敵国の過小評価も過大評価も一人歩きさせていてはならない。それが国民に大害をもたらすことは過去の歴史が何度も証明している。

 Robert Farley 記者による2019-1-14記事「Why China’s SSBN Force Will Fall Short for the Foreseeable Future」。
      米国は最初のSSBNを就役させた直後、すぐに分かった。原潜は固定ソナーで遠くから探知されてしまうと。
 そこで静粛化につとめた。
 結果、米国のSOSUS網がソ連SSBNをほぼ探知できるようになり、その反面、米側のSSBNは全く探知されないようになった。地政学もあずかっている。
 これにソ連は、味方SSBN遊弋海域を有力艦隊でガードする、「要塞化」の戦略で対応した。航空機やSSNも必要なので、これはソ連軍に財政負担を強いた。
 当時の米ソ間のASW能力のギャップよりも、いまの米中間のAWS能力のギャップの方が大きい。
 中共のSSBNは、気付かれずして北米東部を打撃可能な海域まで出ることは不可能である。出港するや尾行されてしまう。
 逆に、中共の方は、米本土の軍港からSSBNが出入りするのを見張る能力を持っておらず、将来も持ちそうにない。
 では中共もソ連と同じ、艦隊による「海域の要塞化」を図るか? その兆候はない。
 ※ここはおかしい。数線の機雷堰で黄海の出口を仕切って渤海湾内からSLBMを発射すればいいのだから。
 中共海軍はあきらかにASWにはロクに投資していない。
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 Charlotte Jee 記者による2019-1-15記事「A relaxation of US rules will let drones fly at night and over people」。
  英政府がドローン規制を強めようとしているとき、米政府は、アマゾン等の空からの配達システムに便宜を与えるべく、ドローンの夜間や群集上の飛行を原則禁じた現行規則を緩める方針。
 現在、全米で登録されたドローンは130万機。操縦者は11万6000人である。
 次。
 Evan Bleier 記者の記事「Remembering the Most Bizarre Disaster in American History」。
     今から100年前の1919年1月15日、ボストン市を大波が襲い、21人が死んだ。
 ただし海水ではなかった。シロップが決壊したのだ。
 今日の鋼鉄より質の劣るスチールの巨大貯蔵タンクが裂け、230万ガロンの糖蜜が漏出し、幅100ヤードで水深25フィートの波が、ボストン市の北側の通りを走り下った。
 会社が利益を優先し、タンクの外鈑の厚さに安全係数を持たせていなかったという。
 流れ下った糖蜜のスピードは時速35マイルであった。もちろん木造家屋も薙ぎ倒された。
 糖蜜は、静かなときはねっとりとしているが、エネルギーが与えられると、ものすごく速く流れる。そして速度が下がると、またねっとりとわだかまる。
 もしもこの漏出事故が、春・夏・秋に発生していたなら、死者は出なかっただろう。ところが冬だったものだから、液体が冷えるにしたがい、セメント状に固まった。
 この糖蜜の奔流の内部にトラップされてしまった人や動物は、脱出できなかったのである。
 ※この年末年始の書店における『米中「AI大戦」』の売れ行きは上々だったようで、皆様に御礼申し上げます。


キツネの足は4本あるのに、足跡は必ず1條に収斂す。氷結湖上にこの條痕が描く模様の面白さ。

 Geoff Ziezulewicz 記者による記事「Worse than you thought: inside the secret Fitzgerald probe the Navy doesn’t want you to read」。
      ブライアン・フォート海軍少将が、事故調査のため『フィッツジェラルド』のCICルームに入ると、そこはゴミが散乱し、小便の臭いが鼻をついた。
 床には、筋力鍛錬器具のケトルベル(鋳鉄ボールに薬缶状の取っ手がついたもの)や、小便入りのボトルが散乱していた。
 いくつかのレーダー管制装置は動いておらず、あきらかに、乗員はその操作方法そのものを知らなかったらしい。
 VMS=航海マネージ・システムは、悪い状態だった。
 ほんらい、紙の海図なしで航路が自動算出される便利なコンピュータだが、艦長の席近くのその機械は壊れており、カニバリズム修理が試みられていた。
 2015年いらい『フィッツジェラルド』には操舵員の兵曹長が欠員で、航海を安全にするために水兵たちを教導すべき者が不在だった。
 フォート少将の総括。『フィッツ』は将校たちが無能であり、上下とも規律が弛緩してしまっており、任務に忙しすぎて、乗員がまともに訓練される時間も、機械類の修繕をしてもらう時間も、与えられていなかった。
 『フィッツ』の将校たちは、ライフセイヴィングの講習にも無関心だった。事故の6週間前に佐世保の近海で『クリスタル』の衝突事故があったのに。
 『マケイン』の事故調査の詳細は、まだ関係文書が非公開扱いとなっている。
 『フィッツ』のCICルームの長は、中尉のナタリー・コームズであった。彼女の机上には山のようなペーパーワークが……。おそらく、「海軍作戦部」のための報告書作りに忙殺され、『フィッツ』衝突前3時間半のワッチには集中はできていなかっただろう。
 前の艦長のロバート・シュー(Shu)中佐のときからの悪習。艦橋当直の中尉が、周囲に民間船舶が多すぎて混乱しているような夜間にも、艦橋にはいないですぐに自室に引っ込もうとする。
 これでニアミス事案(対馬海峡のすぐ東)も起きていたが、反省は活かされなかった。
 『フィッツ』では、混雑した海域を夜間に航行するときも、艦長/副長がブリッヂにいないことが常態化していた。
 ベンソン艦長は、艦長になって相模湾より外洋へ出たのは初めてだった。
 にもかかわらず、艦長も副長も、夜間に民間船だらけの横須賀海峡を通過するときですらも、ブリッジにはいなかった。どうかしている。
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 SETH ROBSON 記者による2019-1-14記事「Pair of Chinese firms eye Subic Bay shipyard, causing alarm in the Philippines」。
     比島のスビック湾内にある巨大造船所。いまは韓国のHanjinグループが所有しているが、これを中共の2つの会社が買収しようと交渉中。
 「Hanjin Philippines」社は、4億1200万米ドルの債務不履行をやらかした。同社には韓国人たちが9億ドルを貸し込んでいるが、さいきん、破産を宣告された。
 中共のメーカーがこの比島の大造船所を支配するためには、比島の資本とパートナーにならなければならない。
 たぶん、ドゥテルテの息のかかった企業が組むことになろう。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-1-14記事。
  このたびのF-35大量発注は、日本が国産の「X-2」などは諦め、F-2もまたF-35でリプレイスしてしまう決心を下したことを意味する。
 米海兵隊の調達価格だと、F-35Bは、1億3500万ドル也。


儒教圏からの反近代的な攻撃に対しては「ノー・トレランス」で反撃するのがわが政府の基本方針でなくてはならない。

 旧著『日支宗教戦争』でも書いたように、有害な他者には、有害行為の都度、必ず反撃しなければいけない。それしか日本が安全を保つ道はないのだ。
 もし日本のEEZ内で外国軍艦から火器管制レーダーを照射されたら、逃げて終わりにしてはならず、すぐに偵察ポッドを吊るした戦闘機を飛ばして刻々の状況を監視させ続け、有害外国艦船がEEZを去るまで海空から追い詰めねばならない。
 なぜ防衛大臣がこのあたりまえの措置を命じなかったのかについて、政府に対して野党とマスコミは追及するのが筋なのに、そのあたりまえの機能が、日本の野党とマスコミには無い。呆れたものだ。
 ふつうの民主主義制度では、税金の課税をめぐって野党が機能する。
 ところが日本では消費税に反対する野党が機能していない。
 不合理な自動車税制を改めさせようとする野党も存在しない。
 NHK受信料という事実上の税に反対する野党も存在しない。
 こんな野党は必要だろうか?
 韓国政府に対しては日本政府は今すぐに「謝罪」を要求しなければならない。そして、納得の行く謝罪がなされるまでは、「経済制裁」を加えるのが筋であろう。
 同時に、尖閣領海主権への侵犯を繰り返す中共にも間違ったメッセージを与えてはならない。中共軍の式典への自衛艦の派遣の約束をするなど、許されない。安倍晋三は辞職すべきである。
 次。
 2019-1-11記事「CES 2019: Popular Mechanics Editors’ Choice Awards」。
   ラスベガスで開催の今年のコンシュマーエレクトロニクスショー=CES。
 騒がれたのは、ロラ・ディカルロ社の新製品「Ose」。
 女性用の「遊びモノ」である。
 人間のセックスパートナーの動きの感覚を、マイクロロボティクスを応用して精密に再現した。
 従来の、単なる震動の発生装置とは、次元が異なる。
 同社はこの製品に関して8つの特許を取ったという。
 次。
 David Grossman 記者による2019-1-9記事「Scientists Find a New Way to Create the Plutonium That Powers Deep Space Missions」。
       アイソトープ電池の燃料源となるプルトニウム238が米国内では入手困難になるという見通しが2017年に生じていたが、問題は解決されそうだ。
 放射性同位体は、医療現場での滅菌や、美術品の修復にも利用されている。が、最大の需要家はNASA。殊にこれから本格化する火星プロジェクトは、ロケットや探査機ばかりできても、宇宙電源がなくては計画ストップだ。
 プルトニウム238は、半減期87.7年。100年以上にわたり、均一の熱が得られる。『ボイジャー』はこれで発電しながら、いまも宇宙の彼方へ飛行中である。
 オークリッヂ国立研究所(ORNL)が、そのプルトニウム238のペレットを、いままでの二倍量以上、製造できる技法を完成した。
 中間製品として「酸化ネプツニウムとアルミニウム」の合金ペレットをこしらえれば、ネプツニウム238が自動的に核崩壊してプルトニウム238になる。
 NASAは2025年までに、年産1.5kgのプルトニウム238が欲しいと言っている。
 このたびのORNLの貢献で、年産400グラムは可能になった。いままでのペースは、年産50グラムだった。


もしAIが人並みな「感覚」を持つに至ったら、自分用に「電気麻薬」を発明して浸る。働いたら負け、と気付くだろ。

  Matthew Cox 記者による2019-1-12記事「Smith & Wesson Unveils New Customized .38 Snub-Nosed Revolver」。
    今月22日~25日、ベガスで開催されるショットショーにS&W社が、ハンマー包摂型フレームの.38スペシャル×5連スナブノーズリボルバーを出展する。
 「モデル442」という。
 前からあるスタイルなのだが、各部を一層洗練し、素材も良くした。
 常に拳銃を目立たぬように身につけている必要のある人たちのための、軽量な商品だ。市販単価742ドル予定。
 同様の需要者向けに、グロック社も、1列弾倉で全体をスリムにまとめたオートマチックをお披露目する。
 ※これは自衛隊向きかもしれない。SIGの後継たり得る。
 次。
  Mark Thompson 記者による2019-1-10記事「The U.S. Navy’s Titanium “Tin Can”」。
    しばしばペンタゴンは、ある計画が「止めるにはもう遅すぎる」段階を過ぎてしまうまでは、破綻含みの計画や評価と見通しを「語るには早すぎる」と言い続ける。
 ふつう、新型艦には、3つか4つの新技術を盛り込む。ところがDDG-1000=ズムウォルト級の場合、一挙に11の新技術を詰め込む計画であった。
 レーガン政権は600隻海軍をめざすとした。じっさい、ピーク時の1987には594隻にもなった。それが2015年には271隻に減ってしまった。その背景のひとつは、ズムウォルト級計画の惨憺たる大失敗にある。
 米海軍は毎年、180億ドル以上を、艦艇の調達に使っている。
 そしてペンタゴンの最新の価格算定。ズムウォルト級は、1隻の単価が、78億3083万3333ドル強である。これがぜんぶ、無駄だったら? トランプの訴える355隻体制なんか、できるわけがない。
 ズムウォルトに搭載する口径155ミリの艦砲は「AGS」といい、当初、射程が100海里(185.2km)あると宣伝された。その大砲部分だけでも重さ200トン。
 ところが2007年になると、海軍は、AGSの射程は83海里だと言うようになった。そして今では、63海里(116.6km)に下方修正されている。
 AGSから発射するタマの単価については、2004年時点ではロックマート社は、3万5000ドルだと言っていた。
 それが今では1発100万ドルに近づいている。トマホークミサイルより短射程なのに、トマホークミサイルと同じくらいの値段なのだ。
 ズムウォルト級が艦内に搭載するこの弾薬の定数も、当初計画は750発としていたが、現実には300発になっているようだ。
 「LRLAP」と呼ばれる特殊な155ミリ砲弾は、長さが7.3フィート、重さは225ポンド。そして、陸上でモスボールされている。つまり、ズムウォルトには1発も搭載されていない。
 LELAP以外のタマも搭載されていない。つまりズムウォルト級の3隻は、玉無しの状態である。米軍の戦力外なのだ。
 ズムウォルトのレーダー反射は漁船並といわれる。
 ズムウォルト級は、注水操作により、乾舷を臨機に3フィートだけ減らすことができる。ただでさえタンブルホーム型なので、この「沈み込み」によってますますレーダー反射は少なくなる。
 しかし老練な船乗りから見て、タンブルホーム型の船首形状はおそろしい。外洋では、頻繁に、おびただしい海水を、甲板や艦橋に浴びることになるはずだから。 ※いや舷側からも艦尾からも波をかぶるだろう! 落水不可避じゃないか。
 もし艦尾から追い波がきているとき、艦首が沈んで艦尾が水面上に浮き上がった瞬間、タンブルホーム型の軍艦は、前後軸に対する横方向の安定性を喪失し、転覆するおそれすらある。 ※回航中の『畝傍』の沈没原因じゃないかと考えられている現象だね。ところで『畝傍』の残骸はいつになったら見つかるんだ? 場所はスプラトリーの浅海面だぞ。
 ズムウォルト級の上構(4階建て構造)は、それだけで1000トンの重量がある。
 当初計画では、赤外線輻射とレーダー反射を減らすために、鈑金ではなく、厚さ2~3インチの、バルサ材をカーボンファイバーでサンドウィッチしたものを使う予定だった。しかしこの案は2013に放棄され、スチール製上構に改まった。結果、船体の各所で重さ減らしの肉抜きをやらねばならず、トップヘヴィーにもなってしまった。 ※複合素材ではとても激浪の打撃を堪えられない。スチールですら曲がるのだから。
 ズムウォルト級は、電動スクリューとすることで、プロペラシャフトを廃止し、メンテナンスの手間を省こうとした。
 だがなぜかシャフトその他からの漏水が絶えない。
 ズムウォルト級は、アーレイバーク級よりも100人(25%)、乗員数を減らすことが目標にされていた。
 軍艦にとって、人件費がどれほどデカいか。1998年に米海軍制服ナンバー2のピリング提督が証言している。もし駆逐艦の乗員を95名、削減することができたとすると、その駆逐艦のライフサイクルコストは、70%も減ることになる、と。
 いま、ズムウォルト級には175人が乗艦している。これは当初計画の倍に近いが、それでもバーク級の半分だ。
 米海軍では、艦の指揮に任ずる将校連を「黒靴」と呼ぶ。海軍飛行兵は「茶靴」である。潜水艦乗りは「泡頭」と呼ばれる。これは着物からではなく、潜航時のあぶくが印象的なので。
 レーザー高角砲は、飛来する敵のミサイルに、連続2~5秒、当て続けないと破壊できない。超音速ミサイルだと、その時間で3.5海里(6.5km)、接近する。
 より強力なレーザー砲ができれば、飛来する敵のミサイルを、艦から18海里(33.3km)離れた場所で撃墜できるだろう。 ※というか、それ以遠では水平線の下になるから、理論的に撃墜できない。これは理論上の最大値だ。
 すでに2009年の時点で指摘されていたこと。
 電化が進んだ軍艦は、もし主電源喪失すると、水の冷却ができなくなる。冷却ができなくなると、コンピュータ用の電源が確保されていても、コンピュータは数秒内でシャットダウンされる。というのも、過熱で自己破壊するのを防ぐために。
 この状態から短時間に回復することはできない。そのフネは死んだも同じ状態で漂流するほかないのだ。
 ※昨年の北海道ブラックアウトでは、風力発電タワーも何の役にも立たず、シャットダウンされた。そしてなんと、それら風力発電を再開するためにも、外部電力が必要だと判明した。もうね、アホかと……。


FY2019の日本の国防予算は470億ドル。韓国は430億ドルで爆増中。

  Ben Werner 記者による2019-1-10記事「Mark VI Patrol Boats Sail 500 Nautical Miles in Record Transit」。
       「マーク6 哨戒艇」は、沿岸域(ただし港外)にて、船舶の護衛、船舶への乗り込み、船内捜索と拿捕(BVSS)作戦等に任ずる目的で建造されている米海軍の高速小型ボートである。
 カタログスペックでは航続力が600海里あることになっているが、米海軍は外洋長駆航海を試したことはなかった。
 このたび、グァム島所属の2隻が、じっさいに500海里近くを走ってみた。
 正確には456浬(845km)離れたヤップ島まで人員を運んだ。
 これで、パラオやミクロネシアもカバーできることが確認された。
 平均速力は25ノットだった。※高速コンテナ船並の巡航速度かよ!
 2018-10には、グァム所属の「マーク6」複数隻は、100海里走って、台風にやられたティニアン島とサイパン島に人員と資材を輸送している。
 「マーク6」の主機は、MTUの16気筒2000馬力ディーゼル「M94」×2基。それでハミルトンのウォータージェット「HM651」を駆動させる。
 乗員は通常5名。お客(乗り移り突入隊員)は、8人乗せられる。
 ※ストラテジーペイジによれば、北鮮西岸の公海上で密輸監視にあたっている日本、カナダ、豪州、ニュージーランド軍の哨戒機が、中共軍のジェット戦闘機からイヤガラセを受けていることが2018-12-19の時点で分かっていると。本当なら、なぜ報じられないのだ?
 次。
 Charlotte Jee 記者による2019-1-9記事「Opioid overdoses could be prevented by an app that listens to breathing」。
       全米にオピオイドが蔓延しており、毎日115人が死んでいる。
 オピオイドの筆頭はフェンタニルである。
 米国は「銃社会」といわれているけれども、じつは、年間の死亡原因別では、薬物が、銃器も自動車をも抜いているのだ。すなわち米国はダントツの麻薬禍社会なのである。
 ワシントン州立大学のチームはこのほど、オピオイド濫用者を死から救うアプリを完成した。これをスマホに組み込んでおくと、オーナーの呼吸音がモニターされ、過剰摂取で呼吸が低下~停止し、かつ本人が身動きもしなくなったといった状態をアルゴリズムが察知し、自動的に、家族に通報してくれる。
 これを、フェンタニルだけでなく、ヘロインやモルヒネの常用者でもテストし、有効であった。
 ただし、スマホの電池がなくなっていたら、アウトである。


卑怯者たちの格好付け活動。

 すなわち、戦後フランス哲学/文学/映画のことだ。
 ビシー政権が成立した時点で仏人たちは戦後のP5の資格などなくした。
 なにがレジスタンスだ、早々と白旗を掲げた連中が、威張るな――と自由世界から指弾されて当然だったのだ。
 その前に南仏で部隊全滅するまで徹底抗戦するのが筋だった。南仏が全滅したら北阿で継戦するのが筋であった。じっさいに英米はそれを促したのに、フランス国家は断り、卑怯者として生き延びる道を選択したのだ(ビシー政権)。
 その後、彼らは5年弱、積極的に対独コラボ(協力)した。ユダヤ人逮捕にも全力でコミットした。彼らは枢軸支援者だったのである。
 イタリア人ならばこのような過去に恥など感じず、あっさりとマルクシズムを受け入れて済ますところかもしれないが、フランス人はなまじいにアングロサクソンに対する見栄があり、世界文化の最先端から後落した戦後の自分たちの姿を直視したくなかった。庶民と文学者は誰も彼も「自分はレジスタンスだった」との嘘話を捏造せねばならなかった。そしてかぎりなく乱れたプライドを再確立するために論筆家どもが苦悩を重ねた産物が、戦後フランス哲学に他ならない。
 この哲学は、根底需要が卑怯者集団の自己韜晦であったがゆえに、戦後の日本人知識人たちから、歓ばれた。戦後の日本のインテリも「悪と戦わず、卑怯に生き延びる」正当化の哲学を欲してやまなかったからだ。
 80年代末、ソ連邦が自壊してくれたおかげで、卑怯者の哲学者たちは、長年の重しが取れたと感じた。わが国にも「ニューアカ」という酔生夢死の集団が登場する。
 多年、卑怯者たちは、もし東西軍事均衡が破れてソ連軍が侵攻してきた暁には、国外逃亡するか、支配者の手先を志願するつもりでいたが、その言い訳の準備に、内心では困っていたようだ。
 しかるに1990年、「イラク対米英軍」の湾岸戦争の可能性が生じ、一切は振り出し(1940年)に戻る。
 このとき「ニューアカ」を含む日本のいい気な集団が米国大手新聞に掲載させた意見広告は、なんどでも回顧するに値する。
 韓国の国防費は日本の国防費に接近した。今年よりも来年、来年よりも再来年、彼らはますます強気になる。今でもアレなのだから、いずれ戦争も不可避であろう。
 後方で誘導しているのは中共である。しかしそんな構図は疾うから織り込んでいなければならぬことの筈だろう。南西方面と日本海方面、同時2正面から圧迫しようと考えるのは、北京から見れば、あたりまえの話だ。
 若年人口減の近未来にそこに対処するには何をどう変えておいたらよいのか。それにも頭がまわらずに陸幕は、九州から尖閣へ往復し得ぬ、また中国から竹島に往復も叶わぬAHなどに貴重な国防資源を投じ続けた。
 ふたたび、卑怯者たちの哲学が需要されている。これから一、二年は、即位礼と五輪と北方領土が、そのダシに使われるのかもしれない。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-1-10記事。
   現在、在韓米軍は「エレファント・ウォーク」と呼ばれる一斉離陸訓練ができなくなっている。トランプが三代目に遠慮しているために。
 この訓練は敵の奇襲開戦がありそうになったとき、短時間のうちに1機でも多く地上から離し、地上で破壊される機数を減らすという意味もあるが、空中で最短時間で「編隊」を組み、燃料を徒費させないための技倆を維持するという目的で、WWI中から行なわれていたもの。純然たる防空戦闘であっても、発進から編隊結成までの時間を短縮しないと、甚だ非効率なので。
 戦闘機だけでなく、大型の輸送機や重爆もこれをやらねばならない。30秒以内の間隔で次々に離陸するのだが、その前に1列縦隊でタキシングする。そのありさまが、さながら象の群れのようなのだ。
 WWII中の経験によれば、重爆によるエレファントウォークはとても危険である。もし1機が搭載弾薬の自爆事故を起こした場合、各機は燃料も満載なので、次々に延焼・誘爆しかねない。もちろん、爆発した機より後ろの爆撃機は離陸ができなくなる。
 エレファントウォーク訓練はとても費用がかかるので、最前線の在韓米軍・韓国空軍でも、このごろは、年に1回しかできない。
 米韓合同でやる場合、F-16戦闘機×50機以上もが1列縦隊をつくり、その先頭が横に4機づつ並んでは次々に同時に発進。かくして50機は15分以内にすべて空中に浮かぶ。壮観である。
 京城[ソウル]圏には、外国人が10万人から20万人、所在している。米軍人も含めて。
 しかし在韓米空軍と韓国空軍は、北鮮の長距離ロケット砲や加農砲を制圧できる空対地兵装をふんだんにストックしている。
 だから、エレファントウォークが実戦でうまく行けば、京城[ソウル]圏の住民2500万人は、僅少な被害しか蒙らずに済む。しかし味方空軍機の最初の離陸がモタモタすれば、住民被害は拡大するはずである。北鮮砲兵が沈黙しないので。
 開戦初盤では、米韓空軍は「サージング」を行なう。これは半島戦域では、1日に2000ソーティ以上を送り出すことを意味する。
 サージングを続ける期間は、1週間以上になるかもしれないと、米韓空軍は予期している。
 1991湾岸戦争のピーク時でも、米軍航空隊のサージングは1日に1200ソーティであった。
 2018-11に、米空軍はF-35×35機を使ったエレファントウォークを米国内の基地で初実施した。35機は18分にして全機、離陸できた。
 サージングを支えるのは地上スタッフである。実戦では彼らは12時間交替シフトに移行する。基地に帰投した戦闘機は、燃弾を補給され、15分後には、再び離陸して行く。もちろん、パイロットは別人と交替だ。
 F-16の1個スコードロンは、12機からなる。所属のメカニックは120人である。そのうち37人が、最も頼りになる下士官の整備長で「クルーチーフ」と呼ばれる。
 米空軍の場合、最優秀の整備班は、州兵空軍からやってくる。
 というのも、最前線部隊よりも本土内の州兵空軍の方が年間の整備の仕事が3~4倍くらいあって、しかも彼らは、同じ飛行機を5年から10年も整備し続けているというプロ揃いなのだ。
 サージ中のF-16は、1機が、24時間で、6ソーティ以上、こなすこともある。
 中東戦域では、「サージ」中の整備兵は、滑走路近くに設けた天幕内で寝泊りを続ける。周囲では、離着陸の轟音はひっきりなし。警報音はしょっちゅう鳴るし、空軍基地の警衛部隊が腕慣らしのために発砲する小火器音まで聞こえるという環境だ。
 真っ暗闇の中での機体整備では、整備員は身体のあちこちに切り傷をこしらえることになる。
 だから、昼間、フライトラインに続いている整備兵たちの「血痕」の濃度から、現在おこなわれている空爆作戦の烈度が、判定できるのである。
 年に1度、サージ演習をすることは大事である。過去1年間の、作戦計画者、整備員、搭乗員、すべての練成具合が確かめられる。そして、なんの障害もなくそれが実行できたときの部隊の士気は、とても高まる。
 もしサージ訓練で問題の所在が明らかになれば、それは直さねばならない。
 かくして北鮮は、在韓米空軍のサージ演習とエレファントウォークを1回阻止しただけでも「大捷利」だと言えるのである。
 次。
 Ankit Panda 記者による2019-1-10記事「Report: Russia Developing 4,500 Kilometer Kalibr-M Range Land-Attack Cruise Missile」。
          ロシアは2020年代後半の実用化を目指して、「カリブルM」亜音速対地攻撃用巡航ミサイルのレンジを延伸し、現在2350km飛ぶものを、4500km飛ぶようにする。
 今のカリブルMは、タスの報道によれば、長さ6.2m×径43センチである。
 ※こんな報道をTASSにさせるということは、ロシアはINFに戻る気はサラサラ無いと自国民向けに事前に虚勢を張っているのか。


非武装の水産庁にできることがある。

 水産庁が、水産庁の予算で、「協力漁船」にモニターカメラと衛星通信機材を取り付ける。
 漁船長が、「これは撮影して知らせなくては」と思う違法操業事案等に遭遇したとき、電源を入れると、水産庁の漁業監視船(データ中継局・兼任)、協力漁協、さらには陸上の水産庁連絡室と映像回線がつながる。
 カメラの向きとズームは水産庁側からでもリモコン操作できるようにする。
 水産庁はモニターしたビデオ映像をすべて証拠資料として保存し、外国漁船等による違法行為監視の強化に役立てる。
 漁協は得られた映像を、漁業の法令や安全に関する啓蒙活動の一環としてインターネット上に公開してもよい。
 この体制が拡充することにより、韓国と北鮮がタッグを組んだわが国のEEZ内での巧妙な泥棒活動も、赤裸々に天下に知らせることができる。
 次。
 記事「New ‘global Britain’ sets naval sights on Asia」。
   EUから抜けた英国は、アジアに関与するようになるだろう。
 シンガポールもしくはブルネイに、英軍の新基地が建設される見込み。
 大産油地のブルネイにはすでに、英軍のロイヤル・グルカ・ライフル連隊から、1個大隊が派遣され常駐している。その給与はサルタンが支払っている。
 人口100万人に満たないブルネイの統治者は、ハッサナル・ボルキア。かれこれ50年以上、サルタンとして君臨している。同国には、多政党政治は存在しない。
 英軍は、マレーシア、シンガポール、アンザックとは、1970年いらい、合同軍事訓練を続けて来ている。
 しかし今のマレーシアの首相マハティールは反英スタンスなので、マレーシアには基地は求め得ない。
 マレーシア、フィリピン、タイには、庶民レベルで、中共から大金を借りることは間違いだという認識がある。ロイターの世論調査で判明。
 台湾政府は、英軍基地を歓迎すると表明。
 英国はバーレーンに、2018-4に新海軍基地を開いた。1971年にスエズ以東から撤退していらい、初。
 2019年中には、オマーンにも訓練基地を新設する。
 英国は現在、海外に16箇所の基地を持っている。
 次。
 Elizabeth Woyke 記者による2019-1-9記事「Smart cities could be lousy to live in if you have a disability」。
    街中の、何かの販売端末、受付端末が、高いところに固定されたタッチスクリーンであったなら、車椅子からは手が届かないことがある。
 売る方は省力化されて便利になっても、身障者が利用するときは却って不便になる、そんな例がたくさんあるのだ。
 車椅子、且つ、腕を上に伸ばせないという市民だったならどうなるか。横断歩道の歩行者用ボタンを押すことができない。このようなケースは、スマホを近接リモコンとして利用可能にするアプリの導入によって、解決できるかもしれない。
 ダウン氏症の市民の場合、通例のバス運行がほんのわずか変化しただけで、混乱してどうすべきかわからなくなってしまう。
 アイラ社というスタートアップ企業は、盲人の眼の代役をリモコンで提供する有料サービスを提供する。全米30箇所の空港や英国のヒーススロー空港等では無償である。
 これは、利用者に、カメラと無線送受装置の付いた「スマートグラス」を装着してもらう。晴眼者がそのカメラ映像をモニターしながら、どちらへ進むべきか、目の前に何があるか、値札はいくらか、等を音声でアドバイスする仕組み。有料の場合、1分間に1.5ドルである。


無人運転の前段階がある。近未来の車は、路側の速度標識を勝手に読み込んで、リミッターを作動させる。

 一旦停止や、進入禁止の道標/サインも同様に、車が勝手に読み込んで、ブレーキを作動させる。
 交通違反を犯すドライバーは、半減してしまうだろう。
 緊急車両は、この道標から影響されない。よって、軽自動車のパトカーでも、犯罪に関与した逃走車両にやすやすと追いつくことができる。
 老人が増えてあぶなっかしくなった街は、これで再び、安全になるだろう。
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 『北海道新聞』の1-7号に巡視船『おくしり』の航海長(勤務延長+再任用で65歳。海保はどんだけ人が足りないんだ!)のインタビューが載っていた。それによると北鮮の違法操業船団は、1隻の鉄製漁船が5隻の木造漁船を曳航して、日本近海までにやってくる。漁場で曳き綱が外されて以降は、木造船は自航するが、木造船のエンジンは最大6ノットしか出せない低馬力なので、北西の強い季節風に吹かれると、流されてどんどん日本列島へ近寄るという。
 西風が弱まらない限り、これら木造船は、自力では帰港できない。たまたま帰港する仲間の鉄製船にうまくピックアップしてもらえない限り、半永久に日本のEEZ境界以東を漂流する。
 これら木造船には無線すらないのだから、任意の洋上の一点で再集合などできるわけはない。
 そこで、韓国公船と軍艦のご登場となるわけだ。鉄製漁船の代わりに韓国公船と軍艦が、木造漁船を探し出し、給油し、あるいは曳航して、北鮮の港まで送り届けてやるのだろう。
 これは日本のEEZから資源を公々然と略奪するために、北鮮と南鮮が結託して編み出した、グレーゾーン工作スキームである。
 日本の海上保安庁は、違法操業船が日本のEEZ内から資源を持ち去るのを黙って見逃してやってよいわけがない。しかし、その現場に韓国公船だけでなく、韓国軍艦が寄り添っていたならどうなる? 韓国軍艦から威嚇されたら、海保は手出しできないであろう。
 韓国軍艦が出てくる理由は、日本の海保船艇を追い払い、日本のEEZを北鮮漁船のために違法に自由に利用させてやるためなのだろう。
 もちろん、無害航行ではない航行であることは、その時点で明らかだ。
 そのような韓国軍艦の行為は主権侵害なのであるから、日本政府はただちに自衛艦をして韓国軍艦を追い払わせねばならない。だが日本政府内に腰抜けしかいなければ、日本政府は何もしないだろう。さらに、日本の野党とマスコミがスパイおよび売国奴の集まりであるならば、野党もマスコミも何もそこは追及しないはずである。
 この冬のうちに強い対応を打ち出せなかったならば、日本のEEZ海面における半島人によるグレーゾーン侵奪は、毎冬の「慣行」と化してしまい、次のシーズンには、韓国軍艦に護衛された韓国の違法漁船団が堂々と日本のEEZ内を傍若無人に荒らしまわることになるのも必定だ。
 ところで日本海側の漁村では漁民たちは怒っているはずだ。これが陸上の案件ならば、すぐに動画がユーチューブにUpされて世論が喚起される。ところが漁民はスマホで動画など撮影している暇はないし、洋上からそれをアップロードする手段もない。だからおそろしい国家後援犯罪が進行していても国内では誰も何も知らされないまま……ということになってしまう。
 漁村を抱える自民党の議員はひとつの法律を通せ。漁協の漁業無線を、動画の送受に適した方式に強化させるべきである。そして他国漁船から迷惑を蒙ることの多い漁協の所属船に対しては、人手間のかからない、半自動で撮影ができる舶載のビデオカメラと電送装置を、補助金をつけて普及させてやることだ。
 それにより、南北朝鮮その他による洋上での犯罪行為が常続的に監視されることになり、日本国の安全は、大いに増すことになるだろう。
 水産庁の漁業監視船が、洋上の「画像データ中継局」となるのも一案だ。
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 Amy McCullough 記者による2019-1-7記事「Lost Satellite Link Leads to Predator Disappearance in CENTCOM」。
        2017-9-4に、中東で作戦させていた「MQ-1B プレデター」×1機が、衛星回線が中断して、その再確立に失敗したために、逸走して墜落した。
 操縦は、ネヴラスカ州のクリーチ空軍基地内から衛星経由でなされていた。 事故当時の飛行高度は1万3000フィート。
 それまで16時間飛行しており、操縦クルーが交替した。その交替のときに衛星リンクが切れてしまった。
 通信リンクが切れた場合、無人機は、その場で周回を続けることになっている。しかし、現地の地上レーダーや在空の戦闘機のレーダーでも、機位の確認ができなかった。
 けっきょく、行方不明となり、どこに落ちたのかも分かっていない。機体の損害額は409万ドルである。
 いろいろ調査したが、何の問題も発見できなかった。機械にも、人にも。
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 Belinda Smith 記者による2019-1-7記事「Why dreams like flying, falling, being chased are so common, and how your brain creates them」。
    レム睡眠時には、人は眼球は動かせるのだが、首から下は麻痺したも同然の状態になっている。
 このとき脳が何か危険を察知した場合、まず首から下の麻痺状態(リラックス状態)を解除しなければならない。さもないと危険状態から脱することができない。
 そのためには、脳橋が、延髄と中脳との信号連絡遮断を復活させなくてはならない。
 脳橋はまた、内耳の前庭系から、ただいまの顔の向きや身体の向き(寝相)についての信号も受け取る。
 脳橋がレム睡眠状態から覚醒する過程では、まず首から下が遊離した身体状態が感覚される。これが、自分が浮遊または落下している夢を観る理由である。
 人が落下する夢を見ても、地面に激突するところまでは決して“体験”できない。その前に目が醒める。
 快感物質であるセロトニンの分泌は、深夜と早朝にレベルが下がる。このときに悪夢を観るのは、だから、不思議ではない。
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 Loren Thompson 記者による2019-1-7記事「White House, Congress Transform Security Clearance System As Massive Backlog Begins To Shrink」。
        ノースロップグラマン社が困っている。新戦略爆撃機を受注したはいいか、秘度の高いプログラムに従事する技師数百名のセキュリティクリアランスを取るのに、あと何年もかかってしまいそうなのだ。
 SCが取れないうちは、人を雇えず、彼らに仕事を始めてもらうことすらできない。
 SCの責任機関はOPM(Office of Personnel Management)だが、そこがシナ人ハッカーからまんまとやられてデータブリーチされちまっているものだから、どうにもらならないのだ。
 ある技師がトップシークレットに触れてよいかどうか、その基礎的なバックグラウンドチェックには390日。そして精査完了までには518日、平均してかかっている。
   ※これではシリコンバレーからDoD案件を受注したいと思うタレントも少ないわけだ。
 2017年の新法により、国防省で契約する関係請け負い人のバックグラウンドチェックは国防省でやればよい(OPMではなく)ということになってはいるが、それでも連邦関係の契約者の三分の一は依然としてOPMがチェックしなければならず、518日しないと彼らは国防省プロジェクトには関与ができないわけなのだ。
 トランプ大統領は2018-6に、すべての連邦関連のSC付与業務を、DoDが新設する新機関にさせなさいという行政命令を準備。まだ署名はしてない。


自動車は夜間の車庫内でも、運転中でも、常時、全方向および車内を音声付きでビデオ録画するようになる。

 しかも、過去に係わり合いのある車両のナンバーや知り合いである通行人の顔、または捜索中の店の看板を見かけたら、それをドライバーに教えてくれるようになるだろう。
 ドラレコをオプションにするような時代は終わり、それはダンプにも乗用車にも軽トラにも当然に最初からビルトインされている車両安全AIシステムの不可欠な構成要素のひとつとなるだろう。
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 Hal Foster 記者による2019-1-4記事「Exercise Illustrates NATO’s Long-Range Fires Problem」。
     米陸軍は、いま射程30kmにとどまっているSPのパラディンの2倍以上、70km先を砲撃できるERCAという大砲を開発中。これで射程44kmのロシアの「2S35」をアウトレンジしたい。東欧戦線で。
 1985年においては、加農砲のレンジは25kmであった。それで1個旅団の担当正面、35~40km幅を火力支援したのである。ところが今では旅団の担当正面はもっと広い。※欧州では。
 そこでERCAですよ。155ミリ径で砲身口径長58、すなわち砲身長30フィート。タマはロケットアシスト弾。ちなみにパラディンは39口径長=砲身長20フィートである。
 ERCAは2023年に前線部隊に配備されるだろう。
 軍団レベルの支援火力としては、精密打撃ミサイル「PrSM」が開発されているところ。こちらのレンジは499kmある。
 ※INF条約は、射程が500km~5500kmのミサイルを対象にする。それには抵触させないという意思表示だが、同条約からは米国は離脱するので、いまや無意味な数字になった。
 この「PrSM」でもって「ATACMS」(射程190~300km)は更新される。
 ATACMSと同じ発射車両に、PrSMは、2倍のミサイル(ランチ・ポッド・コンテナ)を載せられる。
 PrSMは今、2つのメーカーに競争試作させている。比較試射は2019-8実施予定。
 大砲とミサイルの使い分けだが、米陸軍では、ソフトスキン相手には大砲の弾、ハードニング目標に対してはSSMを撃ち込むつもり。
 ※我が国では、宮古海峡を閉塞するのにSSMの射程300kmが必要であり、沖縄本島から尖閣海域を火制するためには射程400km以上が必要。また300kmあれば先島群島から尖閣海域は余裕で制圧できる。となるとATACMS+HIMARSのランチャー車両を第一次で導入しておき、第二次にPrSMを買えばいい……と古い頭の連中は構想しているところなのかもしれないが、それでは「スピード感競争」に負けてしまうことが彼らにはわからない。解決策は、2年目にして1個スコードロンが揃ってしまう「スーパーツカノ(複座型)」のブラジルからの直輸入しかないのである。スーパーツカノに短射程のASMを運搬させれば、日本の装備体系の欠陥はいっぺんですべて埋まってしまう。そして複座型機は先任空中勤務者が乗務を通じておのずから新人空中勤務者を教導することになるので、遠い将来にわたり、最小のコストと最少の人員にて、最大に弾撥的な戦力が維持されて行くのだ。


刑務所と死刑囚の歌が普通に賞揚される英米カルチャーに誰も違和感を抱かんのか?

 「ボヘミアンラプソディ」は刑務所(少年院?)の歌である。「思い出のグリーングラス」は死刑囚の歌である。英語圏では監獄や死刑の歌が普通に人気を得る。彼らの伝統であり文化である。供給があるのは、需要があるからだろう。しからば何ゆえに英語圏の人々は、監獄や死刑の歌を歓んで聴きたがるのか? また、なぜテレビドラマや映画のおなじみの舞台としてもしばしば刑務所が選ばれるのか? それほどまでに身近だから? この不思議についてもう何年も考えているが、いまだに解らない。
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 Kyle Mizokami 記者による2019-1-4記事「Taiwan is Reverse-Engineering Fighter Jet Engines to Power a Cruise Missile」。
     台湾はF-5から取り外したJ85エンジン(J85-GE-21)で、超音速の巡航ミサイルを組み立てる気らしい。
 F-5は、単座と複座あわせて308機も過去に調達された。
 このエンジンをリバースエンジニアリングするとも言っている。
 J85は外径17インチ。
 冷戦中、このエンジンは、B-52が自衛用に放つ囮ドローンの「ADM-20 クエイル」にも搭載されていた。
 また台湾は、ボロボロの2隻の潜水艦のうち1隻を半分にカットして、潜水艦の構造の勉強を一から始めるつもりでもあるという。
 ※いまのいままで、何をやっていたんだ、という話。パキスタンですらトマホークのコピーに成功しているというのに。じつは台湾人は本気で何かをするつもりはないので、こうした宣伝報道に騙されてはいけない。
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 ストラテジーペイジの2019-1-6記事。
   GCC諸国はイスラエルのテロ封殺ノウハウを学びたがっている。
 中東は例外なく部族混合国家。そしてほとんどの国家で、マイノリティが社会を牛耳っている。ヨルダンではベドウィンが。シリアではアラウィ派が。イラクではスンニ派が。サウジではNejdisが。
 そうなると「能力主義」は不可能である。能力よりも忠誠が、出世のカギになる国家・社会ができる。
 アラブ人はコーランを機械的に丸暗記する。西洋人がその字句の意味について辞書で調べようとすると、馬鹿にして見下す。コーランの翻訳じたいを喜ばない。
 西欧諸国は、教科書をどんどんよりよいものに書き換えていく。
 アラブは、けっしてそうしようとはしない。
 アラブにはミドルマネジメントがない。軍隊でいう下士官層が機能していない。支配者とモブの2階層しかない。誰もそのなかだちをしない。
 支配層は責任を取らない。致命的な労災のような大事故が発生しても、誰もモブの犠牲などに気をかけない。
 アラブの支配者は、部下(機関)の相互連絡・連携を嫌う。部下が結託して政府を転覆するのではないかと疑うからだ。
 アラブのリーダーは、他のリーダーが、約束した通りのタイミングで正確に仕事(作戦)をするだろうなどとは思っていない。他人をまるで信用していない。
 アラブのリーダーは、部下や同盟者(他国のリーダー)に嘘をついてもゆるされると思っている。そしてそれを責められると「彼らは誤解している」と言い直るのが常である。
 西欧人は、知識やスキルを他に分け与える教育に燃える。しかしアラブ人は知り得たことは一人で独占しようとする。
 というのは、他に誰も知らないことを知っていることが、アラブでは、人の値打ちだからだ。誰に何を教えたかではなく。
 米国のアドバイザーたちは学んだ。アラブ人に技術を教えることはできる。しかし「リーダーシップ」(指揮官/上司としての振る舞い)を教えることは不可能であると。
 個人のイニシアチブ発揮も、アラブ人にはなじまない。自分で何か考えて賭けに討って出るよりも、集団全体で確実に失敗する道の方がよほど安全だと考えられている。
 アラブの上官は、部下のこまかいところまで監視し統制しようとする。部下を統制できていることが、戦争に勝つことよりも大事なのだ。
 アラブ人の指揮官は、米軍のアドバイザーに、なぜ自分が「決心」をしないのかは説明しない。それで米軍のアドバイザーは怒る。
 欧米の軍事学校に留学したアラブ人将校でも、けっきょく、同じである。彼らが中堅指揮官や下級指揮官としてのイニシアチブを発揮することはない。それは伝統文化に反するからだ。
 中間指揮官にイニシアチブがないと、最先端の兵器・機材を現地で適切にメンテナンスし、修理するということも不可能である。アラブ人将校は、すべてのメンテナンスを中央補給処がやってくれることを期待する。自分の責任を免れるために。
 したがってアラブ軍の装備稼働率は、低い。
 中東地域で事業を展開する、非アラブのモスレム経営者たちも、この問題に直面している。
 アラブ世界では、軍や公務の話は全部厳秘である。
 西側軍隊では、将校の昇任は定期的に公示される。官公署の人事異動も然り。だがアラブでは、決してそのような情報はオープンにされない。
 このため、外国軍や外国企業と協働してきたカウンターパートが、突如、何の予告もなく、転属・転勤していなくなってしまう。築かれてきたネットワークはそこで断絶する。チームスピリットは育ちようがない。
 西欧社会は、新約聖書中に政教分離に都合のよい句が記されていたおかげで、政教分離できた。
 しかしイスラム教では政教分離は不可能である。まず「イスラム」とは「服従」を意味した。そしてイスラム聖典は、人々の生活の細部についてだけでなく、政府の形態に関しても規定しているのだ。
 ここから最初に抜け出そうとしたのは1920年代のトルコだった。
 ついで1950年代のマレーシアが、英国システムを導入して経済的に成功した。
 今日マレーシアにはイスラム過激主義に対して拒否的な精神風土があることは特筆される。
 トルコは1928の法律によってアラビア文字からローマ字に国語表記を切り換えたのだが、さいきんトルコ内には、この法律を廃止しようという運動もある。大衆は支持していないが。
 ※ストラテジーペイジの記事がほぼ無署名であるのには理由があるだろう。このようなエッセイは、欧米の大手新聞ならば載せてはもらえない。たちまち「レイシズム」のレッテルを貼られてしまうからだ。しかし、イスラエル系の記者がアラブ世界について書くことが概ね本当の事実であったら? 日本がイスラエル発のこうした地道な英文宣伝活動に学ぶことは多いはずだ。