ランニング ワッショイ の罰

 Andrew Cockburn 記者による2024-5-29記事「Ukraine War rips veil off of US weapons superiority」。
    米国製の高額な兵器がウクライナでまったく調子が出ていないのは、米軍には「適切なテスト」をするという文化が無いからである。リアルな試験をやる予算を惜しんで他に使うように、制度が誘導しているともいえる。それは結局、高くつくのだが……。

 「スイッチブレード300」は少しも「ゲームチェンジャー」ではなかった。M-1戦車、155㎜エクスカリバー誘導砲弾も、まるでダメだと分かった。

 ウクライナ兵は1機6万ドルの「スイッチブレード300」をすばやく見限って倉庫内に放置し、通販で1機700ドルの中国製ドローンを取り寄せて、そっちに爆装して使っている。役にも立たぬ兵器に命を預ける義理はないのだ。

 野戦重榴弾砲のM777はラフな戦場で使うにはデリケート過ぎて、頻繁にポーランドの工廠まで後送してリペアしなくてはならない。さらにまずいのが砲弾不足。クリントン政権が、米本土の分散的な砲弾工場を1工場に集約させる流れを作った。戦時の「生産弾撥性」「リダンダンシー保険」をなくしてしまったのだ。いまではペンシルベニア州にGD社が運営する古びた工場に155ミリ砲弾のほとんどを発注しなければならない。それが実戦の実需には応じられないことがはしなくもバレた。

 ペトリオットは敵の弾道弾を迎撃するとたちまちタマ切れするから、弾道弾がキーウに降ってきても迎撃しない。それで乞食坊が不満タラタラだ。

 HIMARSは、燃弾の分散秘匿を心掛けないマヌケが相手のときは役に立っている。しかしそれらマヌケな敵は戦場淘汰が進み、今、生き残っている狡猾な敵に対しては、HIMARSもパッとしない。

 4月に調達整備担当国防次官のウィリアム・ラプランテがCSISのカンファレンスで語った。GPSに依存しないで飛べると威張っていた「Skydio」のマルチコプターが露軍のジャミングを受けて逸走したと。

 露軍が出てきているハルキウ方面の前線では、築城工事に投じられていたはずの数億フリヴニャの資金が中抜きされており、防備土工が皆無。ハルキウ市に巣食う腐敗ウクライナ人どもが、平然と領土を売り渡しているのである。

 ハルキウ市の防衛築城請負い企業体に渡された、米ドルにして1億7300万ドルが、使途不明。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-6-1記事。
   DARPAが開発したUUVの「マンタ・レイ」。
 全重30トン、ペイロード10トンのバケモノである。

 全重18mで、幅6m、高さ3m。
 リチウムイオン電池にフル充電すると、3000kmも潜航してくれる。水中最高速力は18km/時。

 だいたい連続6週間、活動できる。
 西太平洋の島嶼に展開した味方特殊部隊のために、こっそりと補給品を届けることができる。

 「マンタ・レイ」を分解すると、舶用コンテナの中に完全に収納できる。その姿で世界各地に急送できる。


兵頭二十八 note
ベトナム式輸送自転車の細部がわかる写真をさらに拾い集めますた(ソースはすべてベトナムのメディア。画像検索すると、たぐれる)


自転車で勝てた戦争があった


全国の書店員さんは『月刊正論』7月号の新刊紹介記事をコピーして『自転車で勝てた戦争があった』のPOPに使おう!

 ベトナムから発信されているユーチューブに、インドシナ戦争中の輸送自転車の動画集があります。また、先日のパレードの準備風景もあって、いずれも貴重。
https://www.youtube.com/watch?v=VpFIa43oIJk

 さらに、先日noteで紹介したスチルでは不明であった「後輪用のブレーキ・レバー」を、右手で掴む「縦棒」に後付けできるようになったこともわかる、貴重な動画も。2024年の映像。
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=uGNtumL8mBI

 そしてもっとすばらしい動画。2022年に新コロ対策として食料配給をすることになったベトナム政府が、軍の輸送自転車部隊を動員しているのだが、まさにベトナム・スペシャルの専用自転車のディテールが分かる。百聞は一見に如かず。
https://www.youtube.com/watch?v=xz1jnV_XeoU

 数日以内に、他の未見スチル写真についてもコメントできると思いますので、おまちください。あいにく不敏にしてベトナム語は読めませんが、テキストの数字部分を眺めるに、どうも2022年時点の最新製品では1台に300kgまで積載できるようだ(280という数字もある)。しかも荷物を運ばないときは、普通の乗用自転車にもなる。こんなユニークな工業製品をどうしてベトナムは輸出しようとしないんだ?

 次。
 2024-5記事「Aeronautics Launches the Hybrid Octoper: Multi-Rotor UAS」。
  アエロノーティクス社が、エンジンで発電してモーターを回す重量級の軍用マルチコプターを完成した。
 ローターは4軸に串状に配列されているので、オクトコプターに分類される。

 メーカーは「ハイブリッド・オクトパー」と称す。
 内燃エンジンなので4時間も滞空できる。

 内燃機関は連続して400ワットを発電する。電池容量は10分間の飛行をそれだけでまかなえる。
 10分あれば、安全な平地を探して緊急着陸することもできるだろう。

 GNSSが使えない環境でも運用可能だという。

 次。
 Rebecca Grant 記者による2024-記事「Bye Bye Bad Chinese Routers――House Committee Bipartisan Move Against TP-Link」。
    「ルーター法」と俗称される、中共製の安価なルーターをスパイ端末と看做して米国内の官公署等から追放する連邦法が、共和・民主の超党派の意思として成立する。下院の「エネルギー・商業 小委員会」で43対ゼロで可決。

 バッドニューズもある。中共の「TP-Link」社製のチープなルーターは、すでにかなりの数量が、NASAやペンタゴン内にまで設置されてしまっているのだ。

 2024年1月、ヨーロッパ内で活動する、中共をバックとするハッカー集団が、「TP-Link」製ルーターの脆弱性を利用してサイバー・エスピオナージに精を出していた。

 「ルーター法」は、米商務省をして、危険な外国製ルーターはどれか、調べさせる。疑惑のルーターが浮上すれば、2019年の「安全・あんしん通信ネットワーク法」に基づいて、連邦通信委員会が、その製品の市販を禁ずることができる。その上に「ルーター法」は、既設の当該商品の撤去までも可能にする。

 次。
 Joe Saballa 記者による2024-5-28記事「China, Russia Trying to Infiltrate US Military Bases: Navy Admiral」。
    米海軍の聯合艦隊司令長官ダリル・コードル提督がFoxニュースに対していわく。中共とロシアは、米国領土内の米軍基地内への「立ち入らせ工作活動」に熱心だと。
 海軍基地だけでも、毎週、2人以上が、MPによってつまみ出されていると。

 こやつらは口を揃えて「私はただの学生」「私はただのマニア」などと無害性を強調するのが通例。まったく信用に値しない。

 釈放する前に、しっかりと、バイオメトリクスは採取させて貰う。

 コードルによると、2023年の1年間で、シナ人だけでも100名以上が、米海軍基地内に立ち入って嗅ぎ回っているところを押さえられた。

 フロリダのロケット射場の近くにスクーバダイビングで肉薄し、捕縛されたシナ人「観光客」もいた。
 また数人が、ニューメキシコのミサイル射場に潜入していたところをつかまっている。

 コードルいわく。過去3年で、中共から合衆国への移民は8000%も急増している。これはマズいだろう、と。

 密入国しようとして国境でとっつかまっているシナ人も、2021年には342人だったのが、今年はもう2万4125人である。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2024-5-31記事「The russian Ground Forces Received the Upgraded 2B14 82 mm Light Mortars」。
    ロシア国営の兵器メーカー「ロステク」社が、射程よりも軽量化(可搬性)を重視して改修した、旧型の82ミリ迫撃砲「2B14」を、露軍部隊に納品し始めた。

 「2B14」はソ連時代から今日まで製造が続いているのだという。部隊の倉庫にはストックも大量にある。

 メーカーによると、最新バッチは、金属素材が見直されて軽くなった。
 ベースプレートは、全くの再設計になっている。地面への密着性を増し、ヨリ安定させたという。


兵頭二十八 note
5月5日は日本では「自転車の日」。6月3日は「世界自転車デー」だそうです。


自転車で勝てた戦争があった


月刊正論 2024年 07月号 [雑誌]


ウクライナ軍が操る無人爆装ボートの接近を止めるべく、露軍が放った無人特攻機が突っ込んで行くビデオが、ロシア側からSNS投稿された。

 Howard Altman 記者による2024-5-30記事「Russian FPV Drone Seen Attacking Ukrainian Uncrewed Surface Vessel For The First Time」。
    早くも、こんな時代が来てしまったのだ。

 テレグラムに投稿された13秒のフッテージには日付が無い。場所は黒海の某所だという。

 仕留められた特攻ボートは「MAGURA V」であるように見える。

 ※ここから次のような歴史反復が見えるだろう。昔、戦艦が敵の水雷艇を接近させない用心として舷側に速射砲を並べていた。また、戦艦の回りに「水雷艇駆逐艦」を配した。この、舷側砲や駆逐艦の代用物が「護衛自爆ドローンのスウォーム」になるのだ。まさに「ホーネットの巣」状態。するとどうなるか? 超高額なホーミング魚雷と組み合わせない限り、水雷艇は廃れる。「潜航艇」「半没艇」ベースの兵器システムに変えるしかない。低速のまま衝突して自爆する「回天1945型」とするか、「SLMMマーク67自走敷設機雷」の航走体をナルコサブの小型版母体とするか。はたまた、半没状態から「ペンギン」ミサイルのような自律誘導の対艦ミサイルを発射させるか……。

 次。
 Defense Express の 2024-5-30記事「New Drone Mothership Presented in russia Instead of Faulty Pchelka UAV Carrier」。
    露軍は「空中ドローン母艦」を開発中。その宣伝動画が出た。

 電動のクオッドコプターの要領で垂直に離陸し、内燃エンジンの牽引プロペラと固定翼で水平飛行し、敵軍の近くで、胴体弾倉内から、自爆型クォッドコプターを複数、放出。固定翼の母機はそのまま味方陣内まで飛び戻って、電動クォッドコプターの要領で着陸する。


T-90Mが工場出荷時から、コープケージではない薄い鋼鈑を砲塔上面に浮かせ気味に張り付けてきている。

 さらに車体尾部からは「防風柵」状の鋼鈑構造を垂直に立ち上げている。すべては対FPVドローン対策だ。

 次。
 Thomas Newdick, Tyler Rogoway 記者による2024-5-29記事「Ukraine Getting Swedish Airborne Early Warning Radar Planes Is A Big Deal」。
    スウェーデンは、2機の国産AWACSである「サーブ340」(別名ASC890、別名S100Dアルグス)をウクライナに贈与する。

 時期については報道無し。
 スウェーデンは、AMRAAMも贈与すると言っているので、この組み合わせは強力だ。

 早期警戒機は通例、高度2万フィートで作戦する。そのAESAレーダーは、半径280マイルを覆う。

 次。
 Elsa Court and The Kyiv Independent news desk 記者による2024-5-29記事「Alibaba stops accepting rubles, shipping to Russia」。
   「アリエクスプレス」を傘下にもつ「アリババ」は、ルーブルによる通販決済を受け入れなくし、また、届け先がロシア国内に指定された注文にも応じないことを決めた。5-28にロシアの経済新聞である『コメルサント』が報道した。

 昨年12月に西側がロシア金融機関に対する経済制裁を決定。そこと取引していると制裁の巻き添えを喰らうというので2024-1から中国の四大銀行のうち3行は、西側から制裁されているロシアの金融機関からの支払いを拒絶。のこった周州商業銀行も、ロシアとベラルーシ内の顧客に対して2月に、取引停止を通告していた。

 3月には、複数の中国の銀行が、ロシアからの「元」による決済の受付も停止したことが報じられた。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-5-29記事。
    宇宙の偉業。
 5月17日に打ち上げられて23個のスターリンク衛星を放出した「ファルコン9」ロケットは、なんと同じ機体の21回目の発射であった。

 このロケットだけで、それまでに530機以上の衛星を軌道投入してきた。

 「ファルコン9」の「ブロック5」は、設計寿命として、10回の打ち上げを想定していた。
 だがスペースX社は評価を変え、「ブロック5」なら40回は繰り返し打ち上げられると考えるようになっている。

 げんざいまでに、スペースX社は、6350個のスターリンクを宇宙で放出し、そのうち5935個が未だ生きている。


サウジの皇太子が来日どころじゃないと思ったのは、イランの核実験が近いのかもね。

 Arash Azizi 記者による2024-5-26記事「What If Iran Already Has the Bomb?」。
    5-9に『アルジャジーラ』のインタビューに応じて、前のイラン外相のカマリ・カラジは言った。すでに同国は核爆弾の製造能力を有している。イランが脅威に直面したなら、イランはこれまでの核ドクトリンを変更する、と。

 その数日後にテヘランで、イラン国籍アラブ人たちのカンファレンスがあり、そこでもカラジは同じことを強調した。

 カラジは責任の無い引退老人ではない。ハメネイに仕える現役の外交アドバイザー・チームの長なのだ。
 ハメネイの意向を直接に承けて、カラジはこのような発言を計画的にしていると見なければならない。

 2021年に、当時のイランの情報大臣、マームード・アラウィは西側諸国へ向けて言った。そっちがイランを追い詰めるなら、猫と同じように反撃し、そうなってもこっちのせいではない、と。これは核兵器開発に関する文脈であった。

 そして最近の数週間、イランの複数の高官が、カラジと類似の脅迫を相次いで公言している。
 イランの核施設の防備を担当する軍人や、イランの核計画を領導している物理学者、さらには元原子力機関の長などが。

 イラン議会の外交委員会に前に所属していた人物は、2024年5月10日に、イランはすでに原爆を複数発、持っていて、ただそれを実験していないだけである、と主張した。

 先月、イスラエル軍がダマスカスのイラン領事館を爆撃した直後、イランの親体制コメンテイターが言った。もし国連がイスラエルに対して何もしないなら、イランは核によってイスラエルと交渉するであろう。美しいイランの「ボーイ」を公開するであろう――。この「ボーイ」が1945の「リトルボーイ」を指すことは文脈から明らかである。

 メーディ・カラティアンというイランのシンクタンクのボスも、もはや「能動的抑止」に移行するときだと言った。これも核実験をほのめかしたものである。

 先月、IAEAのラファエル・グロッシがイランを訪問したあと、イランは数週間で核実験できると言った。

 米政府とイラン政府は、ここ数ヵ月間、オマーンのマスカット市で、秘密協議中である。核武装問題がテーマであることは間違いない。
 先日、ライシのヘリコプター事故死に対して米政府がお悔やみを申し上げたのも、外野から見れば異常だが、内幕を知れば、とうぜんだ。

 DCで活躍するアナリスト(おそらくイラン出身)いわく。85歳のハメネイが今から長年の政策路線〔=日本政府のように核武装の一歩手前で踏みとどまり続ける〕を変更するとは考え難い、と。

 そうだろうか?
 ハメネイはライシの葬式でハマスのリーダーのハニエに約束した。世界は「イスラエルの消滅」を見るであろうと。そしてパレスチナ国家が、ヨルダン川から地中海まで拡がるであろう、と。

 ケネス・ウォルツは、イランが核武装すれば地域はむしろ安定すると予言しているが、どうなるかは誰も知らない。

 次。
 Martina Igini 記者による2024-5-28記事「Breakthrough Swiss Tech Cuts Radioactive Waste in Nuclear Plants by 80%」。
   ジュネーブにあるスタートアップの「トランスミューテクス」社。

 原発から出てくる放射性廃棄物のうち、とくに長年月の地中保管が必要でやっかいとされてきたモノを「核変換(トランスミューテーション)」することによって、ぎゃくに、環境汚染しないクリーンな発電エネルギー源へ変えてやろうというプロジェクトに、出資金を募っている。

 半減期の長い放射性同位体を、半減期の短い、安定したアイソトープに核変換し、それを「アイソトープ熱発電」装置の燃料にしようというのだ。

 これまで半減期が50万年もあった高濃度な放射性廃棄物の99%を、半減期500年未満の別なアイソトープに変えてしまえると謳っている。つまり、これが実現すると、世界の原発の「核のごみ」問題が、解消する。

 ※思いつきだけならそれは昔からある。具体化するのにどんなブレークスルーを成し遂げたんだ?

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-5-28記事。
    北朝鮮では、兵役に就かなければいけないはずの年齢層の男子の半分以上が、その徴兵を免れている。

 親たちは、息子の兵役回避に必死だ。というのは、初年兵が殴られて死亡する率が、近年、ますます高いという噂なのだ。

 これはロシア軍営の伝統文化「Dedovshchina」が北鮮軍内に受け継がれているのだ。

 次。
 Svetlana Shcherbak 記者による2024-5-28記事「Ukraine Deploys British Windracers ULTRA Cargo Drones for Military Operations」。
    ウクライナ軍は、英国製の「ウインドレイサー」、別名ULTRA(無人低価格輸送機)という双発固定翼機を運用中である。

 この無人機は、英国国防省が買い上げてウクライナに供与した。

 ULTRAのMTOWは450kgである。
 カーゴベイには100kgを詰め込める。
 雨天でも150mの滑走で離陸しまた着陸ができる。全自動で。
 滞空は12時間以上可能。

 次。
 Sarah Simpson 記者による2024-5-21記事「Iridium Connected Drones Offer a Path Forward for Monitored BVLOS Operations」。
    イリジウム通信衛星のLバンドの周波数を使って、直視可能距離を越えた無人機(重さ200ポンド以上)のリモコンを可能にしようというプロジェクト。

 米本土でパイプライン網の定期的監視が必要な企業が、それを欲している。

 次。
 Defense Express の2024-5-28記事「How russia Used VM-V Drones During Landing Operation in Hostomel in 2022」。
    キーウ近郊の貯水池の底に、無人ヘリ「VM-V」の残骸。露軍が撮影したその残骸写真をウクライナが入手したことにより、露軍が2022-2の奇襲攻撃のさい、いきなり無人ヘリを飛ばしていたことが判明した。

 もともと「VM-V」は、露軍が敵のヘリボーンを邀撃する演習をするときに、仮装敵として飛ばす、ターゲットドローンなのである。それを「パンツィリ」SAMで撃墜するのだ。
 2021-11の演習から、露軍はこのヘリ型ターゲットドローンを実用している。

 VM-Vは、2時間弱、滞空できる。高度は2500mまで行ける。
 航続距離は100kmというところ。

 おそらく、いきなりホストメル飛行場に有人ヘリを着陸させようとすれば危険なので、VM-Vを先行させて、宇軍のSAMを費消させようと図ったのだろう。

 次。
 Christopher McFadden 記者による2024-5-27記事「China’s secret spacecraft drops another mysterious object in space, says US」。
    中共の「X-37Bもどき」が、軌道を周回しながら、謎の物体を放出した。米宇宙軍の発表。それは5-24に探知されたという。もどきが軌道投入されてから165日目であった。

 傾斜角は50度ちょうど。高度600km強のほぼ円軌道。

 次。
 Keishi Koja 記者による2024-5-28記事「Japan spots China’s new spy, strike drone for first time over waters north of Okinawa」。
   沖縄の西方に、ターボファンの無人機である「翼竜10」が近づいてきたので、空自がスクランブル。
 「翼竜10」は2020-11の航空ショーに初展示された。

 現在、嘉手納には、グァム島から一時飛来した「MQ-4C トライトン」あり。10月まで居る。


また雀を助けてやった。そろそろ小さい葛籠がデリバーされる頃だ。大きいのは要らんから。

 Defense Express の2024-5-27記事「GLSDB is Affected by EW But Air-Launched SDB is Not, Even Though it’s the Same GBU-39: Why So」。
    ウクライナ空軍の「ミグ29」戦闘機は、誘導爆弾である「GBU-39」、すなわちSDB(細径爆弾)を、露軍の標的に対して普通に運用できている。
 それに比し、陸上から細径爆弾をロケット投射するグライダー兵器であるGLSDBは、露軍のEWにやられてしまい、全くまともに機能していない。

 この違いは、何によるのか?

 GLSDBは、SDB(=GBU-39)に「M26」ロケットをとりつけて、HIMARSをラーンチャーとして地上から投射するものである。

 理由は単純である。
 2種の兵器には誘導方式の違いはない。どっちもGPSに依存している。

 だが、GLSDBは、レンジが最大150kmしかないから、それがターゲットにできる敵の目標は、最前線から130km~120kmくらいの間合いに所在するモノに限られる。
 往々、そのターゲットは、弾薬デポ、燃料デポ、指揮センター、通信結節点である。

 露軍としては、とうぜん、宇軍からの攻撃を予期する。そこには徹底的に分厚いEW機材を据えて待ち構えているのだ。

 GLSDBは、ジャミングが強力だった場合、自動でINS誘導にきりかわる。しかしその設定は発射前にインプットされたものだから、距離や時間に応じて狂いが積み重なる。けっきょくINSだけでは、着弾点が目標から30m~50mくらい逸れてしまう。

 GBU-39は全重が93kgで、充填炸薬量は36kgである。この爆発威力では、30mの誤差を補うことは難しい。

 ペンタゴンのディフェンス・タクティカル・インフォメーション・センターが公表している数値。SDBを高度1万2000mの亜音速戦闘機からリリースすると、水平飛距離は92kmである。また、高度1万5000mからリリースすれば、水平着弾距離は137kmに達する。

 しかしながら、S-400の脅威があるウクライナ戦線では、宇軍戦闘機はそんな高々度を飛ぶわけにいかない。
 必然的に宇軍のミグ29は、低空から最前線へアプローチし、投射前の一瞬だけ急上昇して、「トス爆撃」を試みるしかない。

 その場合のSDBのレンジについての確かなデータは公表されていない。そこでJDAM-ERの数値を参照する。JDAM-ERは、オーストラリアが1977年から開発開始した「Kerkanya」有翼爆弾の直系子孫だ。豪州空軍は、その爆弾を高度600mからトス爆撃したら、水平着弾距離が3倍になったと言っている。そこから推定して、JDAM-ERを低空からトス爆撃した場合の水平飛翔距離は30kmだろう。

 敵のAAを考慮して、安全のための数kmを差し引けば、現実的には、宇軍の「ミグ29」は、爆撃目標から20km~25km手前でSDBをリリースしているのだと考えられる。

 この短かい距離であれば、INSはそんなに狂わない。敵のEWにさらされる時間も短いので、GPSの狂いもそれほどには蓄積されないだろう。
 だから、SDBのほうは、当たっているのだろう。

 ちなみに本家の米軍のほうは、GBU-39を「GBU-53/B」(=ストームブレーカー、別名SDB II )で更新中なので、とっくに課題も乗り越えられているのであろう。

 ※5-27に宇軍のFPV特攻ドローンが、オペレーターから25kmも離れた地上にあらわれた露軍の多連装ロケット発射トラックを爆破した動画が公表されている。おそらく終末誘導に「マシンビジョン」を使ったもので、それゆえ、敵のECMは効かなかった。この技術には要注目だ。

 次。
 2024-5-24記事「Low freight volumes: Russian Railways loses up to 50 billion rubles」。
    ロシア国鉄RZDは、2024年の第一4半期に500億ルーブルの負債を増やした。貨物取扱量が落ちている。

 原因としては、石炭の市場価格が落ちていること。石油輸出が減っていること。国の大きな建設事業が完工してしまって、建設資材を輸送する需要が落ちていること。大型無蓋貨車のレンタル賃が上昇していること。

 昨年、RZDは、収益の74%を貨物輸送で得ているので、貨物事業の不振は痛手になる。

 RZDが運んでいる貨物の3割は石炭だ。その値下がりは、影響が大きい。

 黒海に面したタマン港から、ロシアは石炭を西欧方面へ輸出していたものだった。しかし石炭の国際価格は低落していて、関税は高い。ロシア国内の炭鉱会社は、輸出を諦めてしまった。それで、もはやRZDに輸送を頼まない。

 2024-1から2024-4のあいだに、石炭の貨物量は5%減った。今は、重量にして1億1500万トンが輸送されている。

 RZDにとって、石炭の次に大事な貨物は石油である。だいたい全輸送量の2割を占めている。
 しかし、精油所がウクライナ軍のドローン攻撃を受けているのと、政府が露軍への燃料補給を優先させるために3月から8月末まで石油類の輸出を禁じてしまったので、荷扱い量は逓減。
 2024年の第一4半期にRZDは7040万の石油を運んだが、それは2.4%減だという。

 建設資材の鉄道輸送量は、14.6%落ちて、3610万トン。
 また無蓋貨車のレンタル料が上昇(年初の4ヵ月で6%)しているので、顧客は建設資材の輸送をRZDではなく貨物船に頼もうとする傾向があるという。

 次。
 The Maritime Executive の2024-5-27記事「Russian Cargo Ship Hits Train Bridge Supplying Crimea」。
   船齢46年のばら積み貨物船『Zelenga』が、ドン河で、舵の故障を起こし、クリミアへ通じる鉄道橋の橋脚にぶつかった。このフネは全長82m、1775dwトン。

 次。
 Brinley Hineman 記者による2024-4-25記事「Federal suit alleges AI system injured Union Pacific employee」。
   ※先月の記事です。

 ワイオミング州の機関車技手が、ユニオン・パシフィック鉄道会社を、連邦裁判所に提訴した。
 会社が強制導入したソフトウェアのおかげで列車が暴走して怪我したと。その事故は2021-5に起きた。

 「LEADER」というソフトウェアがあって、それが原因だと。
 こいつは、自動車のクルーズ・コントロールのような機能。貨物列車の重量と地形に応じて、最も燃費が節約されるような加速・減速を導く。15年前からあるので「AI」と呼べるようなシロモノじゃない。

 このソフトは機関車を全自動で加速・減速させる。それで、機関車運転士の出る幕がほとんどない。
 正確には、最初に機関士が最上の手本を示し、それをマシーンが学習する……ことになっている。

 事故当日、坂を登っていた。列車の先頭機関車に対してはこのソフトは、減速を命令。ところが同時に、列車の中間にあった2両目の機関車に対しては増速を命令した。

 後ろから激しく押されたことから原告は、先頭機関車の運転室内で転んで腰に負傷し、今も痛むという。

 次。
 Tony Carrick, Roxanne Downer and Alora Bopray 記者による2024-5-23記事「The best solar companies of 2024」。
    私宅にソーラーパネルを設置するなら、メーカーと業者は慎重に選ばなくてはいけない。
 数千ドルをはたいて購入したシステムの製造元がソーラー事業をやめてしまって、買ったときの保証が、空念仏に化したという恐怖の実話も聞かれるからだ。

 CNNは独自に市場を調べて、以下の評価を下した。

 米国内で国産品を買うなら、「Sunnova」社の製品が、最多の42の州(DCも1州とかぞえる)で販売営業していて、入手しやすい。
 しかし、ベタービジネスビューロー(本邦のJAROに相当)は、「リース」でパネルを取り付けた家を、他人に売却したとき、その「リース契約」が次の不動産オーナーにひきつがれない……といったマイナス評価も、この企業に与えている。

 アフターケアの手厚さで選ぶなら「Blue Raven Solar」社だ。

 製品の多彩さでは「Green Home Systems」社が一番だ。
 イノベーションの最優秀企業は「Tesla」だ。

 支払いオプションにかんして優れているのは「Momentum Solar」社。
 ソーラーパネルの最高ブランドは、「NRG Clean Power」社だろう。

 ※故障してもすぐに修理に来てくれないとか、ザラにあるらしい。


ベルギー政府は、硫黄やベンゼンを多く含む「ダーティ」なガソリンをアントワープ港からナイジェリアなど西アフリカ諸国へ輸出することを禁ずる。

 ストラテジーペイジ の2024-5-26記事。
   米陸軍の第四歩兵師団(コロラドにあり)は、その指揮官たちが部隊に対して、課業外の時間帯(午後5時~翌朝午前6時)にテキストメッセージやeメールを送信すること罷りならぬ、と禁止した。

 子どものいる既婚隊員にとって、課業外にスマホに上官からの着信メールが頻々と届くことぐらい迷惑なことはない。下っ端の二等兵なら、未読で開き直ることもアリだろうが、班長級の下士官なら、そうはいかない。大不評であった。

 「オフ デューティ・ハラスメント」は、携帯電話の登場とともに、浮上した問題である。

 「SE」アンドロイドとは、セキュリティがエンハンスト(拡張)された軍用スマホという意味で、米陸軍は2011年から導入を開始した。最初の商品は「アトリックス」と、タブレットの「ギャラクシー」だった。

 それらは、米軍が考える NWEUD=ネット・ウォリアー・エンドユーザー・デバイス に準拠している。

 ATAK (Android Tactical Assault Kit) と称する軍用スマホ仕様がアイホンにも応用されたのは2016年からで、特殊部隊はそっちを好んだ。

 その後、「MIL-STD-810H」という米軍スタンダードも画定されている。

 今日ではSEとATAKが結合され軍用規格をクリアしたアンドロイド・スマホが、ますます凄いことになっている。

 2023年時点ですでに、スマホがレーザー測距計、サーマル・カメラ、音源標定センサー、揮発性有機化合物(VOC)のスニッファー等の機能を兼帯するようになり、しかも、テキストメッセージを、電話会社の無線中継塔が存在しない土地で送信することもできるようになっている。

 アイホンが米国市場に投入されたのは2007年だった。
 2014年時点で、米国人の56%は、携帯電話機を持っていた。
 2024年のいま、米国人の96%が、携帯電話を使っている。

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 AFPの2024-5-26記事「Musk plans largest-ever supercomputer for xAI startup」。
   イーロン・マスクは、彼のAI事業のスタートアップである「xAI」社が「ギガファクトリー・オブ・コンピュート」と称すスパコンを建築するのに、これから巨額の投資をするつもり。土曜日に報じられた。

 このスパコンには、Nvidia社製のチップを10万個、組み入れるそうである。
 現存するGPU集積体の、最大のものよりも、すくなくも4倍は、デカいのだという。

 運開は2025年秋からとする計画。

 ちなみに、超巨大GPUクラスターを、メタ社は、自社のAIをトレーニングするのに駆使している。マスクも同じことをするつもりだろう。

 サム・アルトマンが率いるOpenAi社の「ChatGPT」と競えるようなAI体系への投資ができる金満起業家は、多くはいない。しかしマスクなら企画が可能だ。(マスクは2015のOpenAi立ち上げに一枚咬んでいたが、2018に離れ去った。同社が金儲けしか眼中になく、ビジョンが低劣なのが不満だったという。)

 xAI社のチャットボットの名前は「Grok」だそうである。「X」のユーザーは、これにアクセスができるようになる。

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 Defense Express の2024-5-25記事「Operating Range of russia’s New UMPB D-30 Glide Bomb Revealed」。
   露軍の「スホイ34」から4発の新型の有翼滑空爆弾(エンジン付き)をハルキウ市に向けてリリースした写真がロシア側からSNS投稿されているのだが、なぜか1発は翼が展張していない。欠陥品である。それを公開しているのだ。

 これで、ちょっと前に、露領のベルゴロド市に味方の爆弾が降ってきたという事件の謎が解かれた。

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 Boyko Nikolov 記者による2024-5-26記事「Every day, Russia produces 12,320 artillery shells at $1K each」。
   スカイニュースが報じた。コンサル企業の「ベイン社」の分析によれば、ロシアは2024年には450万発の砲弾を生産するだろう、と。
 本当だとすればすごい。米国と西欧を合計しても、今年は130万発の砲弾しか製造できない見通しだからだ。

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 2024-5-23記事「MIT scientists discovered how to make steel with electricity」。
   温室効果ガスの総エミッションのうち、7~9%は、世界の製鉄所の高炉が発生源になっている。

 そこでMITのOBが起業した。「ボストン・メタル」社。
 溶鉱炉でコークスを燃やしちゃあかん、と考え、電気と、溶液化学反応だけで製鉄するんだという。

 彼の考えているメソッドを使えば、溶鉱炉からの副産物は「酸素」だけになるという。
 溶融酸化物電解=MOEのセルを使う。

 その理論的可能性は2013年に公表されていた。
 そしてブラジルではすでにこの方法を使った製鉄所が稼動しているという。

 要は、鉄鉱石中に3割前後含まれる酸化鉄を、直接に、電気分解してしまう。それにより、いきなり粗鋼を得ることができるという(銑鉄という中間段階をパスして)。

 その、酸化鉄から剥ぎ取られた酸素が、溶鉱炉中の電極の周囲からあぶくのように出てくるわけだ。

 溶鉱炉中に浸されていながらみずからは形を保つ「電極」の製造がハードルだった。MITのOBらはそれを実現した。※この記事では詳説していないので別資料を参照したら、何かクロム合金素材を見つけたらしい。


英本土の「Coningsby」空軍基地にてスピットファイア戦闘機が墜落し、RAFのパイロットは死亡。25日の昼過ぎ。

 これで飛行可能なスピットがまた減ってしまった。まだ数十機は、あるらしいが。

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 AFPの2024-5-24記事「Last colonies: Pacific Islands still owned by other nations」。
   ニューカレドニアは人口27万人だが、ニッケル資源の埋蔵量は世界の第五位。電気自動車が普及すると、この資源の価値は上がる。
 昨年の全世界のニッケル生産の6%は、ニューカレドニアだった。生産量の順番では、世界第三位。

 原住民系はこの資源をあてにして、フランスから独立したがる。仏系支配層はそれに反対する。
 原住民系は中共と結託して移民を入れ、投票時に仏系をマイノリティにしようと画策。
 それで以前から仏軍が派遣されて流血騒ぎが繰り返されている。

 こことは別に、「仏領ポリネシア」もある。
 資源は観光だけだが、海面水位の上昇と、台風被害で、それどころじゃない。

 米領のグァム島と米領サモアの住民は、「米国領民」ではあるが「米国市民」ではない。これは何を意味するか。彼らは、米大統領選挙に投票する資格がないのである。 ※代表なくして課税されるとしたら、米国独立宣言の精神に違背していると指摘されてしまうが、どっこい、補助金を米本土から注入しているから、その非難は防遏されるのである。

 ニュージーランドは「トケラウ」諸島を保護領にしている。
 ※その位置がすごい。米領サモアよりも北にあるのだ。かんぜんな「飛び地」。

 英国は、「Pitcairn」諸島を保護領にしている。住民は50人くらいだ。1789年の戦艦『バウンティ』号の叛乱で歴史的に有名。※タヒチよりもさらに東方。

 ※かんけいないが、ノルウェーが南緯50度くらいのところにBouvet島を領有しているのもすごい。

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 Chris Jahn 記者による2024-5-25記事「Our Chemical Facilities Are Vulnerable To Attack」。
    米政府の予測。AI時代にはテロが進化する。上水道システム、輸送交通システム、金融システムに対する破壊工作には要注意だ。

 しかし、国内のケミカル・プラントへのテロ攻撃を予防せんとする米連邦法「CFATS」の期限は、昨年夏に切れて、そのままだ。

 この法律は、8万人以上いるケミカル産業従業員がテロリストと関係がないか、バックグラウンドを調べることを官憲に許す。それについて、ユニオンすら反対していなかったのだが、連邦上院は昨年7月、この法律を延長させないことに決めた。※上院をしてそうせしめた反対勢力が誰であったのか、この記事は書いていない。強いて勘繰れば、投資筋=経営陣?

 石油・ガス、水道、コンピュータ・チップ、医薬品……等々の、米国人にとってヴァイタルな加工工場に対するテロ攻撃を、敵が考えていないと思うか?

 ※このまえ、テレ東の番組を視て感心したのは、3D形状の樹脂板を射出成形すると同時に表面加飾もしてしまうNISSHA(むかしの日本写真印刷株式会社)さんの量産技術。手触りまでかんぜんに人の皮膚センサーをあざむいてしまえる。これを自動車内装パーツだけに適用させておくとは、西側軍用UAV業界のレーダーは節穴かと思った。樹脂製のUAVの外皮に、射出成形イッパツで、擦っても落ちない、耐候性の「ステルスコーティング」ができてしまうわけですよ。たとえばプロペラ部分に「完全黒体」をコーティングしたら、レーダーの映りはどうなるのか? デコイ用の超ミニドローンに、大型機なみのマイクロ波長リフレクターを全塗装したらどうなるのか? 機体の側面だけ、レーダー波を強く反射し、正面では逆に吸収する、そんな塗りわけをした低速機が蛇行しながら遠くから対艦アプローチしたらどうなるのか? 実験したいことが山ほどあるじゃないか。そんな特性を与えられた外板が、雑作もなく大量生産され得るんだぞ? それを「レプリケーター」に使わないで、どうするんだよ。


山林を歩くときは瓶入りのネイルグルー(シアノアクリレート系樹脂)を携行すれば「対羆」に効果があるのですか?

 AIの回答を聞きたいもんだ。

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 Nick Perry 記者による2024-5-22記事「Scientists say they can make zero-emission cement」。
    英国ケムブリッヂ大学の研究チームが、コンクリート原料のセメントを、カーボン・エミッション「ゼロ」で製造する方法を開発しつつあり。

 現状では、世界の旅客機が大気中に放出している二酸化炭素の3倍を、世界のセメント製造工場が、吐き出し続けている。

 彼らが着目する新製法は、既存の製鉄工場の某技術を転用する。

 『ネイチャー』誌に載ったというから、学会の期待の大きさもわかる。

 石灰石を高温の窯内で焼かないと、セメントにならない。その熱源は石炭の火である。
 焼かれた石灰石も、その工程で、二酸化炭素を出す。

 かくして、世界のセメント製造工場から、全人類の排出する二酸化炭素の8%が排出されている。
 この量は、中国と米国とを除いた、どの1国の二酸化炭素排出量をも凌ぐ。

 コンクリート需要は世界的に増える一方。現状では、毎年、140億立方メートル以上のコンクリートが打たれている。

 IEAは言う。セメント産業からのエミッションが逓減に向かわぬ限り、2050年のカーボン・ニュートラルなど実現は不可能だ、と。

 そこでケムブリッヂ・チームは、こうは発想する。
 電気炉で屑鉄を溶かしている。それと同じプロセスを、コンクリート産業も導入すればいい、と。

 すなわち、取り壊した建造物の、産廃コンクリートを「再生」して新建材にすればいいのだ。あたかも電気炉から高品質の特殊鋼を生産するように。

 セメントを、リサイクルしまくれ。
 セメント産業から、石灰石の窯焼き工程をなくしてしまえ。

 ※二酸化炭素を内部に閉じ込めた「気泡」のあるコンクリートパネルを開発するべきじゃないか。それは軽量コンパネなのに寒冷地における保熱効果が高いだろう。しかも、製造すればするほど、大気中のCO2 は少なくなる。それを「産廃」にして埋め立てたら、そのまま、CO2 を土中に埋葬したことと同じじゃないか。

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 Clyde Hughes 記者による2024-5-22記事「Pentagon says Russia ‘likely’ launched ‘counter space’ satellite」。
   ペンタゴンの広報官、パット・ライダー少将いわく。どうやらロシアは、またしてもASAT兵器を宇宙に打ち上げた。
 これはABCニュースの記者の質問に答えた。打ち上げは5月16日であった。その投入軌道が、米政府の某衛星と同一であると。ちなみに、LEO軌道のようだ。

 2019年と2022年にもロシアは同様の物体を軌道投入している。同じモノだろう。

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 Courtney Albon 記者による2024-5-23記事「National Reconnaissance Office launches proliferated constellation」。
   NROが、スペースX社の「ファルコン9」ロケットを使って、「細胞分裂する偵察衛星」を初めて打ち上げた。軌道上で複数個に「増殖」する仕組みだという。
 詳細は非公表。

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 Defense Express の2024-5-24記事「Ukrainian UAVs Hit russian Voronezh-DM Over-the-Horizon Radar of 6,000 km Observation Range」。
   クラスノダールにロシアのOTHレーダー「ヴォロネジ-DM」が建っているのだが、5月23日にそこを宇軍の特攻ドローンが複数、空襲して、簡単には修理できない損傷を与えたようた。

 真南からモスクワへ飛んで行く核ミサイルを、このレーダーで早期警報するようになっていた。それがぶっ壊された。ちなみに同サイトの真南にはアラビア半島あり。

 このレーダーは視程が6000kmもある。※電離層で反射する短波を用いる。日によって調子は変わる。

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 Bill Gertz 記者による2024-5-23記事「China catching up to U.S. in precision navigation; vows to ‘gain a competitive edge’ with satellites」。
   「ポジショニング(測位)」「ナビゲーション(航法支援)」「タイミング(精密時計機能)」を並べてPNTと略す。
 これまでは米国が仕切るGPSの天下であったが、ようやく、中共の「北斗」が、このPNT戦場でGPSに追いついてきた。

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 Patrick Tucker 記者による2024-5-23記事「First Replicator drones already in Indo-Pacific, DOD says」。
   「レプリケーター」の「インド-太平洋軍」への配備が、今月前半から、スタートしたという。
 レプリケーター戦略の主唱者であるカスリーン・ヒックスが語った。

 製品名は非公表だが「スイッチブレード600」でほぼ間違いないだろう。


ピープルズ・ライブラリアン・アーミー(人民図書館司書軍)。

 Boyko Nikolov 記者による2024-5-23記事「Blackwater: Russians respond with geolocation and fire back in 2 mins」。
    ブラックウォーターの創設者であるエリック・プリンスが、ウクライナ戦線に送られた米式装備について論評している。貴重。
 聞き手は、タッカー・カールソン。

 超高額な米式装備は、ウクライナの最前線では、生き残れていない。

 プリンスは強調した。低廉な弾薬を搭載したドローンの値段は1500ドルほど。これで、数百万ドルの戦車が破壊されているのである。

 米国軍はこれまで、いわば、ぼんくらの後進ゲリラを相手にしてきた。
 ロシア軍は違う。

 また、紅海を見よ。
 フーシは1機が2万ドル~5万ドルの無人特攻機を放っている。

 米海軍の駆逐艦はその1機に対して2発の艦対空ミサイルを発射する。それ1発が200万ドルだ。
 5万ドルの無人機を撃破するのに、400万ドルの税金を投げているのだ。

 米国は20年間、アフガニスタンのタリバンと戦い、同じタリバンにアフガニスタンを引渡した。この大失敗の責任を、誰も取っていない。この調子だから、ダメなのだ。

 『NYT』は報じた。米軍のシンボルである「M1 エイブラムズ」戦車すら、ウクライナではドローンに手もなくやられてしまうと。

 プリンスの鋭い批難。米ドルが基軸通貨であるために、米政府は赤字を気にしない。それで軍事費も不足しない。その結果どうなったかというと、政治力のある兵器メーカーが受注額を最大化するように、米国の政策が誘導されてしまう。「戦争に勝つ」ことは二の次になってしまうのだ。だから役にも立たない超高額兵器ばかりになる。

 そしてついに米軍じたいが、与国に対する兵器セールスマンと化し、往々、それを買った国の軍隊が使いこなすことができず、維持することも予算的に苦しいような、超高額兵器を、売りつける機関として機能するようになった。

 プリンスは指弾する。米国はウクライナに対して、時代遅れな武器を売りつけている。10年前に製造されて倉庫に眠っていた在庫品を貨物便に載せて渡すのだが、その代金コストは製造時の5倍に計上され、軍需企業とその関係個人だけがハッピーだ。ペンタゴンは、調達のコスト度外視という点では、とっくに腐り切っている。米国から渡された兵器では、リアルな戦場の趨勢は変わらない。

 というのも、敵も、学習して適応・進化を続けて行くから。1年か半年で、こっちの新兵器や新戦術に、対抗するようになるのである。

 ※カールソンは米TV局の主流から放逐され、プー之介に取り込まれた、牢人ジャーナリスト。プリンスもそれに媚びた発言を最後に付け加えている。そこは彼の言いたい部分ではないだろう。ところで米国指導層の奥の院では、無論こんな皮相な物事の捉え方をしていない。米国を戦略核で潰滅させられる唯一の敵国ロシアの下部条件を長期的に傷めつける外交は、米国の国益である。

 次。
 Oliver Parken 記者による2024-5-22記事「Army Tests Quadcopter Swarm-Launching Uncrewed Ground Vehicle For Clearing Mines」。
   ジェネラル・ダイナミクス社の陸戦兵器部門が「S-MET」という無人車のデモ・ビデオを公開している。
 車体の上半分はフラットな荷台で、そこに4本の柱が立っている。各柱は、じつは、5機のクォッドコプターを積み重ねた「塔」だ。

 すなわち、1台の「S-MET」から、20機のドローンのスウォームが飛び立つ仕組み。

 この1機のドローンが、それぞれ、1個の対戦車地雷をみつけて、自爆することによって殉爆させてしまう。 だから、味方の戦車が前進する路上の、20個の対戦車地雷を、処理することができるわけ。

 すでに旧ソ連の「TM-62」型地雷を夜間に処理できることが実験で証明されているといい、その動画も公表されている。

 次。
 Jennifer H. Svan 記者による2024-5-22記事「Air Force prosecutors win appeal of ruling that tossed out anime images in child pornography case」。
    米空軍の軍事法廷(控訴審)で3対0の判決。

 被告の曹長は、そのスマホの中に、33の静止画像とビデオを入れていた。
 それらはいずれもロリコンアニメ絵であった。
 描かれているキャラクターは、どうみても6~10歳にしか見えない。

 「軍事裁判の統一法典」によれば、アニメ調のイメージであっても、それが、児童の猥褻な、性的に明示的な行為を表現しているのならば、禁止である――と控訴裁判所は判示した。

 ※英米法圏では「判例」によって事実上の法律が創られて行くから、これは重要。

 2021年3月には別な空軍の整備兵が90日の重営倉を申し渡されている。こやつは、身長4フィートで思春期前の女児にしか見えないセックスドールとたわむれていたと――いうので軍法会議にかけられていた。

 ※このニュースを読んで、たちどころに「未来」が見えてしまった。明瞭な成人のプロしか出演していない「健全な」アダルト作品に、クラウドのAI変態変換ソフトを噛ませることによって、それを再生しているあいだ、そのユーザーの目にのみは、特定の変態好みのアマチュアの「禁止性交」が再生されるのである。今のAIなら、面相も体形も一括して加工変換できるだろう。これならば「所持」罪で告発され得ない。さらにその先がおそろしい。このクラウド変態変換ソフトを他人の端末に注入しひそませてやることにより、その他人を恥ずかしい冤罪に陥れてやることができるようになるであろう。