俊足であることを英語で「フリート・オブ・フット」と表現する。

 Christopher Sharp 記者による2023-7-20記事「The British Army is being reduced to using e-bikes as their supply of tanks and soldiers runs dry」。
   英陸軍は、歩兵の機動力を向上させるために、歩兵たちに「電動バイク」の操縦を教練させているところである。

 オーストラリアのメーカーが製造している「ステルス H-52」という商品。自転車のペダルのようなものがついているが、足で漕ぐことはできない。後輪のインホイールモーターで動力走行するか、押していく。自重は60kgである。

 カールグスタフを担いだ歩兵もこの「eバイク」に乗れば楽に長距離を一気に移動し、さらに敵に気取られずに最後の数百mを忍び寄ることもできるわけである。
 「ステルスH-52」の航続力は60km。最高速度は80km/時。

 ウクライナでは、歩兵が乗った電動二輪車は、非舗装道路でも200kmの航続距離があることが証明されている。

 H-52のハンドルバーには小銃キャリアが備わっている。

 英軍は、人が足りない。だから戦車も減らしてしまったが、そのかわりに歩兵を高機動化すればよい――と考えている。
  ※記事には書いてないが、これは「ドラグーン(乗馬歩兵)」の現代版である。問題は乗り捨てたバイクをいかにして回収して移動集結させ反復使用するかだが……ここから先は、関係先企業の部内に対してのみご提案致すこととする。あっと驚く成案あり。

 計画では、ナポレオン戦争時代いらい、英陸軍の人員の最少記録がつくられるはず。

 英国防省は、ウクライナの現実は、英陸軍のサイズはもっと小さくてもよいことを教えているという。

 フリーター・オブ・フット=「俊足移動歩兵」を中心にした陸軍に、英軍はなるとよいと。

 『デイリーテレグラフ』紙が伝えたところでは、英政府は、英陸軍のサイズは7万3000人に減らしてもOKだと考えている。それは仏陸軍のほぼ半分である。

 もちろん反対意見も有力だ。部隊の量はそれじたい、防護力なので、量を削れば、さいごには、こっちの兵隊が隠れる場所がなくなってしまうのだと。

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 Kapil Kajal 記者による2023-7-17記事「Japan tests prototype of new reconnaissance vehicle」。
   陸上自衛隊は、16式機動戦闘車をベースにした偵察戦闘車を試作して、今、テスト中である。

 ※ウクライナ戦争の教訓を汲むなら、RCVの主火器も副火器も「対UAV」のAA射撃能力が絶対に必要だぞ。それがあるなら装輪でも軽量でも調達を正当化できる。南西方面でも日本海の原発警備でも役に立つ。それがないなら、戦場での生残性が低すぎることになり、今からビッグ・トラブルが予想されるぞ。

 ※2022年末から米国は、対宇のブラドリー供与を検討し始めた。ことし、それが実行されて、訓練済みの乗員によって最前線へ持ち出された。全先進国、待望のデータが揃いつつある。M2ブラドリーの防護力は、最新戦場の試練に耐えるとわかった。そのISRとTOW2は、敵戦車の寝首を掻けるとわかった。地雷にはやられるが、乗員は無事だ。誰もがモヤモヤしていた問題に、ついに白黒がつけられたのである。こんな実戦知見が入った以上、三菱重工も、新「重IFV」を設計する方向に行きたいんじゃないか? 装輪で重くするという方法だってありじゃないか?

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 Sam LaGrone and Heather Mongilio 記者による2023-7-19記事「Russia Lays Mines in Black Sea to Block Ukrainian Ports, NSC Says」。
    水曜日にホワイトハウス発表。ロシアは黒海に機雷を敷設した。
 NSCは『USNIニュース』の記者に語った。これで商船が触雷すれば、ロシアは、その機雷はウクライナが仕掛けたものだと宣伝する。そういう作戦。

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 Evan Dyer 記者による2023-7-20記事「NATO’s latest moves could bottle up much of Russia’s naval power」。
   バルト海と黒海は、似ている。出入り口が、ひとつしかないのだ。

 バルト海に入るには、デンマークとスウェーデンの間を通るしかない。そこには三つの水道がある。そのうちいちばん広い水道は、両岸がデンマーク領で、幅が16kmである。

 黒海から地中海へ出ようとする船は、ボスポラス川とダーダネルス海峡を続けて通過しなくてはならない。どちらもトルコの領土・領海に囲まれている。

 今次ウクライナ戦争の四日目、トルコ政府は、条約上の権利として、この海峡を軍艦に対して封鎖した。

 ※さっさと鉄道を増強しないからこういうことになる。末端兵士が必死敢闘してくれているのに、最上層の戦争指導部が成算もなく余計なところにばかり期待をかけて右往左往。1年半近く、今までずっとなにをやっているんだという話だ。ご当人らに集中するべきところが見えていないから、それに合わせて米国政府上層のアドバイスもレベルが下がって、枝葉末節にばかり資源を割くようになっている。


今、シリアで「攻勢」に出ないのなら、バイデンの軍事スタッフは総入れ替えした方がよい。

 主戦線で膠着しているなら、周縁部でハラスメントしろというのがクラウゼヴィッツの教え。シリアでは露軍機の方から挑発してくれているのだから、ちょうどいい筈だ。向こうは、そこがわかっている。

 ベトナム戦争のときもこうだったのだろうなと思えてくる。統合幕僚の五つ星と四つ星が偉そうなのは見てくれだけで、やっていることには、いかなるひらめきも感じさせない。マクナマラは、それに輪をかけた只の統計屋で、いってみれば、今の「チャットGPT」を生身にしたような長官だった。「将帥」の活模範を示したのは、ボーグエンザップだった。

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 2023-7-19記事「Russian Health Minister Slams Pursuing a Career Before Childbirth as ‘Improper Practice’ for Women」。
   ロシアの健康相は批判した。女性は、まず教育を受け、ついで仕事のキャリアーを積み、経済的な基盤を確立してから、さいごに家族を作ろうとする。それは不適切だと。その逆に、まず3~4人の子どもを産むことが優先されるべきだと。

 これをロシア国会の本会議場で大臣がブチ上げたのである。火曜日に。

 また今年じゅうに採る措置として、堕胎薬の流通を、麻薬と同じ厳しさで取り締まるそうである。

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 Vytautas Valinskas 記者による2023-7-19記事「Did Russians Use Mirrors to Increase the Number of Lancet Drones in Their Video?」。
   ランセットの新バージョンは「Izdelie 53」といい、コンテナの中に十字翼が畳まれた状態で格納されていて、そこから飛び出して、スウォームとなって目標を襲撃する。

 ただし実写の飛行テスト映像は出ていない。話だけである。

 あと、ランセットの組み立てラインを宣伝した最新の動画が、「鏡」を使って数が多いように見せているというので、皆が注目する動画になってしまった。

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 「mil.in.ua」の2023-7-19記事「Russian spies planned to blow up trains with weapons in Poland」。
   ポーランドの新聞『Gazeta Polska』によると、ロシアの破壊工作員が、ポーランド国内の鉄道の爆破をたくらんでいる。

 これら工作員は、暗号通貨で報酬を受け取るという。

 また爆破の下調べとして、鉄道の分岐点に小型のビデオカメラを隠して設置するという。その映像は無線でインターネットに接続され、ロシアの元締めがモニターする。ウクライナに対する物資輸送の詳細を把握したいのだ。

 ※雑報によるとポーランド軍は今年じゅうに、国産のロソマク社製の装輪式APCを250両、受領する。浮航ができて、機関砲で武装。これを最終的に400両取得するだろうという。すでに常備兵員数と戦車の数で、ポーランド軍はドイツ連邦軍を凌いでしまったという。

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 2023-7-19記事「An experimental batch of “Drok” self-propelled mortars was manufactured in Russia」。
   ロシア国営の兵器メーカー「ロステック」。そこが、新製品を発表した。
 「2S41 Drok」といい、82ミリの手動後装式迫撃砲のターレットを、「タイフーン」4×4装甲車に搭載している。発射時にはアウトリガーを使わない。

 このレイアウトは、2018年に模型が公表されていた。そのころから開発して、ようやく完成したようだ。

 メーカーによれば、普通の82ミリ迫撃砲よりも、レンジが1.5倍あるという。

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 Roy Mathews 記者による記事「A Simple Solution to Reform U.S. Aid」。
   ことし米国政府は、内戦状態にあるエチオピアに対する食糧援助を停止した。米政府の海外開発援助機構「USAID」は、3億3100万ドル分の食糧をエチオピア政府に与えたが、そこから1500万ポンドの小麦が途中で盗まれてしまったので。

 盗まれた食料は軍閥がどこかへ売り払い、その収益で武器を買ってさらに悪さを働く。その原資が米国市民の税金なのだから、止めるのがあたりまえだが、止めれば止めたで誰かは文句を言うのである。

 オバマ政権は、米政府が米国農家からちょくせつに穀物を買い上げてその現物を対外援助する方式から、バウチャー(引き換え保証券)を後進破綻国の政府に与える方式に転換させた。これまた最悪の結果になっている。金券はすぐに武器購入代金に化ける。また、その金券でどこか手近なところから食糧が購入されるとして、それは米国とは関係ない産地。援助された住民は、その食糧が米国からのエイドだとは思わないこと、必定なのである。

 ※岸田政権がウクライナに与えようとしているのもバウチャーだろう。その日本国民の税金は、どこか外国の武器弾薬メーカーをうるおすだけで、しかもウクライナ国民も日本から援助されたのだとはちっとも思わぬ。そうなる結果が目に見えている。「現物」をちょくせつに送り込まなくてはダメなのだ。それは中古のデュアルユース・アイテムでいいのだ。よい「現物」はいくらでもある。新聞チラシを見るだけで見当がつくだろう。

 次。
 Aaron Torres 記者による2023-7-19記事「Texas’ razor wire, buoys at border violate international law, Mexican officials say」。
    テキサス州知事グレグ・アボットは、メキシコ国境からの不法入国を阻止するために、国境のリオグランデ川の中に「浮き障壁」を展開し、此岸には60マイルにわたってカミソリ鉄条網を蛇腹状に積み上げている。
 しかし連邦政府にいわせると、リオグランデ川に仕切りを設けることは、メキシコ政府との間の2国間条約(1944と1970)に違反するという。それでワシントンからたびたび「指導」が来ているが、知事は無視しているという。

 ※どうも水中にも蛇腹鉄条網を仕掛けてあるらしい。それが見えないことが危険だともいう。


米国防省が木曜日に断言。すでにワグネルはまとまったユニットとしてはウクライナのどこであれ軍事行動に加わっていない。支援行動している証拠もない。

 Andrew White 記者による2023-7-17記事「Polaris pitching 6×6 light tactical vehicle to USMC, special operations forces」。
   軽量戦術車両(LTV)の「MRZR Alpha」のバリエーションとして、ポラリス社の政府・防衛部門は、「6×6」型を新規に設計した。同社にとっては、十年ぶりくらいの「新モデル」ということになる。
 搭載量が強化された。
 潜在的な買い手としては、陸軍の歩兵部隊、海兵隊、特殊作戦部隊を想定する。

 この6×6モデルを開発しようと会社が決心したのは18ヵ月前であったという。

 次。
 2023-7-18記事「Ukraine received UAVs for mine clearance from Denmark」。
    デンマークがウクライナにいいものをくれた。
 ヘクサコプターの下に地雷探知機材を垂らし、それを超低空でうろつかせるというもの。

 このセンサー、地中の深さ3mまでの金属を探知できるという。

 システムは、2人がかりで扱う必要がある。その要員は、デンマークで3週間、取り扱い法の訓練を受けた。

 次。
 2023-7-18記事「Ukraine ordered hulls for 155mm artillery shells from France」。
   仏紙『La Tribune』の13日の報道によると、フランスの「ユーロプラスマ」グループの傘下である、タルブの鍛造工場。ここにウクライナが、155ミリ砲弾の弾殻を6万発分、発注した。すなわち炸薬とか信管とか火管はついていない、ドンガラを。

 納品は2024年を予定。

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 Megan Specia 記者による2023-7-18記事「Barge to House Asylum Seekers Meets Several Shades of Anger in U.K.」。
   英政府は、難民だと称しながらなぜか屈強な野郎どもばかりである密入国者を「審査」するための一時収容施設として、『ビビー・ストックホルム』という巨大バージ船を造らせた。上部構造がアパートのようになっており、500人を閉じ込めておける。「浮かぶ留置場」とも言える。火曜日、同船は英国南部のポートランドに入港した。

 このバージはポートランドにすくなくも18ヶ月は繋留される。だから地元市民も迷惑に感じて、入港に反対している。

 月曜日には英議会下院は「不法移民法」を可決した。小船で英国海峡を渡って勝手に入国する連中は全部いったんルワンダの収容施設に預ける。そこから、安全な第三国への道を探すがよい……という仕組み。

 一部法曹家は、これは難民の保護を求める国際法に抵触するぞ、と。


都市のガレキを砕いた「バラスト」を、鉄道用の「堤道」のように一直線状に分厚く積み上げて、その上に簡易鉄道のレールを敷く。この工事を最前線で同時に多軸併行で進める。

 そのバラストの下に対戦車地雷が埋まったままでも、特に不都合はない。敵はその堤道の上に対人地雷を撒布できるが、歩兵が歩かなければ特に問題はない。敵はその堤道に砲撃を加えることもできるが、おそらく砲弾が何億発あっても、軽便鉄道による埋め戻し作業は止められない。

 軽便鉄道による反攻は、有効であろう。
 しかも、終戦後は、そっくりそのまま、復興用の安全な輸送動脈として使用できるのである。

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 Jan Tegler 記者による2023-7-17記事「Steered Light Could Replace Lasers for Military, Commercial Applications」。
   レーザーは大電力を消費する。その「コヒレント」なレーザー光の変わりに、「コヒレントでない」ふつうの光線を利用するナノテクノロジーを、サンディア国立研究所が開発しつつあり。

 たとえば、ありふれた裸電球やLEDが光源であっても、その光をもし自在に曲げ得るのなら、レーザーの代わりにできる。

 非コヒレントな散乱光を自在に束ねたり曲げられるとしたら、リモートセンシングや、ホログラフィックなディスプレイ、高速通信にも、それを使えばいいことになる。

 サンディアの二人組は、ナノスケールの発光半導体である「量子ドット」を、人工の「メタサーフェス」構造の中に仕込み、それを反射ミラーの上に置いた。

 そして、サブミクロンの厚さしかない平面構造を、屈折/反射レンズとして機能させる。

 その効率がとてつもなく良いのだ。

 「1兆分の1」秒で、光が焦点を結ぶ方向を70度、変更できるという。

 効率がよいということは、電源のエネルギーを節約できるということ。これは民生品でも軍用品でも革命になり得る。

 応用としてまず念頭されているのが、ヘルメットのバイザーやサングラス兼用ゴーグルに地図などを映示する光学ガジェット。これが小さな電池だけで長時間、つけっぱなしにできるのならば、眼鏡のようなものがそのまま、ヘッドアップディスプレイとなるわけである。

 さらに、低出力LEDを光源にして、ヒトの眼球の中にホログラフをつくりだしてやることもできるようになる。まさに現実と人工イメージの境界がなくされてしまう。

 あと、LIDARのような、今はレーザーを光源につかっている周辺物体探知センサーを、もっと安価な電球の光源に代えられる。パッシヴの光源センサーも、安価なありふれたものとなる。そうなると、人間は暗夜でもコウモリ以上の周辺警戒ができることになる。軽いヘルメットをかぶっているだけで。

 ※たとえば羆駆除を依頼されたハンターが、このガジェットを仕込んだヘルメットをかぶって山の中に入り、羆から不意に逆襲を受けたとする。背後であってもハンターは何者かの接近をすぐに警報される。そしてハンターが両眼でその羆の顔面を見つめると、その照準点に向けて動物の視力を害する波長の光線が集中される……などといった商品も可能になるのだろう。光源のLEDは、あらかじめその有害波長のものを組み込んでおくわけだ。しかも電源は電池のみ。――まちがいなく、これまでに製作されてきたSF映画の未来風景は、どれも10年後には、的外れな、笑うべき古臭い予想として、観賞されることになるだろう。

 次。
 Andrew E. Kramer 記者による2023-7-16記事「Small, Hidden and Deadly: Mines Stymie Ukraine’s Counteroffensive」。
  ウクライナ南部戦線を取材した。とにかく地雷で前進できない。

 あるウクライナ兵は語った。「地雷は、一本の線状に、点々と埋められるものだと思っていた。しかしここでは、野原一面、ぜんぶ地雷だ」

 友軍のために先行して地雷を除去してやる工兵は、深夜に仕事をする。真っ暗で、しかも敵の野砲弾がときどき降って来る中で、黙々と、前進通路を手探りで啓開する。肝が据わっていて、しかも頭が冷静でなくては、とうてい、務まる仕事ではない。

 彼の道具は、金属探知器と、先端に探針をとりつけた細長い棒。これで慎重に斜めに地面を刺すことにより、信管を反応させずに地雷の有無を確認できる。
 ポケットの中にはギリシャ正教のイコンをお守りに入れてある。

 すこし後方の野戦繃帯所には、対人地雷で負傷した兵隊がひっきりなしに担ぎこまれてくる。

 トリップ・ワイヤーを発見したら、それを外してやれ、と思って、うかつに近づいてはならぬ。そういう馬鹿者をひっかけるために、その少し手前に、別な対人地雷が埋められているのだ。

 いまのところ、露軍のトリップ・ワイヤーは、黄色い糸だ。長いものは12mも張られている。

 対人地雷の中には、ポップアップ式も混ざっている。信管が踏まれると、直後に地面から跳ね上がって、人の顔面の高さで爆発する。小部隊なら、この一発で全員、負傷させられてしまう。

 歩兵用の前進路は、横幅が2フィート必要だ。ある程度すすんだら、工兵は戻りがてらに、さらに1フィート、啓開幅を拡張する。こうすることで、担架兵がすれちがえるようになる。

 宇軍が地雷原を啓開すると、そこに露軍はロケットで「木の葉地雷」を巻く。緑色のプラスチック翼がついたアレだ。この地雷のプラスチック破片は、最新のレントゲンには写るから戦時国際法の違反とまでは言えないが、メディックの金属探知機ではわからないので、厄介である。

 次。
 Defense Expressの2023-7-17記事「FPV Drone vs. Switchblade: Is It the Same Thing and What’s the Difference」。
    安価なFPV特攻ドローンがあるのに、なぜ高額な「スイッチブレード300」に価値があるか?
 これは素人兵を訓練する手間と関係がある。自爆ドローンを、狙った的に命中させるのは、とんでもなく難しいのである。

 その訓練コースは2~3週間なのだが、まともに卒業できるのは6~7割。

 ちなみに、偵察用クォッドコプターを飛ばす訓練コースは、9割がちゃんと卒業できる。その9割のなかの3割は、しかし、FPV操縦員には、なれないのだ。適性がなくて。

 スイッチブレード300は、高額なだけあって、よくできている。上昇や下降の操作はマシンが自分で考えてやってくれる。人が操作する必要がない。横風が吹いていたなら、その横風補正も、機械がじぶんでやってくれる。

 操作員がすることといったら、モニターを覗いて、攻撃する標的を指定するだけ。あとは機械任せでいいのだ。

 次。
 Povilas M. 記者による2023-6-27記事「Hyundai Rotem Showed K3, The Main Battle Tank of The Future」。
   ヒュンダイ・ロテム社は、新戦車「K3」のコンセプトを発表した。
 まだペーパープランの段階。

 主砲は130ミリ。ちなみにラインメタルが次に開発する「KF51 パンター」も130ミリ砲。
 砲塔内は無人。乗員は3名。
 総重量55トン。これはK2と変えない。
 エンジンはディーゼル。航続距離は500km。

 次。
 Simon Mansfield 記者による2023-7-14記事「China’s methane-fueled rocket achieves global first with successful orbital insertion」。
   水曜日、LandPpaceという北京のベンチャー企業が、液体メタンを燃料とする、人工衛星投入用の宇宙ロケットを、酒泉から発射して成功させた。「ZQ 2」という。これは打ち上げロケットのコストを下げるだけでなく、環境も、従来よりは汚染しない。

 「ZQ 2」は、長さ49.5m、胴径3.35m。だいたい「長征」と同じだから、かなりデカい。後発の私企業がそれをやってのけた。
 219トンの物体が上昇するのである。発射推力は268トン。
 太陽同期軌道に、4トンの衛星を投入し得る。その高度は500km。
 LEOならば6トンの衛星を投入し得る。その高度は200km。

 メタン・エンジンの長所は、そのブースターを何度でも再使用できること。長期的には、これはたいへんな強みになる。

 昨年12月に「ZQ2」を初めて打ち上げたときは、宇宙境界とされるカルマン線は超えたものの、二段目に不具合が起きて、衛星の軌道投入には失敗した。

 この会社のロケット工場は、浙江省の湖州市にある。アジア最大の宇宙ロケット工場だそうだ。それを私企業がやっている。

 次。
 Alexey Lenkov 記者による2023-7-17記事「Lancet mutates to Izdelie 53, it’s made in a mall, production tripled」。
    ロシアは「ランセット」の改良と増産に大童である。
 次のモデルは、スウォーム運用できるようにする。1人のオペレーターで同時に多数機を繰り出すようにする。

 国営テレビの「ロシヤ1」チャンネルは、とんでもない映像を放送した。地下のショッピングモールの一画が、この新型ランセットの組立工場となっているのだ。これではそのモールをミサイル空爆されても文句は言えないことになる。ロシアは自国の一般市民を「人間の盾」にして、兵器工場を守らせるつもりなのだ。


テキサス州ヒューストンでラシャードという名の19歳男子が、セミオートマチック拳銃にてロシアンルーレットに挑み、無事死亡したという。

 薬室に入って いる/いない、の「二分の一」だったのか?

 次。
 Defense Express の2023-7-16記事「Switchblade 300 in the Ukrainian Warfare: Why This Weapon is Not Against Entrenched Infantry But for Other Important Targets」。
   「NIP Tysk」というメディアが、宇軍の「スイッチブレード300」のオペレーターにインタビューして、相当のディテールを聞きだした。それを要約した記事。

 この自爆機が内臓している爆発物は、小銃の銃身下にとりつけて発射する30ミリ擲弾と同程度の威力しかない。ただし、信管が特別製で、近接信管なのである。それも、オペレーターが、作動距離を選択することができるのだ。

 次に大事な事実。「スイッチブレード300」は、本体があまりに小型であるため、自前のカメラは低性能な解像度しかない。したがって、攻撃する標的は、あらかじめ、他の偵察専用UAV等によって、発見され確認され触接されている必要がある。「スイッチブレード300」がみずから捜索・探知するような用法は、たんに高額機材の無駄遣いにおわる。

 「スイッチブレード300」にはアジャイリティがない。急旋回や急上昇させるような操縦はできない機体なのだ。したがって、動いている標的をこいつで狙うのは愚策である。止まっている目標を攻撃する専用品だと思うべし。

 この高額なロイタリングミュニションをぶつける価値があり、しかも静止している目標とは、どんなものが該当するのか。

 敵がタワー上などに据えつけてている監視機材(光学式や電子式の)。敵の野戦通信所の枢要設備。敵軍のレーダー。爆殺する価値があると考えられる高級将官や、部隊指揮官だ。

 逆に、最悪の無駄遣いと言っていいのは、「スイッチブレード300」を敵の塹壕内に突っ込ませて敵歩兵に破片を浴びせてやろうと試みること。このような無駄遣いの証拠ビデオが多数、SNSに上がっているが、すべて、質の低いウクライナ部隊による。その馬鹿どもには本来、「スイッチブレード300」など持たせてやってはいけなかったのだが、供給される兵器が多くて、それを扱うにふさわしい質の高い兵員が少ないという需給のミスマッチが解消され得ない現況では、このようなムダもどうしても生じてしまうのである。

 「スイッチブレード300」で敵のUAVに空中戦を挑もうという思いつきは、忘れろ。そんなチャンスはほとんどないし、もし偶然に空中で会敵できたとしても、その相手は、すこぶる値段の安いオモチャだ。

 露軍は「ランセットでTB2を撃墜できる」と吹かしているが、相手にする必要はない。ロシア人は嘘しか言わないということは、もう世界中がよく知っているだろう。

 ※ロシアは、BMP-3を無人化できる「フロメテイ」(プメメテウス)というコンピュータ製品ができた、とも宣伝している。

 次。
 Isabelle Khurshudyan and Kamila Hrabchuk 記者による2023-7-15記事「The biggest obstacle to Ukraine’s counteroffensive? Minefields」。
    ザポリッジア戦区では、露軍の設けた地雷原は、縦深が3マイルから10マイル。対戦車地雷と対人地雷のミックス。信管にはトリップワイヤーも混用。これで完全に宇軍の前進は止まった。

 地雷が一定密度を超えると、AFVはおそかれはやかれ地雷を踏んで足を止められる。止まったところに敵軍の砲撃が集中する。そのAFVは回収できず、おそかれはやかれ、完全に破壊される。そうなるのが分かっているので、もう誰も車両を前に出そうとしなくなる。

 爆薬入りの長いホースを投射して前方の地雷原に一本の啓開路をつくる、米国供与品の「M58」MICLICは、敵からも目立つ。露軍はそれが出現すると優先的に特攻ドローンを差し向ける。

 ドイツから供与された戦車に取り付ける対地雷ローラーは、最初は有効だったが、ノイズが大きいのと、上空のUAVからすぐにそれと分かるので、今では、出現するとすぐに敵から袋叩きにされておしまいである。

 工兵がせっかく啓開してやった前進路を、あとから超越して進む戦車とAPCが間違えて、地雷原の中に踏み込んで行くという、仲間内の連絡の悪さも、宇軍においては目立つ。

 地雷ローラーを付けた戦車は、敵からまっさきに狙い撃ちされる。それさえ破壊すれば、こっちは前に進めなくなると、敵はよくわかっている。

 徒歩の工兵チームは4人で一組となり、道路上の対戦車地雷を金属探知計で探して、その信管をロープで引っ張って除去する。この4人組は、昼も夜も、どうしても目立つ。持っている道具が。

 そこでじっさいには、道路上を這って進まねばならない。

 ※もうこうなったらトンネルを掘って毎日1mのペースで前進しろよ。それがふさわしいよこの軍隊には。

 ※まじめな話、そろそろ次の「冬営」を考えなくてはいけない。地下室が無数に掘られていれば、来年の春まで快適に過ごせるだろ。

 次。
 The Maritime Executive の2023-7-14記事「The SINKEX Ship That Got Away Prompts Rescue Mission」。
   2020年に除籍されている元フィリピン海軍の給油艦『BRP Lake Caliraya』は、予定では7月13日に米比合同のSINKEX演習で実艦標的となって撃沈されるはずであった。

 重さ4500dwt、長さ325フィートの『レイク・カリラヤ』はもともと比国営石油会社の所有船だったが、2014に比海軍に寄贈されていた。

 このたびの米比合同演習の期間は、7-6から7-21である。

 ところが、サンアントニオ湾沖、きっちり12海里の地点に移動させる途中で、密雲を伴うモンスーンの襲来が予報されたので、撃沈日を演習最終日にずらそうということに決まった。雲底が低すぎるのは、この実験に関しては、面白くないから。

 そこで標的船を港まで曳航して戻そうとしたのだが、その途中で座礁してしまった。

 比海軍は2023-4にもSINKEXをやっており、そのときはWWII時代のボロ船が沈められている。

 次。
 2023-7-16記事「Lithuanian Armed Forces Receive New Tactical Vests from Germany’s Mehler Vario System」。
   リトアニア軍はドイツのメーカーに、最新の防弾鎧を1万着近く、発注した。
 これはもう「防弾ヴェスト」と呼ぶにはふさわしくない。従来、プロテクトされていなかった兵士の上体の左右の側面を、西洋甲冑風の「肩当」――当世具足の「袖」――によってカバーできるデザインなのだ。

 もちろん脇腹の下半分は、胸当がそのまま延長して背中まで連続することで、防護している。

 納品は今年の9月から開始される見通しだ。

 ※だんだんマッドマックス2の風情に近づいて行く。

 ※まじめな話、ヨーロッパには「防弾ベビーカー」も必要だぞ。


ロシアは、戦時には70歳まで、事実上の一般市民徴兵ができるようにする。

 ゴム印国会が、そういう新法を可決する見通し。

 次。
 退役米海軍大佐 Talbot Manvel 記者による『プロシーディングズ』2023-7記事「The Lightning Carrier Isn’t Either」。
    『アメリカ』級の強襲揚陸艦が完成してからこのかた、これこそ「軽空母」だ、と評価する向きが多い。

 寸法的には同じくらいの、WWII中の『エセックス』級の空母『フランクリン(CV-13)』は、爆弾の命中にも生き残ったじゃないか。それに2003年のイラク戡定作戦に参加した『バターン(LHD-5)』は「ハリアー空母」といっていいことを証明したじゃないか……というわけだ。

 事実を指摘しよう。

 米海軍の艦艇には「生残性レベル」というものが指定されている。それにもとづいてキッチリと設計され、施工されているのだ。
 空母は「レベル3」だが、強襲揚陸艦は「レベル2」。したがって、同じ打撃を受けたとき、強襲揚陸艦の方が、ピンチに陥り易いことは、まちがいないのだ。

 揚陸作戦のさなか、艦内に多数の「防火仕切り」「防水仕切り」があったら、海兵隊員も、各種車両も、また大量に揚陸せねばならない需品も、艦内で素早く動かすことができない。だから、「レベル2」の強襲揚陸艦の中は、通路もひろびろとして移動しやすくされている。
 そのかわり、敵から1発くらったときのダメージや火災の燃え広がりは、多少は許容するしかない。設計の当初から、そこは妥協がされているわけである。

 すなわち、今の『アメリカ』級のLHAと、WWII中の古い空母『エセックス』級に、同じミサイル被弾があったとして、今の『アメリカ』級は、昔の『エセックス』級のようには、もちこたえることはできんのである。排水量が同じでも、撃たれ強さには懸隔があるのだ。

 1945-3-19、空母『フランクリン』は九州南方沖で航空爆弾を2発喰らい、それはハンガー内で爆発した。
 爆発威力は大したことがなかったが、ガソリン火災が激しくなり、艦内搭載爆弾、ロケット弾が誘爆し、消火するための大量の海水による自損も加わった。火災は10時間、消せなかった。煙と炎熱のため機関員は避退。そのため動力もダウンした。しかしその後なんとか自航して3月20日には「Ulithi」(ウルシー環礁)まで戻り、そこから東海岸の海軍工廠まで帰った。

 当時の戦闘詳報にコメントが付けられている。艦の設計がすばらしかった。格納甲板の防火間仕切りと、装甲鈑の囲みのおかげで、助かったのである――と。

 『エセックス』級の格納庫は防火カーテンで三分割することができた。また格納庫の床は三分の二インチ厚の特殊鋼で、この防弾甲板のおかげで下層の居住区にはダメージが及ばなかったのである。※これは言い過ぎで、爆弾被害は下まで及んだようだ。

 すぐ下のデッキにはダメコン資材が格納されていて、ダメコン要員(消火班)もそこに配置されていた。そこが無事だった。

 エセックス級の水線下の舷側は、耐魚雷設計になっていた。外舷燃料槽も、魚雷からバイタルパーツを守るバルジの役割を受け持たされいてた。

 もちろん船体は横断隔壁でいくつにも区切られている。艦の中心部では縦通隔壁も舷側に沿って4枚あり、横断隔壁との間は熔接されていた。

 熔接隔壁は、爆圧でへこむことはあっても、千切れにくかった。

 『アメリカ』級は4万5000トンである。1980年の海軍水上コマンドの研究によれば、平穏な地中海を除いた四大洋において、特定の場所の特定の時刻に、海象が荒れているせいで4万5000トンの空母から飛行機を発着させることができないという確率は、55%ある。言い換えると、今日では、4万5000トンの空母は、荒海を相手とするのには、軽すぎる。

 南シナ海のある海域では、6万5000トンの空母であっても、飛行機を任意の時刻に運用できる確率は54%にしかならない。

 では2003イラク沖での『バターン』の活躍は?
 忘れてもらっちゃ困る。あのときは、正規空母が近くに3杯もいて、そこから早期警戒機やSEADやCAP機がわんわんと飛んでいたのだ。『バターン』はその庇護の下で安全であったに過ぎぬ。

 『アメリカ』級は格納甲板の床が防弾鈑ではないから、上下どっちかで火災が起きれば、それが全艦に拡がるおそれが高い。

 また『アメリカ』級は、弾庫の容量が小さすぎる。もともと、6機のハリアーが1週間、上陸地を爆撃できるだけの爆弾しか収められない。それは『マキン・アイランド(LHD-8)』の基準を引き継いでいるからである。

 それに対して『ニミッツ』級の『ジェラルド・フォード』だと、60機の戦闘攻撃機が2週間空爆を反復できるだけの弾庫がそなわっている。容量にして60倍なのだ。

 弾庫が足らなければ他のデッキに爆弾を置いたり、「垂直補給」(ホバークラフトで補給艦から次々に燃弾を送り込んでそれをF-35Bにもたせて発艦させ続ける)させればいいじゃないかというのは、バッド・アイディアだ。
 思い出そう。垂直補給が自在にできる構造であるということは、ダメコンは皆無に等しいということなのだ。それを最前線に出すのか? 中共軍を相手に? 荒れる南支那海で?

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 Joseph Trevithick 記者による2023-7-14記事「Taiwan’s Retired Hawk SAMs Headed To Ukraine」
   台湾軍がもうじき退役させる「ホーク」SAMを米国が買い戻し、それをウクライナへ供与するという。

 台湾紙が報じた。

 ※それができるのならばM60戦車もぜんぶ買い戻したらどうか。

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 Joyce Lee and Olena Harmash 記者による2023-7-15記事「South Korea’s Yoon pledges more military supplies, aid to Ukraine」。
   韓国は、追加の対宇支援として、1億5000万ドルを用立てる。

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 Adam Swierkowski 記者による2023-7-13記事「Kryl Howitzer Cancelled. What About Dana in Poland? 」。

   ポーランドは国産のDana自走砲(152㎜)のアップグレード開発計画を諦めた。

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 Andrew White 記者による2023-7-14記事「UK official sees ‘unique’ partnership chances for next-gen fighter」。
   英国防省内の未来戦闘機担当部長いわく。
 英伊日のGCAP計画に、豪州および他の太平洋国家が加わる潜在的な可能性はある。

 また、米国がF-35の後継にしようと開発中のNGADや、仏独西合同計画のSCAFと、部分的な協力をすることもありだと。というのは、GCAPを運用するときは、米軍機や欧州の戦闘機ともインターオペラティヴでないと困るから。

 GCAPは2035年に戦列化させるつもり。それはSCAFに5年先行する予定である。


ブルガリアは、8×8APCである「BTR-60」を100両ほど、宇軍にくれてやるという。

 Ellie Cook 記者による2023-7-13記事「Russia Stuffing ‘Antiquated’ Vehicles With Explosives, Most Fail: U.K.」。
    ドネツク方面で露軍が投入しつつある、爆薬数トンを詰め込んだ自爆T-55戦車。
 これは乗員は事前に下車している。

 しかし起爆の仕組みが未熟で、宇軍の陣地に達する前に、みんな、爆発してしまっている。何の効果もなし。
 ロシアは最初、APCに爆薬を積んで宇軍の陣地に向けて無人自走させた。6月中旬にそれは成功したとロシア国防省は宣伝していた。

 英国国防省によると、どうもこの自爆AFVという発想を最初に実行したのはチェチェン組らしい。

 マリンカ方面にはチェチェン部隊がさしむけられている。大言壮語する割にはぜんぜん前進できないので、パフォーミングが必要になったというわけだ。「TikTok-Army」らしく。

 ソ連崩壊後のチェチェン戦争では、こうした自爆戦術は常套手段だったという。

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 2023-7-14記事「Jet drones begin attacking Russia」。
   クルスク地区に7月14日深夜に襲来し、立ち木を擦って墜落したウクライナ軍のドローンが、小型のターボジェットエンジンを搭載していたことが、残骸写真から判明した。

 ジェットエンジンの音が低空を通過したので、住民は、何事かと焦ったという。

 そのエンジンは、台湾製の「Kingtech K-210G」という市販品で、1個3000ドル。

 通販カタログによると、エンジンは重さが1.7kg。推力21kg。燃費は、毎分590グラム。
 ということは、1時間飛行させたくば、28リッターのガソリンを持たせる必要があるわけだ。

 こうした固定翼機は、すくなくも機体全重の30%以上のエンジン推力が必要だといわれている。そこから推定すると、機体は50kgないし60kgだと考えられる。

 たぶんこれは自爆特攻機で、リモコン式ではなくて飛行コースをプリプログラムしてあったのだろう。設定高度が低すぎて、あるいはGPSスプーフィングで高度値を狂わされて、過早に墜落したのだろう。

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 『ポピュラーメカニクス』の2023-7-14記事「It Took Forever, but Ukraine Is Finally Building Its Own Howitzers」。
    西側規格の155ミリ砲弾を発射する車載自走式の長距離砲「2S22」の国産案は2009年に遡る。
 まず工作機械を輸入するところから始める必要があった。
 「Summy」というところで「molot」という名の国産120㎜迫撃砲を製造しているのだが、この砲身用の特殊合金を、国産155ミリ砲身にも使うことにした。

 2020年時点で、まだ開発途中の「2S22」が発射する155ミリ砲弾は、トルコまたはチェコ共和国から輸入するしかなかった。

 ようやく「試射」の段階に到達したのが2021年5月だった。

 2021末に至って、公式の射撃試験。ロケットアシスト弾ではない砲弾の最大レンジが26マイルに達することを確かめている。
 「蛇島」の位置は本土海岸から20マイルなので、射程的には余裕だったわけである。

 西側の同類自走砲についている、デジタルの射撃管制システムと自動装填装置は、未だ無かった。

 2S22は、直近では、2022-12に、戦場写真が報道されている。所属は宇軍の第1特殊作戦旅団。

 クラマトルスクの工場では、量産前試作品の2S22を、あと2両、組み立てていた。そのシャシは「MAZ-6317」を使っている。2016年から18年にかけ、ウクライナは、ベラルーシから320台以上の「MAZ-6317」トラックを輸入している。そのエンジンはロシア製ではなく中国製だと。

 ※スロヴァキア資本も入っているらしいクラマトルスク工場に関する現在までの最も詳細な記事なので、特別な興味がある方は全文を機械翻訳させるとよい。私は、国家総力戦モードに入っているときにわざわざ製造工程数の多い、そしてメンテの手間がかかり、人手を何倍も奪われるにきまっている加農砲などにこだわっているのは、戦争指導として愚劣だと判断するので、このアイテムに興味がないんですよ。しかし2009年から開発させてきたという「いきがかり」があることは記事でよくわかった。その慣性が重過ぎて、いまさら捨てられないのだろう。サンクコストに計上できないのだ。


GRUとFSBの戦争だ

 RFE/RL’s Russian Service の2023-7-13記事。
   第58混成軍の司令官イワン・ポポフ少将は、最近のザポリッジア戦線も往来しているが、「露軍の前線部隊は底なしに酷い情況にある」と参謀総長のゲラシモフを批判したところ、ショイグによって馘にされたという。

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 ABC News の2023-7-12記事「Retired US general questions alleged Putin, Prigozhin meeting」。
   ABCニュースのリンゼイ・デイヴィス記者が、退役将軍のロバート・エイブラムズにインタビュー。
 エイブラムズは、プリゴジンはとっくに殺されているか収獄されているであろうこと、あの「プーチンとの会談」とやらはフェイクだとの見解を示した。

 プリゴジンが生きているという証拠がまったく表に出てない。ここに注目すべし。
 エイブラムズの個人的直感では、プリゴジンはもう殺されている。
 しかし、もしも生きていたとしたら、身柄は監獄の中だろう。

 ウクライナの国防相は、露兵が毎日400人、戦死し続けていると言っている。
 また戦傷者2に対して死亡1の比率だという。これは現代世界では信じがたい率で、メディカル組織が機能してないことを意味している。
 ちなみに米軍では、戦場での受傷者の98%は、生存する。

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 2023-7-13記事「Otokar showcases the ALPAR unmanned ground vehicle」。
   トルコのメーカーである「オトカル」社。
 このたび、試作品の無人戦闘車をマスコミ公開した。歩兵部隊を火力支援できる。

 「ALPAR」という装軌車で、全重15トン。この重さは、中型輸送機でも空輸できることを狙っている。

 動力はハイブリッドなので、無音で動くこともできる。

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 Max Hunder 記者による2023-7-13記事「Ground vehicles are the new frontier in Ukraine’s drone war」。
  今、ウクライナでもロシアでも、地上用の無人車両の開発と生産が、競争で進められているところである。

 たとえばウクライナの22歳の男。すでに数十台ものリモコン操縦式ロボット車を製造して、ウクライナ軍に供給したという。

 たとえば4輪の電動台車に、対戦車地雷を1発、背負わせたタイプ。台車は、この地雷が1個のみ載るサイズである。タイヤ直径は、子どもの自転車くらいだが、幅があり、ゴツい。

 台車の後端にはポールが立ち、その上にマイクロビデオカメラ。これで前方の風景と、自車の姿勢とを、同時に遠隔でモニターできる。

 1台の製造コストは800ドル強というところだ。

 ゴム履帯タイプも製造されていて、生地においてその走り具合が比較されている。ただしこの履帯パーツは外国からの取り寄せ。その価格はどんどん値上がりしている。世界的に、UGV用のパーツの需給が、逼迫しているのだ。

 ※H・G・ウェルズが雑誌(1903年12月号)に寄稿し、「戦車」を予言したとされる短編小説「The Land Ironclads」は、本邦未訳だと思う。「openlibrary」というウェブサイトに原文がある。ざっとこんな感じ。

 どこの国とは明示しないが、欧州先進大国の2陣営が戦争中。主力は銃剣付きライフル、陣地の機関銃、自転車で移動する歩兵と騎兵で、すでに長期膠着した塹壕戦の様相。歩兵はランタンを携行。陣地にはサーチライトもある。夜明け前、謎の兵器が14台、あらわれる。パーティ料理の皿にかぶせるような金属の蓋の巨大なもの。煉瓦の納屋を小さくしたような図体。動く要塞だ。装甲巡洋艦の陸上版だ。銃眼は側面にしかないから、こっちの塹壕に対して斜めに近づいてきて、直前で真横を向いて一斉射撃してくる。それは小銃なのだが、ハイテク照準器で百発百中。射手はまったく安全な車内に座っていて、間接プリズムで視察して、ボタンを押すだけだ。全長90フィート、高さ10フィート。こちらの幅30フィートの塹壕は越えられまいと思っていたが、時速6マイルで超えてしまう。厚さ12インチのサイドスカートの下に8組の無限軌道(eight pairs of big pedrail)。天板中央に昇降式のカニングタワーがあり、車長は大尉。エンジンは機関士が担当する。都会の事務員を徴兵しても戦争の役に立たないと言ったのは誰だ? 現代は生身の人間の相手を、機械がする時代なのだ。機械を動かすのは都会の事務員だ。勝負はたった数時間でついてしまった。こっちは全員、白旗を上げるしかなかった……。

 ※そこで 無限軌道 のはじまりについてウィキを見た。Continuous track。履帯の実用品は、英国の「ホーンズビー&サンズ社」が1904年にこしらえたという。しかし特許記録の上では1825年に一英国人が、無限軌道の最初の特許をとっているそうだ。その後、各国でいろいろ開発。だからウェルズの語彙にもすでにあったわけだ。

 ※ついでにウィキでホルトについても調べたら、こんな感じ。
   Holt tractor
     ベンジャミン・ホルトがカリフォルニア州で立ち上げた「ホルト製造会社」が製造した無限軌道つきの牽引車。

 さいしょの100両は、1908年から1903年にかけて製造された。

 ロサンゼルスの上水道工事でそれが使われ、会社の評判が確立した。

 第一次世界大戦では、英、仏、米軍が、ホルト牽引車で重砲を引かせた。英軍は8インチどころか、9.2インチ榴弾砲もこれで動かした。

 仏軍の「シュナイダーCA1」「サンシャモン」およびドイツの「A7V」戦車は、いずれもホルトトラクターの構造を利用している。

 軍用のホルトには3タイプがある。
 「ホルト75」は、1913年から製造されていたもの。
 これを米国は、英国のリンカーンに所在する「ラストン&ホーンズビー」社にも現地製造させた。英国内での生産台数は、1924年までに442台であった。

 「ホルト120」は、120馬力モデル。砲兵牽引専用として1914に発注され、1915から量産開始。
 操向のために、車体前端に「1輪」がついている。

 このほかに「ホルト60」というのが1911年からあるのだが、数量は少ない。

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 2023-7-13記事「Babcock will repair British equipment from Ukraine」。
   英国企業「バブコック・インターナショナル」は、英国が宇軍に与えた装備品の保守サービス業務を、英国国防省から受託することになった。会社の公式ウェブサイトによれば。
 修理もしてやる。

 とりあえず12ヵ月の契約。金額は5000万ポンドくらい。

 ※ドイツが戦車修理工場をポーランドの東国境に建てるという話は、ポーランド側との細部交渉が決裂し、ご破算になった。ドイツはウクライナ国内に戦車製造工場を建てる。当面は宇軍用戦車の修理は、ドイツ本国か、リトアニアで実施する。

 ※いま先進各国では、道路上ではなく、その両サイドの草叢に簡易に設置できるユニバーサルな指向性地雷を開発しているのではないかと思う。ウクライナでは、路外は地雷だらけなので、歩兵も車両も皆、警戒して、道路の上ばかりを進退している。だったら、その路側の草叢に地雷を隠して、路上を通りかかる敵を攻撃するようにしたらいいわけだ。対車両用なら磁気信管が可能である。対人用なら赤外線と震動の複合式でいいだろう。これは禁止された対人地雷にはならない。クレイモアと同じだから。

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 Erin Snodgrass 記者による2023-7-13記事「Russia is sending ‘disposable’ soldiers to fight Ukraine high on amphetamines to ensure they ‘still run at machine guns,’ military expert says」。
   英国のシンクタンクが5月に出したリポート。露兵が元気がないので、今年に入ってから、覚醒剤(アンフェタミン)を支給されているという。

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 2023-7-13記事「Come Back Alive Foundation is launching a fundraising campaign for grenade launcher sights」。
    ウクライナ国内で活動する「カムバックアライブ基金」はこのたび、「マーク19 自動擲弾発射機」にとりつける特殊照準装置を調達するための募金を始める。

 この自動擲弾発射機は米国製。口径40ミリ。

 特殊照準器は、「ARMOR」というアプリを入れたタブレットと連動させる。敵を直接視認できない射点(たとえば森林内の塹壕やビルの裏手)から40ミリ擲弾を発射しても、それが正確に敵に当たるという。

 すでにさまざまな天候下で実験してみて、初弾から当たることが確かめられている。
 この照準システムは、「カムバックアライブ基金」が独自に開発した。「マーク19」以外の擲弾発射機や迫撃砲にも使えるであろう。

 これで弾薬の節用となる。


NATOには「第5条項」(全員自動参戦条項)があるのに、現にロシアと戦争中の国が加入できるわけねえだろ。

 加入できるとしたら戦争が終った後、となる。ということは、ロシアとしては、この戦争を永続させれば、ウクライナはNATOに加入できない。だから永続させよう、とプーチンは自分を正当化することができる。

 しかし2022-2-24の侵略正当化のレトリックも、「このままだとウクライナはNATOに加盟するからそれを阻止する」だった。つまり、加入してもしなくても、プーチンはウクライナを侵略するのである。

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 2023-7-12記事「An exotic handgun was spotted in the arsenal of Zelensky’s bodyguards」。
    ゼレンスキーの護衛SPが腰のホルスターに入れている自動拳銃は、珍しいもので、スロヴァキアの「ラウゴ・アームズ」というメーカーの「Alien」という製品だ。

 弾倉には9ミリ・パラベラム弾が17発入る。銃身長は124ミリ。
 装弾された状態での全重は1020グラム。「グロック17」の最新タイプと比べたら2倍近くも重いわけだ。

 SPたちが、拳銃連射時の反動抑制を重視していることは明瞭だ。この拳銃は銃身軸の位置を低くして、射ったときの銃口の跳ね上がりを極小化しようという設計思想。重量も、発射時の安定に貢献する。それによって2発目以降を早く正確に狙える。

 薬室閉鎖を解除するときも、銃身がグラグラしない仕組みにしている。
 市販品は1梃が5000ドルくらいする。多くの9ミリ拳銃の相場とくらべて5倍から10倍、高額。

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 2023-7-12記事「Japan to provide Ukraine with drone detection systems」。
   岸田首相の今回のNATO会合への手土産は、東芝製の「ドローン探知システム」だという。詳細不明。
 前にウクライナに対して約束していた3000万ドルの「非殺傷」系装備用ファンドから支出されたようだ。

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 Defense Express の2023-7-12記事「Norway Sends Thousands of Black Hornet Microdrones: a Unique Solution for High-Intensity Infantry Warfare」。
    ノルウェーはウクライナに対して、重さ32グラムのシングルローターの超小型偵察ドローンである「ブラックホーネット」を1000セット、あらたに寄付する。この1セットには機体が2機、入っているから、実数は2000機だ。

 ブラックホーネットを生産しているのは、ノルウェーの「テレダインFLIR」社。
 たった32グラムなのに、サーマル赤外線ビデオを送信してくる。滞空25分、通信電波は1.6km到達する。

 敵兵はDJIのドローンを距離50mで察知できるが、ブラックホーネットは、夜間に敵兵の10m横を飛行しても、音で気付かれることがない。

 ブラックホーネットの単価は非公開だが、1セットが4万ドルから6万ドルと見積もられている。ウクライナ軍はすでに、150~240セットを提供されている。その資金は英国から半分以上出されている。

 ※WWII中に米国はソ連に対して「レンドリース」を発動した。その中にはオートバイが3万5170台も含まれていた。ちなみに戦車は7000両、ハーフトラックなどの装甲車が6303両、救急車が2328台、貨物トラックが42万7284台、機関車1977両、鉄道貨車11075両、飛行機は1万1400機……。つまりこういうことだ。WWI以後の、内燃機関戦争の時代においては、米国が味方についた陣営が勝つにきまっているのである。「中間デポ」の負担を米国に頼める側と、自力でそれも構築せねばならん側とでは、勝負になるわけがないのだ。この例外となりたくば、北ベトナムのように、内燃機関を使わない対抗策を根本から考えるしかないわけ。中共は朝鮮戦争で、鉄道と人海戦術を組み合わせることでかろうじて対抗したが、その戦略は現代にはとても再現はできまい。

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 Zahra Tayeb 記者による2023-7-13記事「Russia’s economy dealt a crushing blow as its current-account surplus collapses by 93%」。
   ロシアの経常収支バランスが崩壊しつつある。
 ロシア中央銀行が公表。4月~6月の経常黒字は54億ドル。これは2022年の同期が767億ドルだったのと比べて93%の落ち込みである。

 ルーブルもさらに弱まり、6月前半は1ドル=97.48ルーブルくらいで推移している。

 ※雑報によると、2004アテネと2008北京で棒高跳びの金メダルをとっている「ロシア軍少佐」のエレーナ・イシンバエワが、スペイン領のテネリフェ島に隠れ棲んでいるのが目撃された。この人はもともとLGBT支持派だったがプーチンに屈服してウクライナ侵略にマンセーしていたのでウクライナ政府から制裁対象に指名されている。

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 Sakshi Tiwari 記者による2023-6-12記事「Delivery Of Russia’s Deadly Orlan-10 & Orlan-30 UAVs Have Increased By A Whopping 53 Times Since SMO」。
    ロシア国防大臣のショイグが6-11にマスコミに語った。「オルラン」無人偵察機の供給量を53倍に増やしたぞと。

 「オルラン-10」と「オルラン-30」は、24時間無休の体制で増産されつつある。

 またショイグによると、カマズのトラック工場は17.6倍、ウラル車両工場のT-72修理とT-90生産は3.6倍、クルガン機械工場のBMP-3の修理と生産は2.1倍に増えていると。

 「オルラン-10」は砲兵の観測機としてもはや不可欠の装備。露軍は2022-12月時点で、1日に2万発の砲弾を発射している。それが当たるか当たらないかの分かれ目が、観測機。

 「オルラン-30」は後継機種で、滞空5時間可能。最高時速170km、高度は5000mまで上がれる。レーザーで地上の標的を照射できる機能がついていることが、「オルラン-10」との重要な相違点だ。これを使うと、衛星ナビ電波のスプーフィングの有無に関係なく、レーザー反射ホーミング式の弾薬を正確に誘導できる。

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 ストラテジーペイジの2023-7-12記事。
   イランは自国の弾薬備蓄を空にする勢いでロシアに砲弾を輸出している。
 牽引式のD20榴弾砲用に、1万4000発の152㎜砲弾。
 T-72の主砲用に、1万発の125粍榴弾。
 T-72用の交換用砲身×2。
 牽引式のD30榴弾砲用の、交換用の122ミリ砲身×2。

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 Boyko Nikolov 記者による20237-12記事「China conducted an exercise with a squadron of minesweeper drones」。
    中共の北方艦隊が、黄海で、無人掃海艇を使った掃海訓練。CCTVを通じて宣伝した。

 動画によると、1隻の有人掃海艇『Huimin』と、2隻の無人掃海ロボット、2隻のモーターボートが連携。
 掃海ロボットは、サイドスキャンソナーで得た海底データをリアルタイムで母船の『Huimin』に伝えた。

 機雷が探知されると、あらためて別な水中ドローンを送り、爆破する。フロッグマンにやらせることもある。

 ※対米宣伝用にステージングした掃海艦隊の陣容がコレとは、いまだに、中共海軍には実質、掃海力はゼロなのであると白状したようなものだ。「ヘリ掃海」もできないのだ。


エルドアンはプーチンと会談したさいに、こいつの政治的余命はもう無いなと品定めして、直後に、はっきりと米国へ恩を売るコースへ切り替えたのだろう。

 おそらくFSBもまた余計なことをやらかしたのだろう。たとえばクルドを使ってトルコ国境で騒ぎを起こさせるような、無意味なイヤガラセを、会談のタイミングに合わせて、ほとんど習性として、また演出したかもしれない。選挙に勝ったエルドアンは、今や、それに怒る権利があるということも、鈍感な熊にはわからないのである。

 スウェーデンはNATO加盟の「御礼」の意味でトルコに潜水艦の技術を提供するのではないか? もはやバルト海にはスウェーデン独自の潜水艦は必要なくなった。他方、黒海のトルコ海軍には、これからまだ需要がある。ロシア海軍をアゾフ海に逼塞させてしまうのに、スウェーデンが設計したトルコの潜水艦隊が役に立つだろう。さらに加うるに、スウェーデンが設計したUUVをトルコが量産したら、アゾフ海もロシア艦の安全水域ではなくなるだろう。そのUUVが、いずれは、カスピ海にも搬入される日が来るだろうと予想しておく。

 次。
 Matthew Chance and Mick Krever 記者による2023-7-10記事「Gym, spa, beauty equipment: Leaked documents reveal hidden details of Putin’s ‘ghost’ train」。
     リーク文書が「プーチン列車」の詳細を伝えている。
 その客車のうち1両は、まるごと「ジム」。2018年に新装された。中味のマシンは、初代はイタリア製の「アブダクター・スタンダード」と「アブダクター・テクノジム」であったが、最近あらたに、米国ホイスト社製のHD-3800と3200に入れ替えられた。ロシア交通省が、そこまで面倒をみている。

 客車をプーチン専用の特製内装に改造する仕事を請負っているのは「ツィルコン・サービス」というところ。

 「ジム客車」の隣は「美容客車」が連結されている。マッサージ台、電波を用いる美肌器(張りを強化する)などが全備されているという。

 「美容客車」の奥が「スパ客車」である。
 内装はすべてタイル張りで、トルコ風のスチーム・バスとシャワーあり。

 プーチン列車にはFSOの者が10名、同乗して、護衛にあたる。
  ※お背中、お流ししますっ!

 国外亡命している元FSO将校いわく。
 飛行機は離陸した瞬間どこかのレーダーにかかる。列車はそういうことがない。所在をくらましやすい。
 今次戦争のスタート時より、プーチン列車はヴァルダイ村にずっと停車していることが増えた。モスクワとサンクトペテルスブルグの中間にあり、湖と森に囲まれた牧歌的な土地だ。

 プーチン列車は、ロシア国内の鉄ヲタが、時刻表に無い幽霊列車だとして、早くから注目している。

 機関車が2両ついていて、客車の天井に衛星通信用らしい白いドームがあれば、それはプーチン列車の可能性がある。

 ※ロシア国鉄にできることが、なぜ日本の私鉄にはできない? 車両そのものが温泉・マッサージ室・フルーツパーラー・卓球場・縁台将棋コーナー・夜店・ランドリーとなっている深夜鈍行に、日本を横断させたらいいじゃないか。ひと晩で「本州の半分」の長さは移動するはず。宿泊費(ホテル代)をできるだけ節約しながら大旅行したい貧乏人は、いっぱいいるだろう? 寝台の必要はない。椅子の背もたれをフラットに倒しても後列に迷惑がかからぬレイアウトならば……。

 次。
 Joe Saballa 記者による2023-7-11記事「Russian Army Ramps Up Female Recruitment Amid Force Depletion」。
    西シベリアのオムスク市で当局が50歳以下の女性対象の募集広告を打っている。職域は、衛生部隊の軍医と軍看護師、および、調理師。採用されると、露軍が占領中であるウクライナ東部の諸地区に配属されるという。ようするに最前線じゃないか。

 契約期間は1年間。

 素人の応募もOK。簡単なジョブ・トレーニングがあるから大丈夫だという。

 なお、兵隊に応募する場合は、その俸給は民間の平均相場の10倍。露兵は、これが欲しいので、叛乱を起こさない。

 ※最新地雷情報。ロシア製の対戦車地雷はほんらい500kg圧以上で信管を作動させる仕様だったが、さいきんの出荷品はバネ抗力が300kg以下に弱まっており、人がその上で跳ねても爆発する。決して悪戯で踏むべからず。

 次。
 Stavros Atlamazoglou 記者による2023-7-12記事「Putin’s Ukraine War Hits Home: Russian Hospitals Overwhelmed by Wounded Soldiers」。
   カラシニコフ社には「戦闘救命訓練部門」がある。その長いわく。
 ウクライナ戦線で戦死した露兵の半分は、救命することが可能であった、と。

 1950年代のソ連で製造された繃帯セットを、充員招集の老兵や素人兵に持たせているようではダメだ。今は止血帯のすぐれた製品が開発されているのに、露軍はそれを調達してこなかった。だから、ゴムバンドで縛って動脈を圧迫する、原始的な方法を負傷兵に適用している。これでは助かる者も助からぬ。

 負傷した兵隊をすぐに後方の野戦繃帯所に後送し、さらに重篤患者を地区病院まで搬送するスピードも、今の露軍は、遅すぎる。このスピードが、負傷兵の死亡率と反比例するのだ。

 じつは西側が2022-2-24のプーチンの侵略計画を事前に確信できた理由のひとつが、国境沿いに野戦病院が次々と開設されている証拠を掴んだことであった。

 ※中共が台湾を侵略する場合には、民間フェリーを徴用して臨時の「病院船」に仕立てると思う。それをせずに、本土までヘリで患者を後送させようとするなら、待っているのは大惨事だけだろう。

 ※古い提案をもう一度しておくと、海自に必要なのは『拡大しらね型』の駆逐艦だ。先島群島の沖合いで、その広い後部デッキとヘリ格納庫を、避難民の中間避難所として活用することにより、住民のエバキュエーションはシームレスに進む。CH-47だけでなく、中型ヘリによる洋上逓送も可能となるからである。そこを中継して、たとえば大東諸島にいったん疎開させ、さらにC-130で本州へ空輸することもできる。予算に余裕があるのなら、駆逐艦ではなく「補給艦」にすることだ。中層デッキに数千人でも一時的に収容できる。

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 Luc Cohen 記者による2023-7-11記事「Head of US think tank charged with acting as Chinese agent」。
    イスラエルと米国の二重国籍をもつ男、ガル・ルフト(57)は、エージェント登録をせずにひそかに中共の代理人となり、2016年に米政府の高官に賄賂を掴ませた。トランプ政権時代の犯罪。

 ツイッターを遡るとルフトは2月18日より前にキプロスにて逮捕された。

 ルフトは、「Institute for the Analysis of Global Security」というDCのシンクタンクの共同主宰者だった。

 検事によると、ルフトは中共の複数の会社が武器をリビア、UAE、ケニヤなどへ輸出するのを手伝っていた。こうした斡旋には米国政府のライセンスが必要だがルフトはそれを持っていなかった。

 ルフトは、イラン産石油を中共のエネルギー会社が買いつける商談の仲介もしていた。米国政府がイランに経済制裁している以上、これは米国法に違反する。

 ※ウクライナの国防副大臣によると、M2ブラドリーの25粍ブッシュマスター砲は、対装甲貫徹力が66ミリ。相手がBMP-2なら距離2000mで始末できる。25粍の弾薬は900発積む。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2023-7-11記事「Russian Second Rank Captain of Krasnodar Submarine Was Tracked Through App for Running」。
    クラスノダールでジョギングしていたスタニスラフ・リツキー大佐が、ウクライナの潜入ヒットマンによって射殺された。大佐は潜水艦艦長であり、かつまた地区の動員局の次長であった。

 この間抜けは「Strava」というスポーツ補助アプリを使っており、走っているコースがリアルタイムで大衆に筒抜けであった。

 さのみならず、毎日、決まったコースばかり走っていたという。殺してくれといっていたようなもの。

 ※これが高額or稀少なスマートウォッチならば、ウクライナ軍情報部の工作員が第三者を使ってプレゼントして……という手の込んだ陰謀も考えられるところだが、このケースは、一部のロシア将官のセキュリティー意識の低さを物語るのみだと思われる。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-7-11記事「After deploying F-22s to Japan, the US also sent B-1B Lancer」。
     米空軍はB-1Bを日本国内の三沢基地に展開した。この爆撃機の原基地はテキサス州の「Dies」である。
 ロシアのオホーツク沿岸基地をいつでも打撃できる態勢を示したといえる。
 7月21日まで続く「ノーザン・エッジ 2023」演習にこの機体は参加する。

 この前B-1Bはスウェーデンにも展開したばかり。

 嘉手納にはF-22もあり。中共が妄動しないように睨みを効かしている。