今ビッグサイトでやってる対テロなんちゃら展で発電機とか蓄電池、オフ-グリッド系のパンフを集めてくれる方を募集。

 Kyle Mizokami 記者による2018-10-10記事「The U.S. Navy Is Hiding Aviation Accident Data」。
    従来、米海軍は、交通事故から飛行機事故まで全部、サイトで統計を公表していたのだが、それを部外には公示しない方針に転じている。転じた時期は2018-1-22から3-18のある時点だ。データには海兵隊員の全事故も含まれる。
 もっか、この統計を閲覧するには「一般アクセス・カード(=CAC)」が必要である。このカードは、現役軍人、予備役兵、政府契約者、ペンタ雇いの文民のみ、発給してもらえる。したがってマスコミも軍事評論家もアクセスできない。
 これについて最初に報道した『アトランティック』の記者は、海軍戦闘機の即応状態があまりに悪いのを世間に隠そうとしているのではないか、と。
 ロシア、中共、イランは、そのデータを見ながら、開戦作戦を立てるはずだから、それは隠したい。
 次。
 Alexander Moore 記者による2018-10-9記事「Is It Time to Kick Out One Leg of the Nuclear Triad?」。
    ICBMを残している限り、米本土は、カウンター・フォースのターゲットであり続ける。米国はICBMを全廃してもさしつかえない。
 ICBMは金喰い虫でもある。オバマ政権が署名したICBM近代化計画。ミニットマン3の後継となる「GBSD」の開発と取得のために、これから30年間に1400億ドルが必要で、さらにその運用経費としては別に1500億ドルかかると見積もられている。
 ほとんど犯罪的な金額だろう。
 ICBM有効論者の主張のひとつは、その基地が敵の真弾頭数百発を吸収してくれることは無駄ではない、というもの。暴論だ。
 いまではICBMの精度の方が、トライデント2より低い。
 ロシアの経済力は、いまやベルギー+オランダと等しい。


『Voice』の最新号をみてくれたまえ。

 寄稿者の名前を見ただけで記事の内容もぜんぶわかってしまうものばかりではない――という意味での王道のオピニオン雑誌で最後まで生き残ったのが『Voice』であったとは……。ダーウィニズムの驚異をまのあたりにしますた。
 次。
 James Goldrick 記者による2018-10-9記事「Freedom-of-Navigation Operations Aren’t All About the South China Sea」。
      南シナ海の公海上にて、直進する米艦『ディケイター』(8000トン)に対して中共のミサイル駆逐艦(7000トン)が舳先45ヤードを横切って進路を妨害した事件。
 「海上衝突を予防する国際規則」(IRPCS)は、甲船に追いつき追い越さんとする乙船は、甲船から完全に離隔してしまうまでは甲船の舳先上に占位してはならん――と定めているのだが、中共海軍にIRPCSを遵守する気がサラサラないことは明瞭だ。
 軍艦の艦長も従わねばならない「海上における不期遭遇規則」(CUES)をなみした行為であることも明瞭だ。
 ただしCUESには法的拘束力は無い。米支は署名したけれども、任意指針である。
 ところでこれらのシナ海軍の行為は、冷戦中のソ連艦のやり口に比べたら、まだまだ遠慮がちなのである。
 1988に黒海にて、ソ連のフリゲート艦が、米巡洋艦『ヨークタウン』に意図的に舷々衝突してきた。
 この『ヨークタウン』に随伴していた駆逐艦の『カロン』は、ソ連のコルヴェット艦によってやはり舷々衝突されている。
 米海軍のこの2艦、やはり黒海でFONOPを実施していたところであった。
 スプラトリーの Gavenリーフ および South Johnsonリーフ は、満潮時に全没する岩にすぎない。その上に砂を盛って人工島を築いても、そこからは誰の領海も発生しない。したがって米艦であれ誰であれ、その海上構造物から500mの安全距離をとって航行するのは自由なのだ。それをデモンストレートしたのが今回のFONOPである(ただし米海軍は決して公的にはその狙いを表明しない)。
 なおベトナムは North Johnsonリーフに哨所を置いている。
 中共はパラセル群島のまわりに勝手に排他的ベースラインを引いているが、そんなものは認めないというFONOPをせんだって英海軍の揚陸艦『アルビオン』が実施した。
 フランス海軍も、ハッキリ広報してないのだが、南シナ海でのFONOPを今年前半にやったと見られる。
 スプラトリーは商船の通常航路から遠くはずれているので、砂盛島をめぐる法的・政治的争いが、商船の活動妨害に直結する事態は、いまのところは生じていない。
 しかし中共の関心は南シナ海を軍事的に支配することにある。
 SSBNの聖域を、そこに創りたいのだ。
 中共は次のような地域取り極めを欲している。すなわち、南シナ海の沿海諸国は、同沿海諸国ではない外部の国家との海空の軍事演習をしてはならない――と。


歩行者もクルマもみんな強請りあい

 Stephen Feller 記者による2018-10-5記事「Raytheon, Saab announce new Carl-Gustaf munition for U.S. Army」。
   レイセオン社とサーブ社は、2017からカールグスタフから発射できる誘導弾を共同で開発しており、もうじきデモ試射するところまで来た。
 スウェーデン軍における実戦配備は2020年中になる見込み。
 敵AFVと2000mで交戦できる。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-10-8記事。
   露軍は9月にシリア沖にて、キロ級潜水艦からフロッグマン数名を送り出した。訓練。
 このフロッグマンの装備は全部西側製。2014のソチ五輪前に調達することができたものだ。
 スキューバ装備はフランス製とイタリア製。水中バイクDPVは、ドイツ製の「ブラックシャドウ730」である。
 ブラックシャドーは全重110kg、リチウム電池を電源とし、ウォータージェットを駆動させる。3~6時間、水中で動ける。低速ほど長時間になる。最大で2人のダイバーがつかまり、30kmも楽に移動できるわけ。
 最大深度は60mまで潜れる。
 潜水艦の21インチ(=523ミリ)魚雷発射管にこいつを収めておく。ダイバーは、艦の外側からそれを引っ張り出す。
 そしてダイバー自身、魚雷発射管から出入りする。
 その作業は、潜望鏡深度で実施する。つまり10mくらい。
 この「730DPV」は、兵器ではない。市販品だから、買おうと思えば誰でも買うことができる。
 メーカーには「730」より軽量小型の「414」もあり。
 露軍はシリア沖に、BK-18とRM-17という高速艇(どちらも2015年からあり)も持ち込んだ。
 BK-18は操船は3人がかり。お客を19人載せて時速46kmで巡航できる。最大だと72km/時。2日で720km行動できる。
 RM-17は、もっと高速だが、航続距離は320kmと短い。軽度に装甲され、窓は防弾ガラス。無人の14.5mm銃塔を有する。暗視センサーは夜間に距離3000mまで見張れる。
 露軍の戦闘ダイバーは、港湾警備を本務とし、時に偵察をこなす。


机の下でミニ・ペダルを漕ぐと非常用電池に充電される、停電時のバックアップ設備が、市町村役場に必要だろう。

 現在手に入る室内自転車漕ぎ運動器のようなものは、どれもサイズ(回転半径)が大き過ぎてダメ(膝が引き出しに激突してしまう)。もっと小径のものが造れるはずだ。
 それでPCとルーターを活かし続けることができれば、バックアップ電池が尽きた後でも、最小限の情報発信を持続できる。
 次。
 JOHN LEICESTER 記者による記事「Wife of Missing Interpol President Says He Sent a Photo of a Knife Before Disappearing in China」。
     中共に拉致されたインターポールの長官。行方知れずになる前(9-25)に、在仏の妻に宛てて、ナイフの画像を送ってきた。これは「危険な状態」を伝えようとした暗号メッセージだ、と妻。
 リヨン市で記者会見した妻は、しかし顔を撮影させなかった。2人の子供を特定されない用心として。
 次。
 Avery Thompson 記者による2018-10-6記事「New Facility Aims to Convert 150 Tons of CO2 to Natural Gas Per Year」。
       スイスのベンチャー企業「クライムワークス」社。大気中の二酸化炭素を集めるプラントを開発している。2017にはアイスランドに、地熱発電所から得た電力で空気中の二酸化炭素を捉えて地中に貯蔵するという事業を始めている。
 そしてこのたび、イタリアで、空中の二酸化炭素を水素と結合させてメタンガスに変えるプラントを運転開始した。このメタンは通常の天然ガス同様に燃やせる。燃やしても、カーボン・ニュートラルである。
 ひとつのプラントが、年間に、150トンの二酸化炭素を集めることができるという。


中期展望。

 19世紀いらい米国が獲得に血眼になってきたシナ市場は、閉ざされる。外国人は、現地では商売はできなくなる。限られた人数の外人商人が、指定商港の「出島」に事務所を開設できるだけとなるだろう。
 世界は、中共経済圏と米国経済圏に二分される。
 両経済圏の間の工業製品の交易は限りなく縮小する。なぜならソフトウェア系統が別系統になるからだ。
 シナ人留学生も、米国経済圏には入国できなくなる。ますますイスラム教徒並の扱いを受けるようになるだろう。
 次。
 Naomi Nix 記者による2018-10-5記事「Why Pentagon Cloud-Computing Contract Is a Huge Deal」。
        ペンタゴンがクラウドサーバーを建設したがっている。JEDIと呼ぶ。それをどの会社が受注するかが注目されている。保秘のため、1社特注となる。有力なのはアマゾン。2013にCIAからクラウド構築を6億ドルで請け負った実績がある。だからアマゾンのセキュリティ・クリアランスは半分済んでいるも同然。
 アマゾンの次に保秘の信用を築いているのは、マイクロソフト社だ。
 IBMその他の、受注できそうにない有力メーカーは、「1社におまかせ」方式では国家的リスクが大きくなるんじゃないかと疑義を呈している。
 この事業の予算は100億ドルと見積もられている。最短2年の契約となり、最長で10年まで延長される。
 ペンタゴンの事業目的の説明。クラウドが分散していると、クリティカルなデータにアクセスして分析するのに差し支えてしまう。だからひとつにまとめる。マシン・ラーニングとAIを戦争に応用するのにも、それが便利だと。
 JEDIの受注社はアマゾンになるとの予想は固い。そこで、オラクル社、マイクロソフト社、IBM、デル、ヒューレットパッカード、SAPアメリカ、GD子会社のCSRA、レッド・ハット社、VMware社が、こぞって、そのような1社特注に反対をしている。
 これに対してアマゾン社はDCの地下鉄広告に一斉出稿して、アマゾンウェブがいかに国防に役立つかをPR。すると6月にはその広告スペースが、マイクロソフト社のクラウドサービスの宣伝で更新された。MS社は、レースを諦めていないわけだ。
 グーグル社はこの競争に最初から脱落している。すでに、無人機の撮像データをAIによって解析させる「プロジェクトMaven」の、軍との契約更新をしないことを、社員からの突き上げによって、決定させられてしまった。だったらJEDIに入札できるわけがない。
 ※無人機と周回衛星と街角監視カメラと巨大ビル内監視カメラを組み合わせると、グーグルMAPの「リアルタイム/ニアリアルタイム動画版」が、将来は可能になるはずだ。それとAI個人識別力を組み合わせたら、特定個人の戸外活動(一部屋内活動)が24時間、全地球的に監視可能になる。大国の対テロ部局としては歓迎だろうけれども、グーグル社員はそんな未来に反対しているのだろう。
 JEDIは「メイヴン」の拡大版ではない。そんな単純次元ではない。携帯電話の傍受情報や、過去のテロなどの、多次元の情報データが、ひとつの目的のために複合されて解析される。これによって敵の次の一手を予測できるようになる。
 次。
 KENJI ASADA 記者による2018-10-5記事「Japan’s silent submarines extend range with new batteries」。
    三菱重工が神戸で進水させた『おーりゅー』は、蒼龍級11番艦だが、リチウムイオン電池だけで走る。
 つまり鉛-酸バッテリーを搭載しない。
 リチウム電池を納入したのは、「GS ユアサ」である。
 『おーりゅー』は、ディーゼルエンジンも搭載する。その発電〔シュノーケル運転?〕によって、電池に充電ができる。
 ※この記事では、本艦が「AIP」コンセプトを放棄してディーゼル電池式に戻ったのかどうかが分からない。AIPについて一言の言及も示唆もない。
 ※それにしても誰か止められねえのか、この中二病的艦名を……。
 次。
 Shawn Snow 記者による記事「Marines connect F-35 jet to HIMARS rocket shot for first time」。
     F-35Bがセンサーで敵目標を発見し、その位置データを陸上のHIMARSに送り、1発の地対地ロケットが発射されて、目標に命中した。
 すべてデータリンク。
 場所はアリゾナ州ユマ。
 3月には海兵隊はこんな実験もした。1機のMC-130に、1個バッテリーのHIMARSを載せてユタ州のダグウェイ試験場に着陸させる。卸下されたMIMARSは、2つの目標に対して4発のロケット弾を発射するや、即座にふたたびMC-130内に戻り、MC-130が離陸する。タッチダウン・ショットと称する。
 次。
 2018-10-5記事「Hypersonic Weapons Could Transform Warfare. The U.S. Is Behind」。
   ハイパーソニック兵器は、遠い位置で発見された敵目標に対し、至短時間で精密打撃を加えられる。従来の航空機や巡航ミサイルでは、それが敵目標に到達する前に敵目標は移動して逃げ隠れできる。それを許さない。
 潜水艦や陸上からも発射できるし、航空機からも発射できる。
 中共は、実験してマッハ5・5で400秒間飛翔させることができたと宣伝している。


韓国との軍事協力関係を断ち切るのは日本の国益なので、これには朝日新聞社も反対しないだろう。

 日本領土である竹島を不法占領し続けている当事国に、そもそもわが国の友好国たる資格のあるわけがあろうか。あからさまな準敵国/要警戒国と、漫然と他国並の軍事交流を続けてきた歴代日本政府の売国的なスタンスこそが、このさい批判されなければならない。
 韓国側のいいがかりは、反日レイシズムでありヘイトである。それを日本外務省が世界に向けて明朗に指摘して来なかったから、反近代志向の儒教圏人をつけあがらせ、今日の事態を招いた。
 朝日新聞社が社旗をはためかせた取材車を多数、空港から東京五輪会場近傍にかけて散在させているのを見たら、韓国選手団は参加を辞退するのか? それも仕方がないだろう。
 次。
 RobertsonとRiley 記者による2018-10-4記事「The Big Hack: How China Used a Tiny Chip to Infiltrate U.S. Companies」
  サンノゼに米国本社があるスーパーマイクロ社。
 シリコンバレーから台湾へいろいろ外注するのが普通であった1993に台湾人が設立した。台湾と上海にも拠点がある。
 グーグル社(CIAから画像解析用の巨大システムを受注することがある)やアップル社(全世界の巨大都市の通信をビッグデータ解析したい)がその「データ・センター」等に必要な巨大サーバー群を構築するとき、このスーパーマイクロ社が下請けとなり、特注の超高性能のグラフィックチップ集積ボードを設計し、製造し、納品してきた。
 グラボは何に必要なのか?
 たとえば今日、偵察衛星や無人機から厖大なビデオ動画が絶え間なくCIAに集められ、蓄積される一方だが、それらの信号を圧縮していろいろ処理するときに、普通のチップでは遅すぎて仕事にならない。
 もともと市販ゲーム機用に開発された高速のグラフィックチップをカスタムすることで、AI処理に向いたハードウェアを構築できるのだ。
 ところが、台湾企業はシナ本土の工場にも孫請けさせているものだから、いつのまにか、中共軍の工作員が、米粒大の「ハードウェアハッキング」装置を密かにグラボに組み入れて、出荷してくるようになった。
 この米粒チップは、中共本土からの指令に反応し、一般ユーザーにはアクセスできないデータセンターの全領域に易々とアクセスし、データをひそかに外部へ転送させることをも可能にする。
 アップル社は、スーパーマイクロが構築したサーバーの挙動がおかしいことに2015-5に気付いた。
 会社はFBIに通報し、米捜査機関は、スーパーマイクロ社の台湾オフィスと上海オフィスの間の通信傍受を糸口に、2年間捜査した。
 次。
 Oriana Pawlyk 記者による2018-10-4記事「Trump May Fire Air Force Secretary Over Space Force Pushback: Report」。
   今の空軍長官が宇宙軍分離に消極的なので、トランプはマイク・ロジャーズ(アラバマ選出連邦下院議員)に首を挿げ替えるのではないか。
 次。
 記事「US Army to test improved ghillie camouflage suit for snipers」。
    米陸軍は来月から、改善型の不燃性ギリー偽装覆い(IGS)をテストする。スナイパー用である。
 現用のギリー・スーツも不燃。FRGSという。単価1300ドル。
 FRGSについての狙撃兵の苦情。嵩張りすぎる。体熱がこもってしまい、熱地で不快すぎる。
 IGSは軽量化され、涼しく、安い。
 襤褸糸の部分はもっと芯をしっかりさせ、カモフラ効果を向上させる。


米中もし戦わねば。

 Jon Gambrell & Gerry Shih 記者による2018-10-4記事「Chinese Armed Drones Now Flying Across Mideast Battlefields」。
        イエメン戦線で今年4月、UAEが運用する中共製の無人機が、フーシ幹部の車両を空対地ミサイルで吹き飛ばした。車両は停車中であった。
 米軍がイエメンでプレデターによる爆殺を初実施したのは2002だった。
 中共大手のCASC社は、CHシリーズ、別名レインボー・シリーズを輸出している。
 CH-4はプレデター相当、CH-5はリーパー相当を謳う。値段は米国製の半額以下だ。性能もそれなりだが、ユーザーは満足している。
 CASCは2014年以降、CH-4を30機以上、輸出した。買い手には、サウジアラビアとイラクが含まれている。それらの総額は7億ドル以上だという。そして今、10ヵ国から新たな引き合いが来ている。
 中共の武器輸出は、トータルでは、ドイツやフランスにまだ金額が及ばない。
 2015-10に当時のイラク国防相が、クト市内にある飛行場で1機のCH-4を査察した。
 中共製の攻撃型ドローンは、ヨルダンのザルカ空港、パキスタンの空軍基地、シナイ半島およびリビア国境沿いのエジプト軍基地に展開していることが、衛星写真によって判明している。
 2018-1にはジェーン誌が、UAE奥地の沙漠に「翼竜2」が3機置かれていることがわかる衛星写真を掲載した。
 サウジアラビア南部のジザン地方空港を撮影した衛星写真には、非武装偵察型のプレデター複数と、武装型の2機のCH-4とが並んでいた。同空港はイエメン国境から近い。
 ナイジェリア国軍も、対ボコハラム用に中共製の武装ドローンを活用している。
 次。
 Niall Firth 記者による2018-10-4記事「An app that lets you beat government censors has been launched by Alphabet」。
    アルファベット(=グーグル)傘下のジグソー社は、中共政府やイラン政府が閲覧をブロックしているウェブサイトを閲覧できるようにするアプリを発表した。
 アンドロイド端末と、DNSサーバーの間の通信を暗号化する。DNSとは、IPアドレスの電話帳のようなもの。
 ジグソー社はすでにこのアプリをヴェネズエラの反体制活動グループに与えて実地テストしている。このアプリは、グーグルのプレイ・ストアで10-3から入手できるようになっている。
 次。
 Olivia Garard 記者による2018-10-3記事「Geopolitical Gerrymandering and the Importance of Key Maritime Terrain」。
    海底ケーブルに特化した著作がある。スタロシエルスキ著。『ズィ・アンダーシー・ネットワーク』。
 世界には223本の海底通信ケーブルがあり、世界のデータ通信の99%はそれを通過する。
 スタロシエリスキによれば、海底ケーブルの結節点685のうち、366は、島である。※なんでケーブル数よりも結節点数の方が多いんだ?
 ガダルカナル島は海底ケーブルの結節点となっており、重要である。
 マラッカ海峡を通る原油は日量で1500万バレル。この中には、中共の石油需要の8割が含まれている。
 ベーリング海峡は、幅88kmである。


橋Run。

  WILL MORRIS 記者による2018-10-3記事「Robotic wheelchair promises vets a better ride」。
    ピッツバーグ大の研究者が、ロボティック車椅子を開発した。MEBotと称する。
 車輪を前に伸ばしたり後ろに伸ばしたりできる。これはカーブを曲がりやすくするという。
 椅子の傾斜角も前後左右に自在に変化させられる。
 これは椅子からの転落事故を予防するためにとても役立つ。車椅子生活者が救急車を呼ぶ羽目になる原因の筆頭は、転落なのだ。
 この開発は、退役軍人庁、ウォルター・リード国立軍医学センターとのJVである。
 単価3万ドルで、5年以内に買えるようにしたい。
 これとは別に、圧搾空気で駆動する車椅子も開発が続けられている。電気を用いなければ、プールの中に入っても安全だから。
 現在、脊椎損傷等のため車椅子生活している元米兵は10万人いる。
 ※この技術が進歩すると、ずぼらな健常者たちが日常生活で自走車椅子を使って何が悪いという話になってくる。マイカーならぬ、マイクルマの時代が来る。さらにその先にはもっとすごいことがある。しかしその話は小説仕立てにしないと書けない。書かせてくれる出版社があれば、書く。
 Will Knight 記者による2018-10-2記事「The US is hastening its own decline in AI, says a top Chinese investor」。
       カーネギーメロンで80年代にマシンラーニングを学び、90年代に中共内でマイクロソフトの研究所を仕切り、2000年代にはグーグルの中共進出を手助けした男、カイフー・リ。
 今は富豪となり、北京にシノヴェイションというAI系に特化したインキュベイター会社を運営する。
 近著に『AIスーパーパワーズ』あり。米支のAIブームを解説している。
 リにいわせれば、アメリカが心配した方がいいのは、中共に追い抜かれることなんかじゃない。AIの基礎分野への投資がどんどん減っていることだ。
 これは巨人企業たちが悪い。最優秀の人材をぜんぶ引き抜いてしまった上で、彼らに基礎分野でのブレークスルーは狙わせない。
 大学研究機関は基礎分野を攻めている。しかし財力は乏しいので、良い人材は高給で以って民間企業に奪われてしまう。安月給で研究所内に残る研究者は、有能ではない。
 米国は、既存の技法では解決できない新にデカい挑戦に本腰を入れなきゃダメだ。
 「ディープラーニングを超えてくれ」ってことなんだ。
 既存のディープラーニング/ニューラルネットワークは、やたらでかいデータを必要とし、且つ、狭い分野にしか役立てられない。
 しかし、ディープラーニングじゃないアプローチを考えるなんてことは、商売を度外視した研究だから、既存の大企業には期待ができないのだ。
 一般に、企業がでかくなるほど、チャレンジは難しくなるね。
 米国が中共に負けたくない? だったら、米国内の大学でAIを開発している教授たちの年俸を連邦政府として助成するだけでいい。給料を2倍にしてやれば、企業に引き抜かれることがなくなる。彼らが、基礎分野でのブレークスルーをなしとげてくれる。ディープラーニングを超えてくれる。それには大した税金はかからない。
 他方で、米政府は、グーグルやフェイスブックが持っているのと互角以上のデータセンターを建てて、それを大学の研究者たちに使わせてやるようにしなければダメだ。超高性能のグラフィック・チップが巨大建物をぎっしり満たしているような、そういうGPUファーム。現状では巨人企業だけがそんな施設を持っている。
 ディープラーニングのモデルは、そういう装置で実験しないと、先へ進められん。
 AIに関して中共と米国(および西側諸国)は、パラレル宇宙になっている。
 2系統のAI技術によって、両陣営は世界を2分割するであろう。新しい世界新秩序だ。
 両陣営で後進国市場を狙っている。グーグル、アマゾン、マイクロソフト、フェイスブックに匹敵する中共の代表格企業は、アリババ、テンセント、百度。それに新興のセンスタイム。
 たとえば顔認証技術。中共系と米国系の2つの商品群があり、第三世界に売り込まれている。世界は、中共系AI商品を使うか、米国系AI商品を使うかの、どちらかを選ぶ。「技術的殖民地」を世界規模で分割する競争が、米支間で闘われることになるのだ。
 ※ロボット運転自動車技術も同じことになる。とうぜん、米国メーカーがシナ領土内で製造するなんてことは将来はもう許されなくなる。だからトランプ政権は早めに手を打ち、今から関税をやたらに引上げて、米国メーカーが早く中共領内から撤退して来るように仕向けているのだ。
 次。
 Ben Werner 記者による2018-10-2記事「Declining Commercial Nuclear Industry Creates Risk for Navy Carriers, Subs」。
        今日、米海軍は、全米の商業原発よりも多数の原子炉を運転中である。
 空母と原潜、あわせて101ものリアクターが、稼動中なのだ。
 大問題がある。北米で採掘される天然ガスが値下がりしているため、全米の電力会社は、原発よりコストがかからない、火力発電所にシフトしつつある。このため、原子炉や周辺機材を製造しているメーカーの陣容もどんどん手薄になっているのだ。
 いま、米国内で運転中の商用炉は98基。これが漸減する。
 ある専門家の試算では、もう15年後には、米国内で稼動している商用原発がゼロになっているかも……という。
 かたやロシアと中共は、トルコやパキスタン向けを手始めに、商用原発を世界中に輸出して行くつもりだ。
 ※北海道の家庭で一般的な石油ストーブは、ファンヒーター式ではなくとも、外部100V電灯線が停電すると、ホームタンクから灯油を吸入できなくなる。この問題の対策として「ぜんまい式バイパス・ポンプ」をストーブの基部に最初からビルトインしておく方法を提案したい。もちろんそのバイパス路と、電動モーターポンプを通る主管路とは、完全に切り替えられなければまずいだろう。


首相官邸等の政府庁舎の郵便仕分け室は、本館からは離して建てられているか?

 COREY DICKSTEIN 記者による2018-10-2記事「Envelopes suspected of containing ricin addressed to Mattis, CNO and sent to Pentagon」。
   マティス長官とジョン・リチャードソン提督(海軍作戦部長、つまり軍令部総長)宛てに届いた封筒にリシンが入っているのではないかとしてFBIが捜査中。
 ペンタゴン内の手紙仕分けセンターが発見した。10-1に。
 マティスはパリにいる。
 2001のアンスラックス騒ぎのあと、ペンタの手紙仕分けセンターは、五角形ビル外の隔離棟に移設されている。
 同日に配達されたすべての郵便物は隔離されて検査されているところだ。
 リシンは、トウゴマ(ヒマ)の実の中に含まれる。吸入したり嚥下すれば致死的たり得る。
 次。
 Pierre Tran 記者による記事「Naval Group: Talks with Australia still underway for sub buy」
    豪海軍が国内で組み立てる予定の仏製の『ショートフィン・バラクーダ』型潜水艦の知的財産の保護をめぐり、仏軍事企業「ネイヴァル・グループ」と豪州側とが揉めている。
 このままだと来年の豪州総選挙までに契約が確定しない。予定では2018末までに締結されるはずだったが。
 いまの豪州国防相は、クリストファー・パイン。
  ※まだ煮詰めてなかったんですね。こんな厄介なビジネスに日本が乗り出すなんて、最初から無謀なこと。
 次。
 James Temple 記者による2018-10-2記事「Forget fertilizer――this startup aims to slash greenhouse gases with plant probiotics」。
   ベンチャーのピヴォットバイオ社は、ビル・ゲイツその他から7000万ドルの事業立ち上げ資金を注入してもらうことができたので、来年から量産品を市販する。
 この会社は、根粒菌のように窒素を作り出す潜在力を有する細菌を発見した。
 その潜在力を解き放ってやり、種子に塗布したり苗の根元に与えたりすることにより、マメ科ではない植物に、マメ科と同じような「無肥料成長」をさせることが可能になる。まずはトウモロコシで実用化する。
 これのおかげで追肥の必要がなくなれば、農業経営者は莫大なコスト削減が可能になる。地球環境にとっても、朗報だと。


眠いときは寝ろ

 脳と身体、どちらかが休息したいときに、相互を常時神経が連接して刺戟確認に務めていることが余計な負担になってしまい、疲労回復が遅れる。
 だから睡眠することで相互の神経連絡水準をじゅうぶんに緩和し、でき得れば、半ば遮断する必要があるのだ。
 確か『西遊記』にこんな名言が挿入されていた。《悩み深ければ眠り多し》と。
 問題を整理するためにも、まず昼寝せよ。それで有害な疲れから早く恢復できる。
 以上、「ベルクソンは正しかった」という所感を敷衍した。
 次。
 TONY CAPACCIO 記者による2018-10-1記事「Blame a spark plug-like component for US-Japan missile failure, Pentagon says」。
     2018-1-31に実験失敗したSM-3のブロック2A。米ミサイル防衛庁は、原因は第三段目の小部品にあったと結論づけた。
 第三段(最終段=キルビークル)のモーターに着火しなかった。