っている。

 2019年にはロシア人が同国中部と東部の金鉱を仕切り始めた。

 ロシア人はヘリコプターで「コキ」という採掘拠点に飛来し、いきなり採掘貧民群に向けて発砲し、12人が死亡したという。それは日曜日の朝であった。鉱区からの追い立ては、こんな調子で進められている。

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 Gordon G. Chang 記者による2024-7-10記事「China’s losses in Kenya are America’s opportunities in Africa」。
    日曜日、数百人のケニア人がナイロビでデモ行進し、ルト大統領の辞任を要求した。
 ルトは外交的には親米路線。だが、経済指導者としてはピンチに直面している。

 全土での反政府デモは6-18に始った。ルトが、政府の赤字を減らすために増税を言い出したからだ。
 ケニアの政府債務は820億ドルである。記者の試算では、それは同国GDPの75%に相当する。
 利子返済だけでも、政府歳入額の37%に匹敵する。

 財政を悪化させた犯人は、ルトの前任政権。中共から80億ドルも借金して放漫財政を満喫した。今、そのツケを払わされているのだ。

 このときケニア政府は、中共に47億ドルで鉄道建設を発注した。それはウガンダからケニア国内を通ってインド洋の港まで到達する計画だった。それはいまだにウガンダ国境の200マイル手前までしかできていない。

 工事が止まったのは、工費が尽きたから。中共の「輸出入銀行」はそのような場合、追加融資はしてくれないのだ。
 まったく同じパターンで、中共企業に発注した自動車道の建設も、途中で止まっている。

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 Fabien ZAMORA 記者による2024-7-11記事「China warns NATO with army drills on alliance’s doorstep」。
   今週、中共軍は、ベラルーシ国内で演習する。

 これは2022-2以降では最初の合同軍事演習。
 すでに7月8日からスタートしている。ポーランド国境に近いブレストにて。
 中旬まで続く予定だ。

 派兵人数は非公開である。


地下病院の好いモデルはイスラエルにある。平時には1400台が駐車できる3層の地下駐車場としておいて、有事にそこを2000床の臨時病院に変えるしくみ。

 Trevor Hunnicutt , Jeff Mason and Jarrett Renshaw 記者による2024-7-11記事「Biden allies Pelosi, Clooney raise fresh doubts about his reelection chance」。
    前の連邦下院議長のペロシ(民主党)が、もうぐずぐずしている時間はないわい、と警告。
 また、バイデン陣営の献金者募集集会に「共同司会者」として協力してきたジョージ・クルーニーも、バイデンは別な候補に交代しろと促した。

 ペロシはMSNBCのインタビューに答えた。ただしバイデンを名指しせず、全般情勢論として語った。

 クルーニーはNYTへの寄稿で、バイデンはもはや2020年のバイデンとも同一の人物じゃないと断じた。

 クルーニーは3週間前に募金集会でバイデンを間近に見ている。その上で断言している。このままでは下院の議席も失うし、それに続いて上院の改選議席選挙でも民主党が敗れると。

 ※フランスの総選挙でルペンの党が大後退したのは、小選挙区で個々の立候補者に焦点が絞られると、いかにもその言動が下等な連中が多いことが明らかになってしまい、有権者が引いた。けっきょく、どこでも「人材」なのだよね。マトモな人材がすくない。

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 Boyko Nikolov 記者による2024-7-9記事「RuAF tests concrete-piercing bomb dropped by Su-30SM2」。
  ロシア空軍がしきりに、おれらは地下破壊用の徹甲爆弾をいろいろテストしているぞ、と宣伝ちゅう。
 バンカーバスターの弾殻は通常、高張力鋼のような素材で造られる。

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 ウィキの「Underground hospital」を、読んでみた。

   地下化病院は、WWII中にはあちこちで建設されたが、今、それを運用しているところは稀になった。

 記録のある最古の「地下病院」は1277年にイタリアのピストイア市にできた。市の地下にうがたれたトンネルが利用されたものである。

 WWI中にはフランスのコンピエーニュの北にあった石灰岩の採石場が地下病院施設として臨時に使われている。
 また、アラス市の地下トンネルにも700床の病院が開設された。

 サンローランにはドイツのトート機関が1942から建設したトンネル構造の砲兵用の地下倉庫があった。これをノルマンディ上陸直後に連合軍が病院として改築している。1944の夏のあいだ、地域住民も利用できた。

 このとき確認されたこと。地下トンネル内では、患者の恢復は、どうしても、はかばかしくない。
  ※これ大事。だからイスラエルすらも、平時には地下では施療しない。

 WWII中、マルタ島の陸上の軍病院の地下部分に、1200床の収容スペースが増築されている。

 今日、イスラエルは、3箇所の地下病院を公表している。他に、非公表施設もあるかもしれぬが。

 テルアヴィヴに2008から建設して2011に完成した病院は、地上13階、地下4階。最多で1000人を収容できる。工費1億1100億ドル。

 北部のラムバムヘルスケアキャンパスは、2010開業。地下病棟にて、化学兵器や生物兵器にやられた患者を治療できる。

 ベイリンソン病院は、要塞化された救急病院。年間20万人を施療できる。ERとしてはイスラエルで最大。

 ストックホルム市の地下にはDEMC=災害救急センター と呼ばれる4700平米の地下病院施設が1994に完成した。

 この施設は、平時には、医療者の訓練や研究目的に供されている。
 戦争が起きると、この施設は病院として機能し始める。病床数は、平時は270床、戦時は160床。

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 ウィキの「Tel Aviv Sourasky Medical Center」を、読んでみた。
   テルアビブの地上13階病院「イチロフ病院」は、耐爆設計で、ロケット弾の落下に耐えられるようにできている。

 2022年に、この「イチロフ病院」内に、世界最大のERが完成。8000平米。そこには「セルフ・トリアージ」の設備があり、ロボットが、人々をガイドしてくれるという。

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 AFPの2023-10-13記事「From carpark to ‘world’s largest underground hospital’ in 30 hours」。
    ハイファにあるラムバム病院は、平時の地下駐車場が戦時に1300床の病院になる。
 そこはレバノン国境から50kmしか離れていない。

 2006年にはヒズボラのロケット弾400発が、病院周辺に落下した。
 このときは病院に地下壕が付属していなかったのでたいへんだった。入院患者たちをとりあえず露天に置くしかなかった。

  そこで、平時に地下駐車場を建設しておき、有事にはそこを病床化するという「デュアル・ユース」計画が定まった。

 設計技師は、地下3階構造の駐車場を構想した。そのすべてが戦時には病院に早変わりするのだ。2000床となれば、世界最大の地下病院である。

 地下の1フロアーは、広さが2万平米以上。

 第3層部分に1300床。
 第2層部分には700床。

 第1層部分は、イスラエルが化学兵器による攻撃を受けたとき、自動車で運ばれてきた患者がトリアージを受ける場所となる。除染設備あり。

 食料、燃料、酸素は、3日分が備蓄されている。

 地下病院は遮音が重要。というのは、戦時には阿鼻叫喚なので。声が響くと、他の患者によくない。
 仕切り壁には、人々の閉所恐怖感を緩和するような「飾り」も必要だ。

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 David Shamah 記者による2012-6-8記事「World’s largest, most advanced underground hospital opens in Haifa」。
   ハイファの病院。地下駐車場としているときは、キャパシティは1400台である。

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 米国が1943に建設したアーカンソー州キャンプ・ロビンソンの地下病院に関する、1958秘密解除文書。
  その中の、いくつかのだいじな着眼。

 換気ダクトは、地上への緊急脱出路を兼ねていること。

 すべての地上の出入り口は、水平方向から射撃されたときに、弾が建物内部にストレートに届かない結構であること。

 換気孔から手榴弾を投げ込まれた場合にも実質の被害が生じない工夫をすること。

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 Karma Health 記者による記事「Underground Hospital Construction: A Necessity in Disaster-Prone Regions」。
    大地震のような災害がいつ起きるか分からない地方にとっては、地下病院施設は、もはや贅沢品ではない。必需品だ!


ロシア製のサーマル偽装網は、宇軍のFPV搭載の小型サーマルビジョンの目を誤魔化せないようだ。

 SNSに7月8日に投稿されたビデオではっきりした。この熱偽装シートは2023からあるが、ドローンの暗視カメラの性能を凌げていない。
 げんざい、偵察用UAVにはサーマルカメラは普及しているも、自爆ドローンにはまだ昼間用ビデオしか搭載できていない場合が多い。しかしサーマルカメラのFPVドローンへの搭載率も右肩上がりの趨勢だ。

 ※単に熱赤外線輻射をとらえるだけでなく、今後は、赤外線の波長帯を4つ以上に区切って、マルチスペクトラムと輪郭AI認識により、高価値対象を検知するようにもなるはず。この趨勢は確実だと思う。日本のメーカーは奮起するべきだ。

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 Morgan Lerette 記者による2024-7-9記事「Erik Prince is Wrong for Secretary of Defense」。
    いまから1600年前にローマのウェゲティウス将軍が書き記した。汝、平和を欲するならば、戦争に備えよ、と。※このラテン語警句の最後が「パラ・ベルム」なので、20世紀のドイツ人が9ミリ拳銃弾の商品名にした。ちなみに「平和」は「パケム」。

 これが今日のセクデフ(米国国防長官)の仕事である。戦争を避けながら、戦争に備えるのが本務だ。

 ところでスチュアート・シェラーが最近、トランプ新政権のセクデフにはエリック・プリンスが良い、と推奨した。エリックは、ブラックウォーター社の創業者で、トランプを公然支持しており、テレビ映りが良い。

 ちなみに記者も元ブラックウォーターだが、記者の考えは、シェラーに大反対だ。

 戦争の民営ビジネス化は、能率的ではあるが、正規軍より効果的かどうかは疑問である。
 そして記者の信念。セクデフは、ヘビメタバンドのドラマーではあってはならぬ。戦意高揚の太鼓を叩くのはその職に非ず。※なかなか深い表現だ。ジョン・ボナムが急死したことでツェッペリンは二度とヘビメタ活動できなくなってしまった。それと入れ替わりに隆盛したパンク・バンドたちは、別にドラマーには依拠していなかった。ようするに、失業青年たちが感じているフラストレーションを、旧世代の名物バンドのリードギタリストとボーカリストが共有なんかしてはいないことが、ドラマーの欠落によって、隠しようがなくなってしまったのだ。その正体はいつのまにか、ファッション・ロックであった。

 元大企業CEOのラムズフェルドが2001年のテロ以降、セクデフとして何をしでかしたかを見れば瞭然だろう。

 エリック・プリンスは、ラムズフェルドの再来になる。
 エリックは、アフガン戦争はPMCにやらせりゃ勝てたんだと言いたげだ。そして、これからアフリカを米国の植民地化しょうじゃないかと考えている。

 PMCはイラクとアフガンで既に失敗しているのに、彼はそれは気にしない。

 イラクでは、われわれPMCは「外交特権」を与えられているから、UCMJ(=正しい軍事行為に関する統一典例)なんか知らなくていいと言われていた。すなわち、戦時国際法上の無法集団に闇で人殺しをさせる流儀がまた復活するだろう。

 ここでついでに、PMCになりたい者に忠告しておく。VA(退役軍人庁)は、元PMCの面倒は見てくれないぞ。後遺障害が出ても、只で治療は受けられない。支援も、補助もない。軍人恩給も家族手当も無い。米国の制度、そして米国の連邦法の、埒外だからだ。
 PMCを駆使する連邦政府としては、大いに安上がりだろう。しかしPMCの成員から見れば、ラムズフェルド流とは、部下を虫けらのように使い捨てる経営道に他ならないのだ。

 統計数字はもっていないが、記者の知る範囲では、元ブラックウォーター社員は、高率で、自殺を遂げている。

 ※Kh-101ていどの巡航ミサイルで完全破壊されるような小児病院であってはダメだ。日本政府は、完全に地下化された都市病院の建設というかたちで対宇支援するのが、正しいカタチだと思う。


台湾は「スイッチブレード300 ブロック20」を6020万ドルで輸入できることになった。

 米陸軍が10年も使っていて、さすがに改善は進んでいると想像される。レンジ10kmだから防御側だけが有利。対岸からは同格のミサイルを誘導できないしジャミングも徹底できない。

 次。
 Brian McElhiney and Keishi Koja 記者による2024-7-8記事「Motorcyclist killed in collision with SUV carrying Japanese troops on Hawaii」。
    先週、カウアイ島で、リムパック演習に参加するため来島していた自衛隊官3人が乗ったレンタルSUVに、オートバイが衝突する事故があって、オートバイに乗っていた島民(44)が火曜日に死亡した。

 SUVに乗っていた1名も負傷したと。
 事故原因は調査中だが、スピードが出ていたようだ。

 SUVはダッヂの2021年式。ハイウェイを西へ向かって走っていて、「ケカハ」近くで左折したところ、東へ向かって走ってきた自動二輪車と衝突した。
 この現場の近くに、米海軍のミサイル試射場がある。

 金曜日に自衛隊が発表したところでは、この3人は、沖縄の勝連〔分屯地。ことし3月30日に編成完結。海自基地内に間借り?〕からやってきた第7地対艦ミサイル連隊に所属する隊員。

 次。
 Malte Humpert 記者による2024-7-8記事「LNG Modules Back to China’s Wison Yard」。
  中共からロシアにLNGプラントを輸出しようとして重量物運搬船が北極海を目指して出港していたが、3ヵ月して荷物を載せたまま、また中共の港まで戻ってきた。米政府から強く警告されたため、諦めた。

 Novatek社は、発注したプラントを受取れないことになった。


中共最大の165m海警船がマニラ沖のEEZに碇泊してイヤガラセ中。

 APの2024-7-6記事「One dies after explosion at General Dynamics plant in Arkansas」。
  弾薬の爆発事故は水曜日に起きた。カムデン市。
 当初、1名が行方不明と伝えられた。吹き飛ばされて死んだと確認された。

 カムデン工場は広さが88万平方フィートある。
 GD社はここで、ヘルファイアやジャヴェリンや、迫撃砲弾の量産に、協力していた。

 ※一瞬、ジェネラルアトミクス社の工場かと錯覚して、焦ったわ。無人機工場の中に実弾頭付きの兵装なんて持ち込まないだろう。

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 ストラテジーペイジ の2024-7-7。
    欧州のNATO諸国は、武器・弾薬を欧州域内からますます調達しなければならないと認識している。
 というのは米国は「対支」にかかりきりになる。
 トランプ政権ができればますます「対露」はなおざりにされる。
 したがって「対露」はもう西欧だけでなんとかするしかないのだ。

 ドイツは、戦後最大となる1万トン・クラスの『F126』という巡洋艦を「フリゲート」と公称して6隻建造する(1隻15億ドル)。1号艦は2028年に就役するであろう。

 興味深いのは、この巨艦には「放水銃」と超指向性警告スピーカーも備えられてあり、軽舟で近寄ろうとするテロリストを追い払える。

 次。
Boyko Nikolov 記者による2024-7-6記事「Leaked: Su-34 crew meets Patriot ―― ‘Will we still live, Seryozha?’」。
   SNSのテレグラフの戦闘爆撃機チャンネルに、露軍の「スホイ34」の搭乗員2名の交話だという音源が投稿されている。ちなみに「スホイ34」のコクピットは、サイドバイサイドの複座。

 パイロットの声は、こう言っている。「どうだセリョージャ、俺たち、もうすこしばかり生き延びられるかな?」
 ペトリオットの危険域に突入する直前の、いつもの軽口らしい。

 その後しばらく、地上管制局からの声しか聞こえない。2名は、飛行に集中しているのだ。

 そのあとでまた、軽口が復活している。どうやら、兵装をリリースしおえて、ペトリの危険域から無事離脱できたようだ。

 「スホイ34」は図体が大きい割にエンジンは普通なので、SAMやAAMに狙われると咄嗟の回避機動でかわせないと意識されている。

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 Forest Machine Magazine の2024-6-19記事「5G-equipped drone remotely controls forest machine」。
   既存の中継塔が存在しない大森林の奥に、可搬性のモバイル基地局をユーザー自身が持ち込むことで、森林伐採マシンを5Gでリモコンして完全ロボット化できることが実証された。

 この実験は多数のスウェーデン企業が合同で実施した。

 すでにグループは2021-11に、丸太のローダーを奥地の森林でリモコン作業させた。

 今回の実験の成功により、見えてきた未来。たとえば既設の中継局が大災害で機能停止したエリアに、救援隊が進出して、自前の5G網を構成することにより、すくない人手で森林重機を24時間フル稼働させられるようになる。

 可搬性臨時基地局は、ドローンに搭載して、現場に持ち込む。
 そのドローンの位置から、理論上、半径3kmくらいまで、ロボット重機をリモコンできる。今回のテストでは500m離した。

 このたびのテストでは、重機オペレーターは、現場から90km離れている町の研究所内から、リモコン操縦した。

 ※今年2月の別な業界ニュースによれば、林業用の重機メーカーの世界トップ10は次の如し。1位はVOLVO。2位はキャタピラー。3位は「コマツ・フォレストリー」(この最新機械を見ると、単座の前後重連車体で8輪、独創的ですばらしい。官の注文通りに万事やらねばならぬ装甲車事業なんかもうやめるという気持ちがよく分かる)。4位、韓国の Doosan Infracore。5位、日立建機。6位、英国の C. Bamford Excavators。7位、米国のジョン・ディーア。8位、イタリアのCNH工業=ニューホランド。9位、ヒュンダイ。10位、南アのベル・イクィップメント。