公船は頑丈に造っておけば、よいことがあるよね。

 CHRISTOPHER DENNIS 記者による2019-10-7記事「British family calls for return of American diplomat’s wife suspected of killing teen」。
    ロンドンから北東へ車で1時間半のところにある英空軍クラウトン基地は、オスクフォードに近い。じつは米空軍が通信傍受をやっているところで、米国務省の被用者や出張者も大勢所在する。
 この基地城下町で8月、19歳の住民の少年が自動車に衝突されて殺された。
 運転していた犯人は42歳のA.N.(♀)である。
 女は英国にやってきて3週間目で、事故のあと車外に出て自分の罪を認めていたという。どうやら右側走行していて、真正面からぶつかったらしい。
 しかし女の弁護士が外交官特権を主張したので、ノーサンプトンシャー警察は立件を諦めた。
 女とその一家は、飛行機で米本土に逃げ去ってしまった。
 少年の両親は、犯人が英国内の法の裁きを受けることを望んでいる。
 ※少年もなんらかの車両を運転していたのかどうかはこの記事からは分からないが、ヘッドオンと書いてあるので可能性あり。しかし『スターズアンドストライプス』編集部のレベルはこんな程度なのかよ? 欧州版が配信されない他地域読者のために、基本事実をまず紹介すれや。事故の日時もスルーだし、学級新聞?
 次。
 ストラテジーペイジの2019-10-7記事。
    5月の豪州の国政選挙の前に、中共の公安部が、大規模なインターネット輿論工作を豪州住民に対して展開していたというリポートの詳細がリークされた。
 工作努力のピークは投票日の3ヵ月前に設定されていた。
 次。
 Angela Chen 記者による記事「Forget fake news?nearly all deepfakes are being made for porn」。
   ディープトレースという、合成メディアを見破る会社による調査によれば、いまのところ、選挙工作のために作製されたと思われるようなディープフェイクの数はとるにたらず、ディープフェイク作品の96%は、純然たるエロ目的のポルノ動画であることがわかった。
 ディープフェイク動画は2017後半から、ネットにアップロードされ出している。
 「ディープフェイク」という用語自体、そもそもポルノ用語だ。ポルノスターの首から下の動画と、セレブ女優の首から上の動画を、AIソフトで合成してみたもののことだった。
 ザッカーバーグに偽のムチャクチャなスピーチをさせるといった、政治的に悪質なAI加工動画が散見されるようになったのは、こうしたポルノ動画の流行より後である。
 それを見た人々が《これって選挙戦の怪文書として使えるんじゃね?》と気づいた。
 ディープフェイクの女優版、女性歌手版は、ユーチューブにUpされてもすぐに削除される。だから、現在ユーチューブに残っているのは、すべて男性のものだ。
 それはネット全体の割合を反映していない。
 趨勢として、ブィープフェイク投稿の数は加速度的に増えつつある。
 加州のニューソン知事はこのたび、選挙の2ヵ月前までの期間において政治家の顔素材を加工したディープフェイクの製作および公開を禁ずる法令に署名した。
 これには批判もある。
 もうひとつの法令も成立しそうだ。その内容は、本人の許諾なくしてディープフェイク動画に自分の顔が使われてしまった人が、その製作者等を訴えることを容易にするもの。


この5年で何がタブーではなくなったのか。逆に、何がタブーになりつつあるのか。

 David Grossman 記者による2019-10-4 記事「NASA Gets Its First All-Electric Experimental Plane」。
   NASAは全電動式の航空機「X-57 Mod II」の試作機を受領し、これからテストする。9人乗り以下の都市交通手段として、レギュレーションを考える参考にする。
 原型はイタリア製の「P2006T」である。
 自重3000ポンド。そのうち860ポンドはリチウム電池の重さだ。
 高度8000フィートにて、時速172マイルで巡航できるという。
 2016年から開発されてきた。
 次。
 Eric Tegler 記者による2019-10-1記事「Bugs: A Self-Driving Car’s Worst Nightmare」。
     走行中の、ロボット運転カーのセンサーに、虫が衝突してつぶれて張り付いてしまったら、センサーは狂ってしまう。特にレーザー光走査による物体探知&測距センサーである「LIDAR」が大問題。
 これをどう解決するか。
 2017からロボット運転カーを、ピッツバーグの「アルゴAI」社といっしょに開発しているフォード。このたび、ひとつの解を出した。
 ノズルから高速の空気を、35度~40度の角度で噴出させることによって、雪、埃、虫の飛行コースをほんのわずか変えてやり、センサー鏡面にはくっつかぬようにできるという。
 「空気シールド」と称す。
 この空気の流れはまた、LIDARの冷却にも役立つという。
 それでも何かがくっついてしまった場合は、洗い流す必要がある。
 それには、欧州車がよく採用している、ヘッドライト用の洗滌システムを、参考にできるだろうという。


直近5年くらいの官能小説のトレンドを手短に教えてくださる方はいないだろうか。

 Sebastian Sprenger 記者による記事「Boeing’s F-18 jet may have a leg up in Germany over Eurofighter」。
      ドイツ・メディアの報道によると、ドイツ空軍のトーネイドの更新機種が、タイフーンではなく、F/A-18 スーパーホーネットになりそうであるとのこと。
 ドイツ国防省はペンタゴンに、F/A-18が核爆弾を運用できることについての確証を求めていた。ペンタゴンが問い合わせに対して確証回答したので、この決定になったという。
 かたやユーロファイターが核爆弾〔米国から核戦争時に供与されるB-61系〕を運用できることをドイツ国防省に対して証明するためには今から3年~5年もかかってしまうだろうという。これで勝負あったか。
 ドイツ軍は80機近くのトーネイドを維持しており、その任務は欧州での核戦争勃発時に「ニュークリア・シェアリング」政策に基づいて米国から供給される報復用核爆弾をロシアの大都市まで運搬することにある。
 90機ほど調達される新型機候補からF-35が脱落したことは2019-1にアナウンスされていた。
 ※核報復専用だとするとF-35にするメリットはない。すでに露軍のレーダーは壊滅している情況だからである。
 F-18とタイフーンのどちらが選ばれるかは、2020前半に決定される。
 タイフーンが選ばれない場合、エアバスとダッソー社はヘソをまげ、新ステルス機を独仏西で合同開発するという構想には水がさされる。
 かたやドイツはトランプから、対米貿易黒字を減らし、国防費を増やせと迫られている。その件で独国防大臣が先月、ホワイトハウス詣でをしたばかりだった。
 次。
 Nathan Strout 記者による記事「DARPA wants a robotic satellite mechanic launched by 2022」。
    太陽同期周回衛星を軌道上で修理する専門の衛星をDARPAが開発したがっており、民間パートナーを募集している。
 太陽電池パネルと長さ2mのロボットアーム×2本を備えたもので、要修理衛星に並走して作業する。
 これにより、新規衛星の軌道投入直後の初期不具合をリカバリーできる。たとえば、太陽電池パネルが展張しない、といった。
 2022年には完成したいと。
 カメラで並走撮影することにより、不具合箇所の診断も地上にて可能になる。
 不要となった古いGEO衛星を大気圏に突入させるゴミ処分作業も、このアームでできるという。
 DARPAは前に「オービタルATK」社とこのタイプのメンテナンス衛星の共同開発をしていたのであるが、2017にオービタル社は抜けて、自社で単独開発することに決めた。


家庭用防犯監視カメラに顔認識AIが搭載される流れ。特に集合住宅。

 Tyler Rogoway 記者による記事「China’s High-Speed Drone Is Rocket-Powered And All About Doing What Satellites Can’t」。
        まず確認だ。70周年パレードにひきだされた「WZ-8」×2機は、モックアップではなかった。実機のようであった。
 もちろんプロトタイプとか実験機に近いだろうが、ともかくも、ハリボテのフェイク物じゃなかった。
 側面からの写真ではランディング・ギアが分かる。
 パレードに出たWZ-8は、大型機から空中でリリースされて遠距離を高速で偵察し、また陸地にもどって滑走路で回収されるらしい。
 中共は近年、超高空まで浮揚するゾンデに高速飛翔体をくくりつけて発進させるという実験を繰り返している。その飛翔体の外形は、WZ-8と似ていた。
 空気取り入れ口がなく、噴射ノズルはある。ということは、動力はロケット・エンジンだ。
 ジェット・エンジン技術で劣っている中共も、液体燃料ロケットならば超音速を容易に実現できる。ただし超音速で往復の巡航はできないだろう。
 まず宇宙との境界ぐらいまでの高度に上昇し、弾道飛行のようにして偵察し、帰りはグライダーとなって飛行場まで戻るのだろう。
 上昇限度は13万5000フィート、速度はマッハ3.42だろう。
 ところで宇宙空間近くでは普通の「舵」はまったく効かない。ならば操縦制御をどうするのか、機体写真からはまったくわからない。
 噴射ノズルも、ヴェクター可変には見えない。
 20分間しか飛行できないとしても、マッハ3.2なら1000マイル以上を偵察できる。H-6N爆撃機から空中発射されて上昇開始するなら、往復で1500マイル飛翔できるだろう。
 このレンジで、南シナ海の大半を見張ることができる。
 発進は海南島付近から。回収はスプラトリーの砂盛島の滑走路にするのだろう。
 次。
 Loren Thompson 記者による 2019-10-3記事「Pentagon’s Next-Gen Missile Defense Plan Could Leave U.S. Poorly Protected For Years」。
   GMDが近未来の長射程SSM脅威に対応できる見通しが立たなくなったことをペンタゴンは公式に認めたにも等しい。2019-8に、《衝突体》の改良案が放棄された。※おそらくSM-3の流用品案か。


北鮮がSLBM試射した1時間後、米空軍は「ミニットマン」ICBMを発射。見せつけてますね。

 Martin de Bourmont and Sharon Weinberger 記者による2019-10-1記事「Trump tweeted ‘billions of dollars’ would be saved on military contracts. Then the Pentagon fired the official doing that」。
    シェイ・アサードという男に注目だ。
 ペンタゴン内で装備品調達を値切る交渉人であった。トランプもアサードを高く買っていた。億ドル単位で国民の税金が無駄使いされることを防ぎ続けてきた。
 しかしが2016時点で、ペンタゴンが最も憎んでいる男 だと称されていて、とうとう、馘にされてしまった。
 次。
 Scott Crino and Andy Dreby 記者による記事「Drone Technology Proliferation in Small Wars」。
      大流行中の自爆型小型無人機。この交信電波は、ISM電波帯を使う。ISMとは、工業、科学、医療。
 もともとFCC米連邦通信委員会は、ISMを「シングル・チャンネル」でのみレジャー用に許可していた。単一周波数回線。
 しかし、ISMでドローンを操縦しているときにもしトラックが通過してその強力なCB無線の電波がかぶったら、ドローンと操縦者の交信は遮断されてしまった。 
 そこで、1980年代のなかば、FCCは、ISMバンドを、FHSS(頻繁に周波数をホッピングしてスペクトラムを拡大)にしても可い、免許など要らぬ、と規制緩和した。
 
 このおかげで、ラジコン機がトラック無線から干渉されて墜落することはなくなった。無人機を操縦できる最大距離も伸びた。
 もうひとつの技術革新は、加速度計のチップ化。2000年より前だと、小型のジャイロスコープは高額すぎてアマチュアには手が出せなかった。だから機体は簡単に墜落した。
 今は、安いチップひとつで、加速、傾き、推定現在位置等が把握できる。それを自律姿勢制御ソフトの前提にできるのだ。
 これに、GoProカメラ、リチウム電池、無線の暗号化技術等が加わって、ドローンはますます便利に高性能になった。
 DJIのドローンは2014にISが最初に軍用偵察に使った。今年3月、ウクライナ軍は、DJI製ファントム4からVOG-17破片手榴弾を投下できるようにしたものの写真を公開。空力フィンは3Dプリンター製。不意の爆発事故がないよう安全装置もちゃんと考えられている。
 ガザ地区ではハマスがこれまでに二度、イスラエル軍車両に対してマルチローター型UAVからIEDを投下している。ひとつはメルカバ戦車で5月。ひとつは装甲HMMWVで9月。
 ※マルチコプター型の大きなものは、人間一人を持ち上げられる。つまり90kgぐらいのペイロードが可能。この四分の一の重さの成形炸薬弾頭でも、MBTを破壊できる。低速で地面スレスレからアプローチすれば、敵戦車のAPSも反応できない。地面すれすれで自爆して自己鍛造弾を車体側面下方から斜め上方に向けて撃ち込めば、爆発反応装甲も回避できる。なにより、味方歩兵に敵AFVが非常に接近してしまっている場合、そのAFVの向こう側で起爆させることが、マルチコプターならば容易である。その爆発破片は味方歩兵を襲うことはなく、逆に敵の随伴歩兵が破片を浴びるわけだ。すぐに日本のメーカーははこういうものを開発すべきだろう。


そろそろ秋がくる。

 Joel I. Holwitt 記者による2019-10記事「Sub vs. Sub: ASW Lessons from the Cold War」。
  記者は現役米海軍中佐。
 ロシアのSSGN『セヴェロドゥヴィンスク』は、欧州方面勤務の米海軍の中佐にいわせると、とても静かだそうだ。
 戦後、米海軍はドイツのソナーを参考にした。
 米海軍の潜水艦用の最初の魚雷はMk27で、16ノットだった。これはWWII終末に完成した。
 次が1956年完成のMk37で26ノットで駛走する。
 それを有線誘導にした改良が1960年。
 当時、相手として考えていたシュノーケル深度の敵潜水艦は、8~12ノットしか出さないものとみなされていた。
 しかしソ連も原潜をこしらえると、30ノットの水中標的も考えねばならなくなった。魚雷より速い。
 そこで1960に技術要求が出された。
 さんざん苦労してMk48魚雷ができた。1972に米艦隊はこの新魚雷を受領した。
 驚くべし。米海軍は14年間、ソ連潜水艦の速度に追いすがれる通常爆薬魚雷を、持たずにいたのである。
 穴埋めとして、Mk45核魚雷と、UUM-44サブロック〔潜水艦から発射する対潜水艦用の核ロケット爆雷。飛翔は空中〕が、米艦隊にはあてがわれていた。
 また米潜はMk37魚雷を至近距離から気づかれずに発射するので、魚雷そのものが低速でも、ソ連潜は逃走する余裕など無いと考えていた。ASWの技術格差が大きく、ソ連潜はこっちの接近にも、魚雷発射音にも、気づけないはずだった。
 やがてソ連はノルウェーと日本から最新技術を調達して『ヴィクターIII』級のSSNを就役させた。それは静粛さが格段に向上していた。※東芝機械は、いつの間にか社名を変えましたな。やはり過去の名前は続けられないだろう。
 さらにソ連は、西側のSOSUS聴音線の上で旧型の騒々しい潜水艦を走らせてマイクの感度を飽和させておき、その隙に、静かな最新鋭潜水艦をすりぬけさせるというテクニックを覚えてしまった。
 こうしたことが判明したのは1985にジョン・ウォーカーを秘密の売り渡し容疑で逮捕した後である。ウォーカーは1967年からソ連スパイに海軍情報を洩らしていた。
 80年代前半にソ連は『シエラ』級の全チタニウムSSNを就役させている。この静粛化技術はウォーカーが渡した資料が参考にされたかもしれない。
 同時にスチール船殻として建造された『アクラ』級SSNは、もっと静かであった
 1987に展開開始した『ヴィクターIII』はどのくらい静かだったか?
 英軍の対潜哨戒機ニムロッドは、このソ連潜を追跡するために、従来1年で消費する量のソノブイを、数週間にして使い切ってしまったという。
 米英両海軍は、6隻のヴィクターのうち5隻は常続的に追跡できたが、最後の1隻にはいつもまかれてしまっていた。艦長が優れていたようだった。
 1989にソ連は349隻もの潜水艦隊を擁していたが、静粛なSSNまたはSSGNとしてNATO相手に使い物になったのは、計35隻のみ。うち23隻が『ヴィクターIII』で、文字通り主力SSNだった。
 ソ連潜の弱点は、乗員が徴兵で、練度が低いことだった。マイク級SSNの『コムソモレツ』が沈没した事故について、1989年に、マイク級の設計副主任が書き残している。乗員はシステムをほとんど理解していなかったと。救命装具の扱い方も教育されていなかったと。
 レーガン政権が1986から、米海軍をよりソ連本土近くに展開させるようにし、英海軍もそれに合力したことから、ソ連は自軍のSSBNを防禦するために、遠くへ出していたSSNを自国領海近くまで引き退げるシフトを強いられた。
 米海軍は手をゆるめず、対潜哨戒機と他のAWS手段を緊密に連繋させてソ連潜を常続的に追いかける態勢を1980年代に構築した。
 いま、ロシアは27隻のSSN/SSGNを有する。中共は6隻である。米海軍のSSNは51隻あり、英海軍は7隻だ。
 ロシアと中共の原潜に乗り組んでいる水兵は、今日でも、徴兵である。米英は水兵に至るまですべて志願兵。
 1980年代のピーク時にソ連は、6週間ごとに1隻の潜水艦を建造していた。当時、英海軍では真剣に、じぶんたちの手持ちの魚雷の本数よりも、ソ連の潜水艦の数の方が多くなってしまう、と心配したものだった。
 今の中共は、1年に2隻のペースでSSNを量産できるだろう。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-10-2記事。
    英国でヘルファイアを改造したブリムストーン。2005に完成したが、ジェット機から高速で射出できるために射程が20kmにも延びる。
 筒体もやや長く、そのぶん、固体燃料が多く詰まっている。総重量は55kg。
 2008にメーカーのMDBAは、弾頭のセンサーを、ミリ波レーダーとレーザー〔セミアクティヴ?〕のデュアルにした。
 そしてリビアに投入されて実戦評価を得た。
 2016年には「ブリムストン2」が出来、新型モーターにより、レンジは40kmに伸びた(高空の固定翼ジェット機から発射した場合)。
 低空の低速機から発射すれば、レンジは20kmである。
 ブリムストンを対舟艇用にしたのが「シー・スピア」。弾頭重量は、ブリムストンが6kgなのに比して16kgもある。
 誘導システムには工夫が凝らされている。スウォーム襲来する敵ボートに一斉発射しても、同じ標的を二発で襲うような重複の無駄は起らないのだ。
 シースピアの実戦配備は来年以降だろう。
 ブリムストン3も開発中。20km離れた敵のAFV群に対して12発以上を地上から一斉発射し、そのそれぞれが、別個の標的を破壊する。決して重複攻撃の無駄は起らないように、機械の方で面倒をみてくれる。
 ブリムストンは敵戦車の薄い天板を攻撃する。APSも真上から落ちてくるミサイルに対してはあまり効果はない。
 ポーランドのPZG社は、地対地ミサイルとしてブリムストンをライセンス生産中である。
 ポーランド陸軍は、大量にもっているBMPの砲塔を撤去してボックスランチャーをとりつけ、そこにブリムストンを20発、収容させる。
 重機関銃のリモコン銃塔は別に残すので、このミサイルBMPは近接自衛もできる。
 シースピアーにターボジェットエンジンをとりつけた「スピアー3」も開発中だ。重さは100kgになるが、レンジも100kmに伸びる。


やっと『ネルソン傅』を読み終えた……。

 明治39年に帝国海軍の手で訳刊されていて1292ページもある。マハンの最後の大著だからもっと早く読む必要があったのだが、あまりにも頭に入りにくい日本語なので、手間を喰っちまった……。これは洋上ブロケイドの国際法の起源を考えるときの資料ともなるものなのだ。10-21のトラファルガー海戦記念日までにはなんとか摘録をUpしたいです。
 次。
 Stacy Liberatore 記者による2019-9-30記事「Experimental German radar ‘tracked two U.S. F-35 stealth jet for 100 MILES’ after lying in wait on a pony farm to catch them flying home from airshow」。
    ドイツのレーダーメーカーが主張。子馬牧場に置いた新型レーダーにより、100マイル弱の距離で、2機の米空軍のF-35を探知できたと。
 これは「パッシヴ・レーダー」であった。民間のTV放送局や携帯基地局の電波が勝手にステルス機に当たって散乱するのをモニターし、その変化パターンを解析するシステム。
 ステルス機のパイロットは、自機が進入したエリアが相手からモニターされているエリアであるとは気づけない。
 探知成功は2018年だという。まず、ベルリン航空ショーのためにアリゾナのルーク基地からF-35が飛来した。このときは探知せず。
 ドイツのメーカーは、会場のすみっこにそのレーダーを設置してF-35がデモ飛行するのを待っていたのだが、なぜか航空ショー本番ではF-35は飛行しなかった。
 しかし米本土に飛び戻るときに、某子馬牧場に仕掛けておいたこの新装置「TwInvis」を作動させ、空中のF-35を捉えた。というか、F-35が環境電波を反射する特性の情報を収集した。
 探知できた距離は、約93マイルであった。
 ただし『C4 ISRNet』は指摘する。そもそもF-35がそろそろ牧場の上空を通過するという未来時刻と概略方位を絞り込めたのは、F-35の機体に搭載されている「ADS-B」トランスポンダーのスイッチがONになっていたからだ、と。
 次。
 MATTHEW M. BURKE AND AYA ICHIHASHI 記者による2019-10-1記事「Japanese sailor killed by propeller while working on aircraft engine」。
    10-1に鹿屋基地の格納庫内で海自のP-3Cのエンジン取り外し作業中、エンジンが落下し、そのペラに打たれた海曹長が殉職した。作業はセベラル人で実施していた。
 ※民間のクレーン玉掛教育では、吊り荷の下には絶対に入るなと言われるが、現場ではそうも言ってはいられない時があるのか。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-10-1記事。
    レイセオン社は、DoDからの発注を待つことなく、自社投資として、次世代AAMを開発中。AMRAAMよりも小型で、Peregrine と称する。
 サイドワインダーは重さ85.3kg、AMRAAMは172kg。ペレグリンはそのサイドワインダーよりも軽い68kgだ。
 サイドワインダーとAMRAAMは長さが3.7mで同じ。サイドワインダーの方が細いので軽いのである。
 ペレグリンは1.8mしかない。それでも50kmも飛翔するという。サイドワインダーは20kmだというのに。
 レイセオンは、誘導装置をおそろしく小型軽量化することで、これを実現した。
 ライバルのロックマートは2011にやはり「Cuda」という小型のAAMを自主開発している。なぜ皆、小型にこだわらねばならぬかというと、ステルス戦闘機の狭いウェポンベイ内に複数発を収容できないようでは、これからは売れないからである。※バラクーダの短縮呼称か。
 この「クーダ」の存在は、2012にF-35の兵装庫の扉が開いている写真が公表されて知れ渡った。長さはサイドワインダーの半分くらい。
 しかし数年後、「クーダ」の開発は静かに放棄されている。
 2018に米陸軍が、200万ドルを用意して、ロックマートに「クーダ」を改造した対UAV直撃破壊型の超小型SAMの開発を発注した。名称は「MHTK」。
 UAVのみならず、砲弾やロケット弾でも空中で撃破できるという。
 重さは1発2.5kgとクーダよりやや軽い。レンジは数kmだという。
 次。
 Charlotte Jee 記者による記事「A gel that makes trees fire-resistant could help prevent wildfires」。
      スタンフォード大の発明。森林にジェルをスプレーすれば、山火事が燃え移らなくなり、植生が保護されるという。
 その薬剤はセルロース・ポリマーで、原料が植物由来である。そこにシリカ分子も加えた。要するに人工の砂。
 実験では、半インチの雨量では、これは流出しないで残る。だから、雨の少ない加州では、山火事シーズンの前に1回撒布しておけば、それから1年間、山火事から森林が守られるという。
 次。
 9-30記事「Putin could decide for the world on CRISPR babies」。
    ブルームバーグのすっぱぬきによれば、ロシア政府の保健省がこの夏に遺伝子学者たちを集めて秘密会を開き、CRISPR技術を積極利用せよと発破をかけた模様。
 中共に負けず、ロシアでも改造スーパーベビーを産ませろ、というわけか。
 この会合には、プーチンの長女も臨席したという。ロシアではその公式報道は一切、なされていない。


南軍の『モニター』とは、「オオトカゲ」の意味だったのねんのねんのねん。

 Daisy Hernandez 記者による2019-9-29記事「Here’s Why Komodo Dragons are the Toughest Lizards on Earth」。
        テキサス大学の研究チームが発見。コモドオオトカゲは、あたかも鎖帷子を鎧うように、皮膚を骨化しているのだと。
 コモドオオトカゲは、食糧が足りなくなると、共食いして生き残る。
 巨大な固体だと体長10フィート、重さ300ポンドに育つ。
 ウロコの下に骨状皮膚を沈積させることで、ボディーアーマーとなっている。
 奇妙なのは、このトカゲを捕食せんとする天敵は存在しなかったはずなのに、なぜにこのような装甲が進化したのかだ。
 この鎧構造皮膚は、コモドオオトカゲの幼体(2年)のうちは、形成されない。
  ※それって、「こどもオオトカゲ」……ってか?
 次。
 Kyle Mizokami 記者による2019-9-27記事「What Is the Javelin Missile at the Center of Trump’s Impeachment Scandal?」
        トランプは、米国がウクライナ軍に「ジャヴェリン」対戦車ミサイルを売ってやる代わりに、バイデンのスキャンダルねたを教えろ、とウクライナ政府に迫ったのではないかと糾弾されているところだ。
 2018-3にウクライナは、210発のジャヴェリン・ミサイルと、その37基の歩兵携行型ランチャーを、4700万ドルで米国から買った。
 トランプは2019-7-25にウクライナのゼレンスキー大統領に電話し、そのさい、ジャベリンの売り渡しとバイデン関係のスキャンダル探しをリンクさせたと噂されている。
 ウクライナは2014にロシアによる侵略を受け、現在もグレーゾーン戦争が続いている。
 ジャヴェリンは、80年代の米陸軍歩兵装備であった「M-47ドラゴン」ATMの後継兵器だ。
 ドラゴンは、ソ連主力戦車のT-72およびT-80の正面装甲に対しては、問題なく有効であったのだが、射手はミサイルが命中する瞬間まで照準眼鏡のクロスヘアーを敵戦車に合わせ続けている必要があった。
 歩兵装備としては重く、かさばりすぎていて、しかも射程は1000mしかなかった。
 1000mというのは軽機関銃でも制圧できる距離なので、ソ連戦車からの反撃で、ドラゴンの射手は誘導を中断しなければならぬ場合もあっただろう。もし実戦に投入されていれば。
 ロシア製戦車が増着アーマーを徹底して採用するようになった90年代初頭、ドラゴンはもう時代遅れだと認定された。
 そこで米陸軍は、発達型中距離対戦車システムを公募し、テキサスインスツルメントとマーティンマリエッタ(その後、ロッキードマーティンとなる)が「FGM-148」を受注した。すなわち「ジャヴェリン」だ。
 量産は1994にスタートしている。
 ジャヴェリンは、歩兵の肩から発射されると、いったん地表500フィートまで高々と飛び上がり、そこから落下して行くので射程が長い。4750mも届くのである。
 弾頭センサーは、射手が指示した標的の赤外線イメージを上空から認識し、それにロックオンする。
 敵戦車が近いときには、上昇をさせずに、終始、水平飛翔させることも可能だ。
 弾頭はタンデムになっており、まず先頭の炸薬で露軍戦車の表皮自爆装甲(爆発反応箱)を反応させてしまい、それが剥ぎ取られたところに、主炸薬の炸裂によるメタルジェットが到達し、主装甲の裏まで穿貫する。
 通常の湾曲弾道だと、増着装甲が無い砲塔天板に真上からヒットする。ロシア製戦車の天板装甲は、ただでさえ薄いので、ひとたまりもない。
 空中でミサイルが標的をロックオンしたあとは、射手は標的を照準し続ける必要はない。射手は、初弾が着弾する前にその場から移動して、次の標的と交戦開始してもよい。
  ※トランプはメキシコの壁予算を捻出したければ、在韓米軍の家族向けの諸手当てを流用するべきであった。どうせ家族はエバキュエーションさせるしかないんだから。現地の兵隊の数は議会法で縛られているが、家族関係費目にまではその縛りはかからないはずだろう。
 次。
 ストラテジーペイジの2019-9-29記事。
   トルコ軍は2016-8いらい、シリアの戦場にて、8両の「レオパルト2A4」戦車(ドイツ製)を撃破されてしまった。
 同時に、11両の「M60T」(米国製)も、やられている。
 やられた原因はATGM〔ロシア製のコルネットATM〕。増加装甲をケチらなければ、あるいは、随伴歩兵をもっと多くしていれば、防げたはずだった。
  ※増加装甲皆無で、同軸機関銃が欠陥品である九〇式戦車は、中東に送られたら、もう生き残りようがないですわ。
 トルコは冷戦終了後に西欧諸国軍から354両もの中古の「レオパルト2」を買い集めたのである。
 じじつ、カナダ軍の「レオパルト2A6M」とデンマーク軍の「レオパルト2A5」は、装甲がアップデートされていたおかげで、2008年にアフガニスタンへ派兵されたときにも、ゲリラによって破壊されたりはしていない。
 じつは2017年にトルコ軍もレオ2の装甲を有料で「2A7V」にアップグレード工事してもらおうとしたのだが、ドイツの野党が、トルコ政府が戦車を自国内外のクルド族弾圧に使っていると非難したために、製造元のドイツのメーカーは、そのサービスができなくなってしまった。
 しょうがないのでトルコ軍は、独自の改装(爆発反応箱を砲塔に貼りつけ、物置棚を砲塔外周にめぐらし、ミサイル誘導妨害装置を取り付け)を施した、国産「2A5」を2019にこしらえている。しかしシリア領にはそれらではない旧型を送り込んだのである。


なお大量に余った「オカラすいとん」をこんどはハンバーグ化してみよう!

 すいとんでかくも容易に飽食状態に達するとは……。終戦直後の復員兵一家には思いもよらぬことだね。
 オカラのパサパサ感を緩和するためにはダイコンの細切れを混ぜ込むといいお。(ますます貧乏な味が出て泣ける。)
 次。
 Liu Zhen 記者による2019-9-27 記事「Did China just accidentally show off its new supersonic cruise missile?」。
    9-25に中共の火箭軍がビデオを公開した。そこには未知の新型超音速巡航ミサイルの発射シーンと思われる動画が含まれていたのだが、すぐにそこだけ、カットされてしまった。
 ミサイルはランチャー・トラック上から発射されていた。
 消されたクリップに映っていたモノ。2枚の薄いドーサル・フィン〔揚力担任用〕。折り畳み式のテイル・フィン。後付け式のブースター。
 詳しい者に匿名条件で見てもらったところ、レンジは1000km以上であろう、と。
 亜音速の対地攻撃用の長射程巡航ミサイルならば中共ロケット軍はとっくに持っている。それは「長剣(Changjian-)10」で、ランチャー・トラックから撃ち出し、1500km飛ぶ。
 ビデオクリップには、電波妨害装置と、その逆の、ECCM装置までわざわざ写されていたので、まあ、対米用のフカシ宣伝の一種だろう。
 次の火曜日が、中共軍の大パレードの日である。そこでハリボテが公開されるかもしれない。


本日は「おから餅」創作に挑む。

 じつはわたしは365日、晩飯当番を拝命している。(一日中ひきこもっている奴がメシつくれや、と言われれば、その通りでござりますと平伏するしかないだろう。)
 無洗米の中にさまざまなモノを投入してみるバリエーションも一巡したところで、最近のマイ・テーマは「北鮮めし」。
 いかにありあわせの素材で貧乏くさく一食をまとめるか。
 もちろん、脱コレステロール食でなければならぬ。
 昨晩、己の才能を過信し、「おからぐちゃぐちゃ煮」に大失敗したので、その大量の半素材(混合)を再利用して、「すいとん」に混ぜ込んでみるつもり也。
 コープさっぽろ を応援しつつ……。
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 Dina Temple-Raston 記者による2019-9-26記事「How The U.S. Hacked ISIS」。
  2015年8月、ボルチモア市に近いメリーランド州のフォートミード基地で、チームが結成された。NSAとサイバーコマンドの合計80人。
 2016年の春から夏にかけて、彼らはISをサイバー攻撃する準備を整えた。
 その準備段階でかれらはISにフィッシング・メールを送った。
 それによってISのネットワークに入り込み、暗号キーやパスワードを盗み、管理者権限を気づかれずに操り、サーバー内にマルウェア地雷を埋め込んだ。
 1人のネット利用を1年ぐらいも継続して監視していると、そいつが愛用するパスワードも見当がついてしまう。継続監視が肝のようだ。
 練りに練った、過去最大級のサイバーアタックを開始するとき、やはり号令は「ファイアー!」とかけたのだそうだ。