夏本番、各地でレンジャー中。

 KAREN DEYOUNG, SOUAD MEKHENNET AND LOUISA LOVELUCK 記者による2019-8-4記事「US launches last-ditch effort to stop Turkish invasion of northeastern Syria」。
      2週間以内にトルコ軍がシリアの北東部に侵攻しようとしている。トランプ政権はそれを止めようとして必死。
 米国の提案。米土連合軍が、ユーフラテス(シリアに源流あり)からイラク国境にかけての、シリアとトルコの国境の中ほど三分の一に、幅9マイル、長さ87マイルの「クルド人立ち入り禁止帯」を設け、共同パトロールする。
 その地帯内のクルド軍陣地は米軍もいっしょになって破壊する。
 それが済んだら、残りの三分の二の地帯も同様に処理する。
 トルコはその案では不満。セイフ・ゾーンは幅20マイルは必要だし、管理はトルコ軍が単独でしたい。
 かつまた、現在トルコに逃げ込んでいる360万人のシリア難民を、そのセイフ・ゾーンに定住させたい。
 ※これはトルコがスポンサーとなる傀儡の新シリア民兵軍に同地帯を支配させようという狙い。
 エルドアンは4日に声明。これからわれわれはユーフラテスの東側に入るぞと。
 トルコが米側の懇願を蹴った場合、トランプにできることは何もない。というのもクルド軍(YPG)に対するトルコの攻撃を米軍が撃退するには、米議会の同意が必要だからだ。
 「シリア民主軍」と称する民兵の正体はYPGである。だいたい6万人。すべて米式装備。
 トルコ軍が侵攻すると、クルド軍が警固しているIS捕虜収容所が解放されるおそれがある。そこには8000人のシリア人と2000人の余所者が収獄されている。
 トルコ政府の目からは、YPGはPKKの一派としか思えない。
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 ストラテジーペイジの2019-8-5記事。
    先進諸国による過去のどんな後進国援助よりも、安価な携帯電話の市場任せな普及の方が、貧困地域を健康かつ文化的にするのに役立っている。
 携帯電話は、人々を悧巧にし、安全にし、人々の金銭管理を合理化し、商売の機会を均等にし、教育熱を底上げし、出生率を抑制し、独裁腐敗政権に対する人民のチェック機能を担保した。
 ※であれば、次のことが言える。先進国政府は、国民の携帯通信料金の最低限レベルを国費負担してやることで、他のどのような歳出と比べてもはるかに効率的に、国民の生活競争力を向上させることができるだろう。
 西暦2000年には、後進国の住民の3割しかインターネットにアクセスしていなかった。
 しかし携帯とスマホのおかげで、それからわずか13年にして、後進国地域からインターネットにアクセスするのに何の苦労もなくなった。
 たとえば、アフリカと中東で、出生率が劇的に低下し始めている。これは携帯のおかげなのだ。
 2011年の「アラブの春」は、デジタル通信端末を手にした後進地域人民がもはや腐敗政府には我慢をしなくなった、情報環境の反映であった。
 パレスチナ人はこれまで、難民数を実際より3割以上多く水増しすることで、世界から多額のドネーションを得てきた。ところが携帯が普及したことで、その数のインチキがバレてしまった。義捐金を最終的に受け取るはずの難民が、じぶんたちのリーダーのピンハネ腐敗をチェックできるようになったのだ。携帯のおかげで。
 パレスチナ指導者が、多額の「死亡見舞い金」を、対イスラエル特攻テロの殉教者遺族に渡していることや、彼ら自身の富豪家族のような暮らしぶりも、インターネットアクセス環境のおかげで隠せなくなってしまった。これがまた海外からのドネーションを減らした。
 次。
 KIM GAMEL AND YOO KYONG CHANG 記者による2019-8-5記事「US, South Korea start low-key joint military drills after North Korean missile tests」。
   米韓演習が始まったが、エクササイズとは呼ばず、コマンドポスト・トレーニングと呼んでいる。
 この「訓練」は8-20まで続く予定だ。
 次。
 Dominic Nicholls 記者による2019-8-4記事「Russian ‘super quiet’ submarines feared to be in British waters」。
     露海軍のキロ級ディーゼル潜水艦の最新バージョンがやたらに静粛になり、英艦隊を北大西洋で探知されずに追尾したり、インターネット・ケーブルを海底で盗聴する特殊原潜を現場まで曳航するのに活躍しそうだという。
 この新型は「プロジェクト636.3」、別名『ワルシャヴィヤンカ』級という。すでに6隻進水しており、年内にはその6隻が作戦可能になるという。


約束を守らぬ国と約束をしても無益にして百害あるのみ。

 KIM GAMEL 記者による2019-8-4記事「Analysis: North Korea flexes military muscle ahead of US-South Korean drills」。
 米韓演習は月曜に始まる。
 短距離ミサイルは駐韓米兵を脅かすものである。
 三代目は、ICBMテストさえしなければ、何をやっても大丈夫だというお墨付きをトランプから得た。だから、米韓の間に楔を打ち込む騒ぎをこれからも次々に起こす。
 5月前半と、7-25に発射された4発のSSMは、固体燃料で、車両上から発射された。ロシアのイスカンデルに似る。MD回避プロファイルで落下する。
 7-31に発射したのは大口径多連装ロケット弾で誘導システム付きだろう。それはキャンプハンフリーズにも、烏山[オサン]空軍基地にも届くのだろう。
 8-2のテストでは高度変更ができた。それはロケット弾ではなくSSMだろう。
 米国務省は北鮮代表がタイにやってこなかったことを怒っており、それについていろいろ発信している。トランプがグッド・コップ、国務省下僚たちがバッド・コップを演じている。ポンペオはトランプに寄り添ってニコニコしていなければならないので下僚とは一体ではない。
 北鮮としては、対米協議の場所とタイミングは北鮮が決める、と強調した。
 次。
 AARON KIDD 記者による2019-8-3記事「Global Hawk surveillance drones relocate to Japan as typhoon season ramps up in western Pacific」。
      アンダーセン基地から、台風を避けて、RQ-4 グローバルホークが、ヨコタに飛来した。秋までここにいる。
 米空軍は、機数について公表していない。最大5機のはずである。人員は105名。
 ※軍民共用空港である三沢からグロホを運用するのでさえオレに言わせれば大問題なのに、首都圏内陸部で大型無人機が自由に発着……。これを許しておく日本政府は頭おかしいんじゃないの?
 離発着のリモコンだけはヨコタで行なう。それ以外の飛行経路と偵察ミッションは、ノースダコタ州のグランドフォークス空軍基地、もしくは加州ビール基地から衛星経由でリモコンする。
 グァムのグローバルホークは、マリアナ諸島のサイパン島、ティニアン島、ロタ島へ退避することもよくある。
 三沢が滑走路工事していた2017年には、ヨコタに臨時に引っ越した。
 2018年は、滑走路が竣工したので三沢に戻った。
 ところが今年、三沢に問題がないのにヨコタにいきなり飛来した。
 次。
 Ezra Dyer 記者による2019-8-2記事「How Porsche Built the Game-Changing Brakes on the 2019 Cayenne」。
     ディスクを両側から挟み締めるメカニズムのブレーキをキャリパーと呼ぶ。そこから転じて、ブレーキシステムに使われる金属ディスクそのものも自動車業界ではキャリパーと言う。
 ポルシェはこのたび、キャリパーの表面を、タングステンカーバイド合金で被覆し、かつ鏡面仕上げにした。これで、ブレーキングにともなう鉄粉の飛散汚れを劇的に抑制する。
 急制動をかけたときの摺り減りは、半分になった。
 ヴィッカースの硬さ単位で表せば、鉄は80なのに、タングステンカーバイドは1000である。それだけ、磨り減りには強い。
 また表面を鏡面化することは、プレーキパッドとの接触面積が増えることも意味する。
 増えるどころか、顕微鏡レベルでは、「ヴェルクロ」のような摩擦が働くのだ。
 部品のコストは鉄ディスクよりも高いが、「炭素-セラミック」ディスクに比べれば、三分の一だという。
 ただし、もしディスク全体をタングステンカーバイドにすると、価格は「炭素-セラミクス」よりも高くなってしまい、市場競争力を失う。だから、表面コーティングなのである。
 ポルシェ製品では、メッキ部分の厚みは「100マイクロ・メートル」。
 鉄表面にレーザーでメッキ前の下地処理を施してから、被覆する。
 酸素を超音速で吹きつけ、熱しながらタングステンカーバイドの粒子を付着させて行く。
 次。
 Mac Demere and Ezra Dyer 記者による2019-8-2記事「11 Things Your Car Is Trying to Tell You」。
      車速に応じて頻度も変わる、パタパタと叩く音が聞こえる。
 →すぐに車を止めてタイヤ廻りを点検せよ。
 パンケーキのシロップのような臭いがする。
 →それはエチレングリコール不凍液だ。エンジンの冷却系統、ラジエターホースか、水ポンプの配管からの漏洩を疑え。しかしもし、緑色、オレンジ色、黄色の液溜まりを車体の下に見つけたら、問題は別である。
 車を止めていた場所の地面に、液溜まりが見られる。
 →指先で擦ってみる。水であればエアコンのコンデンサーだろう。もし油のようだったら、パワステのオイルかもしれない。もし暗色であったら、直前のオイル交換のさいに作業員がドレーンプラグもしくはフィルターを正しく取り付けなかったかもしれない。
 赤茶色の液溜まりで、重粘ではない指触りであったなら、それはトランスミッションを冷却するオイルの配管にヒビが生じたか、トルコン油じたいが漏れているのかもしれない。
 タイヤの内側にオイル漏れがあったら、それはブレーキ油のトラブルだからすぐGSへ駆け込め。
 後軸の下に黒くて重粘な油が漏れていたら、それはディフェレンシャル・ギアのシーリングが不良である。
 車速に応じて変わる、豚啼きのような音。
 →エンジンにつながっている、回転伝達ベルトに異常がある。
 これらのベルトは、パワステ、水、エアコンのコンプレッサー、発電機などを駆動する。
 ブレーキを踏んだときだけハイトーンの豚鳴きが聞こえる場合は、それはブレーキパッド/ブレーキシューの寿命である。
 駐車しようとして大きくハンドルを切ったときにさまざまな摩擦ノイズが……。
 →FF車でありがち。等速ジョイントがイカれつつある。放置すると前輪の片方もしくは両方がトルクを発生しなくなる。
 さもなくばどこかのベアリングが壊れている。放置せずに工場へ。
 シュッシュッというノイズが聞こえる。
 →排気管の途中に錆び穴があいているかも。一酸化炭素中毒から車両火災まで、さまざまな事故の前兆たり得る。
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 David Grossman 記者による2019-7-30記事「Could Rust Be a New Source of Renewable Energy?」。
       カリフォルニア工科大学とノースウェスタン大学の新発見。
 金属表面の「錆び」が格子構造となり、バイメタルの発電装置のようになり、動く海水とのコンビネーションで、太陽光発電パネルを効率で3割上回る発電が可能である。
 従来、そのためには、グラフェンでラティス構造をつくる必要があると思われていた。が、金属を勝手に錆びさせただけでも、似たような構造がつくられることが分かった。これで、価格破壊の可能性が見えた。
 理論的には、10平方mのこの「発電板」が、米国の平均的な家庭の消費電力を供給できるようになる。
 ※真っ暗な海でも発電可能とはすばらしい。これは「浮体工法」の海上空港の価値を倍増するだろう。滑走路の下の海中でも発電できるのだからね。将来、火山爆発で太陽光が地表に届かなくなっても、再生可能発電はできるわけだ。朗報。


海に撃ち込んだならば、それはGPS終末誘導のロケット弾ではない。精度検証ができないから。

 David Maxwell 記者による2019-8-1記事「Second Set of Test Launches Shows North Korea Not Serious About Disarming」。
          北鮮の弾道ミサイル試射は、国連安保理決議1718号へのあからさまな違反である。
 イスカンダルもどきのKN-23を部隊が使えるように慣熟させる意味があった。
 300ミリ多連装ロケット弾についても、同様である。※これがGPS誘導装置付きなのかどうかの報道が未だに無い。
 韓国はF-35が北鮮のSSMに対する「キル・チェーン」だと宣伝していた。北鮮の実験はこれに対する論理的反応である。多連装ロケットで飛行場を制圧してしまえばいいのだ。
 韓国空軍のF-35は清州[チョンジュ]国際空港にある。ここが「Cheongju Airbase」でもあるのだ。空軍基地兼用。
 ※これまで韓国第17戦闘機大隊(152、153、156飛行中隊)がF-4を運用してきたところ。滑走路は2743mが2本。北緯36度42分50秒にある。
 近来の北鮮放送は、この基地がデカい標的であって命中させるのはたやすいと宣伝してきた。非常に意識していることは間違いない。
 三代目は、トランプが「個人外交」方針を捨てないと読み切った上で今回の発射を決めた。
 韓国政府は、米国が対北鮮の追加制裁をしないと声明した。米韓が共同して、ミサイル発射の青信号を三代目に出してやったも同然となっている。
 当該地域に関するこうした態度は、三代目の脅迫外交を調子づかせるだけだろう。
 米海軍のSSNを釜山に配備するのも、米韓軍合同即応演習を計画するのも、すべて気に喰わないというわけだ。それらは国連決議を破り続けている北鮮からの攻撃に対する正当な準備なのに。
 三代目は、近々始まるという板門店での米国とのワーキングレベル交渉と無関係に、核を放棄する気が無いことを、部内で表明している。それは北鮮のリーク文書で明らかになった。
 半島非核化を本気で達成したいなら、「最大限の圧力2.0」を発動することだ。それは五つの柱からなる。すなわち、外交。軍事的抑止。攻撃的制裁努力。サイバー作戦。影響力行使。
 ※日本による対韓国制裁こそが、半島非核化の「マックスプレッシャー2.0」になるはずだ。文左衛門が北鮮エージェントと化しているのは明らかなのだから。とりあえず、過去に遡って竹島に不法上陸したことがある韓国人が日本に入国した場合は、日本の法律に基づいて逮捕して訴追する旨、政府が声明するのが妥当だろう。これで東京オリンピックには韓国人はやって来なくなるので、理想的な近代五輪が実現するだろう。
 次。
 Austin Bay 記者による2019-7-30記事「On Point: Deep Fakes and the New Age of Deception」。
        2017年にカタールのインターネットサイトにディープフェイク技術を使った嘘ニュースが投稿された。いかにももっともらしいニュース報道を装いつつ、カタール王家とサウド家の対立を煽る内容になっていた。それで誰が利益を得る? イランかロシアだと疑われている。
 ※ディープフェイクを外交謀略に使うためには「一発芸」ではダメなのだろう。(フェイクの)A国高官と(フェイクの)B国高官とが、非難・挑発・罵倒を延々と応酬し続ける、という、「最終回のないシリーズ物」とすることだ。これをあらかじめ作り溜めしておいて、計算されたインターバルで「連投」して行った場合、正規の政府当局は、真贋のチェックと否定声明を出す作業がおいつかなくなる。あとは民衆とマスメディアが勝手に拡散してくれる。今日では大手メディアこそが、政治の「連ドラ」ネタに飢えている。検証されないうちに噂を噂として報道するのは、彼らにとって気軽なはずである。


アヘ死にするという勢い。

 ストラテジーペイジの2019-8-2記事。
   米のINF離脱は対支の政治決定である。それはロシアも知っている。
 7月24日に判明したこと。露潜『ロシャク』の7-1の火災原因は、リチウムバッテリーの過熱によるものであった。
 火災は潜航中に発生した。消火はされたものの、煙によって乗員のうち14人が死んだ。
 乗員用の非常用の酸素吸入器はあったが、その酸素が、『ロシャリク』が浮上する前に尽きてしまった。
 もともと『ロシャリク』には、ウクライナ製の「銀-亜鉛」電池が用いられていた。しかし2014にウクライナに軍事侵略したロシアがウクライナからは必要物資を正常に輸入できなくなったため、ロシア製のリチウム電池に転換されたのだ。
 火災を起こした『AS-12 ロシャリク』は2003就役。全長65mしかない深海スパイ工作用の原潜である。6000mまで潜って海底ケーブルに盗聴器を仕掛けたり回収したり切断したりできる。
 乗員の定員は25名。
 西側の最先端軍用機が海に墜落したときもこいつが出て行って電子部品を拾おうと試みることがある。
 『AS-12』の母港はコラ半島にある。
 7月21日、シリアのホムス県で、テロリストが貨物列車を脱線させた。貨物は、最近ロシアが営業再開させた硫黄鉱であった。肥料の原料となるものである。
 ストラテジーペイジに潜入している韓国人による工作記事。UNCLOSの建前上、誰も島とは認めることができない Liancourt Rocks に韓国の主権があることをまるで日本政府が支持しているかのように書いている。
 ※わが外務省に「戦争のセンス」がないのは昔からだが、外相に韓国問題について語らせるときのスピーチ原稿の中に「毒針」を仕込むというあたりまえの宣伝テクニックがスピーチライターのおつむりの中に無いのは、いつ見てもみじめなものだ。間接的且つ適宜な表現で韓国主導の反日ヘイト、反日レイシズム、対支・対テロ支援の真相を世界に刻印し続ける話法はいくらでもあるのに、それができない。北陸の方言でタラズ(足らず)と言うけれども、あたかも河野外相が「タラズ」に見えているはずである。列強の外交スタッフの眼には。誰もが知っている基本。韓国を敵手とする宣伝戦は、無停止連続攻撃 でなくてはならない。防御や休止は墓穴を掘るだけである。
 7月15日、ロシアは77歳のロケット技師を国家反逆容疑で逮捕した。昨年には75歳の科学者も同様に逮捕されている。彼らは外国のマスコミから、ハイパーソニックについて質問を受け、それに答えただけである。


G型グラウラーの騒音は米北西海岸ですら訴訟沙汰になっている。

 NANCY MONTGOMERY 記者による2019-8-1記事「Top Gun: Maverick  is Navy approved, down to the plot details」。
   1986年の『トップガン』1作目のオリジナル・シナリオでは、マヴェリックの相棒のグースは空中衝突事故で死ぬ設定となっていた。が、内容を事前に相談されていた海軍航空隊が、当時、墜落死亡事故が相次いでいたので、失速旋回からエジェクトしようとして事故死するという展開に変えてもらった。
 第一作ではプロデューサーは海軍に180万ドルを支払っている。F-14を撮影のために1時間飛ばしたら7600ドル払うという契約だった。それも含めて。
 ちなみに、今日のF/A-18 スーパーホーネットを1時間飛行させた場合の実費は2万4400ドルである。これはジェーンの算定。
 次。
 Shigeki Tosa and Yoshihiro Makino 記者による2019-7-31記事「Bolton suggests fivefold rise in Japan’s spending on U.S. military」。
    7-21~22に訪日したボルトンは日本の外相らに対し、思い遣り予算を5倍に増やせと要求した。
 オバマ政権時代に日本は5年間で87億ドルを米国に支払うことで合意している。その期間は2016から2020である。
 よって2021から先5年間の思い遣り予算額は交渉対象になる。
 2004年のDoD報告によれば日本は米軍駐留費の74.5%をすでに負担しており、これは欧州のどのホスト国よりも高率だ。
 2019年に韓国が米国に支払う駐留費分担額は954億円くらいである。
  ※これは THE ASAHI SHIMBUN なんだが、朝日の日本語版ネットニュースでこの話を見かけた記憶がない。どういうこと?


在韓米軍主力である「米陸軍第八軍」の肩章(Shoulder sleeve insignia)がほぼ日章旗なので笑。

  David B. Larter 記者による記事「Korean Fat Leonard? Feds probe new US Navy corruption case in Asia」。
    米司法省は、釜山を拠点に米海軍のビジネスを取るためにさまざま贈賄していた韓国人“デイヴィッド”・キムを訴追した。身柄はすでに押さえられている。
 釜山にある「DKマリン・サービス」というハズバンディング・サービス・プロバイダの経営者(韓国人)だ。これは米海軍にとっては《第二のファット・レオナルド事件》になるかもしれない。
 ハズバンディング・サービス・プロヴァイダーとは、艦船が入港したときに、諸検査、タグボート手配、水先案内、通関事務、給油、給水、糧食補給、ゴミ回収、汚水回収、入渠修理、碇泊中のケーブルTVやインターネット環境の提供、スペアパーツ調達、倉庫貸し、乗組員の世話、陸送などを請け負う民間の港湾業者である。
 DKの経営者は元、米軍の軍事海送コマンドが傭い上げて太平洋で運用していたドライ・カーゴの貨物船『チャールズ・ドゥルー』の水夫頭だった。
 この関連で先に起訴されていたジェイムズ・ドライヴァーは7月16日に有罪を認めて結審。量刑の申し渡しを待っている。※収賄側か? 何の説明も記事に無し。
 DKマリンサービスは、米軍海上輸送コマンドだけでなく、空母『レーガン』と『GW』、掃海艇『チーフ』、駆逐艦『ステレット』など多数の米海軍艦艇の仕事も釜山港に於いて受注していた。したがって贈収賄=米海軍汚職の全容は相当に大きなものになり得る。
 2013露顕のレオナルド事件では経営者は、ゴルフ接待、売春婦、ブロードウェイミュージカルのチケットなどを米海軍の司令官/艦長たちに贈賄していた。それほどに、ハズバンディング・サービスは独占利益が大きいのである。
 キムはドライヴァーに対し、協力病院に通院するための韓国高速鉄道の切符、ホテルの部屋代(同伴家族分も)などを与え、就職斡旋も約束し、見返りとして、米海軍艦艇の入港予定表(部外秘)や、ライバルプロヴァイダーの付け値などを聞き出した。ドライヴァーはその打ち合わせ通信に、個人のeメールを使っていた。
 姓名未公表のシーリフトコマンドの幹部も本件には関与している。
 艦艇は、入港の前に、LOGREQというメッセージを送る。入港したときにどんなハズバンディング・サービスが必要なのかを知らせるものだ。
 米海軍の規則では、このLOGREGはまず横須賀にある契約エージェンシー「FISK」に送られねばならない。しかしドライヴァーはその手順を変更し、直接に、釜山の姓名未公表共犯者へ送っていた。


メガドンパチ。

 Bill Gertz 記者による2019-7-30記事「China Covertly Subverting Trump Reelection」。
        在米亡命シナ富豪の郭文貴によると、中共は2020の大統領選でトランプの再選は絶対に阻む決意だという。『ワシントンフリービーコン』のインタビュー。
 そのように国家副主席の王岐山が最近、北京で話したのだという。
 反トランプ・キャンペーンは2018年の中間選挙からスタートしている。動員されているのは米国内の親支エレメンツ。
 習近平と王岐山の2人がこの作戦を仕切っている。
 ペンス副大統領は昨年10月4日に中共の選挙介入プロパガンダについて声明していた。
 郭によれば、先の中間選挙では中共は中西部の農家に狙いを定めて、反トランプを焚き付けようと工作した。
 中共からカネを貰って中共の宣伝を一緒に届けた地元新聞としては、たとえば『デモイン・レジスター』紙の付録増刊を見よ。
 4つの武器が使われるだろう。
 まず、ウォールストリートの大物たち。
 大物投資家たちは基本的に、中共の収奪政治家たちの味方をしていた方が、儲けさせてもらえるからである。
 武器の第二は、もとからアンチ・トランプのロビイストたち。中共はもう何年も前から彼らにカネを渡している。
 武器の第三は、概して反トランプのマスメディアとSNS。
 米国の新聞社社主は、中共内に利権をもっている。それを失いたくないので中共発の反トランプ・キャンペーンと対決するようなスタンスを敢えて採用することに、メリットがない。
 四番目の武器は、世界の華僑と、在米のシナ系住民。特にシナ系米国市民は、カネも、投票権も持っている。
 7月前半、NYにて、台湾総裁の訪米に合わせて台湾支持を表明していた群集が、中共系の住民によって襲撃され粉砕された。
 郭いわく。2020選挙は、共和党と民主党の戦いではない。実際には、トランプ対習近平の戦いになっているのだ。
 郭は、連邦議会が、米国内での中共の影響力工作を取り締まる機関を設置するよう、訴えている。
 中共は、たとえば「郭はじつは中共のスパイなのだ」といった信用毀損ルーモアを簡単に米国内で流布させ得ることが、最近でも、証明されている。
 中共高官の汚職ぶりを告発するようになって以来、英語SNSで郭を泥棒だとかレイピストだとか誹謗する投稿は無数に蓄積されているので郭はいまさら驚かない。
 郭は過去に何度もプロ中共団体から告訴されている。そのたびに勝訴してきた。
 これを『WSJ』はまったく報ぜずに、最近の1件だけを報じたのには驚いた。ストラテジックヴィジョン社はわれわれから100万ドルを騙り取った。同社の反訴は裁判所によって斥けられた。『WSJ』はそのことは報じない。おかしいじゃないか?
 中共は郭の身柄を中共に取り戻すために7000万ドルもの工作宣伝費を既に投入しているのだ。
 郭の兄弟2人は中共内で収獄されている。
 郭の会社の元従業員270名は中共本土で逮捕されて人質にされたままである。
 郭が中共のスパイなら、中共はなぜそんなことをする?
 10家族のトップ20人ほどが人民のすべての富を握る仕組みが今の中共だ。党もその奉仕機関にすぎない。だから9000万人いる党員も含めて、99.9%のシナ人は中共が早く消えることを望んでいます――と郭。
 次。
 Masashi Murano 記者による2019-7-30記事「Ensuring Indo-Pacific Security Post INF」。
      日本領土はアジアINF基地候補である。
 地上発射式のミサイルの配備は、SLCMやALCMより安価である。
 それが車両機動発射式であれば、中共はますますその迎撃手段やISRに投資しなければならなくなる。
 カウンター・ターゲティング〔とは何だ?〕のために、中距離ミサイルを〔日本の〕陸上に配備する必要はない。
 核報復ならSSBNや爆撃機があるし、非核ならば毀害力で見劣りしすぎるから。
 敵のTELを破壊するのに亜音速のGLCMなんぞを展開してもしょうがない。こっちから届く前に敵はミサイル発射を済ませちまうので。
 但し、敵が大量発射するつもりのときは、それも無意味じゃないけど。
 一般に弾道ミサイルは巡航ミサイルよりも高速だが、小さい標的に対する命中精度は巡航ミサイルが勝る。
 こっちが破壊しようとする標的が、固定された動かないものであるなら、こっちのミサイルは巡航ミサイルでも弾道ミサイルでもどちらでもよい。
 中共には40箇所以上の分散された滑走路のネットワークがある。これを使用不能にしてやるためには、600基以上の戦術弾道ミサイルが必要である。
 その600基のためには地下構造のシェルターも必要だろう。それは中共から見ると、大規模な攻撃によって優先的に破壊せねばならない高価値目標となる。
 航空基地破壊用の戦術弾道ミサイルを核弾頭にすれば600基も要らなくなるが、〔それを日本に配備するのには〕政治的なハードルがある。
 中共は、ロケット軍のTELを生き残らせるための広大な陸地の縦深をもっている。
 これに対して日本と米国には、西太平洋で対支戦争用に使える大きな航空基地は、5~6箇所しかない。
 米軍から見て対支ミサイル基地として最適なのは沖縄だ。しかし反対運動が起きるだろうから日本政府は国内と米国との間で政治的に板ばさみになってしまう。むろん中共はインフォメーション工作を仕掛けることによって日本の世論を分断する。
 結論。自衛隊が、米軍の非核/核戦力とシームレスに連繋した攻撃力を増強するしかない。
 日本政府は米国の2018版NPR(低出力核弾頭オプションを打ち出している)を強く支持している。
 まず日米間のEDD(拡大抑止対話)をアップグレードせよ。
 グレーゾーン事態対処から核攻撃に至るまでのエスカレーション・ラダーについて、日米間であらかじめ対支方針が確立していなければならない。
 日米合同演習には、米軍核戦略コマンドも加わるべきである。
 西太平洋で対支の緊張が高まると、まず米軍のDCA(核爆撃も通常爆撃もできる作戦機)が当地に展開される。そこから始まり、最後は、低威力の核弾頭がSLBMによって運搬されて、中共のTELを先制破壊する。
 日本政府と自衛隊がこの一連のプロセスの蚊帳の外ではいけない。
 日本はTHAADを買うべきである。
 ※記者はプロフィールによると日本政府の政策立案にもかかわっていたことがあるという。それにもかかわらず日本政府=防衛省はTHAADを拒絶しているのはご承知の通りである。英文ニュースを読めて、日本人民の生命財産を真剣に重視する軍事マニアならば、THAADがSM-3にくらべてアテにならないことは理解できているはずだ。ロックマートはまだ対日売り込みをあきらめていないのか? おそろしいもんだ。
 ブーストフェイズ迎撃(最近の言葉で「レフト・オブ・ランチ」という)を宇宙兵器によって実現することでも日米は協働すべきである。
 自衛隊が潜水艦から発射する巡航ミサイルによって、〔TELではない〕固定目標を攻撃する。かたや米軍は、〔TELや飛行場のような〕急いで破壊しなければならぬ目標を攻撃する。こういう分担になるだろう。


阿吽[あうん]産業。

 Rachel S. Cohen 記者による2019-7記事「Fast-Forward with 5G」。
      2018年にサムスンはブログに投稿して予言した。5Gは空軍のフライトライン(格納庫周辺作業)を革新する。整備員は暗号化された5G端末を全員が持つようになるだろう。部品の在庫の所在などの必要な情報は瞬時に把握可能になる。航空機の点検に要する時間が著しく短縮される。
 米空軍は本土の複数の基地でじっさいにこのシステム構成に着手しつつあり。基地同士も5G無線で結ばれる。
 米空軍が作戦する地域でもし中共製のテレコム・インフラが支配的だったらどうなるか? 作戦中に有効な妨害を受けてしまうことは確実だ。
 ※もはや米本土内からファーウェイを追い出すという話ではないのである。欧州、アフリカ……とにかく中共以外の全世界地域からファーウェイとそれにつるんだ韓国通信会社を米国は追い出さねばおさまらないわけだ。あらためて拙著『米中AI大戦』を読み直してみて欲しい。
 国務省で5G問題を担当している高官のロバート・ストライヤーは5月に議会で証言した。AT&T、スプリント、T-モバイル、ヴェリゾン。これが米国の四大モバイル・キャリアなのだが、そのいずれにも、5Gに関して中共技術は将来絶対に使わせない。これはもう固まった。で、次のハードルは、「同盟国」にも同じポリシーを採用させることである、と。
 ファーウェイは、その5G技術を採用した他国の指揮・統制通信を、根本から麻痺させることが可能である。
 次。
 Zak Doffman 記者による2019-7-29記事「Space Wars: Military Satellites Will Be Armed ‘With Lasers And Guns’ By 2030」。
           昨年の秋、仏政府はロシアのスパイ行為を非難した。ロシアの通信衛星「Luch-Olymp」が意図的に軌道を変更して、フランスの軍用通信衛星「Athena-Fidus」に異常接近して張り付いたからだ。
 仏国防相は先週、フランスの宇宙戦略について公表した。
 軍用通信衛星をレーザー砲や自動火器で武装させ、異常接近する外国衛星から「自衛」できるようにする。宇宙ではアクティヴ・ディフェンスも自衛であるとの立場をフランスは採る。
 と同時に仏国防相は、大きな1個の高性能通信衛星では脆弱なので、無数の安価で小型で低軌道の通信衛星をネットワーク運用するようにしていきたいとも語った。1個が破壊されてもすぐにその穴が埋められるようでなくてはならない。
 フランスは2025年までに、宇宙武装予算として米ドル換算で7億8000万ドルから48億ドルを投ずるつもりである。


鎧の小札を実測した結果

 さる方から「南北朝末期~室町初期」の鎧の残片小札のサンプル群だというものを3群、頂戴した。それぞれ「縅」でつながっているので、私が群と呼ぶことにした。
 返却しなくてよいという有り難い思し召しだったので、さっそくそれをバラして慎重に検分を進めている。
 いずれ写真付きでご紹介もしたいが、まずはテキストのみでご報告しておこう。
 いただいたものを、残片群A、残片群B、残片群Cと名付けた。
 いずれも、甲冑のいったいどの部分に使われていたものであるのかは、浅学ゆえ、見当もつかない。
 このうちC群は、塊りとしていちばん大面積で、絹糸らしきものの紐で「ふくりん」のようなものが装飾されている。縅糸かと思ったら、機能的にはどうもそうではない。小札の表側全体が一括式にぶあつい黒漆で塗布されてあった。つまり、小札構造のように見せているが、全体として無可動構造なのだ。裏面は漆の上に金泥塗装してあり、十円玉のように光を鈍く反射する。
 この小札を一枚剥離させようとしたら折れてしまい、偶然に、C群は鉄板ではなくてすべてが木板材であることがわかった。(ひょっとすると固く加工された革なのかもわからないが、割れるときの感触は木材だと思われた。)
 A群とB群は鉄板の小札が革紐で縅されている。革紐はすでにボロボロな状態である。
 A群の小札がより大型で、B群の小札はより小型である。
 まずA群だが、それを構成している小札の1枚の外観は、薄い、細長い長方形で、ただし、その一端は、切り出し小刀のように角度約20度で斜めに画されている。すべてのカドはじゃっかん丸めてある。
 小札には2列に13個のまんまるな穴が空けられていて、むしろ「有孔鉄板」と表現するのが適当か。
 その小札1枚の外寸を、地元のある方からお借りしたデジタルノギス(100分の1ミリまで計測可能な工場用のマイクロメーター)で測ったところ、最大長67.72ミリ×幅17.94ミリ(複数回計って平均を出してある。以下同じ)×厚さ0.95ミリであった。厚さの最小値は0.83ミリである。
 孔の径だが、これが見た目にもバラつきがある。大きいので径4.35ミリ、小さいので2.96ミリであった。
 なお、ノギスを当てて測る前には、分厚い黒漆をナイフでこそげおとし、赤錆をワイヤーブラシで擦ってある。ヤスリは使っていない。
 料理用の秤に載せたところ、A群の鉄小札1枚の重さはちょうど10グラムだった。(これは漆塗装の重量を含んでいない。)
 次にB群。驚いたのは、最上部の2枚の小札は金属板そっくりの平面寸法でこしらえられた木板であった。漆で分厚く塗装してしまえば、それは見ただけではわからない。
 以下は、3枚目より下側に縅されていた金属板についてのデータである。
 長さは54.20ミリ。ただし長辺の一端は、切り出し小刀の如く角度約40度で斜めに画されている。幅は14.89ミリ。厚さは1.43ミリであった。
 小穴は14個。大きさは不揃いで、大きなものは径3.60ミリ。小さなものは径2.63ミリであった。
 B群の鉄小札の重量は、10グラムだった。
 A群小札とB群小札の1個あたりの重量が等しく、B群小札の方が短寸で厚いということは、原材料として同じ規格の「短冊状鉄板」が最初にあり、その素材鉄板を加熱し、A群用のは長く、B群用のは短く狭く叩き延ばしたのではないだろうか。
 B群鉄小札の1枚を、ペンチとプライヤーとで枉げてみたところ、ポキリと行くようなことはなく、また元通りに戻すこともできた。
 絶妙の硬さであり柔らかさであると思った。
 以下は、暫定的な所見である。
 軍記物に表現された「揺り上げ」「鎧づき」をした状態の小札群は、最も厚いところでは鉄板2枚分(すなわち鉄板真水分だけで2.8ミリ~1.9ミリ)、プラス、その数倍の厚みの堅い漆層によって防護されたことになるが、もしも、ちょうど革紐で縅している穴の部分にたとえば径2.8ミリの「尖り矢」がまっすぐに飛び込んできた場合、1枚目と2枚目の孔は重なっているから、防護力としては革紐の抵抗しか期待ができなくなってしまう。
 ただし、ユーラシア大陸とは違って、日本にはそのような「尖り矢」の征矢はなかったと聞いている。
 100円で売られていた千枚通しの、いちばんワイドなところが径3.65ミリ(マイクロノギスによる実測)あるもので、今回の鉄板小札の、それより小さい孔をこじってみたが、力をこめても、とても貫通しそうにはなかった。しかし大きな穴にはこの千枚通しが通ったので、おそろしいと思った。
 とりあえず本日はここまで。
 ご協力くださった皆さんに、深謝もうしあげます。


次は「槍」の実験の協力者を募集します。長期的にね。

 Franz-Stefan Gady 記者による2019-7-25記事「The Significance of the First Ever China-Russia Strategic Bomber Patrol」。
        露支初の空軍機合同長距離洋上ミッション。
 飛んだのは、2機の「H-6K」と、2機の「Tu-95MS」であった。
 どちらも核兵器搭載機である。そこが今回のメッセージの本質だ。
 1ヵ月前、習近平とプーチンは共同で声明した。核兵器管理、核兵器軍縮および核兵器不拡散に関する既存の国際合意体系を壊すようないかなる試みも、受け入れることはできない、と。
 これは米国のMD配備のことを指す。
 すなわち今回のデモ飛行は、その声明を実行で裏打ちしようとしたものである。
 自国の核戦力が、露支の最大関心事だ。
 韓国内のTHAADについて中共とロシアは共に反対を表明している。それが露支の核攻撃能力を揺るがすものなので、反対だというわけだ。だから韓国近くを飛行した。共同で憤りを表したのである。
 露支は米国製のMDすべてに反対である。
 トランプが前によびかけた三国核軍縮交渉に中共はまったく応ずるつもりはない。しかしその立場と関係なく、中共がロシアと核に関して歩調を合わせていると強調しておくことは、米国に対する露や支の立場を、強化するだろう。
 露支が核問題に関して対米共闘するということは、ユーラシアの陸上に配備されている中距離の弾道弾と巡航ミサイルを削減できる見込みは当面無いことを意味する。
 軍事アナリストのドミトリー・ステファノヴィッチは警告する。露支がその長距離爆撃機に相互に「空中給油サービス」を提供するようになれば、極東の軍事バランスは一変するだろうと。
 ロシアと中共の間には「軍事協働計画2019」という秘密協定が前々から存在したらしい。これまでまったく公表されたこともないものだが、とつぜんに、露支双方の国防大臣がその存在を口にした。
 中共国防部の広報員は言った。求めているのは対露同盟ではなく、パートナーシップまでだ、と。
 たぶん19世紀欧州の「アンタンテ」のような緩い協商を目指すのだろう。
 次。
 J. Daryl Charles 記者による2019-7-25記事「US Army or Islamic War College?」。
     カンザス州フォートレヴンワースにある米陸軍のCGSC(司令官とその参謀幕僚を養成するための大学校)は、政治スタンスが保守寄りである中東史専門家のレイモンド・イブラヒム氏に講演を頼んでいた。
 ところが、全米の大学で保守系の論客を呼ぶなという運動を繰りひろげている親イスラムグループのひとつ、「アメリカン・イスラミック関係会議」が陸軍大学校に抗議書簡をよこし、それを読んだ校長が、イブラヒム氏の招請をCGSCに撤回させてしまった。
 イブラヒム氏は、2018年に『剣とシミター(三日月刀)――西欧対イスラムの千四百年戦争』という著作を公刊している。イスラム問題の専門家である。
 抗議を寄せた団体CAIRは、米司法省によれば、「まだ起訴されたことのない陰謀賛助団体」である。過去の米国内のテロ事件の資金集めに手を貸しており、UAE政府では明瞭に「テロ機関」と分類している。
 CAIRの書簡によれば、イブラヒムはアンチムスリムでありレイシストだそうだ。
 イブラヒム氏は、民族的にはエジプト人であり、ネイティヴ言語はアラビア語である。
 イブラヒム氏の信仰は、キリスト教コプト派である。
 コプト派は、過去1400年間、イスラム圏内で暴力的に弾圧を受けてきた人々である。
 コプト派のエジプト人は、イスラム教がまだどこにも存在しない昔において、エジプト内でキリスト教に入信していたのだ。
 だからアタナシウスなどのキリスト教史上の「教父」たちの多くもエジプトの出身なのだ。
 コプト派に対する宗教迫害はA.D.650年から記録されている。
 アレクサンドリアにあった世界最古最大の貴重な図書館の蔵書を燃やし尽くしたのは、エジプトに侵略してきたアラブ人たちの仕業であったことは、アラブ人も認めている。
 聞くところでは講演予定日の9日前になって中止を告げられたイブラヒム氏は陸大側に、講演がダメなら、その代わりに、CAIRの選んだ代表者と自分とが陸大学生たちの前で公開討論するというのはどうですかと逆提案した由。だが陸大校長らは、テロリズムシンパのイスラムクレーマーに降伏開城する決心を、変えなかったようだ。
 ※以下、イスラム系クレーマーの特徴叙述がしばらく続くが、あまりに韓国系クレーマーにそのままあてはまっていることが興味深い。日本は米国内のイスラム系クレーマーを例に挙げることで、簡単に、米国世論に向けて真実を宣伝することができるのである。
 記者は『戦争、平和、正義におけるプロテスタント改革』などの宗教倫理系の著作がある教授である。
 脚注でいわく。イスラムの1400年史は暴力とテロの歴史であることには証拠があるが、CAIRなどのイスラム擁護団体は、その歴史を抹殺する活動に必死である。そのような過去はなかったことにしようと本気で動いている。
 ※日本でもあるよね。イスラム絡みの事件が起きると、《コーランと暴力はもともと関係ない》などと必ず報道に付け足さないといけないと思っているかのような学者・解説者のあらずもがなの一言が。現代のイスラムテロを説明する分析を自分が持ち合わせないなら黙っていればいいものを、事実上何の関係もないコーランの一部の記述をわざわざ持ち出し、人々が現実をありのままに把握しないように無理やり誘導しようと努める。そこまで行けばもはや学者の看板とは無関係に、政治宗教運動そのものだろう。