中共軍は、本年末を以てすべての「殲7」(ミグ21コピー戦闘機)を、退役させる。

 2023-2-28記事「Romania Warns Of ‘Fake News’ About It Massing Troops On Moldovan Border」。
   ルーマニア国防省が注意を喚起している。ロシアのメディア工作員がSNSに「ルーマニア軍がモルドバ国境に集結中」という偽情報を流していると。

 ※なぜかルーマニア語が通じず、ロシア語しか話せない「民間人」が、今、モルドバの首都に集結して、反政府デモを繰り広げて騒いでいる。プー之介が2014以前の成功体験に固執し、またも「ハイブリッド工作」を試みているわけだ。モルドバ東部は、世界に残った最後の「レーニン主義」の村。冷戦期の腐敗した共産党の役人どもが、昔の左うちわ生活を忘れられないのである。おそらくプー之介が亡命するとしたら、これほど居心地の好い土地もないであろう。ただし、ウクライナ軍はいつでも一瞬にしてモルドバ東部を制圧できるし、ルーマニア軍と協同すれば、モルドバ西部も好きなようにできる。いままでそれをしないでいるのは、モルドバの密輸利権に、ウクライナ人も深く寄生してきたという、汚れた既往があるのだ。

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 ロイターの2023-3-1記事「Poland says Russian hackers attacked tax website」。
   ポーランド政府が水曜日発表。ロシアのハッカーが、オンラインの税務申告サイトを妨害していると。

 いまのところ、納税者の個人データは漏洩していないという。

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 AFPの2023-3-1記事「Finland Starts Construction of Russian Border Fence」。
    フィンランドは、ロシアとの国境のうち200kmについて、「壁」を建設しはじめた。
 工費は4億ドル。

 早いところは6月末に完工する。
 が、全体が竣工するのは2025年になるだろう。

 フィンランドはロシアと1300kmの陸上国境を共有する。

 壁の高さは3m。堤上に有刺鉄線。要警戒区域には暗視カメラ、投光器、拡声器も。

 いままでは、木柵があるばかりであった。それは家畜の「越境」を止める役にしか立たぬものであった。

 今次戦争の直前、プー之介はベラルーシを使い、ポーランド国内へ大量のシリア難民を越境させようとした。国境にしっかりした壁が無ければ、これに類した治安攪乱作戦をゆるしてしまう。だから工事を急ぐ。
 必要な法律は2022-6にフィンランド国会で成立している。

 エストニア、ラトビアも、壁建設を進めている。

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 Igor Bozinovski 記者による2023-3-1記事「Serbia orders loitering munitions from UAE」。
    セルビア軍は、UAE製のロイタリングミュニションを発注した。
 「エッジ・グループ」というメーカー。ハルコン社の子会社である。

 アブダビで2-20から2-24まで「IDEX 2023」という兵器ショーをやっていたのだが、そのオープニング式でセルビア大統領が公表した。

 機種に言及は無かったのだが、ベルグラドの新聞が、どうやら「RW-24」だと絞り込んだ。
 納品は半年以内(数量も価格も不明)。そしていくつかの部品はセルビア国内で製造されるという。

 ※ネットで調べると、RW-24はプッシャープロペラの固定翼UAVで、全重45kg。トレーラー搭載の大掛かりなカタパルトから20分かけて発射される。滞空2時間。ペイロード8kg。レンジ100km。巡航速力130km/時。このペイロードからして「低速で飛ぶ重ATGM(もしくは107mm迫撃砲弾)」のコンセプトだと思われる。レイアウトは、めいっぱい揚力を稼ぎつつ、ウイングスパンを圧縮するために、ダイヤモンド形の複葉&無尾翼としたように見える。この構造は頑丈なので、あるていどAAの近接炸裂にも耐えてくれるだろう。

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 Andrew E. Kramer 記者による2023-3-1記事「In an Epic Battle of Tanks, Russia Was Routed, Repeating Earlier Mistakes」。
    ここ3週間、Vuhledarという南部の炭鉱町で激戦が続いているのだが、露軍の戦車運用が緒戦からまるで進歩しておらず、AFVの墓場と化しているという。

 すなわち露軍は、道路上を、一列縦隊の隊形で、AFV群を前進させ、むざむざと宇軍の火網の中に入ってくるのだ。芸が無い。

 とうとう先週、この戦線での露軍のAFVが尽き果ててしまい、露軍は歩兵だけで突撃してくるようになったという。

 ※待ち設けた「キルゾーン」に敵の一列縦隊が入ってきたら、樹林線に隠しておいた戦車砲などで一斉に遠射する。敵AFVが路外へ逸れて引き返そうとすると、そこには無数の磁気地雷が埋まっている、という寸法らしい。どうも、磁気信管付きの対戦車散布地雷が、大活躍していると思われる。あるSNS投稿写真によると、対戦車地雷は、土中には埋められていない。地表にむき出しで散在しているのだ。しかもその多くが、非舗装農道の「轍痕」の上に正確に乗っている。これはいったいどういう敷設方法なのか? ちょっとわからない。

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 Alexander Riedel 記者による2023-2-27記事「Pentagon tells service members to stop displaying giant US flags at major events」。
     ペンタゴンは全将兵に警告した。巨大な米国国旗とともに落下傘降下するようなイベント演出は許されない、と。

 連邦には国旗の尊厳を保つための厳密な法令があるのである。たとえば、国旗を平面に展開して保持するときは、それを地面や建物に決して接地させてはいけない(棺の場合だけが例外)。

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 Julia Buckley 記者による2023-2-25記事「The extraordinary train lifeline behind Ukraine’s Rail Force One」。
    ウクライナ領内を政治家が飛行機で飛ぶのはとても危険である。
 そこで鉄道が大活躍する。
 これまでに200人以上の外国政府使節が列車でウクライナ入りしている。

 2022年の1年間、鉄道によって、2890万トンのウクライナ産の穀物が、隣のモルドバ、ポーランド、ルーマニアへ搬出された。

 もっか、飛行機および自動車・バスの旅行が制約されてしまっている、国土の広いウクライナでは「寝台旅客列車」の存在価値が、とても大きくなっている。、

 キエフ発の長距離出張プランは、夕方に駅から出発し、車中泊し、翌朝、目的地に着くというパターン。

 2022年、外国からの人道援助物資33万6000トンも、列車によってウクライナ領内に搬入されている。

 ウクライナの鉄道従業員319名が、露軍によって殺された。2022年に。負傷した従業員は703名。

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 Lauren Giella 記者による2023-2-28記事「Lt. Gen. Outlines Key to Beating Wagner’s Brutal ‘WWI’ Fighting in Bakhmut」。
    シンクタンクのISWは言う。ロシア正規軍は、ワグネルがバフムト北方で見せている新戦法を採用している。すなわち「分隊規模での正面突撃」である。さりながら、作戦上のめざましい占領地拡大は、できていない――と。

 ※防弾衣のセラミックプレートや、戦場救命のシステムが充実したことにより、今日の西側軍では、戦死者と戦傷者の数比が開いている。ウクライナ軍でも、それは1:20だという。かたや露軍は、1:3だという。これはノモンハンと同じか、それよりも酷い。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-1記事「Azov units use C7A1 rifles: 2-3 times longer barrel life over M16」。
    ウクライナ軍に属する「アゾフ連隊」は、「コルト・カナディアン」社製の「C7A1」自動小銃を装備している。M-16の銃身を太くして銃身寿命を2倍以上にしたもの。オランダが寄付した。

 「C7」と「C7A1」の違いは、スコープ取り付け用のレールだけである。550mまで当てられる。
 A1のレールは、ピカティニー(ミルスペック1913)よりも溝の感覚が狭い。また、座が高い。ドットサイトが見やすくなり、近接市街戦から遠距離狙撃まで対応可能になる。

 コルト・カナダ社は、かつては「ディエマコ」社と言った。

 ※露軍の装甲車の機関砲によって、かなり正確に照準をつけられて撃たれまくっておりながら、なおもその塹壕を固守して、果敢に小火器で射ち返している宇軍歩兵の、ドローン空撮動画がSNSに出ている。曳光弾が含まれているため、文字通り「タマの下を潜る」とはどういう景況なのかが知られる。こんな動画が撮影されたのは人類史上、初だろう。この貴重動画のおかげで、軍事小国の野戦陣地を守備する歩兵にはどんな装備が必要なのかも見当がついた。ひとつは「他撮り棒と擲弾筒」の組み合わせ。もうひとつは「生身の歩兵に代わってRPGを発射してくれるアバター」だ。他撮り棒は、長い垂直ロッドの先にCCDカメラと測距儀が付いたもの。これと塹壕底部の擲弾筒の照準儀、ならびに壕底歩兵のゴーグルをAI連動させることにより、歩兵が塹壕からまったく頭を出すことなく、曲射弾道の擲弾を正確にFEBAへお見舞いしてやることができる。RPG発射アバターは、ペリスコピック式に背伸びをして、近距離の敵AFVを直接照準し、そのままRPGを発射もしてくれる「腕だけロボット」だ。その照準カメラは、有線によって壕底歩兵のゴーグルに直結していることは、申すまでもない。市街戦や、対ドローン自衛射撃にも、適用可能だろう。

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 Emma Helfrich, Roy Choo 記者による2023-2-28記事「Meet Australia’s Home-Grown ‘STRIX’ VTOL Combat Drone Concept (Updated)」。
   BAEシステムズの豪州支社が、すごいVTOL無人機を完成した。コロンブスの卵。

 2枚の固定翼を櫛形に、かつ、段違い平行棒のように配列する。前の主翼は低翼。後ろの主翼は高翼である。その2枚の固定翼の先端(4箇所)に、真正面向きの大口径ローターを取り付ける。

 この機体には、長脚の前輪×2と、短脚かつ小径の尾輪が、固定されている。そのため、地上に引き出した機体の機首は、水平ではなくて、斜め45度上を向いている。とうぜん、主翼固定の4軸ローターも、斜め45度を向いている。

 ローターブレードはかなり長いのだが、軸が斜め上向きになっているおかげで、その回転外縁が地面を叩くことはない。

 エンジンを始動させると、尾輪は接地したままで、まず、機首が45度、持ち上がる。これにより、ローター軸は、完全に垂直となる。そのまま、「クォッドコプター」の制御要領にて、垂直に上昇開始。
 ほどほどの高度まで達したところで、徐ろに機首を下げ、スムースに水平飛行へ遷移。

 製品名は「STRIX」という。

 ペイロードは160kgもあるので、ヘルファイア級のASMを複数、吊るして飛べる。最大離陸重量は900kgである。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-3-1記事。
   ウクライナ戦争の余波。イランが対露援助に本腰を入れ始めたので、イランの手先のゲリラたちが、親分から補給を受けられなくなっている。

 たとえばイエメンのゲリラは、イランから燃料が来ないものだから、地場の樹木を切り倒して炊事の燃料に使っているという。

 ※イランの小艦隊をブラジル政府はリオデジャネイロ港に迎え入れる。「G20」なんて欠席するのが正解だね。五輪もこの調子で辞退しよう! これからず~っと、辞退でイイのだ。

 次。
 Ashish Dangwal 記者による2023-3-1記事「US To Deploy ‘World’s 1st Carrier-Based Unmanned Aircraft’ To Japan; Aims To Keep China Away From Taiwan」。
    米海軍はげんざい、唯一の前方展開空母として『ロナルドレーガン』を横須賀に置いているが、これは2025年に『ジョージワシントン』と交替させる予定である。2015にした交替の逆パターンだ。

 そのさい『GW』には、艦上給油無人機「MQ-25A スティングレイ」が搭載されるという。米海軍初の艦上無人機配備となる。


電力不足のキューバでは「発電船」が総動員されている。

 Marcus Clay 記者による2023-2-27記事「Who Is Li Shangfu, China’s Next Defense Minister?」。
   おそらく来週、李尚福大将が、正式に中共の国防大臣になる。
 李は宇宙工学の専門家。

 これから、戦略核ミサイルの軍備拡張を、彼が指揮することになるだろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-2-28記事。
    イラン政府は2-16に宣言した。中共からの投資や技術者派遣無しでも、石油産業は回転させるぞ、と。

 イランは金欠である。そこで政府要人が中共にでかけて投資を促していたのだが、中共からは断られた。理由は、イラン国内の政情が不安定であることと、イランが侵略者ロシアにのめりこんでいること。投資対象として、不安リスクがありすぎるというので。

 1月8日、中共は「実践」衛星を打ち上げた。静止軌道に投入されるはずである。高度35786km。

 「実践」シリーズは2016年から4機、静止軌道に投入された。
 「実践」のミッションは秘密にされている。が、他国の衛星に近づいて調査する軍用機であることは間違いない。

 米宇宙軍によれば、「実践23」からは「子衛星」が2機、放出されている。

 「実践21」は、死んだ衛星を掴んで、静止軌道の中でも無価値な場所へ移動させ、有用で混雑している静止ポジションを解放するという作業をしてみせた。

 「実践17」は2016年打ち上げ。
 「実践21」は2021打ち上げ。
 「実践23」は2023年打ち上げである。

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 Defense Express の2023-2-28記事「Named the European Country that Refused to Supply Weapons to russia」。
   セルビアはスラブなので親露である。しかし今次戦争については中立を宣言し、対露協力を、体よく断っている。

 ※雑報によれば、その裏で、スロヴァキアの商社を通じて、武器、弾薬・ロケット弾、車両を、ウクライナにだけ売っているという。

 ウクライナ国防省の情報部長は、確認できた対露武器供給国はいまのところ、イランだけであると『VOA』のインタビューで語った。北鮮製の武器も戦場では確認されていないそうである。

 ロシアはもっか、ミャンマーに働きかけて、兵器・弾薬を買い取ろうとしている。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-2-28記事「Ukrainian UAVs use a British RDX-based PE8 plastic explosive」。
    英国のメーカー「チャーミング・エナジェティクス・UK」社は、RDX(ヘキソーゲン)をベースにした「PE8 L23A1」というプラスチック爆薬を、軍隊だけでなく民間のビル破壊工事用にも市販している。
 耐水性である。

 このたび露領で撃墜されたウクライナ製の無人特攻機に、この「PE8」が装着されていたという。

 ※雑報によると「UJ-22」というウクライナ製の固定翼自爆機が使われだした。片道特攻距離800km、ペイロード20kgという本格派である。メーカーはUKRJET社。エンジンはレシプロで、牽引式プロペラによって飛ぶ。昨日、コメロンスキー郡のヴォスクレセンスクの天然ガス圧送用のコンプレッサー施設に特攻した。そこはウクライナ国境から600km以上離れている。おい、できるんだったら、最初からやれよ! いちばん効くんだよ、ガス施設狙いが。

 次。
 Chris Rickleton 記者による2023-2-27記事。
    トルクメニスタンは天然ガスを産出する。しかし現状ではその販路をロシアによって支配されている。なんとかロシアと関係のないパイプラインを持ちたい。

 トルクメニスタン政府の歳入の四分の三が、ガス輸出頼みである。
 10年以上前から、ロシアに代わって中共が、トルクメニスタンの天然ガスの最大バイヤーだ。ロシアが買っているガスの4倍を中共がトルクメニスタンから買っている。

 ガスプロムの大幹部が2-15にトルクメニスタンを訪れて元首らに警告した。TCP=カスピ海底パイプラインを建設してトルクメニスタンのガスをトルコやアゼルバイジャンへ直送しようとすれば、ロシアがそれを阻止するぞ、と。

 さらに大幹部は促した。トルクメニスタンのガスは、イラン経由でトルコにつなげるようにせよ。そしてロシアが主導する「ガスのOPEC」すなわち、ロシア・イラン・カタールの連合に、トルクメニスタンも加われ、と。

 トルクメニスタンは独自に海底パイプラインを敷設するだけの資金は無い。欧州はトルクメニスタンからLNGを買えるのならそれに越したことはないが、2050年までに脱ガスすると宣言している以上、今から巨額の資本をTCPに投ずるという話には乗り気にはなれない。

 ロシアは、カザフ領やトルクメニスタン領を、イラン、パキスタン、インドと連絡する通路として支配したい。

 ※トルコに派遣されていたメキシコのレスキューチームが帰国するにさいし、トルコ政府は、そのチームの捜索犬のために、トルコ航空機のファーストクラスを用意した。貨物室などにおしこめさせて帰しては申し訳ないから、と。


またもワグネルのすぐにバレる嘘宣伝。2018-2-3にシリアで撃破されたトルコ軍のレオ2A4の写真を再利用。

 Mike Glenn 記者による2023-2-26記事「U.K. military officials: ‘Elite’ Russian unit being pummeled in Ukraine」。
    Vuhledar市郊外に投入されているロシア海軍陸戦隊のAFVが、米国から供与されたRAAMS(十五榴によってバラ撒かれる対戦車磁気地雷)にかかって壊滅状態に陥っている。RAAMSのおそるべき「効率」が戦場で証明された。

 ※雑報に、BMPが疾走中に3回、爆炎に包まれるが、車体から白煙を噴き出しつつもなかなか停止しない動画がUpされている。これが磁気地雷の威力なのか? 履帯で踏んでいるわけではないから、履帯は回り続け、ちっとも停止しないのだ。履帯や転輪以外の何かが、壊れて引火するように見える。

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 Tim McNulty 記者による2023-2-27記事「Russia reeling after ‘unexplained explosions’ hit ammo cache, fuel depots and steel works」。
   前線から80kmの距離にあるマリウポリでは、コンスタントにHIMARSによるピンポイント打撃が続いている。弾薬、燃料を集積すると、すぐにやられてしまう。

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 Emma Helfrich 記者による2023-2-25記事「U.S. And Taiwan Set To Exchange Hundreds Of Troops For Training」。
   WSJによると米軍は近々、台湾に、100~200人の訓練教官団を送り込んで常駐させる。
 これまでにも少人数のグリーンベレー(陸軍)や海兵隊員は常駐していたが、もっと増やす。

 昨年9月の時点では、四軍の現役将兵23人と、身分不明の16人の米国籍人が、台湾防衛のために駐在していた。

 また台湾軍も、諸兵科連合大隊の訓練のため、今年後半、米国領土へ1個大隊分の兵員を送り出すという。
 その人数は500名くらいになるだろう。
 ちなみに小隊だと25~60名、中隊だと80~150名というところである。

 『ニッケイ・アジア』が2022-10に報じているところでは、米国と台湾は合同で兵器増産にもとりかかる。米軍が台湾有事に使うことになる弾薬やパーツを、前もって台湾国内で常続的に生産させておくようにするのだ。

 そのアイテムとしては、たとえばHIMARSやMANPADS、M30ロケット、ジャヴェリンATGMの弾薬が考えられる。もっか、米国内のこれらの生産力はぜんぶ、ウクライナ方面へ回されていて、台湾から受注している分はまったく納品ができていない。何年も後回しにする気なのだ。

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 ロイターの2023-2-27記事「Zelenskiy fires a top Ukrainian military commander, no reason given」。
    ゼレンスキーは日曜日に、ドンバス戦区の司令官エドゥアルド・モスカリヨフを解任したと発表した。理由は述べられていない。

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 ストラテジーペイジ の2023-2-27記事。
   米軍は現在、将兵の5~10%が女性である。
 最新の統計。米国には、17歳から24歳の、米軍に入隊する意思のある男女が41万2000人いる。

 この数は米四軍の新陳代謝には足りない。

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 2023-2-27記事「Bulgaria resumes production of 122mm shells for the Ukrainian Armed Forces」。
   NYT報道によるとブルガリアは、冷戦時代の122ミリ砲弾製造ラインを復活させた。
 数十年間、稼動させていなかったラインである。
 製品はすべてウクライナ軍へ供給される。

 先月、駐ブルガリアの米国大使が、新製造ラインの開所式に臨席している。

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 David Hambling 記者による2023-2-25記事「Russia’s New Drone Warhead Is a ‘Complex Engine of Destruction’」。
    「シャヘド131」の不発弾頭を解析した、その詳報。
 側面のEFPの凹カップは18個。このEFPの細工は、初期に回収された「シャヘド131」の弾頭にはまったく無かったものだ。
 イラン人は、日々、兵器の改善を、手探りで、試みつつあると分かる。

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 Paul Goble 記者による2023-2-24記事「Iran Joins China in Dredging Russia’s Volga River, Further Solidifying Anti-Western Axis」。
   中共だけでなく、イランの海洋土木会社も、ロシア領内の「ヴォルガ~カスピ運河」の浚渫に加勢しているところである。
 この浚渫工事によって、カスピ海沿岸の港から、従来よりも大型の貨物船を、アゾフ海へ出すことができるようになる。

 竣工すれば、運河の水深は4.5mになるそうだ。
 現況は3.5mだが、こういう運河は、ほったらかしにしておくとどんどん埋まって浅くなるものである。

 全経路にわたって水深4.5mが実現すれば、ロシアがカスピ海で運用しているすべての貨物船を、黒海まで出すこともできるようになる。

 イランは、Ro-Roタイプの自動車運搬船を、ほとんど持っていない。
 カスピ海内の主要港は、アストラハン港である。ただし、この港は真冬に凍結する。

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 Sergey Sukhankin 記者による2023-2-22記事「The Role of PSCs in Securing Chinese Interests in Central Asia: The Current Situation and Future Prospects」。
    中共は、中央アジア諸地域での「反支感情」に直面している。それを克服するためにPSC=民間武力警備会社 を拡大投入する肚づもりらしい。

 まずタジキスタンとキルギスタンに、中共PSCが進駐するのではないかと見られている。

 しかし外国のPSCがやってきて住民を取り締まるようになったら、支那人に対する草の根の反発がますます激化せずに済むことなどあろうか?

 むかしクラウゼヴィッツは、戦争は政治の一手段也と喝破したが、中共はどうも「PSCはビジネスの一手段だ」と思っているように見える。

 中央アジア諸国のうち、ウズベク、トルクメニスタン、キルギスタン、カザフは、トルコ系の言語。タジキスタンはペルシャ語系が話されている。

 2016年にタジクと中共は、7箇所の国境交易所を築いた。

 中共はキルギスとは2002年から、合同演習する仲である。

 中共は、亜鉛需要の21%を中央アジアからの輸入で賄っている。鉛も2割以上は中央アジアから輸入している。
 中共からは、「監視カメラ」が中央アジアに広く輸出されている。
 他には、「翼竜」のような攻撃型無人機。「紅旗」のようなSAM。「前衛」のようなMANPADS。

 カザフ国内では、7700もの中共企業が営業中である。

 北京から見ると「テロリズム」「分離運動」「過激主義」は中央アジアの3悪名物である。

 中央アジアのうち、反支感情が最も定着している国は、カザフスタンだという。

 2019年には、油田都市のザナオゼン市で反支デモが盛り上がった。
 中共企業がカザフ人労働者に払うべき給与を支払わないのが原因なのだが、中共はPSCを常駐させて労働者を取り締まりたいとい言うのである。
 PSCを進駐させる名目は「反テロ」の政府間合意だというのが支那側の理屈だ。

 中共は「新疆生産建設兵団」という物騒な名前のパラミリタリー組織も持っている。土建会社なのだが武装集団。これをPSCの先遣隊にしてもいい。

 ウズベキスタンには、「中国安保技術集団」というPSCが入り込もうとしている。

 タジキスタンには「中国海外保安集団」というPSCが進出しそうである。

 キルギスは、中共とウズベキスタンを結ぶ新鉄道の途中の土地を提供できる立場にあるので、中共は無視できない。ここへは「中軍軍弘安保集団」というPSCを2016年から派遣して、中共資本の鉄建会社をガードさせている。

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 AFPの2023-2-24記事「Kazakhstan proposes gas pipeline linking Russia, China」。
   カザフスタンは、ガスプロムがロシア産の天然ガスを中共まで圧送できるようにする新パイプラインのために、土地を貸してやってもいいと言っている。

 ※AFPの2-22報によると、ウガンダ西部で採掘した石油をタンザニアのインド洋海岸の港まで送り出す総延長900マイルの原油パイプラインに、「住友三菱銀行」のフランス支店と、英スタンダードチャータード銀行が融資するのをやめろというデモがパリで起きた。


ベラルーシのマチュリシチィ空軍基地で日曜日に数回の爆発音。露軍のAWACSが損傷したらしい。

 ベラルーシ人ジャーナリストの Anton Motolko による。この飛行場からは、キンジャル空対地ミサイルを吊るした攻撃機も発進する。

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 2023-2-26記事「Part of the Russian military is transferred from Belarus to the Rostov region」。
   ベラルーシ領内で訓練駐留していた露軍部隊がまた、鉄道を使ってロストフ戦区へ移動を開始した。3月4日にはマトヴェイエフクルガンに到着するだろうという。

 250人を乗せられる客車×5両、有蓋貨車×3両、無害貨車×43両が、列車には含まれる。

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 ストラテジーペイジの2023-2-26記事。
   ラトビアも徴兵制を復活させた。バルト三国の中では、いちばん遅く。

 2017年からラトビア有権者の意識は変化し、たとえば高校では、希望する生徒たちに基礎軍事教練を施せるようになっている。

 また軍は夏季限定で、志願入隊に関心のある高校生が集中的に軍事教練を受けられる「夏季訓練」体験コースも用意してきた。

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 Akayla Gardner and Laura Davison 記者による2023-2-25記事「Biden troubled that China did not take Pentagon call over balloon」。
    金曜日にバイデンがNBCニュースに語ったところでは、中共は米国防総省が気球について問い合わせの電話をしても、それに出ないそうである。

 ※習近平から無断の気球作戦について怒られたもんだから、中共軍は臍をまげて「反抗的態度」を示している最中なのだろうな。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2023-2-26記事「Ukrainian Aerostat Perspective, Considering Great Britain Couldn’t Afford Such Campaign Now」。
    気球による空爆作戦は、何も日本の専売特許じゃない。WWII中に英国は、1万個近いバルーンにワイヤーや焼夷弾等を吊るして、ドイツが占領していた欧州大陸の電力網を攻撃させているのだ。

 1942年から44年にかけて、英国は毎日、500個から2000個のバルーンを放流した。
 作戦にかかった費用は公式記録では10万ポンド。敵に与えた損害は1000万ポンドと見積もられた。主に送電線を加害したという。

 吊るしたモノ。
 「ワイヤー」。
 「ビール」と称した缶入りの白燐焼夷弾。
 「ジェリー」と称した缶入りの油脂焼夷弾。
 「靴下」と称した、2.7kgの焼夷剤入りの布袋。
 「レモン」と称した小型地雷。

 現在、露軍は、「Au-23」、「AN-S1」および「VAL-120」というバルーンを実戦投入できる。
 先ごろ、レーダーリフレクターを吊るしてきたのは「Au-23」だ。
 「AN-S1」と「VAL-120」は、小型爆弾を吊るすことができる。

 次。
 Brendan Cole 記者による2023-4-25記事「Russia May Have Run Out of Iranian Shahed-136 Drones: U.K.」。
   2月15日以降、露軍が「シャヘド136」を飛ばしていない。またしても、「タマ切れ」になったと見られる。イランからの追加搬入を待っているのだろう。

 次。
 Phoebe Grinter 記者による2023-2-23記事「New Two Stroke Hybrid Engine for UAVs」。
  スペインの「UAVHE SL」社の新しいハイブリッドエンジン「P1-124」は、2サイクルの内燃機関で11キロワットを発電する。液冷、ギアボックス内臓、アイドリング用クラッチあり。

 燃料は「heavy fuels」を使える。
 最大出力は29馬力(毎分8000回転のとき)。
 寿命は1000時間以上。

 ※こういう空想がゆるされるだろう。何の理想ビジョンも有しない三菱重工内の「お勉強馬鹿」グループと通産省の軽薄課長のコンビネーションでドブに捨てさせた旅客機資金で、もし、ドローン用小型内燃エンジンの大量生産ラインを地道に整備していたなら、いまごろ、わが国が、カミカゼ・ドローンのエンジンで全世界を支配できていたはず。侵略者にはそのエンジンを供給せず、対抗陣営にはそのエンジンをふんだんに供給してやることで、侵略者の鉄道網は弾薬補給の役に立たなくなり、ウクライナの失地は回復された。それは中共をも萎縮させ、世界を明朗化させただろう。

 次。
 John Byrne 記者による2023-2-24記事「Opinion: It Is Time To Sanction Russian Titanium」。
  ※記者はボーイング社の元重役。

 ロシアから輸出されるチタニウムの9割は、「VSMPO-Avisma」社の扱いである。
 会社幹部はプーチンに近い。
 この会社の工場はスヴェルドロフスクにある。したがって「ウラル車両工場」に近い。

 2014年のクリミア事変にさいして西側はこの企業に制裁を加えるべきだったが、エアバス社などの依存度が高すぎて、制裁はできなかった。
 しかし今は事情が違う。あいかわらず欧州は渋っているようだが、断固、制裁対象にするべきである。

 次。
 2023-2-24記事「“The Frequency Hopping System Really Works” The Ukrainian Military From Bakhmut」。
   「AtlasPRO」というクォッドコプターが宇軍の偵察部隊によって使われている。メーカーは、周波数ホッピングによって敵のECMを回避するソフトを作り、バフムト戦線でテストしたところ、調子がよかったという。GPSがまったく使えないスプーフィング環境下でも通信が維持できるのでとりあえず機体をロストしないで済む。

 場所は前線から数キロメートル。
 ATLAS社は2019からウクライナ軍に協力している。


ウクライナの高校生が、クォッドコプターからコイルを吊るしたもので「地雷探知」ができるのではないかと、鋭意、研究中。

 ナノ化加工したセルロースによって耐熱プラスチックに匹敵する頑丈な透明素材ができるが、それは、地面に放置すると、最終的にダンゴムシによって食べられて消えるという。これからの地雷は、こういった生物分解性素材で作るべきだろうね。

 ドローンから投下する専用爆弾の空力安定フィンも、この素材からこしらえるのがいいだろう。

 さらに検討する価値があるのは、軍用の「自転車」のフレームをこの素材にすること。気兼ねなく使い捨てできるようになる。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-2-25記事「Rare Japanese Toyota HMV BXD10s at Russian Army: delivery or prey」。
   「テレグラム」にウクライナ側がUpした動画にジャンビーが映っている。場所は露軍の車両修理廠だという。「トヨタ HMV BXD10」が、「スコルピオン LTA-2B」と同じガレージで修理されているのだ。

 トヨタの高機動車は、どういうわけか、ロシアの民間市場では一般的なのだという。
 動画からは、それが最初から市販されたモデルなのか、それとも自衛隊が廃車にしたものなのか、なんとも言えない。塗装はOD一色である。

 これをUpしたウクライナ人いわく。トヨタは軍用の装甲を施した「HMV BDX10」を133台、民間市場に売った記録があるという。
 しかしバイヤーはわからないという。

 「HMV BDX10」は、「トヨタ・メガクルーザー」の派生型である。

 HMVは、ハイ・モビリティ・ヴィークル=高機動車 である。

 メガクルーザーは1995年から2001年まで製造された。

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 2023-2-24記事「First Leopard 2 tanks arrived in Ukraine」。
   24日、ポーランドから、最初の4両の「レオパルト2」がウクライナ領土に搬入された。

 トータルでは14両になる。これは戦車1個中隊分である。

 ※レオ2を除外してもポーランドはMBTを300両もウクライナに寄贈することになるという。PT-91×60両の引渡しは数日中に始まるという。

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 Ellen Nakashima、John Hudson、Karen DeYoung 記者による2023-2-24記事「China considers sending Russia artillery shells, U.S. officials say」。
    米政府は、中共がこれからロシアに弾薬を供給するだろうと見ている。主に122ミリと152㎜の榴弾。

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 Defense Express の2023-2-25記事「Ukraine Lacks Mortar Systems, What the Potential Solutions to the Problem Are」。
   ロシア国境から近いマリウポリの冶金工場に兵器用の特殊鋼の素材生産を7割も依存していたことが、今次戦争中のウクライナ国内での兵器増産を不可能にしているのだという。迫撃砲のような比較的にシンプルな兵器も、特殊鋼がないとどうにもならないので。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-2-24記事「Ukraine Gets Huge Boost In Deadly Drone Capabilities From U.S.」。
  あらたに米国からウクライナに援助すると公表された複数のUAVのうち三つは新顔。
 そのうちのひとつ「ジャンプ20」は、垂直に離陸したあと固定翼機として巡航するハイブリッドUAVである。アエロヴァイロンメント社製。米陸軍は、この機体によって旧い「RQ-7 シャドウ」の一部を更新することを昨年、決めている。

 「ジャンプ20」は機首にガソリンエンジンがあり、牽引式のプロペラを回す。このエンジンは、大工の電動ドリルにアダプターカップをとりつけた手持ちスターターをスピナーにおしつけることにより、一発で始動する。エンジンは発電機とも直結しており、その電力によって垂直4軸のローターを制御。それによりVTOL。内燃機関なので14時間も滞空できる。最大185km巡航。

 ※同じメーカー製「スキャンイーグル」よりも、ずっと気の効いた設計のように見える。陸自も次はこれで決まりだろう。

 「ジャンプ20」はもともと、「アークトゥラスUAV」というベンチャーが開発した。そのベンチャーを、大資本のアエロヴァイロンメントが2021にまるまる買収したのである。

 最大離陸重量215ポンド。

 将来、この「ジャンプ20」が空中から「スイッチブレード600」を発射できるようにもするという。無人攻撃機から、ロイタリングミュニションを放出する時代なのだ。

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 2023-2-24記事「ALTIUS-600: the Ukrainian military will receive American drones」。
   米国に「エリア-I」という飛行機メーカーがあり、そこが製造している「ALTIUS-600」は、偵察用もしくは自爆特攻用となる無人機である。
 これも、このたびウクライナに援助されると公表された。

 機体の全長は1m。ウイングスパン2.54m。
 自重12.5kg、ペイロード3kg。

 格納チューブからガス圧で射出されるや、主翼と尾翼を展張する。胴体尾端にプッシャー式プロペラ。

 滞空4時間可能。最大航続距離440km。

 ※カミカゼドローンは何が現代向きなのかというと、弾頭を大量生産するのに、弾殻の「精度」がほとんど問題とはならないという点なのである。砲弾は大きな発射Gがかかるし、高温高圧ガスが弾丸内に入り込まないように隙間はゼロでなくてはいけないし、微少な重心バランスの誤差があれば弾道表を無意味にしてしまうから、とにかく工程中の誤差管理が厳しい。しかしドローンに運搬させる爆発物の「仕上げ精度」など誰も問題にしない。飛行中に当て舵で補正できるからである。工程のすべてをロボットに任せられるような世界だと思う。西側諸国にとって、大量生産の弾撥性を実現しやすいのだ。

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 Matthew Loh 記者による2023-2-24記事「Russia shot down several of its own planes in the early days of invading Ukraine, leaving it with few willing pilots, report says」。
   今次戦争の開戦直後、露軍は味方の航空機を見境なく撃墜。
 そのため、たちまちにして、経験豊富なパイロットたち(かきあつめても100人未満)が出撃するのを拒否するようになってしまったという。
 『フィナンシャルタイムズ』の木曜日の特だね。
 撃墜機数は10機未満だったようである。

 しょうがないので教官クラスを戦地に送り、その皺寄せで、パイロット教育は停滞しているという。

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 Jess Thomson 記者による2023-2-24記事「Russian Pundit’s Idea of Nuking Yellowstone Volcano Wouldn’t Work」。
    「ロシア-1」放送局の「ウラジミール・スロヴィヨフとの夕べ」というTV番組の中で、退役海軍将校のコンスタンチン・シヴィコフは、イエローストーン公園にサルマトICBMを1発ぶちこめば巨大噴火を起こすことができる、と語った。

 イエローストーンは、もし噴火すれば、他の普通の火山よりも大きなエネルギーを放出するだろうと見られている。1980年のセントへレンズ火山の1000倍じゃないかとナショナルジオグラフィックは試算している。

 過去7万年、イエローストーンは噴火していない。地震は毎日のように起こしているが。
 また、地下に抱えている液状マグマは5~15%くらいなので、巨大噴火するためには深いところからじゅうぶんな圧力が上がってくる必要があるだろう。表面を吹き飛ばすだけでは足りない。

 ※誰がいちばんキチガイじみたことをテレビで公言するかという競争が、ロシア国内ではおこなわれているように見える。戦後の軍事裁判がたのしみだよ。


いよいよロシアは「Tu-22M3」(バックファイアー)を餌にして、中共から軍需品を仕入れると思う。

 中共は数十年来、米空母を攻撃するミサイル母機とする「バックファイアー」を売ってくれと要求し続けてきた。ロシアはそれを拒否し続けてきた。

 理由は、ロシアを攻撃できる高速爆撃機を模倣生産されることを嫌ったのがひとつ。もうひとつは、米国と戦略核兵器制限協定を結んでいる「米露2国間関係」を損ねてしまうからだ。

 しかしプー之介は先日、米国との戦略核協定は蹂躙する方針をあっけらかんと演説した。
 また、ウクライナ戦争の継続のためには、ロシアは中共からの武器弾薬調達がどうしても必要である。この戦争に敗退すればロシアは亡びるという言説も流布され始めた。

 自粛の理由がすべて消滅したようである。
 だったら、せいぜい高く売りつければいい。

 どうせ模倣されるのだから、売るのは1機だけとし、それに天文学的な値段を付け、決裁は、武器弾薬とバーター(しかも中共側に全量「先払い」の義務を負わせる)とすればいい。

 その1機も、この前の無人機特攻で破損した機体でいい。さすれば露軍の戦力には新たな不利は無いことになる。

 そいつを地上でバラして、多数のパーツにして、ちびちびと、鉄道で送り出す。
 もし中共が引き換え現物の納品を滞れば、残りのパーツは発送しないぞ、と脅かすこともできるだろう。

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 2023-2-24記事「Chinese Firm in Talks to Sell Military Drones to Russia: Report」。
   木曜日の『シュピーゲル』誌によると、中共の一企業がロシアに100機の自爆ドローンを輸出する相談を進めている。それは4月に納品予定である。弾頭重量は35~50kg。

 「西安【ニスイに水】果智能航科技」=Xian Bingo Intelligent Aviation Technology というメーカーで、製品は「ZT-180」のプロトタイプだという。

 ※英文ネットで「ZT-180」検索すると遊戯サイズのクォッドコプターがヒットする。滞空15分、レンジは数百mだという。とても35kgものペイロードを吊るせるものではない。そんなものならわざわざ支那人に頭を下げなくともロシアは闇市場で入手するだろう。おそらくZT-180は「ハーピィ」の発達型の固定翼機だと思う。

 ビンゴ社は、ロシア国内に生産工場を造ってやってもいいぞともちかけているそうだ。月産100機のスケールだという。

 『シュピーゲル』によると、「ZT-180」は「シャヘド136」の類似品だという。

 同誌はまた、中共は「スホイ27」のスペアパーツもロシアに送ろうとしているという。

 ※もしそれがかつてイスラエルから中共が輸入した「ハーピィ」を原型にしているものなのだとするのなら、今、ロシアにいちばん足りないのは、ガソリン駆動の小型エンジンの量産技術なのだという見当もつく。「シャヘド136」も、動力がロケットモーターなら何もイランから買うまでもなかったのだろう。動力が小型内燃機関であるがゆえに、ロシアには、それは、完成品を海外から買う以外に、どうしようもないのだ。

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 Gabriel Honrada 記者による2023-2-23記事「China’s ‘phantom space strike’ made to spoof US defenses」。
    『サウスチャイナモーニングポスト』紙によれば、中共軍は、宇宙に展開した衛星から偽信号を出すことで、敵国のMD用レーダーを欺こうとしているという。

 ICBMによって、核弾頭ではなく、3つの衛星を放出する。
 この衛星が、あたかも核弾頭であるかのような、電波的な「囮」になる。

 ※西側陣営は、「トス爆撃」専門の、低廉量産機を、援助用として、準備だけはしておく必要があるだろう。それはジェット練習機級のコンパクトな無人機でいい。2000ポンド爆弾を1発抱えて離陸し、それを敵SAMの圏外から、トス爆撃してUターンしてくる。それだけの単能システムだ。またそれとは別に、終末誘導式のロケット弾を、1発だけ空中発射することができる、無人のVTOL機を安く大量に展開することだって、できるはずだ。有人AHを無駄に飛ばすよりも、よっぽど気の効いたCASになるだろう。たとえば「巨大オートジャイロ」は、この用途に使えないか?

 ※偶然の実体験から、家庭内でコロナが伝染する場所が絞り込まれた。それはトイレ個室である。ABCの3名のうち、Bはトイレ個室に入るインターバルが異常に長い。24時間で2回ということすらめずらしくない異常体質である。このBが、「患者C」と自動車車内等で濃厚接触の機会がむしろ多いのにもかかわらず、終始、コロナに感染せぬ。かたや、Aは、自動車でCと移動することはなく、そのかわりにトイレ個室を誰よりも頻繁に利用する。そして、自室隔離療養中である患者Cから、一発でうつされてしまった。その媒介はトイレの雰囲気以外には考えられないのである。ここから思料する。次に来ることあるべきパンデミックを全国レベルで抑制し切るためには、トイレ個室内の気流設計を、より合理的に制御できるように見直すべきだ。短時間に患者の呼気を低いところから吸引して戸外へ排出できるシステムが、まず理想的だろうと愚考する。その他得られた一、二の知見。沃素の咽喉スプレーは、役に立たないと感じた。龍角散の粉末は、病臥中はとてもありがたいものだった。


ロシアは1952年デビューの「BTR-50」型APCまで持ち出すようになった。

 ストラテジーペイジの2023-2-23記事。
    ドーナツのような環状体を「トロイド」と総称する。
 今のドローンのプロペラ騒音源は、プロペラの先端部から発生している。だったら、この「先端」というものをトポグラフィカルになくしてしまうことはできないか……? というので、プロペラを環っか状に延長してループにしてしまった人が昨年いた。

 それが大成功の手ごたえをいきなりもたらした。騒音は、ガックリと下がったのだ。
 トロイダル・プロペラー……爆誕。

 ※ユーチューブで確認したら、これを「三ツ環」にした「トライ・ループ」(それが4軸ごとにつく)をMITのお兄ちゃんは推奨している。「二ツ環」よりも安定しており、かつ、何かに衝突したときの問題が小さくなるそうだ。

 エネルギー効率の点でも旧来の「線分」プロペラより良好だという。こうなるともう、近未来の業界を支配できることは確実だ。「ドローン」という呼称も古くなる。蜂のような唸り音は、過去の物語になってしまうのだ。

 とうぜん、水中プロペラでもトロイダル形状がテストされた。抜群に静粛であった。キャビテーション発生部位が分散されたので。
 まちがいなく、潜水艦や魚雷のスクリューも、これにとっかえるしかなくなるだろう。

 いまや、3Dプリンターを使えば、理論をすぐに実験に移せる。それが、このような発明が生まれた下地のようだ。

 次。
 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2023-2-22記事「Wing Kits For Ukraine’s JDAM Bombs Would Be A Big Problem For Russia」。
   ブルームバーグが最近、報じている。米政府が「JDAM-ER」(展開滑空翼付き自律誘導爆弾)をウクライナへの供与武器に加えることを決めていると。

 これが実現するとどうなるか。ウクライナ空軍機から攻撃目標までのレンジはHIMARSと変わらないが、着弾したときの破壊力はHIMARSとは比較にならず圧倒的になる。

 ※ウクライナ戦線では、AHはすっかり「ロケット弾運搬機」と化している。見えない敵に見当をつけて、ポッドのロケット弾を、仰角をつけて一斉乱射したのち、機体はUターン。ほぼ効き目はなく、ひたすら燃料と弾薬の無駄遣いだろう。まったくおなじことを、こんどは戦闘機にさせようという話だ。ただしこっちの弾薬は終末自律誘導される。だから効き目は期待できる。

 次。
 ロイターの2023-2-23記事「Exclusive: Russia plans deep March oil export cuts, sources say」。
   ロシアは同国西部の港から来月にタンカーで輸出する原油の量を、今月比で25%減らすつもりである。

 米政府の財務官僚は指摘する。これは売りたくとも売れなくなってしまったので、出荷を減らすのだ。

 ロシアは通常、「プリモルスク」「ウスト・ルガ」「ノヴォロッシスク」の三港から、日量250万バレル=1000万トン/月 ほどを輸出していた。

 次。
 Isabel van Brugen 記者による2022-2-22記事「Ukraine Must Strike Targets Inside Russia to Win War-Ex-Kremlin Official」。
   ロシア外務省の高官だったがプー之介を批判して昨年辞表を叩き付けたボリス・ボンダレフ。『ニューズウィーク』のインタビューに答えて、ウクライナはロシア本土の軍事施設を攻撃する権利があるという。しかし発電所を攻撃してはいけないという。

 次。
 2023-2-20記事「More charges of sexual harassment in the Norwegian military」。
   ノルウェーでは進歩を気取り、徴兵は男女とも内務班居室を区別しない。これがまったく裏目に出ている。そこはセクハラ地獄と化していた。

 次。
 ERR News の記事「Ukraine sends captured Russian tank to Estonia」。
    ウクライナ軍は、鹵獲したT-90などのAFVを、欧州の与国に参考品としてプレゼントしている。

 今年はすでにエストニア、ラトビア、リトアニア、ドイツへ、複数の鹵獲戦車が転送された。

 昨年はポーランドとチェコに贈られている。


2022年にロシアは、たった27機の飛行機を製造できただけだった。これに対して米国は3種類150機のF-35を納品した。

 ロシアが中共から買おうとしているのは、飛行機なんじゃないか?

 次。
 Claire Press and Svitlana Libet 記者による2023-2-22記事「How Russia’s 35-mile armoured convoy ended in failure」。
   2022-2-24の開戦から三日後、商用偵察衛星は、ウクライナ北縁に、長径10マイル〔BBCはわざわざ、15.5km だと併記している。米式陸マイルとも長さが異なっているようだ。こんなデタラメな単位を英米人はいつまで使う気なんだ? インターオペラビリティにさしつかえるだろう〕のAFV渋滞を発見した。

 2022-2-28には、この渋滞長径は35マイル(BBCは56kmと付記)に成長し、そのまま数週間、動かなかった。露軍がベラルーシに退却するさい、この渋滞は一晩で消えてしまった。

 チェルノブイリ近郊で守備していたウクライナ兵の証言。
 開戦劈頭、まず「グラド」(122ミリ多連装ロケット弾)が斉射されたと認識した。もちろん真っ暗闇の中。

 次に装軌車両の大集団が押し寄せてきた。こちらは、あらゆる橋を爆破して、隣の市「イヴァンキウ」まで退がった。

 露軍は、渡河点でいちいち重門橋を準備することを強いられ、こちらは退却時間を稼ぐことができた。

 後知恵では、ベラルーシ国境で防戦することは十分に可能であっただろう。だがそれは政治的に避けられた。ベラルーシ軍を巻き込むことになるからだ。

 ウクライナ軍の説明によれば、35マイル(BBCは56kmと注記)の渋滞の正体は、それぞれ別個の10個のBTG(大隊戦術グループ)だったのだそうだ。

 この10個BTGこそが「斬首作戦」を実行する役だから、他戦線とは重みが違う。

 回収された作戦文書から、最初のBTGは2月24日の0400に国境を越えたあと、1455までにキーウに到達するよう、命令されていたこともわかっている。

 ホストメル空港の確保にあたる数個BTG以外は、キーウまでノンストップのはずだった。

 英シンクタンクによれば、キーウ北方で露軍は「12対1」の兵力優勢を得ていたという。

 どうしてつまづいたか。

 プー之介は開戦を秘密にしておくために、攻勢発起の24時間前まで、ほとんどの部隊指揮官に開戦日時を予告していなかった。

 このため侵攻部隊は、糧食、燃料、地図の用意ができぬままに、行軍を開始するしかなくなった。
 他に、通信装備、砲弾、冬季被服にも遺憾なところが生じた。

 トラックのタイヤは泥濘シーズンにふさわしくなかった。

 路外の利用はまったく不可能だったので、1本の舗装道路に戦闘部隊も段列も行李もあつまるしかなかったのである。

 35マイル(BBCは56kmと注記)の中味は、戦車×1000、歩兵戦闘車とAPCが1万、糧食・燃料・弾薬の補給トラックが数十台。

 年金生活老人ら12人からなる、ある郷土防衛部隊が、開戦3日目にしたこと。道標を片端から倒して回った。
 武器は機関銃×1だけだったので、道路障害の構築と、火炎瓶製造に励んだ。

 彼らは火炎瓶投擲によって確かに車両×2を炎上させたという。

 そのかわりに全員が負傷し、味方の病院に収容された。

 ウクライナ正規軍の証言。
 露軍の末端部隊はかならず、大きな金属の箱を携行していて、そこには「機密」と書かれていた。待ち伏せ攻撃によってその箱を奪い、中を開けてみると、えらく詳細な作戦説明図が出てきた。

 しかし村落の地図は1960年代から70年代のものだった。彼らは「手旗信号」用の旗も揃えていた。

 地図が古いことと、橋を爆破されること、路外地面が泥田化することによって、露軍末端部隊は、次にどうしたらよいかが、わからなくなったのだ。

 ※《プリゴジン干上がらせ運動》は、プーチンに軍事科学の素養がないことを立証している。ソ連時代に確立しているドクトリンでは、攻勢局面では、前線でいちばん成功している部隊に全補給品を与えるべきなのだ。バフムトではそれはワグネルなのだから、ロシア人が科学を信奉するのなら、正規軍の砲弾もぜんぶワグネルに回すのが正しい。しかるに露軍は組織を挙げてそれに抵抗し、役に立たない正規軍部隊が砲弾を抱え込んでいる。これで攻勢が成功するわけがない。露軍のショイグ・ラインは、「科学」に背を向けたのだ。参謀総長ゲラシモフはもちろん、軍事科学的には何が正しいのかは分かっている。しかし発言権は無い。科学的ドクトリンがプーチンに共有されていれば、このようなスキャンダルは生じない。ロシアは、体制全体として、科学と縁を切ることにしたようだ。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-2-21記事「Futuristic Mortar Turret Seen In Action At U.S. Special Ops Base In Syria」。
    ゲリラ跋扈地帯に位置する要塞の自衛用に最適なシステムを米軍はシリアで試している。
 これは120㎜重迫の360度旋回砲座で、動力は手動なのだが、照準はコンピュータアシストになっている。

 近いところから遠いところまで、ゲリラが出現すれば、即座に精密な砲撃を加えられる。砲座は水平射ちも可能な特別製である。

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 Doug G. Ware 記者による2023-2-21記事「Pentagon warns US troops to stop eating poppy seeds to avoid false-positive drug tests」。
    菓子パン等に使われている「芥子の実」が、モルヒネやコデインなどの真正阿片成分に汚染されていることがあり、それによって米兵が、部隊内の抜き打ち薬物検査で「麻薬使用の偽陽性」になってしまうケースがあるから、食い物には注意しろよ、とペンタゴンが呼びかけている。

 いちばん簡単な方法。芥子粒はすべて避けろ。

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 2023-2-22記事「NEXTER sets up non-stop production of CAESAR ACS, plans to increase guns manufacturing」。
    フランスのブルジェにある「NEXTER」工場では、カエサル自走砲の砲身を増産中。

 三交代制にしてフル稼働状態だ。臨時雇いの溶接工も増やした。

 今年の末までには、月産の砲身数を8本にする。すなわち、倍増させる。

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 Oren Liebermann and Natasha Bertrand 記者による2023-2-21記事「US believes Russia had failed intercontinental ballistic missile test around when Biden was in Ukraine」。
   月曜日にバイデンがキーウを訪れていたとき、プー之介は「RS-28 サルマト」ICBMの発射を命じていた。しかし、そのミサイルはうまく飛ばなかった。

 発射の前にロシアは外交ルートで米政府に通告した。

 プーチンは火曜の独演会の中でこのミサイル試射を宣伝したかったのだろう。が、パスするしかなくなった模様である。

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 Defense Express の2023-2-21記事「Ukraine’s Intelligence Find Evidence That russia Prepares to Massively Call Full-Time Students to the Colors」。
   プー之介は、次の国民動員令では「教育学部」の学徒を徴兵するらしい。

 ノヴォシビルスク州立教育大学、トムスク工科大学、トムスク州立教育大学は、学徒出陣兵の応召人数を割り当てられようとしている。どうやらロシア政府は、現役の全日制の学部学生を、まずは教育学部から徴兵しようとしている。


遺憾なく「凡人」の本領を発揮した個人演説会だった。

 メドヴェジェフが堂々と居眠りして、それをTVに映させていたところに、ロシア指導者層の総意が垣間見えた。
 小生は過去、「習近平=東條英機」説を唱えたものだが、このさい、ロシアの今のプー之介の姿こそが東條英機だと訂正させてもらう。

 カミル・グリーフ氏は、プーチンの次に立つロシアの専制支配者は、現在の現役の――すなわちまとまった組織・機関を部下として握っている――「小権力者」の中の、誰かになるほかにないのだと断言をしている。おそらくメドベージェフは次の政権構想を考えているのではないか?

 雑報によるとプリゴジンが苦境に立たされている。自身のSNSチャンネルで直接、ロシア大衆に訴えた。ショイグの命令で、ワグネルにはシャベル1本、供給されなくなっているという。まして必要な砲弾類は、ワグネルには与えられなくなったそうだ。プリゴジンは「ショイグは国家反逆者だ」と公然、罵っている。

 ここから「構図」が浮上する。プー之介がボケてきて「凡庸」の地があらわれてきたので、プー体制をこれまで支えてきた諸組織・機関のそれぞれの「小ボス」たちの権勢が大きくなっている。「小ボス」たちの中で多数決を採り、少数派を「国家反逆者」に仕立てて全責任をとらせて、今の絶望的事態を収拾するという近未来が見える。プリゴジンは早く大博打に出ないと「少数派」入り確定だろう。

 岸田総理はG7の中で唯一キーウに足を踏み入れていないというので焦っているのかもしれないが、日本には大逆転の一発がある。
 「ロシアが参加する国際スポーツ大会には、もはや日本代表チームは送らせない」と声明するだけでいいのだ。
 米欧首脳の誰にも出来なかった大制裁だ。法律を無視して世界に挑戦する集団には競技上の名誉も与えない。プー之介の独演会の後なら、この種の対侵略制裁はますます妥当。パリ五輪からのロシア排除を訴え続けているゼレンスキーは、感動するだろう。

 そしてこういうやりかたこそ「日本の道」に適っているのである。日本人は「押し付け善意」が嫌いである。しかし「どんびき関係謝絶」は断然支持する。それが日本人の社会正義観念に、しっくり来るのだ。「シン鎖国」の模範を、世界の前に示してやれ!

 次。
 John Vandiver 記者による2023-2-21記事「A year of Russian fighting in Ukraine shows the US military what it needs to improve, analysts say」。
    ホッジス大将いわく。西側はロシアをGDPで圧倒している。もしわれわれがロシアとの弾薬補給競争に負けるなら、それはわれわれにカネがないからではない。やるべきことをしていないためだ。

 ホッジズいわく。米欧はエスカレーションについての間違った自問自答をした。その結果、武器援助のグレードが及び腰になって、その結果、戦争を長引かせているのである。西側のありったけの武器弾薬をサッサとくれてやれ。

 ※ネットで調べてもどうしても分からなかったので、ここで知識ある方々に初歩的な質問をしたい。冷間鍛造で――もっとわかりやすくいうと、エンピツの金属サックでも作るように、圧延鋼鈑をしぼることで砲弾をもっと簡単に迅速量産することはできないのか? 腔圧や初速を抑制し、破片毀害力を妥協する「グレード落ち」砲弾としてしまうなら、それは可能なのではないか?

 ※1917年に英国で工程の手順合理化のために記録されたと思しい203ミリ砲弾(8インチ砲弾)の製造プロセスの詳細なフィルムがユーチューブで公開されています(尺は1時間近い)。ゲージの用意がすばらしい。外径にも穴径にも甲乙のゲージがあり、甲は通過して乙は通過しないという公差でなくてはならない。確認したら検印のポンチを打つ。最後に政府の背広役人も1発づつ公収検査をする。ここでもゲージ大活躍。X線撮影以外はぜんぶやっている感じ。工員の手の皮膚は傷だらけ。銅帯のつけかたも全公開。箱詰めの前に、ワニスを塗布。そうだったのか……。ひたすら感心した。

 次。
 Alice Hancock & David Sheppard 記者による2023-2-21記事「Netherlands warns of Russian attempts to sabotage its energy infrastructure」。
   オランダの情報当局いわく。ロシアは北海の海底パイプラインもしくは海底ケーブルを、またあらたに破壊しようと画策している。そのための特殊調査船をうろつかせているので各国は注意せよ。

 次。
 Doug G. Ware 記者による2023-2-21記事「Air Force sees chance to cut reliance on foreign supply chain by making rubber out of dandelions」。
    米国のグッドイヤー社と、オハイオ州にあるベンチャーの「ファームドマテリアル」社は、米本土自生種の「タンポポ」の粘液からゴムを合成して、それによって、もし航空機タイヤ原料のサプライチェーンを中共に攪乱されても持続ができるようにするという計画を推進する。

 タンポポならなんでもいいわけじゃない。「kok-saghyz dandelion」、俗称「TK dandelions」という種類のゴム品質が、東南アジアのゴムの木に匹敵するのだという。

 米空軍は、1年にタイヤを10万個近く調達している。その中には車両用も含まれる。コストは1億ドル。

 タンポポには有利な特性がある。ゴムノキは植えてから7年しないとゴム液を採取できない。タンポポは半年ごとに収穫できる。
 ※しかも多年草だから次々に同じところから生えてくる。寒冷な荒れ地でも定着する。病害虫に強い。

 グッドイヤーの試算では、1エーカーの栽培地があれば、乗用車用タイヤを200個から400個生産するのに必要なゴム液を収穫できそうだという。

 じつは米軍は80年前にタンポポの資源化を考えた。日本がマレー半島を支配してしまったので。
 しかし日本が降伏してマレー半島からの生ゴム供給が復活すると、事業はお蔵入り。


ハワイ近海で高々度バルーンをまた発見。こいつはホンモノらしいというのでFAAが色めき立っている。

 Marc Santora, Vivek Shankar and Anushka Patil 記者による2023-2-20記事「Live Updates: Amid Air Raid Sirens, Biden Makes Surprise Ukraine Visit」。
   バイデン大統領はポーランド国境から汽車に10時間乗り続けて、月曜朝にキーウに到着した。

 ロシアには数時間前から通告してあった。

 ゼレンスキーに会ったあと、バイデンはワルシャワへ移動。そこでは東欧圏のNATO加盟国の首脳たちが待っている。

 ※約束された支援兵器に、目あたらしいもの無し。

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 Jared Szuba 記者による2023-2-17記事「US Military: Iranian drone hit Israeli-owned tanker in Arabian Sea」。
   2月10日、アラビア海にて、すくなくも1機の無人特攻機が、イスラエルに関係ある油送船『Campo Square』に命中し、小破させた。
 『アルモニター』は金曜日に米軍にこのことを確かめた。
 米軍は、やったのはイランだと見ている。

 この事件の第一報は金曜日のBBCであった。「シャヘド136」だと報じられている。

 石油タンカーはリベリア船籍だが、イスラエルの富豪エヤル・オフェルと関係がある。

 事件の3週間前、イラン国内のイスファハンにある軍工場が1機のドローンにより攻撃された。イランは、やったのはイスラエルだと見ている。

 2022年後半には、軽油タンカー『MV パシフィックジルコン』が被弾している。2021には『マーサーストリート』と『ヘリオスレイ』も。いずれもイスラエルの実業家が所有する商船であった。

 イスファハンには何があったか。IRGC(イラン革命防衛隊)がイスラエル国境近くのシリア領内まで、ひそかに推進させようとしていた、地対地ミサイルやレーダーが爆砕されたようである。

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 2023-2-20記事「An RGT-27S2 grenade dropped on a Russian BMP-2」。
   ウクライナ製のサーモバリック手榴弾である「RGT-27S2」を「マヴィック3」から投下できる。その映像がSNSに出た。

 RGT-27Sは、直方体の外形。RGT-27S2は、円筒形。中味は同じだ。
 演習場で使われるようになったのが2017年というから、2014にロシアの侵略を受けてから急遽、開発したものとわかる。宇軍は2020年までにこの2つのサーモバリック手榴弾を標準装備化した。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-2-20記事「In Ukraine Soviet Nona-K artillery fires US-made M1101 shells」。
   ソ連時代に設計された「Nona-K」という牽引式重迫。120ミリの弾丸を12km飛ばすことができる。全重1200kg。

 今、ウクライナ軍は、この重迫から、米軍規格の「M1101」砲弾を発射しているという。