ケボーとモッチを視ていたら餅が食べたくなった。

 AFPによる2010-5-8記事「2nd Scorpene Submarine KD Tun Razak of Royal Malaysian Navy to Arrive Soon」。
 マレーシア海軍がフランスに発注していた潜水艦が2010-4-30にツーロンを出航した。
 『KD Tun Razak』は Scorpene-type で、すでに同型艦1隻がマレーシアに納入されている。マレーシアは全部で2隻、2002-6に発注していた。訓練もセットである。
 マレーシアの潜水艦基地は、ボルネオ島の Kota Kinabalu である。その前にマレーシアのLumut 港に立ち寄る。 Lumut まではフランスから2か月かかる。
 熱帯公試運転はマレーシアで行なう。
 排水量 1,550 tonnes 、全長 67.5 metres、 乗員は2艦ともに 31名、水中に45日間潜っていられる〔?〕。
 フランスはこのScorpene型潜水艦を海外から10隻受注した。チリが2隻、マレーシアが2隻、インドが6隻。
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 サイエンスデイリーの2010-5-6記事「Sunlight With Cooling Factor」。
  フライブルグの Fraunhofer社の提案。太陽光をエネルギー源にして工場の冷房を行なう試み。チュニジアのワイン工場と、モロッコの乳製品工場で。
 太陽電池をビルのエアコンの電源とする試みはすでに存在するが、こいつは発電させるのではなく、反射板によって太陽熱を集め、水を200度〔単位不明〕に加熱し、グリコールを混ぜた水を、冷たい蓄熱器に集め、ポンプで熱交換器へ送り出すことによって、腐りやすい食品材料を冷却する。
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 ストラテジーベージの2010-5-9記事「Turning Nukes Into House Current」。
 5-3に米政府が今日時点での核弾頭数を公表したのは、初めてであった。過去のデータを公表したことは、前にもあったのだが。
 冷戦終了時に米国は2万発以上もっていた。
 1945年いらい、米国は7万発以上の核弾頭を製造したのだ。
 そのうち 1,054 発だけが爆発させられた(2発を除いてすべてテスト用に)。
 1992条約で、この実験爆発も停止された。
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 JOHN T. BENNETT 記者による2010-5-8記事「Gates Seeks Pentagon Overhaul」。
 カンザス州を移動中の飛行機の中でゲイツ氏は報道陣に対し、2012予算では国防費を $10 billion カットし、それ以降、毎年 $15 billion づつ削減すると語った。
 軍人の人件費が米国の対外協力費と同額だ。これも減らす。
 将校の数も減らす。
 後方の高級司令部や軍機関の将官ばかり多くてダメだ。アフガンの最前線にこそ人と予算が必要なのだ。
 高級司令部や機関を統廃合できるだろ。
 高級将官の仕事をもっと下の将校ができるだろ。
 これまで軍には、 overhead【間接費まで含めた諸経費】を節約しようとするインセンティヴがなかったのだ。
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 ストラテジーページの2010-5-5記事「Second Life」。
 ポルトガルが中古の 18両の Leopard 2A6 tanks を追加で購入する。重さ 55 ton でだいたい American M-1と互角。しかし増加装甲はついてない。熱線視察装置はついている。
 冷戦終了後、ドイツは陸軍を縮小し、90年代から、レオの 2A4s を大売出し。貧乏な諸国がいっぱい買った。
 中古のレオ2を買った国。豪州115両、カナダ 100両、ノルウェー 52両、スウェーデン 160両、シンガポール 96両、デンマーク 52両、フィンランド 124両、ポーランド 128両、ポルトガル 91両、ギリシャ 183両、チリ 100両、トルコ 298両、スペイン 108両。
 ※壮観だね。これならスウェーデンもS戦車を棄てようという気になってしまっただろう。それと、中東産油国が米英製戦車を購入し、欧州大陸国がフランを除いて西独製を買うという縄張り区分のような暗黙の合意があったのだと、今頃気付いたぜ。ドイツは戦車で全欧を統合したのだ(なんとポーランドまで)! しかし豪州に国産戦車を売れなかったイギリス……。次は脱落するかも。
 西ドイツはレオパルト2を 2,125 両、調達した。そのレオ2戦車を新品で買った国。オランダ 445両、スイス370両、スウェーデン120両、スペイン 219両、ギリシャ170両。
 ※スイスも60’sはMBT国産国だったのに、スウェーデンともども、MBT国産路線から脱落することを早々と決意した……ように見えるがそうではない。要するにドイツの戦車技師が敗戦後にこの2国にもぐりこんで就職していたのが、本国の調子がよくなって本国に戻ったというだけなのだろう。WWI後のエリコン20ミリ機銃や、ボフォース高射砲と同じことなのだろう。スイスが1950年代に装輪装甲車で西側の先頭を走ったのは、あきらかにドイツ人技師の暗躍だった。
 最近、トルコは、 171 両の Leopard 1 tanks(重さ43 ton、 105mm gun、最高時速 65 kilometers)を全部アップグレード。同様に、 160 両の米国製の M-60A1 tanksもアップグレードした。
 ※イスラエル、産油国、そしてロシアという存在がなければ、トルコが地域のスーパーパワーですよ。これに対抗するためギリシャが無理をして破産したのか。
 4744両も生産された Leopard I は、今じゃほとんどスクラップかモスボールの状態。 (レオ1の車体を使っている回収車やゲパルトなんかがこれとは別に 1,741 両あり)。
 ほとんどのレオ1オーナーは、44トンの戦車ではどう改造しようが現代戦の役に立たぬと看做して、屑鉄に売ってしまった。※我が七四の立つ瀬無し。


21ミリ以上ならハーグ条約違反とはならないのか。

 JOHN T. BENNETT 記者による2010-5-7記事「Gates: Speed FCS Replacement, Define Future USMC Role」。
   ゲイツはカンザス州FORT LEAVENWORTHに行き、C-40機内で記者団に語る。海兵隊は「将来の役割」を策定しないとね(本音:あいつら要らないだろ)。
 昨年ゲイツに Future Combat Systems program を屠られた陸軍では、それに応え、7年ぶりに新車両を開発せんとす。
 だがゲイツいわく。ペンタゴンは、 mine resistant ambush protected (MRAP) を、計画から全力量産までたった1年で立ち上げてみせたぞ。陸軍の post-FCS program は、スローモー過ぎるんだよ。
 ゲイツは、退役した海兵隊ボスのJames Conwayに対し、『将来、わが海兵隊が敵〔チャイナ〕の守る海岸に殺到するなんて事態は、もう考えられんだろ。敵〔チャイナ〕がどんどん最新兵器やミサイルやらで自軍を強化しているというのに』と思っていることを匂わせた。
 もちろん、ある程度の上陸戦力は必要だがね、とゲイツ。
 ゲイツは海軍とその契約造船所に対しては「もっと安く軍艦を造れや」と発破をかけてきた。
 〈1艦の調達単価を下げぬ限り、彼らの 313-ship fleet 構想は画餅だね〉と宣告。
 ただし、〔安いからといって〕外国の造船所に米海軍の軍艦を発注するようなことはせんよ、と、安心させもした。
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 APのMUNIR AHMED 記者による2010-5-8記事「Pakistan tests 2 missiles, wants nuke recognition」。
  パキスタン軍が8日に2発試射し、成功したと。
 1つは「Shaheen-1」で、650 kilometers飛ぶと主張されている。
 もうひとつは「Ghaznavi」 missile で、290 kilometers飛ぶと主張されている。
 発射した場所は秘密。飛翔距離も秘密。だがこれは核ミサイルになるんだと主張。※相変わらずですね。これでは何の証明にもならない。
 パキはNPT署名を拒否している。この時期にこういう実験をすることによって、NPTが公式に認めている5つの既核武装国にパキも加えてくれよ、という資格主張をしたいのである。そのためのデモンストレーション。
 パキの核実験は1998 で、最初のSSM試射も同年。
 カーンは2004に、技術情報をイラン、北鮮、リビアに漏らしたと告白。いま、軟禁状態。
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 ストラテジーページの2010-5-8記事「The Great UAV Shortage」。
 米軍は全部で 6,500 機のUAVを運用しているが、それがイラクとアフガンにばかり投入されているため、その他の地域で、イスラム過激勢力の動きを見張ることができない、という苦情がペンタゴンに殺到中。
  6,500 機のうちほとんどは 重さ10ポンド未満の小型サイズ。たとえば「 Raven」 だ。滞空時間は1時間に過ぎず、進出距離も短い。こんなのはもう要らぬ。
 需要があるUAVは、すくなくとも 159 kg (350 pound) ある「Shadow-200」か、その上の、1トン以上ある「 Predator」クラス以上なのだ。
 国防総省はUAV戦力を2年以内に 8,000機以上にする。
 アフガンの次には Somalia を濃厚に見張りたい。イラク南部からの撤収分を、アフリカに回したい。
 米本国に大型UAVが足りないので訓練ができないのも問題だ。みんなアフガンに行っちまってるんだ。
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 イスラエル軍公式サイトの2010-5-4記事「Elbit Systems will supply the IDF with additional UAS」。
 イスラエル軍が「Hermes 900 」Unmanned Aircraft Systemsを totaling $50 millionで調達する。3年以上の契約。
 すでに供給している「 Hermes 450」も追加で納入される。
 「 Hermes 900 」のテスト飛行は2009-12に完了していた。
 飛行高度は3万フィート。
 satellite communication channel がビルト・インされているので、見通し距離外の作戦も可能になった。
 イスラエル軍は、 mini-UASとして「 Skylark I-LE」も運用中。
 しかし主力は「 Hermes 450」である。
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 米海軍大学校のJames Kraska 提督による2010-5-6寄稿「 China Set for Naval Hegemony」。
 沈められた韓国の軍艦は 104 crew のうち 58 人がsurvivedしたのみ。
 北鮮の魚雷は弾頭が200kgだったらしい。
 こういうスニーク・アタックについてクラスカは『 Foreign Policy Research Institute』に「How the US Lost the Naval War of 2015」という記事を載せて警告していた。
 そのSF戦記のなかでクラスカは、横須賀の核空母『ジョージ・ワシントン』が 1,500-mile range の DF-21 対艦弾道弾(ASBM)で奇襲攻撃され、シナはとぼける、と書いた。
 それと同じようなことが韓国に対して北鮮から行なわれたのだよ。〔つまり金正日はワシの小説の読者じゃ。〕
 2009-3-7にシナ海軍は、『USNS Impeccable』(ocean surveillance ship)につきまとった。
 シナは複数の船舶にその米艦の艦首直前を横切らせて停止させようとした。
 そこでオバマ大統領は『 USS Chung-Hoon 』を派遣して護衛させた。
 これに対してシナは最新型の海洋調査艦『 Yuzheng 311』を差し向けた。
 2001にシナ軍艦は『USNS Bowditch』をイヤガラセした。翌年には『 USNS Sumner』に対して同じことをした。いずれも東シナ海上である。
 続いて『 USNS Victorious 』もイヤガラセを受けた。
 1953にシナは南シナ海の80%は俺たちのものなのだと主張する海図を刊行。
 1974にシナは  Paracel Islands を Vietnamから奪った。
 1988にシナは、 Johnson Reef のベトナム軍を攻撃し、 six features in the Spratly Islandsを占領。
 1994 にはシナはフィリピンから Mischief Reef を奪った。
 皮肉にも、これらの rocks and reefs of the Spratly and Paracel chainsは「島」ではない。「岩」であり、暗礁である。
 しかもベトナム、フィリピン、台湾、マレーシア、ブルネイの 200-mile economic zones 内にあり、シナ本土からは遠く離れている。
 にもかかわらず、3月のNYT報道によればだ。Chinese officials が Deputy Secretary of State James B. Steinberg に告げた、と。シナはこれらの南シナ海の「領土」への外国からの干渉をもはや容認しない、と。それまでシナは南沙が領土だと公言したことは無かった。一歩踏み出したわけだ。
 皮肉なことに、 Steinberg はクリントン大統領に対してながらく「strategic reassurance」なる概念を吹き込んできた張本人だ。すなわちシナが平和的に勃興するのは周辺地域にとって良いことだと言うたのだ。しかるにシナが南沙を領土だと主張するなら、それはもう平和的じゃないだろう。
 2009にシナはParacel Islands近海で 33 隻のVietnamese 漁船を拿捕し、 433 crew members を逮捕している。
 思い出そう。米国の1798~1800の Quasi-War with Franceも、 北アフリカに遠征した First Barbary War of 1804も、英国との War of 1812戦争(それには Second Barbary Warが含まれる)も、いずれも海洋の自由のために戦ったものだ。
 1996 に クリントンが空母『Nimitz』と『Independence』の carrier battle groups を台湾海峡に差し向けたのがシナ海軍に火を点けた。
 米海軍予算は米国国防予算の26%だが、シナ海軍はシナ国防費の33%を受け取っているぞ。※ソースを知りたいものだ。まさかシナ政府の公式発表?
 シナ海軍には 260隻あり、うち75隻は大型であり、60隻以上の潜水艦もある。※ロクなASWがないけどね。
 米海軍は正規空母× 11 、揚陸艦× 31、戦闘用の水上艦×88 、原潜× 48の勢力である。※それで何の不足が……?
 それが世界に散らばっているのでシナに対して劣勢なのだ。
 シナは静粛なAIP(air-independent propulsion ) diesel electrics エンジンをマスターした。『 Type 041 Yuan-class』潜水艦でだ。
 これだと、最長で1ヶ月間も潜っていられる。
 ロサンゼルス級の攻撃型原潜より静かだという。※安心汁。日本のディーゼル潜水艦もハワイ沖演習でP-3Cのソノブイでバッチリ探知されとるから。
 ウェーク追尾式の魚雷も持っている。※ wake-honing という珍しいミスタイプあり。
 2006-10に空母『キティ・ホーク』に異常接近してみせた潜水艦は、『 Song』classの AIP submarine だった。
 ※シナの脅威をこれでもかと強調しているこの記事の興味深い点は、尖閣および海上ガス油田について一言も無いこと。日本政府の宣伝が、米国の国防系の研究機関に対しても、まったくなされていないことがよく察せられる。防衛省の職員さんよ。……働けよ。
 関連して。
 海大のPeter Dutton 助教授による『WSJ』紙への意見寄稿「At Sea With China」。
 シナ艦隊は「沖ノ鳥島」沖で演習をやったらしい。
 シナは『USNS Impeccable』を South China Sea で April 2009にイヤガラセした。※上の記事だと3月だが。
 シナは、沖ノ鳥島は島ではなく、よって日本の200浬専管水域は認めないと言って海軍演習をした。その一方で、南シナ海に他国の海軍が入ってくることは拒否しようとしている。ダブルスタンダードだ。
 次。
 Howard Chua-Eoan 記者による2010-5-8記事「Times Square Plot: What If the Bomb Had Worked?」
 車両は、 green 1993 Nissan Pathfinder SUV だった。
 もしプロパンのボンベが破裂していたら、 blast wave は speeds of 12,000 to 14,000 ft. per sec. (3,700 to 4,300 m per sec.) になっただろう。 破片は430 m飛び散っただろう。
 自動車爆弾の火球に接すると衣服が熔けてしまうので被害者は裸になる。
 ベトナム復員兵はスカーフ売りの方だった。
 怪しい物事は見過ごさない警戒的なNYの street-level heroes のおかげで警報が早かった。
  30歳の犯人の skill と intentions は別だった。
  自動車にはナンバープレートの他に、 vehicle identification number (VIN)というものがある。 dashboardのそれは剥ぎ取られていたが、他の部品から NYPD は割り出した。そしていつ誰が誰に売ったのかをつきとめた。
 人定が確立するや、税関はそいつを「ノー・フライ・リスト」に加えた。つまり飛行機に乗せちゃいかんぞという触れ。
 犯人はノーフライ・リストがアップデートされる前にドュバイ行き切符を予約していた。
 だがその飛行機の離陸は真夜中に止められ、犯人は逮捕された。
 犯人の私有車であるいすゞには銃が置いてあった。
 犯人は、Waziristan にて爆弾製造の教育を受けていた。パキ領内である。
 犯人は 1979にペシャワール近くで生まれた。
  1998 に学生ビザで渡米。
 コネチカットの Bridgeport 大学でコンピュータを学び、さらにMBAを取得して、金融会社に就職していた。
 妻は米国人。学齢期の子供2人あり。
 1戸建ての絵に画いたような郊外型マイホームを買っていた。
 2009-4に米国市民権取得。
 しかし、近年の不況で、この自宅のローンが払えなくなった。
 2009-6に離職。家は売りに出された。
 そして工場労務者たちが住むひどい街に引っ越した。隣人は誰もこの家族のことに関心も無かった。
 2009の夏、家族はパキスタンに旅行した。
 そこで男は軍事訓練を受けた。
 家族は2010-2に帰米。
 さすがに怪しまれ、空港で、「おまえは半年もパキスタンで何をしていたんだ?」と尋問されている。
 米国で頻発しているミニ・テロの特徴は、〈学習が蓄積されている様子がない〉こと。つまりテロリスト同士のネットワークがなく、先行するテロの教訓の活用はなく、単発的で、いつまでも同じような未熟なレベルにとどまってくれているのが、治安当局としては、ありがたいのである。
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 Rebecca Boyle 記者による2010-5-7記事「”Sea Kites” Could Harness Tidal Energy For Future Power Plants」。
 スウェーデンで開発。水中の凧。潮流を受けて8の字に旋回を続ける。そのさいに小型発電タービンを回す。
 2011から北アイルランドで縮小模型による実験を始める。プロトタイプで、500 kilowatts を発電したい。
 タービンは長さ3フィート。翼長は39-foot、凧糸(ケーブル)は330-foot である。
 発電タービンはギア無し。よってシンプル。8の字旋回によって、潮流速度の10倍の流速を、タービンが受け取れる。
  もともとSaab 社が 2003 に開発に着手したものだった。


機関砲ではなく擲弾銃だった

 ミリタリー・コムの2010-5-6記事「Army to Test ‘Game Changing’ Gun in Combat」。
  defilade【遮蔽】された敵兵をやっつける携行火器が完成間近。
 ※アバディーンに記者どもをご招待したのは、この新兵器の調達予算要求に賛同してもらうためだったのか……。
 メーカーは Heckler & Koch である。
 稜線上、土壁の後ろ、さらには林縁を遮蔽物にしている敵をやっつけることができる。
 いちおうこれは「grenade launcher」に区分されている
 センサーとして lasers 、そして25ミリ砲弾内には a microchipが入っている。
 2009-10に300人のタリバンが Keating 哨所を襲撃し、8名の米兵を戦死させ、22名を負傷させた。
 アフガンでは交戦距離はふつう300m以上である。アフガンは山岳なので、その300mの間にも2~3線の稜線が介在している。
 この距離で敵に致命傷を与えるのはマークスマンにも容易ではない。敵は稜線の後ろに伏せているし、こっちも撃たれ続けている状況なのだ。
 この25ミリ弾の破片威力は、手榴弾とおなじくらいある。※ゲゲっ!
 そのタマが、700mまで肩射ちで届く。※つまり89式重擲弾筒にVT信管つけたよりも高機能なのか!
 ※対人用の小口径の爆発弾頭は、日露戦争前のハーグ条約で禁止されたままだと思うのだが、その点はクリアされているのだろうか? 直撃はしないという建前なのか?
 歩兵のパトロールが、急に後方の迫撃砲班に支援を要請しても、発射までに10分はかかる。アパッチAHなら、来るまでに65分かかる。
 XM-25なら、5秒でカタがつく。まずレーザーで測距し、レティクルを目標にあわせ、引き金を引くだけ。 ※つまりスコープが正しい仰角を教えてくれるわけか。
 タマは、400mまでなら2秒で到達する。
 内臓の弾道計算機は、気圧や温度も自動的に加味してくれる。
 引き金を引いた瞬間、自爆時間のデータが弾頭の中へ入力される。
 この 25mm 弾には、爆発物が2個内臓されていて、それゆえ、旧来の40mm grenade launcher よりも1発の威力でも勝るのである。
 この擲弾銃は、1梃 $25,000 と高い。しかし、アパッチ・ヘリを飛ばして敵歩兵に向けてヘルファイアを発射させるよりは安いだろう。
 まだ改良が必要であり、本格量産は2012からになる。
 米軍全体で 12,500 梃を買いたい。
 XM-25 は4発弾倉コミで重量が 14 pounds である。※そんなの重すぎる、という批判が出ることを見越して、予防宣伝をいろいろとしています。
 次。
 Nathan Hodge 記者が2010-5-7に載っけている記事「 Does the Army Need a Better Battle Rifle?」
  9mmのM9拳銃については、われわれはさんざん不平を聞かされている。
  M4 carbine でも同様だ。
  2006年に、米海軍が実際に戦場で発砲した兵士に聞いた調査。結果、現場では、 M9 自動拳銃と M249 軽機が、最低の評価を得ていることが分かった。
 米陸軍は、 5.56mm M4 carbine の弾倉を新しくしたし、照準器も変えた。他に小改良は無数。
  2007の信頼性テストでは、 M4 よりも「 Heckler & Koch HK416」や「 FN Herstal Mk16 Special Operations Combat Assault Rifle」や「 HK XM8」の方が良好であった。
 アバディーンでは、ストックとスコープマウントを改めた M14 Enhanced Battle Rifle も展示。朝鮮戦争後半で採用したM-14ライフルは、 NATO 7.62 x 51mm 弾を発射する。射程がM4 や M16より長いので、すでにいくつかの部隊に支給されている。軍は、あくまでアフガン限定だと釘を刺しているが。
 ※アバディーンで下したひとつの結論を全軍に押し付けるというメソッドが、小火器に関してはすでに古くなったのかもしれない。小銃と拳銃については、複数オプションのチョイスを兵隊個々人に認めても、米軍の場合、もう補給整備上も問題は無いのではないか。むしろそれで前線の兵隊の気分が非常に高揚するだろうから、モラールに悩んでいるペンタゴンとしては、儲けものではないか? どの銃が本当に優れているのかは、前線で命をマトにしている末端の兵隊たちに判定させればよいのだ。進化論を戦争に適用せよ。
 次。
 ノーボスチの記事「Prior to antipiracy mission, marines practiced hostage rescue」。
 アデン湾の東海域で、 23人のロシア人船員が乗った 86,000 tons タンカー『 Moscow University』が2010-5-5にハイジャックされた。この船は紅海からシナへ向かっていた。
 ロシア太平洋艦隊の陸戦隊を乗せた、巨大 ASW 艦の『 Marshal Shaposhnikov 』はウラジオで訓練をしてから、ソマリア沖に3-29にやってきていた。
 陸戦隊が突入し、ロシア人には損害なし。海賊どもは捕縛された。※別情報によれば、1人射殺したらしい。
 艦隊は、給油艦の『 Pechenga』、航洋型タグボートの『 MB-37』も伴っている。
 シャポシニコフには哨戒用にヘリ×2もある。
 次。
 2010-5-7記事「Son Of SCUD Via Syria」。
   レバノンのヒズボラがシリアから100発以上の『 M600 』弾道弾を貰ったらしい。こいつはシナ製 DF-11A のコピーである。
 長さは 8.86 meter、重さは 3.5 ton 、弾頭は500kgである。
 DF-11Aは射程400kmあるのだが、M600の射程は 250 kilometers である。※これはミサイル技術輸出自粛協定MTCRに抵触しないためのシナ人の言い訳で、ホントは300km以上あるんじゃないの?
 2009年後半にシリアはヒズボラに SCUD missilesを提供したともいう。
  M600 は SCUD より新型のミサイルである。
 ヒズボラは、 Fajr-5 rockets も持っている。これは旧ソ連の重さ1トンの地対地ロケットを真似たもの。
 Fajr-5 は射程が 75 kilometers で弾頭は 91 kg (200 pound) である。
 無誘導なので、狙った場所から1km外れることあり。固体燃料。
 Hezbollah はイラン製の Zalzal rocketsも持っているようだ。
 旧ソ連の FROG の亜流で無誘導。重さ3トン、弾頭は636 kg (1,400 pound) で射程は 200 kilometers 、固体燃料。
 ランチャー車両は南レバノンに隠してある。
 2006年にヒズボラはイスラエルとの戦争で4000発以上のロケットを発射した。そのほとんどは射程20 kilometersで直径 122mm のBM-21 だが、より大きなSSMも、市街地に対して発射された。
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 Graham Warwick記者の2010-5-7記事「Laser Power Beaming Aimed At UAVs」。
   NASA は LaserMotive という会社のエネルギー伝達レーザー技術にカネを出すことにした。レーザーによって地上から空中のUAVのバッテリーを充電させてやることができるようになれば、次の目標は宇宙エレベーターだ。
 18ヵ月以内にUAVで実験したい。
 システムの概念は単純。地上に並べた多数のダイオードが、近赤外線のレーザーを発振する。それをまとめて、指向装置によって飛行中のUAVを追随しながら当てる。そのUAVにはソーラーパネルがついており、下から照射された近赤外線を受光して発電する。
 適用として3つの形態を考える。ひとつは飛行船を使う。これならレーザーがたよりなくても墜落しない。もうひとつは、飛行機がエネルギー切れに近づいたなら自動的にレーザービームの真上に戻ってくるというもの。もうひとつは、常にレーザー発射基地から見通せる位置で旋回を続けるというもの。
 直流1キロワットの電力をUAVに与えるには、2キロワットのビームが必要である。それを励起させるにはレーザー・ダイオードに4キロワットの電力を供給せねばならない。
 ただし超軽量のUAVでよければ、受電が100ワット強でも飛び続けてくれるが。
 出力1キロワット以上のレーザー銃は、目標を外れたときにはすぐにスイッチが切れるようなシステムを、安全上、必要とする。
 遠く離れた地面に設置した無人のセンサーに、上空からレーザーで充電してやるということも考えられる。
 次。
 VIVEK RAGHUVANSHI記者の2010-5-7記事「India To Modernize Road Networks In Border Areas」。
  インドがようやくパキ国境、シナ国境の軍用道路網を整備する気になった。
 インド政府は、ヒマラヤ国境地帯には、あえて道路やトンネルや滑走路を整備しないことによって、敵の侵略が抑止されると考えてきたが、それは間違いだと悟った。※1960年代に気付けよ!
 シナ国境にある30箇所の飛行場には追加投資する。
 次。
 元U-2パイロットのCHOLENE ESPINOZA 女史による2010-5-6NYT寄稿「The Last Days of the Dragon Lady」。ドラゴン・レディはU-2の別名でもある。
 パワーズが撃墜されたのはもう50年も前の話だが、まだU-2は現役だ。おどろくべきことだ。
 しかし Global Hawk drone がU-2をお払い箱にするのは確実な情勢となっている。
 わたしは1990sにU-2を操縦していた。
 高度7万フィートを飛ぶために、極限まで軽量化してある機体だ。
 高高度での操縦はものすごく面倒だ。
 なぜなら空気が薄すぎるので、速度を小さくすると揚力を失ってストールしてしまうし、かといって速度を出しすぎても、その空気の薄さのために、今度は操舵不能に陥って、回復不能な急降下に入ってしまうのだ。※たぶんグロホも同様で、SA-2を避けるなんていう機動はどだい不可能なんだろう。
 着陸も命がけだ。なにしろ重量削減のため、フツーの着陸車輪が備わっていないからだ。
 U-2の着陸はビリヤードと同じだと言われた。どうやって突くかではなく、その前にどうやって体を正しい位置につけさせるか、がすべてなのだ。
 ほんのわずかな操縦上の過不足が、死に直結する。綱渡りだ。
 極端な気圧変化にさらされるため、体表を虫が這う感覚に悩まされ、着陸後に全身がもの凄いみみず脹れに覆われていたというパイロットも。
 これは潜水病の症状で、血中の窒素が気泡化して脳血管を詰まらせたり視神経を損壊して後遺症となることもある。U-2は悪天候〔の乱流や横風?〕に弱いために着陸できない場合があり、〔雲などを避けて再び高度を上げたときに?〕パイロットがこれにやられる。
 ※着ている宇宙服の再与圧が間に合わないのか? あるいは減圧が早すぎることがあるのか?
 リモコン偵察機にはできない、空中でのトラブル対処が、有人偵察機ならば、可能なのだ。
 尾輪は 12-inch である。
 次。
 Lawrence Ulrich 記者の2010-5-6記事「 The Internal Combustion Engine Is Not Dead」。
  フォルクスワーゲンが、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの両方とりつけた1.4リッターの小型エンジンを実現。コンピュータ制御によってはじめて可能になった。
 4気筒で 172 馬力。
 燃費は45 miles per gallon くらいになるのではないか。欧州の高速道では。
 また、GMとVWは、ディーゼル・エンジンの仕組みでガソリンを燃焼させる homogeneous charge compression ignition (HCCI) engine を投入する。従前のガソリン・エンジンよりも15%燃費が節約できる。
 吸気には高熱の排気ガスもまぜることにより、圧縮点火しやすくしてやる。
 また、メルセデスは2011後半に、ディーゼルとリチウムイオン電池のハイブリッド車 E 300 BlueTec Hybrid sedan を欧州市場に投入する。
 おそらく燃費は 58 miles per gallon となる。


「竹に短冊……」が2か月後に迫った。

 函館ローカルの奇祭、いや、奇習と謂うべきか、袋を持った小学生以下の子どもたちが7-7に各戸を回り、なぜか蝋燭をねだるのである。戸主はそれに対して素直にローソク1本を渡すことはなく、代わりに大量に用意した菓子類を分配することになっている。菓子をくれる家庭は、玄関周りの見えるところに竹の葉付きの枝を出しておくから、子どもと引率の大人には簡単に目星がつくのである。
 この菓子類だが、しかし、典型的なジャンクが多く、子どもの健康に気遣う家庭では、じつに処理に困ってしまうことがある。町内を一巡してせっかく袋一杯にかきあつめたものを、「やらぬ」というわけにも行かんしね。
 そこで提案したい。〈子どもがまるごと1本齧っても健康にはいささかも問題が無い厳選材料でこしらえた期間限定のキャンドル型クッキー〉を地元菓子工場は生産し、6月末から売ったらどうだい? これなら単価が高くても需要はあるはずだ。
 今から準備を始めれば、きっと間に合うでしょう。
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 Sharon Weinberger記者の2010-5-5記事「Researchers Seek DNA Of Cyber-Attacks」。
 2009-3にどっかの国の阿呆が、米国内の情報関係公務員を偽称し、ウィルス入りの電子メールをペンタゴンの職員に一斉送信した。
 そこにはもっともらしく「 U//FOUO」と書いてあった。これは米国防総省内で「unclassified/for official use only」の略号として通用している文字列であった。そしてタイトルとして「北鮮が日本を核攻撃」( North Korea had carried out nuclear missile attack on Japan)などとあり、思わず開いて見たくなるように工夫してあった。※湾岸戦争のとき「イスラエル 核攻撃/か(以下、遠くからは見えず)」という釣りな大見出しで思わず夕方の駅売り『東スポ』を神保町の地下鉄ホームで買ってしまったことを思い出す。
 DARPAはこうした悪戯メールの差出人を有効に懲罰するための研究に $43-million を助成する。
 具体的にはサイバー・ゲノム【Cyber Genome】を解析・蓄積しておき、わずかな痕跡や特徴から犯人を確実に同定できるようにする。最終的には、犯罪捜査の「指紋」に相当する証拠力としたい。
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 サイエンスデイリーの2010-5-5記事「Tiny Hydrophobic Water Ferns Could Help Ships Economize on Fuel」。
  ボン大学の研究者が「salvinia molesta」というwater fern【サンショウモやデンジソウのような水性シダ】の疎水性の秘密を明かにした。
 この葉っぱは決して濡れるということがない。完璧な撥水性があるのだ。
 ごく薄い空気の膜が覆っているためだ。この撥水力は水中に数週間漬けておいても損なわれない。
 この性質は競泳用の水着などに適用できるのではないかと関心を持たれてきた。
 しかし人工的にこの撥水表面を模造しても、従来は、数時間の流水で、撥水機能が消滅してしまっていた。
 ようやく最近、解き明かされた自然の秘密は、葉の表面にびっしり生えている髭状短繊維毛の先端が、逆に親水性なのだということだった。そのために空気層は、髭繊維毛の根のまわりにしっかりと捕獲された状態であり続けるのだ。
 こいつは、蓮の葉がどうやって「自己清掃」しているのかを20年前に解明して以来の発見だ。
 高速コンテナ船はその推進力の半分以上が船体の水との摩擦抵抗で失われている。
 空気層の技術を応用すれば、その摩擦抵抗は1割減るだろう。
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 ノーヴォスチの2010-5-5ニュース。
 2隻のロシア軍艦(黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦『Moskva』と、北海艦隊の旗艦の核動力ミサイル巡洋艦『 Pyotr Veliky』)が、インド洋上で、対核訓練を実施。200キロトンの原爆弾頭が艦隊から15浬離れたところで炸裂したとの想定。
 基本は、すぐにすべての扉を塞ぎ、気密&水密を極限まで高めること。
 この2艦は、6~7月にウラジオストックでの海軍大演習「Vostok-2010」 に参加する。
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 2010-5-6記事「More Of The UAVs No One Wants」。
  無人ヘリの最新商品。 Fire-X は、 2.7 ton の 「Bell 407」有人ヘリを 改造したもの。開発チームは ファイアスカウトと同一。装備もかなり共用。
 米陸軍はすでに RQ-8B Fire Scout UAV (unmanned aerial vehicle) をキャンセルしている。ファイアスカウトは2トンの無人ヘリで、ベースは民間用軽量有人機の「Schweitzer 330」である。
 米海軍版の方は、採用されている。型番は RQ-8A である。海軍は滑走路を好きにとれないから、フリゲート艦上での回収容易なヘリ型無人機が重宝なのだ。しかし陸上では、燃費が悪いため、ヘリ型無人機は、どうしても固定翼型無人機の滞空時間の長さに負けてしまう。
 Kaman社は、同社の有人の K-MAX ヘリを米海兵隊用に無人機にして売り込んで入る。それが Kaman K-MAX UAV で、重さ 5.4 ton 、巡航速度 148 km/時で6時間滞空である。スリング懸吊荷重は 2.7 tons である。
 10年以上前から存在する無人ヘリ「 A160T」は、自重3トンで、リモコンでも、事前プログラムによってでも、飛行する。ベースは「 Robinson R22 」有人ヘリで、136 kg の荷物を載せて40時間飛べる。
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 2010-5-6記事「Carrier Trials For Predator Cousin」。
   ジェットエンジンの「Predator C」アヴェンジャーは、海軍向けのプレデター兄弟として、陸軍向けの「 MQ-1C Sky Warrior」よりも早く完成する予定だったのだが、完成が計画より3年以上遅れてしまった。2009末時点では Predator C は公式には存在しなかった。
 しかしようやく、当初からの目論みであった「 Sea Avenger」としてのテストが始まる。すなわち、空母搭載の無人偵察攻撃機だ。
  Predator C は全長が 14.2 m、主翼と尾翼はステルス配慮形状。
 エンジンのエアインテイクは背面。
 胴体内弾倉に 1.4 tons of weapons または2時間分の予備燃料を積める。
 予備燃料なしだと滞空20時間。
 推力 4,800 pound のエンジンは赤外線センサーによって探知されにくくしてある。
 メーカーのGeneral Atomicsは、ステルス担当部を社内に設けて取り組んできた。世界最大の屋内 radar cross section testing facilityも建設するという力の入れようだ。
 対地レーダーをとりつける場合は、コンフォーマルに成型して胴体下に貼り付けることになる。
 艦上機なので、主翼は折り畳める。テイルフックもある。車輪も、着艦衝撃に耐える頑丈なものだ。全重は9トン以上。
 単価は $20 millionになるだろう。
 飛行高度は6万フィート。
 大洋は横断できるが、その偵察能力は、グローバルホークの85%くらいだと見積もられている。しかし値段はグロホの半分だ。
 グロホのメーカー Global Atomics では脅威を感じ、このプレデターCに対抗して “Global Hawk Lite” を開発しているところである。
 MQ-4 Global Hawk は、最小限の偵察器材しか搭載しないものでも、 $40 millionもする。
 偵察衛星なみの高性能偵察器材は $60 million 以上する。これを、 $20 million のPredator C にも、また、 $40 million のGlobal Hawkにも搭載できるわけだ。
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 アジアンディフェンスの2010-5-6記事「The Pride Of China Crashes And Burns」。
  この3年間で2機目の墜落公表。シナ空軍の J-10 戦闘機だ。
 たぶんもっと墜落しているに違いないが、隠されているのだろう。
 2010-4-22の墜落で死んだパイロットは、先任の大佐(senior colonel)だった。このため派手な葬儀が行なわれ、なんで死んだのかを説明しないわけにいかなくなってしまったのだ。
 2007年の墜落は、水田に落っこちた。すぐに機体は撤去されたものの、住民が携帯カメラで撮影をしてインターネットにUpしてしまい、これも隠し通せなくなった。
  J-10は既に200機ほども量産されたと見られている。
  J-10 は 1988 に開発開始。イスラエルが放棄した Lavi (an improved F-16) projectを買い取ったのだ。初飛行は 1996だった。
 エンジンはロシア製 AL-31Fのコピーで、 Su-27用とも同じである。これの信頼性が低い。
 電子機器はイスラエル製とする予定だったが、アメリカの横槍で、それは不可能になり、ロシア製を参考にしてシナで国産するしかなくなった。これも不具合の一因だ。
 重さはF-16近似の19 tonsである。空中機動力はF-16に劣る。
 これを自覚したシナ空軍では、 J-10C として爆撃用途に使うようになっている。こちらは複座にしてweapons officerを乗せ、4トンの爆弾を運べる。
 F-16の半値であることを武器に世界のF-16ユーザーにリプレイス用としての売り込みをかけている。
 しかしたくさん出回っている中古F-16の値段は新品のF-10よりも低いため、このセールスは成功していない。
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 元CIAの CHARLES FADDIS がNYTに2010-5-5に寄稿している記事「Al Qaeda’s Nuclear Plant」。
   New Jersey 生まれで、東海岸の原発で保守労務者として5年働いた経験のある高卒のアメリカ人Mobleyがイエメンに引越し、Al Qaedaに加わり、3月にイエメン政府に逮捕された。
 彼は、原発をメルトダウンさせるにはどうしたらよいのかの情報をテロリストに教えたのではないかと心配されている。
 火力発電所と違って原発は、何かあったときにはすぐに shut downするように設計されている。ただしシャットダウン後も数日間は冷却水が循環しないと完全に安全にはならない。ここに危険が存在する。
 冷却水のポンプや取水パイプは、大した防護もされず、屋外に曝し置かれている。自動車爆弾をチーム運用すれば、破壊できる。なにも炉心や制御室に忍び込む必要などはないのだ。
 Sharif Mobleyは低級作業員〔原発ジプシー〕だったが、そのくらいの察しはついたはずだ。警備員の数、その武器、入門の際の手続きなどもね。
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 星条旗新聞の記事「ABERDEEN PROVING GROUND, Md. 」。
 米陸軍がアバーテーィーンに軍事リポーター達を招待して、全部で50種類ものいろんな現用火器を撃ってみせ、あるいはじっさいに撃たせてくれた。
 兵隊がやっていることとの違いは、射撃後の銃の清掃や、空薬莢拾いをしなくてもよいことだ。※さすがに米軍も射場では薬莢は拾っているのか。まあ、25ミリまであるみたいだしね。
  最新のチタニウム製の M-240L 軽機は、この夏から9000梃の量産が始まる 7.62 mm machine gun で、従来品よりも6ポンドも軽い。
 6月から駐アフガン米軍に支給される新戦闘服は、ズボンの股が裂け難いように改善されている。従来、兵隊たちはこの戦闘ズボンの縫い目のことを「空調装置」と呼んできた。それほど破れやすかった。
  M-107 .50-caliber sniper rifle を発射すると、衝撃波、コルダイトの悪臭、そして生暖かい風がキミを包む。映画の“The Hurt Locker”では味わえない。
  .50-caliber machine gun を兵隊は “Ma Deuce”と呼ぶ。
 1930年代から基本的な設計変更がないものだが、銃身交換を高速化する改善がされた。
 ※デンジャールームの記事で捕捉すると、ヘッドスペース調整が無用になったらしい。ヘッドスペースというのは、薬室後端とボルト前端の間のコンマ数ミリの隙間で、これは銃身をねじ込んだあとに、専用セットのゲージを使って正確に調節する必要があった。「無故障」が売りのキャリバー.50だが、この調節をしなければ、ただの単発銃になってしまうのだ。
 以下、デンジャールームの記事で捕捉。
  XM25 の airburst 射撃も展示された。これは 25mm 弾に時限信管を組み込み、発射の直前に、精密に自爆時間を付与することができるハイテク機関砲で、たとえば、家屋の窓枠のちょっと内側で弾頭を爆発させ、室内のどこにいるか分からない敵ゲリラを火制してしまうという離れ技が可能になるのだ。※無蓋塹壕に対する頭上破裂射撃もできるわけだ。すごすぎるね。
 この25ミリ機関砲は $30,000 で、すでに特殊部隊の手には渡っている。
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 Jeff Stein 記者の2010-4-19記事「Fifth Fleet ready for Iran attack, experts say」。
 2005年、海兵隊が「イラン軍」役になって、プロペラ飛行機とモーターボートのスウォームでバーレーン拠点の米第五艦隊を襲った。2時間弱で第五艦隊は行動不能に陥った。
 勝利のコツは、敵対行動を始める前に、それらの攻撃部隊を米艦隊に十分に近接させておいたこと。
 そこで米海軍は、2002から開発していた、5インチ艦砲を「特大ショットガン」に変える弾薬「 MK 182」を、ペルシャ湾に限らず、搭載させている。
 難問は、いつその発砲命令を下すのかということ。
 2008-12-19に『 USS Whidbey Island』がイランの小型ボートに警告射撃を行ない、イラン舟は逃げた。
 ※25ミリのエアバーストが、ペルシャ湾でも活躍しそうな予感。


こんどは海軍のリストラが来ると思われる。

 ゲイツ演説が波紋を起こした。奴は本気である。
 Jim Garamone 記者の2010-5-3記事「Navy, Marines Need Adaptable People, Gates Says」。
 メリーランド州でゲイツが吼えている。
 おまえら海軍と海兵隊の士官どもよ、 vision と insight を持て!
 世界も技術も、変わり続けているんだぞ。
 これが見えている有能な海軍士官よ、上司も説得せよ!
  Marine Corps Lt. Gen. Victor Krulak は偉かったぞ。ヒギンズボート〔日本の大発を真似したもの〕の装備化を推進したし、ベトナム戦争にも適応していた。
 輪形陣【circular formation】を考えたニミッツも偉かったぞ。
 原子炉は大きすぎて潜水艦には積めないという常識を克服した Adm. Hyman Rickover を見習え。
  Navy Lt. Cmdr. Roy Boehm は after World War II に SEALs を創設したじゃないか。
 彼らは、組織の強烈な抵抗に打ち勝って、改革を推し進めたから成功したのだ。
 お前ら、 must have the maximum flexibility to deal with the widest-possible range of scenarios and adversaries だぞ。
 ※他の記事も総合すると、ゲイツ氏はフォード型空母も次世代SSBNも減らす気のようだ。彼はマクナマラ伝説を完全に超えるね。
 このさい、オールドタイプの原子力空母を1~2隻日本が米国から買い(ただし飛行機は買わない)、それをヘリコプター給油専用の「浮かぶ飛行島」として、西表島の船浮湾などに防潜網を張って繋留するのが善いだろう。ゲイツ氏は、渡りにフネととびつく筈だ。
 以下、関連してデンジャールームの要約。
 ゲイツいわく、こんご30年間、 11もの carrier strike groups を維持する必要はない。
 米海軍の1隻の空母にすら対抗できる艦船など世界中どこにもありはしないじゃないか。
  project power across the oceans の必要はあるけど、すでにその能力を享受しすぎなんだよ。
 もっと必要なものがある。たとえば riverine operations の復活。(ベトナム以来となる。)
 次世代空母 Ford-class の箆棒なコスト。もう許せん。$15 ~ $20 billion をシナの対艦弾道弾の危険にさらすことなんてできるか。
 昨年学んだことは、AK-47s と RPGsしか持ってないソマリアの海賊退治にイージス艦なんていらんちゅうこと。
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 2010-5-6記事「Saving Sevastopol」。
 ウクライナは暖房用の燃料をロシアの天然ガスに依存している。これが、ものすごい負担である。
 そこで、あらたなとりきめ。ロシアは黒海艦隊のセウァストーポリ海軍基地を2042年までウクライナから租借し、毎年 $2 billion ウクライナに支払う。
 さいきん、同軍港にて運用可能だった唯一の潜水艦(キロ級、艦齢19年)が爆発事故を起こし、かろうじて自力で帰港した。
 もう1隻の艦齢29年のタンゴ級は、長期修理中で、当分は復帰予定なし。
 冷戦中の黒海艦隊は30隻以上の潜水艦を誇っていたのだが……。
 掃海艇とミサイル搭載警備艇は20隻強あるが、建造は1990年代である。
 昨年ロシア政府は、大洋用の空母の建設などはあとまわしにし、黒海とバルト海の海軍力をなんとかしろと海軍当局に命じた。
 1991にソ連邦がなくなり、ロシアは2017年までセウァストーポリを租借するとりきめをウクライナと結んだが、その延長交渉にウクライナ政府は乗り気ではなかった。
 それでロシア政府は、セウァストーポリより東方にあるロシア領土の黒海沿岸に新軍港を築造しようとした。が、ロシアの国家予算に余裕がないため、工事は中断されている。
 ロシア海軍の、北方艦隊、太平洋艦隊、バルチック艦隊、黒海艦隊の4艦隊のうち、後2者は、事実上の崩壊状態だ。
 黒海艦隊は、地中海でも作戦する。これをなくすわけには、いかないのだ。
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 Leo Shane III 記者の2010-5-5記事「Still playing the name game with Navy and Marine Corps」。
 海兵隊員が戦死すると、お悔やみの手紙が海軍長官の名前で、「海軍省」のレターヘッドがある用箋で遺族に届けられる。
 そこで Camp Lejeune を選挙区に抱えるWalter Jones議員が「 Department of the Navy and Marine Corps」という組織名に変更しようじゃないか、としつこく提案中。
 連邦議会予算局の2009-4の試算。そんな名称変更をすると、そのための出費は、 $500,000 ×数年分、となるだろう、と。
 アリゾナ選出上院議員で海軍OBである John McCain は、200年以上続いている名称の変更には反対。
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 Noah Shachtman 記者の2010-5-5記事「Army Spy Plane May Have Snooped on Bomber」。
  米陸軍は、どうやら、 RC-12s に Guardrail Signals Intelligence (SIGINT) system を搭載して、NYC上空を飛ばし、プリペイド携帯の信号を傍受し、テロ対策に役立てたいらしい。
 RC-12 は  Hawker-Beechcraft King Air B200 を改造した機体。
 初期バージョンは変なアンテナだらけで、一見して特殊用途機だったが、最近はそうは見えなくなった。
 米空軍は2009-12時点で 37 機をアフガン上空で飛ばしている。
 なぜ陸軍も SIGINT planes を要求するのか? それもNYCのテロ対策用に。 NSAでは不足なのか? さっぱり分からん――と記者。
 2007に Northrop Grumman 社は米陸軍から $462 million もらって、無線電話傍受機の改造を請け負った。 Tobyhanna Army Depot はNYCから遠くない。
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 Emily Singer記者の2010-5-4記事「Photosynthetic Fish and Other Oddities」。
  光合成する魚をつくっちまっただよ!
 全地球の光合成の半分に関係している藍色細菌を、ゼブラフィッシュの胚に入れたら、そのまま成長してくれましたわい。
 セブラフィッシュの胚に大腸菌【E. coli】を入れる実験では魚は死んでしまったのだが、藍色細菌は受け入れられた。
 ※わたしは『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』の中で、カツオノエボシというクラゲを遺伝子操作して光合成させるようにするのが善い、と提案をしました。それは荒唐無稽ではないことが、そろそろ分かっていただけますでしょう。
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  Clay Dillow 記者の2010-5-5のまとめ記事「 Omni-Focus Video Camera Can Focus Near and Far at the Same Time」。
  University of Toronto が、多重焦点のビデオ・カメラを完成したと言っている。(なぜかサンプル映像は「達磨」。)
 これはセキュリティ・カメラの不明瞭な映像も十分に高解像度なものにするし、また内視鏡手術のカメラ映像を、肉眼とも変わらぬものに近づけるだろう。


(ポツリと)外道に人権は無いだよ……加納刑事(ウソ)

 タイムズスクウェア爆破未遂事件で報道されているM-88という市販の花火について非常に気になったので調べてみますた。
 Bob Weaver氏が2008にUPしている解説文「What is an “M-80,” anyway? And why can’t you buy one?」によると、M-88は合法花火なので、NY州でもコネチカットでもどこでも買えるようです。
 他方、米国では、闇市場で、M-80というとんでもない巨大爆竹も手に入るようです。そして今回の犯人は、それを入手しようとしたり、M-88をほぐしたりはしなかったらしくみえる。教育程度が低いやつで確定でしょう。
 米国では薬量50ミリグラム以下の爆竹や花火しか市販できません。 50 milligramsとは「0.05 grams」のこと。これを越えて火薬が充填されていたら、それは今日の米国では違法。形状は、無関係です。
 M-88はこれを遵守している市販品です。ちなみに花火を規制している連邦当局はATFE (Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives) といいます。
 業務用の打ち上げ花火や仕掛け花火のことは「1.3G」というらしく、これはATFEの許可を得た人が扱うことができます。
 では薬量が超過していて子供が指や聴力を失う危険があると指摘されるM-80とはどんな爆竹なのか。
  “M-80” は闇市場では別名 “Cherry Bomb” ともいいます。※ラナウェイズか。
 薬量が合法品の50倍もある。なんと3グラム弱の火薬が入っているのです。
 ちなみに「ダイナマイトの1/4に相当する」というデマが、教育熱心なニュージャージー州にはありますが、ダイナマイトの1/4なら爆薬35グラムとなり、筒の外観のサイズはともかく、威力は比較になりません。
  M-80 に入っている火薬は “flash powder”であり高性能爆薬ではありません。
  M-80 の主成分は 過塩素酸カリウム【potassium perchlorate】です。
 花火爆竹の爆燃 deflagrates と、ダイナマイトやTNTの轟爆 detonates の違いもあります。後者は爆圧が超音速で広がりますが、前者は然らず。
 つまり化学的には黒色火薬は爆薬ではないのですが、米国の法律上、ATFE はこれを、爆薬と同格に扱います。
 M-80/チェリーボムは、1966に”Child Protection Act”の成立によって禁止されました。だから、米国内で売るのも所持するのも使用するのも違法なのです。
 リアルのM-80とは米軍用の「擬砲火」なのです。
 円筒の長さは 1.5 inches で、直径は「16分の9」インチ。
 そして円筒の側面に fuse が突き出しています。
 中味は、 45 grains の調合火薬です。1グレインは 64.799 milligrams です。よって、それを45倍すると、 2,916 milligrams となります。ちょうど、 3 grams 未満です。
 リアルのチェリーボムは直径3/4インチ、外側には、おが屑をsodium silicate【珪酸ナトリウム】でまぶしたものが塗ってあって、赤く染めてあります。威力はM-80より弱いのですが、やはり非合法です。
 ドイツ、メキシコ、フィリピンではこのクラスの大きな花火も合法です。
 米国では1976には火薬成分についても定義されました。
 Aerial “reports”【爆音】、〔つまり運動会の開催確認用打ち上げ花火みたいな〕信号火薬には、 129.6 ミリグラム までの火薬を詰めることが許されています。
 花火のブランドとしてM-60, M-70, M-90などがありますが、ほとんどは合法です。
 M-80ではないのにM-80のような名前がついているのは、要するにギミックです。
 ところが合法花火に M-80とかCherry Bombをマンマ命名している商品もあり、たいへんまぎらわしく、困ったことです。
 闇市場で出回っている M-80 は、正規の工場から出荷されたものではありません。
 他のネット情報では以下のことが分かる。
 「シルバーサリュート」はチタン粉によって光を派手にしたもの。音は大したことはない。
 薬量が同じでも、筒の両端末をしっかりシールしてあるほど、大きな音になる。※ユーチューブでM-88強化の動画がヒットする。
 m-98s は薬量は同じで、チタン粉のかわりに flash powder をきつく包んである。
 次。
 Jim Garamone 記者による記事「National Guard Chief Notes Pain of Transformation」。
 州兵には陸軍と空軍とがあるが、その空軍の親玉である Air Force Gen. Craig R. McKinley が Defense Writers Group を集めての朝食会で次のように語った。
 州兵部隊を2000人まとめて90日の準備でアフガンに送り出せるなんて15年前には考えられもしなかった。
 最も古びた装備しか与えられなかった州兵空軍は、2001-9-11以降、最新装備を受領するようになった。
 陸&空の州兵は、5万から6万がイラクとアフガンで戦闘中。州兵の全勢力は、358,000である。
 陸軍の州兵は、「1年の本土、3年の海外前線」勤務というローテーション。これを「1年の本土、5年の海外前線」勤務としたい。
 州兵の充足率は高く、新規募集は停止している。
 海外に出ている州兵は全部で 66,000 いる。
 ※DefenseAlertの2010-5-4の見出しをみると、同将軍は、米本国の北部国境、南部国境の見張りのために、アフガンからUAVをすこし戻してもらいたい、とも発言したようだな。
 次。
 サイエンスデイリーに2010-5-4に載っけられた紹介記事「Cell Phones Could Double as Night Vision Devices」。
 ちょっと特亜っぽい名前のFranky So先生がフロリダ大学にて、陰極管の代わりに発光ダイオードを使う、50円玉サイズのミニ暗視器材を開発。これは携帯電話に組み込み可能だと。
 従来の暗視用ゴーグルは、光電管【photocathode】で、赤外線の光子を電子へ変換する方式だった。これは高価。
 高電圧が必要であり、しかも真空管類似の頑丈なガラスの陰極管が不可欠だったから、かさばりもした。
 So先生は、この真空管を追放し、膜状の有機半導体の多層構造としたのだ。
 光を検知したらLEDが発光。軽量なプラスチックにも適用できる。
 旧来の暗視ゴーグルは重さ1ポンド以上で値段は数百ドル以上。
 しかし携帯電話用の暗視チップは全部で数オンスの軽さにまとめることができ、量産は液晶パネルとおなじくらいたやすい。
 自動車のフロントグラスにも応用できる、と。※すで某欧州メーカーが「夜よく見える赤外線強調フロントグラス」を試製していますね。
 So先生もDARPAから研究費をもらっている。
 次。
 おなじくサイエンスデイリーの2010-5-3記事「Improving UAVs Using Holographic Adaptive Optics」。
   hologramsに必要な calculations を軽いコンピュータで実現。よってこれをUAVに搭載し、超高空から超微細な地上映像を電送できるようになる。偵察革命になる、と。
 次。
 ポピュラーメカニクスのDan Koeppel記者の記事「The 6 Most Popular Border Fence Technologies」。
 アリゾナの不法移民対策など簡単だ。国境に穴のないフェンスを敷設すればよいだけだ。では最近の壁商品はどうなっているか。
 The Landing Mat は古くからあるもので、高さ10フィートの corrugated steel である。
 もともとは、ベトナムでヘリ・パッドを急造するときに使っていた鉄板であった。
 電動ノコギリで穴をあけるのは容易。よってこのタイプはもう使うべきじゃない。テキサス州ではこの壁材は国境には使っていない。
 SBInet はボーイングが開発中のバーチャル・フェンス。
 地中にセンサーが埋められ、点々とカメラ・タワーを建てるもの。
 越境者を発見しだい、警察に通報する。
 しかし、誤作動や低速な通信の問題があり、Tucson南部でテスト中だが、Homeland Security secretary Janet Napolitano も、こんなものに予算は出せないなと疑問表明。
 国境地区の住民がいろいろと監視カメラを私設し、それをぜんぶネットで結べばいいじゃないかという案もある。
 ヒット&普及中の商品は、「Anti-Ram」。
 だいたい $3.8 million per mile と高額なだけある。
 高さはランディングマットより高く、地下部も6フィートまでもあり、トンネルを容易に掘れなくしてある。
 10,000-pound vehicle が 40 mph でも突破できないという。
 次。
 2010-5-4記事「Russia Releases All Its Soldiers From Their Cells」。
 内務班というよりは刑務所の監房に近かったロシア軍の兵舎が改善される。
 週末の2日は、営外で過ごしてもよくなる。
 将校は 150,000 も馘首された。
 連邦解体いらい出生率は下がり続けているので、志願兵に頼らなくてはならない。
 最近の調査では兵役適齢男子の75%は軍隊なぞに行きたくはないと回答。
 最大の理由は、ロシア軍には抜きがたい hazing【新兵いびり】の慣習があるからだ。
 そのため、軍隊内の自殺率が世界一高いのはロシア軍である。純然たる事故死率も含めて、米軍のおよそ2倍と言われている。
 徴兵年限は今では1年間である。
 民間にくらべての低賃金のため、最良の NCOs【下士官】からどんどん軍隊を辞めてしまうことがロシア軍最大の問題である。事実上、プロらしい下士官はロシア軍には存在しない。
 このため将校たちは、志願兵のなかの古参兵(3年兵以上)たちに、営内の仕切りを丸投げするほかないのだ。これが新兵いじめの温床。
 伝統としてロシア軍は、下士官は何も決定せず、ささいな指示もすべて将校に仰いできた。これは変えなければならない。※ノモンハンでの不可解なBTの運動は、このような組織理論を知って、はじめて納得できるだろう。
 再教育された新しい曹長たちは、$1,100 の月給を貰うだろう。これは下級将校よりも高額である。
 次。
 2010-5-4の記事「Smaller Bullet Gets The Longer Shot」。
  2009-12に、英軍所属の狙撃兵 Craig Harrison伍長が、狙撃距離の新記録をつくったことが明かに……。なんと 2,620 meters で2人のタリバンを倒したのだ。
 ※ゴルゴ、負けた……。あの劇画では最大2000mでしたな。それもM-16じゃなくてボルトアクションの7.62ミリ型を借りるという、自己世界ブチコワシな挿話だった。
 使った銃は、重さ6.8kgの L115A3 ライフルで、口径 8.6mm、弾薬は Lapua Magnum round であった。※軽機並に重い特殊銃ですな。
 それ以前の世界記録は、カナダ軍の Rob Furlong伍長で、2002年にアルカイダの銃兵を 2,573 meters で殺していた。ただし、こっちは 12.7mm の狙撃銃を使ったのだ。重さは上記狙撃銃の倍くらいある。
 3年前に英陸軍は、 3,000梃の 7.62mm L96A1 sniper rifles を、 .338 (8.6mm) Lapua Magnum caliber round を使う改良型に交換しはじめていた。
 メーカーは、 Accuracy International で、会社では “Super Magnum” rifle と呼び、ベースは L96A1 “Arctic Warfare” rifle で、それを 8.6mm Lapua Magnum round に対応させたのだ。
  L115A1 はスコープなしで重さ 6.8 kg ある。
 全長は50インチ、そして銃身長は 27 inch で弾倉容量は5発。
 イラクでもアフガンでも狙撃兵は、より長射程の武器を欲しているが、12.7ミリでは重過ぎて困るのだ。
 そこで .338 (8.6mm) Lapua Magnum round ですよ。
 こいつの有効射程は 1,500 meters あり、だいたい 7.62mm standard NATO round の5割増し。
 ハリソンは3発撃ったという。そして3発目は、2人のタリバンが操作していた〔重?〕機関銃に命中したという。
 8.6mm弾は 1990s初めに市販開始された。次第に警察や軍隊の狙撃手の間で評判が高くなった。
 在アフガンのオランダ軍は、いちはやく採用して成績を上げていた。
 これを見て、12.7ミリ狙撃銃のパイオニアである Barrett社も、8.6ミリ口径として重さを 7 kg にまで減じたバージョンを発表している。
 ハリソン伍長の所属は、 Household Cavalry 聯隊で、すでに英国に戻っている。伍長は敵弾で軽傷、また、IEDで片腕を骨折もしていた。
 射撃距離の確認はGPSを使って別人が行ない、そのために時間がかかったのである。そして伍長は先月、じぶんが世界新記録を樹立したことを知らされた。
 ※これからはスコープにもメモリーがついて、レーザー測遠値をタグにつけて映像証拠をUSBに自動記録するようになるでしょうね。戦闘機のガンカメラと同じですよ。ていうか、そういう商品を日本の光学器メーカーが作って売れよ!
 次。
 AFPの2010-5-3ニュース「U.S. Says It Has 5,113 Nukes In Its Arsenal」。
  米国防総省が初めて公表。2009-9-30時点で、核弾頭のストック総数は 5,113 発であった、と。
 この数字の中には、ICBMなどの中に実戦配備されていつでも使える分も含まれている。
 また補修中とか貯蔵中で “inactive”状態の warheads も含まれている。
 ちなみに数量のピークであったのは1967年の 31,255 発。これは1993に明かされた。
 国務長官いわく。こっちがこれだけ公表してるんだから、シナも明らかにしやがれ。お前らは不透明すぎるんだよ。
 次。
 Rebecca Boyle 記者の2010-5-3記事「 Air Force Tests Method for Using Light to Heal Battlefield Injuries」。
  外科治療にもう縫合術は不要になる。光を当てれば血管や神経もくっつくようになるのだ。
   Massachusetts General Hospitalの皮膚科の女医さんが Air Force Office of Scientific Researchの助成を得て発明したよ。
 すでに眼球の傷の治療に用いられているピンク色の染料「Rose Bengal」を皮膚の外傷部位に塗り、緑色の光を照射すると、その染料が光を吸収し、電子を発散する。
 その電子がコラーゲン繊維の化学的結合を促し、コラーゲンが傷の両サイドをつないで塞ぐシールとなる。
 「ナノ縫い目」というわけだ。これは防水ともなるので従来の糸やホチキスによる縫合より安全だし、治癒後の痕跡も小さくなる。健全な組織に穴を通す必要もない。
 染料にはタンパク質や糊成分は含まれておらず、したがって炎症の原因にはならぬ。
 切断された神経や血管も、やがてはこの方法でくっつけることができるようになろう。
 ※医療の世界では皮膚科はバカにされてるんですよね。基本膏薬貼りで簡単だというので。その皮膚科医による、外科医たちへの復讐というわけでしょう。ちょうど、歩兵科の中でなんとなく機転の利かない兵隊の行くところとして下に見られてきた迫撃砲班が、レーザー/GPS誘導弾の採用により、他兵科の仕事をなくしてしまいそうな最近のトレンドと、似ています。


米国市販の爆竹には強力なものがあるだろうがジェリ缶は破れまい。

 まずABCニュースにRICHARD ESPOSITO, MICHAEL S. JAMES and DEAN SCHABNER記者が2010-5-2に載っけている記事「Times Square Car Bomber Got the Wrong Fertilizer」。
 5-1の未遂事件では、プロパンガスだけでなく、 100 pounds of fertilizerも積んでいたことが判明。
 しかしそれは、爆発しない種類の肥料であった。
 オクラホマシティを爆破したTimothy McVeighは ammonium nitrateを使ったが、NYCの未遂犯は、a metal gun locker(寸法は 55 × 32 inch )に一杯の、爆発しない肥料を8袋、入れて置いてあった。
 その中に fertilizer-like substance and an inverted【逆さにした】 pot with a “bird’s nest” of wires. ※これがよくわからない。針金が破片になることを期待したのだろうか?
 銃器ロッカーの隣には、3本のプロパン・ガス・タンク。
 プロパンガスのボンベの栓は開かれていなかった。
 車両は green Nissan Pathfinder
 また、 two five-gallon jerry cans of gasoline も。
 Attached to the propane tanks were M88 fireworks, some of which had gone off, but without igniting the gas.
 ※大型爆竹でプロパンのタンクやジェリ缶が破れると思っていたのか?
 Another alarm clock was wired to a can with up to 30 M88 firecrackers resting between the cans of gasoline.
 偽ナンバープレートは、 Connecticut junkyard から得たらしい。
  consumer-grade fireworks that you can buy in Pennsylvania and drive into New York. ※NY州では花火の規制が厳しいのか? 80年代のロックコンサートでシナ製の大型爆竹を投げて炸裂させる馬鹿な客が多く、ときどき前方の客が聴力を失ったりしていたものだ。たとえばレッドツェッペリンのライブでステアウェイトゥヘヴンのラスト直前のシーンとするところで「バン」と一発鳴っている音が入ってしまっていた。その頃日本では爆竹の1発分の薬量が0.1グラムからその半分くらいに行政指導で減らされていたと記憶する。薬量に関してはかなり野放しであった米国でも、その後、規制をしたのかもしれない。
 第一発見者の T-shirt vendorは Vietnam veteranであった。※ヒッピーの稀少な生き残りか?
 2007-6にロンドンで、類似の装置が仕掛けられ、爆発しなかったことがある。
 ※このチグハクさ、すなわち予習の浅さと実行の大胆さは、精神異常者を想像させます。
 関連して。
 Nathan Hodge記者の2010-5-3記事「How Not to Build a Car Bomb (Times Square Edition)」。
 じつは世界初の自動車爆弾は1920にウォール街で炸裂している。馬車にダイナマイトを満載して。36人以上死亡。※これはある証券会社の玄関前だったといいますから、株で大損した男が復讐したんでしょうな。
 米国で肥料を使った爆弾が使用された有名な例としては ammonium nitrate/fuel oil mixture of the sort that was used to level the Alfred P. Murrah Federal Building in Oklahoma City in 1995.
 今回に似ているのは 2007 case in Britain, where an Iraqi born in the United Kingdom attempted a car bomb attack on Glasgow airport.
 やはりガス・ボンベを用いたのだが、小さな爆燃が起きただけであった。
 次。
 Warren Peace記者が星条旗新聞に2010-5-4に載っけている記事「Special Forces look to smoke jumpers for new parachutes」。
 あたらしい MC-6 parachute は、古い MC-1 型より機動性が向上。
 空中で操縦可能で、切手の上にでも正確に降りられる。しかも高山の稀薄な空気でも問題無し。
 これまでは1回降下をするとそのパラシュートを修繕するのに数時間を要した。新型は、1時間とかからない。
 降下速度が小さいので、より重い装備も携行できる。
 また6秒あれば360度回転できるくらい操縦容易。前方への水平移動速度は、10ノットである。
 ただし、ハンドルの効き過ぎる自動車のようなもので、ジャンパーはむしろ機動操作をゆっくり控え目にすることを覚えなくてはならない。
 米陸軍は、この MC-6 と同時の2009に、空中機動ができない T-11 という新型傘も導入。こちらは特殊任務用ではなく普通の空挺作戦用。古い T-10 を更新した。
 すでにイラクで12機のC-17輸送機からこの新型落下傘による一斉降下作戦を実施済み。※それだけ大量になれば空中機動などは空中接触の危険を生むだけなので、無用の機能なのだ。
 特殊作戦では一度に12人くらいしかジャンプしない。その場合は空中操縦が有用である。また、一人あたりの荷物も余計に必要になるのでMC-6が重宝。
 ペンタゴンは 27,000 セットのMC-6 parachutes を調達し、すでに 21,000 セットが2009年早々に兵隊の手に渡っている。
 しかしこちらの新型傘はまだ一度も実戦には投入されていない。
 米軍から旧型落下傘が一掃されるのは2014の予定。
 次。
 2010-5-3の記事「German troops face pitched battles in Afghanistan as insurgency spreads」。
 ドイツ軍が2002に北部アフガン入りしてからすでに39 soldiers が殺されている。アフガンでは、独軍は、英軍の次に大きな分遣隊である。
 そもそもアフガン北部は比較的に安全な地域であるはずだった。ドイツ政府は、もっと危険な地域に行ってくれというNATOの要求を断った。
 だが北部のゲリラは、非パシュトゥーン族への浸透を成功させているらしい。タジクが支配的な北部アフガンでは、パシュトゥーンが最大勢力である。
 NATO軍司令官のマクリスタルは、あらたに5000人の米兵を9月までに在アフガンの独軍の指揮下に入れると言っている。さらに先週には、56機のヘリコプターを追加でそこに与えるとも。マクリスタルはドイツ語でも演説ができる男。
 Kunduz が争点の地区である。Latvia からロシア、カザフ、ウズベクを経由して北アフガンへ補給される物資がそこを通るからだ。
 地方政府も腐敗している。政治ボスが民兵に給与を支払っていない。
 そうなると民兵は勝手に住民から通行税を取り立て始める。
 2001以降、国連はこれら民兵の武装解除のために何百億ドルも投じてきているのだが……。
 タリバンは、まずそのシンパの説教師を、地方地区に送り込む。ついで、司令官たちが武器をもたずに乗り込み、ひそかに反政府ゲリラ機構を組織化。それから政府側要人に対するテロを開始し、要人を殺す様子をビデオで宣伝する。政府要人は腐っているから、支持はタリバンの方に集まる。
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 Rebecca Boyle 記者の2010-5-3記事「 Resurrection Researchers Recreate Woolly Mammoth Protein in Living Cell」。
  4万3000年前のものかもしれないシベリアのマンモスの骨からDNAを取り出し、それを E. coli bacteria cells の中で複製させる。
 この方法により、マンモスの血液ぐらいならば、なんとか再生できる。
 哺乳類の血中のヘモグロビンは、寒いと、酸素を細胞中へ配給する機能が低下する。
 ところがマンモスだけは血液が特殊進化し、極寒の状態でも酸素を配給できていたのだということが、この再生実験によってつきとめられた。
 マンモスはアフリカで誕生したのだが、途中でこの能力を獲得し、極地で生き延びられるように進化したのだ。
 ※逆にその能力が命取りになって絶滅しちまったのかもしれんだろ。
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 APの2010-5-1記事「U.S. Probes China Diplomat Arrest」。
 ヒューストン警察が、おかしなナンバープレートの車を止めようとしたら逃げたので追いかけ、駐車場でそのドライバーを引きずり出し、後ろ手に手錠をかけて留置場へブチ込んだ。
 そしたらそいつはシナ領事館の副総領事で、駐車場は領事館の駐車場であったというのでシナ外務省が怒りの声明。
 ナンバープレートは、 expired【満期失効】もしくは、欠落の状態であったらしい。※警察官は、あきらかにこいつが外交官とわかりつつ、憎たらしいのでちょっと痛めつけてやったという図が彷彿とするニュースで微笑ましい。それと、テロ予防対策として、米国の地方警察の装備するナンバー読み取り照合システムがかなり高性能化していることも想像できます。それにしてもなんで外交官ナンバーをつけておかなかったんだ、このシナ人は? ヒューストン警察をなめるんじゃねえ!
 次。
 Eli Lake記者がワシントンタイムズに書いた記事「Clinton in struggle for Israel’s nuke secret」。
 イランとエジプトは本来はライバルだが、中東非核化決議案の国連提出については同盟国だ。この決議案はイスラエルの立場を非常に苦しくする。
 Israelは  one of the three countries in the world that has never signed the NPT. ※ちなみに他の2国はインドとパキスタン。北鮮はかつてはNPT国だったが実験直前に抜けた。イランは北鮮方式を考えている。
 イスラエルでは、新聞が「イスラエルは核武装している」と書くことは、法律違反となる。
 It is illegal in Israel for newspapers to print that the country has nuclear arms.
 1969 に President Nixon は Israeli Prime Minister Golda Meir に対して、米国はイスラエルがNPTにサインすることを求めないと約束した。代わりにメイア首相は、イスラエルが核武装していることは決して公言をしないと約束をした。このニクソンの古証文をオバマはコンファームしているらしい。※ちなみにそもそもイスラエルの核武装を手伝ったのはフランスであって、米国ではなかった。
 エジプトの決議案に向けた作業ペーパー(2010-3)は、NPT国に対して、次のことを求めている。イスラエルの核施設と核開発に関する各国の国家情報をすべて公開せよ、と。到底アメリカは受け入れられぬ。


烏が百年生きる鳥なら、それが今まで知られなかった筈があろうか?

 2010-4-30の記事「Irrational U.S. Fear of China Undermines National Security, Says Former Pentagon Official」。
  クリントン政権時代の deputy defense secretary John Hamre がシナに甘い意見を発表。 1998にHughes Co.がシナに売った衛星が不具合で、それがきっかけでシナにおびただしい衛星情報が渡された事件あり。そのときの当事者である。
 衛星関係の技術流出を嫌って禁輸をしてもシナは技術を向上させるのだから無駄だと。 Hamre said in a speech today at the Center for Strategic and International Studies, where he is currently the CEO.
 欧州の人工衛星は、いまや米国製部品を一つも使っていない。
 1952 には世界のGDPの70%はアメリカだった。もうそんな時代ではない。
  Hamre は訴える。シナの宇宙市場こそ有望であり、アメリカはガンガン技術を売って、提携すべきだと。
 このHamreの意見は、6月に公表されるはずの CSIS の研究 “National Security and the Commercial Space Sector” を反映しているらしい。
 時あたかもオバマ政権は、武器輸出の審査を簡略化して輸出にドライブをかける方針を打ち出している。
 次。
 2010-5-2の記事「The CH-53K Conspiracy」。
 3年前、米海兵隊は古くなってしまった重輸送ヘリ CH-53E の新型モデル開発をスタートさせた。それが CH-53K であり、2011に初飛行の予定であった。ところが、その完成は遅れに遅れている。初飛行は3年以内には無いだろう。
 そして2015までに部隊配備されることもないだろう。
 海兵隊としては、 CH-53K計画のために MV-22 の予算を削られたくはないと考えている。
 しかし海兵隊内にも CH-53Kの支持者がいる。2009に海兵隊は、古くなった CH-53D を MV-22によってではなく、より安価なCH-53Kで更新すると決定した。
  CH-53K は単価が $27 million となる見込みであった。それは MV-22 の単価の三分の一だった。
 しかし完成が遅れると単価はハネ上がる。 CH-53K は 1機につき値段が$5 million 上がるだろう。
  それでも CH-53D を190機の CH-53Kで更新するとした場合は、MV-22の半分のコストで済むだろう。
 海兵隊のCH-46E (200機以上あり) と CH-53 A/D (約 70機) は、当初計画では348機の V-22 Osprey でリプレイスするつもりだった。
 が、 V-22 の量産が遅れているので、CH-53Kの見込みが増えてきた。
  CH-53K はオスプレイよりたくさんの荷物を運べる。 MV-22 はCH-53K の2倍の速さで巡航できる。海兵隊はこの速度を作戦上、重視している。
 ※超大型ジェット輸送機のハラから敵地上空で小型人員輸送ヘリをバラ撒いたらいいんじゃね?
  CH-53E はアフガンの高山でも重い物を運べるので貴重である。じっさい大活躍中なのだが、平均して製造から15年も経ており、飛行時間も累積平均3000時間で、ガタが来つつある。
 CH-53E は1時間飛行させるのに 44 man hours of maintenance を必要とする。それは金銭換算すると costs about $20,000 for each flight hourである。
  CH-53Eは金属疲労するまでに 6,000 時間飛ぶことができる。
  CH-53K は、CH-53Eよりも16%重い 42.3 tonsである。そして2倍の13.5 tonsを運搬できる。任務飛行時間あたりコストは半分である。
  CH-53K は飛行1時間あたりのコストを $10,000 に下げるつもりである。これに対してMV-22は $11,000 である。
 いまのペースだと海兵隊は2012から重輸送ヘリの減勢を迎えてしまう。
 次。
 2010-5-2記事「Japan Builds First Foreign Base Since World War II」。
   日本政府はソマリアの北部国境にあるジブチに$40 millionかけて対海賊作戦の基地を建設する。WWII後、日本軍の海外基地建設はこれが最初となる。
 この海域を通航する全船舶の積荷の1割は日本向けの原料もしくは日本から輸出された商品である。
 基地の完成は10ヶ月後だろう。米軍の基地のすぐ近くに造成する。
 次。
 WILLIAM MATTHEWS 記者による2010-5-3記事「Instant-Replay Intelligence?」
   フロリダの会社Harris が  Full-Motion Video Asset-Management Engine を提案。
 米空軍の UAV だけでも、いまや毎月 1,800 hours of video をあつめてくる。整理し切れない。
 これは 2007の3倍になっている。
 肝腎なのは15秒だけだったりする。それをどう切り出すか。
 そこにタグをつけてあとでリプレイできるようにすればいい。フットボールの生中継の技法から学べばいいのだ。タッチダウンのところにタグをつけておけばすぐにそこへ戻れるわけ。
 UAVビデオの metadata とは、 the date it was shot, altitude, location, time and possibly other data such as camera angles.である。
 たとえば、IEDが爆発した場所の近くにいたタイプのトラックを、全部、過去にさかのぼって捜索することが簡単にできるようになる。
 次。
 2010-5-3の「Ray Mabus  U.S. Secretary of the Navy」へのインタビュー。
 米海軍のLCSの造船所は、どちらも、外国資本が入っていますよね。
 それから、 Northrop Grumman’s Ingalls shipyard in Mississippi はイージス艦をつくっているが、ここにたとえばBAEが資本参加して秘密を盗ったらどうするんですか?
 そのような仮定の質問には答えられない。わしがミシシッピ州知事だったとき、その種の仮定の質問に予測で答えるとトラブルを引き起こすだけだということを学んでいるのでね。仮定が現実になったら、そのときは、喜んで答えよう。
 次。
 David A. Fulghum 記者の2010-4-30記事「ACC Looks At Possibilities For Future Weapons」。
 第五世代戦闘機は、「超音速巡航+ステルス」であった。
 2030に登場しそうな第六世代戦闘機は、 electronic attack ができるようになっているだろう。具体的には high-power microwave (HPM) pulses を用いる。
 無人と有人のどっちも追求する。なぜなら、The cost margin between manned and unmanned is now only about a 3-5% delta. だから。
 電波爆弾は、巡航ミサイルでも運ぶ。
 海兵隊はHPM兵器を車載にしてアフガンに持ち込もうとしている。
 一部屋の内部だけを、外部へのコラテラル無しでやっつけるには、手榴弾サイズで、破片ゼロという弾頭が適当だね。
 つまり毀害力を爆心から9フィート未満に収めたい。今ある爆弾は最低でも40フィートまでなぎ倒してしまう。
 爆弾をふつうの 250 lb. より小さくすれば、飛行機の負担も減り、より高速、高空を、より遠くまで飛べることにもなる。
 次。
 APのCristian Salazar and Tom Hays 記者の2010-5-2記事「NYC device similar to Beirut barracks bomb」。
 タイムズスクウェアの爆弾はちょっと素人っぽいシロモノだった。
 自動車の中には、 three propane tanks, fireworks, two filled 5-gallon gasoline containers, and two clocks with batteries, electrical wire and other components が入っていた。
 犯人は自動発火に失敗したらしい。
 A T-shirt vendor and a handbag vendor が最初に警察に通報した。
  dark-colored Pathfinder〔という日産の自動車?〕から白煙が出ていた。
 その hazard lights は on だった。
 花火は、爆竹だったらしい。それは発火していた。
  propane tanks and the gasoline は車外から見える状態で置かれてた。
 警察のロボット・アームがSUVの窓を破壊して爆発物を外へ出した。
 ナンバーは Connecticut 州。license plate on the vehicle did not match up そのナンバープレートはニセモノだった。
 プロパンを使うのはイスラム・テロリストの手口ではないかと疑われている。
 次。
  Mike Stark 記者の2010-5-4記事「Tests of dirigibles to use drones, missiles」。
 これからseveral yearsをかけて、Great Salt Lake北方のSnake Valley in Utah にて、軍用風船のテストをする。
 aerostats、すなわちレーダーを搭載し、操縦可能な、無人繋留気球。これを使って巡航ミサイルなどを早期警戒する。契約メーカーは、Raytheon Co., based in Waltham, Mass.
 昇騰高は1マイル。それで 100 miles 以上を360°みわたせる。1ヶ月間、浮かんでいられる。
 昨年、長さ 242 feet の気球を North Carolina で高度 3,000 feet でテストした。
 テストは 2013までやる。※3年くらいのスパンを「セベラル」というのか。
 軍はヘリウムをつめた飛行船を高度1万フィートで飛ばす計画もある。
 次。
 Matthew Cox 記者の2010-5-2記事「New gear upgrades comms in war zone」。
   Warfighter Information Network-Tactical のテストがもうじき終わる。2013から部隊配備だ。いうならば、戦場のインターネット。
 基本は high-bandwidth, terrestrial radios だが、それが途切れるような地形では、バックアップとして、 lower-bandwidth satellite radios を用いる。
 この切り替えは全自動で行なわれるので、ネットワークから疎外されることはない。
 地上系への復帰も全自動である。そのときは衛星リンクは切られる。
 米陸軍は、すでに2004から、衛星系の低速ネットは実用している。こんどできるのは地上系の高速ネットなのだ。 それでvoice通信もできる。General Dynamics C4 Systems Inc. が担当する。
 2011年後半には部隊に。
 携帯電話は、そのインフラ(鉄塔など)が無い土地では役に立たない。しかしこの軍用システムは、まったく何のインフラもないところで機能する。
 軍はさらにその次のステップとして、航空機がこのインターネット通信環境を利用できるようにする。2016に実用化したい。
 次。
 Erik Heinrich 記者の2010-5-2記事「Back to the Future: $100 Oil May Return Soon」。
 この夏までにはバレルあたりまた $100 になっちまうだろう。
  light crude の過去ピークは $147 であったが。
 発展途上国の需要が増える一方なので。
 米国の消費は省エネブームで抑制傾向だが、シナで著増中。ために世界全体では需給が逼迫。必然的にまた値上がりするのだ。
 ※たいへんな事態です。すぐに『「グリーン・ミリテク」が日本を生き返らせる!』を読み直しましょう。対策が書いてあります。


乾パンの味しみわたる皐月哉

 皆様ありがとうございました。困ったときにはお互いネット乞食となって物を貰って生き抜きましょう。こちらは「日本食えない自由業同志互助会」です。
 APの2010-5-1ニュース「Ban on Women on Subs Lifted」。
 議会の反対がなかったので、米海軍が原潜への女子乗組みは正式決定。
 SSBNだけでなく、攻撃型原潜にも乗せる。とりあえず、8クルー内にそれぞれ士官を3名づつ。
 最初の艦は、いま、野郎士官15+野郎兵140名が乗っているものだ。
 全米海軍 330,700名のうち、女子は52,446名である。
 今日、科学と工学の修士の半分は女子なので、この決定は合理的だと海軍当局。
 次。
 defensetechの2010-4-29の記事「The CH-53K is steadily eating away at the V-22 Osprey market」。
 オスプレイを買おうという海外バイヤーが減りつつある。CH-53Kの方が高性能でお買い得になりそうだというので。
 2009年後半、海兵隊は、40年使ってきたCH-53DをCH-53Kにしようと決めた。もともとはMV-22 Osprey でリプレイスするつもりだったのだが。
 ほぼ同時に、イスラエルも、オスプレイの輸入は無しとし、 CH-53Kを選んだ。
 稼働率が 65% しかなく、1時間飛ばすのにメンテナンス費用が $11,000 dollars もかかるオスプレイにとって、 CH-53K が、これからの最大脅威である。
 CH-53Kを搭載したヘリ空母型揚陸艦の方が、MV-22を搭載したヘリ空母型揚陸艦艦よりも、その艦に載っけている海兵隊の部隊に、より多くの補給支援をしてやれるということが、すでに調べられて判っている。
 つまり、海兵隊の強襲揚陸艦には、より少ないMV-22と、より多数のCH-53Kを混載するように、いまから編制を変更した方がよさそうなのだ。
 オスプレイではなくCH-53Kを買おうとしている国の中には、台湾もあるとのこと。
 次。
 defensetechの Greg Grant 記者の2010-4-30記事「Russia Losing Valuable Arms Buyer as Chinese Defense Industry Ramps Up」。
 ハドソン研究所の人によれば、シナの兵器国産率が向上して、ロシアからの輸入が著減しつつあり。
 2001年以降、ロシアはシナに $16 billion の兵器を売った。だが、1年で $2.7 billion(ロシアからの兵器輸出総額の4割に相当)売ったのがピークで、2005年以降は漸減。
 最近ではロシアの兵器輸出総額の1割しかシナは買い付けていない。この数値はもっと減り続けるだろう。※なるほどそれじゃ南米へ売り込みたくなるわな。
 シナの典型的な遣り口。1995に「スホイ27を200機、ノックダウン生産する」という契約をロシアと結ぶ。ところが2004に、その国内組み立て機数が100機に達したところで、「もうウチの要求性能に合わなくなった」と言っていきなり契約をキャンセル。そしてただちに「J-11B」というスホイ27のマルパク国産品を世界へ売り込み始めた。※9年でコピーしたというわけだ。ある意味、偉業。イスラエルと好い勝負。なお別な記事によればロシアは国産UAVはもうあきらめて、完全にイスラエルからの技術購入に切り替えるらしい。
 次。
 アジアンディフェンスの2010-4-29記事「Second Pakistani Agosta 90B SSK to be retrofitted with MESMA AIP System from 2011」。
 フランス製で、給排気を必要としない潜水艦用AIPエンジンMESMA (Module d’Energie Sous-Marine Autonome) が、パキスタンの既存の仏製潜水艦(1760トン)×1隻にも、オーバーホールのついでにリトロフィットされる。
3隻ある Khalid-class の潜水艦のうちまだ2隻はAIPを搭載していなかった。
 The liquid oxygen MESMA system is installed within a hull plug measuring 6.2 m in diameter and 8.6 m long and weighing 160 tons.
 このAIPをつけると、4ノットで潜航するときの航続時間は4倍になる。潜りっぱなしで2週間いられるのだ。
 次。
 2010-5-1の記事「The enemy within: why coalition forces fear attack by Afghan comrades」。
 昼間、米国人やカナダ人の警察官から教育指導を受けて叱られると、アフガン人警察官は恨みに思って、夜間、哨所の中の暗闇からその外人教官に対して発砲する。とにかく狷介な連中だよ。
 2009には5人の英兵が、教育訓練していた1人のアフガン人警察官によって逆に射殺されるという事件も。
 アフガン政府警察の管理職ポストは $50,000 で売買されている。管理職は皆、その地位をカネで得たのだ。ド腐れどもである。
 警察派出所をタリバンが爆破した最近の手口。満載の荷物と2人の子供を乗せたロバに爆弾をしかけてチェックポイントで起爆。あきらかに子供は自爆ミッションだとは知らされてはいなかった。
 次。
 Roxana Tiron 記者による日付不明記事「The U.S. Sniper’s More Accurate, Quieter Rifle」。
 レミントン社の槓桿式M24狙撃ライフル銃が22年ぶりにモデル・チェンジ。より静粛となってこの秋、アフガンに新登場。
 米陸軍はこの改善のために $5.6 million の予算をつけていた。
 銃身が新しくなる。現用の7.62mm NATO弾よりも重い「 .300 Winchester Magnum」弾を使用。※口径は変わらないわけだな。とすると原文で重いroundとあるのは、むしろ、大きなカートリッヂ、と書かれるべきか? 詳しい人に訊くべし。
 これによって有効射程が1400ヤードまで延びる。現行より数百ヤード長い。
 しかも、銃身に suppressor が付く。これで発射音と発射炎を抑制。
 スコープの前に、暗視装置を簡単にとりつけられるようなレールマウントもデフォルトで設けられた。これは、かねてから要求されていた。※それじゃ、いままでの夜間狙撃は、バイザーの暗視装置で昼間用のスコープを覗いていたのか???
 スコープそのものも新しくなる。16.5倍から25倍まで、可変にできる。
 レンジファインダーも付加される予定。これで、標的までの距離を計算する必要はなくなる。
 この改造の背景。
 イラクよりもアフガンの方が、交戦距離は大であることが、ようやく理解されてきた。
 イラクでは、市街戦だった。アフガンではそうではない。
 イラクの市街戦でのスナイパーの戦訓は、「1発必中というスローガンは忘れよ」。むしろ「スナップ・ショット」的に早撃ちをする感覚でないと、射撃チャンスがまったくなくなってしまう。
 次。
 JOHN REED 記者の2010-4-30記事「Afghan Surge Strips UAVs from U.S. Forces Elsewhere」。
 米軍はすでに6500機もの無人機を中東へ送り込んだ。
 需要はアフガンで緊急度が高い。需要に供給がおいつかぬ。
 そのため中南米担当の米軍サザンコマンドでは将兵がUAVに習熟できないでいる。米軍パシフィックコマンドではもっと遅れている。
 2001には、米軍はぜんぶでわずか200機のUAVを作戦させ得るのみだった。
 しかし2012には8000機となるだろう。
 以下、余談。
 日本は先進国の中で、零細土建会社の数が最も多い。この数は、ある国の経済が発展すれば、自然に減るものなのだが、日本でのみ、逆だ。特に沖縄県は甚だしい。あんな狭い県に、無数の零細土建企業がひしめきあっているのだ。
 理由は、公共事業である。国の公共事業の予算が、県の政治ボスたちによって、郷土の下請け零細土建会社の従業員を食わせることに使われる。そして政治ボスたちは見返りに、票や闇献金を得ている。
 零細土建会社には、技術力がない。たとえば高層ビルの建設などは請け負えない。10階建てのホテルの柱を1ミリのブレもなく垂直に立てることができるのは、本土の最大手のゼネコン数社だけだ。
 ならば、地元の零細土建会社に下請けが可能なのは、何か? それはたとえば、土砂をトラックに積んだり、トラックから下ろしたりといった、何の精密技術も必要とはしない、原始的な土木作業なのである。
 「波打ち際の大規模埋め立て事業」は、このような初歩的作業でしかフトコロを温かくする道のない会社にとっては、まさしく垂涎の案件である。
 おそらく、沖縄県では、いまだに自民党贔屓の零細土建業者が多いのだろう。したがって、普天間基地の引越し先として、「沖縄県内の波打ち際の埋め立て」を選ぶことは、民主党にとっては、次の選挙での自殺行為にしかならない。敵の自民党の関係者を、キックバックで肥やしてやるだけになるからだ。
 そこで民主党としては、普天間基地の引越し先を県外とするか、やむをえず県内にする場合でも、「埋め立て」以外の方法としたいのだろう。ダンプカーの出番さえなくしてしまえば、国の公共事業予算で沖縄県の自民党支持者を強化するという事態にはならない。
 では民主党は、いかにしたらこの案件を、「党利」に結び付けられるか。
 浮体滑走路や、杭式桟橋滑走路は、本土の大手ゼネコンと鉄鋼メーカーが儲かる話だ。だから、とうぜん民主党幹部は、これらの会社の幹部に、「献金しろよ」という話を、もうつけてあるのだろう。
 普天間の移転話が最初にもちあがったとき、鉄鋼メーカーは、最新ハイテクの浮体式をやるのだと意欲満々だった。しかし自民党は鉄鋼メーカーにそっぽを向き、地元土建業界を肥やす方法を選択し、日本の競争力を低下させた。あのときいらい、鉄鋼メーカーは自民党には恨みがある。このたび、民主党をサポートするのに、この不況下だ、もはやなんのためらいもないはずだ。
 さて、献金が入るのはよいが、沖縄県の大衆票が民主党から逃げるというのでは困る。そこで民主党は先ごろ、普天間問題に関する大衆動員大会を開催し、マスコミに派手に報じさせることで、地元の土建屋とそれに結託した自民党関係者を沈黙させてしまったのだ。うまいやり方だろう。
 沖縄の海兵隊基地移転問題には「戦略」などこれっぽっちも関係はしていない。海兵隊の関心もカネだけ。日本政府の関心もカネだけ。野党自民党の関心もカネだけ。シナも台湾も北鮮も、ヘリコプターの性能も、何の関係もありはしない。パシフィック・コマンドに本格的な攻撃型UAVの訓練すらさせていない理由をちょっとぐらい考えてみたらどうなんだ? 海兵隊の存在がそれほどシナ軍を抑止してくれるというなら、米空軍がよろこんで嘉手納基地内に海兵隊を迎え入れるべきだろう。なぜ米空軍はそうしないのか、またゲイツとオバマは空軍にそれを求めないのか、考えてみるといい。北鮮が原爆実験する前に海兵隊が北鮮をやっつけてくれたか? シナや北鮮が日本をミサイル攻撃したら、米海兵隊は何をしてくれるというんだ? 精強な陸自を擁する日本国に、海兵隊などいらないのだ。この真相を報ずることのできるメディアは、いまのところインターネットだけのようである。
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 この新価格は、既に申し込まれている方に遡及的に適用されることはありませんので、ご安心ください(次の継続時から、新価格となります)。
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 詳しくは、近日、「武道通信」のHPで広報をいたします。宜しくどうぞ。


わたしはネット乞食に開眼した!(現金の投げ込みはお控え下さい)

 いま、乞食があたらしい。
 だが、世界には、食を乞わずとも生きていられる人がいるという。
 Dean Nelson 記者の2010-4-28記事「Man claims to have had no food or drink for 70 years」。
 82歳のインド人が、大昔に捨て子されていらい、モノを食っていないと主張。
 India’s Defence Research Development Organisation がこの老人を病室に閉じ込めて調査中。
 彼は厳重な監視の下、6日間、いまのところ飲まず食わず、大小便もナシで生存しているという。そしてドクターいわく、まったく飢渇の症状は看取されていない、と。
 継続して15日間、見張るつもりだ。
 インドのジャイナ教徒とヒンドゥー教徒はよく絶食し、時にそれは8日間におよぶことで知られる。
 そして、ほとんどの人間は、水だけで50日生存することができる。ハンガーストライキの世界記録は、74日間である。※だったら15日じゃなくて80日くらい調べなきゃダメだろ。根負けするのを待ってるんだろうから。
 2003年にこの人物を10日間観察した医師いわく。水を飲まずにいられる理由は、尿の水分をふたたび体内に回収しているからじゃないか、と。
 ※フリーター時代に某オカルト雑誌のゲラを編集部の片隅の机を借りて校正したことがありますが、何年もモノを食わずに生きているだとか、トイレに行ったことがないとかいう謎のシナ人の話が売り込み営業されていてワロタ。こういう〈特殊能力の人物〉って、その関係者の方からメディアに売り込んで来るんですよ。……でも、ひょっとして本当なのか!?
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 サイエンスデイリーの2010-4-30記事「World First Remote Heart Operation Carried out in UK Using Robotic Arm」。
 英国 Leicester の病院でカテーテルを遠隔で操作する、簡単な心臓血管疾患手術を実施。
 まず鼠蹊部から電極付きカテーテルを入れ、不整脈の原因部位を電極で探る。
 次に焼灼用カテーテルを入れて、組織を溶発・融除せしめる。
 従来は、執刀医は、X線で様子を見ながら、患者のすぐ近くで、鉛エプロンを着て操作する必要があり、たいへんだった。
 これからはその必要はない。X線で透視し続けるのは同じなのだが、執刀医はずっと離れた場所でモニターの前に座りながらカテーテルをリモコンすればよいからだ。
 この機械は米国製である。
 これまで、magnetic tip catheter をリモコン操作するシステムはあったが、仕組みが大掛かりすぎた。新製品は、価格破壊につながるもの。
 ※内視鏡による遠隔ロボットハンド手術については、『「自衛隊」無人化計画』をご一読ください。
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 サイエンスデイリーの2010-4-30記事「More Trouble Ahead from Volcanic Ash?」
 アイスランドからの火山灰が旅客機の客室内エアコンを故障させぬかどうか調査中。
 英国内の空港でのタキシング中に灰を吸い、それが詰まって、空中でエアコンを過労させ過熱させれば、機長は与圧システムを停止して緊急着陸しなければならなくなる。
 旅客機のエアコンは中央燃料タンクの下にあるので過熱すれば厄介だ。
 目詰まりの交換メンテナンスはほんらいは18ヵ月に一度でよいのだが、灰の量によっては3ヶ月で交換しなければならぬ。
 低濃度の灰は、エンジンにはほぼ損害は与えないが、エアコン・システムに対しては影響は大なのだ。
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 サイエンスデイリーの2010-4-30記事「Roller Coasters Linked to Common Ear Injury, Study Finds」。
 耳鼻咽喉科医が警告。最近の高速化したジェットコースターは、客の中耳と鼓膜に「気圧性外傷」を与え得る、と。
 乗客は、スタート加速時には前方を向いておれ。耳に直接に風を受けるな。 気圧変化が急なので、「耳抜き」をしている暇がないのだ。
 米国の24歳のある患者は田舎のジェットコースターに乗ってから36時間後に右耳が痛くなった。初期加速中に左席の友人に語りかけたため。4秒で時速120マイルまで加速するマシンであった。
 これが鼓膜に 0.6 PSI (pound per square inch) の風圧を与えた。
 ちなみに0.62PSIで指先の毛細血管には鬱血が生ずる。
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 ミリテクの2010-4-26記事「Boeing F-15K41 Completes First Flight」
  F-15 K41 のテスト飛行が19日から始まった。ボーイング社はまず21機の F-15K Slam Eagles を韓国向けに製造する。これは韓国空軍にて2040まで現役を予定されている。
  F-15E の改良型であるF-15K は2008-10までにボーイングから40機が韓国に輸出されている。
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 ミリテクの2010-4-28記事「Better light armor for fighters a priority」。
 液体装甲【liquid armor】が間もなく登場する!
 デラウェア大が、米軍のためにげんざい開発中の全身プロテクト用ボディアーマーは、素材が液体で、軽くてフレキシブル。
 これにより、いままではプロテクトできなかった身体部位もガードすることができるようになる。
 ※つまり顔面か? これでヘルメットは要らなくなるわけだな? 首から下はスモウ・レスラー、首から上はエレファントマン、手先は球でドラエモン、みたいな兵隊が、未来の戦場を横行するのか!?
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 ストラテジーページの2010-4-30記事「Bombs Carrying Better Software」。
 ステルス戦闘機の機内格納用に直径を極限(径190ミリ×長2m)した、投下爆弾SDB に新しい精密誘導ソフトができたよ、という記事だが……。
 機外に吊るしても可いF-18ならこいつを24発も携行できる。
 この爆弾は1発 $70,000 と高い。そのかわり、空気抵抗が小さく、小翼の浮力を使って滑空させられるから、目標の70~80km先からも投射することが可能。無論、高空からリリースすればの話。
 頭部が硬いので、コンクリートに several feet めりこませてから炸裂させることができる。
 次。
 ストラテジーページの2010-4-30記事「HIMARS Is Shot Down By A Patent」。
 ランチャー車体を製造する契約で、BAEがオシュコシュに入札で負けてしまった。
 ここで大問題発生。
 というのも発射ブラストから乗員を守る Increased Crew Protection (ICP) cab はBAE特許だからだ。
 オシュコシュがこの権利をBAEから買えば、それは馬鹿高くつく。
 The completed HIMARS truck costs about $3 million each.
 HIMARS とは、 米軍では2005から実戦配備しているtruck mounted MLRS rocket launcher system のことである。
 かつてのMLRSは、装軌車両から12連射するという、高額で重い(22トン)システムであった。
 が、全弾をGPS誘導の単弾頭に変更したことで、半分の6連装のランチャーを安価な装輪トラックに乗せ、C-130で空輸してやることのできる、リーズナブルで軽い(12トン)支援砲兵へと変貌した。
 飛翔するロケット弾は全重680ポンド、直径227ミリ、弾頭重量196ポンド、最大射程85km(要求性能は70kmだった)で、それが初弾から目標の10m以内に落下してくれるから、6発もあれば数日間の戦闘の用に足りるのだ。
 米軍はついに、MLRS用の無誘導のロケット弾の調達は打ち切ってしまった。GPS誘導ばんざいだ。
 次。
 Jeremy Hsu 記者による2010-4-30記事「 Video: Dutch Marine’s Helmetcam Delivers Thrilling First-Person-Shooter View of Raid on Pirate-Seized Ship」。
  10人のソマリア海賊に乗っ取られたドイツ商船『Taipan』の15人がオランダ軍特殊部隊に解放された。
 商船には、非常時用の立て籠もり室【a safe room】があり、15人はそこに避難して、外部に連絡して救助を請うていた。