新君主論!

 Megan Eckstein 記者による2019-4-23記事「Marines Folding F-35B into New Pacific Island-Hopping Concept」。
       沖縄の海兵隊が、F-35Bを「飛び石作戦」に組み込む訓練を先月中旬から始めた。F-35Bの着陸訓練施設のある伊江島を使って。
 伊江島での訓練シナリオ。まず先行偵察チームが空挺降下して最前線の小島に着陸スペースを確保する。ついで、弾薬や燃料容器〔記事中の海兵隊員は燃料嚢と呼んでいるが、この給油装置の外見はゴム袋のようなものではない〕を機内に複数積み込んだCH-53Eが飛来する。そこがF-35BのためのFARP=前線燃弾補給点 となる。
 ※シースタリオンの機内荷室に置いた2400ガロン・タンクから陸上にてシーコブラへ加圧給油してやる Rapid ground refueling の技法については、拙著『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』の第3章で解説しているから、参照されたい。今回海兵隊は、それをそっくりF-35Bに適用しているのである。 わが国は群島国家ゆえ、 rapid ground refueling を前提とするなら、海自の空母などは要らないことになると考えるのは合理的で、だからこそ防衛省はこの技法が昔から海兵隊にあったことを宣伝しないように気をつけていたかもしれぬ。しかし、沖縄左翼が中共の手先となって島を乗っ取った場合には、島の陸地に依拠しない主権奪回オプションも必要になるだろう。
 この着陸間給油用増加タンク装置はMV-22Bの荷室にも積載できる。しかし沖縄海兵隊では、CH-53Eに積載するのが一番良いと結論している。
 E型の次のK型(キングスタリオン)が配備されれば、もちろんその方が良くなる。
 F-35Bに給油をしている間に、兵装も取り付けてしまう。
 海兵隊が土地を借りている伊江島の西部には、強襲揚陸艦の飛行甲板に模した施設もある。シースタリオンはそこから離陸し、FARP訓練区画に着陸して、燃弾補給を演練する。すなわち、洋上から島へ、のシミュレーション。
 また、沖縄海兵隊は、加農砲搭載型のLAV(装輪戦車)複数を『LHD-1 ワスプ』の飛行甲板に繋止し、その火力によって敵と交戦するという訓練も実施した。そのさい、海軍の艦長が、海兵隊の火砲を統制的に指揮したのである。
 ※間違いなく自衛隊でも同じことをやってみるつもりだろう。『いずも』を改装するときに、昔の『赤城』のように多段デッキにして、邪魔にならぬように中層甲板から装輪戦車が射撃するようになったら、「舷側砲」の復活じゃ。
 LAVの火砲にはジャイロ・スタビライザーがついているので、艦のピッチングやローリングには関係なく、正確な射弾を標的へ送り込むことができたという。
 今年の予定だが、台風シーズン後に沖縄海兵隊の一部はテニアン島へ出張し、建設作業を支援する。
 比島で行なわれるハマンダグ演習には、米海兵隊だけでなく、日本の新設の水陸両用急速展開旅団も加わる予定。
 そのさい陸自部隊はAAV-7で上陸もする。
 防衛省は、表向き、医療チームをAAV-7で送り届ける、という公報をするはず。すなわち人道支援・災害救恤の一環である、と。
 自衛隊の課題は、陸自ユニットとそれを運ぶ海自艦隊との融合がぜんぜんできてないこと。
 ※ジョイント主義ではけっきょく縄張り争いになって何ひとつ望ましい成果が生じない。クロスドメインで行くしかないのである。陸が海空の領域に出張する。海も陸の領域へ出張する。それでいいだろう。
 『ワスプ』にはすでに自衛官が乗って、飛行甲板での作業手順を学んでいる。
 次。
 Scott Padgett 記者による記事「The Art of Digital Deception ? Getting Left of Bang on Deep Fakes」。
      スペイン語で「トロイの馬」のことを キャバロ・デ・トロヤ という。この言葉は、スペイン語圏人の耳には、とてもイメージ喚起力が強いのである。
 それをよく知っているロシア人は、サンクトペテルブルグのトロール工場、正式略称IRAをして、「アメリカからの人道支援はすべてトロイの馬だ」というディープフェイク投稿をAI技術で量産せしめ、ベネズエラ中心にSNSに大量投下させた。大成功。
 次。
 APの2019-4-24記事「Texas soldier who stole and resold shell casings to buy food truck gets prison」。
     米陸軍予備隊のバンクヘッド一等軍曹、57歳。
 こやつは2017から翌年にかけ、偽の文書を作製した上で、サンアントニオのキャンプブリスで使用済みの空薬莢を、トン単位で民間の金属回収業者へ売り払い、その代金11万8000ドルを着服。
 そのカネで、バーベキュー屋台のトラックを購入して副業に励んでいた。
 判決。懲役33ヵ月。プラス、着服金の全額返納。


灯台もとクラッシャー

 Loren Thompson 記者による2019-4-22記事「Army Secretary Reveals Hidden Defect In Modernization Plans」。
    陸軍長官のマーク・エスパーは、陸軍のチヌークのアップグレードをしないと述べた。他に予算を回さねばならぬからだという。そうなると、HMMWVの後継車である軽装甲車、JLTVをCH-47でスリング運搬する望みは当面、なくなるわけだ。
 アップグレードをすぐにしないのならば、ボーイング社のフィラデルフィア工場のチヌーク組立工2000人は解雇される。将来、アップグレードすることとなっても、すぐには組立工は揃わない。ラインを再立ち上げするコストは安くはならないだろう。
 エスパーには立派な論拠がある。JLTVは重すぎてヘリ輸送に適さない。重くなっている理由は、イラクやアフガニスタンでゲリラが多用するIEDから乗員を防護するため。だが米軍はもう中東からは足抜けする。そうなると米軍の次の脅威の性格を考える必要がある。相手は中共軍かロシア軍になるだろう。シナ軍もロシア軍もIEDを多用しないだろう。ゆえにJLTVをリフトできるヘリは、次の戦争でどうしても必要だとはいえない――となる。
 この情勢観測、マティス長官名で2018に作製された部内文書「国家防衛戦略」に色濃く投影されていた。次の相手はイスラムゲリラではなく、ロシア軍やシナ軍だと訴えていた。
 マティスは馘になったものの、当該部内指針が揺らぐことはなかった。
 チヌークの意義とは、ながらく、野砲と中型トラックを運搬できることであった。が、とつぜん、それはプライオリティではなくされてしまった。
 現状、陸軍の回転翼機は民間技術よりも遅れてしまっている。民間では普通になったフライバイワイヤが、陸軍ヘリでは未採用なのだ。基本、冷戦時代のアセットなのである。
 他方で陸軍は巨額の無駄遣いを重ねてきた。2002年、陸軍は「クルセダー」自走砲システムの開発をキャンセルした。それまでに30億ドルも投入した計画だった。
 その翌年、陸軍は、新世代の対戦車ロケット弾の開発をキャンセルした。それまでに20億ドルが使われていた。
 さらにその翌年、陸軍は新偵察ヘリ「コマンチ」の計画をキャンセルした。すでに60億ドルが投じられた後であった。
 そのかわりに優先開発することになったのは、ネットワーク化された「フューチャーコンバットシステム」なる新AFVファミリーの構想。210億ドルを突っ込んだ末、2009年にキャンセルされた。
 他にも、障礙物突破作業車グリズリー計画(3億ドル)、空中共用センサー(5億1500万ドル)、コマンチ代案の武装偵察ヘリ構想(5億7500万ドル)が、皆ドブに捨てられている。
 この既往を見れば、エスパーの将来戦に関する現今の信念も、2年後にはどうなっているかは誰にも分からないと想像されよう。たとえば、たった一度、大がかりなテロ事件でも起きれば、またぞろ陸軍は中東やアフリカの対ゲリラ戦に引き戻されるのではないか? 一夜にして。
 これに比して海兵隊の近代化のアプローチは陸軍とは違い、参考になる。彼等はあらゆる紛争を最初から想像し、そのすべてに自分たちは対処するのだと考えて、堅確に近代化計画を推進している。
 海兵隊の最新の重輸送ヘリ「キングスタリオン」は、JLTVを吊り下げて100マイル飛行することができるのだ。
 ※だったら陸軍もシコルスキー社のキングスタリオンを買えばいいじゃん――という結論にはしないのが、このローレン・トンプソン氏の大人の事情。所属するシンクタンクにはボーイング社のお金がたっぷりと振り込まれているのだ。
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 Maritime Security, News の2019-4-22記事「Russia decides to scrap its legendary nuclear-powered battlecruisers to save money」。
    イズベスチヤ紙によると、ロシア海軍のキーロフ級核動力巡洋艦『アドミラル・ウシャコフ』および『アドミラル・ラザレフ』(旧名『フルンゼ』)は2021年にスクラップ化される。
 資金が足りないため、国営ロスアトム社が、延命改修しないことに決めた。2014時点の計画では延命工事する予定だった。
 旧ソ連は米空母艦隊にキーロフ級で対抗しようとした。副次的には、北米から欧州に大兵力が海送されてくるのを途中の洋上で阻止――通商破壊作戦のようにして――させることも考えていた。
 キーロフ級3番艦の『アドミラル・ナヒモフ』と4番艦『ピョートル・ウェリキー』は2021年以降も残る。
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 Gil Barndollar and Tyler Marchetti 記者による2019-4記事「The Marine Corps Needs Warrant Officer Pilots」。
     陸軍の下士官パイロットは、二等兵~上等兵の兵隊時代を体験しているので、地上部隊の目線を持っている。これは特に偵察ヘリ「カイオワ」の操縦者と地上部隊の連携に資するところが大であった。
 下士官から航空兵への転科ができることは、陸軍で有能な下士官が長く軍隊内にとどまるひとつの誘引になっている。海兵隊にはそんな人事融通が無いので、有能な下士官がどんどん離職してしまう。
 次。
 Liu Zhen 記者による2019-4-22記事「China’s navy expands marine corps into own unit ‘to defend maritime interests’」。
     昨年、米国内シンクタンクのジェイムソン・ファウンデーションは、中共軍の海兵隊が2個旅団から8個旅団(4万人)規模へ増勢されるであろうことを推定した。
 今月の中共海軍の公式SNSによれば、同海軍では、潜水艦を筆頭の位に置き、ついで水上艦、ついで航空機、ついで海兵隊、さいごが沿岸防備部隊、としている。


子供のオペレーター、コペレーター。

 Max S. Kim 記者による2019-4-22記事「South Korea: What a nuclear waste」。
        2009に韓国Kepco社はUAE内の1箇所に原発4炉を建設する契約。186億ドル。
 「バラカ」プラントという。
 当時の韓国大統領はこの商談説得のためUAEのモハメド・ビンザイード皇太子に11時間電話をかけたという。おかげでフランスのライバル企業をしりぞけ得た。
 韓国は1970年代に原発を輸入し始めた。カナダ製、フランス製、米国製。
 1995には米国型軽水炉を自前でつくるようになった。
 現在韓国は、国土面積あたりの原発密度が、世界一高い。23基の原子炉で国内電力需要の3割近くをまかなっている。
 フクイチ災害いらい、原発商売は世界的にキツくなっている。投資対象として先が読み辛すぎる。各国政府は、石炭火力や天然ガス火力発電所の方がけっきょく安いではないかと思うようになった。
 たとえば仏国営のアレヴァ社は、フィンランド国内での原発建設を請け負ったものの、工事が何年も遅れており、数十億ドルの予算超過に直面している。
 テネシー州のワッツバー発電所の1号炉は悪名高いサンプル。3億7000万ドルで工事契約がなされたが、竣工までに23年もかかり、総工費は68億ドルになってもうた。
 バラカ原発の競争入札では、アレヴァ社の提示価格は360億ドルだった。Kepcoはほぼその半額だったという。
 Kepcoの当時の入札指揮部長によると、原発売り込みの秘訣は、同じ設計図を長年変更せずに、あたかもテンプレートのようにして売り続けることだという。外国の他のメーカーのように事業ごとに設計図をカスタムしたりしない。原発商品をテンプレ化することによって従業員は仕事に熟達し、効率が増すから、他社よりも受注価格を低く提示できるのであると。
 契約タイミングも幸運だった。フランスとカナダは原発事業の調子がよくないときだった。
 しかし2011の起工式から10年しないうちに韓国でも旧い原発アセットの整理解体が始まった。新規建設計画も×。
 韓国国内の原発は用地取得の面倒を嫌って数ヶ所箇所に集中している。※ソウルに近いのは日本海岸の蔚珍だが、ここは都市圏から離れた田舎。黄海沿岸の霊光も、やや田舎。しかし日本海岸の月城と古里は人口密集都市群に近い。特に古里原発は、蔚山その他の都市に囲繞されている。
 蔚山にはヒュンダイの自動車工場がある。市の人口は120万人。それが古里原発から20kmしか離れていない。
 フクイチの場合、事故当時、20km圏内には7万8000人が暮らしていただけなのとは、比較にならない。
 文左衛門は2012に反原発論客をエネルギー政策チームに雇い、最近ついに、原発のフェイズアウトをポリシーに掲げるに至った。
 文左衛門の選挙地盤も、原発の近くなのである。※生まれは釜山南方の巨済島。現在の自邸は蔚山南方の梁山市。
 2012選挙のとき文左衛門は脱原発を掲げたが敗れ、パク政権は逆に2035年までに韓国内の原子炉を39基に増やすと決め、みずからもチェコ共和国とサウジアラビアへ原発行商。
 やがて、前のイミョンバクが原発を売り込むときにUAEに対して為した裏約束のルーモアが漏れてきた。
 いわく。UAEが軍事紛争に巻き込まれたときは、韓国軍を派兵して助けますよ、と。イミョンバクは否認していたが、じっさいに2011年から韓国軍特殊部隊がUAE国内に展開しているのである。
 KHNP(韓国水力原子力)社は、旧・韓国電力公社の発電部門が分割民営化されたマンモス企業で、同国内の商業原発をほぼ支配する。「原発マフィア」の中核だ。
 2012-9-21に同社内部の不正が露顕。原発の部品に指定外のチープな代用製品を納入し、偽造文書によってそれらは安全だと折紙を付けていたと。
 1986のチェルノブイリ事故いらい、世界の原発メーカーは、一層高い安全基準を課されることになった。KHNPはしかし、その基準を馬鹿真面目に守れば、韓国産の新鋭原子炉である「APR1400」にはまったく対外価格競争力がなくなってしまうと理解した。
 そこで韓国人たちは、チェルノブイリ以後の安全基準は守らないことに決めたのである。自国産原発を輸出するときの価格を低く抑えて儲けるために。
 たとえば、原子炉格納容器にさらに外殻(漏洩放射能隔壁)を追加することは止めた。
 APR1400は、あちこち安全設備を省略してあるから、安く、早く、建設できるようになったのだ。テンプレとか、大嘘だった。
 Kepcoに敗れた仏アレヴァ社のCEOは、韓国炉は「エアバッグもシートベルトも無い乗用車だ」と腐した。
 UAEもこの件では怒っており、現在まだ、問題が未解決である。
 2010年に暁星重工業の原子炉部品の販売担当だった男の証言。KHNPへの納品では、二重帳簿がルーチンだった、と。
 一回事故が起きればフクシマをはるかに越える災害になりますよ。古里のプラントから30km圏内に400万人も住んでいますからね。
 入札も全部、談合だったのです。各社幹部がじゃんけんで次の応札者を決めてました。
 2014-5にこの課長は、「韓蔚」原発に11個の配電盤変圧器〔? 原文= load center transformers〕を納品した。安全基準合格証は更新されていない製品だった。しかし暁星と他の部品メーカーの間で談合は済んでおり、問題無しだった。
 個人的に知る限り、この変圧器はこれまで300件ほど火災を起こしている。不安定なのだ。
 わたしの出身地が、それを組み付けた原発の近くなので、親戚たちが心配ですよ。
 この課長は2015年に意を決して上司に訴えたところ、会社を馘になった。
 2018年、この件はメディアに取り上げられたが、小者が懲罰されただけで終わっている。
 2018年、前の国防相が、UAEへの軍事的約束は本当だったと認めた。
 KHNPの幹部は、韓国ではマグニチュード5.0の地震は起きないのだと言っていたが、2016-9にそれは起きた。5.8であった。
 韓国が地下の断層地図を作成しはじめたのが2017年である。完成するのは2041年だという。
 イミョンバクは今、刑期15年の囚人として服役中である。
 文左衛門は大統領に就任するや、既存原発の延命はせぬこと、新規原発計画は許可しないこと、リニューアブル電源を増やすことなどを政策として打ち出した。
 2023に運開する予定の建設中の原発があるが、それを入れても、60年後には韓国には原発がなくなる計算だ。
 原発輸出は禁止はしない。しかしイミョンバクが80基輸出するぞとブチあげて以降、韓国は未だ1基の原発も輸出はできていない。
 中共でもとうとう住民が原発を危険だと思うようになっている。
 唯一、ロシアだけが、国内にも新原発を建設し、国外へも盛んに輸出している。
 次。
 JENNIFER H. SVAN 記者による2019-4-22記事「Army considers better pay for aviation as pilots and crews leave at record rate」。
  育成に大金をかけたAH-64アパッチの操縦士たちがどんどん退職して民航会社へ移ってしまうので、ひきとどめるため、10%の俸給増額を、米陸軍は検討している。
 ※木更津取材で分かったように、回転翼機の操縦者は、かんたんに、固定翼機の操縦者へコンバートができる。だからわが国も、「3国同時事態」の抑止の役に立たないAHなどは早く廃止して、固定翼のライトアタックを陸自に持たせなくてはならない。詳しくは新刊『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』で確かめて欲しい。
 ロイターが1月に報じたところでは、軍用ヘリコプターのパイロットは、約90日の機種転換訓練を経れば、民航ジェット旅客機の操縦者になれるという。
 全世界で、民航機パイロットが人手不足。よって民航各社は、超厚遇にて、軍用ヘリ操縦士をヘッドハントしつつあり。
 陸軍の飛行手当ては月あたり840ドル。この金額は10年以上、増やされていない。これでは民間会社との人材綱引きに勝てない。17年以上飛んでいるベテラン下士官が、さっさと転職してしまうわけだ。
 兵隊を8年やったら下士官操縦士コースに入れてやるという改革も。従来は12年待たないと、航空兵には転科できなかった。転科後は20年は辞職できないようにする。
 次。
  JOSEPH DITZLER 記者による2019-4-21記事「From collision fatalities to natural causes, Pacific mortuary sees death on many levels」。
   ヨコタ基地内には霊安室がある。
 もともと沖縄にあったが、2014-9にヨコタに移された。
 次。
 David Axe 記者による2019-4-21記事「British Army Is Planning to Upgrade Just 148 of Its 227 Challenger 2 Tanks」。
    英軍は227両のチャレンジャーを有する。そのうち148両だけアップグレードする。
 米陸軍の場合、戦車旅団は約90両のM-1からなる。
 チャレンジャーの120ミリ砲は綫条砲だったが、これはラインメタルのスムースボアに換える。BAEはアクティヴ防禦装備をとりつける。
 79両のチャレンジャーは、部品取り用に保管される。


自爆型UAVは「空振り」後に帰巣するようなシステムとすべきではない。

 それは敵に乗じられるし、必ず事故も起きるから。
 帰巣する自軍のUAVと、敵のUAVの、判別がつかぬ。
 帰巣コマンドが、敵ハッカーによって悪用される。
 次。
 Kevin Dupzyk 記者による2019-4-16記事「A Former Green Beret Rethinks the Standard-Issue Tourniquet」。
        Jeff Kirkham は元グリーンベレー隊員。
 特殊部隊の仕事の一つに他国軍に対する訓練がある。たとえば最前線での「止血術」も含まれる。
 兵隊はまっくらやみの中で止血ができなくてはいけない。
 ゴーグル装着、且つ、手袋をしたままで。
 だが旧来の止血帯を使う方法は難しかった。アフガニスタン軍兵士と米空軍のパラレスキュー(PJ)に教えようとした経験では、誰もうまくはやれなかった。
 これは要するにユーザーの資質ではなくて商品のデザインが悪いのだろうと判断できた。
 まず、基本構造をズボンのベルトのバックルのようにしたらどうかと考えた。みんな、その操作方法には熟達しているから。夜中に起きるとき、誰でも無意識にできてるだろ?
 それを試作しているとき、テレビを見ていたら、少女がゴムで指の止血をしているシーンがあった。大ヒントだった。
 既存のほとんどの止血帯は、ゴムを使わず、ねじ巻き式に締めつける方法を採用していた。
 ゴムではない素材の帯を、まきつけたあとに結び目をつくり、その結び目に捧状の何かを刺し通して、キャプスタンのように回すことで締め付けるわけだ。
 新案はこうだ。ゴム紐の一端を輪にしておく。止血したい部位にゴム紐を一周させ、別の一端を輪の中に通してから引っ張れば、話は早いだろう。余った端末はさらに巻きつけて、最後は「索止め」パーツにて留めるようにする。
 これをFATと名付けて特許をとった。そして某メーカーに製造ライセンスを与えた。数千個が海外で売れたが、その会社は店じまいしてしまった。
 そこで自分で起業することにした。
 フェイスブック経由でインドの山奥の事業家と話がついた。
 FATには小さな金属部品が必要である。それを、彼の工場が製造してくれる。
 国際小荷物便はインドの村から北米ソルトレイクシティまで2週間で届く。便利な世の中になったもんだ。
 ※こういうミニ起業家がわんさか出てこないと、わが国に未来は無いはずなのだ。天は二物を与えるかもしれないが、三物・四物までは与えまい。商品を思いついた者と、それをビジネスに化けさせる方法を知っている者とが、ネット上で日本語で相談して連合ができないことには、経済活動が前に進まない。


サラダですだ。

 Todd South 記者による記事「All of the Marine M27 rifles are in ― if you’re not a grunt or working with them, you’re not getting one」。
      新自動歩兵銃M27が、海兵隊の徒歩戦闘員に6500梃ほど行き渡った。
 海兵隊の調達は本年度にて終わり、2021年半ばには、歩兵小隊長以下が皆これを持っているはず。総数は1万6000梃弱か。
 射距離100~150mにおける殺傷力がM4を上回る。弾倉は30発である。
 分隊狙撃手には、このM27のバージョンであるM38が支給される。
 そもそも2000年に海兵隊は、当時のM249分隊軽機(SAW)よりも軽く、正確な新自動火器を欲した。その5年後、メーカーに対する要求仕様が固まる。そして2010年、海兵隊は「ヘックラー&コッホ416」を選定。正式名として「自動歩兵銃M27」が与えられた。
 海兵隊はさっそく2011年にアフガニスタンに持ち込んだ。
 調子がよさそうだったので、ロバート・ネラー大将は、SAWだけでなくM4もM27でリプレイスしちまえ、と決めた。ライフル中隊員や、戦闘工兵に関しては。
 当初、M27はトータル6500梃の調達のはずだった。けっきょく、倍以上に増やされた。
 かたや、海兵隊の特殊部隊であるレイダーズは頑固にM4にこだわると言っている。というのは、彼等にとってライフルのバレルは短い方がよく、逆に分隊軽機はベルト給弾で撃ちまくってくれなくては困るのだ。
 ちなみにレイダーズ用のM4は、上部レシーバー、バレル、ボルトが特別あつらえ品。下部レシーバー、トリガーハウジングが通常品と同じ。
 海兵隊の小火器テストに現役時代にかかわってきた退役准尉のクリスチャン・ウェイドは、個人的にM27をテストしてみて、本体に問題はないけれども、アルミ製の弾倉はつっかかりが起きる、だとか、M855A1という強化弾薬を装填したときにも問題がある、などとウェブサイトで語った。
 それを承けて海兵隊では、ポリマー製弾倉を採用し、強化弾薬も別製品を用意し、問題を回避したそうだ。
 次。
 Oriana Pawlyk 記者による2019-4-19記事「Air Force Experimenting with Two-Piece Flight Suits for Pilots, Aircrew」。
      米空軍は従来の「ツナギ」型のフライトスーツを、2ピース型にあらためようじゃないかという実験をしている。「エアマン・エアクルー・コンバット・ユニフォーム」略してA2CUと呼ぶ。
 難燃性に関しては従来品と同等だ。
 じつは似たような2ピースはとっくに、輸送機やヘリコプターなど、エジェクション・シートと無縁の乗員たちによって着用されてきた。もともと陸軍の航空隊用だったので、生地の迷彩柄が陸軍と同じである。


オール「鋼」で弓を作ると、慣性質量が「戻り」を遅くし、初速が乗らない。

 だからもし中世以前の技術で鋼を弓に役立てるとしたら、それは中央部分の補強にでも使うほかなかった。両端は極力軽量化するためにどうしても竹木材としない限り、初速を上げる手はなかった。
 しかし、もし、鋼弓の弩に、旧石器時代のアトゥラトゥル(投げ槍加速器)の機構を組み合わせて、重量級のダーツを射出するようにしたら?
 梃子の原理を組み合わせてみることを、誰も考えなかったのだろうか?
 さらに妄想。吹き矢は空気の弾撥スピードを利用する。空気より質量の小さい竹木などはない。としたら、南洋のファイアーピストンのような頑丈なチャンバーをこしらえ、スチール弓の弾撥力によってそのシリンダー内にピストンを貫入せしめ、紡錘状のダーツを空気圧によって射出するようにしたならば、高初速が実現したのではないか?
 次。
 Caitlin Yilek 記者による2019-4-18記事「New York airline employee was Chinese agent」。
          中国国際航空(エア・チャイナ)の従業員であった支那系帰化米人(♀)が裁判で有罪を認めた。
 ニューヨークにて、中共の国連ミッションの一員に登録されている中共軍将校から、物品の違法持ち出しを命じられ、それに協力した。
 自分が乗務する便の、まったく無関係の乗客の荷物だということに偽装して、中共までその物品を持ち出そうとした。
 この密輸出犯罪の見返りとして女は、関税のかからない酒、タバコ、電機製品など数万ドル相当の買い物ができるようにしてもらっていたという。
 また、中共政府の建物でしか労働ができないはずの建設作業員たちを、タダ働きの私的労力としてクイーンズの女のマンションで使役することも、見返り報酬に含まれていた。
 量刑は最長で懲役10年になる見通し。


米軍の公募に日本の中小企業が応ずることができないのは、国のサポートが無さすぎるからだろ?

 Todd South 記者による記事「The Army wants to give soldiers new ‘suicide drones’ to take out enemy and light vehicles」。
      歩兵が肩から発射でき、15分以上、空中でロイタリングし続け、最大で20km離れた敵兵に向かって突入自爆させることのできる、ドローン兵器=LMAMS。このメーカーを、米陸軍が公募し始めた。くわしい話は米政府のウェブサイトである fbo.gov を見るとよい。
 これは使い捨て兵器にはしない。目標を発見できなかったときは回収できるようにしたい。
 海兵隊は、120ミリ重迫(わざわざ「エクスペディショナリーファイアサポートシステム」と呼んでいる。阿呆かと。)を、軽量な特攻ドローンで置き換えられないかと考えている。
 たとえば昨年に提案されている、ミストラル・ユニヴィジョン「Hero 120」という兵器システム。
 これは、地上に置いたジャヴェリンATMのランチャーとロケットモーターを使って斜め上へ打ち出してやる、滞空式誘導砲弾。弾頭もジャヴェリンの転用だが、1時間もロイタリングでき、最大射程は40kmになる。
 これも、LMAMSの有力候補だろう。
 次。
 Walter Haynes 記者による2019-4-17記事「The Hidden Costs of Strategy by Special Operations」。
      4月7日にリビアのトリポリから米軍特殊部隊が引き揚げたという報道に接して、「えっ、リビアに米軍が居ったんかい?」と思った米国人は多いはず。それほど、政府の米軍運用は世間に対して不透明になってしまっている。
 米政府関与のフットプリントを小さくしたいという欲求から、米軍の特殊部隊は増勢されてきた。2001年には3万2000人だったのに、今は7万人。これはドイツ陸軍よりも大所帯ということだ。
 SOCOMの2019予算要求額は136万ドル。ただし、米軍の海外危機出動費として別に1650億ドルが2020年度予算に組まれそうで、そのかなりの割合も特殊部隊が使う。
 特殊部隊は「戦争に勝つ」ための道具ではない。これはマーク・ミレー大将も明瞭に公言していること。特殊部隊の活動の結果、大衆にわかりやすい「戦果」が世間に現れることはないのだ。ますます、特殊部隊作戦は、世間と没交渉になる。


押入れを整理するとなつかしい古本が次々出てくるよね。

 Will Spears and Ross Hobbs 記者による2019-4-15記事「A Bomber for the Navy」。
     国防総省はB-1爆撃機の早期退役を再考し、その所属を空軍から海軍に替えるべきである。海軍はB-1を「陸攻」とし、LRASMを発射する長距離対艦攻撃機にできるからである。
 この発案は前の国防次官のロバート・ワークがCNASに招かれてパネルトークした中で飛び出した。グァム島などにB-1を海軍機として配備し、3000発のLRASMを弾薬庫に置く。さすれば、中共と開戦後、72時間にして、西太平洋のシナ艦艇は文字通り全滅するであろうと。
 第二次対戦中、米海軍は、VPB(パトロール・ボミング)飛行中隊を陸上基地に抱えていた。これを復活させればよいのだ、とワーク。
 ※海軍版のB-24が活躍したよな。
 VPBでシナ軍に対抗させるようにしたならば、シナ軍のA2ADアセットは、その標的とすべき米艦艇を西太平洋のどこにも見出すことはできなくなる。努力がすべて空振りじゃ~。や~いや~い、と。
 ワーク以外の論者としては、アナリストのロバート・ハディック。彼の著書『ファイア・オン・ザ・ウォーター』(2014)の中で数ページ、提言されている。
 大胆にもハディックは、海軍はB-21長距離爆撃機の編隊を、空軍とは別に、独自に擁するべきであり、その予算を捻出するためには、新空母もF-35Cもアーレイバーク級駆逐艦もすべて調達数を削減して然るべきである、と言う。
 そんなものはこれからのミサイル時代にはまさに時代遅れの役立たずでしかないからだ。
 ワークもハディックも、「ジョイント」主義には大反対。それらは畢竟、クロスドメインの反対の指向になってしまっているからだ。
 B-1Bは、LRASMの発射実験をとっくに済ませている。じつに、この飛行機こそが、LRASMの発射母機公認第一号
 ハディックの本は国防大学校の推奨図書になっているが、論旨が大方の注目を集めたとはいいがたい。
 B-1は、延命改修せずとも2040年代まで飛ばすことができるそうである。にもかかわらず米空軍は、次期B-21ステルス爆撃機の資金繰りのために、B-1を早期にボーンヤード送りするつもりだ。
 海軍版B-1が配備されたとしたら、その兵装は、LRASMとJASSMになるだろう。相手はロシアと中共の水上艦艇、および沿岸陸上基地(特に巡航ミサイルを発射する部隊)だ。
 兵装搭載量を比較しよう。B-1は7万5000ポンド。B-52は7万ポンド。B-2は4万ポンドである。低烈度紛争時にも、この搭載量がモノを言うはずだ。
 ハイテクセンサーであるスナイパー・ターゲティング・ポッドや、対地用SARレーダーも、B-1なら余裕で搭載可能。
 基本的にB-1は、出動するときは2機1組で飛び出す。
 ミッション別の、B-1×1機の標準的な兵装内容は以下の如し。
 洋上阻止任務。LRASM×24発。
 A2/AD圏 殴りこみ。LRASM×8発+JASSM×16発。
 戦略爆撃。JASSM×24発。
 機雷撒き。Mk-62もしくはMk-65を84個。
 高速武装艇(FAC)/高速近海武装艇(FIAC)殺し。CBU-105D/B×10発+GBU-54×6発。
 特殊部隊や海兵隊のためのCAS。GBU-31×8発、GBU-38×6発、GBU-54×6発。
 B-1は、空中給油なしで8時間以上、だいたい3500海里飛べる。
 ハワイからグァムまで、無給油で出張できるのだ。
 台湾海峡までグァムから飛んで交戦し、そのまま無給油でグァムまで戻ることもできる。
 もし空中給油をするなら、B-1は24時間までの連続ミッションができる。
 ※この記事では言及がないが、これほどまでに良い機体なのであれば、これを「半ステルス・タンカー」に改造すればいいじゃないか!
 あたらしく無人機を戦列化している時間などあるだろうか? B-1は、その時間を稼いでくれるのだ。
 B-1を1時間飛ばすためには、74「マン×アワー」の整備が必要。
 B-1を1時間飛ばすためのコストは7万ドル。これはB-52も同じ。B-2は11万ドルから15万ドル。
 とうぜん、機体が古くなるにつれ飛行1時間当たりのコストは漸増する。インフレを度外視した比較値では、1999年よりも2016年の方がB-1におけるそのコストは2.9%増し。これは議会予算局の試算。
 海軍はいまでもP-8やMQ-4Cトライトンを陸上基地から飛ばしている。
 ※クロスドメインを説得するのにこれだけのテキスト量が必要なのかと改めて感銘を受けました。古い頭の軍人たちの反発が相当にあるみたいだね。


ブラジル大使館はこの説得的な新刊を大量に買って関係方面へ宣伝用に配ったらいいでしょう!

  Todd South 記者による記事「The Hellfire missile replacement is coming soon to the pilots’ arsenal」。
       統合空対地ミサイルJAGMの生産(ロックマート社)がだんだんに本格化する。
 JAGMは、現有のヘルファイア、TOW、マヴェリックをリプレイスするもので、AH-64でも、AH-1Zでも、各種の無人機でも、それを発射できる。
 射程は長くなるので有人の母機は今よりも安全になる。
 しかし有線誘導をしないので、ロシア軍のECMで無力化されないようなECCM能力を付与できなくてはならない。
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 CAITLIN DOORNBOS 記者による2019-4-15記事「Coast Guard cutter stops in Hong Kong weeks after sailing Taiwan Strait」。
     米沿岸警備隊の巡視船『バーソルフ』は日曜日に香港に寄港した。米コーストガード船の同地訪問は、17年ぶり。
 香港は台湾海峡より335海里。
 この海峡を『バーソルフ』は、駆逐艦『カーティス・ウィルバー』とともに、3月24日から25日にかけ、通過してきた。このような通峡デモは過去半年内において五度目である。
 『バーソルフ』の指揮官はドリスコル大佐である。
 ※こんどの新刊の『日韓戦争を自衛隊はどう戦うか』は、わが海上保安庁の関係者と政策プランナーの人達にこそ是非とも読んで貰いたい。海保と陸自は航空装備において融合できるからである。
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 ストラテジーペイジの2019-4-15記事。
    イスラエルがガザ地区のフェンスで使っている非殺傷武器の詳細。
 LPG〔液化石油ガスと思うが原文には液化天然ガスとあり〕を「砲身」内で毎分60~100回、爆発させることによって、連続的なソニックブームを発生させ、暴徒を追い散らす。
 この衝撃音圧は毎秒2000mで前へ進む。音圧は300ミリセコンドの間、保たれる。
 12kgボンベ〔たぶんプロパン〕の内容ガスで、5000回のバーストを発生させることができる。
 暴徒の耳に対して顕著に効果が期待できる距離は50mまでである。
 しかしヤワな群集であれば、100m先であっても追い散らす効果がある。
 注意事項。10m以下では、この「衝撃波」は致死的たり得る。
 両手で耳を覆っても、痛めつけ効果はゼロにはならない。なので、暴徒の中の誰がいちばん戦闘的な奴か、これによって見分けがつけられる。ハンパな群集は逃げ散り、あとには、意志堅固な中核分子だけが残る。
 この装置、耕作地の「鳥追い」用のトッカンから発想された。その発達型なのである。
 車載式だが、「曲がり砲身」をとりつければ、街角の見えぬ側方に対しても、自在に音波攻撃ができる。
 ※この装置を小型化しよう。その「筒先」を小川に突っ込み、川底の魚を麻痺させて浮かび上がらせられる道具として。それがあれば、ガダルカナル島のようなジャングルの中でも部隊がサバイバルできるはず。ガス爆発利用がよくなければ、圧搾空気とメカニカル機構だけで、対魚類用の音圧を発生させられるのではないか。それが完成すれば、次は、サメ避けの携帯デバイスになる。海に堕ちたパイロットの命を救えるかもしれない。それが完成すれば、次は、漁師が釣り上げたマグロ/カジキにギャフを刺さずとも音圧だけで気絶させられるようにもなるだろう。商品価値が上がるではないか。
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 「arXiv」の2019-4-12記事「A new kind of metasurface uses the sun to clear foggy screens」。
  ナノ構造ながらも頑丈な「塗膜」によって、自動車のフロントガラスに「メタ・サーフィス」をつくると、それが日光を吸収して表面温度を10度も高めるので、結露しにくくなり、且つ、表面からの水の蒸発率は向上し、ガラスが曇らない――という発明。
 ただし熱源として太陽光線が必要なので、夜は使えず、トンネル内でも役立たず、屋内の風呂場の眼鏡の曇り止めにも、いまのところは使えない。
 だが、ここからいろいろな工夫ができるであろう。
 ※曇り取りならば窓を開ければいいだけの話だ。どうにもならんのが、寒冷地の早朝の霜。全先進国軍隊が待っている発明は、霜をなんとかする算段だよ。ちなみにわたしは昨シーズンひとつの発見をした。「冬用ワイパー」なんて、買う必要はなかったのだ。夏用だけで、問題なく乗り切れた。
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 Connie Lee 記者による2019-4-12記事「Army Looks to Replace RQ-7 Shadow」。
     米陸軍は、「RQ-7シャドウ」の後継機を模索している。
 シャドウのメーカーは、テクストロン・システムズ。
 後継機に求められている条件は、音がシャドウよりも静かであること、滑走路に依存せずに運用し得ること(RQ-7は空気カタパルト発進)、CH-47チヌークで運搬ができること。
 後継の候補は2つに絞られている。マーティンUAV社(テキサス州)と、テクストロンAAI社(メリーランド州)。
 後継機種は2022年春までは決まらないし、開発も2023までかかる。したがって陸軍はシャドウを2030年代前半まで使い続けるだろう。


ALIS回線を悪用した某北方隣国のハッキングが成功したのだとしたら?

 ストラテジーペイジの2019-4-14記事。
    3-27のインドのASATデモは、重さ19トンの三段ミサイルによって、高度280kmの標的衛星にヘッドオンで衝突させた。
 生じた破片は、爾後、数ヶ月をかけて逐次に大気圏内に落下して燃え尽きる。
 ※このデブリの燃え残りがF-35に命中する確率は、ロシアによるハッキングの確率よりは小さいだろうと思われる。
 次。
 Mate Petrany 記者による2019-4-8記事「This Cute Van Is Dead After 35 Years In Production」。
    インドのマルティ・スズキ社製の「オムニ」がついに生産を打ち切る。1979登場のスズキの「キャリー」を1984に国産化した超ロングセラーだったが、いくつかの新規制に適合しないので。
 エンジンは800cc.である。
 4月1日から、インドで売られる新車にはABSが必須になった。
 7月からは、ドライバー席のエアバッグも「必装」となる。
 さらに10月からは、衝突安全基準が厳しくなる予定。
 「オムニ」は、インドとパキスタンでは、救急車や8人乗りタクシーとして市場を席捲してきた。およそ1600万台も売れたのだ。
 マルティ・スズキは、1999年型キャリーをベースにしたワンボックスの「Eeco」を後釜に据えて行く。
 ※スズキはインドでもっといろいろな実験ができたはずなのにチャンスを無駄にしたと思う。その実験とは、老人用の「小特」(小型特殊自動車)だ。時速15kmしか出せないマイクロ・ヴィークルで、どれくらいのことができるのか? 低速専用の電動バイクで大きな荷車を牽引したら、どのくらいのことが可能なのか? 無規制市場のインドで得られたデータをまず日本市場に、ついで中共市場に、応用できたかもしれなかった。惜しい惜しい。
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 Daisy Hernandez 記者による2019-4-14記事「This Is Why You Should Always Pack a LifeStraw」。
    通販で20ドルで売られている商品「ライフストロー」が、二人組のハイカーを加州サンベルナルディノ郡の山の中で5日間健康に生存させたという。
 この濾過装置は水筒よりも小さい。フィルターは、最初の交換までに、総計1000ガロンの水を濾過できる。
 濾過はドリップ式ではなく、吸い上げ式。地面の溜まり水を口で吸い上げればいい。
 ※この記事を読んで誰もが変だと感ずるであろうこと。5日目の夜に二つの滝の間の谷間で焚き火をしているのが有人飛行機から発見されたという話なのだが、だったら川水をいくらでも得られたはず。滞留水しかなかったとしても、まずそれを煮沸すれば雑菌も死ぬので、濾過器具よりも安全じゃないのかと。どうもステマが疑われる。しかしこういう商品もあるのだという知識は陸自にとって有益だろう。