Amazonの『世界の終末に読む軍事学』は、本日から買えると聞いています。(奥付では15日発行ですが…。)

 Matthew Ward Agius 記者による2025-4-9記事「Trump’s tariffs: Why won’t countries buy US meat products?」。
  トランプは2日に、豪州を名指しし、米国は昨年だけでも30億ドル豪州牛肉を輸入しているのに、豪州は米国産牛肉をまったく買わない、と発言。

 また英国とEUが米国産牛肉を買わない根拠は非科学だとなじり、アルゼンチンが米国産の生きた牛を輸入しないことも非難した。

 では、そこに科学は反映されていることを説明しよう。

 豪州とアルゼンチンは、2003年に米国牛が「狂牛病(BSE)」を発症したので、その輸入を制限したのである。
 プリオンというタンパク質は脳神経を冒す。これにまみれた牛肉を人が食べると、その人も狂牛病を発症することがある。「クロイツフェルト-ヤコブ症候群」といい、これまで既に全世界で233人がこれに罹って死んだ。彼らの全員が、BSEにまみれた肉を食べていたのである。

 米保健当局は、BSEの国内流行を抑えようと努めた。その成果は認められたから、豪州政府は2019に米牛肉の輸入を解禁している。

 ところが、トランプを筆頭とする米国人たちは、豪州政府がいまだに米国産肉の輸入を禁じていると思い込んでいるようなのだ。

 豪州政府が外国業者に要求しているのは「バイオセキュリティ」である。これは豪州の法律で決められている。米国の牛肉輸出業者は、その牛肉が、米国内で繁殖された牛であって、かつまた米国内で育成された牛であって、かつまた米国内で屠殺処理された商品であることを、豪州政府に対して証明ができなければならない。

 しかしそのような「トレーサビリティ」を実現するためには、生産者は余分なコストを負担せねばならない。米国の畜産関係者たちは、そのコストと面倒を厭い、豪州政府が求める「証明」ができる牛肉が、事実上、いまだに皆無なのだ。だから豪州には、米国産の牛肉は、入って来られない。

 アルゼンチン政府は、BSEを理由とした米国産牛肉の輸入制限を2018年に撤廃している。ただし、米国からの生きた牛の輸入は、ひきつづいて禁止をしたままだ。米政府とアルゼンチン政府は、生きた牛が衛生的で安全であるといかにして証明できるかについて、いまだに合意には至っていないからである。

 EUと英国は、1989から、米国産の牛肉の輸入を規制している。理由は、米国内の畜産農家が「成長ホルモン」を肉牛にも乳牛にも投与し、育成期間を短縮したり、肥育効率を高めているからだ。代表的なホルモン剤としては「estradiol 17ベータ」や「テストステロン」がある。

 EUは、そうしたホルモンを投与されていない牛の肉については、米国から輸入をしている。
 英国はEUを離脱した後も、独自の研究調査により、ホルモン漬け牛肉の輸入を禁止している。たとえば「estradiol 17ベータ」は、ヒトの癌性腫瘍の増大を加速することが、医学的に確かめられているという。

 これに対して米当局は、成人がそういう肉を食べても健康には何のリスクもない、とEUに反論している。

 それに対して英国の学者先生いわく。あいにく英国には健康な成人だけでなく、嬰児・児童もいれば老人もおり、免疫障害をもった人も住んでいるのである、と。

 またEUは米国当局よりも、ホルモン薬漬け牛肉の危険について、包括的に評価を下している。

 トランプはEUが、米国産の家禽(ほぼ、チキンのこと)の鳥肉を、塩素殺菌処理をしていることを理由に、輸入を許可しないことを非難している。

 米国では、campylobacter のような食中毒の原因となるバクテリアを殺菌するために、塩素溶液で鶏肉を洗浄するのである。

 EFSA=欧州食品安全局 は、そうした薬剤が鶏肉消費者の健康に害をおよぼすとは考えていない。

 しかし、最後に塩素で殺菌すりゃあいいんだという雑駁な考え方であれば、おそらく最終食肉処理に至る前の養鶏の全段階で、劣悪杜撰な予防衛生や、欧州基準からは許し難い虐待的「ブロイラー生産」様式がまかり通っていることであろう。欧州は、そうした「動物福祉」を軽視する者たちに対し、目をつぶらないのである。

 欧州の倫理基準では、畜産養鶏業界が「ファーム(農場)からフォーク(皿)まで」、動物福祉を遵奉することを求めるのだ。

 そもそも、塩素消毒液で鶏肉の表面を洗ったからといって、肉の隅々までよく殺菌されているわけではない。ただ、とおりいっぺんな検査で、菌が検出されなくなる、というだけ。あちこちに残ったバクテリアは、いつでも増殖したり、移ったり、誰彼を病気にさせかねないのである。そしてじっさい、米国内でのバクテリアが原因の食肉食中毒事故は、欧州よりも発生率が高いのである。

 2020年の世論調査によると、英国人の80%は、塩素殺菌された米国産の鶏肉の輸入に、反対である。

 ※米海軍は「MQ-4C Triton」をまた沖縄に配備する。数週間後から。

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 Dylan Scott 記者による2025-4-9記事「Why RFK Jr. wants to ban fluoride in water」。
  ケネディ厚生長官は、米国の上水に弗素を混ぜて、人々の虫歯を防いできた、1950年から続く連邦の政策を、これから、逆転させようとしている。

 はしかのアウトブレークが起きているのに、はしかワクチンへの連邦補助金を打ち切るなど、ケネディはますますじぶんのしごとにうちこみちゅうである。

 ケネディにいわせると、弗素は工業汚水であり、それを水道水に混ぜていることにより、全米の児童の神経は障害され、骨の癌になるのだという。

 ※映画の『ドクターストレンジラブ』に出てくる気違い基地司令官と、ものすごくイメージが重なるのは、どうして?

 ユタ州は、水道からフッ素を追放した、最初の州になった。

 エビデンスある統計。フッ素水道水のおかげで、米国の子どもも成人も、虫歯が25%すくなくなっていると。
 そして現状、三人のうち二人のアメリカ人は、地域の上水システムの水道水を飲用している。

 CDCは、フッ素水と癌のあいだに何の相関もないという研究結果を公表している。

 ハワイ州はそもそも水道にフッ素を入れさせていないが、フッ素を禁じているわけでもない。

 加州やイリノイ州などでは、一定規模以上の市の水道局に対して、上水にフッ素を混ぜることを州法によって義務付けている。

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 Edward Luttwak 記者による2025-4-8記事「Tariffs will awaken the American Dream Trump must ignore the lords of Martha’s Vineyard」。
   これまで数十年、米国は後進国の業者に市場を開放してきた。後進国は貧民を安く働かせて安い商品をつくり、それを米国市場へ輸出できた。
 結果、後進国内の貧民はますます貧しくなり、米国の労働者は職を失った。米国の二大政党は、自由貿易万歳を叫び続けた。

 当初、チープなローテク商品の流入を無限に許容するいっぽうで、米国側からは、それら後進国へ、農産品や、コカ・コーラや、烟草を輸出した。しかし次第に、米国からは「米国政府国債」を輸出するようになったのである。

 米国債を、米国に対して商品を輸出している国々は、よろこんで買った。そうすることにより、ドルは高くなった。ドルが高くなれば、米国向けに輸出される商品の米国内での価格競争力は、ますます強くなるのである。

 このような貿易を続けたことで、米国内のビジネス風景は、変わった。米国内では、ローテクな工業は、まったく商売にならなくなった。従来そういう分野で就労していた人々は、これからは工場ではなくて、サービス産業に転身すれば、楽にカネが稼げますよと、政府からそそのかされた。

 外国から安く輸入される製品の製造などには見切りをつけ、マーケティング分析だとか、外国為替取引の仕事で成功すれば、すぐにも高所得層の仲間入りができるんだよと。

 米国のエリートたちは、演説でも、新聞記事でも、大学の授業でも、工場で働く時代はアメリカ人にとってはもう終わったのであり、これからはみんなで高サラリーの市場コンサルタントだとかフィナンシャルアドバイザーになるんだよと、推しまくった。

 さて、じっさいはどうなったか?

 かつて、時給30ドルで、工場で組み立てをしていた労働者たちは、その工場が外国製品との価格競争に敗れて潰れた後、時給3000ドルの外国為替トレーダーに転身できただろうか? 

 然らず。
 彼らは、時給10ドルの、ショッピングモールの警備員におちぶれるほかになかったのである。

 1993年に記者〔ルトワック〕は、『危険に瀕しているアメリカン・ドリーム』という本を公刊し、アメリカ国内のローテク工業はこのままでは壊滅し、それは米国の家族の日常を亡ぼしてしまうんだぞと警告した。

 まだフェンタニルなんていう麻薬は街に侵入していなかった。だが、精神破壊は待った無しだった。弁当箱を抱えて毎朝出勤する親父は、見られなくなった。その親父たちは失業者となり、運よくありつける再就職先はウォルマート。時給も前職よりもガックリと下がってしまう。そこで彼が売らねばならぬ商品群は、すべて外国からのチープな輸入品だ。そのいくつかは、かつて彼が、工場で仕上げていた製品の、中国版のバッタ物なのだ。

 記者はその著書の中で、米国社会がこのようにしてまず破壊されると、次に来るものは、「製品改良されたファシズム」だぞと予言した。とうじの書評屋どもはこぞって、記者を、愚かな保護主義者だと罵ったものである。

 米支配階級は、ドグマを信じている。無制限の交易は、全世界を今よりも富ませる、と。いかにもその通りであろう。だがグローバリゼーションは、同時に、アメリカ国内の工業労働者については、今よりも貧乏にさせてしまう。その貧窮は、わが子を大学へ進学させられないレベルである。かつては可能だった、次世代の「Upスキル」が、できなくなっているのだ。これがアメリカン・ドリームの危機でないことなどあり得ようか?

 ビル・クリントンのせいだ。奴が、カナダやメキシコから米国への製品流入を合理的な範囲に規制する防潮堤を、いっさい、とっぱらってしまった。だったら世界中の企業がメキシコに工場を建てるのは、あたりまえではないか。そこから工業製品が、無制限の大洪水となって流れ込み、とうとうアメリカ社会を水没させてしまった。

 韓国はアメ車を事実上、締め出してきた。GМは、ソウル市内にショールームを借りることすらできなかったのである。ビルのオーナーが貸そうとすると、韓国政府からオーナーは報復のイヤガラセを受けたのである。

 中共は米国債を買い続けている。人為的な為替操作だ。ドルを高くすることで、ますます輸出が楽にできるのだ。
 ウォルマートでは、中共製の工具97種入りセットが、1箱数ドルで買える。その現状が、どうして悪いことなのかって?
 消費者視点からは、問題などない。だがアメリカ社会を構成するのは消費者だけじゃない。良い家族、良い町、良い都市を構築するには、労働者に「良い職業」があることが、不可欠の資材なのだ。その「良い職業」を、グローバリゼーションは、無意義化してしまうのである。消費者だけからなる家族と町は、ゴミと麻薬だらけの、モラルも何もない、犯罪と暴力と非知性に支配された、ゾンビの生け簀でしかないだろう。

 米海軍は、必要な数の軍艦を決まったスケジュールで納品してもらえなくなっている。ボーイングの空中給油機は、いつまでも完成しない。いや、民航旅客機でも納期の遅れが生じている。何故? 米国本土で、機械製造業種の中小工場が、数百社も、消滅しているからだ。かつて彼らは、大メーカーが急いで仕事を進められずに困った折に、助っ人として、熟練工を応援に送り込んでくれた。そんな、いつでも頼りにできた職工予備軍のバッファーが、今や、存在しないのである。

 有名大学に連邦補助金を出さなくする措置は、よいことだ。それら大学はくだらない社会学者を量産しただけだ。補助金を切ることにより、従来なら、しょうもない主張で世の中をかき乱す運動家になっただろう人材が、配管工になる。それはよいことだ。

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 Van A. Mobley 記者による2025-4-9記事「Why Comparing Trump’s Tariffs To The Smoot-Hawley Act Is Dishonest」。
    19世紀、英国は世界に先行して自由貿易を主唱したが、ドイツとアメリカはそれに乗らずに自国産業をタリフで守った。だから両国は成長できた。

 スムート=ホーレイ関税法を制定したとき、米国は、世界最大の債権国だった。このタリフのせいで、欧州諸国は米国相手に物を売れなくなり、外貨をかせげなくなった。すなわち、米国からのWWI中の借金を、返したくとも返せなくなった。それは、グレート・ディプレッションの引き金になった。

 今日、事情は1929年とは反転している。合衆国は、世界最大の債務国である。もし米国がその借金を返せなくなれば、全世界の金融が崩壊するのだ。
 スムート・ホーレイ法は、悪だった。トランプ・タリフは善である。これをやらなければ米経済はじきに借金の重さに破滅し、道連れに、全世界経済も破滅させるから。

 ※1930年代に欧州は米国への借金を簡単に返すことはできた。たとえば英国はインド植民地を米国商人に開放するだけでよかったのである。自国植民地を米国に対して閉ざしておいて、借りた金も返さないと開き直った欧州諸国は、WWIIの人命でそのツケを払った上に、植民地もすべて失った。

 ベン・バーナンキの説。米準備銀が大間違いをやらかしたのが、大恐慌の真因であったと。金利を引き下げて金融緩和のマネタリー政策を打ち出さねばいけなかったときに、真逆の、金融ひきしめ政策を打ち出し、公定歩合を上げてしまったから、1930年代のグレートディプレッションになったのだとする。


世界の終末に読む軍事学


搭載力も航続力も格段に増強された「チヌーク」の最新型を輸入することが、先島住民のエバキュエーションを迫られたときの、政府の遺算をなからしめる筈だ。 勿論、山火事対処にも屈強。

 2025-4-7記事「New Boeing CH-47F Chinook Block II Helicopter Boosts Speed Firepower and Reach for US Forces」。
   もうじき、チヌークの最新型、「Block II a」が米陸軍に導入される。今は、アラバマ州レッドストーンの試験場にて、ユーザー想定部隊によるテストの最終段階。もう昨年からず~っと続けているのである。

 現用の「CH-47F Block I」から、どこが進化したのか?
 すべてである。ローターは最新式になった。ドライブトレインもアップグレードされた。
 燃料タンクの容量は、568 リッター (=150 gallons) 増えた。

 ローター・ヘッドのデザインは、整備性を優先して洗練された。
 これは、ライフサイクル・コストも、引き下げてくれる。

 機体には、最初からMGマウントが4箇所、しつらえられている。買った部隊で苦労して後付け工事する必要はない。訓練も合理化される。

 ※ボーイング社のHPによってスペックを補うと次の通り。燃料は4088リッター=1080ガロン入る。エンジンは4777馬力×2基。巡航速度291km/時。ミッション・ラディアス(作戦往復半径)306km。実用積載量12565㎏。ちなみに「宮古島~沖縄本島」の宮古海峡の幅はおよそ270km。緊急非常時には、座席を無視して人々を立たせたまま機内に詰め込むことができる。そうすると1機でいちどに数百人も搬出できるのである。特に滑走路の無い小島の離島は、こいつだけが頼りだろう。その荷室に、人の代わりに予備燃料タンクを積めば、ラディアスはさらに延びる。しかもチヌークは、着水しても浮いていられるから、洋上で給油を待つという究極オプションまでアリなのだ。

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Jason Corcoran 記者による2025-4-8記事「How Trump’s Backfiring Trade War Could Crash Putin’s Economy」。
   トランプ・タリフがグレートディプレッションを再演させる気配から、国際油価が急落した。これでプー之介は窮地に立たされる。ロシアの政府歳入は、石油とガスの輸出が命綱だからだ(約3割を依拠)。

 ロシアの証券市場も反応し、4年ぶりの安値をつけた。

 ブレント原油は今、バレルあたり63ドルである。ロシアの輸出原油指標である「ウラル」は50ドル前後。
 これは、クレムリンが今年の損益分岐ラインだと考えている値よりも、20ドルほども低い。この価額で輸出したら、出血輸出になってしまう。ロシア国内の採掘企業にとっては、もちろん採算割れである。

 ロシアは、ルーブルの為替レートを、さらに下げるしかなくなるであろう。

 ※昨日見たSNSの投稿。トランプの娘婿、ジャレド・クシュナーがAmazonで書籍をサーチし、偶然みつけた「経済アドバイザー」候補が、ピーター・ナヴァロだったという。クシュナーは自身が対支批判の理論武装をしたいと念願していた。アマゾンでそれっぽい図書を調べていたら、ナヴァロが『Death by China』という著作を公刊していることを知った。そのタイトルがクールだと、クシュナーは思ったのだという。ナヴァロには経済学の学術的業績は、じつは無いという。ナヴァロが自著の中でちょくちょく引用する「Ron Vara」という専門家は、なんと「Navarro」のアナグラムであった。

 ※あるSNS投稿。1770年代に2%の印紙税を一方的に課せられたことで米植民地住民は蹶起して英国からの独立戦争になった。しかし今日米国住民は、自国政府から昔の数十倍もの輸入税を課せられようとしているのであると。

 ※4月3日のSNSの投稿。米国の22人の黒人男子のうち1人は、死ぬ前に人殺しになる。白人男子の場合、425人に1人である。統計から推論されるのだと。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-4-8記事「Russia admits sand and cement now fill its tank armor gaps」。
    露軍の新造の戦車に貼り付ける爆発反応装甲ERA。この正規品の量産が需要に間に合わず、しかたなく、弁当箱の中に砂やコンクリートを詰めているそうだ。これは露軍が公式に認めた。

 格好よく「NERA」=ノン・エクスプロージブ・リアクティヴ・アーマー などと称しているが、ようするに爆薬素材が契約工場から送られてこないので、カラッポのボックスだけとりつけておき、戦車を受領した部隊でそこに砂なりコンクリートなりをテキトーに充填してもらうようになっているとのこと。

 ※また雑報によると露軍は、球状の缶体に火薬を詰め、導火線に点火して投げる、原始的な急造手投げ爆弾も準備しているという。

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 ストラテジーペイジの2025-4-8記事。
  ドイツ海軍の新造コルヴェット艦のエンジン内部に、金属の削り屑が何者かによって挿入されていたが、運転前の点検で発見されて除去された。当局は、これはロシアの工作機関員の仕業だと見ている。

 ※詳細が不明だ。『ブラウンシュヴァイク』型のコルベットだと、MTUのディーゼル主機だ。速力も26ノットくらいだから、ガスタービンにする必要はないだろう。これがもしガスタービンならば、空気吸入口に金属粉を外装してやることで異常燃焼を起こしてやることができるかもしれないのだが、ディーゼルにどうやって悪戯する? 燃料に混ぜたってフィルターで止められるだろうし。わけわかんねえよ。

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 Dmytro Shumlianskyi 記者による2025-4-8記事「Estonia plans to allow sinking ships that threaten submarine cables」。
   エストニア政府は、海底ケーブルや重要インフラの破壊工作をしていると疑えるロシア系の商船が、エストニア軍艦の命令を聞かない場合は、撃沈できることにするつもりである。エストニアの国会が、立法によって国軍にその権能を与える見通し。

 問題は、場所が公海上のときが厄介だということ。既存の国際法があるので。

 ※NBCニュースによると、トランプ政権は、東欧に展開している米軍を1万人、引き揚げさせ始めた。ポーランドのウクライナ国境近くに2022から張り付いていたペトリオット部隊も遂に撤収した模様。一方、米上院はエルブリッヂ・コルビー氏の国防次官(政策担当)就任を承認した。コルビー氏こそが実質のセクデフだ。彼は欧州からは米兵をひきはがし、すべて対支にだけに転用すべきであるとの理論を夙に公刊し、それが米指導層をほぼ、納得させている。

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 Seth Robson 記者による2025-4-8記事「Marines’ ship-killer missile system to get extended stay in the Philippines」。
  4月21日から5月4日まで、バリカタン演習があるが、それが終わっても、75人の米海兵隊員は居残る。次に6月に行われる予定の米比合同演習のときまで。

 この海兵隊部隊は「NMESIS」を装備している。無人トラックをラーンチャーとして、沖合の中共艦船をミサイル攻撃できるシステムである。

 ※中共軍の島嶼侵略を抑止するためには、そのターゲットの島に、あらかじめ少数の米軍部隊が所在していなくてはいけないというのが、最新の米軍ドクトリン。これはWWII中の「ガダルカナル」の攻防経緯が、ものすごく深く研究された結果の結論なのである。詳しくは、明日発売の拙著『世界の終末に読む軍事学』で学んでくれ。

 ※JDAMの命中精度を説明するグラフがある。これによると、爆弾をリリースしてから爆発するまでの秒時が37秒までならCEPは13m以下で、ほぼ必殺。しかし37秒を越えると、みるみるCEPが大きくなり、100秒だとCEPは29mになって、もはや必殺だとは思えなくなる。


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ドイツ内務省は、戦時学童疎開の準備を開始した。対露戦争が近いので。

 Antonio Maria Delgado Miami Herald 記者による2025-4-7記事「Venezuelan military on alert, says it fears US will use tensions with Guyana to invade」。
    ベネズエラ国防省が同国民に対して警報。隣国ガイアナとの海上国境に位置するエクソンモービル社の石油掘削リグにて、米政府が何か《事件》を演出し、それを口実として米軍がベネズエラに攻め込んでくる可能性があるので、備えよ、と。

 その海域は面積がフロリダ州に等しい石油鉱区で、1899いらいガイアナの領域とされているが、ベネズエラはそれに文句がある。

 ベネズエラの副大統領は、ガイアナ政府とベネズエラの反政府リーダー、そして「ブラックウォーター」創設者のエリック・プリンスが、米国を黒幕とする陰謀を進めていると主張している。

 ※トランプはベネズエラで満州事変を起こす気か? 石油の出ないウクライナの地下資源などよりも、数百倍も確実に、儲かるからね。

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 George Friedman 記者による2025-4-7記事「The Geopolitics of Tariffs」。
   いま起きていることは、20世紀型の地政学構造の変態プロセスだ。しかしこういう変態プロセスは、長い人類史では、むしろ常態なのである。だから、まあ、なんとかなるだろう。

 WWII後、ソ連圏と対決する必要に直面した米国は、自国市場を他の自由世界諸国の商業に開放してやることにより、西側陣営を強化することに成功した。
 冷戦期の米国には資力があり、貿易不均衡を吸収できた。安い輸入品のおかげで国内物価は抑制された。

 しかしポスト冷戦期間中、そのシステムは、米国を含む多くの国々で、国内の多くの人々を、幸せにしなくなった。だから、システムの作り直しが必要になっているのである。ただしその正しい修正方法を、誰も知りはしない。トランプだって、失敗しながら手探りで進めるしかないのだ。

 ※ラインメタル社が、民需用にニトロセルロースを製造しているドイツ国内の某社を買収した。ニトロセルロースは、シングルベース火薬、ダブルベース火薬、トリプルベース火薬の原料になる。ようするに155粍砲弾の発射薬である。これまでラ社は、スイス、スペイン、南アに保有する海外工場でニトロセルロースを製造させていたのだが、それでは足らないと考えたようだ。

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 Sen. Rand Paul 記者による2025-4-4記事「Terminate the Trump tariffs before it’s too late」。
  米国内で戸建て住宅を1軒新築する費用は、トランプ・タリフのせいで、1万ドルよけいにかかってしまうだろう。

 第一期トランプ政権のタリフのおかげで、2018~2023の米国世帯は、年に1200ドル、余計に生活費が必要だった。このたびは、その追加コストは4200ドル/年になるだろう(イエール大学の研究所の試算)。

 1890のマッキンリー関税法は、その次の国政選挙で共和党の下院議席を100近く、減らした。結果、上院も下院もホワイトハウスも、すべて民主党のものに帰した。

 1929-5-28に、下院をスムート・ホーレイ関税法が通過。NYストック市場は6月に下落。
 同法を上院が、1930-3-24に承認。株価は暴落した。
 1930-6-17、政府赤字を嫌うフーバー大統領が、思い切りのよくない予算法に署名。不況はいよいよ深刻化した。

 オレゴン州選出の共和党連邦議員、ウィリス・ホーレイは、下院の議席を26年保っていたのだが、この余波で議会を去ることになった。
 共和党の上院議員を5期つとめたユタ州選出のリード・スムートも、1932選挙で下野。
 そしてフーバーは、大統領選挙で、歴史的な地すべり大敗北を、ニューディールを掲げた民主党候補のFDRに対して喫したのだった。

 ※トランプ・タリフの米国内消費者への影響を調べた一試算値。衣料品は37%値上がり。また玩具とビデオゲーム関係は30%、パソコン部品は30%、スマホは27%、住宅建設資材は22%、航空機の部品は11%、テレビ受信機は10%、医療用診断機器は10%、それぞれ値が上がるだろうという。

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 Yilin Wang 記者による2025-4-1記事「The U.S. Has a Long History of Tariffs. Here’s How Trump’s Compare」。
  アレグザンダー・ハミルトンは、米軍が英国製兵器に依存している状態はまずいと考え、1791から兵器産業の保護政策を打ち出す。
 最高で15%の関税が、輸入火器に課せられた。
 かたわら、官営の兵器工廠の建設を1794に議会に呑ませ、ハミルトンは米国人が兵器を自主開発するように促した。
 それから百年間、米国工業は年率5%でコンスタントに成長した。ハミルトンの保護政策は、正しかったと評価できる。

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 ストラテジーペイジの2025-4-7記事。
  ウクライナでは、不正蓄財をしている役人はすぐにバレる。長期の戦時下なのに、妙に一家の羽振りが良くなって行くのが、隠せないのだ。
 住民にチクられて、旦那は逮捕されるが、一家は財産をもって国外へ出てしまう。そして国外からウクライナ政府に、亭主の釈放を働きかけるのが、パターンだという。

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 Rupendra Brahambhatt 記者による2025-4-5記事「Women are better at hearing than men everywhere in world, finds study」。
  13ヵ国で450人の聴力を調べてつきとめられたこと。女性の耳は男性の耳よりも6キロヘルツ高い音域まで聞き取ることができるらしい。

 聴力は、年齢差よりも、むしろ性差のほうが、大きいということが分かったのである。
 音量についても、女子は男子より2デシベル小さい音まで聞くことができるのだ。
  ※地獄耳のデビルマンはじつはデビルウーマンだったのか!?

 住んでいる地域による違い。森林内の生活者は、最も敏鋭な聴力をもつ。高山帯の生活者は、その逆である。

 また、都市生活者は、注意を集中する音域が、高い周波数に偏るという。これは道路交通から来る低周波ノイズを無意識にキャンセルしているせいだろう。

 ※雑音を遮断して注意力を集中しなくてはならないときに、余計な雑音を遮断できないとしたら? メリットがあれば、デメリットもある。

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 Reuters の2025-4-7記事「Trump adviser Navarro dismisses Musk as ‘car assembler’ after tariff comments」。
  ムショ帰りながらトランプに尚忠誠を誓い続ける、トランプの刎頸の鉄砲玉となり果てたナヴァロ氏が、マスクに向かって吠えている。ということは、これはトランプの意を体している?

 マスクが欧州に向かって「相互ゼロ・タリフ」を呼びかけたのが、ナヴァロ氏には気に食わないようだ。

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 Aditi Shah and Shivangi Acharya 記者による2025-4-7記事「Exclusive: After Trump, EU seeks zero tariff from India on car imports, sources say」。
  インドは、輸入自動車にこれまで100%の関税をかけていたが、欧州車についてはそれを10%に引き下げるという。
 インド国内のメーカーは、30%は必要だと騒いでいる。

 もし、対欧州の限定で関税が引き下げられると、VWと Mercedes は勝利し、Tata と Mahindra 社は、苦しいことになるだろう。

 ※ロンドンのシンクタンクによると今、ロシア国内の軍需工業就労者は450万人だそうである。

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 Clarence Oxford 記者による2025-3-30記事「Sound energy emerges as next-gen drone defense tool」。
  フラクタルアンテナシステム社は「複合サイクル音波銃」を考案した。各種の音の集合をぶつけてやることによって、空中のUAVを撃墜できるのだという。

 独特の音波が、プロペラやローターブレードの表面に流れる空気の層を擾乱することにより、浮力や推力が消えてしまうという。

 また、音波震動が、IMU=三軸ジャイロなどがワンチップに組み込まれた姿勢制御センサー の機能を麻痺させるともいう。

 レーザー銃よりも軽量なシステムにできるという。


米軍の、欧州コマンドの司令官、クリストファ・カヴォリ大将は数字を出した。2022-2いらい、露軍は戦車を4000両以上、喪失したそうである。

 Volodymyr B. 記者による2025-4-6記事「Russian Study of Captured M2A2 Bradley Finds It Superior to BMP-3」。
   ロシア人は鹵獲した「M2A2 Bradley」を仔細に調査し、それは「BMP-3」より優秀であると認めた。

 M2A2 ODS-SA の底板は、スチールとアルミ合金の二重張り。耐地雷のポリマー層がライナーになっている。座席はショック吸収設計。

 ブラドリーの側面装甲は、30 mm 3UBR6 弾には耐弾する。しかし、3UBR8 弾なら、貫徹される。
 正面装甲は、 30 mm 3UBR8 に耐弾する。 BMP-3 は、これに耐弾できない。

 さらにブラドリーは、成形炸薬にも耐える。正面は、PG-9VS および PG-7VL の弾頭炸裂に耐える。
 側面は、リアクティヴ装甲により、 PG-9VS には耐えるが、PG-7VL だと、貫徹される。

 ブラドリーの25mm機関砲は、その有効射程が、 BMP-3 の 30 mm 2A42/2A72 機関砲よりも、2倍長い。
 その25mmのAP弾の貫徹力は、 30 mm 3UBR8 弾の2倍である。

 エンジン、発電機、砲塔、主火器へのアクセスが良い。整備しやすい。
 車内は、ガナーとコマンダーの間に邪魔物がなく、互いに直ちに行き来できる。ブラドリーは。

 BMP-3 は浮航性が利点である。ブラドリーは浮かばない。

 提言。対戦車ミサイルを発射しようとするときにそのラーンチャーの前に対ATGMスクリーンが何もないのはよくない。改善すべきだ。
 また走行中に車長が砲塔から頭を出しやすいように防弾ガラスの仕切りを増設するとよい。

 次。
 2025-4-6記事「Germany may look to withdraw its gold from US」。
  ドイツは世界第二の純金保有国で、その量は3350トン。一位の米国は8100トン。

 ドイツは保有Goldの多くをNYC、ロンドン、パリに置いている。本国有事のさいに、決済はそれらの都市ですることになるからだ。

 このほど『Bild』が報じているところでは、ドイツ中央銀行はNYCから純金1200トン以上を、フランクフルト市に引き揚げるつもりだという。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-4-6記事「U.S. billion-dollar campaign struggles against Houthi missiles」。
   3月なかばから、米軍は、フーシを相手に3週間、作戦した。そのコストは、10億ドルかかったと試算されている。
 これはCNNが米軍要路から聞き出した。

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 Gabe Whisnant and Sonam Sheth 記者による2025-4-4記事「Donald Trump Personally Decided His New Tariff Rates: Report」。
  『ワシントン・ポスト』の金曜日のすっぱ抜き。トランプの各国別タリフ率は、その発表の3時間前に、彼が即興で決めたらしい。185ヵ国について。

 ※雑報によると、クルスク州の北隣のブリャンスク州にある国境の村では、たったひとつの商店が焼失。バスは走っておらず、タクシー料金は高すぎて足に使えず、人々は、家屋の地下室で耐乏しながら、当局に救済を叫んでいるという。

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 Defense Express の2025-4-6記事「Smart Plywood Drone Helsing HF-1 Makes Difference in Ukraine: Quantities and Operational Details Revealed」。
   ドイツの企業「Helsing」が、ウクライナに1万機の、ベニヤ製FPVドローン「HF-1」を供給する。
 このUAVは、滞空1時間可能。
 レンジは45kmという。
 目標にロックオンしたあとは、無線が遮断されても、ミッションを完遂する。

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 Alex Horton 記者による2025-4-6記事「Army cites glaring failures in drone attack in Jordan that killed US troops」。
   シリアやイラクに近い、ヨルダン国内の哨所に、ドローン攻撃があり、米兵3人が死んだ。昨年のこと。
 これは、ちゃんと警戒していれば、防げたという。

 2024-1-28の事件。哨所には350人もいた。ほとんど、寝ていた。
 奇襲の90分前に警報は行っていたが、哨所では、備えていなかった。誰も壕にも入らず。

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 ストラテジーペイジの2025-4-6記事。
  イラン軍准将の Behrouz Esbati は、2024後半、シリアで手痛い目に遭い、帰国後に、経験談をしている。
 彼はアサド大統領に「シリア領からイスラエルを攻撃させてくれ」と求めたが、アサドはそれを断ったという。
 また彼によると、現地のロシア軍は、無為そのものであったという。
 アサド政権が崩壊すると、シリア政府軍兵士たちは淡々と便衣に着替え、武器もその場に置き、一斉に立ち去ったという。

 エスバティ准将は、イラン製の武器をシリア領内に空輸する仕事を監督していた。
 ダマスカス近郊には兵器工場があり、シリア人がそこで働いていたという。警備はシリア政府軍がしており、その総監督をIRGC(イラン革命防衛隊)がしていたという。

 エスバティはIRGC(イラン革命防衛隊)の高級幹部。アサド政権が崩壊したとき、イラン行の飛行機でシリアを最後に脱出した。

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 Karen Braun 記者による2025-4-3記事「By the numbers: The erosion of US grain export dominance」。
   過去5年を均すと、米国は、世界のトウモロコシ輸出の31%を支配した。しかし1970年代はこれが80%だったのだ。
 2000年代後半から210年代前半にかけて、米国産トウモロコシの世界シェアは59%から35%に急落した。これは世界的な金融危機と連動していた。

 ぎゃくにブラジルのトウモロコシは、20年前は世界シェア5%だったのが、今は22%に増やしてきた。

 大豆の輸出統計は、さらにドラマチック。
 1970年代には米国産大豆が世界の輸出市場の80%を占めていたが、今は27%に落ちた。
 代わってブラジル産の大豆が、今は世界の輸出市場の55%を席捲。10年前は39%だったのだが。

 小麦。米国は今では、世界第四位の輸出国であるにすぎない。
 米国産小麦は1979時点で世界の輸出市場の44%を占めていた。しかし1980-1にカーターが対ソ穀物禁輸を打ち出してから退潮が始まり、今は11パーセントである。この対ソ禁輸は、ソ連軍によるアフガン侵略が理由であった。

 このときからソ連は、小麦の輸入先を多角化した。
 そして現状、世界の輸出市場の20%を得ている。ロシアは小麦輸入国から逆に輸出国へ転じているのだ。

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 Gavin Maguire 記者による2025-4-5記事「Coal traders could be rare winners from Trump’s tariff turmoil」。
   全アジアの工業国は、石炭火力発電で大量の石炭を燃やす以外に、これからしばらくの苦境を緩和することはできないだろう。

 アジアでは、石炭が、最も安価な、火発の燃料である。
 2024年では、アジアの地域電力の56%は、石炭火発から得られている。

 トランプ・タリフの打撃を吸収して凌ぐためには、アジア諸国内で、工場の電気代をどこまで下げられるかが、生死を分ける問題となる。エミッションなど、もはや問題にはならない。それよりも経済主体の生存が優先される。よって、石炭が専ら、燃やされるようになるだろう。

 トランプ・タリフ前の2024年、すでに、中共は10%、ベトナムは28%、カンボジアは26%、比島は5%、マレーシアは3%、それぞれ前年より、石炭を多く燃やすようになっていた。ならばこれからもっと増大するにきまっている。

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 Linus Holler 記者による2025-4-4記事「Europe’s defense puts a fresh twist on steel, growth engine of old」。
    高炉を操業する製鉄工業は、世界の二酸化炭素排出総量の十分の一に責任があるといわれる。
 この指摘は、ルール、シュレージェン、ロレーヌの工業地帯にとって、逆風だった。

 しかし砲弾やAFVを大量生産しなくちゃならないこの時期に、そんなこと言ってらんない。

 EUの統計だと、EU内の鉄鋼生産量は、EU内需要の90%を満たせる状態だという。しかしアルミは46%、ニッケルは25%しか域内では自給できず、これは寒い数値だ。

 最新鋭の自走砲システムには、高性能スチールが100トンも必要だという。1両あたり。※本当か? これは砲弾まで含めている?

 戦闘機の場合、アルミニウムは1機につき3トン必要だという。

 大問題なのは、欧州の軍需工業が消費するエネルギーの比較コスト。ガス代は米国工場の5倍、電気代は米国工場の3倍だという。

 現状、EUが使うスチールの三分の一は、アジアなどからの輸入だ。

 高炉をアーク炉にすれば、こんどは電気代が大問題になる。同じ量のスチールを生産するのに、高炉の倍の電気を消費するから。

 というわけでポーランドは原発を新設するつもり。


トランプは、空軍の「B-2」と、海軍の空母艦隊と、どちらがフーシ攻撃に有効かを競わせ、ダメだった方を削減してしまう気なのだろう。

 ディエゴガルシアに6機も「B-2」が集められ、そこからフーシ爆撃を実行中だという。公表されている、真上からの集団爆殺動画が、「B-2」視点なのだとすれば、私の推理が当たらずとも遠からずだろう。

 遠方での泥沼の長期戦争に巻き込まれるのは愚だというのが今次トランプ政権のコンセンサスだったはずなのに、真逆のことをやっている。いちおうの正当化の言い訳は、イエメン攻撃=イスラエル防衛 だから……ということになるのだろうが、韓国から米陸軍のペトリ部隊を引き抜いて中東へ移送するとの別報がある。本当だとしたら、もはや、戦略ブレーンのエルブリッヂ・コルビー氏の大方針からはまったく逸脱しているだろう。「対支」へのアセット集中の反対のことをやっているのだから。まんまとモスクワ発のグローバル工作に踊らされている。英国では、イスラム移民内にヒズボラの支部まで形成されつつあるそうだ。

 ※ディエゴガルシアといえば、雑報に鋭い指摘が書き込まれていた。このほどのトランプ・タリフ対象国一覧表に、なぜかディエゴガルシア基地が含まれている。他にも、英国が支配中のジブラルタルとか、豪領の無人島(住民はペンギンのみ)などが、「国」として扱われている。その謎は、「インターネット・ドメイン」に着目すれば解けるという。これらの地域には、いずれも、固有の国別コードトップレベルドメイン――たとえばジブラルタルであれば、英国の .uk ではなく、独自の .gi ――が割り振られている。それらを、国務省の役人ではなく、マシンが、独立国としてカウントしたのではないかと疑えるのだ。すなわち米政府の中枢では、AIに重要な仕事をさせており、それをヒューマンがチェックしてないらしい、と。

 次。
 Caitlyn Burchett 記者による2025-4-4記事「Navy to install security cameras on MSC ships to deter sexual assault」。
   米海軍はこの6月から、シーリフトコマンドが傭船している民間の貨物船100隻について、その中層デッキの通路にセキュリティ・カメラを設置する。性犯罪やセクハラを抑止するためだという。
 動画+録音。船室ドアを、カメラの視野内に入れる。

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 Eun Seol 記者による2025-4-4記事「N. Korean students reject state university offers in favor of local education」。
  北鮮の高校生たちは、進学先として、遠くの有名国立大学を忌避し、自宅の最寄りのローカル大学を選ぶようになった。

 たとえば、薬科大学として名望ある国立の Hamhung 大学は、30名以上を合格させたのに、皆、そこに進学してはくれず、今年は募集をやめたという。ちなみに薬科課程は6年間コースである。
 これはかつてであれば考えられないことであるという。

 事情は単純。授業料と生活費の学生の負担が重すぎるのだ。実家の近くならば、なんとかなるが。

 有名な国立大学ではなく、地方の医薬系大学の薬学課程なら、5年で卒業できて、しかも薬剤師としての資格に違いはないのだという。

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 Gerrick Wilkins 記者による2025-4-5記事「Tariffs, Transitions, and Opportunities for Automotive Industry」。
   フォルクスワーゲンやBMW等は、米国向けの船荷を止めたという。新コスト、新規制が、不確実化したので。

 米国内で自動車の組み立て工場のセンターになっているところは、アラバマ州、テキサス州、サウスカロライナ州。しかし、サプライとロジスティクスと労働力の再構成が必要だろう。

 次。
 Justin Wolfers 記者による2025-4-4記事「Your Life Will Never Be the Same After These Tariffs」。
  ※記者はミシガン州立大学の経済政策学の教授。

 このたびのタリフは、第一期トランプ政権のタリフのときの、50倍の痛みを人々にもたらすだろう。
 それによって、あなたの生活は、根底から、これまでとは一変する。

 2018年にトランプは、輸入の洗濯機に関税をかけて、それらの小売価格は100ドル近く、上昇した。すぐに消費者は、ガタのきた古い洗濯機の買い替えを、先延ばししている。
 結果、アパートでは深夜の騒音が続き、衣類の乾燥サイクルは短縮されず、電気代と水道代が嵩んだものだった。

 タリフは、物の値段を上げるだけでなく、あなたに、新しい面倒をかける。今までとは違った決定を、あなたは、さまざま強いられてしまう。それは「余計な時間」などの無形のコストのこともある。

 少額のタリフは、小さな問題を生む。巨額のタリフは、大きな問題をつきつける。
 自動車に25%関税がかかると、ふつうの世帯でセカンド・カーに買おうと考えていたクラスの車体価格は4000ドル〔58万円〕高くなる。記者レベルの所得の世帯では、セカンド・カーを、諦めるであろう。その影響は、古びた洗濯機の悩みよりも、おそらくは、大きい。
 複数の子供が複数の習い事やアクティヴィティに参加するためには、一家の送迎車は2台あるのが理想的だが、それが1台しかなく、その1台で通勤や買い物までもすべて兼用しなくてはならないとなったら……?

 これから消費者は、生鮮野菜の代わりに冷凍野菜を、選ぶようになるだろう。
 効き目の優れた薬品が高額で手が届かなくなり、病人たちは、低額の、あまり効かないクスリを、惜しみつつ服用することになるだろう。

 社会全体で、ひとびとが、ほんらいならば望まないことのために、敢えて労力を使わなければならなくなる。それは、社会全体が、生産性が悪くなる、ということなのである。

 次。
 Anna Koper, Marek Strzelecki, Filipp Lebedev and Andrius Sytas 記者による2025-4-5記事「Sex toys and exploding cosmetics: Anatomy of a ‘hybrid war’ on the West」。
  ロシア発の小包が時限装置で発火する事件が西側諸国内で続発。新手のハイブリッド・テロに警戒が呼びかけられている。

 小包の中味は、偽の化粧品、マッサージ枕、夜の遊び道具。爆発装置は、いずれも手作り。
 昨年の夏、英国、ドイツ、ポーランドで、それが発火した。

 いずれも発火装置は、マグネシウム粉に化学反応を起こさせる仕組みだった。
 紛失した鍵のありかをつきとめる、中国製のチープな電子部品で、タイマー発火させる。
 化粧品の容器の中に、ジェルが入っている。その成分はニトロメタンを含有し、よく燃える。

 GRUは記者たちの質問に答えなかった。

 次。
 Defense Express の2025-4-5記事「Ukrainian Drones Strike Unique Optical Fiber Plant After Traveling Up To 1,500 km Inside russia」。
  4月5日夜に宇軍の片道特攻ドローンが露領内の複数箇所を空襲。そのうち「Optikovolokonnye Sistemy」工場は、ロシア国内で唯一の、光ファイバー・ケーブル製造拠点である。

 同工場では、年産400万kmの光ファイバー・ケーブルを製造していた。

 最前線から900km離れた Chapayevsk では、年産3万トンの爆薬工場「Promsintez JSC」が大爆発。
 ロシア側の報道によると、特攻機は、直線飛行ではなく、発見されにくいコースを1500km飛行してきたそうだ。


1930年代の「グレート・デプレッション」時代を研究したことがある者は、いまこそ「現代応用編」を示してもらいたい。

 私も示そう。
 まず軍隊への公共投資は、「デュアルユース兵器」に集中するとよい。戦闘艦艇よりも「補給艦」、戦闘車両よりも「トラック」を量産させることが「大吉」である。

 次に、東北地方には大型の、ただし技術力の要らない公共土木事業が必要である。下北半島に横断運河を掘ろう。これによって陸奥湾内はすべて「新港地帯」として大開発可能になる。
 このようにして雇用を創出しておけば「満州事変」も「二二六事件」もお呼びでなくなる。

 ついでに、日本海から太平洋へ流れる常時4ノットの潮流を利用した水力発電所も、この新運河沿いに建てまくろう。

 すべての病院と学校の給湯用ボイラーは、石炭燃料式に交換しておこう。
 京都議定書の効力は、今次トランプ恐慌が終息するであろう4年後以降の適時まで停止するよう、各国へ呼びかける。
 全国の数ヵ所の炭鉱を再開し、エネルギー非常事態に備えしむ。

 この恐慌が続くあいだ、豪州産品はすべて免税する。緊急特別特例措置法。

 山林のうち公有林地には、最新の気候環境に適合するエディブルな植物を世界中から選んで根付かせる。野生の熊は大害があるので、警察の機動隊と自衛隊が協力して皆殺しにする。そのさい、UAVからの毒ガス散布も可とす。
 また全国の内水河川にも、世界中から、食用に適する繁殖力の強い野生生物を導入して放流。北海道の河川には、アムール川のスッポンが適合するだろう。

 ※余談。グーグルに英文で「チョコレートで熊は死ぬか?」と書き込んだらAI回答が返ってきた。実例はあると言っている。2014年にニューハンプシャー州で黒熊4頭が、チョコレートの餌罠で死んだと。類似ケースが2011年にミシガン州でも記録されていると〔いずれも真偽は不明です〕。ちなみに、カカオ豆にはtheobromine(テオブロミン)が含まれていて、犬、狼、狐、猫、アナグマ、豚、家禽、イタチ等はこれを分解する酵素がないので、チョコレートを喰えば死ぬのだという。……ってことは猪駆除にも役立っちまうわけですかい?

 次。
 Sean Lyngaas Katie Bo Lillis 記者による2025-4-4記事「Trump administration fires director of National Security Agency」。
    NSA長官(兼・サイバーコマンドの司令官)のティモシー・ホー大将と、その副官で文民であるウェンディ・ノブルの両名が、トランプによって革職された。理由は不明。

 上院の情報委員会の民主党の最先任者、マーク・ウォーナーと、下院の情報委員会のジム・ハイムズ議員は、この人事を非難した。

 ホーがいなくなったので、ウィリアム・ハートマン中将(サイバー・コマンドの副司令官)が臨時代理となって仕事をするという。

 イーロン・マスクは先月、フォートミードのNSAならびにサイバーコマンド司令部を、訪れている。

 ※シグナル事件にかんしてホーは、議会の公聴会でトランプの仲間たちを強く擁護しなかった。それが「忠誠不足」だとして親分の気に食わなかったのかもしれないが、実はもっと深いかもしれない。もしも、トランプがロシアの工作員から奇妙な「無線操縦」を受けているとしたら? それを見破れる材料をもっているのはNSAだけだろう。そうでなくともNSAは、ロシア組織が何年も前から米大統領選挙をインターネット工作で攪乱してきた証拠を集めまくっているので、トランプとしては、その長官の首を次々に挿げ替えてしまいたい筈だ。

 次。
 Diana Furchtgott-Roth 記者による2025-4-2記事「America’s Trillion Dollar Deregulation Could Be a Dagger in the Heart of Net Zero」。
   米環境保護局EPAが、これまでの規制路線を見直す。自動車と火発の排出ガスの縛りは、緩められるであろう。

 次。
 AFPの2025-4-4記事「Cuba looks to sun to solve its energy crisis」。
   人口1000万人のキューバは、深刻なエネルギー不足への対策として、44000枚の中国製のソーラーパネルを輸入することにした。
 じつは40年前、ソ連が原発を建設してくれるという話があったのだが、ソ連崩壊によって工事は途中で放棄されている。1992のこと。その廃墟遺構は、まだ残る。

 今、「La Yuca 太陽光発電パーク」という敷地が整備されており、パネルを固定するコンクリートの土台はもうできている。2025年までにこのようなパークを合計55箇所、政府は建設するつもりだ。原発残骸跡地も利用される。

 現状、キューバには80年代建設の8基の火発しかなく、それがしばしば故障するので、停電も頻発。

 キューバ全体が輸入している燃料の半分が、なんと火発用である。
 原油はベネズエラから来る。トランプは、ベネズエラから石油を搬出するすべての商船会社を制裁対象にすると宣言している。

 キューバはトルコの会社から、浮体火発プラントも借りている。それはなんと原油をそのまま燃やせるボイラーだという。
 じつはキューバは産油国でもある。国内需要の三分の一は、自前の原油でなんとか間に合う。のこり三分の二を、輸入に頼る。

 政府はことしの末までにはソーラーで1200メガワットを毎日発電したい。同国が不足している電力は1500メガワット/日なので、やや事態が改善されるはず。

 計画がすべてうまくいけば、2030年までにソーラーで国内需要の37%の電力が賄えるはず。
 事業資金が非公表だが、全面的に中共に依存するように見える。キューバは中共の経済植民地となる道を進む。

 60歳で、豚飼い農夫になっている老人が、街の停電中に、インタビューに答えてくれた。彼は40年前、ソ連の大学で熱物理学を修め、竣工した原発の管理技士になるはずだった。彼の評。ソーラーがいちばん早くエネルギーを取り出せる事業だろうね、と。

 ※雑報によると、カナダは米国からは、肉、卵を輸入しない。畜産に成長ホルモンを使用することが、カナダでは違法だからである。トランプはそれを貿易障壁と呼ぶ。

 次。
 AFPの2025-4-3記事「EU delays 2040 climate target until summer」。
  EUは、2040年までの気候変動対策目標の策定を、今年の夏まで延期することにした。
 トランプ恐慌がなければ、《次の15年で温暖化排出ガスを、1990年水準から90%削減する》という目標を打ち出すところであった。この春に。

 EUは2050年までに温暖化ニュートラルを達成するという長期目標を追求している。

 次。
 Defense Express の2025-4-4記事「Trump’s Tariffs Undermine U.S. Own Defense Industry, F-35 and Other Projects at Risk」。
   豪州に4隻のヴァジニア級原潜を売り、2040年代に就役させるとした「SSN-AUKUS」事業は、トランプ・タリフが招く価格暴騰によって、予算措置が非現実的となったから、キャンセルされるだろう。『ポリティコ』の観測。

 ※大正4年1月、大隈内閣は「対支21ヵ条要求」をつきつけ、その第5項で、日本の兵器を買うように迫った。WWI で独からの製品輸出、原材料輸出が止まってしまったのに付け込んだ。支那側はこれに猛反発し、けっきょく5月の調印で、第5項は削除されている。

 次。
 The Maritime Executive の2025-4-4記事「Aging Shadow Tanker Uses STS to Second Shadow Tanker to Skirt Indian Ban」。
  ロシア産原油のインドへの密輸出に対する米印政府の監視の目をごまかせると思い、業者たちは、インドの港の沖合いで「瀬取り」行為に励んでいる。
 シャドウフリートのボロタンカーに、別なボロタンカーを横づけして、積み荷の原油を移しているのだ。

 ※1988のレーガンの演説。1930年に米議会が「スムート=ホーリー関税法」を成立させたとき、わたしたちはこれで外国製品との競争から雇用が守られるのだと説明された。だがじっさいに起きたことは Great Depression であった。あるSNSの書き込み。1930から95年経って、大恐慌を知っている人が死に絶えているから、また同じ馬鹿をやれるのだと。


今こそ日本の優良メーカーは豪州西海岸の荒野に工場を建設するときであると信ずる。

 その大移転事業はトランプ政権の消滅前には大成を見ないであろうが、トランプ政権の次にもまたぞろ登場するかも量られぬキチガイ政権に対する備えとしては、千金の価値を発揮するであろう。

 次。
 Dan Grazier 記者による2025-4-2記事「Why US shipbuilding is the worst and more money won’t save it」。
  トランプは知らない。どうして米国の造船所はダメなのかを。
 冷戦が終わってから10年のうちに、62000人いた造船所の熟練職工が、21000人に減ってしまったのである。

 この趨勢は2001年からやや反転したが、依然として人手は足りていない。

 2024年に、米海軍の潜水艦建造の責任者がシンポジウムで述べた。14万人の職工がいないことには、米海軍が今計画している建艦やメンテナンスの需要に応えることは、不可能なのである、と。これは原潜に限定した話であることに注意。水上艦や民間商船のために必要な労働力は、この14万人とはまったく別枠なのだ。

 最善の解決策は、あるのだ。それは、今やっているような繊細微妙な設計を、船殻でも艤装でも、捨てろということ。
 フネをシステムとして複雑化させるから、工期は数年に爆延び、費用は数倍に超超過、そしてできあがったものは不良品、ということになってしまうのだ。

 それに輪をかけているのが、設計が画定される前に建造をスタートさせてしまうという悪慣行。工事の途中から仕様を変更され、そのたびに、全部がいったん振り出しに戻される。この繰り返しがあるかぎり、永久に完工しない。

 平時の海軍省の内部の者が陥りがちな志向として、最高性能を望むあまり、「造らされる側の苦労」を度外視することがある。

 ※GM社長が音頭を取った戦標船(リバティー・シップ)や、フォード社が「B-24」を1時間に1機量産したときの「ブロック仕様固定契約」が必要というわけだね。しかしもっとすぐれた解決法がある。有人潜水艦なんかやめちまうことだよ。特に豪州海軍は、いまからではぜったいに新造原潜はやってこないから、無人の自走沈底機雷の大量製造に路線を転換するがよい。それで2027までに独力で中共を滅ぼせるようになる。

 次。
 SNSの指摘。
  トランプは2012-11-6にじぶんで書き込んでいる。もしDowが2日間のうちに1000ポイント下がったなら、大統領は即刻、弾劾されるべきだ! ――と。そして2025-4-3の米東部時刻午後2時14分、ダウジョーンズの工業平均は、マイナス1413.52と表示された。

 ※戦前戦中の米国外交を領導したヘンリー・スティムソンは1936に『極東の危機』を著して、幣原内閣倒壊後の日本の行く末を嘆じたものだ。日本帝国が、「その頭を、固いがしかし徐々に動いてゐるところの世界の経済的、社会的現実に、自らぶつけるに任せ」るしか、米国としては、できることはなさそうだ……と(S11邦訳)。いまや Self HARAKIRI モードに移ったトランプ・タリフについても、外部世界の当路者――およびペンギン――には、見届けて検屍人となることだけが、できることである。刀をとりあげようとすればこっちが怪我をするから、手は出せないのである。

 次。
 Thomas L. Friedman 記者による2025-4-2記事「I Just Saw the Future. It Was Not in America」。
   ファーウェイは、アメフト競技場225個相当の敷地を誇る研究センターを建設した。Lianqiu Lake R. & D. campus という。
 これは、たった3年にして完成した。2019から米政府の敵対がハッキリしたので、それに対抗するために。
 それぞれ異なった設計の104棟のビルが配されている。

 敷地内交通としてモノレールが敷かれている。ディズニーランドもどきだ。
 35000人の被雇用者たちは、研究施設のすぐ近くで暮らせる。カフェは100箇所、用意された。

 ファーウェイは昨年、三つ折りが可能な「Mate 60」シリーズのスマホを、国産チップで完成して世界を焦らせた。OSも同社開発のHongmeng (Harmony)を使用。要するに、同社はアップルと競えるわけである。

 ファーウェイは、鉱山労働者の代わりが勤まるAIロボットまで開発中である。

 次。
 ストラテジーペイジの2025-4-3記事。
  北鮮にとって、非核弾頭でEMPを発生させることができれば、それはオプションである。
 もし10キロトンの原爆でEMPを発生させるのであれば、その爆発高度は、北鮮領土の上空72kmが理想的である。
 それによってEMPは全半島を襲う。韓国にはそれを迎撃する手段はない。壊滅は、止められないのである。

 次。
 Erin Banco, Gram Slattery and Karen Freifeld 記者による2025-4-4記事「Several White House national security officials fired, sources say」。
  米政府の複数人の国家安全保障担当のアドバイザーたちが解任された模様。

 3人の名前がすでに取材でわかっている。テクノロジー専門のNSCメンバーである David Feith。諜報専門の Brian Walsh。法務に詳しい Thomas Boodry だという。

 このニュースは、トランプがホワイトハウス執務室で Laura Loomer と面談した翌日に洩れてきた。
 ルーマー女史が、そやつらの馘をトランプに勧めたのだという。

 ※ウィキによるとLoomer女史は1993生まれ。政治に関心が強く、反イスラムを堂々と表明している。また、プロ白人ナショナリズムも標榜。複数のSNSプラットフォームが、それらをヘイトスピーチであるとして、女史のアカウントをBANしてきたという。トランプは2023に女史を選挙運動員に雇おうとしたが、選挙参謀によって阻止された。

 シグナル事件の主犯、マイク・ウォルツの首も危ういかもしれない。2人のインサイダーが、トランプがウォルツに怒っていると話しているので。しかしこのルーモアに反する観測もある。

 次。
 The Maritime Executive 記者による2025-4-2記事「Denmark Makes “Urgent” Plans to Buy Two Dozen Naval Vessels」。
  デンマーク政府は大至急、21隻の軍艦を新造させて調達する。米国製は絶対に使わないと決意している。

 次。
 Oleksandr Yan 記者による2025-4-3記事「Germany is betting on domestic strike drones」。
  ドイツ連邦軍は近々、複数のタイプのロイタリングミュニションを国内メーカーに発注する。

 ひとつは Helsing 社の「HX-2」である。すでにウクライナ軍によって実戦テストされて、結果が上々だという。
 外見は、X字状主翼のランセットを垂直に立てたような格好で、十字状尾翼を接地させる。その十字尾翼の前縁に、電動プロペラ(牽引式)が4軸、ついている。
 自重12kg、レンジ100kmで、片道飛行の使い捨て。攻撃をあきらめた場合でも帰投させることはできない。というのも、十字尾翼のウイングスパンが短いので、その4軸の推力をいくら巧みに制御しても、長大な胴体とX字の主翼を安定させ難いからだと想像される。
 マシンビジョンを搭載し、敵のEWは受けない。

 それとは別に受注を確実にしたのは、STARK 社の「OWE-V」というロイタリングミュニション。これは従来、存在を知られておらず、先週の「Unbemannte Systeme X conference」でお披露目された。
 やはり、ランセットの垂直発射型(=カタパルト無用)といったおもむきなのだが、こちらは、X字状主翼の後縁に、プッシャー式に電動プロペラが4軸、とりつけられているのだ。地面に置かれるときは、十字尾翼が接地するので、プロペラは地面には干渉しない。

 そしてどうやらこちらは、攻撃をあきらめた場合に、垂直に着陸させて回収することもできるようだ。主翼のスパンが1.8mと長いので、その端近くにある4軸の推力をうまく制御すれば、垂直姿勢のまま機体全体を安定させやすいのだろう。

 自重30kg、弾頭重量5kg、レンジ80km以上。滞空60分可能。巡航速力は120km/時。高度は2000mまで行ける。

 使われているコンポーネンツのすべてがドイツ国内製だという。やはりマシンビジョンを搭載しているようだが、衛星経由の無線リモコンも可能だとのこと。

 次。
 The Maritime Executive の2025-4-3記事「Fire Damages Plant at Russia’s Onega Shipbuilding Yard」。
  サンクトペテルスブルグの北に2002年に設立された「Onega」造修船工場が宇軍の攻撃を受け、建物が炎上中。


ポルシェがキューベルワーゲンを復活か?

 Taras Safronov 記者による2025-4-2記事「Porsche SE Aims to Return to the Defense Industry」。
   ドイツメディアの『Esut』が報じた。
 同系列資本のフォルクスワーゲンがひどい不振に陥っているので、軍用車両部門に本腰を入れるのだという。
 2024年に「Porsche Automobil Holding SE」は200億ユーロのネット・ロスを記録している。
 同社はVWの親会社であり、且つ、ポルシェの25%の株式を保有。

 同社には「ポルシェ 597 ヤークトヴァーゲン SUV」の試作あり。

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 2025-4-1記事「Francis Fukuyama warns Trump is not a realist」。
   フランシス・フクヤマへのインタビュー記事。
 ポスト冷戦初期の彼の有名な著述、ヘーゲル式の歴史進化は自由民主主義の勝利で終わったとの見立ては、近年の中共とロシアの暴慢によって反証されているが、ご本人は間違いを認めぬ。ジョン・ミアシャイマーのリアリズムこそが誤謬だそうである。この記事は、インタビューである。聞き手は Charlie Barnett。

 まず時代の遷移を確認しましょう。あれを書いたときは民主主義が世界に急拡散中だった。そしてその後、退潮が始まった。2008年からですよ。
 この退潮はトランプの第一次政権とともに加速しています。わたしもまさか米国政治がデマゴーグに支配されるとは予見しませんでした。

 《歴史の終わり》は、わたしの発明じゃないです。ヘーゲルが最初に言ったこと。それをマルクスが流行らせました。
 2人とも、こう信じた。歴史は一方通行に前進する。社会は進化し、時にともない、変化すると。
 しからば、進歩する社会とは何の謂いぞ?

 ヘーゲルは、フランス革命の延長線上にリベラルな社会が到来すると空想してました。マルクスの空想は、共産主義ユートピアです。

 わたしが1989の著書で主張したことは、マルクスが予言したような形では歴史の終わりは到来しなかったよね、という確認です。

 フランス革命以降、人々はこう信じているはず。近代社会の基礎とは、まず「平等」を認め合うことだと。
 人類の中の特定の集団が他の集団より優るという考えとは、それは相容れぬはずです。

 また、富み栄える社会は、自由な経済がもたらす。中共は政体として不自由ですが、この原理に逆らわなかったので、社会は金満化しました。

 わたしの問題意識は、自由な経済に基礎を置いた民主主義――の上を行けそうな社会の組織など、ありえるのだろうかということで、それは未だに発見できません。

 バーネット: あなたは『フィナンシャルタイムズ』の記事中で今回のトランプ当選を評して、米国の有権者は、トランプの正体を分かっていて、あえてリベラリズムを排撃する道を選んだと分析している。大衆がリベラリズムを排撃したなら、リベラリズムは今後、守られるのか?

 わたしゃね、米国人が原理原則としての自由主義を斥けたとは思わない。ハンガリーのオルバンみたいな統治者の下で暮らしたいと思っている米国人はいませんよ。

 バーネット: 議会乱入騒擾のあった1月6日事件、あの突入者たちの過半が、じつは中産階級であり、失業もしてない、満ち足りた人々だった、と、あなたは指摘した。

 要素を分別しないと真相がわからなくなるものです。過去半世紀、米国経済には複数の主張路線があった。そこを腑分けしませんとね。

 ひとつは、ネオリベラリズムです。市場経済至上主義だ。サッチャーとレーガンが80年代に推進しました。金融市場は規制が緩和された。必然、貧富差は拡がり、世界の金融システムに攪乱を波及させた。じつはこれは古典的な「リベラリズム」とは違うのです。古典的なリベラリズム運動は、所有権や商業活動の自由について争った。リバータリアンは、そんな背景とは関係がないんです。

 最近のトランプ支持者たちの「反リベラリズム」も、経済になど関心は無いのです。反「woke」が彼らの主たる情念です。人種、民族、性別には特徴が認められ、それは、いわれのあるものである。そのいわれのある差異の実態を直視しないことを上から強制してくる問答無用の同調誘導に、彼らは、危険と、いかがわしい不正を感じて、不信任をつきつけたいのです。

 バーネット: あなたは国際関係については、「リアリスト」に反対する立場ですよね?

 目的に関するリアリズムと、手段に関するリアリズムを分けましょう。わたしは、手段に関してはリスリストですよ。
 すなわち、わたしたちは非現実的な外交ゴールを追求しても可い。しかし、そのためには軍事力が必要なんですよ。

 ミアシャイマーは、目的に対するリアリストなので、わたしは同意ができないのです。ミアシャイマーは、あらゆる国体は、その権力を最大化しようとするのだ、と強調します。わたしに言わせると、それは経験的に間違いであって、規範的にも間違っている。

 ※「政治」と「権力」の関係定義がきちんとなされていないから、不毛な論議が始まってしまう。みなさんは『世界の終末に読む軍事学』を予約することで、こうした愚劣な議論を卒業できるでしょう。

 バーネット: 世界は帝国主義と「影響圏」ブロック割拠、孤立主義の時代に向かっている?

 プーチンは19世紀式の思考をする人で、物理的な領土面積を増やすことだけがロシアのミッションだと信じています。
 中共が南シナ海の軍事力プレゼンスを強化しているのは孤立主義ではありません。領土を拡張したいのです。
 露支は、米国のパワーが相対的に弱くなっていると見、そのバランスの変わり目に乗ずることができるぞと思っているのです。

 バーネット: トランプが欧州の安全保障から手を引いたら、ヨーロッパはどうなるのでしょう?

 フランス中心になんとかするしかないでしょうが、EUもNATOもその意思決定の仕組みに欠陥がありすぎです。そこを早く改めませんと、ゼロ秒で何でも決心&実行できてしまう、敵勢力に押しまくられるのみでしょう。

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 Erin McLaughlin 記者による2025-4-2記事「Want to Bring Factories Back? This Is What It Takes」。
   海外に出てしまった工場を米国内に呼び戻そうとしても、稼働開始までには最低3年、長くて10年かかるもの。
 いちばん時間がかかるのはバイオ薬品工場。それは5年未満ではぜったいに建ちはせぬ。

 水、電気のインフラも必要。通信には冗長性も確保されていないと安心できない。
 資材の搬入、製品の搬出のための交通輸送幹線は、近くにあるのか? 政権が公共投資を削ると言っているのに、道がつながるか?
 排水処理は? 環境アセスメントに何年かかる?

 予測では、スキルを有する労働力の需給ギャップは、2033年には190万人あるはず。今はこれを外国の労働市場で埋めているのだが、それを米国内でどうやって埋められる? 米国労働者も高齢化して減って行くのに?

 金利は上がるし、建設工期は計画より延び延びになるはず。建設計画そのものが、立たない。
 関税で鉄鋼の価格が上がる。建設資材すべてのコストが増えるのだから。

 ※いま進行中の、中共軍による台湾包囲演習でも、エネルギー・インフラへの空襲破壊が演練されているようだね。

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 ストラテジーペイジの2025-4-2記事。
  MSC=ミリタリー・シーリフト・コマンド。困っている。人手が足らなくて。
 2025年までにフネを390杯、揃えるというのだが、配乗させる人がいねえ。
 現状でも17隻が、水夫がいないために、戦列外になって係留されている。

 人は4500人必要だ。定数の95%ないと、動かせない。
 MSCの水夫は、連続4ヵ月外洋に出て、連続1ヵ月陸で休暇を貰える。そのくりかえしだが、これでは職場として魅力がない。陸の休暇を連続2ヵ月にしないと、人は集まるまい。

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 Defense Express の2025-4-2記事「Valuable Pros and Unexpected Cons of Ukraine’s First Fiber-Optic UGVs」。
   宇軍は、無人地上ロボット(4×4)の操縦にも光ファイバー・ケーブルを使い始めた。その戦場知見が蓄積され始めている。

 現状、長さ10kmの光ファイバー・ケーブルは重さが2.1kgある。
 これは簡単にひきちぎられたりはしない。30kg~40kg以上の力で引っぱらないと、切れない。

 しかしUGVの場合、敵の砲撃の爆裂でケーブルが切れることもあるだろう。そこで、バックアップのリモコン手段として、無線チャンネルも持たせないといけないのだ。

 ※ウクライナ軍はこのほど、女子だけからなるドローン操縦部隊を創設したそうだ。

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 Defense Express の2025-4-2記事「Tungsten Balls in GMLRS for HIMARS Prove Just as Effective as ATACMS Cluster Munitions」。
    露側から公表された、霰弾でやられた地上のヘリの写真から、HIMARSから炭化タングステンの小球を18万個飛び散らせる弾頭がめっちゃ優秀であることが確認された。これならATACMSのクラスターと同じくらいの威力じゃないかという。ただしレンジは150km以内だ。

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 Defense Express の2025-4-2記事「NATO Has Identified Effective Countermeasures Against russian Glide Bombs, With Strong Support From Ukraine, and Launched a New Innovation Challenge」。
   有翼滑空爆弾には独特の「軌跡」がある。それを利用した判別AIをフランスの「アルタ・アレス」が宇軍に提供しているという。
 リアルタイムで、着弾予定地の友軍に警報できる。
 これを知らさせた地上軍は、すぐにEWを作動させ、タコツボに飛び込めばいい。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-4-2記事「F-16 price tag nears F-35 levels in $5.58B Philippine deal」。
   米国はフィリピン軍に20機の「F-16 Block 70/72」を売ることにした。オファーは50機だったともいう。
 国務省が1日に公表したところでは、55億8000万ドルらしい。

 増槽ありの型だと1機は2億7900万ドル。ほとんどF-35並に高額になるわけだ。
 これにはAMRAAMとかいろいろなものもついているから。

 機体だけなら、6000万ドルから8000万ドルで買えた。


世界の終末に読む軍事学


渾身のエイプリルフールねた。米海軍は次のフォード級空母に『マスク』と名付ける!

 『Naval News』Staff による2025-4-1記事「New U.S. Navy Aircraft Carrier To Be Named USS Musk」。
   米海軍が建造中である次の正規空母『CVN 80』は、今年の後半に進水する。命名は『エンタープライズ』となる予定であったが、これを、現大統領上級アドバイザーの名前に変える。すなわち『USS Elon Musk』と。

 その大統領命令は、本日(4月1日)の午後に発せられる見通しだ。
 CVN 80 は、HII=ハンチントン・インガルス・インダストリーズ の船渠で建造されていて、11月に進水を見込む。本艦は、大統領上級顧問の名前がつけられる史上初の米空母となるであろう。

 CVN 80 は、2029年から、CVN 69 の『アイゼンハワー』と交替する予定。※進水したあとに艤装があり、さらに公試運転が必要。そのあとで就役となる。

 トランプは2017年に、電磁カタパルトEMALSは数億ドルもしてダメだ、デジタルではない蒸気式に戻せ、と叫んだことがある。

 また、秘密通信探知用の新造SIGINT艦に『ヘグセス』という現長官にちなんだ名前をつけようという動きもあったのだが、大統領広報官がその案を斥けたという。

 現役最古の米軍艦(ただし記念艦)の木造帆船『USS Constitution』は、廃棄される。DOGEの広報官は週末、こんな木造船は現代戦の役に立たぬから捨てるのだ、と語った。米海軍から木造艦をなくすことによって、げんざい米海軍の工廠用に保存されている官有林の樫材を、市場に売り飛ばすことができるだろう。

 ※もちろんすべてジョークなのだが、ある真実の穿ちが、背景にあると思われる。それは、今の政権は空母の廃止を狙っており、それを阻止するためには、正規空母にトランプの名をつけてしまうのが有効な一手だぞという、海軍インサイダーからの真剣なサジェッションだ。

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 Keishi Koja and Brian McElhiney 記者による2025-4-1記事「Japan retools evacuation plan for western island chain in event of emergency or attack」。
   日本政府の準備計画では、中共軍が先島群島を攻撃してきた場合、竹富島と与那国島、ならびに多良間島の住民は、船か飛行機でまず石垣島と宮古島へ逃れ、そこから福岡空港または鹿児島空港へ空輸され、そこからバスと汽車によって九州か本州の最終避難所まで移るという手順が想定されている。

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 Matthew Adams 記者による2025-3-31記事「Hegseth orders review of combat-arms jobs, ‘sex-neutral’ physical standards」。
  ヘグセス長官の新方針。まず、すべての米軍将兵が、「戦闘任務要員」と「非戦闘任務要員」のどちらに属しているのかを、画定してしまう。その上で、「戦闘任務要員」に要求する体力検定の合格基準については、男女差をすべて廃止する。

 たとえばこれまでは、「腕立て伏せは10回できないが、女子だからまけといてやれ」といったやり方だった。それは今後は許さない。戦闘任務要員としての体力基準を満たせない者は、性別に斟酌なく、職を辞めてもらうことにする。

 ヘグセスの怒り。これまで、歩兵学校、レンジャー・スクールには「女子枠」の人数が強制的に押し付けられていたために、学校長や歩兵大隊長はたいへんな苦労をしてきた。このような馬鹿げた政治は停止する。

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 Nicholas P. Brown and Helen Reid 記者による2025-4-1記事「US tariffs on Vietnam would be a blow to Nike and other sportswear brands」。
   ベトナムは、対米貿易で、1235億ドルの黒字を出している。これはトランプから見れば赤字であり許せない。
 ではベトナム商品に高関税がかけられると、どうなるか。ナイキのシューズの値段が暴騰する。
 というのも、ナイキのシューズの半分はベトナム工場製だからだ。これは2024年度の統計に基づく。ついでに、同社のスポーツウェアの28%も、ベトナム製である。

 また、同業のアディダス社は、シューズの39%と、ウェアの18%を、やはりベトナム国内で製造させている。
 現況、ベトナムから米国に輸入されているシューズには13.6%の関税がかけられている。ウェアには18.8%がかけられている。

 米国内では、高級ブランドのスポーツシューズは、1足が、130ドル(1万9459円)から330ドル(4万9396円)で売られており、既にして貧乏選手には手は届かない。これが、もっと上がることになる。

 米国内でのスニーカーの小売価格は、2019年に比較して、25%、値上がりしている。諸費用の高騰による。
 今の米国ランニングシューズ市場は、74億ドル。これは2021年より16%増えている。

 ベトナムの工場をカンボジアやインドネシアに移しても、無駄だ。トランプはそれらの製品にも関税をかけるつもりだからだ。しかも、それらの諸国内でも、諸物価は値上がりを続けているのである。

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 Defense Express の2025-4-1記事「The RAM-2X Features a Ukrainian EFP Warhead That Leaves russian Troops with Little Chance of Survival and Operates in Tandem with the Shark UAV」。
  「ウクライナ版ランセット」といった趣きの「RAM-2X」が、弾頭不発のコンディションでドネツク州に墜落したものが露軍によって仔細に調査されている。
 露軍はロボットの遠隔操作で弾頭を分解した。そのさいエックス線写真も撮影している。

 判明したこと。信管は、着発の他に、標的からの一定の距離で空中自爆させるモードがあり、そのタイミングも、自動設定と、任意の手動爆破を、きりかえることができる。

 弾頭には「01-24」という印字が見られる。おそらく2024年の1月もしくは、第一4半期の製造。

 また、印字からは、弾頭重量が2.7kgであることも推定される。弾頭はFEPのようだ。これは成形炸薬と似ているが、メタルジェットではなく、メタルの団塊を秒速5kmで正面に向けて飛ばすもの。

 RAM-2X は、レンジが 120 km で、最高速度は 160 km/h だとされる。

 このロイタリングミュニションが単独で放たれることはない。かならず「Shark」という固定翼の偵察UAVとペアで運用される。キラー・デュオと称す。

 「シャーク」は無線中継局の役目も果たすともいう。

 2024年の前半から新型弾頭を量産しているということは、同じ弾頭がすでに他の自爆無人機に搭載されているとしても不思議はない。コープケージ対策は、早々と、採られていたようだ。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-3-29記事「UK, France implicated in Ukrainian strike on Russian gas hub」。
    米国が目標座標情報を宇軍に教えなくなった代わりに、どうやら英仏が、機微な情報を提供していて、それによって露領内の天然ガス施設がクルスク州内で次々、HIMARSの餌食になっている模様。

 フランスは軍事衛星の情報を提供し、英国は情報分析に加担しているらしい。
 その発射のタイミングの指令は、ロンドンから出ているという。

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 Steve Balestrieri 記者による2025-3-31記事「Pakistan Is the Real Nuclear Weapons Threat We Need to Worry About」。
   パキスタンは今、175発の核弾頭を有しており、2029年にはそれは250発になっているはずである。すなわち、イランより大きな脅威であろう。

 パキスタンのような不安定な政体が、過激派に乗っ取られたら、核兵器が反米テロリストの自由になってしまう。この認識は2010年のオバマ大統領にもあった。翌年、パキスタン領内にかくまわれていたビンラディンを米軍特殊部隊が殺害した。

 米政府は2005年頃にはパキスタンの保有する核兵器を特殊作戦で分捕ってしまう作戦を検討していた。パキスタン側もそれをとうぜんに心配していた。

 パキスタンは中共からの情報にもとづいて原爆を完成し、そのノウハウを、イランと北鮮に拡散させた。
 リビアにも拡散させようとしたが、それは阻止されている。

 パキスタンの主敵はインドだが、インドよりもはるかに遠くに到達する弾道弾も開発中である。

 ※ディエゴガルシア島の飛行場にはB-2爆撃機用の硬化掩体は無く、昔と違ってイランはその飛行場を精密に先制空襲してしまえると米軍も認識中である。この記事は、パキスタンにもそれはできそうですよと示唆する。


米・露・支すべてが勝手に滅亡したあとの日本中心のハッピー・セットを考えたい人は、今すぐに『世界の終末に読む軍事学』を予約しよう!

 書店発売は、今月の中旬であります。

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 Kamsi Obiorah 記者による2025-3-30記事「Taiwan’s Defense is out of Stock」。
   国防総省は、高額・高性能な空対艦ミサイルであるLRASMの調達をこれまで停滞させるに任せ、また米政府は、機能に定評がある地対艦ミサイルのハープーンを敢えて台湾に売ろうとしてこなかった。このおかげで2027の「予定日」を前にして、台湾防衛構想が難しくなっているのである。

 米空軍は、FY2020とFY2022に、ただの1発のLRASMの予算も要求しなかった。FY2021には、わずか5発が予算要求されている。

 米海軍は、FY2020からFY2025にかけて、毎年平均71発のLRASMを要求し続けている。しかしそれは空軍の無気力を補うほどの数量ではあり得ない。

 いまの調子だと、2027年には、海軍と空軍あわせて629発のLRASMを揃えていることになるだろう。しかしRAND研究所の見積りでは、台湾をめぐる65日間の米支戦争に必要なLRASMの数量は、1200発だという。

 台湾は、2020年に、FMSによる400発のハープーン・ミサイルと100台のラーンチャーの発注を済ませた〔代金を米政府に対して前払いしているということ〕。
 しかるに米政府がボーイング社にその製造を発注したのはそれから2年半後だった。

 いまのままだと、台湾は2026年の時点でも、既発注分の三分の一のハープーンを受領できているのみであろう。

 米政府は、ハープーンをまずウクライナにやり、ついでサウジアラビアに売るという優先順位を決めているのだ。台湾はその後まで待たされるのである。

 2023公表のCSISによるシミュレーション。もし2026に台湾有事となれば、米兵の1日あたりの死者数は、ベトナム戦争が酣だった時を上回るだろう、と。
 しかもLRASMは開戦初盤の3日目にして、すべて撃ち尽くされてしまうという。

 中共の建艦能力は今、米国の15倍である。中共の『076』型揚陸艦は世界最大サイズで、しかもカタパルトを有し、数十機の航空機を放つ。

 台湾の主力兵器メーカーは、近過去2年に、131発の「Hsiung Feng」対艦ミサイルを製造した。
 このポテンシャルは拡張されなくてはいけない。

 記者の提案。同時にアメリカは、有事に台湾を防衛するという約束を撤回するべきだ。なぜならアメリカには、その約束を果たすに足る、対艦ミサイルのストックがないからである。

 ※この記者には軍歴は無く、外交シンクタンクである「John Quincy Adams Society」に属す。このシンクタンクからは、米国は欧州防衛にもアジア防衛にも積極的に乗り出すべきではないという論議が量産されている。


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 ストラテジーペイジの2025-3-31記事。
  シンガポールは、そのマラッカ海峡警備のために、「MARSEC」という無人リモコン艇を採用した。排水量30トン。長さ16.9m、幅5.2m。最高速力50km/時弱。航続時間は40時間。

 これは2人のオペレーターによって操縦される。その操縦は、陸上または、すぐ近くの別の船の上からなされる。

 無線を有していなさそうな小舟に音声によって警告するため、LRAD= Long Range Acoustics Device も搭載している。
 武装は複数の 12.7mm machine-gun である。
 また、非殺傷性の、レーザー光線銃も備える。これは海賊に対して目潰しとして用いるそうだ。

 中共は、2000トンの『Zhu Hai Yun』を登場させた。
 それ自体、無人で動かせるという。AIを使うとフカしている。
 そしてその船内には、無人艇(一部は潜水型)と無人機が15機、収容されている。マザーシップなのだ。

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 Vladimir Signorelli 記者による2025-3-31記事「The Weaker U.S. Dollar Is MAGA’s Silent Killer」。
   ステフェン・ミランは、トランプ政権の経済アドバイザーの座長。この御仁、ドルを弱めればよいのだという考えなのだが、それを実行するとどうなるか。

 世界の「備え用の通貨」としてのドルの価値が下がるということ。
 トランプ就任いらい、ドルはすでにGoldに対して値を下げ続けている。
 Goldの価値がこのように上がるのは、歴史に徴して、警告である。これから経済の大波乱が来るという。
 1880年代、ドルは(重さ約二十分の一オンスの)Goldに兌換比率が固定されていたので、それは関税の変動に対するガードレールになっていた。

 1970年代にニクソン政権はドルの価値を引き下げた。それはスタグフレーションにつながった。今、ドルを弱くすれば、同じことになるだろう。

 弱いドルは、輸入品、なかんずく原油の価額を押し上げる。それは自動車燃料、食糧品、日用品の価額を押し上げる。それは、選挙でトランプを熱烈に支持した低所得者層の家計を直撃する。

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 Joel Jose and Siddarth S 記者による2025-3-31記事「Goldman raises odds of US recession to 35%」。
   ゴールドマンサックスは、米国経済のリセッションは20%ではなく、35%になるだろうと、予想を悪い方へ修正した。
 また米国の2025年の経済成長も、2.0%ではなく1.5%だろうと、下方修正した。

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 AFPの2023-3-31記事「China discovers major new oilfield off Shenzhen」。
  深センの170km沖の海底を掘れば天然ガスが出てくるという、昔も聞いたような大本営発表。
 CNOOC=China’s National Offshore Oil Corporation が月曜日に。
 埋蔵量は1億トンだそうだ。

 「Huizhou 19-6」という海底鉱区を試掘したところ、日量413バレルの原油と、6万8000立米の天然ガスが得られたと。

 ※このような宣伝をすることで、いったい今、誰にとっての得があるのか、絞り込めない。

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 The Maritime Executive の2025-3-31記事「Iran Reports Stopping Two Foreign Tankers for Oil Smuggling」。
  イラン当局は、外国船籍の2隻のタンカーを密輸容疑で拿捕して曳航中という。積み荷は「diesel fuel oil(=軽油)」だという。

 船名は『Star 1』と『Vintage』。
 うち1隻はUAEの所有らしい。イランから石油製品を搬出する密輸集団が存在するのだという。

 また1隻は、中共から固体ロケット燃料用の原料を運んでいるとの既報あり。

 ※イランはホルムズ海峡の水中で核実験するだけでトランプ政権を打倒できる。ガソリンが高騰するとどんな米政権ももちこたえられないのだ。トランプもそれを知っているし、イランもそれを知っている。だからイランが空爆されることはない。

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 Mark S. Bell and Fabian R. Hoffmann 記者による2025-3-31記事「Europe’s Nuclear Trilemma」。
   欧州はロシアの侵略を、短射程の戦術核だけでは、止められない。というのは、ロシアは初盤で簡単にバルト三国を占領してしまい、そこを次の作戦基地にできる。「アグレッシヴ・サンクチュアリゼーション」という戦略だ。そこに居座った露軍に対しては、英仏は、核攻撃をしかねるだろう。

 ※バルト三国がダーティボムと長距離UAVを組み合わせた対モスクワの報復手段を取得する以外に、合理的な抑止は無理だろう。無理な抑止を構築するに足るカネが、英仏にはもう無いはずだ。


世界の終末に読む軍事学