最新の★《続・読書余論》は、フランソア・カロン著『日本大王国志』・ほか です。

 https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

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 雑報。
 Bucha 村大虐殺の犯人部隊がネット上で特定されつつある。ヤクート族を集めた部隊にも容疑がかかっている。
 フィンランドとスウェーデンがNATOに迎え入れられる公算が、かなり高まってきた。超朗報じゃないか?

 未確認情報。ロシアのフリゲート『アドミラル・エッセン』に、対艦ミサイル「ネプチューン」がヒットしたと。

 ドイツはロシアの外交官40人に対し、5日以内の国外退去を命じた。
 駐リトアニアのロシア大使は、同国を出て行くように言われた。

 次。
 Joe STENSON 記者による2022-4-1記事「’Punishment from above’: Hobby pilots build Ukraine’s drone fleet」。
   ワインボトルサイズの対戦車擲弾を吊下できる、クォッドコプター。Lviv市内のアパートでウクライナ人レジスタンスが製造中である。

 このほか、固定翼機の砲兵観測用ドローンも、ここで整備している。

 メンバーは6人。すでに40機以上を特殊改造して、ウクライナ軍へ提供した。
 この6人は、戦前、ドローンのレースの同好者たちだったが、今次戦争で、殺人ドローンスミスへ転業したのである。

 この6人には、技術的な相談ができる外部協力者が10人おり、さらにオンラインでこれまで877人の同好者から知恵を貸してもらった。

 用いている素材部品は、市販品と、3Dプリンターによる自作品などを臨機に組み合わせている。
 ※ポーランド国境に近いので、中共製のパーツも随意に取り寄せられるはずだ。

 1機あたりの製造原価は、アイホンより安い。それで、対戦車攻撃が、できてしまうのである!

 費用は海外から同好者が集めて送ってくれる。クラウドファンディングだ。

 次。
 Lawrence Chung 記者による2022-4-3記事「Taiwan looks to develop military drone fleet after drawing on lessons from Ukraine’s war with Russia」。
   台湾指導部はようやく、国防におけるドローンの価値を認知した。ウクライナのニュースを見て。
 しかしドローンの戦力化に関しても台湾は中共に大きく遅れている。これから、急いで、追いつかねばならない。

 台湾国内で、UAV関連の技術を有している企業としては、「Thunder Tiger Technology」社、「GEOSAT Aerospace & Technology」社、「Coretronic Intelligent Robotics」社などがある。

 いずれもこれまで軍用モデルは設計してこなかったが、これからは関与してもらわねばならない。

 1990年代から軍用モデルを開発しているメーカーとしては、「Chung-Shan institute」社がある。

 「Chien Hsiang」というドローンは、片道自爆特攻機である。
 ヘルファイア×2基を吊下できる攻撃型ドローン「Teng Yun 2」も設計した。

 しかしどちらも量産はしてない。台湾軍からの注文がなかったからだ。

 中共の無人機技術は、はるかに先を行ってしまっている。たとえば「WZ-8」型UAVは、ハイパーソニックの無人偵察機なのだ。

 ※ロシアはウクライナに戦車を数千両も投入したわけではなのだが、NATOからの対戦車火器援助はすでに数千発に及び、さらに追加中である。これは重要な「戦訓」だ。この「戦車」が、東シナ海有事では「艦艇」に変わると考えねばならないのである。つまり、地対艦の誘導弾薬も「数百発」から「一千数百発」が必要になるのである。軍隊の指揮を受けている漁船や、上陸用の舟艇も、全部沈める必要があるのだ。敵はその隻数でこちらを飽和しようとするにきまっているので……。中期的にはGDPの2%を防衛費にまわせば、それだけの弾薬は平時からストックできる。だが短期的には、どうすればいい? 120mm迫撃砲弾用に、各種のPG誘導化キットを整備するのが、大急ぎのギャップ・フィラーとして有意義だ。テーザー付きの有線マルチコプターで観測すれば、電子妨害も凌げる。沖合い10kmで何十隻でも撃破できるだろう。15榴ではダメだ。中型ヘリで島嶼海岸まで持ち込めないし、敵のドローンからは位置が丸わかりで、掩蔽壕にもすぐに隠せるもんじゃない。

 ※120mm迫撃砲の発射陣地に敵歩兵が肉迫してきたとき、対歩兵用の「ゼロ距離射撃」を加えるにはどうすればいいか。この場合、弾頭信管を活性化させることは安全管理上できないので、「特殊装薬」を準備するしかない。つまり、弾頭信管に何がネジこまれていようが関係なく、砲口から水平距離で40mくらい飛んだところで、砲弾の尻から強引に起爆させてしまう、HEAT原理のマイクロ・デバイスである。それが、「特別減量装薬」と一体化しているモノを用意しておけば、緊急非常時に、何も考えずにそれをくっつけて発射するだけで、ゼロ距離射撃ができる。もちろん砲側員は壕内に伏せていなければ、破片で自滅するのだが……。


★《続・読書余論》フランソア・カロン著、幸田成友tr.『日本大王国志』昭和42年刊・ほか


最新の《続・読書余論》Upは、「仏教と道教 小特集」です。

 救いをもとめるのじゃ!
 《note》 https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

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 K. Oanh Ha 記者による2022-3-27記事「Russian tankers are going dark, raising flags on sanctions evasion」。
    AIS(オートマチック・アイデンティフィケーション・システム)を切って航行するロシアのタンカーが増えている。経済制裁の対象となることを用心していると考えられるが、海上事故の危険は増す。

 ダーク・オペレーション、すなわちAISを切って運航するロシアのタンカーは、従来は毎年14隻くらいであったが、今年3月25日時点、33隻が確認された。

 バイデン政権は3-8に、ロシアからの石油とガスの輸入を禁止。英国は年末までにロシア産石油を輸入禁止する。米・加・英は、ロシアの船舶を自国の港湾に入港させない措置もとっている。

 ダーク・オペレーションは「瀬取り」と連動している。洋上で、非ロシア船とランデブーし、並走しながら荷渡ししているのである。そうすれば、入港禁止措置をかいくぐることができるからだ。

 ロシア船がやって来られないなら、こっちから出かけるという業者もいる。
 一例。
 山東省の東営港は、勝利油田に隣接した中共の石油都市であるが、ここから1隻の米国船籍タンカーが2月25日に出航して、3月3日にロシア領海に入り、この船としては初めて、ナホトカ港に入港した。そしてナホトカ港を出ると、しばらくロシア領海内を漂泊。3月19日には、ウラジオストックのタンカー・ターミナルに寄港した。

 米政府によるロシア石油の禁輸令は3-8に発令されているのだが、経過の措置としてなお45日間は、旧注文の始末のための買い取り行動が許容されている。

 次。
 AFPの2022-3-27記事「Kyrgyz town mourns Russian soldier killed in Ukraine」。
   キルギスタンに、イスラム教徒の戦死者が、無言の帰国をしつつある。
 キルギスからも、ロシア軍に志願入隊することができるので、ウクライナでその戦死者が出ているのである。

 たとえばザリフリン市(キルギス第二の都市)で高卒後、ロシア軍に入った26歳の兵隊。3月14日にウクライナで戦死し、26日に遺族に引き渡された。

 キルギスは資源小国で、人口も700万人。全般に貧しいため、従来、若い男子には、ロシア軍への就職は、悪くない選択のひとつだった。

 キルギス政府は親ロシアである。徴兵もあり、その徴兵がロシア軍としてウクライナへ投入されている。そして戦死者が戻り始めた。たとえば昨年秋に徴兵された19歳の兵隊。

 ※これはよく周知されるべき話で、キルギスタンは名目的には独立国なのに、実質、ロシアの属国として、徴兵をロシアに差し出さねばならないのである。わが国にも、《露軍が攻めてきたならすぐ降服すればいい》などと真顔で騒ぐ者がいるらしいが、ロシアに征服されるということは、すぐに日本人が徴兵されて露軍兵士になって別な他国へ攻め込むということなのだ。

 葬式参列者は、外国メディアに対しては何も語るなよと政府から指示されているので、誰も口をきかない。犬だけが吠えていた。

 次。
 indomilitary の2022-3-26記事「Smart Bomb, Used by Russia in the Ukraine War」。
    「K029BE」、別名「UPAB-1500BE」という、コンクリート地下壕破壊用のスマート徹甲爆弾を、露軍はウクライナで使っているぞという宣伝が、ロシア・メディアからなされている。

 2019にお披露目されたときの謳い文句では、スホイ35から投下し、グロナスの電波を参照して、誤差は10mだという。弾重1525kg。そのうち炸薬が1010kgも入っているという。

 長さ5m×径40cm。
 この爆弾は高度1万5000mから落とされる。
 水平距離50km先からトス爆撃することもできる。

 ※ゼレンスキーを殺せないものだから、こんな爆弾があるんだぞと、宣伝だけしている。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-3-27記事。
   2021年度のドイツの国防予算は510億ドルであった。これはGDPの1.4%でしかなく、NATO共通公約である「2%」にぜんぜん足りない。
 そこで2022年度予算は、まず600億ドル弱にまで増やす。ただしそれでもなお公約水準には達していない。ドイツのGDPの2%ということは、国防費は720億ドルにせねばならんのである。


★《続・読書余論》 仏教と道教 小特集


お知らせ:兵頭kindle本『緊急護身術』はkindle for iphone・ ipadでも読めるようになりました。(管理人U)

 お世話になっております。

 兵頭kindle本『緊急護身術』ですが、iphoneで読めないとご連絡をいただいておりました。稀にあるらしく、KDP(Amazon)に連絡したところ、回答はまだですが、今は『利用可能な端末』にiphone・ipadが追加されました。


緊急護身術: 無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること

(管理人U)


最新の《続・読書余論》は、メーチニコフ著『回想の明治維新――ロシア人革命家の手記』・ほか です。

 https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

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 ドイチェヴェレの記事「Ukraine is using Elon Musk’s Starlink for drone strikes」。

   2月下旬、ロシアがウクライナに攻め込んだ直後、ウクライナのフェデロフ副首相がツイッター上でイーロン・マスクに対し、ウクライナでスターリンクが使えるようにしてくれ、と頼み込んだ。

 イーロン・マスクはすぐにツイッターの返事を書き込んだ。「ウクライナでスターリンクのサービスが開始されました。追加の地上送受信端末器材は発送済み」と。

 トラックでどっさり届けられた、このターミナル器材には、強力なバッテリーも付属していた。さすがはイーロン。

 英紙『デイリー・テレグラフ』の報道によれば、ウクライナ軍はこのスターリンクとUAVを組み合わせて活用している。

 すなわちスマホが使えなくなっている戦場環境で、長距離の情報連携をスターリンク経由で迅速化している。具体的には、UAVが偵知した露軍のAFV部隊の位置と動きを、最寄の味方のATGM部隊や砲兵部隊に連絡し、地上からの火力指向を速やかに効率的にコーディネイトするのだ。

 ウクライナの砲兵部隊は、スターリンク経由で、UAVが捉えている敵車両のサーマル映像を、リアルタイムで受け取ることができるという。それを見れば、弾着修正もできるから、もはや、地上のFOは必要ないわけである。

 『ロンドン・タイムズ』の取材によれば、ウクライナ軍は専ら夜間に、この砲兵観測用のUAVを飛ばしている。夜間であれば、露兵はまったくこのUAVを肉眼で見つけることができないからだという。

 ※しかも物陰に隠れて停車している敵車両のエンジンの熱が、昼間よりも強いコントラストで目を惹くだろうからな。

 3月に端末が配送され始めるやすぐに、イーロン・マスクは、ユーザーに対して使用上の注意を助言している(ツイッターで)。いわく。必要な通信をする時以外は、スイッチを切れ。使うときも、アンテナを、ユーザーからできるだけ離した場所に置け。

 これはどういうことかというと、ロシア軍は電波発信源方向探知機を持っているから、同じ場所から延々と対衛星通信電波を輻射しているアンテナの位置を、一定時間後には特定できるのである。そしてその座標に対して多連装ロケット弾を撃ちこんで来る。万一そうなっても、アンテナとユーザーが離れていれば、ユーザーは被弾しないで済むかもしれないわけ。

 ※わが陸上自衛隊には、この着眼があるように思えない。アンテナと指揮所(部隊長)の位置が近接しすぎてはいないか。70m以下では危険なはずなのだが、本管通信小隊の徒歩伝令が楽をしようとすれば、距離はゼロに近づく……。さすがイーロン・マスクのレベルになると、プロ軍人以上に行き届いたアドバイスができると見える。

 なお、マスクによれば、ロシア軍がスターリンクを電波でジャミングしようとしても、無駄だそうである。ソフトウェアにより、それを回避できるそうだ。

 ロスコスモスの長、ロゴジンは、マスクの対宇支援は民間人の活動を逸脱し、侵略行為加担だと罵っている。マスクはそれに対し、ウクライナの民間インターネットの調子がな~んか悪いみたいだから、弊社がそのメンテナンスを手伝っているのさ。通信状態の悪い原因は悪天候かな? ……とうそぶいて挑発している。

 ※『ドイチェヴェレ』の写真特集でハッとさせられたこと。ウクライナでは、バックパックやアクセサリーを製造するのが本業であった民間職人が、今、自発的に「防弾ヴェスト」を縫製して、ウクライナ軍に納めている、と。そうなのだ。べつにケヴラー素材や超硬セラミック素材が入手できなくても、金属鈑とナイロンとで、簡易型の防弾ヴェストは「自作」できるのである。何もないより、ずっとマシじゃないか。

 ※さらに雑報。かたや露兵は、1978年製の戦闘被服を、支給されているという証拠写真が、SNSに上がっている。

 次。
 Yolanda Monge&Elias Camhaji 記者による2022-3-26記事「US general: Russia has more spies deployed in Mexico than in any other country」。
   米軍北米コマンドのグレン・ヴァンヘレック大将いわく、GRUの工作員がいま、世界中からメキシコに集中されてきており、なんとか米国世論に影響を与えようと、そこでうごめいている、と。

 メキシコ政府が麻薬カルテルの取り締まりに関してまったく無能であるため、米墨国境をスパイが浸透するのはわけもない。中共もロシアも、そこを利用していると。

 ※在メキシコのロシア「難民」もだが、ウクライナ難民の中にもGRUが混ざっている可能性は、大アリだね。

 次。
 Elliot Ackerman 記者による2022-3-25記事「Ukraine’s Three-to-One Advantage」。
   記者は元海兵隊の情報将校で、イラクにもアフガンにも行っていた。

 じつはジャヴェリンには知られざる機能がある。それはミサイル飛翔体の方ではなく、ラーンチャー(CLU=コマンドラーンチユニット)に付いている暗視センサーだ。深夜に、なんと1マイル以上も離れた場所から、敵のゲリラがこっそりIEDを仕掛けていないか、克明に監視することができる凄いモノ。ここに数千万円の価値があるわけだ。だからイラクやアフガンで、敵は戦車なんか持っていやしないのだが、われわれ米兵は、必ずCLUをひっかついでパトロールしたものであった。

 ※援助するなら、暗視用の強力双眼鏡か……。兵器じゃない、とも言えるしな。


兵頭二十八 note

★《続・読書余論》メーチニコフ著『回想の明治維新――ロシア人革命家の手記』・ほか

(管理人Uより)

 兵頭kindle本『緊急護身術』。KDP(amazon)からは何の連絡も来てませんが、利用可能な端末にkindle for iphoneとkindle for ipadが追加されました。


緊急護身術: 無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること


春だ! 春といえばキチガイだ! そこで新刊、『緊急護身術:無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること』(Kindle版)ですよ

 わずか280円であります。
 特に、これから都会暮らしを始める人たちに……。

 次。
 SNS雑報。
 ウクライナ軍がCOTS(コマーシャル・オフ・ザ・シェルフ=出来合い市販品を組み合わせて合成)によって、簡易な攻撃型クォッドコプターをこしらえて、対露歩兵攻撃用に使っている動画がツイッターに出ている。

 V字状または馬蹄形〔?〕の、正体不明の軽量な爆発物を、上空でホバリングするドローンから真下に投下する。その爆発物には長い下向きピンが、金具の嵌め込み結合式にとりつけられている。着地した瞬間、そのピンの金具が地面に弾かれて脱落する。その瞬間轟爆するという仕組みのように見える。つまり安全装置・兼・着発信管の代用品まで考えたのだ。

 ネアンデルタール人並だったウクライナ兵も、敵の徴兵の露兵も、やはりというか、スレてきた。

 舗装道路の下を掘って爆薬を仕掛けたIEDで戦車を仕留めたと見られる写真もSNSに出ている。

 新兵が実戦初陣の弾丸の洗礼を運好く潜り抜けて生き残ると、あとは急速に古兵化する。平時なら数年かかる「老獪化」「狡猾化」が、1ヶ月にして成るのだ。

 もはやこいつらは、実戦しらずの自衛隊よりも要領のよい、怖い戦士に老成した。

 学ぶべし! 観戦武官を目一杯、派遣して、すべてを吸収するのだ。

 次。
 2022-3-26記事「EU signs US gas deal to curb reliance on Russia」。
   EUと米国が合意。今年の末までに米国からEUへ液化天然ガスを余計に売る。その増加分は、これまでEUがロシアから輸入しているLNGの10%ほどの量となる。

 次。
 ストラテジーペイジの2022-3-26記事。
   2006年から、スペースXが登場するまでの間、米国政府の衛星打ち上げ事業は、ロックマートとボーイングとロスコスモスが独占することが、米政府によって公認されてきた。しかし今次「露宇」戦争によって、いよいよ、その体制はぶっこわれること確実となった。

 ロックマートの打ち上げロケットは、「アトラス5」である。ボーイングのは「デルタ4」。そして、アトラスもデルタも、ロスコスモス社製の「RD-180」という第一段エンジンを採用しているのだ。

 2013年以降、やや小さい打ち上げロケットとして、ノースロップ社の「アルテミス」もある。こちらは「R-181」というロシア製エンジンを使う。

 ところがR-181には、2つのウクライナのメーカーの部品が使われている。その工場を今ロシア軍は砲爆撃して破壊しつつある。したがってR-181はもう米国へは供給され得ない。

 ミサイル攻撃されているウクライナの2工場のうちひとつは「RD-843」エンジンも製造している。これは欧州の衛星打ち上げロケット「ヴェガ」に採用されていて、それがISSへの補給に使われてきた。

 金欠体質のロスコスモスのQCが揺らいでいることは、2018の有人カプセルの空気漏れでバレてしまっている。ISS事業が2030まで続くとしたら、ロスコスモスの代わりは、スペースXが務めることになるだろう。

 スペースXの有人カプセル「ドラゴン2」は、ソユーズのカプセルとくらべて乗客1人あたりの輸送費が「三分の一」以下なのだ。もはや勝負あった。



緊急護身術: 無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること


『緊急護身術 ――無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること/兵頭 二十八著』を発売しました。(管理人U)

 お世話になっております。兵頭二十八ファンサイト管理人です。
 このたび『緊急護身術 ――無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること/兵頭 二十八著』をAmazon Kindleで発売しました。
 発行元は当サイト。H28FanSite。
 兵頭二十八収益多角化計画のKindle本部門担当は「(仮)」かもしれませんが……私です。

 もっとも、本文(兵頭二十八先生)と挿絵(S.H様)には私は一切タッチしていません(挿絵の位置指定や価格設定は私ですが)。

 ただし表紙は100%私の好み。私の超アバウトな注文に、表紙作成もお願いしたS.H様からラフが送られて来た時には「イメージ通り!」と嬉しくなりました。あんまり気に入ったので、私は2人を勝手に『サチ』と『ヒロスケ』と名付けています。ちなみに2人の関係は、赤の他人です。本文にも登場しません。

 ここまで全く『緊急護身術』の内容に触れていませんが……表紙に(私が勝手に)抜粋した通りの内容だと思います。


緊急護身術: 無差別殺人者の後ろをとったとき、あなたが社会のために考えること

 日本人が、目の前で人が殺されているようなときにも、誰も何もできないマヌケばかりだと、外国人や、社会の攪乱者たちに、思わせてはなりません。それでは、将来の日本人が、安全にならないでしょう。
 乱暴者や極悪犯罪者に、やられっぱなしではないぞという気概が、今と、この先の未来の日本社会には、満ちていることが望まれるのです。

 分量は多くないので価格は280円。たいへんお求めになりやすい価格になっております。Kindle Unlimitedにも登録しています。
 何をしたといって私は何にもしてない気がしますが、それでも、お読みいただければ、とても嬉しいです。
 よろしくお願いします。

(管理人U)

 2022年3月26日17時43分追記:

 現在『kindle for iOSが利用可能な端末に含まれていない』そうです。『Amazonの担当部門に調査・対応を依頼しました』と、KDPから連絡がきました。iOSをお使いの方、大変申し訳ありません。しばらくすれば解決すると思います。

 2022年3月27日22時15分追記:

 KDP(amazon)からは何の連絡も来てませんが、利用可能な端末に、kindle for iphoneとkindle for ipadが追加されました。 


最新の《note》は、「1問1答:ロシアが近々、化学兵器、生物兵器、核兵器を使ってきた場合、米国および与国が採ることあるべき報復のセットについて」です。

  https://note.com/187326mg/  を、ごらんください。

 次。
 Phil Stewart 記者による2022-3-25記事「Up to 60% failure rate for some Russian missiles in Ukraine, U.S. officials say」。
   不発におわったイスカンデルのほぼ完全なサンプルが、3月9日に、ウクライナ軍の手に入っている。

 ウクライナにおいて露軍の精密誘導兵器は、発射失敗率や不発率が、最大で60%もあることが分かった。

 ペンタゴンがとっている統計によると、ロシア軍はすでに1100発の各種ミサイルを射耗している。

 その半数以上が、正常に命中・爆発していないという。

 空中発射型の巡航ミサイル(Kh-555と、Kh-101)は、日によって、失敗率が20%から60%のあいだで変動している。

 次。
 Sean Spoonts 2022-3-24記事「Ukraine Update For March 24th」。
  なぜか露軍は、対空迷彩や、対空遮蔽が不徹底。
 履帯痕を消すという手順をかえりみないため、森林内に隠れたつもりでも、上空からは、バレバレなのである。

 次。雑報。
 露軍は戦車530両を喪失。ウクライナ軍は74両を喪失し、117両を鹵獲した。フォーブズ報。

 片足を蹂躙された大佐は、チェチェン・グループに護衛されて、ベラルシアの病院へ。戦車で襲撃したのは徴兵であった。

 東部戦線で、ロシア地上部隊が、味方のAHから空襲された。

 露軍に防弾ヴェストはあるが、中に挿入する金属プレートが足りない。


兵頭二十八 note

1問1答:ロシアが近々、化学兵器、生物兵器、核兵器を使ってきた場合、米国および与国が採ることあるべき報復のセットについて。(by 兵頭 二十八)


最新の《続・読書余論》は、立花隆『農協』1984年・ほか です。

 こんかいの《続・読書余論》は、農業大特集!
 キエフに対してプーチンは、現代の「備中高松城攻め」をやろうとしている。兵糧攻めの飢餓作戦。しかし包囲そのものが完成しないだろう。だからNATO側による「大高城兵糧入れ」が延々と続く。

 現代の国際人道法で兵糧攻めは禁じられているが、そんなの特亜とロシアには関係ねえ。
 すると、日本は大丈夫なのか?

 ……と思った人は、食糧安保について、学びましょう。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

 次。
 雑報。

 ウクライナの泥濘期は、あと1ヵ月、続く。

 米国はRPGのクローン「PSRL-1」をライセンス無断で製造しており、このたびマリウポリのウクライナ兵がそれを携えている写真が撮影された。

 露軍の攻撃型UAVが、じつは活躍していた。「Forpost-R」というもの。ウクライナ軍が森林中に隠した指揮通信所などを的確に探し出して、ピンポイント爆撃を加えている。

 露軍の将官が戦死するパターンが分かってきた。非暗号の電話で無線指示を飛ばしているため、その座標を電波標定されてしまうのである。そこへウクライナの長距離砲兵が榴弾を集中する。その結果、幕僚もいっしょに、名誉の戦死を遂げてしまうのだ。

 露軍はけっこうの数の「誘導砲弾」を、152ミリ榴弾砲から発射させている。一箇所で漫然と停止したままのウクライナ軍のトラックは、この餌食になる。観測にはUAVが活躍している。

 以下、私見。
 近年、ロシアで起きているのは「じじい反動」なのかもしれない。国際原油価格が上がる一方だった1960年代と70年代のソ連で青年期を過ごしたじじい世代は発言力をうしないつつあるだろうが、外貨がおびただしくソ連に入っていたその世代が確実に老齢年金を得られて60歳で楽隠居できていた、そんな姿を見て覚えている、それに続行する「新じじい世代」が、いちばん現状に不満で、「昔に戻れるはずだ」というプーチンの幻想宣伝に浸りやすいのだろう。プーチンと同世代の「新じじい世代」が、次々に露軍を駆り立てて侵略戦争を起こさせているのだろう。ソ連隆盛時代を経験もしていない若い世代は、しかし、もうひっかからない。ロシア本国でもドンバスでも、ドンバス分離政権の現実(経済的に少しも良いところなし)が分かってしまったから。ソ連式腐敗経済に未来などなかったのである。だからウクライナ内のロシア系マイノリティーも、こんかいは露軍には協力をしなかった。しても得るものなどないと知ってしまった。隣のドンバス分離政権を見て。これをFSBはプーチンに報告できなかった。それはプーチン世代の全否定になるからだ。

 隣国から侵略される危険を予期する諸国では、ふつう、幹線道路にあらかじめ「爆薬」を仕掛けるための穴と蓋とを用意しておいて、敵軍の侵攻が始まったら即座に舗装道路をクレーターだらけにできるようにしておくものだが、そんな簡単な準備すら、ウクライナ政府と国軍は、していなかった。しかし逆に見ると、だからこそロシア軍は、この泥濘期に戦争を始めても問題はないのだと思い込んでしまったのだろう。まさかポーランド国軍には、そんなぬかりはないよな? 泥濘の代名詞といえばまずポーランドなのだから。

 今、ポーランドに滞留している膨大な数の難民が、3週間後、露軍の敗退後に自宅まで戻ろうとするのに、廉価な「キャンピングカー」が、移動手段として必要になるはずだ。幌付きの軽トラのようなもの、あるいは、中古の自動二輪車でリアカーを曳かせるものでも、役立つはずだ。国境からすぐのポーランド領内に、こうした特殊車両を現地で改造して難民に大量に供給してやれるような「工場」を、日本が建てるべきだ。アナログ技術だけを使うものとすれば修理はユーザーでできるし、職工も全員、現地雇用でいい。「素材」は日本製にかぎらず、全欧から広範に集めればいい。タダ同然で大量に供給されるだろう(エコ規制で売れなくなるはずの型落ちの車両が)。難民救恤用だからEUの排ガス規制等は無視できる。これでポーランド国内には新しいビジネスができることになり、ポーランド政府の苦労も緩和される。これが大事なところだ。なぜかというと、今、中共がポーランドの地政学的な地位に目をつけていて、難民接受でカネに困りそうなところへつけいり、懐柔して取り込まんと、虎視眈々なのだ。それを許してはならぬ。

 次。
 Vladislav Inozemtsev 記者による2022-3-16記事「Russia’s default: believe it or not」。
   ロシアの対外債務は、無視できる額だ。2-18時点で、594億ドル。それはふたつから成る。ユーロ債の額面が181億ドル。外国人が保有するロシア・ソヴリン債が2兆9500万ルーブル。トータルでも、ロシアの2021年GDPの3.35%である。またそれは、開戦前のロシアの外貨準備ならびにGold準備の9.2%である。

 中共の国債の形では1千億ドル、ロシアは保有している。これは元建てである。
 そして2300トンの、貨幣用Gold。ドルにすると今のレートで1454億ドルだ。

 さらに、ドル、ユーロ、ポンドを、ロシア中央銀行は、キャッシュで抱えている。その額は300億ドル~320億ドルくらいだろう。

 これだけで、ロシアの発行したユーロ債の額面の1.5倍以上ある。だから、デフォルトにはなるまい。

 モルガンスタンレーによると、これからロシアは以下のような債券の利払いをしなくてはならない。まず3月16日に、1億700万ドルの利子の支払いが必要になる。また3月31日には、3億5900万ドルだ。4月4日には、1億ドル。

 ロシアの大蔵省が中央銀行からGoldを買い、それをユーロボンドを割り引く銀行へ現送したっていいのだ。25億ドルくらいまで余裕だろう。

 次。
 David O’Byrne 記者による2022-3-17記事「No magic tap for Europe to replace Russian gas via Turkey」。
   ロシア産ガスに、天然ガス需要の4割も依存してきた欧州諸国は、代替の供給源と供給路を探さねばならない。
 注目されているのが、アゼルバイジャンのガスをトルコ経由で受け取るというもの。
 そしてもうひとつが、イスラエル沖の、いざというときのために掘らないで温存している「リヴァイアサン」海底天然ガス田を開発しちまおうぜという話。

 イスラエルとトルコとの間にガスパイプラインを敷かねばならないが、その場合、中間地のキプロスがゴネ得(ガス田の領有権主張も)を狙うので厄介である。

 その面倒を回避するには、イスラエルから逆にエジプトへ向けてパイプ圧送し、エジプトにてガスを液化し、LNGタンカーで欧州へ向けて出荷したほうがいい。

 トルクメニスタンは世界第四番目のガス埋蔵量があるのだが、そこからカスピ海底を経てアゼルバイジャンを経てトルコを経て欧州にまでガスを届けるには、新規パイプラインの膨大なインフラ投資が必要になる。

 イラクのクルド人自治区にも、ガス田がある。そこからトルコまでパイプラインを敷くのは、安価で済む。
 ※これはトルコ人が喜ばないだろう。そのガス田はトルコのものだと思っているはずだから。


★《続・読書余論》立花隆『農協』1984年・ほか


《note》の最新Upは、津本陽・著『鬼の冠』平成3年刊・ほか です。

 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

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 Guy McCardle 記者による2022-3-13記事「Stuck In The Mud, The Structure Of The Russian Army May Be The Reason For Low Morale」。

 露軍の弱点は装輪車両のタイヤの質が悪いことだった。これのおかげでスタック続出。兵隊がヤル気をなくしてしまう原因になっている。
 だがもっと根本の問題がある。

 徴兵イジメだ。

 ロシアでは毎年40万人の、18歳から22歳の男子が徴兵されている。彼らは陸軍の他、内務省や国境警備隊などにも、割り振られて赴任する。

 志願兵の比率は露軍全体の70%である。一任期は3年。月給は米ドル換算で1100ドルくらい。もちろん徴兵より厚遇だ。

 これに対して、徴兵の任期は1年。軍事訓練はトータルで16週間しか受けない。将校や下士官からは、かなり酷く扱われる。腐敗した将校は、徴兵の俸給のピンハネすらしている。

 その月給は、なんと25ドルである。250の間違いではない。月に「二十五ドル」しか貰えないのだ。

 新兵いじめ〔ロシア語でDedovshchinaという〕は兵営の日常光景だ。性的虐待すらある。

 2009年には露軍の新兵の、普通ではない死(自殺を含む)が月平均30件あった。2010年以降はデータが非公表となっている。

 トラックによる補給や兵站支援を担当する後方段列は、ほとんどが徴兵をもって充てられている。士気が高かろうはずはない。

 だが第一線に投入される精鋭部隊、たとえば空挺の中にも、「三分の一」の徴兵(新兵)が混ざっているのが、露軍なのだ。

 プーチン自身が以前に出した大統領令によって、徴兵はロシア本土外の作戦に投入してはならないことになっていたので、なんと開戦前夜、これら徴兵はすべて「志願兵」ということに、強制的に身分契約が変更された。だから、クライナの最前線に、レベルの低い新兵もどしどし送られている。

 ※海外SNSに投稿されている根強い疑い。プーチンは末期癌治療の一環として投与されることのあるステロイド剤の影響で、気が立っているのではないかと。兵頭の私見。何かの理由で、「じぶんの持ち時間は限られている」と思い込んでいることはうたがいもないだろう。気長な駆け引きをする気がないのだ。ヒトラーも、自分が遺伝病で短命だと信じ込んでいたので、対英作戦を片付けないうちにバルバロッサ作戦を始めてしまった。要するにそれが彼の人生の最終達成目標だったのだ。

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 indomilitary の2022-3-12記事「Russia Allegedly Using Kh-101 Cruise Missiles, Signs of a Fleet of Strategic Bombers Starting to Exist in the War in Ukraine?」。
   ハリコフに対して「Kh-101」という戦略級射程の空対地ミサイルが発射されたことがビデオ解析で判明している。この発射母機は、ベアかバックファイアーかブラックジャックである。つまり核戦争用のとっておきの戦略重爆を、露軍はもう動員している。

 「Kh-101」の弾頭重量は450kgである。「Kh-102」は、その弾頭を核にしたものである。

 Kh-101は、ターボファンエンジンで飛ぶ。平均速力はマッハ0.58だ。高度は6000mと60mの間の低空。最大レンジは4500km。ブースターがついておらず、戦略重爆からのみ、空中発射される。

 シリアのISに対しては2015年から発射されている。

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 indomilitary の2022-3-13記事「Identity Revealed Kalashnikov KUB-UAV, Russian Kamikaze Drone in War in Ukraine」。
   露軍はキエフ市に対して、「KUB」という新型の自爆型無人機を発射している模様。この無人機はカラシニコフの子会社の「ザラ・アエロ」というメーカーで開発したもの。

 着弾前に撃墜された機体が写真に撮られ、それで判明した。

 形状は、ウイングレット付きの三角翼を高翼に配置し、プッシャープロペラ。それをカタパルトにより地上から打ち出す。大掛かりな装置を使うと、いちどに15機を放射できる。

 この自爆無人機の実戦初投入は、2021-12に、シリアのイドリブ市に対して。それは成功したそうである。

 ウイングスパン95センチ。30分滞空できるように設計されている。時速は130km。弾頭重量は2.7kg。
 リモコン可能な最大距離は65kmという。

 ※とうとう陸上自衛隊は、ダメな露軍にすらUAV装備面で後落してしまった。陸幕は何やってんの?


★《続・読書余論》津本陽・著『鬼の冠』平成3年刊


最新の《続・読書余論》Upは、藤原てい・著『流れる星は生きている』(1976中公文庫版)+ 朝鮮半島特集 です。

 子どもを連れた難民について理解したい人には、この小説をお薦めします。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をご覧ください。

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 Mihai Andrei 記者による2022-3-13記事「The other tragedy in Ukraine: animals in zoos and shelters are getting killed. So are their keepers」。
   キエフの動物園にひっきりなしに砲弾が降り注いでいる。動物、大ピンチ。

 何頭かの熊やライオン、虎は、ポーランドの動物園に移し終えたものの、他の動物は、行き場が無い。

 「エコパーク」で飼育されている動物に、3日に1回、餌を与えるために敷地に入った2人のボランティアが、ロシア軍の迫撃砲弾と機関銃弾に狙われて、死亡した。

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 Hanasee Wagh 記者による2022-3-11記事「Why Owls Are a ‘Spirit Animal’ For Engineers Building Quieter Aircraft」。
   フクロウは、同じスピードで飛翔する他の鳥よりも、風切りノイズが18デシベルも低い。
 その秘密は羽根にある。
 翼端形状が、飛翔中、変化し続けているのだ。それを解明しようと、懸命の研究がなされつつあり。

 翼面の上を流れる空気と下を流れる空気が翼の後縁で再合流するときに、少しでも渦状に乱れた挙動となれば、そこからノイズが発生してしまう。ノイズが起きないのは、合流が綺麗に行っているからである。
 その秘密は、どうやら、鋸歯状の翼後縁にあるらしい。

 すでにこの知見は風力発電塔の風車ブレードの後縁形状に応用されている。ハンブルグ市にあるジーメンス・ガメサ社によって。

 ※プロペラ飛行機も、もっと静かになるかもしれないわけである。「ドローン」の語源となった蜂の羽音も、消せるかもしれないわけ。

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 David L. Chandler 記者による2022-3-13記事「How to clean solar panels without water」。
   ソーラーパネルの表面に土埃がたまって、発電効率を悪くしてしまう問題。これを、水を無駄遣いしない方法で解決できないかとMITチームが考えたのが、埃に電荷を与えて、パネル表面にも通電して、瞬間的に電気的に反発させて、埃を跳ね飛ばしてしまうという方法。

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 APの2022-3-13記事「Official: Drone that crashed in Croatia carried a bomb」。
    クロアチアはNATOメンバーである。その首都ザグレブの郊外に墜落した無人機は、ウクライナの戦場上空から飛来した。そして機体を調べたところ、爆装していたことも分かった。

 機体は旧ソ連製である。クロアチアに到達する前に、ルーマニア領空とハンガリー領空も侵犯していた。木曜日の午後。

 墜落と同時に大きな爆発が起き、付近の駐車車両40台が損傷した。さいわい、怪我人なし。

 爆発物は、航空機から投下する正規の爆弾だった。

 地面には大きなクレーターが生じた。その土中から、機体を飛ばした国を特定する証拠の残片を拾い集めつつあり。

 この事件についてのNATOの反応があまりに及び腰で鈍いので、クロアチア政府が怒っている。

 NATOは飛行経路をぜんぶ追跡できているはずなのに、それをクロアチア政府には教えず、クロアチア政府はマスコミ報道によって漸く承知しつつある。

 クロアチアが怒るのも無理はない。いったい、ルーマニアとハンガリーの上空を延々と飛行している間に、なんで撃墜して阻止できなかったんだという疑問。防空が笊すぎるじゃないか。

 機体は「Tu-141」という偵察用の無人機で、1980年代のソ連製。同じ機体は今のウクライナ軍も持っていることになっている。

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 『Portsmouth Daily Times』の2022-3-13記事「DeWine, Ohio National Guard request law enforcement inventory of donatable personal protective gear」。
   オハイオ州のデュワイン知事は、州と郡以下の自治体の警察等、法執行諸機関に書簡を発し、余っている個人防弾装具があればそれを集めて寄贈して欲しい、それをウクライナへ送るから、と呼びかけた。

 この要請は、もっと上級の、連邦州兵委員会からの呼びかけに応じた措置である。特にボディアーマーとヘルメットが求められている。

 ※台湾では、今次ウクライナ戦争の教訓として、予備役兵の訓練召集がいままではお座なりすぎたと反省し、もっとその日数を増やすべきだと政府が考えているのだが、国民は不平顔だ。231万人も予備役がいるのである。

 ※原発の拠点防空用の「フラックタワー」の提案は、『兵頭二十八の防衛白書 2015』にて、していました。


★《続・読書余論》 藤原てい・著『流れる星は生きている』1976年 中公文庫 + 朝鮮半島特集


兵頭二十八の防衛白書2015