彼らは年末年始にかけてもう一回挑発してくる。

 もちろんそれはホンの手始めにすぎない。即位礼や五輪を控える日本政府がどの外国に対しても反撃には出たがらないというツボに乗じることができるのだから、彼らは来年はもう戦争一歩手前までエスカレートさせてくるであろう。
 陸自は、本土基地を離陸して竹島までカバーできる「対地直協機」を1年以内のスピード感で持たねばならない。それが可能になるのは、ブラジルのエンブレル社からEMB-314を直輸入すること。それ以外には無い。予算捻出のため、ただちにAHは捨てること。
 従来、外務省や議員がいくら馬鹿でも売国でも、こっそりと省部のエリート幕僚だけは、対南鮮究極事態への究極の回答を考えていて、一夜にしてその計画は横滑り的に具現化できる準備があるのだと期待を寄せていた。が、新大綱をみるかぎり、どうやら、そんな人材は省部には居ない。首相以下、どいつもこいつも頭おかしいんじゃないの? ひきつづき、こうして外野からおせっかいを焼くほかはない。
 次。
 Justin Rohrlich 記者による2018-12-27記事「No more bread-and-water punishment for US Navy sailors」。
    2015年のこと、米艦の新任艦長が、ひとりの水兵が門限に間に合わなかったというので、3日間の艦内営倉入りを命じた。営倉では、「パンと水」以外は、供給されない。
 この艦長はよくこの罰を命ずるので有名なやつだった。
 水兵たちはこの罰のことを「ケーキとワイン」と茶化していた。
 米軍刑法が変わり、2019-1-1からはこの罰は廃止される。
 英海軍は「パンと水」刑を1891年に廃止していた。
 ちなみに米海軍規則によれば、「パンと水」は1日に三回与えられ、その一回の量には制限がない。本人が望むだけ、与えられる。
 そして、この刑罰を受けている水兵を重労働に従事せしめてはならない。しかし営倉内で1時間に限って、最低限の体操をすることはゆるされる。
 宗教の祈り、および読書は、時間を限って許される。
 過去の米海軍長官は二回、この制度を廃止させようとした。1882年と1921年である。しかし艦内規律維持には不可欠だとされ、今日まで残った。
 米連邦議会は1862年に、水兵への身体刑を禁じている。すなわち、蹴ることや、鞭打ち。
 次。
 記事「German army ‘could recruit EU citizens’」。
   徴兵制を廃止して7年過ぎたドイツ軍は、人手不足を感ずる医官やIT特技者等については、ドイツ国籍をもたぬEU市民でもよいから採用したいと考えている。
 ドイツはGDPの1.2%を国防に支出しているが、2024年までにこれを1.5%にする
 現時点でのドイツ陸軍は18万2000人。過去2年で、6500人増やした。最終的に20万3000人まで増強するつもり也。
 必然的に女性率は増えた。現在12%で、将校に関しては新任の三名に一名は女子也。(将校ポストは2万1000もの空席があるという。)
 すでに国外からの専門職募集の内々の打診を各国にしている。旧東欧圏ではこの試みについて警戒的だという。
 法改正も必要だ。戦後できた法律で、ドイツ軍人はドイツ人でなくてはならぬとされているからだ。
 しかし実態としては、ドイツ軍人の中には、移民の子や二重国籍者が混じっている。
 かつまた、ドイツ国防省は900人の外国国籍人を、民政業務のために雇用しているのだ。
 先月英国政府は、8200人の兵隊と水兵の不足を補うため、もはや英国内に居住しているかどうかも問わないと言い始めた。
 このまえのG20にメルケル首相はルフトハンザの民航機で移動した。軍が管理する長距離VIP輸送機×2機のうち1機が故障したため。(ところがそのA340も無線機が不調で、空中リブートにも失敗、ケルンに緊急着陸。)
 独国防相いわく、長距離VIP輸送機の新品をあと2機、調達するつもりだと。
 次。
 Anna Ahronheim 記者による2018-12-27記事「Israeli-built wings for new F-35 will make jets invisible to radar」。
    IAI社が、F-35Aの外翼の生産を開始した。炭素繊維コンポジット焼成。
 この製造ラインはこんご20年間、稼動し続ける。そしてイスラエルに10年間で25億ドル以上をもたらすはず。
 もっかの注文残は700キット。納品開始は2019年だ。
 予定では811(両翼なのでその2倍)セットを造る。
 エルビット・システム・サイクロンは、F-35の胴体のコンポジット部品を製造する。またエルビット・システムズは、パイロット用ヘルメットを作る。
 イスラエル空軍のF-35はいま、14機ある。2024年までには50機になり、2個スコードロンを編成する。第3スコードロンをF-35にするかF-15Iにするかは、これから決める。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-27記事。
   2年前に「翼竜2」としてデビューした武装UAVが「公鶏2」(Gongji=意味は、おんどり)と名を変えて、輸出を目指す。
 公鶏2(GJ-2)は2017-2に初飛行した。
 高地で使えることをデモンストレーションするため、2017にエベレストの上を跳び越してみせた。そのさい8848mの高度記録を残した。
 GJ-2は最高速力370km/hでペイロードは400kgである。
 滞空は20時間まで。
 ターボプロップエンジンを搭載しているというがその型式は秘密である。
 ※ネットで調べると中共産のターボプロップエンジンは2つしかなく、いずれも輸送機用である。ひとつはWJ-5(2899軸馬力)。もうひとつはWJ-6(4250軸馬力)。どちらも中型UAVとして、ありえない。なぜAVIC社はエンジンの型式を公表できないのか?
 自重は2トン以上だろう。
 自重4.7トンの「MQ-9 リーパー」とは比べられない。
 AVIC社は2005から「MQ-1 プレデター」(自重1.2トン)の模倣を開始し、2007初飛行。2008には中共軍に試供され、2012には「翼竜1」としてウズベキスタンに売り込まれた。
 次。
 Kunal Singh 記者による2018-12-27記事「Reading the signals: India has a new military strategy against China」。
      インド軍の新防衛ドクトリン。中共軍は無準備で侵略を発動できるまでになったので、インド側は、C-17×8機、イリューシン76×4機を使い、国境線へいつでも急速に反撃部隊を送り込めるように準備しておく。
 インドはこれまでの「阻止」戦略から「膺懲による抑止」戦略に切り替えるという。
 具体的には、国境の某地点を中共軍に侵略されたら、その場で反撃するだけでなく、ただちに国境の別地点で攻勢に出る。
 この戦略を採らない限り、奇襲成功確信の敷居が一方的に中共側において低くなる一方なので、インド国境の防禦は早晩、不可能になると見積もられた。
 ミグ21は脚が短かったが、スホイ30MKIは国境の向こうまで深追いができる。
 兵員輸送用にはC-130Jとチヌークもある。中共軍はこの空輸力には対抗不能である。極端な高地なので。
 アグニ・ミサイルの射程は6000kmまで延ばす。
 しかしSLBMは射程3000kmまでしか目途が立っていない。


亜音速以下で長時間飛翔できる、最大反射率&最軽量の囮無人機を開発するべきだろう。民間企業が。

 これは、味方の空中給油機の盾となり、かつ、敵のS-400や長射程AAMを無駄に射耗させてしまう役に立つ。
 長大SAMであるS-400の無駄射ちは、貧乏露軍にも金満シナ軍にもコタえるはずだ。
 敵の「S-400」の1発よりも囮機が安く量産できるならば、どちらに歩があるのかは自明だ。
 この囮機は、堂々と対米輸出ができるだろう。コスパがよければ、日本企業がペンタゴンから表彰される。
 ただし、あらかじめ敵に知られている囮は、ライブラリ化されて、AIで弾かれてしまう。だから、囮は、実戦のときまで、近場の演習で飛ばしてはならない。
 次。
 Anthony Patrick 記者による2018-12-26記事「Options for Countering the Rise of Chinese Private Military Contractors」。
     ※記者は現役海兵隊将校。
   中共版のPMCの著しい特徴は、ほぼ全員が、元軍人か武警だということ。
 中共がそのPMCをどう用いるつもりなのかは不明なれど、おそらくシリアでロシアがしている流儀をモデルとするであろう。
 ※人民解放軍の退職者の間で、年金の不満がこれから強くなるはず。習近平はそれを宥めねばならない。そのためにPMCが受け皿として利用されるだろうと思う。軍に対しては腐敗の温床たる副業を厳禁する一方で、PMCには副業を公認してやれば、国家予算はかからない。ただし、長期的、結果的に、中共圏内には「軍閥」が用意されるだろう。
 次。
 VLADIMIR ISACHENKOV 記者による2018-12-26記事「Putin crows as he oversees Russian hypersonic weapons test」。
   26日にウラル山地南部に位置するドムバロフスキィ・ミサイル基地。そこからアヴァンガルドという車両システムから新型ミサイルが発射されて、カムチャツカのクラ射爆場に着弾した。飛距離は6000km。
 プーチンは現場に臨場せずモスクワの国防省内でモニターしたのみ。
 プーチンの声明。誰にも迎撃できないこの核兵器を来年、戦略ミサイル軍に実戦配備する、と。
 ことし3月の説明では、このミサイルの飛距離は大陸間規格に相当すると。
 ※すなわち5500km以上あればINF条約とは関係がなくなる。それをこのたび、証明せしめた。
 またプーチンによる説明。アヴァンガルド・ミサイルは、大気圏内を〔マッハ20で〕飛行中、摂氏2000度に耐える、と。
 次。
 2018-12-24記事「Satellite images reveal Beijing’s new weapon installed in South China Sea」。
    民間衛星写真で判明。パラセル諸島上に中共軍が新型センサーを設備した。
 「ボムベイ・リーフ」北岸に、レドームとソーラーパネルが確認できる。
 監視団体によるとレドームは「オーシャン Eステーション」と呼ばれるものらしく、これらは中共が南シナ海全域を網羅させるつもりの「ブルー・オーシャン・情報ネットワーク」のパーツである。
 建設は4月から6月の間になされたと推定できる。
 このレーダーのメーカーは中共国営のCETC社である。すでに他に2箇所、建設済み。
 ボムベイ・リーフは、スプラトリーとパラセルの間の航路帯を見張るのに屈強のロケーションにある。レドーム内にはシギントとエリントのパッシヴ機材がある筈。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-26記事。
    ことし発表された中共メーカーの「QN-506/ZPT99」火力支援車。
 T-59戦車のシャシを利用し、無人砲塔を搭載。
 乗員は3名に削減。ドライバー、車長、センサー操作員。
 武装は30ミリ機関砲以下、いろいろ選べる。
 「S570」という、プロペラ駆動の小型無人ミサイルは、4連装で、垂直に放出され、10km先まで飛翔しつつ10分間滞空でき、偵察情報を電送し、最後に目標に突入する。
 ZPT99の総重量は30トンに抑制されている。
 市街地での対ゲリラ戦に使うことを想定している。
 ZPT99は、ロシアの「BMPT 72」にインスパイアされたものだ。ただしこちらはT-72戦車のシャシを使い、乗員は5名。総重量48トンもある。本格的な重対戦車ミサイルのプラットフォームなので、専用誘導員が必要で、しかも同時に機関砲やMGや自衛用30ミリ自動擲弾発射機等にも人を張り付けて常に全周を警戒させておく必要があるためだ。
 「BMPT 72」は2016年にシリアへ送られている。2010年から輸出されており、カザフスタンやアルジェリアが買っている。
 もともとロシアはこの車両を戦車部隊の護衛用だと位置づけていた。
 かたや中共は、単独で市街地暴動鎮圧に使えると考えたわけ。
 ※アルマタの発想は「BMPT」から派生したのか。


海上保安庁も《武装型スーパーツカノ》の導入を検討すべきである。

 われわれ人間は、時間とともに目が疲れてくるため、延々といつまでも読書やデスクワークをしていられない。
 しかし、もし、目をつぶっていても映像が脳に入ってくるようになったら?
 われわれは寝ながらにして仕事や勉強ができることになる!
 その頃には、口を開かなくとも発話が伝送されるようになり、指を動かさなくともタイプできるようになっているはずだ。つまり在宅勤務どころか、在寝台中で出勤ができる。さすれば引き籠りすら即戦力となるわけなり。
 次。
 Andrew Tunnicliffe 記者による記事「Robotic warfare: training exercise breaches the future of conflict」。
    最近の米英の陸軍合同演習で、無線操縦工兵車(テリアー改造)が試用され、リモコンで地雷原を啓開し、戦車壕を埋めて歩兵を通過させた。
 ※写真を見る限りでは、HMMWV改造の無人自走迫撃砲も登場した模様。細いジャッキ支柱×2を接地させただけでリコイルを処理できているらしいが、その分、駐退復座機が巨大に見える。
 ピーター・シンガーいわく。今わたしたちが電気を見ているように、将来わたしたちはAIの遍在をあたりまえだとみなすようになっているはず。
  ※NHKのAI番組で「遍在」と「偏在」を間違えてたぞ。チェッカーにAIを導入すれば?
 次。
 『朝雲』#3336号の記事「『高速滑空弾』2段階で開発」。
 ※付図をみると、ブロック1(早期装備型)は弾頭部分に空力フィンが4翅つく。これは《パーシング2もどき》もしくは《真正対艦弾道弾》だろう。レンジについての記載は無いが、わざわざ尖閣諸島までの距離として「石垣島から約170キロ、沖縄本島から約140キロ」という解説文があることからして、ブロック1は最低170km、ブロック2(超音速滑空タイプ)で410kmを狙うのかと想像できる。ただ、魚釣島~下地島だと190kmあるし、宮古島からだともう少し増えるので、ブロック1に200km前後の射程を持たせることは運用上自然であろう。そして200kmでは既存の国産対艦巡航ミサイルのレンジ(真の数値は隠されている)とあまり違わないので意味がないように見えるから、いきなり300km前後は狙うのではないかと想像する。


GBI用レーダー(極東版BMEWS)の適地は 狩場山。

 Tara Copp 記者による記事「Mattis is out, and Blackwater is back: ‘We are coming’」。
     マティスの辞任第一報はWSJが抜いた。
 トランプは、イラクから2000人、アフガンから7000人の米兵を撤収させる。
 このタイミングで、銃猟雑誌である『リコイル』誌の1&2月号に、元ブラックウォーター系PMCの1ページ広告が掲載された。
 イラクやアフガンにまたPMCが出張るのかと思わせる。
 ちなみにイラクではPMCは表向き、禁止されている。
 ブラックウォーターは2016から数度、社名と組織が変わった。今はアポロホールディングスに買収され、「コンステリス・グループ」と称している。
 アポロはコンステリスを今年前半、売却しようとしていたのに、6月に思い止まっている。
 コンステリスは2016に旧ブラックウォーター訓練場を買い取っている。
 大幅増勢を予期しているのではないか。
 旧ブラックウォーター創設者のエリック・プリンスは、トランプ政権のスタート時から《米国はアフガンに1兆ドルもこれまでつぎ込んできたが、PMCなら50億ドルぽっきりで平定できる》と、トランプを説得している。プリンスは公式には現コンステリスとは何の関係もない私人であるけれども。
 ブラックウォーター(=コンステリス)のアフガニスタン拠点はカブール空港隣接のキャンプ・インテグリティ内に維持されている。しばらく前は「アカデミ」という社名であったが。
 アフガンの米軍とNATO軍を今指揮しているのはスコット・ミラー中将。ミラーはその前には統合特殊作戦コマンドの司令官であったからPMC〔主軸は元ネービーシールズ〕とは近親である。ミラーは9月に着任した。
 以前に『ミリタリー・タイムズ』にプリンスが語ったところによれば、6000人のPMCと2000人の現役特殊部隊だけでアフガニスタンは平定できるのであり、現状の2万3000人は不要であると。
 馘になったマティス氏はこの企画には反対だった。
 ドラスティックな変化が、これから起きる。
 ※じつは米国内で最初にエンブレル社のEMB-314スーパーツカノに着目し、機銃抜きのサンプル機を輸入して評価試験を実施したのは、ブラックウォーター社(の子会社でCAS等担当の私設航空サービス部門)であった。理由は、PMCはネイヴィシールズ出身者が仕切っている。彼らは2001のアフガン作戦いらい、空軍のA-10にCASを頼むことの面倒臭さを痛感していた。どうしてもシールズ専用のCAS機を持ちたい。それで、スーパーツカノを選んだのだ。この機体には、暗号化された通信装置やリンク16が組み込まれた。さらに3機を追加購入(リース契約)する計画であったが、それはオバマ政権が阻止したという。2017-5以降、機体はシエラネバダ社が引き取っている。PMCがアフガンを肩代わりするのなら、ますますシエラネバダ社の製造ペースは上がるはずだ。「PMC空軍」もできる可能性がある。
 次。
  Clayton Dalton 記者による2018-12-20記事「Iron Is the New Cholesterol」。
   警告。血中の鉄過剰は万病のもとである。
 「チェリオス」は、米国でいちばん売れている朝の全粒シリアルだ。
 ラベル表記によれば、その1杯分には、18ミリグラムの鉄が含まれている。
 ところがシリアル29種について実際に測ってみたら、そのうち21商品には、表記の120%から200%もの鉄分が余計に入っていることがわかった。
 鉄分の1日当たりの推奨摂取量は、男性で8ミリグラム、閉経前の女性は18ミリグラムである。しかるに表記よりも20%増しの鉄が含まれたシリアルを2杯喫食したら、それだけで44ミリグラムだ。
 成人が1日に摂取しても安全と考えられる鉄の量を、国家保健局NIHは、45ミリグラムだとしている。
 蛸は銅を酸素の運び手にしているので血が青緑色だが、他のたいがいの動物は、鉄を酸素の運び手としていて、血が赤い。
 細胞内がエネルギー・メタボ状態であると、副生物として有害な過酸化物ができる。それは細胞内の酵素によって過酸化水素に変えられ、過酸化水素は水と酸素に分解されて無毒化される。
 しかし過酸化水素が鉄と結びついてしまったら、どうなるか。
 ヒドロキシル基、別名フリーラディカルができてしまうのだ。こいつが細胞内で手当たり次第に悪さを働く惧れがあるのだ。
 次。
 Erin Winick 記者による2018-12-24記事「6 of the most amazing things that were 3D-printed in 2018」。
     今年、鋼鉄製の人道橋が、ロボットアーム+3Dプリンターで現場で施工されている。場所はアムステルダム。長さ12mだが工期は半年かかった。
 ベンチャーの「アイコン」社は、今年3月、60平米の平屋を24時間以内で3Dプリンターにより建設した。
 3Dプリンターで家を作る努力を人々は2012から続けている。しかし、壁を乾かすのに必要な時間はいかほどか、などの経験が蓄積される必要がまだあり、今日でも尚、成熟した工法になっていない。
 次。
 Caleb Henry 記者による2018-12-23記事「SpaceX launches first GPS 3 satellite」。
       スペースX社が今年最後の打ち上げを成功させた。ファルコン9にて、米空軍から受託した新GPS衛星(第三世代。ロックマート製)を軌道投入。12-23に。
 衛星は、打ち上げから1時間59分後に、ロケットから放出された。
 スペースX社はすでに、国家偵察局から秘密衛星「NROL-76」の打ち上げも受託し、成功させている。
 こんかい、ファルコン9のブースターは、回収されなかった。というのは4.4トンの衛星を長楕円軌道に乗せるには、ブースターのエネルギー全部が必要だから。燃料を残す余裕なし。
 「GPS 3」は最終的には、中高度の円軌道に入る。そして、今周回している31機のGPS衛星群に加わる。
 これによって更新される1機は、1997に打ち上げられた「GPS 2R」である。
 新型機の第一号なので、軌道上でのチェックには9ヶ月ほどもかかるだろう。
 単価は5億2900万ドル。
 ※「巨浪3」は1万1000km以上飛んでくれないと米東部大都市には届かない。おそらく南シナ海から発射しては遠すぎる。渤海湾から射つしかないだろう。それを見張るには南鮮にレーダーを置くのが最適なのだが、南鮮はもうじき敵の陣営へ入る。米国としては九州から北海道まで日本海岸もしくは離島に複数の追尾レーダーを置きたいはずだ。しかし適地はそう簡単には見つからない。漁村が存在してはダメなのだ。松前大島と松前小島は、再び注目されるかもしれない。そこには漁村は存在しない。


声涙ともに下る。

 ストラテジーペイジの2018-12-23記事。
      ことしは3機のF-22が着陸時に事故を起こした。うち2件は滑走路に機体を擦った。
 2012年に1機が擦り事故を起こしたときは、その修理に6年、費用は3500万ドルかかった。
 2018-4の離陸失敗は次の如し。未熟なパイロットが、飛行場が高地にあることを忘れていた。パイロットは離陸時に低地のつもりで脚をすぐ引っ込めた。然るに高地だから空気が薄く、上昇ペースは悪い。それで尻を擦ってしまった。パイロットは離陸中止を決心し、延々と滑走路を胴体で滑ってしまった。
 10月のハリケーン襲来ではフロリダのティンダル空軍基地が焦った。55機のF-22のうち、17機は疎開のための離陸ができず、格納庫内に入れておくしかなかった。ハリケーンはその格納庫にかなりのダメージを与えた。さいわい、17機の傷はわずかで、数週間後には全機、飛べるようになった。
 F-22は増槽を吊るした状態で3000kmレンジあり。
 コンバット・ラディアスは760kmである。
 1時間飛ばすのに必要なメンテナンス費用は、7万ドルである。
 ちなみにF-16ならその三分の一のメンテナンス費用しかかからない。
 空軍は戦闘機の即応稼働率目標を最低でも70%と示達しているが、F-22は60%だ。
 F-22は、2017には一時、稼働率49%にまで低下したが、2018前半に、60%まで戻した。
 もし60%を維持し続けたとしても、F-22パイロットの全員が必要な訓練飛行時間は捻出ができない計算なので、これは危機的である。
 F-22の1個スコードロンは21機からなる。そこから数機を海外派遣するのだが、必要になる随伴整備員は、1個スコードロンが抱えている全力の半数にも及ぶ。これもイタい。
 派遣機が原隊基地に戻ってきてくれぬうちは、残留スコードロンの整備力が著しく減少したままなのだ。
 米空軍は納税者と下院の批判をかわすためにF-22が露軍機のインターセプトに出動する姿を示さねばならない。このためアラスカ基地に数機が分遣されるのだが、アラスカ基地には完全空調のハンガーがない。
 それは何を意味するかというと、F-15/16用ハンガーの中に置かれているだけで、F-22のレーダー波吸収塗料がどんどん劣化するのだ。
 F-22は、専用の空調ハンガーの中でないと、そのコーティングを10年もたせることができないのだ。
 そして、このコーティングの塗りなおし作業は、1機につき、1ヵ年を必要とする。
 米空軍は162機のF-22について10824個のアップグレードキットを2020年代前半まてにとりつける計画(RAMMP)。この総費用は20億ドルに近い。
 F-22の胴体を強化しようというアップグレードも計画されている。これは別に3億ドルがかかる。
 1機のF-16を1時間飛行させるための整備に必要なマン・アワーは、19である。それに対してF-22は、34マン・アワーが必要。
 ロックマートは、F-22を開発するときに、1時間飛行あたりの整備マンアワーを10未満にできるとうそぶいていたが、現実はこのとおりだ。
 B-2のオペレーティングコストがB-52の倍以上であるのも、電波吸収材コーティングが主因である。
 B-2のコーティング剤は、F-22のコーティング剤とは種類が違う。だが、F-35とは類似する。
 次。
 Sam Blum 記者による2018-12-22記事「We Still Have No Idea How to Deal With Drones」。
      ガトウィック空港は36時間弱、運用できなくされた。
 ※一回だれかが、タキシング中の民航ジェットのエンジンに対するドローン+FAEテロを実行してしまえば、その日より以降、「ドローン目撃さる」の一報だけで、すべての在地上ジェット機は、エンジンを止めるほかなくなる。もちろん着陸機は他の飛行場へ回るしかない。これぞ真の経済テロだ。MANPADSなど、要らないのだ。
 次。
 Sam Blum 記者による2018-12-14記事「Amazon Continues to Patent Facial Recognition Technologies?And Is Facing Pressure From All Sides」。
       ことしアマゾンが買収したリングという会社は、通行人の眼球を遠隔スキャンしてしまう技術を有している。
 すでにアマゾンが特許を取っている顔認識技術がAIドアベル(カメラ付きドアホン)に適用されるとどうなるか。
 家の前を通り過ぎた通行人の顔面をすべて識別し、もし犯罪容疑者の人別帳に一致するとAIが判断した場合は、自動的に警察に通報する。
 次。
  Kyle Mizokami 記者による2018-12-20記事「Vietnamese Fisherman Drags a Chinese Torpedo Back to Shore」。
      ベトナムの漁民が、本土沖合い4マイルで、浮流していたシナ海軍の長魚雷を発見して、小島まで曳航してきた。オレンジ帯塗装からして、訓練用の魚雷だ。
 潜水艦から発射する、長さ22フィートもあるもの。
 2017年にはロシアの魚雷がリトアニアの寂しい海岸に打ち上げられたことがある。
 ベトナム漁民が拾った魚雷は、径54センチ。誘導ワイヤの繰り出し孔があり、漢字表記もある。
 ちなみに、対潜魚雷なら径は32センチである。そちらはいわゆる短魚雷。
 フジツボなどが付着していないので、最近発射されたものだろう。
 米軍のマーク48をロシアが模倣したものをさらに中共が2005に模倣した「YU-6」であろう。


サウジが支配する中東よりもトルコが支配する中東の方が千倍マシに決まっているだろうが。

 アラブ人は「帝国」を建設したことがない。トルコ人とペルシャ人だけが、幾度も中東に「帝国」を建設し、数百年も運営してきた。多彩なバックグラウンドの多様な人民をマネージする能力において番付の最下位に位置する、無教養な沙漠の乞食風情が、英国から埋蔵石油を与えられたおかげで、金満国家となり、メッカの主人を気取り、調子に乗っているのを見る都度、現代トルコ人は憤懣やる方なかった。その隠忍自重が漸く報われるときがきた。
 世界人口に占めるイスラム教徒の比率は長期的にこれからどんどん増える。日本の中にもどんどん増える(移民とともに)。そのイスラム教徒の精神的なリーダー役をサウジ系にさせておいたら、世界も日本もテロだらけになってしまう。トルコだけがこの流れを止められる。大局的に正当化できるじゃないか。米国の決断は。
 これに賛成できなかったというマティス氏は所詮「海兵隊大将」レベルの器でござる。
 次。
 JIJI の2018-12-20記事「Japan plans to install radar system in Yamaguchi Prefecture to monitor foreign ‘killer’ satellites」。
      山口県の山陽小野田市にある、海自の山陽受信所跡地(埴生IC南側)に、JAXAと空自合同の宇宙監視レーダーが建設される。
 FY2022に竣工させ、2023年度から運開予定。
 ※この受信所はP-3Cが集めたデータを首都圏のセンターへ中継する基地だったが、近年、衛星通信経由にその伝送経路が変わったので遊休化していたという。建設されるのは複数のパラボラアンテナ群だという。
 主に静止軌道帯(3万6000km上空)を監視する。
 既に空自からはJAXAに人が派遣され、宇宙監視についての研修が始められている。
 JAXAが岡山に持つ監視施設のデータも空自に渡す。それらを府中基地内で空自が解析する。
 中共は2010年に、ひとつの衛星によって別の衛星に接近させる実験をしている。
 ※その意味について知りたい人は拙著『米中「AI大戦」』の第4章を読むとよい。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-22記事。
    カモペディア( camopedia.org )というサイトがあるという。過去100年ほどの、世界中のカモフラージュ・パターン数千種類を集めているという。
 WWII中に米海兵隊が迷彩服を採用しているのだが、終戦までに止めてしまった。何十回も洗濯しているうちプリントが脱色して柄も乱れ、迷彩とは逆の目立ち効果が生じてしまうため。捺染技術が未熟であったのだ。
 もっとさかのぼるとWWI中にも迷彩はあった。斥候や挺進襲撃隊が使った。
 何百回洗っても脱色しなくなったのは1970年代以降である。
 「デジタル迷彩」を着想したのは、ウェストポイントで技術心理学を教えていたティモシー・オニール中佐であった。
 それはまず軍服にではなく、在独の米陸軍第二装甲騎兵連隊のAFV塗装として1978に初採用され、80年代前半まで試された。
 四角い小さいドットだけで迷彩を構成するシステムを軍服に適用するのは、古い頭の将軍たちに、直感的に受け入れられなかった。実験すると、他の迷彩よりも5割も、敵の眼を惹かないことが確かめられるのだが。
 デジタル迷彩は人間の眼をごまかすのではなく、人間の脳をごまかすのである。ヒトの脳が「兵士」「車両」「植物」等を認識しているプロセスを逆手に取っているのだ。デジタル迷彩のドットは、ヒトの脳にそれは「植物」であるという早とちりをさせる。
 ※これはAIのディープラーニングを考えるヒントにもなる。
 そしてまたデジタル迷彩は、暗視スコープを用いる敵兵の眼も、よくごまかすことができる。夜戦向きなのである。
 これを中国軍も認めた。2007年に彼らは、2003年に米軍が採用したのと類似したデジタルパターンを大規模に採用している。
 中共のデジタル迷彩は4種類である。市街地、森林、沙漠、海上用。
 米海軍は2010から青色のデジタル迷彩作業服を採用したが、激しく後悔させられた。なぜなら海軍将兵が迷彩が必要になるのは陸に上がったときである。陸上の他の友軍の中にブルーの兵隊が混じっていたら目だってしょうがない。友軍からつまはじきされてしまった。それで2016に、緑色となめし皮色の2色パターンへの変更を決めた。
 次。
 Thomas Gibbons-Neff and Eric Schmitt 記者による2018-12-21記事「Pentagon Considers Using Special Operations Forces to Continue Mission in Syria」。
  ISは砂嵐に乗じて米軍部隊に反撃するようにしている。
 セントコムの考え。シリア国境のすぐ外側のイラク領内に、いつでも越境攻撃できる特殊部隊を配置しておけば、シリア国内からは撤退できるだろう。
 英軍と仏軍の特殊部隊は、米軍撤収後も、シリア内に残り続ける。
 ※あたりまえだ。そもそもシリアとイラクの紛擾の種を20世紀初めに撒いたのはこの2ヵ国だったのだからな。怒って当然なのにいままでテロもけしかけず我慢し続けてきたトルコに米国が肩入れする。これでいちばん弱るのはロシアと中共。ファイブアイズに次に加わるのもトルコじゃなかろうか。


かの・よしのり先生があいかわらず絶好調!

 『歩兵の戦う技術』という新書が出た。版元はSBクリエイティブ(株)。
 《ハイテク時代に徴兵は役に立たないという人がいるが、ハイテクだからこそ短期間の訓練で、昔はベテランでなければできなかったことができる》――等のするどい指摘が、例によって充満している。
 ロシア軍の木製弾薬箱が世界一優れているなどの比較所見は、おそらく日本人ライターではこの御方しか書けぬものと思う。皆様にお奨めしたい。
 かの先生は、中共政府が11月の珠海航空ショーの入場券を売らぬというイヤガラセに出たためにJ-20の撮影ができなかったそうである。それは残念だ。
 しかし11月末の東京ビッグサイトでの日本の航空宇宙展や、12月はじめの百里の航空祭の仮設トイレの数の少なさなどを目の当たりにするにつけ、これではシナ人から「小日本」と言われるよなあ、とつくづく慨嘆せられたそうである。規模でも、準備の徹底でも、負けているのだ。
 わたしより10歳年長のかの先生はこのごろ加齢にともなって目が疲れやすくなり、そのため執筆ペースが年1冊に落ちているようだ。
 是非とも先生には、大型卓上ディスプレイ等を導入していただき、テキストエディターソフトの文字サイズを大きく表示できるようにして、楽に快適にワープロ作業に打ち込めるような仕事環境を整えていただきたいと、心から念願してやまない。
 この御方の知見は、日本ではあまりにも稀少で貴重なのだ。
 次。
Konstantin Kakaes 記者による2018-12-20記事「It’s only a matter of time before a drone takes down a passenger plane」。
   英国第二の民間飛行場を麻痺させてしまった、謎のドローン操縦者。
 今回の空港業務妨害テロリストたちは、痛いところを衝いた。
 この模倣犯は阻止できない。
 対策側はGPS妨害電波でドローンを墜落させてやろうとするだろうが、自宅で組み立てたドローンだったらさいしょからGPS受信回路を省くことができる。また、当局がGPS妨害電波を出せば空港機能そのものを自傷することにもなってしまう。
 ※INS=ジャイロのチップだけでも手製ドローンの飛行姿勢とコースは維持できる。しかも、プリプログラムのコース飛行(滑走路近くでの8の字周回とか、任意回収点への帰還、あるいは海方向への最終飛行と電池切れ墜落、等)が命じられていたならば、無線信号の送受も一切しないわけなので、通信を遮断させようと試みても無駄である。銃砲で撃墜しようとすれば流れ弾が空港のどこへ落ちるか分からない。
 1機のドローンで民航機においすがることは不可能だ。民航機は離着陸時にも時速150マイルから200マイルで飛行している。レジャー用ドローンはせいぜい70マイル/hだから。
 しかしスウォームが放たれたらエンジンに突入するドローンもあるかもしれない。
 ※タキシング中なら単機でも赤外線ホーミングさせられるだろう。こうした対空港テロで要注意なのは、拙著でも強調したが、FAE(空気燃料爆弾)とドローンの結合だ。素人が調合したFAEは「完爆」しないことがあり得るのだけれども、民航機の巨大なターボファンエンジンに粉末を吸い込ませることができれば、燃焼室内部を確実に損傷できる。その修理費用は民航会社にとっては莫大なので、誰かが1回しでかした後は、ドローンを空港近傍でちょっと飛行させただけでも、その空港の機能を麻痺させてしまうことができる。どうして反体制主義者が、この手を思いつかぬはずがあろうか? 露軍が「RPO-A」という焼夷ロケット兵器を完成させたのは、アフガン占領中の84年だった。大量のマグネシウムの微粉体とイソプロピル化合物をまず少量の爆薬で洞窟内に飛散させ、すぐに続いて全体を轟爆させるFAE兵器だ。マグネシウム粉だけだと「完爆」してくれないことがあるそうだが、着火しやすいイソプロピル化合物を媒介とすることで爆発現象を持続させ、「自然消火」を防ぐのだ。これは94年からはチェチェンのグロズヌイでの市街戦にも投入され、ビルの内部空間を制圧するのに使われた。だがテロリストが民航機のエンジンにドローンで突入させる場合、この「燃焼持続媒体」は不要になると思う。ちなみにFAE兵器用の理想的な燃料素材は、体積あたり、および、重量あたりの燃焼熱が大きい物質だ。ボロン(硼素)やジルコニウムが過去に着目された。それらは単体だと微粒子にしても「完爆」しにくいと分かり、捨てられているのだが、エンジン破壊用には使えるのかもしれない。同様、重量あたりの酸化発熱量は大なのだが発火しにくい珪素、ハフニウム、炭素化合物などをナノ粒子化して「芯」とし、それを、延焼発火しやすい硫黄、セレニウム、ヴァナジウムなどの「薄皮」で覆えばどうか、という「ナノ複層粒子」も各国軍が模索させているところだが、エンジン燃焼室内部に送り込めるならば、「皮」は要らぬ道理だろう。以上、余談。
 網などでドローンから守ろうとする試みは実行至難だろう。空撮用ドローンといえども高度2000フィートまで容易に上昇できる。あるいは超低空を移動することもできる。ホワイトハウスのような建物ならば、網でミニドローンから防禦できる可能性はある。しかし、空港は、不可能だ。
 次。
 マティス長官の辞表の全文が公表されている。
 《米国は世界の警察官になるべきではないが同盟国は支援〔リーダーシップ、と言い換えている〕するべきだ。》という文章は欧州を念頭したもので、マティス氏はやっぱりアジアは二の次だったのだなと印象される。
 《次の長官を決めるのにかかる時間を見て、2月28日を最終日として辞任する。NATO防衛相会合が2月中にあるが、それは新前には酷だから自分が出る。統合参謀本部議長が9月に交替するのに十分先行して長官交替がなされる。》


中共軍はなぜ「有人機のスウォーム」部隊を作れないのか。それは彼らの社会統制と矛盾してしまうから。

 敵の社会の限界、弱点は何か。味方は?
 これを察して利用できるのはいまのところ人間だけ。
 AIはそこに関しては必ず人に遅れをとる。
 なぜなら、政治的存在たる人間は、相互に、事実や真相や率直な思いを隠そうとするから。コンピュータにだけ、なにもかも打ち明けたりもできない。
 A国はB国に対して開戦するか?
 B国が強いうちはしない。しかし口では開戦を辞さないようなことを言う。
 A国のAIがB国の実力を判定して無害と認定すればA国の国防努力のガードが下がる。
 するとB国が開戦を決意するかもしれない。
 人間の勝敗期待が必ずしも合理的ではないから、AIが政治について予言することも合理的ではなくなる。
 『米中「AI大戦」――地球最後の覇権はこうして決まる』(並木書房)は全国の書店にて発売中です。
 次。
 Ankit Panda 記者による2018-12-20記事「China Conducts First Test of New JL-3 Submarine-Launched Ballistic Missile」。
      11-24に中共海軍は「巨浪3」SLBMを初めて試射していた。場所は渤海。
 発射したプラットフォームは、通常型潜水艦を改造したもので、最新のSSBNの『096』型ではない。『096』はまだできていない。
 フルレンジで飛翔したのかどうか不明。
 どこに落ちたのかも報道されていない。
 しかしおそらくは、水中発射管から「コールド・エジェクション」できるかどうかの調子だけを見たのであろう。つまりレンジは0km。
 現在中共は、海南島にて、『094』型SSBNを4隻、運用可能に保っている。そこからは「巨浪2」を発射できる。巨浪2は、固体燃料の「東風31」をベースにしたものである。
 巨浪2の射程が7000kmではないかと想像されている。巨浪3は9000kmではないかと想像されている。※どちらも証明はされていない。
 ※2020年代に、シナ沿岸からSLBMが米東部まで届くようになる。それに間に合うようなペースで、日本の地ージスが建設されているのが分かるだろう。ABMには誰も何も期待していなくて、その新型レーダーに、米ミサイル防衛庁が期待しているのだ。こういう話も「ミリタリー・ワトソン」には入力ができない。そして、何も入力されなければ、AIには政治の判断などしようがない。
 次。
 Joan Johnson-Freese 記者による2018-12-19記事「China launched more rockets into orbit in 2018 than any other country」。
       10月に酒泉から「Zhuque-1」という小型ロケットが打ち上げられた。これはランドスペース社という私企業が製作し、軌道にマイクロサテライト「ザ・フューチャー」を投入せんとした。
 ところが三段目が機能せず、軌道投入は失敗。
 まあ、よくあることだ。スペースXは最初の3回の打ち上げに失敗し、4回目が成功しなかったらイーロン・マスクの資金は尽きたところであった。
 シナでは別の私企業も宇宙ロケットを開発中だ。「ワンスペース」社といい、年内に衛星打ち上げを試みる。また「アイスペース」社は2019に衛星打ち上げビジネスに挑む。
 中共は、米国との宇宙戦争に勝つためには、こうした民間ロケット会社の躍進が必要である。
 ※一代にして富豪になることは難しい宇宙技術研究部門などにどうして若い理工系のシナ人エリートが敢えて参入するのか、私には謎であったが、これで納得した。ロケットや衛星ビジネスでカネを儲けられる道がすでに開放されていたのだ。
 2018-1~12月中旬時点で、米国は30回の宇宙ロケット打ち上げを成功させたが、シナは35回。
 中共政府は、民間商人が宇宙に参入することを、2014年に許可した。
 ランドスペース社は社員数十人で立ち上げられた。今は200人以上。
 同社はすでにデンマーク企業から、ナノサイズの地球観測衛星や通信衛星の打ち上げを受託している。
 アイスペース社は9月に、3機のナノサテライトを弾道軌道で飛ばし、最高到達点は大気圏外に達した。
 また、スペースXのコンセプトをマルパクするつもりのリンクスペース社は、2020年に最初の試射を計画している。
 ただしこれらの会社は資本も経営も実質的には中共の支配下にある。名前だけがスタートアップ風になっていて、市場から資金を集めやすくされているのだ。
 中共最大の航空宇宙企業CASCは、従業員が14万人以上おり、だいたいボーイング社に匹敵する。
 長征ロケットの製造企業はCALTである。
 「長征5」は、極低温の燃料を送り込むターボポンプが未成熟。2017-6の打ち上げはそれで失敗した。
 2022年までにはISSの向こうを張ったシナ人専用宇宙ステーションを完成したい。ただしサイズはISSの五分の一だが。
 シナ版ISSのすぐ近くには、シナ版ハッブルも周回させる。これは利口だ。ハップルの初期不具合の修繕に、NASAは3年以上もかかってしまった。だが宇宙ステーションのすぐ隣なら、随意随時に修理できる。
 長征5の5倍の軌道投入力のある「長征9」は、CALTにより2028に計画されている。140トンを一挙に投入できるという。
 この「長征9」ができないと、人間を月まで往復させられない。
 NASAの新型巨大ロケットSLSも2028打ち上げを期している。火星狙い。
 2011年の連邦法により、NASAは中共科学者と接触することが禁じられている。そのためISSからはシナ人が排斥されている次第。
 次。
 Charlotte Jee 記者による2018-12-20記事「Drones have forced London’s Gatwick airport to close, leaving thousands of passengers stranded」。
   ロンドンのガトウィック空港は、滑走路近くで2機のドローンが目撃されたために、閉鎖されている。
 このためすくなくも1万人の客が予定の飛行機で飛べなくなった。
 この飛行場、1日で11万人(760便)が離発着の予定であった。
 インド政府は、民間人がドローンを離陸させる前には必ず当局の許可を受けさせるという厳しい政策をとっている。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-20記事。
   12-8に、フィリピンはロシア製ヘリコプターの調達方針を捨てた。制裁に抵触するので。
 今年前半、カナダ政府は、ドゥテルテの麻薬犯罪対策が過酷すぎるというので、輸送ヘリをフィリピンに売ってはならぬと国内メーカーに通達していた。
 ※てことはカナダ製P&Wエンジンを積んだスーパーツカノもフィリピンには売れなくなるじゃないか。
 けっきょくUH-60を16機、米国から。また、T129ガンシップを10機、トルコから買うことになった。
 次。
 ANNE GEARAN AND JOSH DAWSEY 記者による2018-12-20記事「Mattis, once one of ‘my generals,’ loses clout with Trump」。
    ダンフォード統幕議長の退任は来年の秋。その交替人事(陸軍参謀総長マーク・ミレイ)をトランプが早々と発表したことでマティスはヤル気をなくしたかも。というのはその人事にはマティスは反対なのだ。
 マティス長官は、空軍参謀総長のゴルドフィンを推していた。
 マティスはしばしば、地図とグラフを手にトランプの政策を諌めようとしたが、無駄だった。


もし俺が在豪州の中共工作指揮官なら、「日本よ、公海での捕鯨を再開しなさい」と、そそのかす。

 それで日豪の対支共闘など当分はあり得なくなる。
 次の手は、世界の工作員を総動員して、日本叩きを盛り上げる。
 かくしてめでたくも、世界一の悪者は再び日本人になってくれるだろう。
 もちろん北京政府も日本を非難する。こうして、シナ人は再び世界から迎え入れられる。
 他人が顰蹙することを他人の庭先で続けることが「日本人の道」か?
 わたしはそうは思わない。
 次。
 Elisabeth Braw 記者による2018-12-17記事「The GPS Wars Are Here」。
    バルト地方で露軍が最初のGPS妨害を仕掛けたのは2017-9のザーパド演習のときだった。
 そして2018-10のNATO軍トライデントジャンクチュア演習(於ノルウェー)で再び仕掛けた。
 ノルウェーのWideroe航空の旅客機は同国北部を飛行中にGPSが使えなくなった。
 フィンランド政府の航空航法局もその現象について警告。
 ロシアの目的には次の二つが含まれる。ひとつ。GPSよりウチのGLONASSを使いなさい。ひとつ。アメリカの技術など信頼はできませんよ、という宣伝。
 要するにロシアは隣国の民航機が墜落しようが知ったこっちゃないという国柄なのである。
 そのセベラル月前、フランスのNantes市の飛行場では、GBASが繰り返し狂わされた。これは航空機が離着陸するときの支援電波を地上から発するシステム。原因を調べたが、メカニカルな問題はなかった。
 犯人は一人の乗客で、空港の駐車場の自動車の中にGPSジャマーを置き去りにしてあった。そしてそのまま旅客機に搭乗していた。
 インターネットでは10ドルでGPSジャマーが買える。クルマのシガレットソケットを電源にすれば、半径セベラルmの信号は狂わされる。
 でも何が目的で? サラリーマンが上司に、自己位置を追跡されたくないのである。
 民航機のパイロットはいちおう、GPSなしでも航法する訓練は受けている。
 次。
 Todd South 記者の記事「Marines look for IBM Watson-like artificial intelligence to plan large-scale wargames」。
       ことしから米海兵隊は、24個の歩兵大隊に、「戦術決心キット」を配備した。ラップトップPC+ヴァーチャルリアリティゴーグル+ドローン。
 ドローンが戦場マップを作製し、小部隊指揮官は、VRの上で攻撃計画を立て、それを「リハーサル」させてみることができる。
 また今年前半、海兵隊のシステム開発部門は、軍需産業界に対し、実弾の代わりにレーザーを打ち合う野戦演習セットをもっとリアルにしてくれ、と要求した。どういうことかというと、鉄砲の弾は曲がるわけである。それが、今のレーザー訓練装置では、再現されないので、よくない、というのだ。
 かつまた、海兵隊および露軍が使うすべての火器の「ダメージ」をもっと迫真的に再現してくれ、とも要求している。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-19記事。
   露軍の将軍たちが最近機関紙に寄稿している論文から、いろいろな指向が読みとれる。
 まずひとつ。彼らはロシアの軍事費がどんどん減る傾向を認識しており、その費用内で敵に勝つためには、国際法破りをどんどんする決意である。
 市街地を砲爆撃して民間人を殺すことを躊躇しない。どんどんやる。むしろ意図的にやる。
 ロシアのFOは何を見ているか。味方に当たらないこと。それだけが大事。味方でないところに弾が落ちるのは、無問題。そういう態度。
 もうひとつの指向。司令官の決心を速くするため、テレビ会議を多用すべし。団隊長を一箇所に集めて会議なんかするな。そんな余裕をかましてるからダメなんだと。
 もうひとつの指向。土工を速くするためには民間の建機を利用せよ。
 露軍は、国内のイスラム教徒の兵隊を「憲兵」に仕立てて、支配地の警官の代役にしている。これはイスラムゲリラの士気を挫く効果がある。
 次。
 Elizabeth Woyke 記者による2018-12-18記事「China is racing ahead in 5G. Here’s what that means」。
   5Gは 路側センサー情報をロボットカーがとりいれて、最も混まない道を選ぶことを可能にする。
 1Gは、歩きながらの通話を可能にした。
 2Gは、テキストメッセージの送信を可能にした。
 3Gは、インターネットに接続した。
 4Gは、動画視聴を楽にした。
 中共政府が5Gに意気込むのは当然で、これは中国企業が初めて世界の他の先進国の先を行ける可能性のある分野なのである。
 ※いやモバイル決済はすでに米国の40倍の額だぞ。
 中共の電話プロバイダーは3社。シナモバイル、シナテレコム、シナユニコム。これを政府が指揮することで、5Gダッシュが可能になった。北京、上海、シンセンにテストネットを開設させた。
 この実験規模は世界最大である。
 4G環境を米国が最初に整備したことで、シリコンバレーは、ユーチューブなどの新システムをつくって世界を席捲した。同じ事をこんどはシナが5Gでやる番だ。
 中継塔の設備企業であるシナタワーによれば、2023までに全支の5G環境は整えられる。
 中共は、周波数帯としては旧3Gや4Gのものを、5G用に再割り当てするつもりである。この方式だと電話番号のそのまま引継ぎができるから話が早い。
 米国では、4Gより高い周波数帯を割り当てるつもりだ。だから中共より5G環境が全土に整うのは遅れる。
 AT&Tとヴェリゾン社の見積もりでは、このため中継塔の数は4Gの4倍必要である。高周波は到達距離が縮むので。
  ※山の中で携帯使いたい人のために、アンテナを垂直に100m伸ばしてくれるテザリング・ミニ・マルチコプターを開発したら売れるんじゃね? 
 既存の市街地で新しく大量の中継塔の土地を確保するのは、なまなかなことではない。
 ※あれは一日中うなりを上げているから、隣の家はうるさいよな。コンビニの隣の宅地もそうだけど。
 次。
 Loren Thompson 記者による2018-12-11記事「Five Existential Challenges Facing Elon Musk’s SpaceX」。
      イーロン・マスクの「スペースX」はどえらい可能性を立証した。ブースターは確かにリユースできるのだ。
 しかし、ニコラ・テスラがそうだったように、パイオニアの末路が良くないことは、しばしばある。
 会社としてのスペースXの価値は280億ドルはあるだろうとされる。が、マスク氏はこの会社の株式を公開するつもりはない。理由は、彼は火星に殖民地を開こうと真剣に考えており、株主総会ごときにその夢を邪魔されたくはないかららしい。
 静止軌道への衛星打ち上げ市場は冷えている。過去3年だと、年8回の打ち上げ。ライバルのアリアンスペース社にいわせると、これは、年10回以上でないと採算に乗らないという。
 スペースXは安全管理でつまづく危険がある。オーナーがマリワナを吸っているなど、NASAに言わせれば論外なのだ。また、ファルコン・ロケットで宇宙ステーションに人を送るとき、人を乗せた状態で液燃の注入をするとしている。これも問題視されるだろう。
 スペースXは衛星投入請け負い料金を他社より安くすることで客を集めようとしているが、仮に年に20回の打ち上げを最安値で請け負ったら、そこからどうやって儲けを出す? たぶん、火星行きの企画には足りない筈。
 軌道上に7500個のミニサットを周回させて全地球的なブロードバンド環境を提供するという計画も、初期投資の資金がとてつもない筈。
 結論。イーロン・マスクは計画の変更を迫られずにはいないだろう。
 次。
 Valerie Insinna 記者による記事「Start of US Air Force’s light-attack plane competition pushed back until next year」。
    米空軍は、A-10より安くて手軽で便利なCAS機を今月、選ぶつもりだったが、日延べされた。
 シエラネバダ社がライセンス生産する「A-29 スーパーツカノ」と、テキストロン社の「AT-6B ウルヴェリン」の対決になるはずだった。
 候補機は2機種に絞られていた。しかしこの夏、空軍によるテスト中、1機のA-29が墜落してパイロットが死亡している。
 トランプ政権がFY2020の国防予算総額をどの辺でまとめる気なのか、予断できない。ガックリ減らすことになるかもしれない。そのうえ、軽攻撃機調達計画の空軍内での優先具合も不鮮明である。
  ※スーパーツカノの話は次の書籍であらためて書くつもり。スペースXと5GとVRゴーグルとアンチGPSの話は、本日書店に出ているはずの最新刊『米中「AI大戦」』でも書いているから、ご一読ください。アマゾンからは絶賛配送中!


お待たせしました。本日、書店に『米中「AI大戦」』が搬入されます。

 Minnie Chan 記者による2018-12-17記事「Deputy head of Chinese shipbuilder sacked and expelled from Communist Party」。
       国営海軍工廠CSICの経営大幹部が、中共党中央規律審査委員会によって、腐敗の咎で、中共党員を除名された。
 真の嫌疑は、空母『遼寧』の秘密をバラしたことにあるという。
 ※おそらく、じつのところは『遼寧』がさんざんな失敗作だったので、その責任をみせしめに誰かに取らせることによって、次の国産空母『001A』が続けて失敗におわることは許さないからな、との精神的発破をかけるのが目的だろう。
 大連港にあるCSICは潜水艦や空母を建造している造船所である。もちろん国有。『001A』も進水させた。
 『001A』は公試運転中である。国家指導部としては2019の建国70周年に就役させたいところであろう。それが失敗したらどうなるか……。
 ※エンジンが国産できないのにどうするんですかという話。あとから良いエンジンが手に入っても、空母の最下層デッキが主機室なので、上層甲板をぜんぶはがさねばならず、改装は数年がかりだ。つまり『001A』も失敗は約束されている。ところでそもそも中共はどうして空母を欲しがるようになったかといえば、パラセルでベトナム軍と実戦になったとき、島嶼上空でCASできないことに気付いたからだった。陸上機で南シナ海にCASを提供できないのは、ソ連製エンジンしか入手できないから。最初から最後までエンジンが祟っている。
 次。
 Charlotte Jee 記者による2018-12-17記事「A food delivery robot burst into flames」。
    バークレー大学構内では100機以上のロボットが無人デリバリーに走り回っているが、そのうちの1機が突如、炎上。
 設計者いわく。だれかが安物の電池を装填したのだ。その電池が火を吹いた。
 次。
 ストラテジーペイジの2018-12-18記事。
    Auto-GCASとは、自動墜落回避システムのこと。F-35用が7年間開発されていたが、11月に実装された。
 単座のハイG戦闘機では、うっかりして腹式呼吸を忘れて機動したとたんに操縦士が失神することはよくある。その結果、もし機体が地面に向かって無為に突っ込んでいくようだとコンピュータに判断できたときは、コンピュータが操縦桿を奪い、水平飛行に復帰させる。これが Auto-GCAS だ。
 このシステムは2014年時点ではすでに2機種のハイG戦闘機に実装されている。すなわちF-22と、F-16の最新ロット(600機)である。
 確認されているだけでも過去4年間に、Auto GCAS と PARS(雲中パニックボタン。いずれが天地なのか分からなくなったとパイロットが恐怖を覚えたときに押せば、コンピュータが水平飛行に復帰させてくれる。F-2にもついている)のおかげで7人のF-16乗りが、命が助かった。うち1件は、戦地上空であった。機体価格とすれば総額で3億5000万ドルか。
 Auto GCAS は現在、スーパーホーネットの最新モデルにも後付けされつつある。
 民航機の墜落警報システムは、「プル・アップ!」とかのボイスで警告するだけ。しかしベテラン民航機長や軍用機パイロットは、こうしたボイス警告を無視したがる。
 そこで、強制自動操作にする必要があった。