《世界自転車デー》とやらに、ちりん、ちりん!

 6月1日の「note」で紹介した2022年型のベトナム軍用輸送自転車の「謎のプレート」は、「後輪ブレーキ」なのではないかと察した。
 すなわち、ノーマル状態で10度後傾している「檣状の押し棒」を、さらに後方へプラス10度、強く引いて傾きを増してやれば、その小プレートがタイヤ表面を圧し、制動がかかる仕組みなのであろう。

 (これはパーキングブレーキとしても重宝するかもしれぬ。)

 そうだとすると面白い想像ができる。
 サドルに腰掛けて急な坂道を下っているときに、じぶんの尻を後方に突き出すことによって、強力な後輪制動をかけてやれるわけだ。「尻ブレーキ」だ! (略して「尻ブレ」)。こいつは発明じゃないか?

 ふつうの乗用自転車にも、この機構を付け足したらいいんじゃないか? 咄嗟のブレーキングと前傾姿勢とはミスマッチでしょう?

 あと、ベトナムから雑貨を輸入している小商店は、どうしてこういう面白自転車を輸入しないんだ?

 次。
 Juki Trinh 記者による2024-6-2記事「Vietnam and Cambodia Clash Over New Mekong Canal」。
  メコン河は、カンボジア領内から南ベトナムへ流れ下り、最終的に南支那海まで注いでいるのだが、昔から中共の手下であるカンボジアの政府が、その流路をベトナム国境の手前にて70度ばかり右へ向け変え、人工水路によってカンボジア領だけを通してタイランド湾に早々と吐出させてしまおうというトンデモ・プロジェクト。

 着工寸前であり、ベトナム政府は怒り狂っている。もちろん、水路の掘削工事は中共企業が実施し、その工費170億ドルは「一帯一路」計画の基金から北京が貸し与えるのだ。

 この新水路の河口には中共海軍のための軍港施設があり、それも拡充される予定。

 ※『北海道新聞』の2024-6-3号に、宗谷岬から襟裳岬まで、積雪期に、北海道の分水嶺をたどって670km踏破した山岳ガイドの人の講演内容が載っている。重要な数字を抜書きしておく。1日の移動距離は、調子がよくても20km。最難関の日高山脈では1日に8kmが限界。食料は1日3500キロカロリーを用意したが、それでも後半1ヵ月は空腹でたまらず、体重が10kg減った。出発は2月末、ゴールは4月29日だった(トータル64日間)。連日、8時間から10時間歩いた。背負った重さは45kg(ただしルート上に点々と食料を事前に置いた)――。ここから言えること。兵隊の行軍では、武器弾薬だけで13kgくらい担がねばならないから、どんな超人でも45kg-13kg=32kgのコメを出発点において担ぐのが、せいぜいだったのだ。

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 Ehren Wynder 記者による2024-5-31記事「Bezos Earth Fund awards $30M to N.C. State to research sustainable proteins」。
    ベゾス・アース・ファンドは、このたび、ノースカロライナ州立大学に3000万ドルを与えて、「サスティナブルな人造培養肉」の産業化研究を加速させる。

 ※世界一の金持ちが目を着けたのは、やはり、人工食料だった。

 次。
 Ben Wolfgang 記者による2024-4-18記事「Israel’s war against Hamas posts lower civilian-to-combatant death ratio than other urban battles」。
   米軍が2016年から2017年にかけてイラクのモスル市からISを叩き出したとき、シビリアンの住民が1万人、巻き添えで死んだ。IS戦闘員の死者はそれに対して4000人だった。

 この比率と比べると、イスラエル軍は「人道的」に作戦していることがおのずからあきらかだ。この時点でイスラエル軍はハマスを1万3000人始末したという。かたわら、ガザの民間人の死者は2万人という。

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 APの2024-6-3記事「German police officer dies of wounds suffered in knife attack」。
   金曜日、29歳のドイツ人警察官が、抜き身の中型ナイフを白昼堂々とふりかざした25歳のアフガニスタンからの「移民」の男によって首の後ろを複数回刺されていたが、日曜日に病院で死亡した。マンハイム中央広場にて、この移民は他にも5人に切りつけて負傷させている。

 この犯人は他の警察官の銃によって倒され、確保されている。まだ生きている模様。訊問には答えられないコンディション。

 金曜日に広場では、イスラム移民が増えすぎてヨーロッパ社会の平和にとって有害な政治的存在感をますます強めていると警鐘を鳴らすデモが行われていた。

 ※あたりまえの話だがドイツの一般人の憤懣は昂じている。しかしそのあたりまえの意見を公言すると、腑抜けたマスメディアによって「極右」のレッテルを貼られる。だから誰も口にはしない。私は予言するが、ドイツはむしろ若年層からの要望によって、徴兵制を復活させるだろうと思う。「三十年戦争」後の「近代」のルールに背を向ける異教徒らの数の横暴によってここまで社会秩序が挑戦されてしまうと、そこから社会が自衛反撃する手段はなまなかなものでは焼け石に水なので、残された有力オプションとして若者が自発的に徴兵制を選ぶようになるだろう。北欧と一部東欧では、その流れは先行している。ポスト冷戦の《欧州流偽善》が、今日の自業自得の事態を招いた。人がもし知性ある生き物ならば、他者の大失敗を見て、みずからはその破滅を避けられる筈。日本人は欧州人の猿真似をしなかったおかげで今日の平和を築き得たのである。その幸運を噛み締められる者は、さらに歴史を学べ。

 次。
 2024-6-2記事「Protected motorcycle. Source: btvt2019」。
   ウクライナ戦線の露軍が、現地改造の「サイドカー」を持ち出すのは今に始まったことではないが、その側車とオートバイ本体をまとめてすっぽり「コープケージ」で囲ったモノが、ついに登場した。

 SNSの「テレグラム」に、その面白い写真が出ている。

 自動二輪車の車格は、みたところ、せいぜい90cc.~200cc.といったところ。記事によると、このオートバイには150kgまでのモノが載せられるのだという。

 ※戦場でサイドカーを使うときに何が苦労するのかを知りたい人は、「大阪市立大学大学院経済学研究科」が2014年にまとめているディスカッションペーパー(PDFで公開されています)「日本内燃機“くろがね”軍用車両史」を一読することをおススメします。図版満載で、わたしゃ読み通すだけでも6日くらいも要したわ。読後感として、もしバギー型の4×4が手に入るのなら、わざわざサイドカー(デフなしの3×2)など製造・調達する価値などない――と説得されます。にもかかわらず、私は、フィリピン軍が「サイドカー型タクシー」(3×1です)を対支有事のさいフル活用する研究を今からすすめておくべきだ、との自説を、維持いたします。理由は、すでに現地で大量生産されていて、重宝もされているモノならば、それは有事にも役に立つ蓋然性があるから。


兵頭二十八 note


自転車で勝てた戦争があった


ランニング ワッショイ の罰

 Andrew Cockburn 記者による2024-5-29記事「Ukraine War rips veil off of US weapons superiority」。
    米国製の高額な兵器がウクライナでまったく調子が出ていないのは、米軍には「適切なテスト」をするという文化が無いからである。リアルな試験をやる予算を惜しんで他に使うように、制度が誘導しているともいえる。それは結局、高くつくのだが……。

 「スイッチブレード300」は少しも「ゲームチェンジャー」ではなかった。M-1戦車、155㎜エクスカリバー誘導砲弾も、まるでダメだと分かった。

 ウクライナ兵は1機6万ドルの「スイッチブレード300」をすばやく見限って倉庫内に放置し、通販で1機700ドルの中国製ドローンを取り寄せて、そっちに爆装して使っている。役にも立たぬ兵器に命を預ける義理はないのだ。

 野戦重榴弾砲のM777はラフな戦場で使うにはデリケート過ぎて、頻繁にポーランドの工廠まで後送してリペアしなくてはならない。さらにまずいのが砲弾不足。クリントン政権が、米本土の分散的な砲弾工場を1工場に集約させる流れを作った。戦時の「生産弾撥性」「リダンダンシー保険」をなくしてしまったのだ。いまではペンシルベニア州にGD社が運営する古びた工場に155ミリ砲弾のほとんどを発注しなければならない。それが実戦の実需には応じられないことがはしなくもバレた。

 ペトリオットは敵の弾道弾を迎撃するとたちまちタマ切れするから、弾道弾がキーウに降ってきても迎撃しない。それで乞食坊が不満タラタラだ。

 HIMARSは、燃弾の分散秘匿を心掛けないマヌケが相手のときは役に立っている。しかしそれらマヌケな敵は戦場淘汰が進み、今、生き残っている狡猾な敵に対しては、HIMARSもパッとしない。

 4月に調達整備担当国防次官のウィリアム・ラプランテがCSISのカンファレンスで語った。GPSに依存しないで飛べると威張っていた「Skydio」のマルチコプターが露軍のジャミングを受けて逸走したと。

 露軍が出てきているハルキウ方面の前線では、築城工事に投じられていたはずの数億フリヴニャの資金が中抜きされており、防備土工が皆無。ハルキウ市に巣食う腐敗ウクライナ人どもが、平然と領土を売り渡しているのである。

 ハルキウ市の防衛築城請負い企業体に渡された、米ドルにして1億7300万ドルが、使途不明。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-6-1記事。
   DARPAが開発したUUVの「マンタ・レイ」。
 全重30トン、ペイロード10トンのバケモノである。

 全重18mで、幅6m、高さ3m。
 リチウムイオン電池にフル充電すると、3000kmも潜航してくれる。水中最高速力は18km/時。

 だいたい連続6週間、活動できる。
 西太平洋の島嶼に展開した味方特殊部隊のために、こっそりと補給品を届けることができる。

 「マンタ・レイ」を分解すると、舶用コンテナの中に完全に収納できる。その姿で世界各地に急送できる。


兵頭二十八 note
ベトナム式輸送自転車の細部がわかる写真をさらに拾い集めますた(ソースはすべてベトナムのメディア。画像検索すると、たぐれる)


自転車で勝てた戦争があった


全国の書店員さんは『月刊正論』7月号の新刊紹介記事をコピーして『自転車で勝てた戦争があった』のPOPに使おう!

 ベトナムから発信されているユーチューブに、インドシナ戦争中の輸送自転車の動画集があります。また、先日のパレードの準備風景もあって、いずれも貴重。
https://www.youtube.com/watch?v=VpFIa43oIJk

 さらに、先日noteで紹介したスチルでは不明であった「後輪用のブレーキ・レバー」を、右手で掴む「縦棒」に後付けできるようになったこともわかる、貴重な動画も。2024年の映像。
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=uGNtumL8mBI

 そしてもっとすばらしい動画。2022年に新コロ対策として食料配給をすることになったベトナム政府が、軍の輸送自転車部隊を動員しているのだが、まさにベトナム・スペシャルの専用自転車のディテールが分かる。百聞は一見に如かず。
https://www.youtube.com/watch?v=xz1jnV_XeoU

 数日以内に、他の未見スチル写真についてもコメントできると思いますので、おまちください。あいにく不敏にしてベトナム語は読めませんが、テキストの数字部分を眺めるに、どうも2022年時点の最新製品では1台に300kgまで積載できるようだ(280という数字もある)。しかも荷物を運ばないときは、普通の乗用自転車にもなる。こんなユニークな工業製品をどうしてベトナムは輸出しようとしないんだ?

 次。
 2024-5記事「Aeronautics Launches the Hybrid Octoper: Multi-Rotor UAS」。
  アエロノーティクス社が、エンジンで発電してモーターを回す重量級の軍用マルチコプターを完成した。
 ローターは4軸に串状に配列されているので、オクトコプターに分類される。

 メーカーは「ハイブリッド・オクトパー」と称す。
 内燃エンジンなので4時間も滞空できる。

 内燃機関は連続して400ワットを発電する。電池容量は10分間の飛行をそれだけでまかなえる。
 10分あれば、安全な平地を探して緊急着陸することもできるだろう。

 GNSSが使えない環境でも運用可能だという。

 次。
 Rebecca Grant 記者による2024-記事「Bye Bye Bad Chinese Routers――House Committee Bipartisan Move Against TP-Link」。
    「ルーター法」と俗称される、中共製の安価なルーターをスパイ端末と看做して米国内の官公署等から追放する連邦法が、共和・民主の超党派の意思として成立する。下院の「エネルギー・商業 小委員会」で43対ゼロで可決。

 バッドニューズもある。中共の「TP-Link」社製のチープなルーターは、すでにかなりの数量が、NASAやペンタゴン内にまで設置されてしまっているのだ。

 2024年1月、ヨーロッパ内で活動する、中共をバックとするハッカー集団が、「TP-Link」製ルーターの脆弱性を利用してサイバー・エスピオナージに精を出していた。

 「ルーター法」は、米商務省をして、危険な外国製ルーターはどれか、調べさせる。疑惑のルーターが浮上すれば、2019年の「安全・あんしん通信ネットワーク法」に基づいて、連邦通信委員会が、その製品の市販を禁ずることができる。その上に「ルーター法」は、既設の当該商品の撤去までも可能にする。

 次。
 Joe Saballa 記者による2024-5-28記事「China, Russia Trying to Infiltrate US Military Bases: Navy Admiral」。
    米海軍の聯合艦隊司令長官ダリル・コードル提督がFoxニュースに対していわく。中共とロシアは、米国領土内の米軍基地内への「立ち入らせ工作活動」に熱心だと。
 海軍基地だけでも、毎週、2人以上が、MPによってつまみ出されていると。

 こやつらは口を揃えて「私はただの学生」「私はただのマニア」などと無害性を強調するのが通例。まったく信用に値しない。

 釈放する前に、しっかりと、バイオメトリクスは採取させて貰う。

 コードルによると、2023年の1年間で、シナ人だけでも100名以上が、米海軍基地内に立ち入って嗅ぎ回っているところを押さえられた。

 フロリダのロケット射場の近くにスクーバダイビングで肉薄し、捕縛されたシナ人「観光客」もいた。
 また数人が、ニューメキシコのミサイル射場に潜入していたところをつかまっている。

 コードルいわく。過去3年で、中共から合衆国への移民は8000%も急増している。これはマズいだろう、と。

 密入国しようとして国境でとっつかまっているシナ人も、2021年には342人だったのが、今年はもう2万4125人である。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-31記事「The russian Ground Forces Received the Upgraded 2B14 82 mm Light Mortars」。
    ロシア国営の兵器メーカー「ロステク」社が、射程よりも軽量化(可搬性)を重視して改修した、旧型の82ミリ迫撃砲「2B14」を、露軍部隊に納品し始めた。

 「2B14」はソ連時代から今日まで製造が続いているのだという。部隊の倉庫にはストックも大量にある。

 メーカーによると、最新バッチは、金属素材が見直されて軽くなった。
 ベースプレートは、全くの再設計になっている。地面への密着性を増し、ヨリ安定させたという。


兵頭二十八 note
5月5日は日本では「自転車の日」。6月3日は「世界自転車デー」だそうです。


自転車で勝てた戦争があった


月刊正論 2024年 07月号 [雑誌]


トルコ航空が、カブール空港との定期便を再開した。過去3年近く、中断していたが。

 The Maritime Executive の2024-5-20記事「China May Start Detaining Philippine Nationals in Philippine Waters」。
   先週、北京はアナウンスした。「海警」に権限を与える。誰であれ、中共が支配権を主張する海面に入った外国人を逮捕して60日間、収獄できる権限を。もちろん、裁判無しに、である。

 この権限は、6月中に、執行可能となる。

 次。
 Mark B. Schneider 記者による2024-5-20記事「FAS’s Report on Russian Nuclear Weapons: Flaws and Fallacies」。
  引用できる資料として定評あるFASが、ロシア軍の最新の核戦力(数量)について詳細に推定してくれている。
 愚生は本日、多忙ゆえ、抄訳もせぬ。

 タイトルだけ掲げておくから、必要なときは、あとでここを参照汁。

 次。
 Evan Loomis 記者による2024-5-21記事「The Urgent Need for Security Clearance Reform」。
    米国政府のセキュリティ・クリアランスは、いま、四レベルに分けられている。

 すなわち、
 「トップ・シークレット/センシティヴ・コンパートメンテド・インフォメーション(TS/SCI)」
 「トップ・シークレット(TS)」
 「シークレット(S)」
 「コンフィデンシャル(C)」
 である。

 こうしたクリアランスが個人に与えられる前に、その個人は数ヵ月から数年も背景を調査されねばならない。
 冷戦時代はそれでよかったが、今は、そこが政府を困らせる。
 今日の技術的な進歩は、数週間とか数日の単位で急進展するからだ。

 たとえばAIで革命的な技術を実装し市販可能にしたスタートアップが登場したとする。
 しかし米政府の最高幹部は、その創業者兼技術部長をただちにワシントンDCに呼んで、ある敵国のさしせまった工作から米国を防衛するためにそのシステムを利用させてくれ、などと相談することはできない。その創業者には、セキュリティ・クリアランスが与えられていないからだ。そいつの身体検査だけでも1年もかかる。かたや、最先端技術の相互進化の方は、1ヵ月も待っていてはくれない。どんどん政府=国防総省が、時代遅れになってしまう。

 私企業の幹部の方でも、いったいじぶんたちの政府がいま、どんな困難に直面して、いかなる課題を解決したくて困っているのか、それを知ることができないまま、いたずらに時間が過ぎる。


兵頭二十八 note

やはりベトナム軍は「押して歩く」専用の自転車を、今日なお 整備し続けているぞ!


自転車で勝てた戦争があった


全国の書店員の皆さん! 本日の『読売新聞』の広告を切り抜いてPOP化し、『自転車で勝てた戦争があった』を販促しよう!

 Cynthia McFadden, Kevin Monahan and Alexandra Chaidez 記者による2024-5-18記事「Ex-military surgeons embrace new mission: stop Americans from bleeding to death」。
   軍医のジョン・ホルコムは1993のモガディシュでこんな体験学習をした。ブラックホークが撃墜されて大量出血の負傷兵が多数発生。しかしソマリアにはまともな病院などなかった。軍医長がこう言った。「歩く血液銀行の準備をせよ」。

 衛生班の全員が横になり、腕から血を抜いて、即時にその場の負傷兵たちに輸血。
 それが終ると、次の繃帯所まで皆で歩いて移動する。だから「ウォーキングブラッドバンク」なのだ。

 出血外傷治療では、いかにすみやかに輸血してやれるかが、救命率を左右するのである。

 今日、ホルコムは、元軍医・衛生兵らの有志でつくっているグループに加わっている。このグループは、怪我人が病院へ送られる途次にも速やかに緊急輸血できる体制の整備を提言している。なかなか主張はうけいれられないので「全血マフィア」と自嘲しているところだ。

 彼らの主張。そもそも救急車やレスキュー・ヘリコプターの中に輸血用の血液が置いてないというのが、よくない。それがあれば全米で毎年数万人が救命されるはずである、と。

 しかしこの実現には数々の障壁がたちはだかっている。
 まず、カネ。
 病院到着前に救急車の中で輸血した分について、保険会社は、それは保険の適用外だと言うにきまっている。
 いま米国内の外科病院では、全血輸血をするところは50%しかない。あとは成分輸血。
 しかし、元軍医たちにいわせると、外傷輸血は全血がいちばん良い。

 失血のため真っ白になって担ぎ込まれてきた患者に全血を輸血すると、あなたの目の前で、みるみる生命の色が蘇って来る様が、観察できますよ――とホルコム。

 ちなみに『NATOエマージェンシー戦時手術ハンドブック』の共著者には、ホルコムが加わっている。

 次。
 ストラテジーペイジの2024-5-18記事。
    ロシアの極東部には、住民は830万人いる。ロシア極東部の面積は米本土48州に近似するが、米本土48州には3億1000万人が暮らしている。いかにシベリアの人口扶養力が低いかが分かるだろう。

 ロシア人の貧困率は2022以前は12%だったが、今は20%になっている。

 ロシアは軍用資材も民用資材も、デュアルユース需品も、すっかり、中共1国に依存するようになった。他に同盟国がないので、それ以外に道の選択は無いのだ。
 その中共に対して支払う代金は、間もなく「土地」を切り売りするしかなくなるはずである。

 ※ロシアは占領したマリウポリからベルディヤンスクへ、新しい鉄道支線を敷設した。これと同じことをなぜウクライナ側ではできない? 首都で遊んでいる若い奴ら、あれは、何なんだ?



自転車で勝てた戦争があった


『日経新聞』に広告が出ますので、全国の書店員さんは、それを切り抜いてPOPにしよう!

 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-16記事「The UK Defense Intelligence Analyzes Ukraine’s Wartime Economy」。
   英国国防省による分析。ウクライナは2024年には3%の実質経済成長をするだろう。
 ウクライナ経済は、2022年には前年比29%減となり、打撃を受けた。
 しかし2023年には、5%、経済成長している。これはIMFの統計。
 この復活基調が、続いていると言える。

 ウクライナの中央銀行の最新の2024年インフレ予測値は、8.2%である。

 次。
 Alexey Lenkov 記者による2024-5-16記事「Chinese failed with electromagnetic hypersonic railgun test」。
    中共がレールガンの発射テストをしたところ、砲弾は高度1万5000mの成層圏まで達したものの、その後の弾道が狙った通りにはならず、レンジも期待より短いところへ落下し、総体として実験は失敗したという。到達高度も、本当はもっと高く行くはずだったらしい。

 技師によると、砲弾の旋転が高速になりすぎた。それが、望ましくない「傾き」を結果したと。
 「rotational speed latching」という難問題だという。

 ※想像をするに、砲弾のピッチ角を随意に変えたくとも、あまりな高速旋転が続いているとジャイロ効果がキツすぎて、思うようには頭を下げてくれないという現象か?

 次。
 2024-5-16 記事「Drones with “machine vision” are being mass-produced in Ukraine」。
    ウクライナ国内で「Vyriy drone」というメーカーを率いているCEOのオレスキ・バベンコ氏が同国陸軍テレビのインテビューに生出演。

Oleksii Babenko, the company’s CEO, shared this with Army TV live.

 サーマル・イメージ・カメラと「マシンビジョン」システムを組み込んだ特攻自爆クォッドコプターの量産が、今月中に開始される、と語る。

 同社は、この半自動特攻機を数千機、量産するつもりである。

 今、足りないのは「部品」だけで、部品が調達できるなら、量産はいくらでもできるのだという。

 注目すべき発言。「マシン・ビジョン」は、後付けができる。ありふれたクォッドコプターにそれを載せてやるだけで、半自動ミサイルに変身するのだ。

 色の違いで真のターゲットを見分けさせることは、カメラの性能が低いために、FPV特攻機には採用できない。戦車が迷彩塗装しているだけで、そんなシステムでは、韜晦されてしまうのだ。

 そこで同社は、白黒のサーマルビジョンに撤することにした。これが、いまのところ、うまくいっている。

 同社の製造工場は、ウクライナ全土に分散されているために、もしどれか一箇所を露軍が巡航ミサイルで爆破しても、量産はストップしない。

 ウクライナには、比較的によく防空されている都市がある。そういう都市内に、重要な工場を分散する。

 メーカーは、兵器のソフトウェアであれ何であれ、「コーディファイ」し続けないといけない。ロシアのスパイは、そのひとつをデコードすることができても、全体の技術情報を盗むことはできない。コーディングはむろん、常時、刷新し続ける。そうすることにより、敵がそのすべてデコードしようとする努力は、無駄になるのだ。

 次。
 Jonathan Snyder and Hana Kusumoto 記者による2024-5-16記事「Marine who worked with F-35B stealth fighters dies after being struck by train in Japan」。
    岩国基地所属の、海兵隊航空隊の地上整備兵が、基地からそう遠くないJR山陽本線の貨物列車に轢かれて死亡していた。土曜日に。
 場所は「かわしも」の南だという。岩国市消防局が連絡を受けたのが深夜の3時。

 ※土地勘が無いので見当もつかないが、岩国駅から南岩国駅に移動する動線上とのこと(ただし南岩国とかいう駅をグーグルマップでは見いだせない)。これは自殺ではなくて、たんに酔っ払っていたのか?

 22歳の上等兵である。
 業務は「パワーライン・メカニック」で、これはF-35Bの離陸前点検をする人を意味する。



自転車で勝てた戦争があった


『自転車で勝てた戦争があった』の感想文をAIに書かせたらどうなるのか? もしできるなら、誰か試してみてください。

 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-15記事「Ukraine Allegedly Strikes the Belbek Airfield with ATACMS, Likely Hits russian MiG-31 Aircraft」。

    宇軍は複数のATACMSを夜間に「Belbek」航空基地に指向し、「ミグ-31」戦闘機×1機を含む所在の軍用機を複数、爆破した模様。
 同基地はクリミア半島内にある。

 ※ATACMSの、射程の短い旧いタイプから徐々に小出しに使わせて、逐次に射程が長いタイプに遷移させて行くという米軍の狡知は、結果を出しているようだ。それにしても最新型ATACMSはクリミア半島全域が覆域だということが分かっていながら、敢えてまだ残留していた露軍の航空機は、要するに軍事的合理性とは関係なしに「意地」になっているわけだな。「逃げ出した」「追い出した」と囃されるのが癪なので、リスク承知で居座っていたものと思う。

 1発目の着弾は、深夜2時の直前であった。

 米国のNASAは、宇宙から地表の火災を監視する「FIRMS」というシステムを運用していて、それが「Belbek」基地内での複数箇所の火災を探知したと「X」に投稿している。

 ※雑報によると、北鮮からロシアに売られた152㎜砲弾には1970年代製造の物が含まれている。韓国情報部が確認したと。

 次。
 Salvador Hernandez 記者による2024-5-14記事「SpaceX plans to launch 90 rockets from Vandenberg Space Force Base by 2026: Could that harm the coast?」。
   スペースX社は、今の計画では、2026年までに、サンタバーバラ郡の米宇宙軍基地ヴァンデンバーグから90基のロケットを打ち上げるつもり。打ち上げペースとしては、これまでの3倍になる。

 2023年の1年間にヴァンデンバーグから打ち上げられたすべてのロケットは合計37基だった。
 しかしこれからは、毎年120基を越えて行く。

 スペースXは、他の打ち上げ場も利用している。フロリダ州のケープカナヴェラル(米宇宙軍基地)、フロリダ州のメリット島にあるケネディ宇宙センター(NASA施設)、テキサス州のボカチカにある自社の「スターベース」。それらをひっくるめて2023年には同社は96基を発射した。

 次。
 Amelia Roblin 記者による2013-12-14記事「The Zephyr Rescue Scooter Can Access Dense Communities Quickly」。
  ※古い記事です。

 工業製品デザイナーのグレゴリー・ハイター氏は、発展途上国の過密なスラム街区の狭い道で救急患者をスピーディに搬送するための良い方法があると思いついた。※おそらく2012年に。

 電動スクーターの操縦者用座席シートの裏面に、患者を仰臥させられるストレッチャー(担架)の前端部の「連結球(ball hitch)」をひっかけて、そのまま牽引できるようにしたらいいのだ。狭い路地を時速数十kmで患者搬送できるだろう。

 ストレッチャーは、患者の頭部の枕部分の高さが、操縦者用シートの座面の高さとほぼ同じ。

 ストレッチャーの長軸の半分よりやや後ろに、ばね緩衝機構付きの「1脚」を下方へ延ばす。その下端に小径(駆動輪の半分ほどか)のダブルタイヤ(そのトレッド幅は60センチかそれより狭いように見える)を備えしめる。
 このダブルタイヤは、1脚のZ軸回りに旋回することはないように見える。すなわちストレッチャーに対してはとりつけ角度が常に固定されている。ストレッチャーじたいは、「連結球」の1点で牽引されているゆえ、連結点を中心に左右に自由に――尻尾を振るが如くに――動くであろう。

 患者の頭部は、電動スクーターの後輪(駆動輪)のちょうど真上に位置する。
 タイヤ上端と患者の枕の部分との間の上下クリアランスは、駆動輪の直径の、約半分ほどか。

 ハイター氏はこのコンセプトを「ゼフィール・レスキュー・スクーター」と名づける。
 こんなシステムなら、貧困自治体でも整備が可能なはずだ。

 ※このコンセプト絵の発表から10年以上も経つわけだが、どこかで実現・普及したという話は聞かない。ネット上ではその理由の解説に、ヒットしなかった。そこで私が推測しよう。このレイアウトだと、患者を載せたストレッチャーが左右のどちらかに傾き横転しかかったときに、操縦者はそれを支えて止めることが難しい。ストレッチャーを高々ともちあげている「脚」のタイヤがダブルであるため、路面が左右どちらかに傾斜していれば、ストレッチャーもモロにバンクしてしまって、横倒しを招くだろう。さらに、急坂を登攀しなければならなくなったときに、この電動スクーターのトルクが僅かでも足らなければ、ニッチもサッチも行かなくなる。各国の貧困街にはアブノーマルな「巨漢」も多いはずだが、そこを考えてない。やはり、本欄5月3日の書き込みで提案した、オーディナリ型(=達磨型)自転車をプッシュバイク化し、ストレッチャーは水平にこだわらずに斜めのまま、人間を縛り付けるようにするという形状が、緊急搬出のツールとして、正解にヨリ近いのだろうとの思いを、強くする。まず3Dモデルを創りたいので、協力者を募ります。



自転車で勝てた戦争があった


雑報によると東部戦線には何故か必要な地雷が無く、また何故か塹壕土工もされないため、守備兵は退却するしかなかったのだと。政府の腐敗が背景にあると彼らは感じているそうだ。

 Oliver Parken 記者による2024-5-14記事「T-6 Pilot Dies In Ejection Seat Accident」。
    テキサス州のシェパード空軍基地で死亡事故。練習機「T-6A テキサン II」が5-13に地上で座席を不意に射出させたらしい。飛行訓練生が1名、病院へ急送されたが、そのご、死亡。詳細は出てきていない。

 事故は現地時刻で午後2時よりも前に起きた。

 次。
 Dhruv Mehrotra記者による『WIRED』の記事「Security News This Week: Microsoft Deploys Generative AI for US Spies」。
    『ブルームバーグ』の報道によると、マイクロソフト社は、オフラインで起動させられるAIソフトを米国政府のために用意した。GPT-4をベースにしていて、トップシークレットを扱っても安全だとという。このオフラインとは、米政府内のアクセス権のある高官1万人だけが使えるということを意味する。

 従来のジェネレイティヴAIの大問題は、掻き集めて参照するデータ源に見境がなさすぎるために、そこから生成されたモノに、図らずも「政府の秘密」が含まれてしまうことがあり得ることだった。マイクロソフト謹製の米政府用のAIでは、そのような《偶然のリーク》事故は防止ができるという。

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 Defense Express の2024-5-14記事「Ukrainian Drone Knocks Over a Train, Blocking Pathway to russian Arsenal 400 km in the Rear」。
    ヴォルゴグラードの「Kotluban」駅に宇軍の無人機が突っ込んできた。石油タンク貨車×9両が脱線。そのうち2両が炎上。また1両は爆発した模様。

 SNSに出た映像からは、他に、材木や鉄屑を運搬していた貨車も脱線していることが分かる。
 機関車は自重130トンあったという。

 この「Kotluban」駅、じつは、ただの田舎の貨物駅ではない。「57229/51」というナンバーでしか文書に記載されることがない、ロシア国防省直轄のミサイル工廠が近くにあり、そこから製品を積み出すための駅なのだ。

 宇軍は2023-11-16と、2023-11-24にも、この駅を爆撃している。

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 Defense Express の2024-5-13記事「Meet the Ninja: Name of Ukraine’s Largest-Reaching Drone of 1,500 km Revealed」。
    1500km飛べる、有人機改造の片道無人特攻機の名前は「Ninja」だそうである。
 この改造機が、この前、ガスプロムの「Neftekhim Salavat」精油所を破壊した。

 さいしょから無人機として開発されている機体としては「Liutyi」が最近、精油所破壊作戦で名を揚げている。バイラクタルのTB2を小型にしたような全体のレイアウト。
 これに対して「Ninja」はエンジンがトラクター式配置。

 以前に800km飛んでモスクワに特攻したプッシャー式のUAVは、「Bober」という名前。こっちの活動はこの頃、ちっとも聞こえてこない。量産工場が、存在しなかったのだ。それは誰のせいかといったら、乞食坊の戦争指導が宜しくないのである。他国からモノを貰うことしか考えられない天然乞食では国家の運命が改善しないのだ。

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 Sarah Simpson 記者による2024-4-30記事「Sky Power UAV Engines Successfully Pass FAR33 Endurance Tests」。
   スカイパワー社が、UAV用の新型の2サイクル・エンジンを2種類、完成しつつあり。

 製品のひとつ「SP-110」は、45kg~65kgのMTOWの無人機用だ。
 もうひとつの「SP-210」は、60~100kgのUASに適合する。

 ※同社の過去の製品の「SP-55」というのが排気量55cc.だったので、新製品の排気量も想像がつく。日本の最新の原付バイクエンジンの125cc.なら、人体と同じくらいの重さの無人機を飛ばせるポテンシャルがあるのかと空想する。尤も、4サイクルでは非力?

 ※無人機用といえどもきょうびはもはや2サイクルはダメなのかと思っていたのだが、FAAにもしっかり寄り添っているメーカーが、まったくの新品を堂々と出してきた。ゆえに、注目しておこう。

 ※今日あたり、全国隅々の書店に『自転車で勝てた戦争があった』が行き渡ったのではないですかな? 読んで面白かった人は、最寄の地域図書館、または学校図書館に、この話題の新刊を入れて貰おう! また、読み終わった本は職場の図書室に寄贈して、徳を積もう!



自転車で勝てた戦争があった


通販で入手された方は、昨日あたりに読み終えられたと思います。『自転車で勝てた戦争があった』の読後感想を、めいめい勝手にネット上に書き込んでくださいますと、たいへん嬉しいです。

 内輪に伝えられても、なんの宣伝にもなりませんからな。是非ともパプリックにすることで、売り上げを盛り上げてくださりませい。

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 TARA COPP 記者による2024-5-12記事「US aims to stay ahead of China in using AI to fly fighter jets, navigate without GPS and more」。
    米軍は、GPS電波への依拠は有事にはますますリスキーだと予見していて、かくなるうえはAIの力を借りることで、GPS電波が使えないときでも精確なナビゲーションができるようにならぬものか、研究させている。

 これに関する米空軍の一実験。昨年やったのだが、C-17の中にラップトップを持ち込み、そのなかのAIプログラムが、磁探が捉えた、刻々変わる地磁気だけを手がかりに、現在の自己位置を推理しようというもの。

 これには大きな壁がある。飛行機はそれ自体、厖大な電磁波ノイズを発している。

 空軍はMITと組んで「AI促進計画」を事業化しているところだが、そのプロジェクトリーダーの大佐氏いわく。C-17のストロボライトを点灯しただけでも、「マグネトメーター(磁気検知器)」は感応してしまう。そのくらい過敏な世界。

 そうしたノイズをすべて、フィルターで除去しないことには、環境中の地磁気だけをクリアに読み取ることなどできない。しかし、そんなつごうのよい物理フィルターなど、存在しない。

 そこで、AIに学習させる。さすれば、過敏なセンサーにも「フィルター」をかけることが可能になる。AIは、なにがノイズで、何が環境磁気なのかを、みるみる学習するという。

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 Alison Bath 記者による2024-5-10記事「Navy tests surface drone that can dive for days at West African exercise」。
    米海軍が、ヨット型の無人艇「トライトン」でアフリカのギニア湾における違法を見張る手伝いをしようという。なんとこの無人艇は、随時に「潜航」もできる。※どうやって? この記事ではそこが不明。

 西アフリカではさいきん、ニジェールのクーデターの余波で、それまで1億1000万ドルも投下していた無人機基地から米軍が追い出され、かわってロシアや中共が入り込んでいる始末。

 その穴を少しでも埋めねばならない。そこで、多国間合同演習である「Obangame Express」に、今回、米海軍が、無人艇の実験を押し込んだ。

 無人艇は『USS Hershel“Woody” Williams』から放たれた。遠征作戦用の補給母艦だ。

 沿岸のガボン、ガーナ、カメルーンなどは、いずれも小国なので、ロクな海軍は持てない。
 こうした国々は、安価な無人艇で沖合いの秩序を守るとよい。

 トライトンは連続2週間以上、行動できる。よって経費が安い。
 潜水は連続5日可能。
 また、洋上を漂うだけなら、もっと期間は延ばせる。これが無人艇のメリット。

 今次演習は5月6日にスタートした。基地はガボンのリバービル。

 自重775ポンドのトライトン艇をこしらえたのはミシシッピ州の「オーシャン・アエロ」社だ。
 (まぎらわしいのだが飛行機の「MQ-4C トライトン」はノースロップグラマン社謹製。)

 『ウッディ・ウィリアムズ』は今回、ISR用の飛行船も3機、放った。
 この飛行船は、ロードアイランド州のプロビデンス市にあるメーカー製。

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 ストラテジーペイジ の2024-5-11記事。
   中共はげんざい、700機以上の衛星を周回させている。
 また、彼らの計画では、2030年までに中共の衛星を1万機以上にするつもり。

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 2024-5-11記事「Royal Navy Orders Additional Remus Underwater Unmanned Vehicles from HII」。
   創業135年、従業員44000人の大造船所である「HII」は、このほど英海軍からUUVを受注した。「REMUS 100」を3機と、「REMUS 300」を5機。

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 ストラテジーペイジ の2024-5-11記事。
   ロシア軍は2022-2いらい、今日まで、700機近くの有人航空機を失っている。
 そのうち400機近くは、固定翼の戦闘攻撃機だ。
 そしてそれらの機数の5%しか、国内製造によって埋めることができていない。理由は、西側から受けている経済制裁のため、電装部品などが手にはいらないため。

 ※ショイグが更迭されるという速報が出ましたね。



自転車で勝てた戦争があった


本日、書店搬入です! 新刊『自転車で勝てた戦争があった』を、ミリタリーの棚で探そう!

 いや~、待ち遠しかったっす。ネットでは5月初旬から流通してますけど、街の書店さんへの出荷が未だでしたからね。

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 COL Jorg Stenzel, German Army, and CDR Michael Posey, U.S. Navy 記者による2024-5-7記事「Analyzing the German Frigate Hessen’s Near-Miss of a U.S. Drone in the Red Sea」。
    2024-2に紅海にてドイツのフリゲート艦から「スタンダード2」対空ミサイルを2発、米軍の「RQ-9 リーパー」へ向けて誤射し、しかも2発とも外れたという事件。

 『Hessen』は、多機能フェイズドアレイレーダー「APAR」を備え、対空警戒レーダーとしてはそれと別に「SMART-L」を設置。

 APARは、レーダー覆域視程150km、同時識別目標は200個という。
 SMART-Lは、覆域視程400km、同時に1000個の空中目標をトラックできると豪語す。

 『ヘッセン』のVLSは「マーク41」で、その中には24発の「RIM-66 スタンダードミサイル2MR」と、32発の「RIM-162 Evolvedシースパロー=ESSM」。
 また2基の「マーク49」ミサイル発射装置の中には「RIM-116 RAM」のセット。〔※これがあればファランクスは要らないと考える海軍もある。〕
 さらにオットーメララの62口径長の76㎜砲でも防空交戦できる。

 他にハープーンの専用ラーンチャーと、「EuroTorp MU 90」対潜魚雷、それと対舟艇用に役立つ27㎜機関砲もあり。

 2月26日、『ヘッセン』が防空を担当するエリア内に1機のUAVが近づいてきた。『ヘッセン』の近傍にはすくなくも15隻の商船が通航中であった。

 MQ-9 リーパーは、IFF(敵味方識別トランスポンダー)を備えていなかった。
 『ヘッセン』艦長は、同盟国軍の司令部と調整をした上で、このUAVを攻撃すると決心。
 しかしSM-2は2発とも外れてしまった。

 翌日『エッセン』は、別なフーシのUAVを2機、撃墜している。しかしそのさい、ESSMが不調で、RAMと主砲を使用したことが分かっている。高額なシステムが、またしても役立たなかった理由は何なのかという疑問を呼んだ。

 リーパーは、時速170~200マイルの低速で飛ぶ。しかも当該機は、ヘッセンと「同航」の位置関係だった。平行して飛んでいたのだ。そこで「クロス-レンジ」の難問が生じてしまったらしい。

 たとえばボクシングで、フックは届かせ難いが、ストレートには近すぎるような、微妙な間合いだった。

 マスコミに揶揄された艦長は、しかし、手順には自信をもっていて、ワシは教科書通りにやったのであり、また同じ状況になったら同じことをするだけであると強く反駁している模様。

 ※ドイツ人艦長が口にできないことを推定すると、この艦はイスラエル製の交戦管理システムを導入中であった。そのシステムが、ドップラー遷移を生じにくい遠距離目標――すなわち同航且つ低速の目標――への対処力に弱点があるのではないか。また、臨時紅海艦隊の上級司令部は、ギリシャ人やイタリア人が努めているが、そいつらがリーパーの飛行予定を把握してないのがそもそも無能である。寝ていたのではないか。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-9記事「russia Loots the Avdiivka Coke and Chemical Plant and Ships the Equipment to Mariupol」。
    露軍は占領したアウディウカのコークス工場とケミカルプラントの設備を根こそぎ取り外し、マリウポリへ運び去った。

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 Defense Express の 2024-5-9記事「Ukraine’s Drones Reach 1,400 km: Strike on Oil Refinery in Bashkiria」。
    ガスプロムの、年産1000万トンの原油精製力がある「Neftekhim Salavat LLC」が、ウクライナの無人機特攻によって炎上。この精油所は、前線から1400kmも離れているという。



自転車で勝てた戦争があった