ジョージアに発生したクサギカメムシがトルコまで襲来。果樹・野菜園に大被害。

 この対策としてSamurai Wasp(東アジア原産の寄生蜂)を3万匹、研究所で培養して野に放つという。

 次。
 Ellen Nakashima 記者による2023-3-9記事「Biden to unveil nuclear submarine partnership with Britain, Australia」。
   米豪英の三国は、次の月曜日に、豪州海軍の原潜装備計画について共同発表する。

 2021-9にAUKUS構想が発表されたときは、米英どちらの原潜を与えるのか、決まっていなかった。

 最初の1隻は、米国製の最新SSNシリーズである『ヴァジニア』級を改良した新造原潜となる。中古の『ロサンゼルス』級などではなく。

 設計は、英国がする。『SSN-AUKUS』級と呼ぶ。
 豪州はそれを5隻、調達する計画。見込み予算として1隻が30億米ドル。

 1番艦は2040年代の引渡しになるだろう。
 そして2040年代の終わりまでには、豪州の造船所が、船殻を建造できるようにする。核動力の主機については、その後も米英に依存する予定。

 『AUKUS』級は、核兵器は搭載しない。

 豪州政府は、これから数十年のあいだ、総計1億米ドル以上を、この原潜のために注ぎ込むことになるであろう。多くは国内造船所への投資となる。

 しかし、専門家が疑問を投げかける。米国にしろ英国にしろ、その造船所は、自国海軍の新造需要を満たすので精一杯のはず。プラスして豪州を支援する余裕なんか、あるのか?

 乗員の訓練は2025以降に米海軍の『ヴァジニア』級を使ってスタートし、2032以降、豪州人の乗組員だけで操艦できるまでに育てる。

 核燃料関係の民間技術を豪州内に扶植することはない。豪州有権者の支持を得るためにはそれでいい。

 米国には原潜を建造できる造船所が2箇所ある。バイデン政権は、これをもう1箇所増やすべきかどうか、検討中だ。
 だが、増やすと決めたとしても、操業開始までには5年から8年はかかる話だ。

 ある専門家の疑念。原潜を建造できる造船所の立ち上げには、多数の核技師の雇用も必要。とうてい、10年未満で間に合う話じゃないだろう。また、既存の造船所でも、1隻の原潜を竣工するのには7、8年もかかっているのである。

 ※「防衛省オピニオンリーダー」という制度が令和四年度を以て終了と決まりました。この制度はたしか1999年からあって、その年の11月にいきなり「U4」で沖縄本島まで入間からダイレクト往復させてもらったインパクトはいまだに忘れられません。というわけで4月1日からは小生の肩書きはとてもシンプルになります。《名実ともにひきこもりの軍事評論家》と呼んでくれ。引き籠るからこそ、世界が読める。吉田松陰もそうだったろ?

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 The Council on Geostrategy’s online magazine の記事「Unseen but vital: Britain and undersea security」。
    英国は欧州大陸から海底ケーブルで電力を輸入している。露軍は必ずその切断を狙ってくるだろう。
 英政府は、現在、7440メガワットを輸入しているが、2030年までにそれを18ギガワットまで拡張しようとしている。ますます大陸依存度は高まり、ますます有事の英国の脆弱性は増す。

 これに、石油とガスの海底パイプライン網が加わる。英国からは、仏、ベルギー、オランダ、ノルウェー、そしてアイルランドに、海底パイプラインがつながっている。近々、そこにドイツとデンマークも加わる。露軍は必ずその爆破を狙ってくる。

 通信ケーブルは言うまでもない。英国からは60本の海底線が出ている。これを切られると国際金融決裁に重大な支障が出る。

 2017年にソマリア沖で1本の通信ケーブルが、船の碇によって切断された。これは事故であった。しかしインターネットが再びつながるまでに3週間かかり、そのあいだ、ソマリアは1日あたり1000万ドルを損し続けたと見積もられている。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-3-10記事「Russia Removed MiG-31’s Radar & Used A-50 AWACS To Strike Ukraine; Now Forced To Rely On Ground Control For Combat Ops」。
   ミンスク南方のマチュリシチ空軍基地を、ベラルーシのゲリラグループBYPOLが襲撃したのは2-26のこと。

 ロシア空軍が9機しか持ってないAWACSのうちの1機を損傷させた。この飛行機は3億3000万ドルする。

 この飛行機「A-50U」はすぐに飛行場を去ったことが衛星写真で分かっている。しかし『ユーラシアン・タイムズ』は、レドームと右主翼を小爆発で損壊させられているはずだと、やはり衛星写真から主張する。

 ルカシェンコは、この飛行機が損傷したことを認めているという。そのことは英政府情報局が3-9に公表した。

 英情報によると、同機は、タガンログにある露軍の修理工場へフェリー飛行した。そのさい高度が通常よりずいぶん低かった。これはキャビンの与圧ができなくなっていることを示唆する。

 別の「メインステイ」がベラルーシにやってくるまでのあいだ、同国基地からの露軍機の作戦は、地上の管制レーダーだけを頼りにしなくてはならないだろう。攻撃機も、護衛戦闘機も、シチュエーションがわからぬままに飛ぶことになり、命がけだ。

 空対地ミサイル「AS-24」やキンジャルを運用するミグ31K戦闘機も、同様だ。

 英情報部の把握によれば、ASMの発射母機となるフォックスハウンドは、機首のレーダーを降ろしてしまっているのだ。近代化改修工事の途中なので。
 いままではA-50があったから、それでもなんとかなったが、これからは外部情報ナシ飛行を強いられる。

 ミグ31はいま、3機がベラルーシ内に置かれているという。

 かたやウクライナ空軍は、米軍とNATO諸国のE-3やE-8ジョイントスターズから、ふんだんにISR情報を提供されている。この差が更に開いた。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-10記事「Russian Su-27 was set on fire at an airport near Vladivostok」。
   ウラジオストク近くの空軍基地で、駐機中の「スホイ27」の首輪下の地面にゲリラがガソリンを撒いて着火し、炎上させるビデオがSNSに投稿されている。
 「自由ロシア連隊」を名乗る、反政府ゲリラの活動だ。

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 2023-3-10記事「Belarus to mobilize 250 reserve officers」。
   ルカシェンコは、予備役の将校を250人、召集した。現役復帰だ。

 年齢27歳以下の230人を今年じゅうに陸軍に編入。別に20人を国境警備隊に編入する。

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 Thomas Escritt 記者による2023-3-10記事「Fake bombs and failed coup: Moldova smolders on border of Russia’s war」。
   モルドバでは、露系工作員が、「偽の動員令」で民衆を不安に落としいれ、政府を揺さぶろうとしている。
 この国の有権者は中立志向なので、こうした宣伝に影響を受ける。

 モルドバのGagauzia地方では、人々はトルコ系のGagauz語を母語とし、ロシア語でも教育されている。だから冷戦時代にレーニン主義の信奉者になり、冷戦後の世界について行けない。熱狂的なプーチン支持者が多く、そこが分離運動の中心だ。

 ※世界最貧国のなかでも、さらに民族差別を受けかねない集団があって、それがたまたまソ連時代の発電所のおかげで、人並な生活ができている。それを失いたくない。ただし住民の動機は後ろ向きなので、モルドバ政府軍と全力戦争する気もさらさらない。そこに露軍がつけこんで部隊を駐留させた。

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 Alison Bath 記者による2023-3-10記事「Retired Navy leaders pan proposal for early decommissioning of 6th Fleet flagship」。
    第7艦隊の『ブルーリッヂ』は2039まで現役予定だが、第六艦隊の『マウントウィットニー』(今はナポリ軍港が母港)は退役させる。艦隊の指揮専用艦である。

 他の強襲揚陸艦やドック内臓水陸輸送艦を改装すれば、その艦隊指揮機能は代置可能なのだという。

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 ドイチェヴェレの2023-3-10記事「Most Germans want compulsory military service return ―― poll」。
   ドイツは徴兵制を2011に終わらせたが、最新の世論調査によれば、61%のドイツ国民は、徴兵制を復活させるべきだと考えている。しかも三分の一以上の人は、女子も同様に徴兵するべきだと。

 この調査はパリにある「MORI」が実施した。

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 Defense Express の2023-3-10記事「Based on Ukrainian Military’s Experience, the US Army is Experimenting With Dropping Grenades from Drones, China Begin Production of ‘Flying’ Mortars」。
   米陸軍の戦技開発コマンドDEVCOMは、ウクライナ人の実践から着想を得て、マルチコプターから小型爆弾を正確に投下するシステムの研究に本腰を入れる。
 2月22日から24日にかけて、手榴弾をどのくらい正確に落とせるかの実験をした。

 投下母機にはSkydio社の「RQ-28A」というクォッドコプターが用いられた。
 投下メカニズムはDEVCOMが自作した。

 いっぽう中国でも、大型のマルチコプターから82ミリ迫撃砲弾を連続して8発、投下できるようにするシステムが、開発中である。


最新の調査では、共和党議員の40%が、米国はウクライナに対して兵器を援助しすぎていると思っている。これは昨年の春の調査と比べ、9%増えた。

 Marc Selinger 記者による2023-3-9記事「AeroVironment faces warhead supply constraints」。
    アエロヴァイロンメント社が泣き言を言い始めた。「スイッチブレード600」を大増産したいのだが、「弾頭」パーツが品薄で、そのため、完成品を思ったようにウクライナへ送れなくなっているという。

 じつは、「スイッチブレード600」の弾頭は、「ジャヴェリン」と同じ物。製造しているのはジェネラル・ダイナミクス・オードナンス社である。それを、「ジャヴェリン」のメーカーであるロッキードマーティン社が、先に奪ってしまうのだ。

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 Maciej Szopa 記者による2023-3-8記事「Su-57 Felon Scoring First Victories」。
    スホイ57が、昨年10月、ウクライナ空軍のスホイ24とスホイ27を撃墜していたという噂。
 このときウクライナ軍機はHARMによってベルゴロドの基地を攻撃していたのだが、スホイ57はそれを返り討ちにしたわけだ。話が本当ならば。

 ロシア側の宣伝では、「R-37M」という新型の長射程AAMの戦果だという。それはマッハ5で飛び、飛行機のような空中機動する目標に対しても距離200kmで当てられるのだという。

 「R-37M」は2023-2に不発弾がウクライナ側によって回収されているので、いつかは真相が公表されるだろう。

 ほんとうはS-300/400の手柄だろうという疑いも、根強い。

 スホイ57がウクライナ軍機を撃墜したと2023-2に報じたのは英国メディア。そのスホイ57は、キンジャルASMを吊下したミグ31の護衛機であったという。

 次。
 2023-3-8記事「Swiss weapons transfer to Ukraine linked to UN Security Council labeling Russia as aggressor」。
   スイス連邦議会の下院は、武器も弾薬もNATOには売らぬ路線を続ける。
 条件がある。国連総会でロシアが「侵略国である」と宣告されることだ。それには国連総会で三分の二の賛成が必要。ハードルは高い。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-3記事「Russia is returning to the concept of a multi-thousand tank fleet」。
    今のロシアのように戦車を全力で大量生産しようとするときに問題になるのが、改修のつみかさねによって戦車のバージョンが違っていること。

 たとえば同じ2022年に製造された「T-72B3M」と「T-72B」は、製造ライン的には、もう、大違いなのである。
 もしこれをひとつの工場でもろともに製造させようとすれば、「最大増産せよ」という目的を、合理的に追求することはできなくなる。

 すなわち、ロシア政府が最大量産を欲するのならば、戦車のバージョンが違うごとに、ひとつのそれ専門の工場を別に建てるべきなのだ。

 ロシア最大の戦車ファクトリーたる「ウラル車両工場」も、なにか1車種の大量生産に特化するべきなのだが、新型戦車の試作や、既製戦車の改修/整備、あるいは破損戦車の修理までもやらされている。これは国家総力動員体制としてまったく合理的ではない。それをさせている「軍政」が無能と評するしかない。

 昨年の9月、ロシアに2箇所の、まったく新規の戦車修理プラントが出現した。民間人の工員は合計して500人ちょっとらしい。その人数だと、ずいぶん小規模なスケールだ。

 ところが敷地面積を見ると、新工場のひとつは25万平米(モスクワ地区)。もうひとつは18万平米(ロストフ地区)。合計すれば、ウラル車両工場の半分に匹敵する。ウラル車両工場は2万人の工員を働かせている。

 これは何を意味するか。公表されていない公務員の職工が2つの新プラントに大量に配されるのか? さもなくば、集めるべき工員が集まっていないのか。

 推定だが、モスクワ新工場は、戦車の近代化改修の専門とするのではないか。そしてロストフの新工場は、修理の専門工場なのではないか。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-2-28記事「That’s why the sanctions don’t affect the T-90M tank production」。
    T-90Mの神経系統。弾道コンピュータ、昼/夜/サーマルイメージ視察カメラ、風センサー、砲身歪センサーを「R-168-25U-2」というデジタルステーションにまとめてある。

 このデジタルステーションは、しかし制裁前と後では、中味が違っている。
 西暦2000年の製品だと、ロシア製のパーツを40%しか使っていなかった。が、2017年時点では、ロシア製のパーツが80%に増えている。制裁のおかげで、西側製のセンサーやチップは使えなくなっているわけだ。

 デジタルステーションとは独立した器材もある。そこにもかつては輸入のチップ(Xilinx とか Altera)が使われていたものだが、今日ではロシア国内製の「5578TC084」や「5578TC064」というチップで代用されている。

 ※なんの問題もなくT-90やT-14は量産できるのだというロシアの宣伝をそっくり受け売りする記事で、この記者の立ち位置はどこにあるのか、興味が深まる。この記事がスルーしている現実のネックはなにか? ある西側チップの同格品を、少数ロット製造することと、急速に大量に製造したり調達することのあいだには、大きな懸隔があるだろう。必要なチップがジャストインタイムにひとつでも揃わないと予期されれば、西側の自動車製造ラインは操業を抑制するしかない。完成品に、ならないんだから。とうぜん、ある戦車を一、二両製造することと、100両、200両製造することとのあいだにも、時間の壁、資源の壁がたちはだかる。2014以前に輸入できた水準の工作機械を輸入ができなくなっている今、どうやって工場の設備を増強するのか。低品質工作機械をかきあつめ、代用品質バージョンを納品するしかないというのが、合理的な答えではないのか? そこから人々の目を逸らして、この記者は何をしたい?

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 2023-3-9記事「Missile attack on Ukraine: 81 missiles, including six Kh-47 Kinzhal」。
   ウクライナ空軍の発表によれば、今回、露軍は次のものを発射した。

 Kh-101/555 空対地巡航ミサイルを28発。
 海上発射式巡航ミサイルカリブルを20発。
 空対地巡航ミサイル Kh-22 を6発。
 空対地巡航ミサイル キンジャル を6発。
 S-300を13発(対地攻撃)。

 シャヘド136/131を 8機。

 また、8発のKh-31Pと、6発のKh-59(どちらもAAM)が、対地攻撃のつもりで発射されたが、これらはすべて、目標に到達しなかった。

 次。
 Defense Express の2023-3-9記事「Kh-101 Missiles Are Less Effective at Night, But russians Keep Shooting in the Dark」。
    ロシア製の巡航ミサイル、たとえば「Kh-22」や「Kh-47」は、夜は地形照合がうまく機能しない。そのため、基本的にこれらは、昼間に飛ばす。

 しかし今次戦争で例外的に、夜間に発射したケースがある。ひとつは開戦劈頭。もうひとつは2022-2-16。そして今回の2023-3-9だ。

 巡航ミサイルの誘導装置は大別して4つある。

 まず慣性航法システム。ジャイロだ。しかしこれは、西側最新のレーザージャイロ内臓チップを使っても、1分飛翔するごとに3mの誤差が蓄積されてしまう。旧式のジャイロスコープならば誤差はその3倍になる。
 要するに巡航ミサイルをINS航法だけで発射すると、3時間飛翔させた後では標的から500mも逸れてしまう。大都市を無差別に空襲する用途にしか、これは役立たない。

 次に巡航ミサイルは、衛星航法電波を利用することができる。だがとうぜんながら、衛星航法電波は、敵によって電波ジャミングやスプーフィングを受けてしまう。よって、これに頼るのも考え物なのだ。

 頼りになる航法システムは、TERCOMだ。
 巡航ミサイルから下向きにレーダー電波を発射して、地形を読む。それを、事前に記憶させられているMapデータと照合すれば、今、正しいコースを飛んでいるかどうか、自律的に確認できるのだ。

 TERCOMにも弱みがある。海面はもちろんだが、海面に等しいようなまったいらな地面がどこまでも続いている陸上だと、自己位置をロストしがちなのである。できれば、高い山や深い谷などの特徴的な起伏変化を辿れる、そんな地形Mapを参照したい。

 しかし現実世界には大砂漠もあれば大草原もあり、大森林や大氷原も多い。
 そこでDSMACが発明された。

 これも一種の地形Mapデータ利用システムなのだが、土地の標高変化をレーダーで辿るのではなく、道路の十字路のような、鳥瞰したときに特徴を識別しやすい参照点を、光学イメージセンサーによって、次々に見いだして行くのだ。

 DSMACは複雑な印象処理をしなければならない。季節や日時によって鳥瞰風景は変わるものである。夕方と朝方では影も変わる。夜の照明の有無によってもガラリとイメージは変化するだろう。そして、真っ暗闇で照明も無いとなると、もうお手上げだ。

 暗夜であっても地表が上空からありありと視認ができるような高性能な熱線イメージシステムは非常に重くなり、電力も喰う。しかも相当に高額なので、大量に発射して使い捨てする巡航ミサイルに搭載しようと考える者はいない。どこまで高性能化させたところで、霧や煙や偽装網やデコイなどによって、イメージセンサーは無力化されてしまう。そこへの投資はほどほどにしておかないと、資源と予算の無駄遣いだ。

 露軍の「Kh-101」は、さいきん、DSMACとTERCOMの両方をアップデートした。
 かたや露軍の「Kh-555」と「カリブル」は、TERCOMしか備えていない。

 ならば露軍はどうして敢て夜間に巡航ミサイルを発射したのか?

 おそらく、宇軍のMANPADSを回避するためだ。ウクライナ兵は昼間であれば目視で巡航ミサイルを発見し、MANPADSを発射して撃墜してしまう。
 しかし夜間であれば、目視で遠くの巡航ミサイルを発見することはできなくなる。

 だが、他の理由もあるかもしれない。
 たとえば、彼らのDSMACが、じつは低性能すぎるのかもしれない。不具合が多くて役立たないから、けっきょくTERCOM頼りとなる。それだったら、さいしょから夜間に撃った方がいい。

 あるいはまた、西側の経済制裁のせいで、DSMACの製造が間に合わないのかもしれない。
 あるいはまた、飛翔途中のウクライナの道路がいまや弾痕だらけとなり、都市もガレキの山と化してしまっているので、DSMACの戦前版の古い参照Mapが、もはや役に立たないのかもしれない。最新のMapデータの整備が、できていない可能性があるだろう。

 次。
 Defense Express の2023-3-9記事「ICEYE Makes a Difference: Ukrainian Intelligence Spotted and Destroyed Over 7,000 Targets Thanks to the SAR Satellite」。
    民間の衛星写真サービスICEYE。
 この会社からウクライナ国境や露軍後方地域の写真を買って、軍に寄付しようという民間有志の活動が5ヵ月前にスタートしている。

 いらい、この有志の発注によって1000枚近くの写真が撮影された。その結果、露軍の360箇所の幕舎、7321個の兵器の所在をつきとめることができたという。

 SSMやSAMの発射車両ももちろん含まれている。

 写真はSARイメージなので、夜間も雲も関係ない。

 クラウドファンディングは当初、バイラクタルのTB2を買おうじゃないかという方向だったのだが、それよりもSAR写真のほうがずっと価値があることが認識されつつある。

 ※雑報によると、「UJ22」という、見た目「セスナ機」の無人特攻機を、ウクライナは量産開始した。航続距離が3100kmもあり、搭載爆弾量は300kgだという。

 次。
 ストラテジーペイジの2023-3-9記事。
   第一次大戦と今次ウクライナ戦争とは、ちょっと塹壕戦の様相が違っている。どうしてか?

 今、露軍と宇軍は、総延長2500kmの対峙線で向き合っている。
 その2500kmの全部を陣地化工事することが、人手不足のために、両軍ともに、できていないのだ。

 WWIのとき、ロシア戦線は、総延長1300kmだった。そこに貼り付けた兵員は、数百万人だった。

 それに対して今、露軍が動員できている兵員は、数十万人というところ。とても2500kmの築城土工には足りない。

 次。
 Andrius Sytas 記者による2023-3-10記事「Russia can fight in Ukraine for two more years at current intensity, Lithuania says」。
   リトアニアの軍情報部長氏いわく。露軍は今の調子で、あと2年間は、戦争を続けられる、と。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2023-3-9記事「USAF Testing ‘Mutant’ Missiles That Twist In Mid-Air To Hit Their Targets」。

 米空軍が斬新なAAMを開発中である。これは敵の超高速ミサイルを空中で撃破するためのもので、なんと、ミサイルの「首」だけ、向きを変えられる。
 そしてこの「首」からショットガンにように破片を前方に飛ばし、すれちがった敵のミサイルを捕捉するという寸法なのだ。

 この最新「榴霰弾」技術を使えば、たとえば、我がAAMの後方から追い越すように飛んでくる敵の高速ミサイルの前路に、この「散弾」を発射してやり、その破片の雲の中に敵の高速ミサイルが飛び込むことで、自滅させるという運用も可能になる。


クラスノヤルスク選出のデニス・テレコフ議員がモスクワで「ベニテングダケ」の毒を盛られた。プーチンに忠実でなかったようだ。

 Phoebe Grinter 記者による2023-3-7記事「Gyro-Stabilized Automatic Aviation Cannon Developed for Drones」。
   UAVHE社は、ドローンに自動火器を吊下する場合の「安定化銃座」を開発した。バレルを俯仰させても「重心」が変動しない。また、ボルトコッキングは電動なので、空中で装填や不発弾排除ができる。
 弾倉は、小口径ならば容量が270発にもなる。

 発射反動や、それにともなう軸線のブレも局限される。
 メーカーは、これを有害獣の駆除用として提案しているが、もちろん対人用(軍用、特殊作戦用)にもなる。


 次。
 Parth Satam 記者による2023-3-8記事「Gaping Holes Between S-400 Radars & Low AWACS Sorties ? How Ukrainian Drones Are Exploiting The Gaps In Russian Air Defenses」。
   露軍のSAM配置には隙があるという。たとえばS-400は、隣のS-400レーダーとのあいだが70kmから75kmもあるという。この隙間は、ウクライナ軍の低速低空ドローンにとっては、容易に突破できる。

 それで、あちこちでドローン奇襲が成功しているのだ。

 ロシアは、防空レーダーを地上から40mも高く持ち上げるマスト装備を開発しているのだが、これの配備が遅れている。

 またAWACSのA-50の稼働率が低い。だから、ギャップを埋められないでいる。

 ドローンに50m以下の高度を飛行させれば、常に奇襲が成功する情況である。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-3-7記事「Ukraine lost 12 aircraft in March to Russia’s new air-to-air missiles」。
    ロシア空軍は新型AAMを投入し、3月だけでもウクライナ軍機を12機も撃墜した。
 このAAMはいままでよりも長射程。

 次。
 Lar Seligman 記者による2023-3-7記事「U.S. military eyes mounting Western air-to-air missiles on Ukrainian MiGs」。
    ウクライナ空軍の「ミグ29」からAMRAAMを発射させればいいんじゃね? ――と、米空軍が気付いてしまった。
 この改造は、案外かんたんに、できるらしいのである。

 米国はこれまで、ウクライナ軍にAAMを供与したことはない。これが初ケースとなるだろう。

 ウクライナ軍は、今から6~8週間後に、春季攻勢に出ようとしている。それに間に合わせる。
 選抜された地上部隊も、ドイツで猛訓練中だ。すべてのプログラムが、春季攻勢に照準を合わせているのだ。
 AMRAAM運用の関門と考えられるのは、こいつを発射する前には、母機のレーダーが標的を認知していないことには、話にならない。ミグ29のFCSとAIM-120をシステム上で結合せねばならん。

 旧ソ連のコンピュータと米軍最新のコンピュータは「言語」からして違うから、このすりあわせには苦労するだろう。

 ※理論的には、ポーランド領空を旋回するNATOのAWACSが、ウクライナ上空の特定のミグ29にキュー出しをして、そのミグ29のレーダーではまるで見えていない遠くの露軍機に対してAMRAAMを発射せしめることは、できるはずである。むしろE-3とミグ29の「通信リンク」を確立させる工事こそが、喫緊だ。これがうまく行けば、西側がウクライナに戦闘機をくれてやる必要もなくなる。AMRAAMの在庫は西側諸国内に唸っている。対峙線の上空を支配したあとなら、低速・低性能のCAS専用機も、爆弾のトス爆撃で大活躍できるようになる。その段階で、ロシア地上軍は2014いらいの占領地から追い出されるしかなくなるだろう。ざっとこのようなシナリオだろう。

 次。
 Eduardo Baptista and Greg Torode 記者による2023-3-8記事「Studying Ukraine war, China’s military minds fret over US missiles, Starlink」。
   中共の軍事専門家たちは、今のウクライナ戦争から、とりあえず二つの結論を導出している。
 ひとつ。スターリンク衛星を撃墜しなくてはならない。
 ひとつ。ジャヴェリンから支那軍AFVを、MANPADSから支那軍航空機を、防禦できなくてはならない。

 これは、ロイターの調査チームが、さいきん支那語で書かれた軍事文献をあらかた読み込み、その内容を統合することで、浮かび上がらせた。
 むろん、紙媒体だけではない。人民解放軍とかかわりのあるすべての大学、シンクタンクのオンライン投稿も、ロイターは目を通している。

 6つの文献が、スターリンクに大注目している。
 スターリンクは、次の極東戦争でも必ず大々的に駆使されると中共軍は信じている。

 そして、中共軍もまた、中共版のスターリンクを持たなければならないという。

 次。
 Kris Osborn 記者による2023-3-7記事「China to Arm Its J-20 Stealth Fighter With Lasers」。
    『ニッカンペキスポ』がまたフカしている。「殲20」がもうじきレーザー砲を搭載する、と。

 次。
 Poornima WEERASEKARA 記者による2023-3-8記事「China’s students leap ‘Great Firewall’ to get homework help from ChatGPT」。
    中共の生徒が、学校の宿題を「チャットGPT」にやらせて高得点を狙うチート行為。英語を操るスキルがあれば、中共政府の「金盾」を突破し、そのうえで、AIに支那語で「作詩」させることもできるという。散文の小論文なら、さらにわけもなく可能だ。

 外国の電話番号を購入し、それを経由してVPNを使えば、「金盾」ファイアウォールはバイパスできる。
 米国の番号なら5.5元、インドの番号なら1元だ。
 そして「AI Life」という「ウィチャット」のアプリにアクセス。1つの答えについて1元を払えば、チャットGPTがむずかしい数学問題を解いてくれる。ちょろいもんだ。

 先月、ウィチャットの親会社であるテンセントと、そのライバルのアント集団は、「チャットGTP」に人民をアクセスさせてはならぬ、と北京政府からきつく命じられた。北京の懸念は、それが中共党の権威や正統性をゆるがすことだ。外国発の政治プロパガンダよりもタチが悪い。

 読書感想文の宿題もあっという間にできてしまう。チャットGPTに尋ねると、新刊の章ごとの要約をしてくれる。登場人物やテーマも教えてくれる。

 学校の先生は、宿題のどの部分がAI代作なのか、見破る作業に追われる。
 困ったことに、じつは学校の先生も、AIに授業プランを作ってもらっている。だからAIを禁止することなどできないと、よく分かっている。

 ※近未来の方向はもう見えている。おそらく「留学」の意味は半減する。ほとんどの授業は「AI授業」で代行可能だから。とうぜん、大学の「一般教養」課程も、存在意味がなくなるだろう。AIは、現存のほとんどの大学の必要をなくしてしまうだろう。それでも残るところだけが、真に必要な教育機関ということになるはずだ。

 次。
 Tomohiro OSAKI 記者による2023-3-6記事「Machine magic or art menace? Japan’s first AI manga」。
    ぜんぶAIに作画させたSF漫画が日本で公刊された。

 作者(ペンネーム)は「Rootport」氏(37)。100ページの単行本を仕上げるのに6週間しかかからなかったという。
 もし、手描きだとしたら、1年かかる分量だ。フルカラーなので。

 版元は新潮社。3月9日にオンラインで先行発売。

 次。
 Jeremy Stillwagner 記者による2023-3-8記事「Japanese mayor commends US sailors for saving driver from burning vehicle」。
    奥入瀬市の市長が三月一日、二人の米海軍兵曹を人命救助の善行で表彰した。
 2名は三沢基地の海軍航空隊所属。

 2022-4-17に、街灯に衝突して炎上した民間車両内から運転者を救出した。
 初め、窓をブチ割ろうとしたが、運転者に合図して車内からウインドウを下げさせた方が早いと判断。それでドアのロックを外し、ドアを開けて、運転者をひきずり出すことができた。

 次。
 MARCIA DUNN 記者による2023-3-8記事「California company’s 3D rocket poised to make debut launch」。
    ケープカナヴェラルに新型宇宙ロケットの発射準備が整った。ほとんどの部品を3Dプリンターで製作することでコストを激減した「Terran 1」というロケットである。
 打ち上げは水曜日を予定。

 このベンチャー企業は、カリフォルニア州にある「リラティヴィティ・スペース」社。

 ロケットの全長は110フィートと、比較的に小型である。
 試射では、衛星は搭載しない。

 この「テラン」ロケットの85%は、3Dプリンター製。加州のロングビーチにある、会社所有の工場でこしらえた。エンジンも、自社製である。

 リラティビィティ社としては、ゆくゆくは3Dプリンティング比率をさらに高めたい。

 ちなみにスペースX社の「ファルコン」ロケットにも、3Dプリント部品は使われているが、機体全体のうちのわずかな部分にすぎない。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-8記事「Vaunted T-90M tank uses outdated power units inherited from T-72」。
   T-90Mのエンジンは「B92C2」という1130馬力のディーゼルで、これは「T-72B3M」と同じものである。
 ギアチェンジはマニュアルである。クラッチペダルを足で踏まねばならない。
 後進は、1段しかない。ひどく低速でバックするしかない。

 これはおそるべきことである。というのも中共の「99式A」戦車は、西側エンジンの技術を導入して、1500馬力ディーゼルを搭載しているのだ。中共のMBTは、いまやロシアのMBTよりも強力かもしれない。

 トランスミッションも油圧トルコンである。後進でも高速を出せる。

 ロシア・ソースによると、T-90Mのエンジンを分解してまた組み立てるには、3.5時間かかる。ちなみにT-80だと6~8時間もかかるという。

 要するにロシアの戦車は、被弾したその場でエンジンを直すことなど、ほとんど諦めるしかないのだ。

 西側戦車と、中共の「99式A」は、エンジンがモジュラーになっているから、エンジンまるごとを30分~45分で取り替えられる。これならば被弾戦車はその場ですぐに復活する。

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 Anna Skinner 記者による2023-3-7記事「Wagner Troops in Bakhmut are ‘Definitely’ on Drugs, Ukraine Fighter Says」。
    バフムトにおけるウクライナ兵士の印象。どうもワグネルの歩兵はクスリをやっているように思える。というのも、おびただしい戦死傷や酷い環境を、まるで意に介していないのだ。

 たとえば、ウクライナ陣地から猛烈に射撃されている中を、淡々と塹壕を掘っている。一人がタマに当たって斃れれば、別な兵隊がそのポジションにつき、同じように作業を継続する。そいつが戦死すると、また別な兵隊が作業を続行。
 こんなパターンを連続3日間、繰り返せる。どうも普通の精神状態じゃない。

 もうひとつの疑わしき風情。ワグネル兵の中には、冬なのに、Tシャツの者がいるのだ。覚醒剤かなにかで体温センサーが狂ってしまっているんじゃないか。

 だがワグネルは、囚人の志願兵が、契約任期中、麻薬にも酒にも手を出さないでいることを、解放除隊の条件にしている。それは表向きなのか?

 彼我の戦死者数比は、露兵7に対して宇兵1である。それでも敵は後退しようとしていない。
 戦場一帯、ワグネルの死体だらけだ。

 ※近未来の露軍にはどんな兵器が必要か? もう結論が出たと思う。それは「1人乗りの豆戦車」だ。旧日本軍の97式軽装甲車のサイズで可い。兵装は30ミリ機関砲が理想だが、それが重過ぎるのなら、30ミリ自動擲弾銃か、14.5㎜の単装でよかろう。半分、「決死兵器」だから、火器はじつはどうでもいいのだ。この単座の豆戦車を雲霞のごとく前進させる。ワグネル歩兵の人海戦術機能を、そっくり豆戦車で置き換えるのだ。従来の3人乗りMBTは、なまじ、3人乗りであるがゆえに、敵からちょっと撃たれると、逃げ出したいという生存欲を抑えられない。だから、停止位置でひきつづき交戦できるのに、一瞬で放棄されてしまい、あとはただの高額な鉄塊と化してしまう。投資が全部無駄になるシステムだったといえる。ひきかえて、単座の豆戦車なら、撃たれても、脱出欲求は起きない。なぜなら、車内の方が確実に車外よりも安全だし、たったひとりで火力交戦を継続できるからだ。さいしょから、火力発揮のときには停車するしかないシステムなので。よって、死を恐れないワグネル歩兵のような、死を恐れない有人スウォーム突撃軽戦車隊が実現する。自車の前後左右には、同じような豆戦車が何百両も密集して進んでいる。もし車外に出れば味方のタマに当たって死ぬと考えられるほどの乱射乱撃だ。NATO軍の砲弾もひっきりなしに降って来る。もし足回りが損傷して動けなくなったら、その場にとどまって、車内から火力戦闘をあくまで継続するしかない。この《戦車》には、もはや何のハイテクも要らない。西側製の集積回路も要らない。戦闘室バスケットも要らない。こんな戦法は露軍でしか、実現ができない。誰もこのシステムの真似はできない。


なんで初回はペイロードを半分にして、のこりの重量で緊急回収用のパラシュートやエアバッグやエジェクト用火工品を添えておくという用心深さを持てないのか?

 すくなくも衛星のパーツの一部は海上から拾い上げて「資源回収」ができるだろうに。

 いきなり1個数百億円の単体の新型衛星をかんぜんに海の藻屑にしてしまう博打を敢て選ぼうとする、その「自信過剰」が理解できない。

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 2023-3-2記事「SYPAQ Supporting Ukrainian Armed Forces」。
   豪州国防省がカネを出してメルボルンの「SYPAQ」社に開発させていた「PPDS」という固定翼ドローン。
 これを量産し、ウクライナ軍に寄贈することに。

 なんと、主翼と胴体は、厚紙でできている。

 それゆえ安価で、使い捨てができる。物品を味方に届けてもいいし、敵めがけて特攻自爆させてもいい。片道だと割り切ってしまえば、小型UAVでもレンジはずいぶん延びるものである。

 飛行速度は120km/時である。ポテンシャルとして60kmくらい飛ぶ。
 試用をすませたウクライナ軍は、とりあえず偵察用に使いたいと言っている。

 安価な自爆機がしごく大量に投入された場合、戦場の敵軍に及ぼすそのインパクトは、高額な有人戦闘機や高性能無人機が1機で与えるインパクトを凌ぐかもしれない。

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 AFPの 2023-3-7記事「Belarus Says Detained More Than 20 Over Attack on Russian Plane」。
   火曜日にルカシェンコが発表。露軍機に破壊工作を仕掛けた容疑者20人以上を拘束した、と。

 ベラルーシ国籍の者と、ロシア国籍の者。

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 Sviatlana Tsikhanouskaya 記者による2023-3-7記事「Western allies take note: if you want to beat Putin in Ukraine, target his wicked little helper in Belarus」。
   ロシア空軍のAWACS機である「A-50」を攻撃したわがゲリラ市民はすでに国外へ逃げおおせた。

 ※記者は2020の選挙でベラルーシの大統領に当選したのだが、プー之介の工作隊に支援されたルカシェンコ一派によって逐われている。

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 Jonathan Landay, Simon Lewis and Olena Harmash記者による2023-3-8記事「U.S. says intel indicates pro-Ukrainian group hit Nord Stream pipelines, NYT reports」。
   火曜日にNYTが報じたところでは、ノルドストリームを爆破したのは、ウクライナに肩入れする、何者かであったという。

 米政府が承知するところでは、ウクライナ政府中枢は、この件には関与していない。

 どうも下手人は、ロシア国籍もしくはウクライナ国籍の私人で、プーチンの所業に怒り、個人的に海底パイプラインを爆破したようだという。

 バフムトでは、ゼレンスキーは、攻勢的防禦を指導している。すなわち、露軍がわざわざこっちの塹壕陣地や特火点に人海突撃してくれているのだから、そのトーチカ陣地帯を土工で強化し、ますます多数の露兵を吸引して無限に出血させてやろうとしている。

 ※第二次上海事変の呉淞クリークの考え方だね。ファルケンハウゼンは失敗したのだが……。

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 Paul Goble 記者による記事「Moscow’s Cutback on Icebreaker Construction Opens Door for China in the North」。
   ロシアの砕氷船を建造している造船所は「アトムフロット」社というのだが、このほど、新造を計画されていた原子力砕氷船×3隻のうち2隻が、キャンセルされることになった。この決定は2月末になされた。
 計画では、3隻の就役は数年後のはずであった。

 ロシア政府は、その代わりとして、7隻の小型の、非核動力砕氷船を建造するという。ただしサイズが小さいので、薄い氷にしか対応できない。そうなると、北極海航路には使えない。

 これは何を結果するか?
 2017年から構想されている中共の「北極シルクロード」が現実の話になるだろう。中共も核動力の大型砕氷船を複数、建造しつつある。こっちの計画はノンストップなのである。

 げんざいのロシア沿岸寄りの北極海航路よりも、ずっと沖へ離れたところを、中共は自国船のための航路として開拓したいと思っている。そうなればロシアにまったく遠慮が要らなくなるのだ。

 中共が建造しようという砕氷船は1隻が3万8000トン。ロシアの大型砕氷船よりも5000トンも大きい。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-3-6記事「Winged JDAM Smart Bombs Are Now Operational In Ukraine
Australian Defense Force」。
    翼を展張して滑空し、指定されたGPS座標に自律誘導で突っ込む投下爆弾「JDAM-ER」が、すでにウクライナ空軍機に取り付け可能になったようである。弾薬も米国から供給されつつある。

 ただのJDAMは高空から落としてもせいぜい水平距離で15マイル先の目標しか狙えない。しかし「JDAM-ER」は、最大45マイル離れた目標をヒットできる。

 これを投下するウクライナ空軍機は、まず「ミグ29」か、「スホイ27」戦闘機となるだろう。これらはすでに「HARM」の発射ができるように機体を改造されているので、話は簡単なのだ。

 しかし「スホイ24」も、使えないわけではない。理想的とは言えないが……。
 また、理論的には「スホイ25」も、JDAM-ERを投射可能であろう。

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 Defense Express の2023-3-7記事「The U.S. Air Force Confirmed Successful Use of JDAM-ER by Ukraine, But so Far There are Not Enough of Them」。
    NATO空軍の司令官を兼務している在欧米空軍のジェイムズ・ヘッカー大将いわく。すでにウクライナ空軍は「JDAM-ER」を受領しているよ、と。投弾もされており、それはうまくいったそうだ。

 最初の爆弾は3週間前に引き渡された。ただし、数は少ないようだ。

 攻撃機は、低空で飛び、ホップアップして爆弾を投げ上げるようにリリース。あとは爆弾が滑空して敵目標を襲う。

 JDAM-ERの実用上のMaxの飛距離は72kmである。ただしそのためには、投弾機は、高度1万2000mを、亜音速の上限で飛ばなくてはならない〔A-10には出せない速度である。だからウクライナ空軍はF-16を欲しがる。A-10は要らないとしきりに騒いでいる〕。そんな高度では逆に敵のSAMにやられるリスクが大。よって現実には、超低空から投弾するしかなく、したがって、72kmも先の目標は攻撃できない。

 ウクライナ空軍保有の戦闘機が低空からJDAM-ERを投弾した場合、この爆弾は40km滑空してくれる。

 ※記事に添えられている図解によると、地上目標のターゲティングのためには、はるか後方の高空に、SARイメージ画像レーダーを持ったISR支援機が必要である。そのISR支援機がキュー出しして、低空の戦闘機に投弾をさせる。やはり優先標的は、敵の防空レーダー車両であるように見える。そして、爆弾の滑空距離は10~20浬(18km~37km)と書いてあるように見える。

 JDAM-ERの弾頭重量は、2000ポンド爆弾タイプで429kgもあり、それが厚さ3.3mのコンクリートを貫徹した後に爆発する。これで露軍の強化された前線指揮所を爆砕できる。HIMARSの90kgの弾頭では、それは不可能であった。

 ※雑報によるとヘッカー大将はこんな数字も明らかにした。2022-2以降、ウクライナ空軍は60機を破壊されている。かたやロシア空軍は70機を喪失したと。

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 Jonathan Landay 記者による2023-3-7記事「Exclusive: Ukraine seeks US cluster bombs to adapt for drone use, lawmakers say」。
   米軍が保管している大量のクラスター爆弾をバラし、その中味の240個の「子弾」をとりだし、ウクライナ軍のマルチコプター型ドローンからその「子弾」を露軍にAFVに対して1発ずつ投下したいのだが……というリクエストを、米連邦議会議員を通じて、米政府にしている。

 このクラスター爆弾は「マーク20」。別名「CBU-100」。航空機から投下するタイプ。
 リクエストを逓伝しているのは、下院軍事委員会に属するジェイソン・クロアとアダム・スミス。

 その前からウクライナ軍は、155ミリ砲弾のクラスター・タイプも要求しているという。
 DPICMという、HEATと破片発生を兼ねた子弾が88個、飛び散るタイプ。

 ウクライナ側は、先月のミュンヘンで、米下院議員たちにこの件を頼んだ。

 テキストロンシステムズ社は2016年をもって「マーク20」の製造を止めている。その以前はサウジ軍へ輸出もしていたが、やはり停止。それで、米軍が抱えている在庫は100万発以上だという。

 ロシア軍もウクライナ軍も、2014年のクリミア侵略からこのかた、クラスター弾を使っている。

 だから155ミリ砲弾のクラスタータイプ「DCIPM」を米国から供与してもいいじゃないかという話になる。それで宇軍の深刻な砲弾不足が緩和される上、米本土で廃棄処分するための費用もかからなくなる。米国はDCIPMを含めた古い弾薬の廃棄処分のために毎年600万ドルも費やしているのである。だったらそんなのはウクライナ軍にくれちまえよ、と人々が思うのは自然だ。

 すでに地雷や不発弾だらけになっている露軍の占領地に、この上すこしばかり不発弾が増えても、メリットはデメリットを凌駕するだろう。

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 Francis P. Sempa 記者による2023-3-4記事「China’s Leading Ideologist: Wang Huning」。
   『ニッケイ・アジア』によると、ことし67歳の王滬寧〔→2021-11-7の過去記事を見よ〕が、台湾攻略の方法についても熊プーから立案を任されたという。

 ※熊プーは人民解放軍を抑える理論を何も持っていないので、そこをカリスマ理論家の王滬寧に頼ろうというのだろう。だとするとこれから日米がいちばん警戒しなければならないのは、台湾国内の国民党(蒋介石一派の残党)だ。国民党陣営が大陸からの利権工作を受けて、台湾の自衛力をなしくずしに破壊する工作に励むだろう。昨年いらい、台湾徴兵の無意味無内容な訓練内容が暴露され、その背後には台湾軍の上層に巣食う国民党一派の意向があると強く推定される。米軍もそこに気づいたから、これから州兵教官を送り込んで「郷土防衛軍」「市民軍」の構築にかかると思う。軍隊の政治的腐敗を下のほうから浄化して行くしかないのだ。それがウクライナでは有効であった。


オランダの民間有志が、ウクライナの民生復興用に、自転車を大量に贈ることになった。

 オランダは地形がまっ平らなので、交通手段として自転車に賭ける意気込みが、欧州では随一である。すなわち、世界一であるといっていい。

 かたや、同じような平地のドイツでは、自転車よりも自動車が好まれた。これは「貴族・将校」の志向と関係がある。オランダの場合、「上層民」は自転車を見下さなかった。ドイツでは、将校が自転車を嫌った。

 このためヒトラーは、ドイツにもっともふさわしい「鉄道+自転車」ではなく、「戦車+自動車」で無理な再軍備をするしかなかった。これがバルバロッサ作戦を失敗させた、最大の遠因である。

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 Amelia Wynne 記者による2023-3-6記事「The Rolling Stones, Pink and U2 to perform at ‘Lviv Aid’: A-list music stars ‘asked to take part in Live Aid-style concert for Ukraine at Wembley this summer to pile pressure on Putin’」。
   ロンドンのウェンブリー・スタジアムにこの夏(6月24日)、ローリングストーンズ、U2などのビッグネームがあつまる。1985の「ライヴエイド」のスタイルのチャリティで、収益をウクライナ難民の救恤に投ずるのだ。

 テレビ中継もされる予定。
 この第一報は『ザ・サン』紙である。

 1985の「ライブ・エイド」も同じコンサート会場だった。このときはエチオピア飢饉災害の救恤金を募ったのである。

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 Rostyslav Khotin 記者による2023-3-4記事「The Rumble Over Russian Composer Tchaikovsky At An Elite Ukrainian Conservatory」。
   いま、ウクライナの国家指導部は、作曲家のチャイコフスキーをどう扱うべきかで、悩んでいる。

 じつはチャイコフスキーは、ひいじいさんがウクライナのクレメンチュク出身。もちろんロシアの作曲家だと世界的にも認定されている。ならば「チャイコフスキー国立音楽大学」は「キーウ音楽大学」に改称するべきなのか?

 「非ロシア化」は開戦後に各都市で実行されている。たとえばプーシキンの銅像は複数が撤去されている。

 もともと音大の創設時には「キエフ音大」だったのである。それは1863年だった。
 それが1940年に、「チャイコフスキー国立音楽大学校」と改名された。チャイコフスキーの生誕百周年だった。

 今回の改名問題は、中国と関係がある。じつは中国には、「チャイコフスキー国立音楽院」の海外キャンパスがあるのだ。
 そして中国人の音大学生たちの間では、「チャイコフスキー音楽院」の名前に、「モスクワ音楽院」と並ぶステイタスがあった。
 その名前が「キーウ音大」に変われば、中国人学生から見たときの、学校の価値が下がってしまう。

 中国人の学生があつまらなくなれば、本校の収益とステイタスに悪影響があるだろう。さりとて、露軍を後援している中国人にそんな気兼ねをしている場合かという非難もあるだろう。というわけで、ウクライナの文化大臣は、悩みちゅう。

 チャイコフスキーは、生涯に二度だけ、キエフにやってきたことがある。1890と1891だ。そこで地元の作曲家のミコラ・リセンコに会い、サンクトペテルスブルグの劇場でリセンコ作のオペラ「タラス・ブーリバ」を上演しないかと働きかけた。だがリセンコが、歌詞と台詞をロシア語に直すことを拒否したために、この企画は実現しなかった。

 チャイコフスキーの第二交響曲は、別名「ウクライナ交響曲」という。ウクライナ民謡のモチーフが使われているので。当時のロシア人は、ウクライナのことを「小ロシア」と呼び、この第二交響曲も、そのように呼ばれていた。

 チャイコフスキーのオペラ「マゼッパ」は、プーシキンのロシア帝国主義むきだしの詩作「ポルタワ」に基づいている。ウクライナのコサックにイワン・マゼッパという親分がいたのは史実である。

 しかしチャイコフスキーがパトロンのフォン・メックに宛てた1878の書簡では、じぶんは全きロシア人だと強調している。1891の知人宛ての手紙でも、同様に。

 なお、日本の複数のプロ交響楽団は、チャイコフスキーの『1812序曲』の演奏を、今次開戦以降は、拒否し続けている。

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 2023-3-1記事「Sabanto Delivers Autonomous Tractors to US Space Force」。
   イリノイ州のサバント社は、無人装輪トラクター×2台を、米宇宙軍のパトリック基地に納入した。
 クボタの「M5」農業用トラクターをベースに改造したものである。

 宇宙軍といえども、飛行場やロケット打ち上げ場近辺の地面を整地したりする土木工事は必須である。
 この無人トラクターは、1人のオペレーターで何台でも動かすことができるので、人手不足の今日、とても重宝するであろう。

 浮いた人力は、屋内作業に振り向けることができる。

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 2023-3-6記事「Iranian Fateh-110 missiles. Photo from open sources」。
   英『フィナンシャルタイムズ』によると、ロシアはイランから地対地弾道ミサイルを買うことをためらっている。なぜなら、それを口実に、西側諸国がウクライナに、HIMARSよりも長射程の地対地ミサイルを供与する流れになりそうだからだと。

 特にロシアはATACMSを恐れている。

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 2023-3-5記事「US Army Trials New Parachute System for Vehicle Airdrops」。
   米陸軍は、トラックなどを輸送機からドロップするための物料傘を、まったく新しいものにする。
 従来は、ハニカム構造の段ボールのようなものを鉄板とともに下敷きに使っていた。
 新型の物料傘は、エアバッグを下敷きとする。RRDASと称する。

 これによって投下から物料回収までの一連の必要時間がいちじるしく短縮される。
 たとえばドロップゾーンで受取る側は、従来だと斧や円匙を使ってハニカムクッション材を剥がす作業が必要であったが、RRDASならそんな必要はない。

 RRDASには着地の瞬間にアウトリガーを出す安定メカニズムも備わっているので、車両の着地姿勢は常に水平である。重心が高くても、横倒しになったりしないのだ。

 RRDASは、ことしいっぱい、テストが続く。ユマ演習場にて。
 部隊配備は2025年からになるだろう。

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 Defense Express の2023-3-6記事「How Soon russian Armored Train Will Arrive in Ukrianian Frotlines and Why russia Started Using Them in the First Place」。
    ロシアが古い「装甲列車」を引っ張り出してきている。
 なぜこのような装備が今も頼りにされているか?
 それは、ロシアの兵役適齢人口が減少しているため。対NATO戦線と、対支戦線の両方に同時に兵力を貼り付けてはおけない。
 東西両戦線のあいだを、兵員を満載した列車を走らせることで、人手不足を補おうというのである。

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 Alex Lawler 記者による2023-3-7記事「Exclusive: Russian crude oil heads to UAE as sanctions divert flows」。
    UAEがロシア原油を大量に買い取って売り捌いている。西側の対露制裁を弱める行為だ。

 タンカーの動きのデータは基本的にすべて、筒抜けである。
 そこからわかったこと。1500万バレルのロシア原油がUAEに引き取られている。

 また、サウジアラビアは、ロシアから、燃料油を輸入して、火力発電所で燃やしている。
 そうすることによって、自国産の原油から燃料油を精製する手間を省き、それだけたくさん、自国産の原油を輸出して一層稼ぐことができるのだ。

 ※ロシアからのこうした輸出はダンピング価格なので、大いに儲かるとはいえない。トータルでは、2022-2とくらべて2023-2のロシアのガス&石油輸出の稼ぎは「半減」したと、『ブルームバーグ』は報じている。制裁は、効いている。

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 Herbert Maack 記者による2023-3-3記事「Ricin’s Round Two: Germany Prevents Another Islamic State-Motivated Bioterrorism Attack」。
   ドイツ警察特殊部隊は1月7日に、32歳と25歳のイラン国籍の兄弟をウェストファリアで逮捕した。

 こやつらは「青酸」ならびに「リシン」を使ったケミカル・テロを大晦日に計画していたという。

 だが必要な原料を揃えられず、実行を日延べした。
 それを最初に探知したのは米国FBIで、ドイツ警察は米国からの通牒により、こやつらを逮捕した。FBIは犯人のIPアドレスを追跡しており、それで居場所を絞り込めた。※表には出てこないがNSA案件やね。

 ドイツ警察によるとこの兄弟はISのサポーターだという。
 2015にドイツに入国。2016に「キリスト教に改宗したためにイラン政府に逮捕され収獄される」と訴えて、長期滞在権を得た。兄のほうは、それから2023までは犯歴なし。

 弟のほうは、2019に酩酊して歩道橋から高速道路へ重さ10kgの木の枝を投げ落とし、懲役7年。

 ところでリシンをどう使うつもりであったのか。じつは2018年にチュニジア人の夫婦が、某所において、「リシン爆弾」を炸裂させようとしたという。それはもし実行されていれば1万3500人を殺したかもしれないという。
 この亭主は懲役10年、女房は8年を言い渡されたという。

 この未遂事件もじつは、米国の情報部局からの通牒により、ドイツ警察が逮捕に至ったもの。

 メルケル政権は、限られた警察資源を「極右」の監視にばかり投入させていたのだ。イスラミックのジハーディストの動きは、野放しであった。

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 Defense Express の2023-3-6記事「The russian ‘Stealth’ Was Fake: Research Shows no Radar-Absorbent Coating on Kh-101 Missile」。
    ウクライナ領内で撃墜した「Kh-101」の表面コーティングを解析したところ、ロシアは「電波吸収剤」をちっとも開発できていないことが判明した。

 さらに「Kh-101」の機体は、アルミ合金を主材とし、一部にはステンレススチールを使っている。今日主流である複合材料は、ラダーとアンテナ(電波高度計と、衛星航法電波受信用)のカバーにしか使われていない。これでは「ステルス」には、ほど遠い。

 機体外皮の「厚さ」を減ずることができれば、2ギガヘルツ~12ギガヘルツのレーダー電波を吸収できるのだが、ロシアの巡航ミサイルは、その「薄さ」を達成できておらず、レーダー電波を反射しまくりである。

 Kh-101はステルスであるとロシアはさんざん宣伝していたが、実態はこのザマであった。おそらく「スホイ57」も、宣伝のみのステルスなのであろう。

 Kh-101がステルスではないということは、露軍はこれを実戦で飛ばす場合には、ひたすら超低空飛行プログラムによるしかないということである。さもなくば西側諸国の防空レーダーによって容易に探知されて撃墜されてしまう。

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 Defense Express の2023-3-6記事「Ukrainian Pilots in the US: Why It’s Not About F-16 But A-10 or Maybe Even More Interesting Options」。
   報道では、ウクライナ空軍から米国に派遣された実験台のパイロットは、アリゾナ州のツーソンに所在する、と。それに該当するのは「デイヴィス-モンサン」基地しかない。

 デビスモンサン基地には米空軍として唯一の「A-10」訓練部隊がある。まちがいなく米空軍は、ウクライナ空軍にA-10をくれてやるかどうかを、見定めるつもりだ。

 もしF-16のパイロットを教育すると初めから決めているのなら、同じアリゾナ州でもフェニックス市近くのルーク空軍基地の方がはるかにそれに適している。それをわざわざデヴィスモンサンにしたというのは、A-10絡みだ。

 ※敵軍支配地の上空には決して入らず、そのずっと手前の低空から空対地兵装を抛り出してすぐUターンするという用法に撤するのなら、A-10でじゅうぶんである。それならSEADのフルセットを与える必要もない。今、ミル8でやっていることをA-10でさせるというだけだ。もちろん兵装は無誘導ではなく、終末誘導の滑空爆弾になるだろう。この用法に撤すると、とてもよいことがある。万一SAMに被弾して墜落するとしても、墜落場所はかならずウクライナ領内となる。だからパイロットは捕虜にならず、その口から米空軍のF-16教育の秘密がロシアへ漏洩することにもならない。米空軍は、早くお払い箱にしたくてたまらぬA-10を一掃してしまえる。他方でそのメンテナンス義務は発生するから、A-10関連工場のある地元連邦議員も満足する。

 次。
 Defense Express の2023-3-5記事「Israel’s Elbit to Supply the Unnamed NATO Country With the 155 mm Self-Propelled Guns And Missile Systems Worth $252 Million」。
    欧州の某NATO加盟国が、イスラエルのエルビット社製に、155ミリSPや地対地ミサイルを2億5200億ドル分も発注した。

 国名は伏せられているが、手持ちのSPをウクライナに寄贈してあいた穴を埋めるための発注であることは間違いない。すなわちその国はデンマークだろう。デンマークは「カエサル」を寄贈名目で厄介払いしたのだ。

 ※雑報によると宇軍が夜間にマルチコプターから60ミリの迫撃砲弾を投下するようになった。この迫撃砲弾は米国から供与されたものらしいという。こういう地味な弾薬援助が、今の戦況では、武器援助政策として合理的で正しい。訓練時間はほとんど不要で、整備教育も無用。無駄撃ちで費消されてしまうこともなく、即効的に着実に敵歩兵の数を減らし、敵軍の支配域を歩一歩と後退せしめ、戦争を終局に誘導するから。

 次。
 Ashish Dangwal 記者による2023-3-6記事「Japan Mulls ‘Ditching’ Fighter Jets To Intercept Intruding Warplanes; Will Test UAVs That Can ‘Hunt The Hunter’」。
   『ニッケイ・アジア』によると、航空自衛隊は、「RQ-9 リーパー」もしくは「バイラクタル TB2」の購入を考えている。

 これをしかもスクランブル用に使うのだという。まず無人機によって、侵入機が何なのかを見極める。中共は無人機を多用するはずなので、尖閣あたりで、いちいち有人機でスクランブルをしていられないから。

 ※私のアドバイス。イスラエルから適当なUAVを買え。イスラエルからいろいろなものをちょこまかと即買いするというビジネスライクな関係を、今から築いておけ。これが将来の役に立つ。米国からのFMSでは、カネをむしられるばかりで、しかもガチガチの守秘義務に拘束され、現場の不満度はMaxに高まるだろう。その点、トルコのメーカーは優秀で鷹揚で良心的なのだが、親分のエルドアンがぜんぜん信用ができない。しかもカナダとの関係でエンジンの維持にも不安がありすぎる。ウクライナのエンジンメーカーになんて頼れるかい、という話だよ。

 次。
 Alex Wilson 記者による2023-3-6記事「Destroyer USS John Finn arrives in Japan ahead of USS Shiloh’s decommissioning」。
     イージス駆逐艦『ジョン・フィン』(アーレイバーク級)が横須賀に土曜日に入港した。
 サンディエゴを発航したのが2月16日だった。
 第7艦隊の、第71タスクフォースの、第15駆逐隊に入る。

 このあと、イージス巡洋艦の『シロー』がパールハーバーへ行って退役する。その穴埋めなのだ。

 2017進水の『ジョン・フィン』は「フライト II A」。最も早く2020-11に、SM-3のブロック2Aを発射して、弾道弾を迎撃してみせた。

 艦名のもとになっている、ジョン・ウィリアム・フィンは、WWII中の海軍中尉として議会名誉勲章を受章した人物。真珠湾映画に出てくる、カネオエ飛行場でたったひとり、ルイス機銃にとりついて日本軍機を射撃していた、あの男である。

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 Sam Hunter & Joel Elson 記者による2023-3-6記事「Terrorists Will Use Artificial Intelligence, Too」。
   AIが「チャットGPT」のスタイルで、オンライン経由で即座にいかなる難題にも答えてくれるようになれば、テロはものすごくはかどるだろう。

 たとえば、「毒ガスをてっとりばやく造りたい」とAIに尋ねれば、何をどこで調達してどのように調合すればいいのか、瞬時に、懇切丁寧に、教えてくれるわけだ。

 したがってテロの企画者はもう、闇サイトで「化学の専門知識があってテロに賛同してくれるオーバードクター」などを探してリクルートする手間もリスクも必要がなくなってしまうだろう。

 ※ふと思ったのだが、「ChatGPT」が無料もしくは低廉料金で普及すると、「競馬」の予想はどうなるんじゃ? 「AI予想屋」という新商売ができるだろうが、無料のチャットGPTの的中精度がすぐにそれに追随し、さらには凌駕するという流れになるんじゃないか? ユーザーが「高倍率でなくてもいいから、着実に稼ぎたい」とAIに頼めば、広く大量に、安全馬券ばかりを、オンラインでAIが代行して買い集めてくれる。もちろん全国の地方競馬を網羅するのだ。重賞レースなどには目もくれず……。こういうプロギャンブラーの流儀を、もし、個人ではなく「企業」規模でやったらどうなる? 独自開発のAIを囲い込めば……? ケチな妄想がどこまでも膨らむぜ!


1945年製の艦載高角機銃を銃塔ごとAPC上に無理やり載せた改造車を露軍が前線へ投入しつつある。

 Courtney Kube and Carol E. Lee 記者による2023-3-5記事「Two Ukrainian pilots are in the U.S. for training assessment on attack aircraft, including F-16s」。
   いま、ウクライナの空軍パイロット2名がアリゾナ州のツーソンに派遣されていて、彼らがF-16の操縦をマスターするのに何ヵ月かかるものなのかの実験台になっているという。

 この実験台の人数はこれからさらに増やされてデータを取られる。とりあえず追加で10人。

 実験は主にシミュレーターを活用し、実機は使わない。

 ※データ取りが目的なので、シミュレーターは「A-10」でも試すことであろう。その調子が意外によければ、まず「A-10」をくれてやろうという話になるかもしれない。殊に年寄りパイロットをわざわざF-16にコンバートさせても投資効率は悪く、諸資源の無駄となってしまうはずだ。A-10をあてがうのがちょうどいいかもしれない。

 通常、F-16を飛ばせるようになるまでに18ヵ月かかる。米政府に言わせると、ウクライナはあと18ヵ月も戦争したいのかよ、という話だ。

 しかし空軍の部内者の一部などがマスコミに、素質のあるパイロットなら半年とか9ヵ月でコンバート可能だと証言する。そうなると庶民ウケを狙う連邦議員どもが「早くF-16をくれてやれ」とか騒ぐから、米政府としては、とにかく実データを揃えて、科学的に政策を説明できるようにしたいわけ。

 将来、ウクライナ人のパイロットを特訓するとしても、それは30人くらいだろう。
 30人で戦争を終らせられるもんじゃない。

 下院軍事委員会のコリン・カールの言うところでは、ウクライナ空軍は最終的に50機から80機のF-16によって、今のスホイやミグを更新する必要があるだろう、と。

 しかしこれから新造するF-16を数十機も揃えるのには6年かかる。中古機を渡すなら2年でできる。
 そして米国が負担するその費用は110億ドルになるだろう。

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 Mike Hanlon 記者による2009-3-2記事「Mortar Stowage Kit brings automation to the battlefield」。
   ※古い記事です。

 120ミリ重迫は、砲身と床板と2脚がコミで重さが300ポンドもあるけれども、これを最初から一体の形で、ミニトレーラーから地面に下ろしてくれるシステム。陣地を撤収するときにはまた、地面からトレーラーに掬い上げてくれる。操砲員は、アームを動かすボタンを押すだけ。アームは油圧と電力で動くので、人手がかからない。

 これを使うと、重迫の陣地進入や撤収が、たったの3分で済んでしまう。
 つまり、HMMWV+ミニトレーラーで、120迫撃砲が事実上、「自走砲化」するのである。班員の人数も減らせる、大発明だ。

 3分で撤収ができてしまうとなると、敵軍は、対迫レーダーを持っていたとしても、この重迫の座標に対して「撃ち返し」をすることは不可能である。

 BAEシステムズ社が、米陸軍から588個のM326を受注したのが、2007年9月のこと。総額は2050億ドルくらいではないかと見られる。本格量産は2009-6からスタートさせるという。

 ※写真を見ると、ミニトレーラーに弾薬も積まれている。だから万一、弾薬に被弾して殉爆しても、HMMWVは無事だ。

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 Defense Express の2023-3-5記事「Ukrainian Warrriors Use the American M326 MSK Super-Trailer, Which Turns the Mortar Into a Self-Propelled Mortar」。
    120ミリ迫撃砲は、欧米製の最新のものでも150kgのシステム重量。旧ソ連製だと200kgを越える。

 2007年にBEA社が最初の受注をしたとき、この自動布置キットの値段は、1式が2万3600ドルであったという。安い。

 米陸軍の空挺部隊も愛用している。

 ※州兵が装備している写真がネットでヒットするので、州兵の現用兵器をウクライナに供与してやっているのかもしれない。さてそうなると気になるのは、かつてアフガンで大活躍していた、GPS誘導の120ミリ迫撃砲弾だ。まだ相当の数量が米軍の国内外の弾薬庫にストックされているはずだ。それをいよいよ放出するのではないか?

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 2023-3-4記事「Sputnik V vaccine creator strangled to death in his Moscow apartment」。
   ロシア版の新コロワクチンである「スプートニクV」を開発したアンドレイ・ボティコフ(48)が、扼殺死体で発見された。モスクワ市内の自宅で木曜日に。

 1人の侵入者がベルトを使って殺したとの情況証拠/証言あり。
 警察は29歳の容疑者を拘束している。風俗商売に関して刑務所に10年いた前科者だという。

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 2023-3-3記事「Hurricane Airprox operator fined £3000」。
   イギリス人マーク・バギュリーは、2022-7にRAFが「ハリケーン」戦闘機の実物をデモフライトさせたイベントを撮影すべくドローンを近くに飛ばし、パイロットと観衆に重大な危険を生じさせたというので、このほど裁判所から、罰金3000ポンドを課されたうえ、禁錮6ヵ月、執行猶予1年を言い渡された。100時間の勤労奉仕も義務付けられており、来年5月までは、勝手に旅行することは許されない。

 ※こういう確信犯的な阿呆は、ウクライナ戦線で「ご奉公」させた方が宜しかろう。

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 Gary Mortimer 記者による2023-3-5記事「DJI stops selling Aeroscope」。
    DJI社がとつぜん、「Aeroscope」の販売を止めると決定した。これは、半径10km以内を飛んでいるDJI製マルチコプターの位置だけでなく、その操縦者の位置までも把握ができてしまう、有料のソフトウェアである。

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 Svetlana Shkolnikova 記者による2023-3-3記事「US to send bridge-launching vehicles for tank deployments to Ukraine in new $400M aid package」。
    米国から追加でウクライナに送られる装備の中に、「M60 AVLB」が含まれていることが分かった。

 装甲架橋車で、M60戦車のシャシの上に、尺取虫式に折りたたんだカンチレバー橋桁を背負わせたもの。油圧で展張できる。その上をいちばん重いMBTが走っても折れない。

 ※この公表はショルツ訪米の直後なので、こういう意味なのだろう。レオ2ばかりあったって、宇兵がそれを野砲的に運用するのではいつまでも戦争のラチがあかない。機甲戦力は機甲戦力としてフル活用させる。それには架橋戦車も必要なのでとりあえず米軍手持ちの古いAVLBを与える。これにより、レオ2だけでなく、重すぎて浮航ができないM2ブラドリーも、いたるところで露軍の背後へ回り込ませられるようになる。M1エイブラムズは来年の寄贈になるが、ブラドリーはすでに続々と搬入されているから、喫緊の支援車両であった。またこの車体とエンジンの整備にウクライナ兵が慣れてくれると、将来、台湾などに大量にある中古のM60戦車をウクライナへ増派できるようにもなるだろう。その穴は新造のM1を売りつけて埋めればいいのだ。なお、架橋戦車は川を越すだけが能ではない。露軍はクリミア半島の付け根に「マジノ線」もどきを工事中だが、その数線の対戦車壕を任意の数箇所で超壕させねばならぬ。まずはそれに使う気だろう。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-5記事「Civilian truck is secretly transporting UK Spartan APCs to Ukraine」。
    英国は昨年の開戦いらい、ウクライナに「FV103 スパルタン」APCを送り続けているが、その輸送方法は謎であった。このたびビデオが公表された。

 どうやって搬入しているのか?
 民間の大型トレーラーが使われている。ロシアの衛星によって探知されないように、トレーラーは、フルアルミパネル。したがって中味が何なのかは、誰にも窺い知れないわけ。完全にカバーされた荷台に、スパルタンが2両、入ってしまうのである。

 スパルタンAPCは、自重が11トン。固定武装は7.62ミリ機関銃×1だけだ。

 ※衛星やドローンから見下ろされてもいいように最初から考えることが、これからは、あらゆる兵器を設計するときに、基本的に要求される着意だ。援助用の車両兵器は、できれば「鉄道/船舶用コンテナ」(20フィートコンテナ)の中にそっくり収納できる外寸にするのが理想的である。大きくするばかりが能じゃない。無人化時代、スウォーム化時代の今日では、むしろ小さくまとめておくのがとても有利。「武器援助外交」の自由度、オプション幅が、ぜんぜん違ってくるのだ。

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 2023-3-5記事「OTO Melara Mod 56 105-mm howitzer in service with the Ukrainian Armed Forces」。
    ウクライナ軍は、スペインの演習場で、イタリア製の「オットーメララ Mod 56」105mm野砲の操法を習い覚え、げんざい、ドンバス戦線で使用中である。
 スペイン軍が2022-11に6門、寄贈した。

 この野砲の砲身は、14口径長。
 最大射程は10km。

 大砲は、かんたんに12個のパーツに分解できる。つまりこいつは「山砲」だ。
 イタリア軍は、バラした「Mod 56」を騾馬に駄載して山地機動させるつもりで設計させた。

 防楯をとりつけないことにした場合、この野砲は、そっくりM113APCの内部に収納できる。M113は浮航ができるから、砲兵は、フェリーを頼まなくとも、簡単に渡河させられてしまうわけだ。

 「Mod 56」は、世界の30ヵ国の軍隊によって、採用されている。

 ※こういうのが、尖閣諸島や先島群島の防備用に、便利このうえない装備であろう。ところで、ラバに駄載できるということは、いちばん重い砲身部分でも重量が110kgくらいになるように設計しているはずだ。これは何を意味するかというと、インドシナ戦争中にベトミンやベトコンが駆使した「輸送用自転車」によっても、楽々と搬送できるということ。なにしろ1台で200kgくらいは平気で吊るしていたのだ。さすがに2人がかりで押すのだが、それでもラバの秣の心配をしなくてもいいメリットは絶大だったろう。そこでとつぜん話が変わるのだけれども、読者の中に「自転車の改造」が趣味の人はいないか? ベトナム戦争中の輸送用自転車をリアルに再現したものでひとつ実験をやってみたいので、ご連絡ください。その写真を小生の次著の中で使い、お名前を紹介するというのが、報酬になります。


わ、わ、わしらはワグネル少年団♪ 爆誕。

 2023-3-3記事「Russia’s Wagner Mercenary Group Launches Youth Club in St. Petersburg」。
    サンクトペテルスブルグに11月から「ワグネリョノク」(少年ワグネル団)という組織が立ち上がっているという。
 高校生が60名くらい所属しているという。少女も入団可能。

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 Defense Express の20233-4記事「Massive Missile Attacks May Soon Come to Halt, russians Looking for a New Tactic in Ukraine War ? Ukrainian Military」。
    ウクライナの南方軍の見立て。
 露軍の都市攻撃用ミサイルは底を尽きつつある。今後は、海上と空中から、少数ずつを発射するようになるであろう。

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 Josh Luckenbaugh 記者による2023-3-3記事「Power-Hungry Navy Ships Require New Engine Tech」。
    海軍艦艇は、何もしていないときでも電力を消費している。これを「ホテル需要量」と称している。現状、この電力をまかなうためには、主機とは別に、発電用の小型ディーゼルが回っている。

 これから建造される艦艇の、トレンドのひとつ。ディーゼルと電池のハイブリッド。プリウスのディーゼル版だと思えばよい。
 レーザー砲を発射するときなど、急激な電力のピーク需要が発生するであろう。従来のシステムでは、ガスタービン発電であろうと何であろうと、それに対応し難かったので。

 実験的な駆逐艦『ズムウォルト』の場合、内燃エンジンとスクリューのあいだにメカニカル・リレーが無い。完全電動モーターのみの推進。システム構成は、2基のガスタービン発電機+2基の補助発動発電機+2基の交流電源モーター。
 ただしこのシステムの燃費は、理想的とはいえない。

 これからの海軍は、省エネと省人を、もろともに追求しないといかんのだ。

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 2023-3-4記事「Russia reports a drone attack on an oil tank」。
    ロシアが報じた。ベルゴロドにある「トランスネフト-ドルジバ」石油パイプライン施設が、1機のドローンによる攻撃を受けたと。金曜日の午前に。

 爆装特攻機は、ラズミノイェ村にある容量3000トンの、カラッポの貯油タンクに、1平米の穴を開けたという。

 爆装特攻機がどこの国籍なのか、ロシアの報道は、沈黙している。

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 Sam Skove 記者による2023-3-3記事「A Lack of Machine Tools Is Holding Back Ammo Production, Army Says」。
   米陸軍の調達責任部局の高官いわく。工作機械が足りない。そのためにウクライナが必要とする弾薬を増産できない。
 砲弾製造用の工作機械は、ビル1棟分くらいのサイズがあるもので、おいそれと、どっかから買ってくるというわけには、いかぬのだ。

 炸薬や装薬の原料ケミカル品は、米国は十分にストックがあり、足りている。
 しかし他の原料となると、すこし覚束ない。
 世界のどこかに原料がある、というのではダメなのだ。米国内で、弾薬工場が、すぐにそれを買い付けられるようになっているのでなければ……。

 高官いわく。同盟諸国国もぜひ、弾薬を増産してほしい。今、ポーランドは、その国内で「ジャヴェリン」を製造しようと動いているところ。歓迎したい。豪州も、精密誘導弾薬を内製化したがっている。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-4記事「400 next-generation tanks can be produced annually by Ukraine」。
    ラインメタル社の社長は言う。ウクライナ軍が露軍を領土から追い払うためには、レオ2級の戦車が600両から800両は必要であろう、と。

 そこでとりあえず2億ユーロを投資し、ウクライナ国内に戦車工場を建てたい。そこでは新型戦車「パンター」を年産400両、製造できるだろう。

 詳細は明かされていないが、この工場は、露軍から空襲されても、持ち堪えるという。

 ※雑報によると、キエフのTV塔を空爆したあと撃墜された「スホイ34」のパイロットの大佐がウクライナの裁判所からこのたび懲役12年を言い渡された。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-4記事「Ukraine uses an American hydraulic frame to deploy M120 mortar」。
   米軍はウクライナ陸軍に「M326 迫撃砲保管キット」を供与している。BAE設計のこの器材は、トラックで牽引できるミニトレーラー。そこには油圧装置がついていて、トレーラーに載せている120迫撃砲を、ベースプレートや脚とともに、自動で、3分間で地面に下ろしてくれる。したがって砲側員がとても楽である。

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 Carlotta Gall 記者による2023-3-4記事「Whirring Into Action in Ukraine’s Skies」。
   ウクライナ軍のヘリコプターは役に立たないだろうと思われていたが、どっこい、活躍し続けている。
 航空旅団を取材した。

 宇軍には4個のヘリ旅団がある。そのうち「第18シコルスキー旅団」が、NYT記者による2日間の取材を受け入れた。

 旅団の副官は38歳の大佐。

 ロケット弾で地上を攻撃するヘリコプター〔ミル8?〕のコクピットには3人が乗り込む。

 同旅団では、ヘリコプターを運用する場所を頻繁に変えている。すべて、臨時の飛行場である。東部ウクライナには、それに適した平原がいくらでもあるのだ。

 飛行高度は30フィート。速度は150マイル/時。このくらいでないと、やられてしまう。

 攻撃目標の手前に来たら、機体を急上昇させて、30本から40本のロケット弾を発射し、Uターンで逃げる。

 通常、攻撃飛行は2機がひとくみ。まれに4機で行くこともある。

 発射のさい、上昇する瞬間が、敵のSAMから狙われる危ない時節である。

 その瞬間に露軍から撃たれた経験を有する31歳のパイロットいわく。爆発の瞬間すべてが真っ暗になった。感覚が消えてしまう。しかしなんとかヘリを飛ばし続けた。無我夢中というやつだ。

 ヘリは森林内に不時着した。副操縦士は死んだ。主操縦士と機関士は、コクピットの前方機外へ投げ出された。機体は炎上したという。

 主操縦士は頭部にバックリと裂傷。背骨と足一本を骨折。這って動くしかない。機関士は鎖骨を2本やられていた。

 敵か味方かわからない偵察ドローンが上空を航過する。そのあいだは動いてはならない。現場は、露軍の砲弾が届く位置なのだ。
 無線連絡が通じ、彼らはメディックに救助された。

 宇軍のヘリ部隊は、開戦直後に、機体と整備兵を、広くあちこちに分散疎開させた。
 この疎開計画は開戦前からあった。露軍のミサイルが基地に降って来るのは想定内だった。

 ヘリは飛んで逃げればいいが、整備部隊はトラックで移動するしかない。次に落ち合う場所だけ、決めていた。

 アゾフスタール工場からのエバキュエート作戦のために敵占領地深くまで往復したのは冒険だった。最初の一回は敵はまさかヘリでは来ないだろうと思っていたのでうまくいった。二回目からはこっちのヘリはよく撃墜された。

 1機のヘリは、最大で、1日に10回、飛ぶことがあるという。

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 Emma Helfrich 記者による2023-3-3記事「KC-46 Expands Its Austere Airfield Capabilities, Could Include Roadways In Future」。
    米空軍は、AMP=飛行場マーキングパターン を工夫することによって、空中給油機のKC-46A「ペガサス」を、道路のような簡略滑走路からでも運用ができるようになると見込んでいる。

 AMP装備には、たとえば、「マーカーパネル」「全方位視認性発光照明(ストロボ)」などがある。

 ランディングゾーンには、「オーバーラン」と「アンダーラン」も300フィートずつ、必要である。

 いかに少数のマーカーを置くだけで、ただの道路を、戦術滑走路として使えるように変えられるか。このパターンの工夫を、空軍は研究しているところだ。

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 Ashish Dangwal 記者による2023-3-4記事「US Deploys ‘Angel of Death’ AC-130J Ghost Rider For The Very 1st Time To South Korea For Teak Knife Drills」。
    米空軍が特殊作戦用に持っている、地上砲撃任務専用機「AC-130J ゴーストライダー」が、はじめて韓国との合同演習に顔を出した。

 105mm榴弾砲、ブッシュマスター30ミリ機関砲、諸種のミサイルで、対地攻撃できる。

 実弾射撃は、群山[クンサン]沖の「Jikdo」射爆場でなされた。高度3kmから。

 ※AHを廃止する陸自が、AHの代わりに保有すべき装備は、まさに、これだよ。ヘリからターボプロップ固定翼機へのパイロットの機種転換は、木更津でふつうに行なわれていて、何の問題もない。AC-130は先島群島の一般道路上から作戦ができて抗堪性が高い。航続力は長いので、必要に応じて、先島群島からの住民エバキュエートの役にも立つから、大蔵省を説得しやすく、国会で答弁しやすい。尖閣だろうが竹島だろうが、ドローンのスウォームのあとからこいつで仕上げをしてやるのだ。


かれこれ20年使っている古いXPマシンに無線静音キーボードと無線マウスをつなげてみたら、文書打ち込みの作業はかどりすぎ、ワロタ。

 白文字が指で擦れて消えてしまったので、買ってみたのだが……。さらに20年、寿命が延びちゃうかも……?

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 2023-3-2記事「Explainer: What Is Russia’s PMC Ryodan Subculture?」。
    ロシアの複数の都市のショッピングモールで、ティーンエイジャーの大量逮捕。

 彼らは「PMC リョダン(旅団)」と名乗っているという。ロシア政府は、このあつまりはウクライナがロシアを不安定化させるための工作だと言っている。

 先週の前半、モスクワのAviaparkというショッピングモールで、2つの集団の喧嘩騒ぎあり。動画がSNSに上げられた。

 一方のグループは、背中に蜘蛛が描かれた長袖の黒シャツ + チェック模様のパンツ というお揃いの衣装。これが「リョダン」のトレードマークなのだ。

 掴み合いの喧嘩はモールの各所で起きた。モスクワ警察は、これはフーリガン罪を適用できると見ている。最高で懲役7年の刑にできる。30人ほどが拘束された。

 同様の喧嘩は、数日後にサンクトペテルスブルグでも発生した。Galeriaというショッピングモールにて。そちらでは131人が現行犯逮捕された。そのうち1名は重傷という。

 ふたつの騒ぎをうけて、ノヴォロビルスク、カザン、ドン河のロストフ、クラスノヤルスク市、等でも警察の一斉取締りが発動された。青少年多数が引っ立てられた。

 リョダンのメンバーは見ればすぐにわかる。黒いパーカーの背中には、12本足の蜘蛛の絵が白抜きで描かれ、蜘蛛の背中には数字の「4」(稀に「7」)が……。日本でヒットした犯罪マンガ『ハンター×ハンター』からの直接の影響らしい。

 ロシア語でPMCとは、「民間軍事会社」の意味である。ロシアでは誰でも、ワグネルのことを連想する。

 メンバーにインタビューしたところ、PMCリョダン には特別なイデオロギーは無いという。
 ただ、この格好は目立つので、絡まれるのだと。

 BBCによると、ウクライナの諸都市にも「リョダン」が存在し、すでに200人以上の青少年が逮捕されているという。そしてウクライナ政府は、これはロシア発の社会不安定化工作ではないかと疑っている。

 また火曜日、ベラルーシ南東部のゴメル市でも200人の「PMCリョダン」メンバーが当局によって逮捕されたという。

 ※それにしてもウクライナ発の「ネット工作」が低調すぎる。もう1年も経つのに何をやっているんだ? ひたすら辛気臭いゼレンスキーの演説なんぞ外国人に何の感銘も与えはせぬ。そんな宣伝効果ゼロの動画を流している暇があったら、AIでロシア人ウケするキャラクター(人間)を合成し、その合成人物をして、「反モスクワの秘密地下行動を起こせ」とロシア語でけしかけさせる短い動画を、連日、これでもかというぐらいの新バージョンを作成して、ネット空間に溢れさせるようにしなくてはダメだ。それには大した予算もかからない。そのさい、ロシアの地上TVで過激な言説を垂れ流しているコメンテイターたちにいかにもイメージが似た合成キャラも複数とりそろえ、そのパロディとなる愚かな話と、真実の皮肉をこもごも発信させ、観賞者に娯楽を提供するのがコツだ。面白ければ、プロパガンダと知りつつも、みんな視てくれる。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-3記事「China allowed Russians to freely buy UAVs, DJI is used in Ukraine」。
    アリババの通販サイトは、3月1日より、誰かがロシア国内からログインしてドローンを発注しようとすれば、「ページがみつかりませんでした」という表示を出して、利用をブロックするようになった。

 またDJI社は、ドローンの飛行制御をアップルのスマホからするためのアプリを、ロシア領内のユーザーがアップストアからダウンロードすることをできなくした。またすでにダウンロードしていても、ロシア領内では使えなくしたという。

 ところがアリババは、3月2日に、その規制をやめてしまった。だから今ではロシア人は自由にDJIや「Autel」製の市販ドローンを、ロシア国内にいながら購入できる。

 ロシア兵が最も多用しているのは「Matrice-30T」である。これに「AeroScope」というDJI提供のソフトウェアを組み合わせると、リモコンしている操縦者は、付近を飛んでいる他のDJIドローンの存在をリアルタイムで察知することができる。しかも、50kmも離れた地点まで、航跡を把握できるのだ。

 ※アリババは社風として「反政府」なので、独自に規制をかけたのだろう。しかし熊プーはいまやプー之介に跪拝する路線を選択しているため、怒ってその規制を撤廃させたのに違いない。もし米政府がこれを問題視し、「アリ・エクスプレス」に経済制裁をかけることになれば、すごいことになるだろう。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-2記事「No defense…a quadcopter landed on the Russian A-50 and went back」。
   ベラルーシ国内の反政府活動家が、2機のクォッドコプターで、露軍のAWACS「A-50」に肉薄。1機はロートドームの上に着陸して、また戻ってきた。そのビデオがSNSに流れている。破壊の試みは成功しなかったようである。

 この動画があばいたおどろくべき事実。ベラルーシの飛行場には、動いている警戒設備は無く、歩哨も警備員も見当たらない。何の防備もしてないのである。

 ※もっと驚くべきことは、市販サイズのクォッドコプターでも運搬ができる分量の金属粉(metal powder as material for FOD)をエンジンナセルの Air Intake 内に置いてくるという単純にして致命的になり得る破壊工作ミッションをなぜこの駆け出しゲリラどもは思いつかぬのかということ。タービン内に吸い込まれた金属粉はエンジン燃焼室内に異常挙動を起こさせる。しかも、いいかげんな飛行前目視点検では発見されない可能性がある。とうぜん各国の空軍研究所では、この破壊工作のために最適な金属粉の組成も、模索しているはずだよね? FPVのビデオを見るかぎり、あきらかに、このオペレーターには、AWSACSの機番を調べてやろう、だとか、機体下部のアンテナや警戒センサーを仔細に調べよう、だとか、エンジンにカバーがかかっているかどうか確認しておこうといった着眼は、まったく無い。トーシローの冒険なのだ。そして、だからこそ、軍用飛行場のすぐ近くまでドローンを持って肉薄するなどという蛮勇を発揮できたのだろう。

 次。
 雑報によると、モルドバの国会は、「モルドバの公用語はルーマニア語である」と法定した。
 ロシアから送り込まれてくる、ルーマニア語を話せない私服工作部隊を排除するため。

 次。
 Sofiia Syngaivska 記者による2023-3-3記事「Italian S1000-Class Submarine Joint Project with Russia Redesigned as the S800 Light Submarine is on the Market, but Nobody Wants It」。
   イタリアの造船所・フィンカンティエリ社は、ロシアの中央設計局と合同で開発した「S1000」級のディーゼル電池式潜水艦の企画を、未だ放棄していないという。

 この名前を「S800」と変えて、近東の某国に買ってもらおうとしているという。

 イタリアはAIP技術を持っているが、船殻はロシア人に設計させた。それをイタリアで少し小型化。水上排水量750トン、水中排水量850トン。全長51m。胴径10mである。

 乗員は20名未満。深度は250mまで潜れる。連続潜航は7日まで可能。

 買い手の候補にはパキスタンもあるという。

 しかしイタリア海軍が興味を示さないため、まだ、現物は存在しない。ペーパー上の企画なのだ。起工してから完成するまでには4年かかるという。

 次。
 2023-3-2記事「Embraer to Provide Support Services for Philippine Super Tucano Fleet」。
   ブラジルのエンブラエル社は、比島空軍が6機保有する「A-29」のための整備サービス契約を結んだ。多数のスペアパーツ供給を含む。

 比島空軍は2017にこのライトアタック機を発注。2020のパンデミックの最中に、納品は完了している。

 6機は、カヴィテ半島の「Danilo Atienza」空軍基地に配備されている。

 「A-29」は、世界15ヵ国以上に、計260機以上が売られている。

 次。
 Defense Express の2023-3-3記事「How Many Tanks a Month russian “Uralvagonzavod” Can Produce, Really」。
   『エコノミスト』が専門的な分析を載せている。

 英国人の推定。「ウラル車両工場」では、毎月、新品の戦車を20両、製造するポテンシャルがある。しかしこのごろでは毎月8両、古い戦車の改修品を工事しているという。
 そこから複数の可能性が生ずる。「ウラル車両工場」は、Maxで毎月28両を軍に納品できるのか? それとも、新品と改修品とを合わせたMaxが20両なのか。それとも、現状、改修品8両というのが月産のすべてなのか。

 ロシアの、そことは別のもうひとつの国営修理工場では、毎月、17両の戦車を修理しているという。

 あと、トランスバイカルには、T-62Mを工事する専用の拠点「第103装甲修理工場」がある。

 その他、2箇所の戦車工場が大急ぎで新設され、もうじき稼動しそうである。

 新造と改造とを合計すると、現状、ロシアは毎月90両のAFVを補給できるのではないか。そして2箇所の新工場が立ち上がれば、それに月々34両の戦車が加わるのではないか。

 次。
 Emma Helfrich 記者による2023-3-2記事「Our Best Look At Ukraine’s Shadowy ‘Alibaba Drone’ Used For Long-Range Strikes」。
    昨年、ウクライナ軍が長駆打撃に用いた「アリババ・ドローン」がまた飛んだようだ。こんどは完全な姿に近い墜落機体が撮影されている。つまり特攻ミッションとしては失敗した。

 墜落場所は、クリミア半島の「サキ」だという。そこにある航空基地を狙ったのかもしれない。

 この市販固定翼無人機の商品名は「Mugin-5」である可能性が高い。
 アリババでは9500ドル未満の定価のようだが、実売価格は5000ドルから1万ドルの間だ。

 巡航時速74マイルで7時間飛ぶ。ペイロードは55ポンドだと謳われている。

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 Vladimir Soldatkin, Olesya Astakhova and Christoph Steitz 記者による2023-3-4記事「Exclusive: Russia set to mothball damaged Nord Stream gas pipelines – sources」。
     ロシアは自分でぶっこわしたノルドストリームの海底パイプラインを、将来復活させられるように、当面、モスボールして保守する工事を開始するようだ。

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 Mikal Boe 記者による2023-3-1記事「Advanced Nuclear Power Could Transform U.S. Maritime Industry」。
   米国は、近い将来、民間の貨物船が「原子炉」を普通に搭載するようになるという未来を構想している。これはエミッションをゼロにするのに最も著効があるため。沿岸航路だけでなく、ミシシッピ川などの内水の河用バージにまで、原子炉を積極的に使わせるという。

 従来の軍用の舶用原子炉は、高濃縮ウランを用いるものであったり、頻繁に燃料交換工事(ドックを1年以上占領)が必要だったりと、まったく商船向きじゃない。

 しかし、現在、数種類の開発が実用寸前まで来ている小型商用炉を使うと、ウランは低濃縮で安全であるうえ、燃料交換のインターバルが十分に長く、水運会社が負担することになるトータルのランニングコストを舶用ディーゼル並にできると期待しているのだ。

 新式の民間船舶用原子炉のタイプには2つの候補がある。MSR=熔融塩炉 と、HPR=マイクロ・ヒート・パイプ炉 だ。

 熔融塩炉は、核燃料が600度前後の高温の液体中に混ざった形で、低圧で循環している。その発熱で発電してモーターを回すのだ。万一、この核燃料の溶けた液体がループの外に漏出すれば、液体はただちに冷えて固まる。したがって、環境を汚染しない。

 MSR炉は、20年間にわたって、30MWを発電し続けられる。しかし商船はその65%くらいのパワーでも十分なので、炉の寿命は30年以上に延びるという。

 米国は、穀物、石炭、石油、鉄鉱を大量に国外へ輸出している。それらは商船が頼りである。
 米国の水運業界は、15万人の雇用をもたらしている。

 米国の海上輸送荷物はしかし、1990年をピークに、逐年、扱い量が減ってきている。

 米本土には総延長が12000マイルもの、可航内水路が四通八達している。殊に、五大湖=ミシシッピ=ミズーリ水系以東。西部沿岸だと、コロムビア河水系(シアトルあたり)。だから、平底バージによる内水輸送は、大活躍だ。鉄道で運ぶよりも、輸送費は半額で済む。トラックと比較すると「十九分の一」の運賃である。

 2019年にミシシッピ水系を往来した貨物は6億3000万トンであった。

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 2023-3-3記事「Illustration for the news: cooperation between the Ukrainian military and the US military. Photo credits: Ukrainian Armed Forces」。
   NYT紙が報じているところによると、今週、米軍の「欧州&アフリカ・コマンド」は、ウクライナ軍の高級幕僚たちをドイツの司令部に集めて、兵棋演習を通じて、方面レベル~軍レベルの作戦指揮の常識というものについて教育をしてやる。なにしろ話にならないレベルなので。

 これによって、初春の融雪泥濘期が終った直後の、晩春攻勢を準備させる。

 米軍が代わって大戦略を立ててやろうといったおこがましい真似は控える。あくまで宇軍の上級司令部が自国の防衛戦争を策案するのでなくては、誰のためにもならない。「こういうことをすると――あるいは、しないでいると――こういうリスクがあるよ」といった流れを、いろいろと示してやる。

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 EurAsian Times Desk 記者による2023-3-3記事「Battle For Bakhmut: Russian Army’s ‘Military Manual’ To Win The Highly Contested Region ‘Seized’ By Ukraine?」。
    ウクライナの最前線で拾われた露軍の野戦教範マニュアルを解析した結果、露軍の最新の戦闘陣形が分かったという。
 「BTG」を捨てた代わりとして、いまや、「増強大隊」のコンセプトに回帰しつつあるようだ。
 この1個大隊は、2個または3個の「突撃中隊」から成る。
 それに各種の特科が付属し、全体を、大隊本部の指揮小隊が統率している。

 1個突撃中隊は、2個突撃小隊および3個の火力支援小隊からなる。1個突撃小隊は12人から15人である。

 大隊が抱える特科のうち、AFV小隊は、T-72×1両、BMP(またはBMD)×4両からなる。
 これらBMP/BMDは、もはや、歩兵を輸送するために分属しているわけではない。それが搭載している機関砲によって火力支援することが期待されているのである。

 攻撃モードでは、突撃中隊は、4~5名づつの分隊に分かれる。
 そのうち小火器を持って〔おそらく並列で〕進むのが2個分隊。その2個より先を前衛分隊。少しさがったところに指揮分隊。その指揮分隊の近くに火力支援分隊。これら中隊全体が、概ね、菱形に散開する。

 設保陣地を攻撃するさいには、1分間の突撃準備砲撃を為す。

 ドローンは貴重品なので偵察にだけ使えと指導されている。戦闘の見物には使うな。喪失リスクが大きいから。

 宇軍が放棄した塹壕には、入ってはいけない。そこにはブービートラップがあるし、宇軍砲兵がとっくに座標を標定済みであるから。

 負傷兵はその場へ残置しなければならない。あとでメディヴァックが何とかするから。突撃中隊/小隊に同伴させてはならない。

 フルオート発射できる擲弾銃(AGL)は、射距離600m~1700mにて、間接照準火器として運用すべし。直接照準で交戦しようと考えてはならない。

 突撃小隊は、決して開濶地を前進してはならない。あくまでも樹林帯を利用すべし。

 この情報をツイッター投稿している「たたりがみ_UA」という若いウクライナ軍将校によると、突撃小隊のコンセプトは最初にワグネルがバフムトで実践したものだという。

 ワグネルは常に3~4名の「突撃班」となって進退する。その先頭の班は1名の斥候役が率いる。彼は、地雷の無い場所を見極める。残りの班員は、自動小銃手×2、軽機手×1である。

 「突撃班」を後方の樹林線から火力支援するのは、迫撃砲班とAGL班である。AGLがないときは、やむなく、RPGで代用する。


ノルウェーの試掘リグが、バレンツ海南部にて、巨大海底油田をブチ当てた。

 Howard Altman 記者による2023-3-1記事「Ukraine Is Using Guided Rockets With More Range Than HIMARS-Launched Ones」。
   ウクライナは、独自に、HIMARS以上のレンジを有する地対地ロケット弾(終末自律誘導式)を開発した。
 「Vilkha-M」と称する。ソ連時代のMLRSである「BM-30 スメルチ」を改善した。

 ロケットの全長7.6m。径300ミリ。弾頭重量220kg。
 射程は110km。

 これに対してHIMARSのロケット弾はレンジ80km、弾頭重量は91kgである。径227ミリ。

 すでに前線で、Vilkhaは使用されている、とウクライナの全国軍需工業会の副会長は語った。
 最初に敵に向けて発射されたのは2022-5であったという。

 飛翔中のコース規正には、弾頭部筒体側面に数十個設けた小穴からの「ガス噴射」を使う。「ガス方向舵」と称する。

 げんざい、このロケット弾の射程をさらに150kmまで伸ばす努力が続けられている。
 150kmとなれば、米国からの供与が予定されている――しかしそれがいつになるのかはわからない――「GLSDB」と、レンジでは並ぶ。

 ※雑報によるとプー之介はまた新しい法律を定めた。ロシア国内の不動産の登記簿を第三者が閲覧することをできなくした。これによって特権支配階級とその係累が、ロシア国内のどこにどんな屋敷を構えているか、調べられぬようにする。

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 The Maritime Executive の2023-3-1記事「Ice Damaged Chinese Bulker Sinks After Failed Salvage Effort」。
   沿海州沖で流氷に包囲されて浸水した中共のバラ積み貨物船『Yong Xing 56』(3万3600トン)が、間宮海峡にて沈没した。ワニノ港から42海里南西の海面。

 乗員21名は氷上に逃れて、ロシアのフェリー『サハリン8』に救助された。

 ロシアの砕氷船『オットー・シュミット』号は2月24日に現場にかけつけたものの、無駄だった。

 積荷は2万9000トンのアルミナ、などだという。
 船体の穴は6.5×5フィート大。

 沈没地点の水深は253mである。

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 Ashish Dangwal 記者による2023-3-2記事「US Deploys F-22 Raptors From Japan To Mariana Islands As USAF Trains For Battle In Contested Environment」。
   嘉手納に駐留しているF-22のうち、何機かが、北マリアナ諸島(グァム島、テニアン島が含まれる)に臨時移駐したことが、3-1に公表された。
 これは「アジャイル・リーパー 23-1」という演習の一環である。演習は7日間を予定する。

 過去、北マリアナにラプターが進出したことはなかったという。


中共軍は、本年末を以てすべての「殲7」(ミグ21コピー戦闘機)を、退役させる。

 2023-2-28記事「Romania Warns Of ‘Fake News’ About It Massing Troops On Moldovan Border」。
   ルーマニア国防省が注意を喚起している。ロシアのメディア工作員がSNSに「ルーマニア軍がモルドバ国境に集結中」という偽情報を流していると。

 ※なぜかルーマニア語が通じず、ロシア語しか話せない「民間人」が、今、モルドバの首都に集結して、反政府デモを繰り広げて騒いでいる。プー之介が2014以前の成功体験に固執し、またも「ハイブリッド工作」を試みているわけだ。モルドバ東部は、世界に残った最後の「レーニン主義」の村。冷戦期の腐敗した共産党の役人どもが、昔の左うちわ生活を忘れられないのである。おそらくプー之介が亡命するとしたら、これほど居心地の好い土地もないであろう。ただし、ウクライナ軍はいつでも一瞬にしてモルドバ東部を制圧できるし、ルーマニア軍と協同すれば、モルドバ西部も好きなようにできる。いままでそれをしないでいるのは、モルドバの密輸利権に、ウクライナ人も深く寄生してきたという、汚れた既往があるのだ。

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 ロイターの2023-3-1記事「Poland says Russian hackers attacked tax website」。
   ポーランド政府が水曜日発表。ロシアのハッカーが、オンラインの税務申告サイトを妨害していると。

 いまのところ、納税者の個人データは漏洩していないという。

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 AFPの2023-3-1記事「Finland Starts Construction of Russian Border Fence」。
    フィンランドは、ロシアとの国境のうち200kmについて、「壁」を建設しはじめた。
 工費は4億ドル。

 早いところは6月末に完工する。
 が、全体が竣工するのは2025年になるだろう。

 フィンランドはロシアと1300kmの陸上国境を共有する。

 壁の高さは3m。堤上に有刺鉄線。要警戒区域には暗視カメラ、投光器、拡声器も。

 いままでは、木柵があるばかりであった。それは家畜の「越境」を止める役にしか立たぬものであった。

 今次戦争の直前、プー之介はベラルーシを使い、ポーランド国内へ大量のシリア難民を越境させようとした。国境にしっかりした壁が無ければ、これに類した治安攪乱作戦をゆるしてしまう。だから工事を急ぐ。
 必要な法律は2022-6にフィンランド国会で成立している。

 エストニア、ラトビアも、壁建設を進めている。

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 Igor Bozinovski 記者による2023-3-1記事「Serbia orders loitering munitions from UAE」。
    セルビア軍は、UAE製のロイタリングミュニションを発注した。
 「エッジ・グループ」というメーカー。ハルコン社の子会社である。

 アブダビで2-20から2-24まで「IDEX 2023」という兵器ショーをやっていたのだが、そのオープニング式でセルビア大統領が公表した。

 機種に言及は無かったのだが、ベルグラドの新聞が、どうやら「RW-24」だと絞り込んだ。
 納品は半年以内(数量も価格も不明)。そしていくつかの部品はセルビア国内で製造されるという。

 ※ネットで調べると、RW-24はプッシャープロペラの固定翼UAVで、全重45kg。トレーラー搭載の大掛かりなカタパルトから20分かけて発射される。滞空2時間。ペイロード8kg。レンジ100km。巡航速力130km/時。このペイロードからして「低速で飛ぶ重ATGM(もしくは107mm迫撃砲弾)」のコンセプトだと思われる。レイアウトは、めいっぱい揚力を稼ぎつつ、ウイングスパンを圧縮するために、ダイヤモンド形の複葉&無尾翼としたように見える。この構造は頑丈なので、あるていどAAの近接炸裂にも耐えてくれるだろう。

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 Andrew E. Kramer 記者による2023-3-1記事「In an Epic Battle of Tanks, Russia Was Routed, Repeating Earlier Mistakes」。
    ここ3週間、Vuhledarという南部の炭鉱町で激戦が続いているのだが、露軍の戦車運用が緒戦からまるで進歩しておらず、AFVの墓場と化しているという。

 すなわち露軍は、道路上を、一列縦隊の隊形で、AFV群を前進させ、むざむざと宇軍の火網の中に入ってくるのだ。芸が無い。

 とうとう先週、この戦線での露軍のAFVが尽き果ててしまい、露軍は歩兵だけで突撃してくるようになったという。

 ※待ち設けた「キルゾーン」に敵の一列縦隊が入ってきたら、樹林線に隠しておいた戦車砲などで一斉に遠射する。敵AFVが路外へ逸れて引き返そうとすると、そこには無数の磁気地雷が埋まっている、という寸法らしい。どうも、磁気信管付きの対戦車散布地雷が、大活躍していると思われる。あるSNS投稿写真によると、対戦車地雷は、土中には埋められていない。地表にむき出しで散在しているのだ。しかもその多くが、非舗装農道の「轍痕」の上に正確に乗っている。これはいったいどういう敷設方法なのか? ちょっとわからない。

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 Alexander Riedel 記者による2023-2-27記事「Pentagon tells service members to stop displaying giant US flags at major events」。
     ペンタゴンは全将兵に警告した。巨大な米国国旗とともに落下傘降下するようなイベント演出は許されない、と。

 連邦には国旗の尊厳を保つための厳密な法令があるのである。たとえば、国旗を平面に展開して保持するときは、それを地面や建物に決して接地させてはいけない(棺の場合だけが例外)。

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 Julia Buckley 記者による2023-2-25記事「The extraordinary train lifeline behind Ukraine’s Rail Force One」。
    ウクライナ領内を政治家が飛行機で飛ぶのはとても危険である。
 そこで鉄道が大活躍する。
 これまでに200人以上の外国政府使節が列車でウクライナ入りしている。

 2022年の1年間、鉄道によって、2890万トンのウクライナ産の穀物が、隣のモルドバ、ポーランド、ルーマニアへ搬出された。

 もっか、飛行機および自動車・バスの旅行が制約されてしまっている、国土の広いウクライナでは「寝台旅客列車」の存在価値が、とても大きくなっている。、

 キエフ発の長距離出張プランは、夕方に駅から出発し、車中泊し、翌朝、目的地に着くというパターン。

 2022年、外国からの人道援助物資33万6000トンも、列車によってウクライナ領内に搬入されている。

 ウクライナの鉄道従業員319名が、露軍によって殺された。2022年に。負傷した従業員は703名。

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 Lauren Giella 記者による2023-2-28記事「Lt. Gen. Outlines Key to Beating Wagner’s Brutal ‘WWI’ Fighting in Bakhmut」。
    シンクタンクのISWは言う。ロシア正規軍は、ワグネルがバフムト北方で見せている新戦法を採用している。すなわち「分隊規模での正面突撃」である。さりながら、作戦上のめざましい占領地拡大は、できていない――と。

 ※防弾衣のセラミックプレートや、戦場救命のシステムが充実したことにより、今日の西側軍では、戦死者と戦傷者の数比が開いている。ウクライナ軍でも、それは1:20だという。かたや露軍は、1:3だという。これはノモンハンと同じか、それよりも酷い。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-3-1記事「Azov units use C7A1 rifles: 2-3 times longer barrel life over M16」。
    ウクライナ軍に属する「アゾフ連隊」は、「コルト・カナディアン」社製の「C7A1」自動小銃を装備している。M-16の銃身を太くして銃身寿命を2倍以上にしたもの。オランダが寄付した。

 「C7」と「C7A1」の違いは、スコープ取り付け用のレールだけである。550mまで当てられる。
 A1のレールは、ピカティニー(ミルスペック1913)よりも溝の感覚が狭い。また、座が高い。ドットサイトが見やすくなり、近接市街戦から遠距離狙撃まで対応可能になる。

 コルト・カナダ社は、かつては「ディエマコ」社と言った。

 ※露軍の装甲車の機関砲によって、かなり正確に照準をつけられて撃たれまくっておりながら、なおもその塹壕を固守して、果敢に小火器で射ち返している宇軍歩兵の、ドローン空撮動画がSNSに出ている。曳光弾が含まれているため、文字通り「タマの下を潜る」とはどういう景況なのかが知られる。こんな動画が撮影されたのは人類史上、初だろう。この貴重動画のおかげで、軍事小国の野戦陣地を守備する歩兵にはどんな装備が必要なのかも見当がついた。ひとつは「他撮り棒と擲弾筒」の組み合わせ。もうひとつは「生身の歩兵に代わってRPGを発射してくれるアバター」だ。他撮り棒は、長い垂直ロッドの先にCCDカメラと測距儀が付いたもの。これと塹壕底部の擲弾筒の照準儀、ならびに壕底歩兵のゴーグルをAI連動させることにより、歩兵が塹壕からまったく頭を出すことなく、曲射弾道の擲弾を正確にFEBAへお見舞いしてやることができる。RPG発射アバターは、ペリスコピック式に背伸びをして、近距離の敵AFVを直接照準し、そのままRPGを発射もしてくれる「腕だけロボット」だ。その照準カメラは、有線によって壕底歩兵のゴーグルに直結していることは、申すまでもない。市街戦や、対ドローン自衛射撃にも、適用可能だろう。

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 Emma Helfrich, Roy Choo 記者による2023-2-28記事「Meet Australia’s Home-Grown ‘STRIX’ VTOL Combat Drone Concept (Updated)」。
   BAEシステムズの豪州支社が、すごいVTOL無人機を完成した。コロンブスの卵。

 2枚の固定翼を櫛形に、かつ、段違い平行棒のように配列する。前の主翼は低翼。後ろの主翼は高翼である。その2枚の固定翼の先端(4箇所)に、真正面向きの大口径ローターを取り付ける。

 この機体には、長脚の前輪×2と、短脚かつ小径の尾輪が、固定されている。そのため、地上に引き出した機体の機首は、水平ではなくて、斜め45度上を向いている。とうぜん、主翼固定の4軸ローターも、斜め45度を向いている。

 ローターブレードはかなり長いのだが、軸が斜め上向きになっているおかげで、その回転外縁が地面を叩くことはない。

 エンジンを始動させると、尾輪は接地したままで、まず、機首が45度、持ち上がる。これにより、ローター軸は、完全に垂直となる。そのまま、「クォッドコプター」の制御要領にて、垂直に上昇開始。
 ほどほどの高度まで達したところで、徐ろに機首を下げ、スムースに水平飛行へ遷移。

 製品名は「STRIX」という。

 ペイロードは160kgもあるので、ヘルファイア級のASMを複数、吊るして飛べる。最大離陸重量は900kgである。

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 ストラテジーペイジの2023-3-1記事。
   ウクライナ戦争の余波。イランが対露援助に本腰を入れ始めたので、イランの手先のゲリラたちが、親分から補給を受けられなくなっている。

 たとえばイエメンのゲリラは、イランから燃料が来ないものだから、地場の樹木を切り倒して炊事の燃料に使っているという。

 ※イランの小艦隊をブラジル政府はリオデジャネイロ港に迎え入れる。「G20」なんて欠席するのが正解だね。五輪もこの調子で辞退しよう! これからず~っと、辞退でイイのだ。

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 Ashish Dangwal 記者による2023-3-1記事「US To Deploy ‘World’s 1st Carrier-Based Unmanned Aircraft’ To Japan; Aims To Keep China Away From Taiwan」。
    米海軍はげんざい、唯一の前方展開空母として『ロナルドレーガン』を横須賀に置いているが、これは2025年に『ジョージワシントン』と交替させる予定である。2015にした交替の逆パターンだ。

 そのさい『GW』には、艦上給油無人機「MQ-25A スティングレイ」が搭載されるという。米海軍初の艦上無人機配備となる。