『回天』をうわまわる全長20m、航続距離2000km、実用頭部5トンの無人ロボット魚雷を、ウクライナが完成したとフカしている。

 見本品が、Liviv に展示された。名称は「TOLOKA」。

 次。
 Anzhelika Kalchenko 記者による2025-9-19記事「Ukrainian Defense Forces Have Already Ordered 1000 Latvian Scooters」。
  ラトヴィアのメーカー「Global Wolf Motors」は、これまでにウクライナ軍へ1000台の電動スクーターを供給した。すでにそれらは前線を走り回っている。

 さいしょは、国境警備隊からの300台の発注だった。2022年だった。ついで、ウクライナ軍の特殊部隊が、注目してくれたのだという。

 昨年に宇軍から追加で受注したモデルは「Mosphera」という。
 自重74kg、最高速力100km/時、一回の満充電後に走れるレンジは300km。

 ※動画をみると、シートが無く、常に「立ち乗り」して走る2輪車のようである。これで300kmも移動したら、ちょっと疲れるだろう。

 次。
 謹告と御礼。

 またしてもITに詳しい御方に頼み、こんどは、「モヒカン族の最後」で有名なジェイムズ・フェニモア・クーパーが書いた『The Spy (間諜)』〔本邦未訳〕をジェミニAIで全訳して貰った。これまた「資料庫」に加えますので、米国独立戦争中の時代考証に関心のある人は、ぜひ参考にどうぞ。
 私が『アメリカ大統領戦記』を書いたときは、当時のニューヨーク市の住民のほとんどが「親英派」だったとは分からなかったが、この小説のおかげで、実態が想像できるようになりました。ほぼ全住民が非協力的だったから、NYCは独立戦争中は陥落しなかったのでしょう。こんな来歴があった以上、独立した合衆国の首都としても、NYCは最初からふさわしくなかったわけですなぁ。


資料庫
ジェイムズ・フェニモア・クーパー(1789~1851)の1821年の小説『The Spy(間諜)』を、ジェミニAIを使って全訳してもらった。


アメリカ大統領戦記1775-1783: 独立戦争とジョージ・ワシントン1


「熊保険」が必要だ。

 行政が無策であるとき、保険業界の稼ぎ時であろう。

 次。
 Lt. Col. Michael Carvelli 記者による2025-9-15記事「Want to enhance Baltic deterrence? Start with traffic redesign」。
  米陸軍の作戦将校が提言する。
 バルト諸国は、重要な道路の交差点と、橋梁を、戦略的に再設計するがよい。それによって露軍の前進計画を狂わせてやるのだ。

 特に、ベラルーシとカリーニングラードの間にあるリトアニアの「E28高速道路」は、今のままではダメすぎる。
 この高速道路、さいわいにも、「十字路」がある。そこは、中央に鉄筋コンクリートの壁を据えたロータリーに直すがよい。

 ポーランドとリトアニアのあいだの、65kmの「スワルキ・ギャップ」は、どうすればよいか。
 この地域の自動車道路の脇に、コンクリート製のプランター・ボックスをずらりと並べ、平時はそこに野菜でも生やしておく。有事にはそれを兵隊が押して移動させ、路上をブロックできるようにするがよい。

 リトアニアのプリエナイにあるネムナス川橋は、可動橋に架け替えるがよい。跳ね橋でもいいし、旋回橋でもいい。

 ※この中佐は工兵ではないので発想が浅い。私から追加提案しよう。まず、すべての自動車道に、「幅70センチの側溝、および中央分離帯溝」を工事するオプションを考える。T-72の履帯の幅は55センチなので、幅70センチで深さが1.2m以上の溝を横切るときに、交差角が甘いと、片側履帯が嵌まり込む。そこから這い上がるには、ちょっと苦労しなくてはなるまい。そのあいだ、戦車は、対戦車兵器の良いマトになる。だから、このような溝が道路にずっと沿っているだけで、その道路を自走したり横切らねばならない敵戦車の乗員にとっては、大きなストレスになる。その側溝に、平時に自国民の乗用車のタイヤが陥ってしまうおそれもあるわけだが、そこは軽易なガードワイヤー等で防護ができる。また、幅70センチの深い溝は、有事には、そのままに歩兵の「立射壕」になってくれる。その壕の底部に身を潜めている歩兵や民間人を、敵戦車は、蹂躙することはできない。交差点のロータリー化だが、これは、地上の主要道路すべてに適用すべき名案だ。停電時にも信号が不要な「ラウンドアバウト」にして、中央には円環状のぶあついコンクリート壁をめぐらせ、その円環の中央部には深い空井戸を掘り、その円環内を「防災倉庫」とするように、建屋も構築しておくとよいだろう。そこに、負傷者輸送用の「プッシュバイク」を常備しておけば、ラウンドアバウトの各交差点が「プッシュバイクの駅逓」となる。非常時の物資前送や民間エバキュエーションの、わかりやすい目印になってくれるだろう。

 次。
 Vladislav V.記者による2025-9-16記事「Defense Forces Flooded Pipe Used By Russian Troops Near Kupiansk」。
  露軍は、歩兵の奇襲部隊の移動や、補給部隊の交通に、休止中のガス・パイプラインを使うようになっているが、このほど宇軍は、そうしたパイプラインのひとつを「浸水」させて、二度と歩兵の通路にはできないようにした。それは地下に埋設されていた。

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 『モスクワ・タイムズ』の2025-9-17記事「Kamchatka Peninsula Braces for 5-Day Internet Shutdown Amid Undersea Cable Work」。
   水曜日に地元政庁が布告。来週、Rostelecom社が、光ファイバーの通信用海底ケーブルを修繕するので、少なくとも5日間、カムチャツカ半島でインターネットは使えなくなる、と。

 銀行や緊急サービスなどは、衛星回線によって通信が維持されるという。

 次。
 Racing Buzz という投稿者によるSNS投稿。ユタ・バレ大学で講演者に弾丸が命中した直後、半裸の白人が小躍りしていた姿が撮影されていたが、この若い男は、F1レーサーの Max Verstappen のツアー・クルーだと特定されたそうで、フェルスタッペン氏は、この男のツアー同行を爾後永久に禁じたそうである。この男の家族も、チームに近づくことは、金輪際、認められないという。

 次。
 1812英米戦争の豆ちしきシリーズ第一弾。

 Stephen Decatur (1779~1820)提督は、メリーランド州で生まれ、フィラデルフィアで育った。ペンシルヴェニア大学に1年通ったあとに、船会社に入社。
 1798に海軍の士官候補生に。
 1801に中尉となり、軍艦『エセックス』に配乗されて、トリポリ沖へ遠征。その当時、地中海は海賊の横行海域で、米国商船の被害が続出していた。
 1802~03には、軍艦『ニューヨーク』に乗り、やはり地中海を集中パトロール。

 1804、彼はみずから鹵獲した1艦をひきいてトリポリ湾へ突入し、そこで先に座礁して敵手におちていた米フリゲート艦『フィラデルフィア』号を焼き払ってくるミッションを完遂した。この直後に大佐に昇進す。

 1812戦争が勃発すると、彼は『ユナイテドステイツ』号の艦長となった。
 その10月、単艦にて、英フリゲートの『マケドニアン』号を鹵獲。この戦争中の米艦勝利の大ニュースのひとつになる。
 翌年、ニューヨーク湾防備艦隊の司令官=代将に。
 ここでも英海軍の封鎖を突破しようとして奮戦し、最後は捕虜にされてしまう。

 終戦直後の1815、こんどは「アルジェリア戦争」と呼ばれた、対バーバリ海賊(コルセアー)の討伐遠征に、米艦隊を率いて出陣。沿岸の海賊拠点を掃滅することにより、それまで海賊たちに米商船が支払わされていた「みかじめ料」を廃止させた。大手柄。
 ここから米本土に凱旋したときに、ノーフォーク軍港にて、顕彰のパーティが開かれた。そこで彼は一席ぶった。「Our country! In her intercourse with foreign nations may she always be in the right; but our country, right or wrong」と。
 私訳すると、《わが国に乾杯! 海外勢力との紛争では常にわが国が正しからんことを。だが、重要なのはわが国が勝つことである。正しくとも、正しくなかろうとも》。
 デュケイターはそれから死ぬまで、米海軍の最高幹部の一人であり続けた。最期は決闘で早死にしている。バロンという部下の大佐の昇進を不当に遅らせていると恨まれて。

 このデュケーターの1815スピーチは、有名になり、その後、いろいろな人に引用され、また改変された。
 たとえば1872年に、上院議員のカール・シュルツは連邦議会で「My country, right or wrong; when right, to keep her right; and when wrong, to put her right」=《わが国が正しいときは、正しきままに。正しくないときは、正しくならんことを》と演説した。
 シュルツ(1829~1906)はドイツの生まれで、正義感が強く、母国革命に失敗して米国に逃れ、米国の連邦上院議員になり、南北戦争では駐スペイン大使に任じられてスペインに中立を維持させ、さらに准将~少将の階級で終戦まで北軍に参陣した。

 G・K・チェスタトン(1874~1936、英国の文人論客)は、このフレーズを念頭に《私の母がシラフのときも、酩酊せるときも》と言い換えて、市民の普通の道徳によって国家の暴走をいさめるべきではないかと、帝国主義肯定の世論に逆らった。彼はボーア戦争に反対だったわけである。

 トーマス・カーライルは「right or wrong, my country」とは言っていない。
 あるAI回答によると、このフレーズは Edward Everett (1794~1865、米国の国務長官で、その前にハーバード学長、その前は駐英全権公使だったこともあり)が流行らせたのだという。しかし1815時点でまだ21歳じゃないか?

 AIまたいわく、William G. Sumner (1840~1910)も、このフレーズ「right or wrong, my country」 を流行らせたという。サムナーは、イエール大の人文系の名物教授だったという。

 イギリスの歴史家 Thomas Carlyle(1795~1881)は、『チャーティズム』というタイトルの1839出版のエッセイの中で、「Might and Right do differ frightfully from hour to hour; but give them centuries to try it in, they are found to be identical」=《力と正義とは、1時間単位で観るなら、恐ろしく違う作用をする。しかし数世紀が経つと、そのふたつは、同じものであると分かるだろう》と書いた。

 これが引用者によって、「Might makes right」=力が正義を創る、と短縮改変され、そのフレーズが普及した。

 カーライルの真意は、彼が「正義は力の永遠のシンボルである」とも書いていることから、理解するべきである。正義の創出として決着していない力の行使を、カーライルは、軽蔑していた。

 次。
 Darya Korsunskaya 記者による2025-9-18記事「Russian government explores way to make ends meet as budget deadline looms」。
  ロシア政府は、VAT=付加価値税の税率を引き上げることを検討している。ロイターのすっぱ抜き。

 ロシア政府は今年、所得税率を個人/法人ともに引き上げたが、それにもかかわらず、財政赤字の見積額が倍増している。
 この赤字を抑制するために、付加価値税(VAT)率を20%から22%に引き上げることを、彼らは議論している。

 ロイターの試算によると、VATは2024年のロシア政府歳入の37%を占めている。これを引き上げれば、2026年の赤字は半減するかもしれない。

 ロシア経済は、成長中ではあるものの、伸び率は逓減している。GDP増加は昨年の+4.3%から、今年は+1%に落ちるであろう。
 歳出の40%が戦争に使われている。インフレは8%を超えている。

 次。
 『モスクワタイムズ』の2025-9-11記事「Russia Plans Bankruptcy Moratorium to Shield Struggling Steelmakers ―― Kommersant」。
  国営統計局ロスタットによれば、ロシアの鉄鋼生産量は昨年、軍需増にもかかわらず、1.5%減少した。それに景気後退が加わり、ことし6月の生産は前年比で10.2%減少した。
 このため鉄鋼関連企業のいくつかが破綻に瀕している。ロシア政府は、モラトリアムによってそれを救済しようとしている。

 次。
 SNSに、「山林中で飼い犬とはぐれてしまい、呼んでも現れず、1週間以上探しても見つからず、途方に暮れた場合はどうすればいいか」の解決法が書いてあった。猟師たちが教えてくれたのだという。まず、飼い主が、まる1日以上、その身につけていた衣類、たとえばセーターのようなものを、犬とはぐれた地点に、まるめて置く。そして、できれば、犬がなじんでいた「網かご」「おもちゃ」のようなモノも一つそこに添える。「これを動かさないでください」というメッセージ・ボードをそれらの脇に立てる。さらに、近くに小川が無いならば、犬が水を飲める、安定した容器(鉢・深皿・ボウル)も据え、その容器内には清水を満たしておく。それだけ。翌日、その場所をチェックせよ。そこに、あなたの飼い犬は待っているであろう。そのさいの注意! 清水の他に、食べ物などを置いてはいけない。餌が野獣を引き寄せてしまう。犬は、その野獣を警戒し、その場所に近寄らないから。


資料庫
TR著『Naval War Of 1812』(1882 pub.)を機械が翻訳してくれた。


「地政学」は殺傷力のある武器である。〈新装版〉 ニュー・クラシック・ライブラリー


トランプはウクライナ国内にPMCを派遣する案も検討中だという。英紙が報じた。

 Leyland Cecco 記者による2025-8-29記事「Civil rights groups alarmed over Quebec’s move to ban prayer in public」。
  カナダのケベック州は、宗教的な街頭礼拝を禁止する。州政府は、秋にこれを法律化するつもり。

 教会やモスクの中でめいめいの宗教行為にふけるのは御自由だが、一般人の目に見える、公道や公園で、特定宗教の礼拝などパフォーミングすることは、許さん。

 ケベック州は2019から「法案21」という世俗主義規則を導入していて、裁判官、警察官、刑務所の警備員、教師が仕事中に宗教的シンボルを着用することを禁じている。

 次。
 スターズアンドストライプスの2025-8-29記事。
  9月の Resolute Dragon 演習にさい、米陸軍は、岩国基地に「Typhon」ミサイルを初めて持ち込む。
 この陸上機動ラーンチャーからは、SM-6とトマホークのどちらも発射できる。

 次。
 フィンランドのKNL社のHP (ttps://knl.fi/newsroom)より、要点紹介。
  この軍用通信機メーカーは、HFつまり「短波帯」を使ってデジタルのデータ・リンクを実現する技術を開発してきた。
 短波は物陰にも回り込むし電離層で反射してくれるので、この技術を使うと、衛星に頼らずに、水平距離40km以遠でも、無人機をコントロールできることになる。
 しかも超短波帯とは違って、UAV側の通信器材の必要電力量は至って抑制されるから、万事、つごうがよい。

 他社でこれができなかったのは、ある日のある地域で、遠くまで通じてくれる周波数は、同じHF帯の中でも刻々変動するので、それを自動的に変えてくれるようなシステムでなくてはいけない。しかも、軍用なので、信号が暗号化されていないといけない。
 KNL社は、これを実現したのである。

 ジャミングを受けても、0.5秒で別周波数でのリンクを確立できる。

 ※わが国が、長距離の片道特攻ドローンを運用する場合、スターリンクなどに頼っていては危ういこと限りなしなので、防衛省もメーカーも、すぐにこのKNL社にコンタクトを取るべきであろう。

 次。
 Peter S. Goodman 記者による2025-8-25記事「The Real Reason Americans Worry About Trade」。
  世界の先進諸国の中で社会保障が最低ランクなのが米国である。だから、米国で労働者が失業するということは、ただちにホームレスや死の運命に直面するということ。

 米国とスウェーデンで、それぞれ1人の失業者を取材して比較した。

 まず、オハイオ州ロードスタウンのGM工場城下町にて。
 2018のサンクスギビング直前に大規模レイオフあり。GMがメキシコに工場を移したためだ。
 メリンダ・マイナー(今は47歳)は17年間GM工場に恪勤していたが、馘になった。
 亭主もGM勤務で、合算すると時給33ドルとなり、それで、住宅ローンと3人の子どもの養育費用はまかなえていた。
 メリンダは糖尿病で透析+往診が必要なのだが、その経費も支払えた。

 GMは解雇する従業員に、米国内の他工場へ転勤するオプションを提示している。しかしいろいろな事情で遠くへ引っ越したくない者は、一時金5万ドルを貰って、離職することになった。

 他方、スウェーデンのジョセフィン・ソダーバーグ。彼女は欧州最大の電池メーカー「ノースヴォルト」社の労働者だった。この会社は倒産した。中共との競争に負けたのだ。ソダーバーグを含む4000人が失職した。
 即刻、これら失業者には手厚い社会的支援があてがわれた。

 現在彼女は、美術工芸品を製造販売するビジネスをじぶんで経営している。
 こういうことができるのは、スウェーデンでは医療費が無料だからだと、ソダーバーグは言う。

 米国には公的なヘルスケアは無いに等しい。だから米国の有権者は、企業が海外移転することを恐れる。失職すれば、ひとつの病気が人生を破滅させるに十分なのだ。ゆえに彼らは、トランプの貿易戦争を支持する。

 米国の労働者が、電気自動車だとか工場用ロボットだとか港湾荷役の自動化をすべて嫌うのも、失業=破滅 だからなのだ。

 米国では、たとえば2人を子育て中である両親が失業して6ヵ月経ったときに、元の年収の36%を役場から貰えるにすぎない。
 もしスウェーデンであったなら、この家族は、元の年収の70%を貰うことができ、しかも医療費はかからない。ほとんどのOECD諸国はこのスウェーデンの流儀に近いのだ。米国だけが異常なのである。

 GMの消えた工場は、1966にオハイオで操業開始して1600万台も製造してきた。
 2018時点で、Chevy Cruze sedan を製造していたが、ニューモデルの Chevy Blazer はもうそこでは製造しないという噂だった。
 予告なく、工場長がラインを止めさせ、マイク片手に、ゆっくりと説明をし始めた。労働者にとっては、天地がひっくりかえった日だった。

 後刻、「ブレイザー」はメキシコで製造されると知った。そこでは労働者の時給は2ドルだということだった。

 マイナー夫人は、ローズタウン市内の、電気自動車用の電池を製造する工場(GMと韓国LGの合弁)に、2年前から、再就職できている。全米自動車労組がこの会社を誘致したのだという。そして給料は良い。

 その前は、エアコン修理の資格を持っていたので、それで時給21ドルをかせいでいた。このときが最も苦しかった。
 米国にも貧困世帯のための社会保障制度はあるが、マイナー夫妻のような中間層が、その恩恵を最も受けられない。なまじ、最低限の世帯収入があると、公費扶助の対象から弾かれてしまうのだ。米国では「中流で居る」ことができないのである。


兵頭二十八note
迫撃砲を手押しで運ぶ――そのイメージをAIに喚起してもらったら……?


スペインでは夜間に市街地に侵入してきた野猪を「弓矢」で駆除することが公許されている。至近距離+高所作業台からの俯瞰射撃に限定することで、「逸れ矢」の危険など実質ゼロなのである。騒音迷惑もかからない。

 詳しくは、2022年にネット公刊している「鳥獣から人間を保護する法律が必要だ」を参照して欲しい。この3年間の行政の無策に、いかに私が呆れているのか、分かってもらえるだろう。

 次。
 Катерина Супрун 記者による2025-8-19記事「Defender Dynamics Developed a Series of Foton Drones With Automatic Target Destruction」。
  《空中ショットガン》である「Foton」というクォッドコプター兵器を製造している「Defender Dynamics」社。ドローンのサイズは、7インチから11.2インチまで、揃えている。敵のドローンを散弾によって撃墜できる。

 7インチ級のドローンには、散弾銃身は1~2本、とりつけられる。1本の銃身から1回しか、散弾は発射できない。

 ※記事添付の写真により、ようやく判明したこと。薬室は、バレルの中央部に、横向きに直角に突き出している。市販散弾のカートリッヂと同じ寸法のブランク・カートリッヂを、その薬室に装填してから、ナット状の蓋で閉塞する。ワッズ/コロスと散弾は、おそらくバレルの前半分に、マズルローディングによって装填するのだろう。そしてカウンター・マス(その正体は未詳。ガスだけなのかもしれない)は、バレルの後半分に、挿入されているのだろう。薬室に電気点火されると、爆燃ガスは、前方に向けては散弾を、後方に向けてはカウンターマスを、吹き飛ばす。前後に飛ぶ質量が同じであるため、反動は相殺される。

 弾薬が装填された状態で、1本の銃身は、500グラムしかない。12ゲージながら、アルミ合金製の特製バレル。だから、クォッドコプターで持ち上げて飛行できる。
 3㎏のペイロードがあるマルチコプターなら、6銃身にできる。その6銃身を同時に斉射しても、反動はゼロである。

 空中で照準をつけるためのソフトウェアも同社製。半自動の空戦が可能になっている。
 敵機との距離計測には LIDAR が用いられている。

 散弾を発射して敵ドローンを撃墜できる範囲は、距離50センチから5mまで。

 チタン合金製のバレルも用意している。
 いま、新型の10インチ級ドローンを開発しており、それはテストの段階にある。

 会社は、次の段階として、固定翼UAVにこのショットガンと自動照準ソフトウェアを搭載するつもり。それが仕上がれば、「オルラン-10」を確実にウクライナ軍の上空から駆逐できるようになる。

 ※日本の企業はこのモデルを参考にして、「垂直下方銃撃」専用の害獣駆除ドローンを製作できるはずだ。いまの狩猟法がどうして《発砲してよい条件》をうるさくいうのかといえば、水平に発射された後の逸れ弾や跳弾で万一にも人や住宅が危険にさらされてはならないからである。しかし、散弾を羆の頭上5mから真下の地面に向けて鉛直に俯瞰発射するのであれば、流れ弾など常識的に考えられもしまい。道路上だろうと夜間だろうと、何の問題も起きないだろう。ドローンは光ファイバー・ケーブルによる有線式操縦とするのが、鮮明な映像証拠を記録しやすく、理想的だろう。重量級のオクトコプター・クラスなら、サーチライト+可視レーザー・スポット照準(同時に人に対する注意喚起信号にもなる)を楽々と同時搭載できる。その機体を、熊を地上から視認できる距離から飛ばすのである(これによりケーブルの事後回収も確実に可能)。そして、この駆除作業型機とコンビを組ませる、捜索追跡用の非武装ドローン(無線操縦式)にも、真下向きのサーチライトと可視レーザー・スポッターを搭載する。時間とともに害獣は学習し、ドローンの音を聞いたりレーザーの光芒を見ただけで山奥へ逃げ帰るようになるはずだ。弾丸は、火薬を使わない「スプリング弾撥」方式にもできるはずだ。その場合、弾丸も、人に対して非致死的な麻酔弾やガス弾にできる。ますます、万一の誤射や暴発や跳弾があったとしても、人命が損なわれるような危険は限りなく極小化することができるだろう。駆除ドローンは目視距離内での運用なので、麻酔弾を命中させた熊は、遅滞なくリトリーヴの上、薬殺できる。

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 Defense Express の2025-8-19記事「Two Possible Drawbacks of Ukraine’s FP-5 Flamingo Cruise Missile」。
  大型の巡航ミサイルである「FP-5」には2つの短所があるだろう。
 3000kmを飛行させるためには、大量の、よって重い燃料を抱えて発進しなくてはならない。

 チェコ製のジェット練習機である「L-39アルバトロス」は最大離陸重量4.7トンで翼幅9.5m。それとくらべて「フラミンゴ」は、MTOWが6トン、ウイングスパンが6mもある。安く大量生産することを最優先にしたデザインなのにもかかわらず、どうしてもそのくらいになってしまう。

 1950年代に米国で開発された巡航ミサイル「MGM-1マタドール」と「MGM-13メイス」のデータが比較の参考になろう。

 ※別ソースで補うと、マタドールには、推力20kNのアリソンJ33-A-37ターボジェットエンジンを搭載。ブースターなしの全重が5.4トン。弾頭重量1.3トン。翼幅8.7m。初期型のレンジは400km、後期型は1000km。巡航高度は12000m。着弾点は狙ったところから820mも逸れることがあるので、弾頭は核の一択だった。メイスはアナログ世代の地形照合航法装置を搭載し、無線誘導の必要をなくした。そのかわり、巡航高度は高くはできない。地形照合レーダーが機能しなくなるので。エンジンは23kNの改良アリソン。レンジは2300km。弾頭重量1トン。MTOWは8.5トン。後退翼のウイングスパンは7m。沖縄にも配備されたが、核弾頭技術が進歩し、こんな大きな巡航ミサイルは無用となり、70年代にターゲット・ドローンに改造されて自主的に全廃。

 フラミンゴは、外形がステルスではなく、地表スレスレを巧妙に巡航するようにはつくられておらず、したがって、敵の戦闘機によって空中で捕捉されるであろう。

 ただウクライナ側は、ロシアの防空は東へ行くほど手薄だから成算はあると考えている。じっさい、大型の「Tu-141 Strizh」無人自爆機(いちおう超音速)は、インターセプトされていない。

 図体が重いと、エンジンも強力にするしかない。ブースターぬきで1.3トンのトマホークには、推力3.1kNを生成するウィリアムズF107ターボジェットが搭載されている。

 自重5.4トンの「Tu-141」は、19.6kNのKR-17Aターボジェットを使用している。

 そこからの推定だが、FP-5フラミンゴに必要なエンジン推力は20〜23kNの範囲内だろう。小型ビジネスジェットに使われるクラスのエンジンが必要だ。

 ウクライナ製のエンジンでフラミンゴに使えそうなのは、24.5kNの「AI-322」か、17kNの「AI-25TL」だろう。後者はL-39が使用するエンジンだ。

 ※参考値情報。本田技研工業が6月17日に軟着陸を成功させた「再使用型ロケット」の試験機は、推進薬込みの重量が1312kgで、それを、6.5kNのエンジン×2基でコントロールしたそうだ。

 ウクライナの倉庫にはAI-25のストックが大量にあると思われる。この巡航ミサイルは、4時間飛んでくれればいい消耗品なので、エンジンが新品でなくても構わない。

 メーカーのMilanion Groupは、UAEの「IDEX-2025」会場にて、FP-5を月産50機、量産できると豪語した。このことは、エンジン供給問題がすでに解決されていることを示唆している。

 次。
 ストラテジーペイジの2025-8-19記事。
  現在、イラン人の40%しかイスラム教を信じておらず、他は古来のゾロアスター教などを遵奉している。
 多くのイラン人は、ペルシャは中世のアラブによる征服から回復しておらず、イスラム教はアラブ人よりも悪いと考えている。
 IRGC(イラン革命防衛隊)も、世論調査によって実態を把握している。ますます多くのイラン国民がイスラム教を棄教しつつあると。


鳥獣から人間を保護する法律が必要だ──「害獣退治庁(仮)」の組織および装備を提言する


宇軍のバギーが農道を疾走中、路傍に「待敵型FPVドローン」を発見し、増速してかろうじて被弾をかわすという、迫真の動画がSNSにUpされている。

 クルーが気付いて脇を通過する直前にアサルトライフルで地面を銃撃したが失中。そいつはすぐに離陸して後方から迫ってきたが、おそらく「LTE」方式のリモコンのディレイに助けられて失中。
 教訓。いまや小銃のフォワード・ハンドガード下のピカティニー・レールには「ロケット花火式の単発散弾」をとりつけておく必要があるだろう。散弾銃の名人射手を班に1名混ぜておくだけでは、タイミング的にとてもカバーできぬシチュエーションが増えるはずだ。

 もうひとつ。さいきんドイツのメーカーが「陸上車列の護衛には、親子式の空中ドローン(マザーシップと、インターセプター)で対処できる」と、《空中護衛空母》の提案をしているようなのだが、「路傍待敵型FPVドローン」には、そんな案では対応の時間的余裕がないことはあきらかだろう。路傍待敵型FPVドローンを、待機モードではLTE通信モードにしておき、敵車両が接近するや、画像ロックオンのコマンドを送信して、あとはドローンの自律誘導に任せて特攻させる。そのような次世代システムが登場すれば、通過車両は、その側面から最短飛翔コースで直撃されてしまうようになるはずだ。わずか数秒にして、やられてしまう。

 となると、これから有望なのは、「警戒と捜索と照準と射撃までが全自動でできる、個々の車両自衛用の対空散弾銃システム」だと思う。これをピントル架装しておけば、自車の防空はなんとかなるという……。

 次。
 Defence Industry Europe の2025-8-10記事「Ukraine adds explosive reactive armour, drone defences to M1A1 Abrams tanks after battlefield losses」。
  ウクライナ国防省が写真をSNSに出し始めた。「M1A1 SA エイブラムズ」戦車の砲塔・車体・サイドスカートに、爆発性反応装甲(ERA)の「Kontakt-1」を貼り、さらに、エンジンルーム~砲塔上に、コンバチブル様コープケージを取り付けている。

 宇軍は2023末までに、31両を供給されている。

 ※ドヤ顔で追加装甲ゼロ(おまけにカモフラすらゼロ)で供給されていたМ1が、あっけなくFPVドローン(+ATGM+地雷+野砲)の餌食となったのに、それでも米陸軍の「インストラクター」どもは、MBTの時代が去りつつあることを認めず、困っているユーザーがこの戦車に増加装甲を取り付けたがるのを1年半も邪魔してきたわけである。

 次。
 Roman Pryhodko 記者による2025-8-10記事「Russian Army Started Losing T-62 Tanks at Rising Rate Amid General Loss Decline」。
  現在、最前線の露軍の戦車損失に占める「T-62」の比率が増えている。
 詳細は「X」に Richard Verecker という研究者が発表している。※すごい労作資料。車種ごと、月ごとの損失数のグラフあり。

 これを通覧すると、露軍は今年春以降、最前線から「T-80」を引き退げて、それを次の戦争用のリザーブに温存し、かわりに、旧式の「T-62」を最前線に押し出すようになったことが読み取れる。「T-80」の損失が今やほとんどなくなっている一方、「T-62」の損失は著増中なのだ。

 ちなみに、2022-2月から、2025-7月までに、露軍は、戦車を、3545両、損失した。
 そのうちT-72は1529両。
 T-80は1113両。
 T-62は274両。
 T-90は168両。

 公開写真を分析調査する集団「オリックス」は2024-6に、露軍は間違いなく100両の「T-90М」を損失したと報じた。
 この「損失」には、宇軍によって、比較的に良い状態で鹵獲された戦車も含む。
 NATOにとっては「T-90」だけに関心がある。それ以外の戦車は、考慮の要なしとみなしている。

 ※並木書房から7月に出た『投資家が教える宇宙経済』には、失敗作である「スペースシャトル」がいかに大衆に対してはその逆の印象を与えられ続けたかにつき略説されており、興味深い。国際宇宙ステーションISSの目的も、筋悪プロジェクトであったスペースシャトルの予算を正当化するための方便であった。そしてそもそもISSは、ソ連崩壊後にソ連の宇宙技師が北鮮やイランその他に雇われて技術ノウハウを全世界に拡散させてしまう未来を防ぐため、いわばロシア人技師にアメリカのカネで当座の雇用を与えてやるための、無駄遣い事業だったという。しかし兵頭おもうにスペースシャトルも広義のSDIの「一要素」だろう。それゆえにソ連も「ブラン」開発に多額の予算を割いている。それがソ連経済の破綻に貢献していないとは言えまい。また「スペースシャトル」は米空軍の無人シャトル(X-37B軌道試験機)の大成のために不可欠のデータも提供したはず。X-37B は、8月21日にまたも打ち上げられる予定――製造されてから8回目の宇宙行きとなる――で、量子センサーなどをテストすると国防総省は公表している。


投資家が教える宇宙経済


(管理人より)

 2002年8月6日に当サイトは開始。遂に24年目となりました。
 今後ともよろしくお願いします。


あっ、稀動物の銛。

 Lauren Smith 記者による2025-8-4記事「Europe Is Being Gaslit About Freedom of Speech」。
  「言論の自由」は、与えられたり、奪われたりするものではない。
 啓蒙主義はヨーロッパでまず生まれたが、今や、ヨーロッパは自由な大陸ではなくなった。米国人はそれに気付いている。
 「言論の自由」は、すべての人が享受できているか、さもなくば、まったくそこには存在していないのか、そのどちらかなのである。

 次。
 Rezaul H Laskar 記者による2025-8-5記事「Ukraine flags Indian-made parts in drones used by Russian forces」。
  ウクライナ政府は、墜落した「シャヘド/ゲラン」片道自爆機の中に、インド企業である「Vishay Intertechnology」製および「Aura Semiconductor」製の電子部品が組み込まれていたとして、昨年からインド政府に苦情を伝えている。

 今年7月には、EUの制裁特使デイヴィッド・オサリバンをともなってウクライナの外交使節がニューデリーに乗り込んで抗議。
 ロシア企業の「ロスネフチ」がインドの「ヴァディナール製油所」を所有しているため、この精油所はEUの新しい制裁パッケージの対象。ロシア産原油から作られた精製製品をEUは輸入しない。

 ウクライナが解明したこと。インドで組み立てられた Vishay Intertechnology 製の「ブリッヂ整流器E300359」が、シャヘドの電圧レギュレータに使われている。また Aura Semiconductor 製の信号発生装置「AU5426A チップ」が、シャヘドのアンテナに入感したGNSS信号と妨害電波を識別するシステムに使われている。

 インド外務省の反論。それらの部品はデュアルユース品でしかなく、不拡散に関する国際的な義務にまったく違反していない。

 Vishay Intertechnology は、本社は米国。製造場所がインド。電子部品のメーカー。

 Aura Semiconductor Pvt Ltd は、インドの Ningbo Aura Semiconductor Co の子会社。同社の声明によると、製品の買い手が、配布契約に違反して、許可していない第三の業者を通じてロシアの軍需工場へ製品を流したのもので、困惑している、と。
 これらの製品は「プラグ&プレイ」なので、いったん買い取られたあとは、メーカーのサポート一切なしで機能する。そんな部品のエンドユーザーをどこまでも追跡できるもんじゃない。

 機微なインド製品がロシアに流入する経由地は、西アジアであることが多い。そこが中継ぎ密輸している。

 ウクライナ空軍いわく。ロシアは今年7月に6129機のシャヘド型自爆機を発射した。

 インド側いわく。いかなる制度も、どんなに厳格だろうと、商品がインド国境を離れた後、完全な管理を保証することはできない。輸出コンプライアンスは強制されなければならない。同時に、非難を、誤った方向へ向けるな。

 次。
 Mackenzie Eaglen 記者による2025-8-4記事「America’s Munitions Crisis Is Real」。
  合衆国内でのTNTの生産は、そもそも1986年に、終わっていた。
 ではいままではどこからそれを仕入れていたのか? ポーランドだったという。

 ようやく陸軍は、ケンタッキー州に、TNT製造工場を建設させるそうだ。

 また、米国内で、ニトロセルロース系の発射薬/推進剤を製造している唯一のプラントは、1941年創立のラドフォード陸軍弾薬工場。ここにも新たに資金が注入されて、能力が強化される。

 次。
 Defense Express の2025-8-5記事「Ukrainian 28th Brigade Unveils New UGV with Igla MANPADS to Counter Attack Aircraft」。
  4輪のUGV=ロボット台車に、MANPADS を1発だけ、射角も仰角も変えられるラーンチャー腕に固定しておいて、そのUGVを敵陣近くの丘の上などで待ち伏せておき、オペレーターが塹壕内からリモコンでモニターし続ける。そして敵機が現れたなら、奇襲的に発射して当ててしまう――という新製品。
 SAMは「9K38 Igla」である。

 ファンド・ライジングによつて資金をあつめ、すでに10セット、製造した。そしてウクライナ軍の「第28機械化旅団」では、既に、露軍のヘリコプターを1機、この装備を使って撃墜しているという。

 さいきん、敵のFPVドローンの活動が常時濃密なため、MANPADSを担いだ味方の歩兵が塹壕の外に出ることは、ほとんど不可能になった。このままではまずいので、新装備を開発した。

 このUGVには、かなり大容量の電池を必要とする。そしてリモコン通信にはいささかの不安もあってはならないので、光ファイバー・ケーブルを繰り出して、有線でオペレーターとつながっているようにした。

 今日、敵機は、超低空でしかやってこない。かつまた、ロケット弾の最大射程で発射して、Uターンして去る。これを撃墜するためには、こちらのMANPADSを、敵方にかなり、推進して隠蔽しておく必要があるのだ。

 次。
 Ryan Chan 記者による2025-8-4記事「US Reaches Major Hypersonic Weapon Milestone」。
  新しい長距離ミサイル、LRHW=長距離・極超音速・兵器 ――通称「ダーク・イーグル」――は、豪州のノーザンテリトリーに持ち込まれ、7月に同地の演習で実射された。
 米陸軍が、ハイパーソニック弾を、西太平洋に展開したのである。

 運用する部隊は、ハワイの「第3マルチドメイン・タスクフォース」(3MDTF)。ノーザンテリトリーにはこれから常駐する。
 「ダーク・イーグル」のレンジは、6月公表の議会調査局報告書によれば、1725マイル=3194km。

 ※ダーウィンからボルネオ島まではカバーできるが、マニラまでは届かぬ。しかし米軍は射程1000マイルのМRCを、2024-4からフィリピンに配備している。

 「ダーク・イーグル」の1個発射大隊は、4基のラーンチャーを有し、1基のラーンチャーは8発をつるべ射ちできる。
 米国は、今後、日本、韓国、フィリピンにLRHWを配備するつもり。

 ※「グァム・キラー」を中共が独占する事態は終わった。今後は「大東諸島」の戦略的な価値が浮上すると思う。そこからは余裕で北京を叩けるからだ。ちなみに硫黄島からでも届いてしまう。つまりは小笠原~伊豆諸島のどこにでも臨時に展開できる。INF条約の自縄自縛から米国が抜け出すのに、おそろしい時間がかかったが、キッチリと、新ラインナップで穴を埋めてきている。


<正論>戦後80年の夏に 中国に自滅回避の道を提案する/軍事評論家・兵頭二十八
※産経新聞WEBサイトに無料登録すると読めます。


米海軍が対支用の無人特攻ボートの大量調達を計画していて、必要量の確保のためには、日本・韓国・ドイツのメーカーからの納品も排除しない方針。

 Ivan Khomenko 記者による2025-7-29記事「How Russia Launches Its Deadliest Drones?And Where They’re Hiding」。
  露軍がおびただしい数の「シャヘド」片道特攻機を発進させている拠点が絞り込まれた。
 7月28日の時点で、露領内に3箇所、クリミア半島に1箇所ある。

 最大の基地は、ウクライナ国境から175kmに位地する、オリョール地方の村。NATOは「アラブガ・ドローンポート」と呼ぶ。

 村には固定式発射台が8基。加えて、トラックが疾走することで初期浮力を与えてやる発射方式のための2.8kmの直線道路がある。
 この村からは同時に14機の片道特攻機を発進させ得、短時間で100機以上を送り出せる。

 村にはもともと地対地弾道弾の地下壕があった。それらを含めた15箇所の地下貯蔵所には、3000機くらいの片道特攻機が楽に収蔵できよう。

 別な、クラスノダールの海岸にある航空基地にも、長距離無人機用の区画が整備されている。
 この基地からは、滑走路を使う発進がなされる。同時に10機くらいのキャパ。25機で1波として、送り出している。
 もともと航空基地ゆえ、S-400の高射ミサイル大隊が布陣して守っている。

 「シャヘド136」のロシア内製バージョンは「Geran-2」と称する。その最大の工場はタタルスタン州アラブガ経済特区内にある。同地の工科大学では学徒が勤労動員されていて、数十の組立ラインに配属されている。

 次。
 Jakub Jajcay 記者による2025-7-10記事「I’d Rather Have a Mortar Than a Drone」。
  ※記者は元スロバキア軍将校で、ウクライナ軍に加わっていたこともある、気鋭の学究。

  ウクライナ戦争でドローンが主役に昇りつめたきっかけは、野砲と迫撃砲の弾薬が不足していたから。
 もし、迫撃砲とFPVドローンの両方が使えるのならば、皆、迫撃砲を選ぶ。なぜなら夜間や悪天候時に問題なく役に立ち、ECMに苦しまないから。

 FPVドローンは安価量産の必要があるので高額な暗視カメラを搭載しないものがほとんど。したがって夜には使えぬ。
 今、前線の歩兵部隊が味方にドローンによる攻撃をリクエストすると、そのFPVドローンが目標に着弾するまで30分は優にかかる。迫撃砲なら5分で準備して、6分後には敵をCEPに捕捉している。

 宣伝印象に騙されるな。FPVドローンが、走行している敵車両にぶつかっている動画。あれは極く稀な例外事象であって、10機のうち1機も、あのような戦果を挙げることはない。
 ドローンは、低空に下がると、ECMの電界強度に負けて、無線のデジタル・リンクは切れてしまう。有線ドローンは、高速で90度以上のターンができない。

 82ミリの迫撃砲弾は、1発100ドルである。
 FPVドローンは、いくら安いものでも1機が500ドルする。暗視カメラをとりつけたり、光ファイバー制御にすると、その単価は2倍になる。

 殊に夜間戦闘の場合、迫撃砲は、ドローンの9分の1のコストで、要求を達してくれるだろう。

 今のFPVドローンは、部品がほぼすべて中国製である。迫撃砲はそうではない。

 次。
 Ellen Ioanes 記者による2025-7-28記事「Donald Trump Jr.’s Drone Ventures Could Make a Killing」。
   親父が大統領になると決まった2024-11に、トランプ・ジュニアは、兵器系スタートアップに投資するベンチャー・キャピタルに迎え入れられている。そして早速、ドローン分野のスタートアップ「Unusual Machines」社の重役に就任した。
 ジュニアは直前に同社の株式を331580株手にしていた。そして就任の直後、その株価は倍増した。

 親父のトランプは、こんどの巨額政府予算のうち14億ドルを、米国内でFPVドローンを完全国産する民間量産工場の建設支援のために突っ込むと規定している。
 連邦法では、大統領の家族には、財務開示の義務がない。となると、こういうグレーなビジネスは、やった者勝ちということになるのだ。

 たとえばジュニアが、この会社の利益を図るために親父に直接にロビー工作したとしよう。今の法令では、それについて誰も、何らの公表の義務も負わない。

 「Unusual Machines」社は、2部門から成っている。
 ひとつは「Fat Shark」で、FPV操縦用のゴーグルを製造している。
 もうひとつは「Rotor Riot」で、これはクォッドコプターの部品を通販する部門だ。
  ※このような名称からは「三流臭」しかして来ない。

 また同社のピッチデッキ(投資家向けのプレゼン用壁新聞)を見ると、同社は豪州にあるドローン用モーター・メーカーの「Rotor Lab」社を買収にかかっている。
 買収するだけでなく、その製造ラインを米本土内へ移転させる気らしい。
 すなわちフロリダ州オーランドに1万7000平方フィートの工場を建設し、海外製(=中共製)のドローン・パーツにかかってしまう高関税を回避できるようにするという。

 いま米連邦議会は、FY2026の国防予算法案(NDAA)の審議にかかっているところ。そのNDAAは、米国内の小規模工場に小型ドローンの部品を大量製造させようという話がひとつのテーマになっている。ヘグセス長官は7-10の覚書で、ペンタゴンがそういう工場に大々的に投資するぞ、と表明している。そして「Unusual Machines」は9月からドローン部品の国内での量産を大拡充する計画を公表している。

 オーランド工場では、FPVドローンが大量生産されることになると見ていいだろう。それを国防総省がすべて買い上げるのだ。その部品のほとんどを、米国内で製造するための準備が着々と進んでいるのだ。

 ジュニアが関係する投資会社は、「Anduril」や、航空用AIメーカーの「Hadrian」「Firehawk」にも投資しているようだ。

 次。
 デビッド・キリチェンコ記者による2025-7-16記事。
 ロシア軍は、ウクライナ軍の衛生部隊や野戦病院を、たんじゅんに「フォース・マルチプライヤー」だと看做していて、むしろ他の部隊よりも高い優先順位を与えて積極的に砲爆撃して来る。ジュネーブ条約など彼らの眼中には無いことは勿論だ。

 このためいまやウクライナ軍は、「赤十字」マークなど、それが医療機関であることを示す標識を、取り除かねばならなくなった。

 たとえばマーク付きの救急車には、出動から15分以内に、露軍のFPVドローンが命中するという。

 ※負傷兵を後送するためのUGVが難地形に阻止されてしまう状況は、生地ではとうぜんに考えられる。この問題を解決するためには、ジャイロ制御で「自立」を続けられる「前後2輪」型の無人輸送機械が発明されねばならない。たとえばオランダには「ママチャリ」は無い。前方をカーゴにした「逆3輪」自転車が売られていて、三つ子でもその前方カーゴ内に楽々と座らせることができ、足漕ぎだけでどこでも走れるし、どこにでも駐輪できるような環境だからだ。しかし日本では、子ども2人をいちどに運搬しようとすれば、「前後2輪」の自転車型にするしかない。日本の地形は甘くないからだ。すなわち「タンデム2輪」でなければ、「全地形踏破」もできるわけがないと思うべし。これは負傷兵輸送ロボットにもあてはまるだろう。なおもうひとつの注意点。負傷兵の頭部は、あくまで胸部~下半身と同じ低い位置に保ったまま運搬できるようにしないと、生存率が下がってしまう。「座らせる」スタイルや、ハンモック式、介護ベッド式では、まずいのだ。

 次。
 Alexander Palmer and Sofiia Syzonenko 記者による2025-7-28記事「The Road to Kyiv Must Not Run Through Washington」。
  プー之介は、ウクライナ軍や欧州NATO諸国に戦場で勝つ必要は無いと考えている。アメリカ合衆国に援助の手を引かせることができれば、それで自動的に勝利が転がり込むと信じ込んでいる。もちろん短期の話ではなく、長期の話。

 このプー之介の妄信(陸軍大学校の戦略学のレベルでは「勝利の理論」とこれを称する)をまず崩してやらぬことには、西側が何をしようが、侵略戦争は止まらない。

 プー之介の脳内にある「勝利の理論」とは、西側の対宇支援は有限で、じきに尽きる、というもの。支援者の中軸は米国である。だからトランプが支援を絞るとか止めるとか口走れば、それがプー之介の妄念を補強し、いよいよ戦争は永続化するのである。

 このほどトランプは対宇支援を復活させ、対露制裁も考えているとほのめかした。だが、それが「一貫し永続する行動」として示されていない以上、プー之介の妄念は揺るがず、彼の脳内の「勝利の理論」は崩壊しない。つまり、行動が一貫するという信用が皆無のトランプなどが米国大統領であるうちは、ウクライナ戦争は永続化するしかないのである。

 ※この戦争は「新・三十年戦争」になるしかないんだ、という話を私は『宗教問題』のインタビューで語った。暇な人は読んでみてくれ。日本は、そうなることを前提にして、いかにして長期的に持続的にロシアを衰弱させるかを考えるのが「安全・安価・有利」であり、しかもまた、現代倫理三原則(『日支宗教戦争』で私が提言した規範/指針)に沿う。


宗教問題50:インバウンドVS宗教 (季刊 宗教問題)


グルメニア共和国

 Taras Safronov 記者による2025-7-11記事「Ukrainian Interceptor Drone Shoots Down Russian Shahed Over Odesa」。
  砲弾型クォッドコプターの調子がよい。

 飛来してきたシャヘドの、前方斜め下方から、この砲弾型クォッドコプターが急上昇して直撃する動画が、SNSに公開されている。住民が地上から撮影したビデオだ。

 いきなり、インターセプター・ドローンの新人王といった活躍をみせている。

 防空用の高速ドローンをウクライナでは複数のメーカーが開発&製造中。
 このたび注目されているのは、「Wild Hornets group」が量産を始めて間もない型だ。

 類似のコンセプトのシステムとして、2024年公表の「Sting」がある。

 次。
 Matthew Luxmoore and Jane Lytvynenko 記者による2025-7-10記事「The Drone Factories Fueling Russia’s Unprecedented Assaults on Ukraine」。

 ロシアによるちかごろの対ウクライナ空襲は、前年の7月の1ヵ月間に投入した機数以上のドローンを、1晩に集中するようになっている。
 水曜日の未明の空襲は過去のレコードで、ロシアは728機の無人機/囮機を放ってきた。

  ※この記事の添付グラフから推測できるのだが、増産中のシャヘドを即時に片端から投射してしまうのではなく、「溜め」をつくって間歇的に集中することで、迎撃アセットを飽和しようとしているのだと考えられる。

 ロシアは2025年1月からげんざいまで、2万4000機以上のドローンを、ウクライナの都市に向けて特攻させてきている。

 ロシアがイランに正式にシャヘドを6000機発注したのは2022-11のこと。このとき、ライセンス生産も合意された。ロシアはシャヘドの製造ノウハウのためも含めて、17億5000万ドルを支払った。

 ロシアでシャヘドを内製した場合のコストは、1機あたり3万5000ドルから6万ドルだろうと見積もられている。

 モスクワの東、タタルスタンにある「アラブガ経済特区」が、シャヘド内製のための工場群として拡張されている。
 そこには中国製の製造機械と、アフリカ人労働者が、あつめられている。

 ウクライナ政府による見積り。ロシアは現在、毎月、5000機以上の長距離無人機(デコイを含む)を製造している。その中には、航続距離2500kmのものもある。

 ロシアは1回の空襲に数百機ものデコイを混在させるようになっている。
  ※ウクライナ領内の高性能SAM陣地の秘匿位置を暴くとともに、その濃度や反応を調べて、どこに秘密の兵器生産拠点があるのかを探ろうとしているのだと考えられる。また、アドバイザーはNATOだから、NATOの防空戦術の「癖」も学習できるだろう。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2025-7-11記事「Nuclear Capsules Appear in a Container Linked to a False Narrative Connected with Ukraine in Syria」。
  あたかもウクライナが、放射性物質を中東へ密輸出しているかのように思わせる、稚拙な小細工の輸出パッケージが、シリアで見つかり、ロシアの世論攪乱組織によって、全世界へ喧伝されつつあり。

 たとえば「PU 94244U」とラベリングされたカプセル。プルトニウムの同位体を示す。
 これは、化学兵器をロシア軍に使わせたり、シリアに渡したりしていたロシアが、世界からの非難に逆襲しようとしての、捏造だという。

 次。
 『ディフェンスエクスプレス』の2025-7-11記事。
  オープンカーが、雨が降ってきたときに、後部座席の後縁に折り畳んで格納されている幌屋根を、運転席の頭上までドーム状に展張して、ベビーカーの屋根のようにさしかけることができるようになっている車体を、「コンバチブル」というが、同様なメカニズムを、戦車のコープケージに採用したのが、ウクライナ軍。その実用新案を、ロシア軍がそっくり剽窃し、ずうずうしくも「特許」まで取得していることが、このほど判明した。

 この戦車用のコンバーチブル機構は、幌の支柱は鉄パイプだが、屋根材はキャンバスではなくて、迷彩網でできている。生鮮商店の軒庇のように、半分だけ展張して、砲塔の後半部だけをカバーすることも自在。

 ※写真を見ると、メッシュの素材はさまざまで、中には、中空の硬い小球を等間隔で織り込んでいるように見えるものもある。これはメルカバ戦車の砲塔と車体の隙間を塞ぐ《鉄球簾》に類似した発想なのかもしれない。

 ウクライナ軍では「フード」と呼んでいる。米国人はコープケージを「グリル」と呼ぶが、もう素材が金網だった時代は古いのだ。

 これが、コープケージの現段階での世界最高進化形態だ。この分野でも、進化のスピードは、減速することを知らないのである。


<正論>米のイラン空爆は何を変えたか/軍事評論家・兵頭二十八
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空気圧でネットを発射するデバイスは「火砲」ではない。なぜそれを有害野生動物から住民を防護する手段として活用しないのか?

 『DEFENCE SECURITY ASIA』の2025-6-27記事「Nuclear Shockwave: Pakistan Building ICBM That Can Strike U.S. with China’s Help」。
   パキスタンが、射程1万kmのICBMを開発中である。目的は、米国を核抑止すること。中国が技術支援している。

 パキが2022に試射した「Shaheen-III」は、固体燃料の地対地弾道弾で、レンジは2750km+というところ。アンダマン諸島やニコバル諸島まで届くので、対インド用としてはまず十分だ。

 パキは2017に「Ababeel」という中距離弾道弾をテストしており、それは MIRV (Multiple Independently Targetable Reentry Vehicle) だったという。レンジは2200kmというところ。

 中共は過去に「М-11」という固体燃料の短距離弾道弾をパキに売ることにより、最新の燃料や誘導システムの技術をパキへ渡した。

 フルスケールのICBMを開発するには、10年間にざっと30億ドルかかるであろう。
 そして完成したICBMの単価は、1基が5000万ドルから7000万ドルになるであろう。これには支援施設やメンテナンスのコストは含まない。
 インドは、射程5500~8000kmの「Agni-V」をすでに戦列化していて、今は、レンジ1万kmでMIRVの「Agni-VI」を開発中である。

 ワシントンは、「Countering America’s Adversaries Through Sanctions Act (CAATSA)」をパキに適用する可能性がある。

 次。
 『マリタイムエグゼキュティヴ』の2025-6-27記事。
   バンダルアッバスのイラン正規軍海軍は、開戦2日後の6月14日になって初めて分散疎開を開始。27日現在、ホルムズ海峡のあちこちに停泊している。
 イラン海軍は、IRGC(イラン革命防衛隊)とはまったく別の国家機関なので、海軍司令官は、じぶんたちがイスラエル軍から空襲されないという自信があったようで、それは正しかった。

 とはいえ、イラン正規軍の中のイデオローグであったバゲリ少将は、しっかりと13日に爆殺されている。海軍内には、彼に匹敵するイデオローグは存在しなかったようだ。

 6月21日、バンダル・アッバス軍港の陸上にあった建物が空襲され、警備していた兵隊3人が死んだ。そこは、地対艦ミサイル等を貯蔵していた弾薬庫だったようである。

 小型の高速ボートは、IRGC(イラン革命防衛隊)の海上武力である「Nedsa」が運用する。その洞窟基地のひとつはナンダル・レンゲにあり、6月21日に爆撃された。

 次。
 Taras Safronov 記者による2025-6-27記事「Ukraine’s Special Forces Destroyed Two Russian Su-34 Bombers」。
  ウクライナの特殊部隊が、「スホイ34」を2機、地上で破壊した。
 場所は「Marynivka」飛行場。

 ウクライナ軍の長距離型の無人機が、使われた模様である。

 次。
 Taras Safronov 記者による2025-6-26記事「Production of Last Mile Drone Homing Modules Will Be Launched in Ukraine」。
  「マシン・ビジョン」はひとつではない。無数の零細メーカーがそれを提案している。

 その最新の製品。ウクライナの TAF Drones 社が、「Last Mile」という商品名で、全自動ホーミングモジュールを完成し、これから量産したいという。
 ひとつの基盤に、ソフトウェアも載っている。それをドローンにとりつけるだけ。

 リモコン・オペレーターが介入して、ミッションを中断させられる機能も実装。

 機体が120km/時で飛翔していても、静止した物体を正確に検出する。
 静止標的に対しては誤差1mで衝突する。

 静止物に対する標的捕捉と自動肉薄は、距離500mから可能。
 対象が移動している場合は、距離150m以内で機能する。ただし敵の速度が60km/時以上だと、センサーが振り切られる。

 次。
 今、都内の大きな書店で売られているはずの季刊『宗教問題』(Vol.50、2025年夏季号)の pp.126~129 に、コテコテのインタビュー記事が出ているはずですので、書店で涼める気質の人は、立ち読みしてみてください。むかしのゲリラ雑誌にはこういうスタイルの記事がよくあった。ひさびさに昭和をリクリエイトしてやったぜ。


宗教問題50:インバウンドVS宗教 (季刊 宗教問題)


B-1爆撃機が、これからは、ローテーションで三沢常駐となる。

 Greg Hadley 記者による2025-4-16記事「B-1s Deploy to Misawa for First Ever Bomber Task Force Based in Japan」。
   テキサス州のDyess空軍基地から15日に三沢に飛来した。そしてその日のうちに、韓国空軍機と合同訓練している。
 「ボマー・タスク・フォース」といい、これは2018年から始まった。海外基地にローテーションで展開するのだ。

 今年2月、グァムから1機のB-1が三沢にやってきて「ホット・ピット」燃料補給を実験している。これはBTFではなかった。

 次。
 Paul Krugman 記者による2025-4-16記事「Why Trump Will Lose His Trade War」。
     中共側は、貿易とは何か、貿易戦争とは何かを、理解している。かたや、トランプは、じぶんが何をしているか理解していない。それどころか、じぶんが何を望んでいるのかも知らぬ有様だ。

 トランプと、彼の周りのおべっか使いたちは、国際貿易を理解していない。われわれが何を売れるかではなくて、われわれが何を買えるかが、大事なことなのだ。

 個人に譬えてみよう。なぜ人々は働く? 働くということは、じぶんの労働を売ってカネを得るという行為だ。多くは、雇い主に対して労働を売っている。人々は、労働を売った対価を得たあと、そのカネを使って、こんどは自分が欲するモノを買うのである。そのためにこそ、働いているのである。

 国際貿易をするのも、同じ必要からだ。ある国には、海外から買いたいモノがある。だから交易する。そのさい、輸入だけでなく、輸出もする。なんとなれば、輸出して得たカネを、輸入するモノの支払いに使えるからである。

 一国にとって、貿易のベネフィットとは、欲しい物を、安く、海外から手に入れることができる状態のことなのだ。その「欲しい物」は、自国内には産出しないモノであったり、自国内では安く製造できないモノである。

 たとえば米国の北部の諸州は、カナダから安価に電力を買っている。その電力はカナダ領内の水力発電ダムにおいて安価に豊富に発電されている。米国の北部の諸州には、その価格以下で豊富に発電する手段が、あいにく、存在しないのだ。

 ならば、米支が「貿易戦争」をすれば、困るのはどっちの側だろうか。

 昨日の『フィナンシャルタイムズ』紙の記事が、うまくまとめている。米国の対支輸出は、農産品が大宗なのだ。
 さらにFT紙は指摘する。それらの輸出農産物は、「低付加価値」な商品であると。
 米国の農業は、高度に生産的で、高度に資本集約的なのか? 記者はそれについては不案内である。
 ただ、単純な事実があるだろう。中共は、アイオワ州産の大豆を買わなくとも、ブラジルからいくらでも大豆を買えてしまう。

 それに対して、米国が中共から輸入しているモノの多くは、米国工業が切実に必要としている原料や資材で、しかも、その代替品の輸入先となると、すぐには見つからぬモノであったりするのだ。

 ようするにトランプは、米国産業のサプライチェーンを破壊する「貿易戦争」を始めてしまった。
 新コロ蔓延時に何が起きたか、皆、覚えているだろう。経済のいたるところで物資が欠乏し、それがあらゆるコストを押し上げた。インフレだ。あの近過去が、間もなくリバイバルする。

 米国の産業はトランプのせいで大ダメージを蒙るだろう。

 本日、『WSJ』に「U.S. Plans to Use Trade Negotiations to Isolate China」というタイトルの記事が出た。
 間違いなくこの記事は、スコット・ベッセント財務長官周辺からのリーク情報に基づいて書かれている。

 そして、過去のまともな政権の治下であれば、こうしたインサイド・スクープから、目下の政策形成過程が察知できたものなのだが、今のトランプ政権に関しては、このようなスクープに、ほとんどまったく価値がない。現政権には「ポリシー・プロセス」など、ありはしないからだ。

 ベッセント、ナヴァロ、ハワード・ルトニックら政府の高官が、頻々と、銘々に、政策の思いつきを公言する。しかし1日か2日すると、トランプがテレビカメラの前で違うことを語る。あるいは「Truth Social」にまるで違うことをポストする。その内容は、数日前の高官の発言と全然話が違う。果てしもなく、こんなことが繰り返されている。

 WSJが報じたのは、ベッセントが政策化してもらいたいと念じていることなのであるが、それはトランプの政策にはならないのである。
 ベッセントは、何ら、政策を仕切っていない。

 トランプが、第三国に対して「中共を孤立化させよ」と要求して呑ませたとする。称して「ディール」という。しかしその第三国がその「合意」を維持するかどうかは、もう、わからない。なぜなら、トランプが自からのクレディビリティを捨ててしまったからだ。過去の重大な約束事を守らないことを連日実証しつつある相手との約束を、誰も真剣に考える理由がない。トランプは過去の重要な合意を思いのままに破り捨てている。そんな相手とはそもそも約束は成り立たないだろう。なにかを約束したフリだけが、合理的に可能である。

 欧州諸国は、トランプにつきあって中共との間のサプライチェーンを破壊する理由がない。
 報復的なトランプ・タリフを回避するためにはそれをした方が悧巧だって?
 違う。無体なタリフで脅迫されて大きな譲歩を簡単にした者は、その件が済んだあとでもまた、幾度でも別件に付きムチャクチャな言い掛かりを吹っかけられては、そのたびタリフでまた脅されて、無限に強奪をされ続ける流れになってしまう。そうなる転帰は、ヨーロッパ人にとっては歴史の常識であり、容易に見通されている。

 トランプ政権は、銃による決闘に、ナイフを持って臨もうとしている。
 中共は、米国と西側のサプライチェーンそのものを破壊できるし、トランプ・タリフをきっかけに、早くももう、その段階に移ろうとしているのである。ところがベッセントは、おめでたくも、米支戦争が「市場アクセス」を敵に対して制限してやれるかどうかという、そんな少年スポーツ試合の段階だと、甘く考えている。それはナイフだ。敵はもう、銃を構えている。

 クルーグマンは憂鬱である。裁判なしに住民を捕らえて即日に南米の重罪刑務所へ送り込んでしまえるような政体は、近代政体ではない。近代政治が苦労して確立してきた「人権憲章」を平然と且つ公然と無視するわけだから。近代政体でないということは、中露と同列である。これは、GDPが失われることと、同じくらいに痛い。今回は、痛みがダブルでやってきた。

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 The Maritime Executive の2025-4-18記事「Report: Chinese Satellites Feed Houthis Target Ship Data」。
   『The Financial Times』によると米政府は、中共が衛星情報をフーシに渡し、それをもとにフーシが商船攻撃している証拠を掴んでいる。
  フーシは2023年いらい、100隻以上の商船を攻撃している。

 イランが派遣している「Qods」の面々がイェメン内でミサイル/ドローンの運用に協力している。

 イランの「Khayyam」衛星は、ロシア製。「Kanopus-V」画像衛星そのものである。この衛星は複数回っている。そのコンステレーションの中に、イラン衛星も、混ぜて貰っているという感じだ。

 中共の「Chang Guang Satellite Technology」社が、衛星情報をフーシに提供しているそうだ。
 この会社はミニ衛星を100機も、2024年から、運用している。2025年には300機にするという。

 これだけの数があれば、特定海面の特定商船の動静を、10分おきにチェックできる。

 ※仏海軍の『アキテーヌ』級フリゲートが、紅海にて、オットーメララの76mmでフーシのドローン特攻を迎撃する動画が公開されている。ただし命中の瞬間だけは、編集でカットされているなと感ずる。重要情報だからね。76mm砲弾は、1発が数千ドルというところ。有効レンジは4マイル。

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 ストラテジーペイジの2025-4-18。
   アラビア半島で、唯一、まったく石油がでない地方が、イエメンなのである。
 その代わり、イエメンには雨が降る。だから農業が可能。

 フーシを今、率いているのは、45歳の Abdul-Malik al-Houthi である。

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 Mykhailo Liuksikov 記者による2025-4-18記事「Russia Ramps Up Production of Shahed Drone Clones at New Izhevsk Facility」。
    ロシアは新たに Izhevsk 市に工場を建設して、そこで「シャヘド136」を生産し始めた。

 オリジナルのシャヘドは、翼端の垂直安定板は主翼と一体成型。しかし最新のロシア版では、3本の螺子で接合していることが、公開画像からわかる。

 Izhevsk で製造されたドローンは、K か KB か KC で始まる記号がプリントされている。

 エンジンは、イランのオリジナルは Limbach 550(ドイツ製) だが、Alabuga 工場製のものは、イランのぱくりものである「MADO MD 550」をとりつけている。そして今度の新工場では、中共製のぱくりものエンジンをとりつけているようだ。

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 Chieh Chung 記者による2025-4-17記事「Analyzing the PLA’s Early April Exercises in the Taiwan Strait」。
   直近の大演習では、浙江省の沿岸から長距離地対地ロケット弾を発射して、台湾の「Yong’an」のLNG受け入れ港の施設を破壊できることをTVフッテージでアピールしていた。

 また「YJ-21」というハイパーソニックの空対艦ミサイルを「H-6K」から運用するつもりであることも、4月1日に動画で宣伝していた。

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 Daniel Woolfson 記者による記事「Trump targets Chinese ships as Beijing boycotts US gas」。
   米政府は、米国の港に入る中共の貨物船から、賦課金を徴収する方針である。木曜日に発表された。
 これは国際海運にとっては、大激震だ。

 賦課対象は、中共で建造されたすべての商船と、中共が所有者である商船。徴収金額は、載貨の量に比例させる。しかも、一航海ごとに賦課するという。

 実施は、半年以内だという。
 さらに、3年以内には、外国で建造されたLNGタンカーにも、この賦課金制度を適用するという。

 実施されると、入港した中共船は、積み荷1トンにつき、50ドルを払わされる。この値段はその後も上がり、3年以上かけて、逐次に増徴する。

 今年はじめの噂では、1回入港ごとに1隻から100万ドル徴収するとかいう話だったが、それは当面、しないようである。

 『FT』紙によると、米国から中共へのLNG輸出は完全に止まった。テキサスを出港した最後のLNGタンカーは2月6日に中共の港に着いたが、それが最後の便になった。

 2月10日には中共が、米国のLNGに15%のタリフをかけた。それは今は49%である。もはや中国市場では、これを買い取る意味がない。

 だから中国側の買い手は、タンカーが太平洋にある段階で、その積み荷を外国のブローカーに転売してしまったはず。それでLNGタンカーは、行先を変えたのだろう。

 中共は2024には米国から24億ドル分のLNGを輸入した。
 中共は世界最大のLNG輸入国である。米国は世界第四位のLNG輸出国である。


世界の終末に読む軍事学


(管理人より)

 兵頭本最新刊『世界の終末に読む軍事学─パズルのピースは埋めておけ』のP236に掲載されている写真は、私が撮影したものなんですよ。
 兵頭二十八先生は、普通の会社員がマジで引くくらい貧乏だったので(いまも?)、本当に売れてほしいです。私は当然、買いました。