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 マリタイムニューズの2010-4-16記事「NAVSEA Removes Fuel from Sunken WW II Era Ship」。
  米領サモアのパゴパゴ港に1949-10-7に沈んだ米軍艦『Chehalis (AOG-48)』の油槽内から油脂を抜き取る作業をすることに決定。
 同艦の沈没原因は、ガソリン・タンクの爆発であった。沈底深度は160フィート強。
 ※サモアがどうして半分米領なのかについては、既著の中で書いた気がする。……が、タイトルが思い出せん。
 同艦は Patapsco-class の gasoline tanker であった。
 艦内のタンクはいつくかに別れている。その揮発油の残留量だけでいまだに十分な環境への脅威たり得る。
 ※この記事では、舶用軽油を diesel fuel marine といい、舶用重油を black oil と呼び分けているのか、それとも、この両者は同じなのか……釈然とせぬ。当時、軽油を舶用に使ったとすれば、それは高速魚雷艇のための補給物資? いずれにせよ日本語表記の「揮発油」「灯油」「軽油」「重油」は、誤解混同の余地がぜんぜんないので、素晴らしいですわ。
 『Chehalis』内のディーゼル槽については、抜き取り作業は楽なのだ。hot tap法、つまりいきなり隔壁を切開してヴァルブをとりつけてポンプで吸い出せばいい。だが、中味がガソリンとなると、溶断作業が爆発を招きかねないことと、燃料油がホース内を移動したり、底の深い回収タンクへ落下する際に生ずる静電気の放電ででも爆発事故が起き得るため、難がある。
 吸出しホースの先をダイバーが船倉内に挿入する。ホースは常にアース放電されている。
 そして航洋型バージのタンク内に、落差数インチで回収するつもり。
 次。
 2010-4-18記事「Let Me In, Dammit」。
  早く入れろ、馬鹿野郎! いりちくり~!
 アフガンではようやく、 M-ATV (MRAP-All Terrain Vehicle) が普及してきた。しかし初陣につきものの「要改善」箇所もわかってきた。
 出入り口扉(側面に2箇所、後面に1箇所)のラッチが、外側から開けようとするとき、ときどき動かねえことがありやがる。
 この不具合によって死んだ兵隊はまだいないが。兵隊たちは、3つのうち、外から開くドアを探しもとめて、右往左往せねばならない。いくつかの部隊では、所属のM-ATVの半数以上にこの問題があるという。
 メーカーでは、すぐに修理します、と言っている。
 車内には収納スペースがなさすぎるので、電子器材で窓の視界が塞がれてしまう。
 FO(砲兵の前進観測所)用としては、操縦席の前と横の窓の面積が小さすぎるのは大問題。一目で広域を見回すことができないのだ。
 そこで機転の利くFO将校は、必要な電子端末類一式を前席から後席に移設してしまい、後席のより広い窓から観測をするようにしている。
 しかしほとんどのFOたちは、旧型だがいろいろと余裕がある MRAP をひきつづき選好することで問題を解決している。
  M-ATV は単価が $587,000で、重さは 15トン の 4×4である。独立懸架で不整地機動をしやすくしたのがウリである。
 底板は V shaped の装甲トラックだ。
Payload は 1.8 トンで、銃手を含めて5名の passengers を乗せられる。
 最高速度は 105 km/時。内部燃料タンクだけの路上航続距離は515kmである。ハンマーより、チョイおおきいクルマだ。
 道路を走らないことによりIEDを避けようというわけだが、アフガンの不整地は、装軌車すら、ヘタにころがすと履帯が脱落するくらいの、ひどいところだ。
 次。
 2010-4-15アップのこれまたミリタリー・コムの無署名記事「Swedes Screwed By Chinese」。
 シナ人に盗られたぜ、とスウェーデン人。
 このたび、 Swedish Bv206 all-terrain vehicle の完コピ品をシナ軍が臆面もなく公表した。
 救急車仕様としてあるが、いつでも本来の多用途仕様にできるもの。
 it looked just different enough to be a copy. China is infamous for the boldness with which it copies foreign military equipment designs.
 英海兵隊は何年も前から Bv206 を買ってアフガンへ持ち込んでいる。
 なにしろ道路がないという国なので、これは装軌車しかあんめえと結論を出したのだ。
  Bv206 は無装甲。そのかわり雪原や湿原でも、2.5トンを運べるのだ。より大型の BvS10 なら5トンを牽引できる。
 前後に2台の小型装軌車が連結されており、パワートレインでもつながっている。
 前車は自重4.9トン、後車は3.1トンだ。
 旋回半径は 47 foot である。
 前車には4名が乗れる。後車には8名。
 そのままで水上浮航に移行することができ、浮航時の速力は5km/時。だから上陸作戦に使うことができる。※なるほどシナ軍が目をつけるわけだな。
 路上では最高65km/時である。
 Viking (BvS10) の単価は $890,000 である。
 カナダ軍は補給車として Bv206 を使っているのだが、その幅広の履帯の接地圧が低いために、なんと、対戦車地雷を爆発させずに通過することができることを発見した。
 ※こりゃあ旧軍の「湿地車」をリメイクして米軍に売るしかないですね。
 同車は、民間により、極地のみならず熱帯地でも、駆使されている。
 メーカーがシナに文句をつけたかどうかは不明。※シナはいちばん弱い国から順番に踏み倒そうとする。戦前ならデンマーク。こんどのカモはスウェーデンか。
 次。NYTのEditorialに2010-4-17に載った記事「Arizona Goes Over the Edge」。
 メキシコからの不法移民の数に怒り爆発したアリゾナ州が「警察国家」化を志向。すごい法律が通るかも……。
 ※アリゾナ=メキシコ国境は、なにしろ地形がまっ平で、河川境界のようなものがないし、無人の荒野だから、万里の長城でも建設せんことには、密入国を阻止しようがないようだ。
 この新法では、警察官は、その場で即座に不法移民ではないことを証明できぬ者を、すぐさま逮捕できる、とする。キミが有色人種で、財布を家に忘れて外出した場合、トラブル必至だろう。
 しかも、アリゾナ州の各自治体の官吏や公務員が、不法移民の摘発にどうも不熱心じゃないかと州民の誰彼に思われたなら、その公務員は州民によって告訴さるべし。
 ※じっさい、末端のシェリフが賄賂をとって密入国ブローカーと結託しているという報道もあり。
 アリゾナ州議会下院は共和党が優勢であるが、すでにこの法案を可決し、州上院も通過。あとは共和党知事のJan Brewerの署名をまつばかりなのだが、彼女がサインするかどうか不明。
 現場警察官は、この新法を歓迎していない。有限な警察資源を、重要ではない仕事にとられてしまうからだ。


ウォーターハンマーは竜骨もヘシ折る。対策は「柔軟竜骨」か?

 JOHN T. BENNETT 記者の2010-4-15アップ記事「Obama Administration Renews Export Control Reform Push」。
 米政府が法律を改正し、米国兵器企業の対外輸出を緩和する。
 ただし、米国の軍事的優越を担保するユニークなシステムは、新法によっても輸出はきびしく制限する。
 それ以外のシステムは、同盟国が相手ならば、どうぞご自由に売ってください――となる模様。
 ※その一方でフランスが4隻のミストラル級をロシアに売るのはやめさせようとしてるけどね。
 次。
 Paul McLeary 記者の2010-4-15記事「U.S. Port Security Is A Global Issue」。
 米本土の港湾に入る荷物の1割未満しか「核物質・化学剤・薬物」スキャンはされていない。
 全数検査ができるように、至急、設備を整えたい。
 だがこれは難問だ。準備は、船が入港して荷おろしを始める数日~数週間前から始めねばならない。
 米国の港湾は、年に15 million 個ものcontainers を扱っているのだ。
 インポート業者の過去の履歴をデータベース化しておくと、その荷物が臭いかどうかは見当がつく。これがまず基本。
 Secure Freight Initiative (SFI) は、2006-12に、本土防衛庁とエネルギー省(核物質担当)の合同で、 pilot program として、積荷の全数スキャンを開始。その最初の3つの港湾は、「Puerto Cortes,Honduras」「 Qasim, Pakistan」「Southampton, England」であった。後日、これに「 Busan, South Korea」「 Hong Kong」「 Salalah, Oman」「 Singapore」の4港が加えられている。
 現在もそのうち5港では SFI を実施中。
 ただしGovernment Accountability Office (GAO) 【会計検査院】は、ほんとうにスキャンできているかは怪しいもんだ、と低く評価している。
 冷凍品や液体の商品をスキャンする場合はスキャナーのパワーを上げなければならない。
 これまでいちばん成績が良いのは、American Science and Engineering Inc. 社製の Z Backscatter Van (ZBV) という荷物スキャナー車。
 すでに 450台の ZBV systems が47カ国の 80の税関に対して売られている。米国の港湾では22台買われている。
 こいつは基本的にレントゲン車。
 生物兵器、化学兵器、核兵器、麻薬、密航者を探知してしまう。
 コンテナ港として北米では最大にして世界では8番目であるロサンゼルス港。ここが $3-million 出して買った新兵器は、コンテナ船が入港して岸壁に着くまでの間に中味をスキャンしてしまう、全長55フィートのレントゲン船。
 探知機は半没させられる。
  Eurocopter AS350 B2 helicopter にスキャナーポッドをとりつけて、上からも走査する。※船員はX線浴びまくりかよ。
 また、付添い人なしで船舶や港湾施設に立ち入りしてよいという資格を、すべての港湾出入り業者/労働者について、過去を審査して、与える。もちろん生体ID付きで。すでに2009-4から一部で開始中。
 問題は、そのカードの「生体ID」を読み取る機械の仕組み、および、その読み取り機を港湾当局者にもたせることについて、コーストガードがレギュレーションを決めかねていること。
 ※紫外線LEDでなきゃ読み取れない特殊IDをイレズミすりゃいいのよ。
 爆装スピードボートがテロに使われた場合の対策も考えられていない。2000-10の USS Cole は、Yemeni port of Aden に投錨していたところを狙われた。※この爆装ボートが「まるレ」艇みたいに敵艦舷側に爆雷を落とすタイプであったら、ウォーターハンマーでコリア舟みたいに撃沈できていたかもしれないのだな。
 本土防衛庁はまたコースガードと合同で、Predator B drones を2010末から飛ばすことに決めている。
 次。
 David Goldstein 記者の2010-4-16記事「Contractors failed to train Afghan police to adjust AK-47 sights」。
 アフガン人は、AK47およびM16系列の自動小銃に「照準規正」(照尺と照星を銃身の癖に合わせてアジャストしておいてやること。陸自ならば武器隊が専任。戦車砲のボアサイト調整とは違って、兵隊が勝手にやっちゃいけない。電子照準器時代になれば、個人でやるしかなかろうが…)が必要であることをまったく知らなかったことが判明。どうりで治安の成績が悪いわけだと。
 8年間、巨費を投じてアフガン政府警察を訓練してきたが、米国人教官の誰もそのことに気が付かなかった。※その無能警官の給料の半分は日本の納税者の税金からだぞ。日本から教官を送り込めよ。あと、64式小銃もな。
 次。
 KATE BRANNEN 記者の2010-4-15アップ記事「U.S. To Send Hummingbird UAV to Afghanistan」。
 米陸軍は、米特殊部隊コマンドから、1機の ボーイング製のA160 Hummingbird 垂直離着陸UAV を借り、それをアフガンで使うつもり
 自重2500ポンドのこのUAVに、 グラマン・ノースロップ製の Vehicle and Dismount Exploitation Radar (VADER) をとりつける。これは地表で動いている車と人を追跡探知できる。
 陸軍としては、できれば数機、買いたい。
 次。
 Anne Gearan 記者の2010-4-15記事「Pentagon to adopt uniform rules on guns」。
 基地内で、軍人の私物の銃器をどう管理するか。
 昨年のフォートフッドの13人殺し(with 私物ハンドガン×2)を承け、ペンタゴンの方針決定。
 ゲイツは6月までに暫定しろと求めていた。
 基地にもちこむ場合はMPに対して登録しろ、とかになる。
 ※米国議会では、本土テロ予防絡みで、セミオートマチック銃器の規制法の話がもちあがっているが、銃団体が猛然とロビイングをしていて、規制賛成派議員へのイヤガラセがすさまじいらしい。


民間のUAV実験飛行場を造るなら、沖大東島あたりでしょうか。

 KATE BRANNEN 記者の2010-4-15アップ記事「U.S. Army Unveils UAV Road Map」。
 米陸軍は、現存のヘリコプターを、無人でも飛ばせるようにしたい。
 というか、〈基本「無人機」で「オプションとして有人操縦も可能」な機体〉――としてしまいたいのだ。これが米陸軍の新しい「UAVロードマップ」である。
 まるごと新しいヘリを調達するのではなく、既に使っているアパッチ、チヌーク、ブラックホークを、無人機にアップグレードするのだ。最初はブラックホークからになりそう。
 ソフトウェアの整備にあたっては、共通のオープンアーキテクチャーを目指す。地上管制もコミで。
 離着陸と、単純飛行中の管制は、極力、全自動化してしまいたい。
 搭載武器の運用のみ、人間がリモコンで管制する。
 ※アパッチが30粍・チェインガンで暗夜に中東人(一部武器携行)を撃っている動画を見ました。米軍のROE遵守を内外に印象づけ、武装回転翼機の必要性も併せて宣伝していると思いました。ところで、これは10年以上前の湾岸戦争のときからの教訓ですが、闇夜、開豁地でいきなり機関砲で撃たれたなら、今日では、その場に伏せるのは利口じゃないようです。むしろ、めいめいバラバラの方向に走り、遮蔽物に飛び込むべし。それが不可能ならば、仰向け大の字に寝て死んだフリをするしかなさそうです(ただし数年後の機載カメラでは、体温がいつまでも低下しないことから死んでないことがバレる可能性あり)。もちろん、武器は手から離すべし。
 次。
 David A. Fulghum 記者の 2010-4-15記事「Non-Stealth Teamed With Stealth Air Wing」。
 米空軍は F-15C をアップグレードすることにより F-22 の作戦を楽にしてやりたい。
 それにはレーダーを APG-63(V)3 というフェイズドアレイ(AESA) にする。
 これを装備したF-15CがF-22に先行して飛び、レーダーを使い、あとから行くF-22は、ギリギリまで電波放射をせずに済むようにする。奇襲ができる。
 F-15Cの方が搭載燃料が多く、滞空時間が長いので、これが合理的。
 MDの一環としてこれら空軍機を抑止に役立てる。※米空軍もいよいよリストラの危機に直面したので、必死だね。こうでも宣伝しないと「オバマ=ゲイツ」コンビから次に何をカットされるかわからない。
 空軍いわく。 筒体を長く改造したアムラームの直撃によって、敵の弾道弾を撃墜できるかもしれない???
 AIM-120C-6 と AIM-120D は、レーダー反射の小さな巡航ミサイルを撃墜するのに最適化されている。※つまり国産のショボい飛行機にでも最新のAESAレーダーと最新のアムラームを装置すれば、シナ、韓国、台湾軍の巡航ミサイル攻撃から日本列島はとりあえず防衛できるわけ。
 米空軍はこの夏に6機のF-15Cに AESA radars を搭載してみる。
 こうすることで、F-15Cは2030年まで現役でいられるだろう。
 次。
 Andy Nativi 記者の2010-4-15記事「Support Ships Take On Multiple Roles」。
 International Maritime Organization regulations は、モノハル(単殻)のタンカーを捨てるように要請している。
 2015には、一重底の商用タンカーは禁止される。
  ※事故時の原油流出→海洋汚染を防止するため。ちなみに、二重にしたって火災を防げるわけじゃないので、海賊の小型ロケット砲による大型タンカー/LPG&LNGタンカー攻撃は、有意義です。ブリッヂを銃撃されたり洋上で船火事を起こされる確率が高い紛争海域への航海に、民間の船員組合が同意するわけがありません。
 ただし、各国の政府の船、つまり海軍の補給艦等は、このレギュレーションの適用例外だが、まともな政府なら遵守するだろう。
 その代わり、ダブル・ハル船になると、搭載容量はとうぜんに小さくなってしまう。
 軍用の特殊船をつくっているとコストがかかってしょうがないので、民間タンカー等に「軍艦グレー色」をそのまま塗って使えという声もあり。
 ※商船タンカーは馬力が小さすぎるんですよね。高速を出す必要がまったくないので。そこをどうするかですよ。艦隊行動ができないんだから。


外務省はF-16リースを真剣に検討すべし。硫黄島基地の大拡張もね。

  Graham Warwick記者の2010-4-13記事「Start-up Proposes Radical Remake for OH-58D」。
 メーカーが提案。カイオワを二重反転ローターにする案。
 米国の明野ともいうべき Fort Worth, Texas で近々、予算化を訴える。
 今の4枚ブレードを、3枚×2のコアキシャルにする。
 シングルローターよりも、同直径のコアキシャルの方が5%、必要な動力は少なくて済む。
 しかもテイルローターを動かさなくてよいので、それだけでも従来より10%の動力節約になる。
 同じエンジンを使うが、これであわせて15~20%の動力節減となるのだ。
 テイルブームは縮め、機体軸に回転軸が並行なダクテドファンをそこに左右2個並べて取り付ける。
 このダクテドファンはピッチ可変。それゆえ、左を推進に、右を逆進に、といったワザも使える。ホバー力も生むことができる〔ダクテドファンが首を振るのかどうかはこの記事からは判明せぬ〕。
 巡航飛行のとき、ふつうのヘリは機首下げの姿勢で飛んで行かねばならないのだが、このダクテドファン付きならば、機首下げの必要がない。逆に、じゃっかん機首上げの姿勢で前進できる。これは燃費を節約する。
 しかも巡航時はメインローターをアイドリング気味にしておればよい。ますます燃費は良くなるのだ。※そんな良いものなら、なぜいままで誰も試みなかった?
 燃料満載&完全兵装して、巡航で240浬、3.1時間の滞空ができるだろう、と。
 次。
 Mark Thompson記者の2010-4-13記事「Is the U.S. Army Losing Its War on Suicide?」。
 2009夏までのアフガン作戦で、米兵は761人戦死した。
 ところが、同じ期間に、817名の米兵が自殺している。過去5年、自殺兵は右肩上がりで増えている。陸軍が調べたら、率としては、2006の数値は2001の2倍である。民間ではこの期間に自殺率は増えていない。
 何度も繰り返して戦闘部署につけられることが、自殺の引き金のようだ。
 解決策は、兵隊ひとりあたりの、前線に配置される頻度を下げ、本国で過ごす時間を延ばすしかない。だがそれには陸軍の定員を増やすか、前線張り付けの兵員を減らすしかない〔つまり不可能〕。
 2009には160人の動員中の陸軍兵士が自殺した。2008には140人、2003には77人だった。
 3人に1人は、前線配備とは関係ない部隊の者だった。2/3は、戦闘地域においてか、もしくはそこからの引き揚げ後の自殺である。
 頻繁な前線配置が、ある兵隊の人間関係をバラバラに破断する。これが原因の一つだろう。※旧日本軍のような「郷土聯隊」建制ならばこの問題は無いわけか? 中隊長を父と思い、先任曹長を母と思う「擬制の家」は、今日の米陸軍にはありえんということだな。
 ここ数年、米兵たちは、イラクやアフガンの前線から本国に戻って1年で、またイラクやアフガンに征かねばならなかった。最近、それが2年近くに延長されようとしているところだ。だが専門家いわく、本国で過ごすインターバルが3年間は無いと、1年間の戦闘配置ストレスは解消し難いだろう、と。
 戦闘経験は、死はおそろしいという観念を稀薄化させる。それがまた自殺を容易にしてしまう。
 自殺兵の半分は、武器を用いている。前線配備中の自殺例に限れば、93%は軍の武器を用いての自殺である。
 空軍を退役した自殺専門家は、これは『キャッチ22』だ、という。※あのつまらない小説か。映画もくだらなかったが、WWII中の米兵がイタリアで売春婦に不足していなかったという事情だけは納得できた。
 次。
 Paul McLeary記者の2010-4-12記事「Watt-Rich Vehicles Will Boost Capability」。
 まさか、こんどは「野外原発車」?
 米陸軍が、部隊に随伴し、1メガジュールを発電できるトラックの開発を検討中。これだけの電力があれば、「電磁砲」が実現する……だと!?
 しかもそれだけの電力があれば、水でも燃料でも、部隊の自前でつくりだせるのだ。次の補給まで30日間あっても、だいじょうぶになる。そのような技術が、早ければ8年後には実現するだろう。
 軍用車両は今の2倍の電力を消費するようになる。歩兵の電池負担は今の半分の重さにしなければならない。
 BAE Systems 社は、すでに本格的な車載発電所を、 Paladin Integrated Management (PIM) howitzerのために開発している。その次世代バージョンは、30kwを車載で発電できる。70kwも射程内にある。
 いまや、装甲車やトラックがアイドリング中でも、その電子器材をフルに働かせ続けるに足る電力が供給できなければならないのだ。
 次。
 4-6発表のニュークリア・ポスチュアー・レビューと4-8条約のプロトコルのPDFをようやくナナメ読み完了。これだけの情報を開示しようとする米国……。指導者層の法哲学上の素養が日本などとは段違いであると思わざるを得ない。
 ALCMはあと10年で退役する。次世代のALCMをつくらねばならない。
 SSBNが海に出ていない時期をつくったり、ICBMのアラートを緩和して一部を敢えて休ませたりはしないほうがよいと結論。なぜなら、またアラートに戻る前に攻撃したいと相手が思ってしまうから。
 大統領がICBMにプロンプト・ランチを命じたくなるようなインセンティヴを減らす、新しい、サバイバビリティの高い配備の流儀を模索する。
 米国のICBMをデ・マーヴしてシングル・ウォーヘッドのみにするから、、米露のどちらの指導者も、自国の核をプロンプト・ランチしたくなるインセンティヴはなくなる。※阿呆のマクナマラの呪い、いまここに解ける……!
 TLAM-Nは危機のときに前方展開させる核だった。だが、ICBMとSLBMでも抑止は十分だというのが結論。※のみならず、オハイオ級×4隻をSSGNにコンバートしたりしてしまったものだから、これがロシアに疑心暗鬼をもたらし、軍縮交渉の大きな障碍となってしまっていたのだろう。たぶん、米海軍の次世代の水中発射巡航ミサイルは、魚雷発射管からは発射できない大きなサイズとされるのではないか?
 NATOの非核国は、核運用できるようにしてある飛行機の所有によって、核攻撃をうけたときに、米国の核弾頭の運搬を分担できることになっている。
 ※具体的には、ベルギーとオランダのF-16、独と伊のトーネイド。つまりこの4国は、ロシアが核攻撃してきた暁には、アメリカからB61水爆(サイズは直径33センチで重さ320kgにすぎぬ。イールドは戦術型だと170キロトンで、核トマホークよりも強力。しかも超音速で投下したり、地面に寝かせてから起爆させるモードも選択可能)をゆずりうけ、自国の戦闘機に吊るしてロシアと戦えるのだ。B61は、約480発が米本土と欧州にあるとみられる。これをあと十数年は維持したいというのである。したがって、もし日本がF-16をリースで装備すれば、シナが日本を核攻撃した場合に、米本土のB61を貸してもらえるかもしれないのである。
 アジアには、常時前進配置済みの核兵器は無い。冷戦終了後〔’92年〕、水上艦と、ジェネラルパーパス潜水艦からは核弾頭を下ろした。
 ゆえに、いまでは、セントラルな〔つまり米本土やハワイの〕戦略核兵器や、危機時に再度前方展開される核兵器〔これはB-2とB61しかあるまい〕に、アジア同盟国の核抑止はかかっている。
 だから、前方展開されている通常兵器が総合抑止に果たすべき役割が大きくなってきた。
 戦略核重爆撃機(B-2とB-52H)は、危機時に、それを前方推進展開させることによって、同盟国のために核抑止をするぞという米国の決意の対世界的なデモンストレーションになるのである。
 B-52Hの何機かは、非核専用にコンバートするであろう。
 ロシアはNATOの近くに多数の戦術核を置いている。アメリカは少数の戦術核を、西欧と米本土に置いている。
 よって米国は西欧の戦術核爆弾を維持すべし。B61爆弾を延命すべし。
 B61は、F-35とB-2で運べるように維持する。
 ※こう宣言された以上、これからシナ政府が全力で日本のF-35取得を妨害にかかるのは間違いないだろう。外務省内の北米局とチャイナスクールの闘争がみものだ。硫黄島に危機時にいつでもB-2を受け入れられるようにしとかないと、日本は外見的に見捨てられますぜ。SSBNは出航してから帰投するまで、いちども浮上も寄港もしないんだから、ポラリスいらい、「米国が日本に核の傘をさしかけていますよ」というPR力はゼロ。そのうえにトマホークの時代がとっくに終わったというのに、外務省北米局の目が醒めないのだ。なぜかというと、レギュラスの時代(1955~1964)以来、米艦内搭載の核巡航ミサイルについては、その艦が敵国のスパイの目に見える「寄港」をしてくれるありがたさに加えて、格納の特性から外見的にいちばん曖昧であるために、「持ち込み」に関しての国会答弁をやすやすと乗り切ってきたという〈便利な核の傘〉の幸福な記憶が彼らを支配しているからなのだろう(レギュラスは渤海湾の外から北京を核攻撃できる射程があった。嘉手納には長射程のメイスが地下シェルター式に展開していたのに、佐藤栄作が核抜き復帰を公約したために撤去されてしまった)。日本にどういうわけかトマホーク信者が多いのは、外務省北米局が対支/対北鮮の観点で〈入信勧誘〉していたからだったのかと、ようやく見当がつく。
 SLBMのW76弾頭を延命作業させるための予算をつけよ。
 ICBM用のW78弾頭を延命作業させよ。
 TLAM-N、つまり核付きの海洋発射巡航ミサイルは、リタイアさせるべし。そのようにNPRは結論する。
 ※ストックパイルのW80弾頭の延命予算についてNPRは無言及である。空中発射型巡航ミサイル用(B-1とB-52Hが運用)のMod1はB61と同じようなものだから無言及でもよいのか? 海洋トマホーク用のMod0は起爆コアのプルトニウム240を極限まで減らした、ガンマ線を出さない(したがって潜水艦の水雷室に長く保管していても水兵に健康被害が及ばない)特殊なものだから、これを延命する予算をつけないということは、もう海洋発射核トマホークの復活はあり得ないわけ。空中発射巡航ミサイル用の弾頭を海洋発射用に密かに転用することは、水兵の健康上の理由もあって、アメリカでは許されないのだ。
 既存の弾頭を、既存のシステムとは違う新任務用には使わない。
 ※B-2用に既にあるB61の地下侵徹型とは違う、ラムズフェルドが欲した新型マイクロニュークも、もうつくらない。
 次。
 別宮暖朗先生のご新著『帝国陸軍の栄光と転落』(文春新書)、半分読んだところですが、最高に面白いです。これを企画した編集者もさすがだね。


中年過ぎたら、腰を屈めるときには必ず息を吐け。

 星条旗新聞が伝える。
 Erik Slavin 記者の2010-4-13記事「Navy mulls changes to physical fitness exams」。
 米海軍は、annual physical readiness test(体力検定)の内容を一新する。
 ながいあいだ、水兵たちの筋トレの主メニューであった sit-up (仰臥位から手を使わないで上体を90度立てる、激しい連続的な起き上がり運動)が、もうじき廃止される。理由は、これが腰痛(背骨の継ぎ目のずれ)を引き起こすと認められたため。 ※ちなみに自衛隊ではこれはなかったのではないか。
 多くの体操専門家は、より背骨に負担をかけないような腹筋運動(stomach crunches と書いてあるのだが、不詳)を推奨している。※静的な足上げ腹筋運動がよいかもしれませんね。
 sit-reach、すなわち尻をついた状態での伸膝前屈(足爪先に手で触る)も、米海軍は廃止すべきかどうか検討する。※これよりも、自衛隊体操にある、立った状態で左手先を右足爪先に、また、右手先を左足爪先に触れるという、交互の斜め前屈の方がマシでしょう。そのさい、腰痛持ちは、「体屈させるときは、必ず息を吐きながらする」という大原則を、「心手期せずして」励行したがよい。これを忘れると突然ギックリきて後悔先に立たず。
 2009-12の民間専門家会議では、いまの米軍式フィットネスが frontal muscles【胸筋と腹筋と大腿筋か】 ばかりを鍛えようとしていることが問題視された。
 背筋、および 他のcore muscles【インナーマッスル?】を鍛えずにそれをやれば、体を故障させる。
 現在米海軍は、水兵たちに、その性別と年齢に応じた、 push-up(腕立て伏せ)と sit-up の standards を課している。
 ※プッシュアップも腰痛にはよくないでしょう。40歳を過ぎたら、両膝をついて、片腕づつに交互に体重を乗せるという、変則的な腕立て伏せに変更すべきではないか。これなら、適度な負荷と、腰痛予防が両立するでしょう。
 持久力の検定では、水兵たちは、1.5マイル走か、固定自転車漕ぎか、無限ベルト・マシン上で走るかの、三択ができる。
 1.5マイル走より、マシンの方が楽だと思ったら大間違い。逆なのだ。後2者で体力検定に合格するためには、非現実的なまでの激走をしなければならない。というのは、走った距離ではなくて、12分間で燃焼できたカロリーが測定されるためだ。
 米海軍では、4年間に3度、この体力検定テストに失格した水兵は、任務から外されてしまうことになっている。
 次。
 NYTになつかしのウィリアム・ペリーWILLIAM J. PERRY(1994 ~97の国防長官)氏とジョージ・シュルツGEORGE P. SHULTZ(1982 ~89の国務長官)氏が寄稿している。「How to Build on the Start Treaty」、2010-4-10付け。
 こんどの条約は、米露関係にリセットボタンを押したものだ。歓迎だ。
 次なるステップは、おびただしく残っている戦術核兵器の削減だ。しかもモスボールではなく、解体せねばならない。
 ロシア官僚と話をしたが、これ以上の削減は彼らにとっては難しそうだ。
 ロシアは東にも西にも、敵性隣国を抱えているからだ。※水爆1000発持っているシナとあれだけ長い国境を接していたら、さすがにこれ以上の削減は無理か。
 それと、米露の通常戦力が非対象すぎる。
 MDと中距離核も考えねばならない。
 イランのミサイルを邀撃するならロシアが地理的に最良の位置だ。
 1987のINF全廃は有意義だった。が、今日、ロシアは中距離核戦力で抑止しなければならない敵対的隣国を新たに抱えている。これにアメリカは同情すべきである。
 ※よくSS-20の極東分までバラしたもんだと感心していたが、やはり心穏やかではなかったか……。シナが東風21その他を増強すれば、ロシアもINFを放擲する可能性が大ですね。それを理由にワシントンは北京に「もう核増強するなよ」と詰め寄っている最中でしょう。それを公然化/公文化させるのが、次のステップでしょう。三沢のF-16撤収も、その環境準備でしょう。
 次。
 Catherine Mayer記者の2010-4-19〔?〕の米『タイム』誌記事。※12日もしくは9日の誤り? 「Defense of the Realm: Britain’s Armed Forces Crisis」。
 アフガン出兵は英本土のテロを抑制するという英政府の説明だが、英国内ではどうも不人気だ。
 2003~09に英兵は179人、イラクで戦死した。またアフガンでは2001いらい、280人が戦死している。
 この両地域にはもっか、英兵が9500人、送られている。
 英仏はSLBM潜水艦のパトロールを共同分担しようではないかという話し合いを始めている。2-3の『緑書』もいわく、英は軍事予算逼迫の折、もっと仏と協働すべし、と。
 戦後のMalaysia、それから Sierra Leoneでも英国軍人は経験を積んだ。
 2003の Basra 統治が米軍の他地域よりもうまくいったのが自慢だったが。
 2008 にはシーアのゲリラに翻弄された。
 Basra から英軍は2009に final withdrawal した。
 マレーシアがうまくいった理由は、あのときは英政府が現地の英軍を本腰を入れて支援したから。
  “One of the keys to learning is to recognize that you don’t know everything.
 2003~2004にイラク人捕虜の尋問で英軍が数人を殺している疑いがある。
 2009夏の米軍大増強以前の英軍のアフガンでのモラールは最低に下がっていた。死傷の3/4はIEDによるものだった。
  Kosovoに行った時は、教室からつまみ出すべき bully boys が誰なのかはハッキリしていて気分は楽であった。しかしイラクでは、敵が曖昧で、英軍の果たすべき役割が分からなかった。
 英陸軍の定員は10万2070人で、それに今は570人不足しているだけである。
 英防衛評論家の Malcolm Chalmers はこれから6年間で全英軍の総定員が2割減らされるのではないかと予測。
 先回の大削減は、1994に British Army of the Rhine【西ドイツ派遣軍】を 規模で半分の常備軍にしたときだった。
 サンドハーストの陸大を2002-4に出てすぐイラクに1年間行かされた大尉いわく。4万人の街を、16人の部下と数両の装甲車だけで治安回復しなきゃらなかった。いま、30歳の教官となり、その経験をサンドハーストで若い者に教えているところ。そいつらは Helmand に行く。
 サンドハーストは 1812 からある。仏ではサンシールSaint-Cyr、独ならDresden にmilitary academy がある。
 次。
 2010-4-11記事「Robo Chopper Rules Two Oceans」。
 米海軍フリゲートが東太平洋でさいきん MQ-8B helicopter UAV を使って麻薬密輸用高速ボートを追尾している。
 過去半年、フリゲート艦の USS McInerney (FFG-8)に、 MQ-8B (formerly the RQ-8) Fire Scout を載せて試験してきた。すでに110回の発艦/着艦と600時間の飛行をこなした。McInerney はこんどは太平洋に移る。
 この機体はそもそもリトラル戦闘艦用に開発されたのだが。リトラルの方が遅れているので、海軍は、これを他の艦にも積むことにした。
  Hellfire missiles を発射できる。
 滞空は  MQ-8B は8時間。しかし5時間が通例である。
 速度は時速 230 km。
 操縦可能距離は 230 km。これは陸地でも海上でも。
 基本的に、2人乗りの小型民間有人ヘリSchweizer Model 333を無人機に改造したものである。
 最大離陸重量は 1.5 トン。
 艦上ではローターを畳む。すると MQ-8B は、長さ 7.5 m×高さ3mのスペースに収納できる。
 ペイロードは 273 kg (600 pounds)である。よって、 106 pound のHellfire なら1発、 44 pound の Viper Strike missiles なら複数発を吊るせる。
 MQ-8B UAV の納入価格は $8 million である。これには予備部品と、地上管制設備が含まれる。
 ソフトウェアは、自動の着艦と発艦を可能にしている。
 次。
 christopher p. cavas and COLIN KELLY記者による2010-4-9アップ記事「Independence On Its Maiden Voyage」。
 リトラル戦闘艦の2番目が処女航海。
 なんと44ノットまで出せる。


『地獄のX島で米軍と戦い、あくまで持久する方法』文庫版は24日売りか

 光人社のNF文庫の最新ラインナップです。4月24日(土)以降に都内の書店発売ではないかと、現時点では予測がされております。
 この本の「聞き手」は、むろん実在はしません。が、冒頭に紹介されている、東北地方でサバゲーをやっている集団は、執筆当時、実在していました。じっさいに会津でお目にかかったことがありまして、その話をマクラに使わせてもらったというわけなのです。あの方々は、今、どうしておられるだろうか……。
 次。
 『朝雲』#2908号で、「第303坑道中隊」が3-25に、満12年で廃止されていたことを知りました。あの「坑道掘削機」を’91頃に勝田で最初に見たときの強烈な印象は忘れ難い。装備としてはまだ施設科の中に残るのでしょう。
 国内の炭鉱がほとんど閉鎖されてしまった中で、あの種の坑内用有人ロボットがピカピカの状態でスタンバイしているところなんて、もう陸自の施設部隊の中だけなのかもしれません。
 陸自で「303」とか「101」(空自だったら202とか404)とかナンバリングされている部隊は、全国で唯一つ、そこだけに存在するようなユニークな部隊です。さすがに、〈地対艦誘導弾を北海道北部の山奥のトンネルから発射して、いったい誰を迎え撃つつもりなんだ?〉という話になっていたものと推測します。需要は沖縄方面にあると思うんですけどね。訓練場所が確保できないんでしょう。やっぱり米軍にヤンバルから出て行ってもらうのが先か……。
 これから求められる陸自の新装備の一つが、軽量可搬な「穴掘りロボット」になるでしょう。UAVでこれだけ諸外国に遅れをとってしまったら、歩兵が地下に隠れて抵抗するしかないですよ。大きなAFVからソフトスキンまで、リーパー級UAVからのヘルファイア/マヴェリックを遁れる術はないでしょう。
 というわけで『地獄のX島~』で提起した島嶼防備の智恵の数々は、南西諸島の自主防衛がクロースアップされているUAV時代の今こそ、再読の価値が出てきたようであります。「砲兵隊用観測機」をUAVと読み換えてみてください。


シナは南米に核兵器を拡散させる気か?

 兵頭いわく。来たる4-12にワシントンで40カ国会議があり、そこでは、テロリストの手に核が渡る可能性を極小化するための「命令」が米露から全世界の諸国に下されそうだ。
 そのためにはまず4-8に米露間で手打ちをし、かつまた、核削減躬行の姿勢を公示しておく必要があった。
 おそらくシナはボリビアやベネズエラなどを通じて南米のどこかにポータブル原爆の製造工場をつくらせたいのだろう。ゲイツがNPRの中で「拡散を図れば核攻撃する」と脅しているのは、「シナの手先になるなよ」と南米人を脅かしたものなのだろう。
 こういう背景を熟知しているのだと思われる米『TIME』誌の記事から見て見ましょう。
 Eben Harrell 記者の2010-4-8付け記事「Rescuing a Potential Nuke from the Chile Quake」。※蛇足ですが米国の日付に1日を加えたものが日本の現在の日付です。
 先のチリ地震で焦ったのは、NNSA(U.S. National Nuclear Security Administration)の職員である。
 サンチャゴの原発やら、1950’s~に実験用名目でチリが集めた高濃縮ウラン(HEU)が、ドサクサまぎれに盗み出されないうちに、それを回収して、米国東海岸の港にもってこなくてはならないからだ。
 San Antonio港は津波で使えなくなったので、北隣の Valparaiso港から搬出することにした。
 4-12からの大会議では、全世界のよけいなHEUはすべて米か露にあつめるという構想が打ち出される。
  In the mid-1950s の米国の Atoms for Peace 政策は、非核国が核武装しない代わりに、平和利用用の HEU を与えようというものだった。
 International Atomic Energy Agency (IAEA) の創設に続き、ついで、 Nuclear Nonproliferation Treaty of 1968.
 たとえばチリは  HEU を、80年代にかけて、米国のみか、仏と英からも調達した。
 国連のP5は、50カ国に20トンもの HEU を 50 カ国に配給したものだ。そこには、Australia, Jamaica 、 Vietnamも含まれている。
 ちなみに米と露は、2 million kg の HEU もっている。これには核兵器も含まれ。
 過去にこのようにしてさんざん世界へバラまかれたHEUをすべて米か露に回収してくる。これが NNSA の仕事なり。
 すでに2,692 kgの核分裂物質を 37 国からとりかえし、ひきつづいて、1,900 kg以上をとりかえそうとしている。
 オバマ政権はこの仕事のために大きな予算を要求中。
 しかし多くの後進国は、 HEU-fueled research reactors が国威を向上させていると思っている。
 HEUの大量保有国であるカナダと南アは、これが医療用のアイソトープに必要だと言い張って、米からの供出要求に抵抗している。
 ロシアも、仲のよくないウクライナから HEU をどう引き揚げようかと苦悩中。
 2007-11にに南アで事件あり。南アの核研究施設 に 賊が押し入り、警備員を射殺してコントロールルームにまで入ったが兵器級のHEUは盗らず。目的と正体は謎のまま。
 1992にはロシアの核技師が1.5kgのHEUを密売しようとして Podolsk 駅でつかまった。
 ハーバードの Graham Allison氏(former Assistant Secretary of Defense who recently served on the Congressional Commission on the Prevention of WMD Terrorism)は、米国の大都市でテロリストの原爆が炸裂するのは2014より前かもしれんぞ、と叫んでいる。
 チリの港は麻薬をはじめヤバイ物質の密輸トンネルとしてよく利用されているようだ。
 NNSAは船まで持っている。パナマ運河はHEUの通過もOKだ。
 次。
 冷戦史家のCAMPBELL CRAIG氏が2010-4-8にNYTに寄稿した「Just Like Ike (on Deterrence)」。
 核を非核国に対しては使わないという方針転換をさいしょに決めたのは、1957のアイクだった。
 批判派は、それではソ連と戦争できなくなる、と言った。
 だが、相互確証破壊が、以後冷戦期のポリシーになった。
 アイク以前、キッシンジャーなどはアルマゲドン派であった。つまり、「限定核戦争」というものが可能じゃないか、と彼らは言ったのである。※これに基づいたのがペントミック師団で、陸自の第七師団は日本唯一の「ペントミックもどき師団」だったと思われる。だから「30ロケット」が「オネストジョン」の核弾頭運搬機能を密かに有していたとしても不思議はないのだ。
 アイクはそう思わなかった。1発でもどちらかが使えば、それは究極までエスカレートするだけだと見た。
 こんどの調印に、ボルトンなどはさっそく噛み付いている。
 だが、オバマはアイクと同様の政治リスクを敢えて取りに行ったのだ。
 次。
 クリントンとブッシュの2政権でNSCスタッフだった Peter D. Feaver氏が2010-4-8にNYTに寄稿している「Obama’s Nuclear Modesty」。
 既に核保有している国がアメリカを chemical, biological or cyber-attackした場合、アメリカは核で報復するオプションが残された。
 大量破壊兵器を模索する非国家、要するにアルカイダだが、それに対しては核を使うかもしれない。これもオプションに残された。
 そうしたアブナイ団体が活動している国はどうなる? 非核国でも、そこは核攻撃されることになる。
 ※つまり米国は日本国内の朝鮮総連や北鮮シンパ、無闇やたらな核拡散主義者である北京の手先たる日本人グループを日本領土内において核攻撃することもじゅうぶんにあり得るということだな。
 非NPT国に対しては、核で脅すことも辞さない。
 また、NPT違反国にも核攻撃はあり得る。シリアはそれに含まれる。
 それと、遵守の定義だ。イランはNPTを守っていると主張するに決まっているが、そこをどうする?
 また、ある国がNPTを遵守しているのかどうかについて、国連安保理やIAEAの判断にアメリカ政府が拘束されちまうのか?
 例外条項がある。たとえば将来のすごいバイオ兵器。これを使った場合は、NPT遵守国だろうと容赦しない。
 アメリカを非核兵器でとんでもなく破壊した敵にも、アメリカは核報復するかもしれない。ただしその規模・程度の線引きは、あくまで米国政府が決めるのだ。
 自分に手枷を填めたことで、米国の核抑止力は少し弱くなった。
 ※つまり米国指導者層は、いまや抑止力の最大追求でなく、核不拡散をこそ最重要使命に選ばねばならない瀬戸際に来ていると意識しているのだ。
 だが、誰もが、イランや北鮮が核武装路線を捨てるわけがないと、思っているだろう。
 次。
 『Voice』の2010-5月号への長島昭久氏(防衛政務官、代議士)の寄稿。
 沖縄の海兵隊は、2012-10以降、いまのCH-46をV-22にリプレイスしていく。これにより環境アセスメントの前提が変わってしまう。
 長島氏はもともと研究者として米軍再編について検討し、嘉手納基地に普天間基地を統合するのがベストな解決策だと考えてきた。
 だが米国側が一枚岩だと実感させられたので、「二段階論」に変えている。
 すなわち、10年かけて沖縄を自衛隊だけで守れるように強化し、その段階で、アメリカの海兵隊に撤退を促すのだ。
 与那国島は、2010-2の米QDRに書いてあるシナの「接近拒否戦略」も考えあわせたなら、「いまのような無防備に近い状態で済まされるものではないだろう」。
 社民党の福島党首も、自衛隊を合憲と認め、原発を容認する方向にあると聞いている。
 ※長島氏は、米軍、特に海兵隊に沖縄から出て行ってもらうために、自衛隊で先島群島を強力に守りたいと考えている。じつに正常だ。大賛成だ。
 次。
 2010-4-8の「Solar Powered Wavepiercer Cat」という記事。
 2010-3-31に世界最大の太陽光発電だけで走るカタマラン船「Planet Solar」がキールの造船所から進水した。
  長さ 101.7 ft で、巾 52.5 ft で重さは85トン。船体もプロペラもカーボンファイバー。
 設計はニュージーランドの LOMOcean Design
  lithium ion battery が 20キロワットを発生し、7ノット出せる。
 これは25馬力の船外機相当である。
 ソーラーセルの面積は 5,380平方フィート。
 次。
 Jeremy Hsu記者がポピュラーサイエンスのためにまとめた2010-4-9記事「 Molten Metal Batteries Yield 20 Times More Current Than Lithium-Ion」。
 熔かした金属の電池がリチウム電池の20倍の電流を達成。
 熱くて携帯電話には使えないが、電力網のバックアップにはなる。
 この電池は常に700℃を保たねばならぬ。熔けたマグネシウムが上層、アンチモニーが下層である。中間層は、その混合物になっている。
 充電すると、中間層で分解が起きる。放電ではその逆。
 船のコンテナ・サイズで、1メガワット。これは100ワット電球×1万個を数時間点灯できる電力。
 リチウムよりはるかに材料費が安い。
 ※これは地熱かHTTRで加熱したらどうだ?
 いくつかの都市では硫酸ナトリウム電池をバックアップ電源にしている。その最大のものはテキサス州のプレシディオ市にある。
 次。
 同じ記者による2010-4-9のまとめ記事「 Power-Seeking Flying Microdrone Would Scavenge Solar and Thermal Energy Day and Night」。
 太陽光の他に、大気中の熱を吸収して夜でも飛行を続ける超軽量のUAV。
 DARPAが契約したのはAurora Flight Sciences社。
 この機体の名前は Skateという。畳んで背嚢に入れておき、取り出してブーメランのように投げればよい。ビルの中にまで入って偵察してくれる。
 将来の発展型として、薄いリチウム電池のフィルムそのものを翼にしてしまいたい。その上面はソーラーセルにし、下面は赤外線受光発電素子【infrared photovoltaic cells】にして、夜間の充電に役立てる。
 スケイトは40ワットの電力が必要だが、その95%は太陽光から得る。5%は空気熱(=赤外線)から得る。
 コウモリのソナーにヒントを得た航法支援装置も組み込みたい。
 ※技本の二人組はこういう記事を見て欲しい。
 オーロラ社は、前にもExcalibur という、ヘルファイア×4で武装して垂直に離陸できるドローンを試作した。また巨大なOdysseusという太陽電池式飛行機もDARPAから受注して作っている。
 次。
 グリーンエナジーニュースの2010-4-8記事「CARBON FIBER FOLLOWS ALUMINUM IN FULL GREEN CYCLE」。
 米国アルミニウム協会は、運輸省のあたらしい省エネ指針を歓迎。スチールの代わりにもっと自動車やトラックにアルミ合金を使えば、自動車を小型化しなくとも燃料の節約になると強調。
 衝突を緩衝する機能はアルミの方がある。
 車体が10%軽くなるごとに、燃費は 5 ~ 7 %よくなるのだ。
 ハイブリッド車やディーゼル車をアルミ合金でつくれば、燃費は 13 %よくなるであろう。
 アルミは金属屑の再利用コストが安い。ボーキサイトから作るのにくらべてわずか5%のエネルギーで済むのだ。
 アルミの精錬工程の初期段階には、地熱が利用できる。アイスランドにはすでに2つのプラントがあり、3つめも建設中である。
 ※これが本当ならアルミを製造するときのエミッションは製鉄業よりもはるかに減るわけか。あとは電力をどこからとるかだね。
 アルミの他には、炭素繊維が有望だ。
 SGL Group は Moses Lake, Washington に炭素繊維工場をつくり、BMW社がそれを使って Megacity という街乗り用の電気自動車をライプツィヒで2015までにつくる。FRPをさらに炭素繊維で強化したCFRPを採用するのだ。
 この工場は水力発電で電気を得る。しかも会社は、炭素繊維のリサイクルにも配慮するという。


モスボール1万発以上あれば千発位の削減など屁でもないわけだ。

 Stuart Fox記者の2010-4-8記事「Chinese Government to Build 215-MPH Bullet Trains in California」。
 シナ人が大陸横断鉄道建設に投入されたのは1860sだったが、またカリフォルニアにシナ人が鉄道を建設しにやってくるかもしれない。
 米国一人口の多いカリフォルニア州の知事が、本年後半にこの問題で訪支する。
 シナとGEの売り込みは……。まずシナの弾丸鉄道の技術をGE社にリースする。列車の部品の8割は米国内でGEがシナのノウハウを用いてつくる。2割はシナから輸入。
 この製造のために、GEは、加州 Fremont のトヨタ工場をコンバートするかもしれない。GEとトヨタは自動車に関してはパートナーである。
 すでにシナは4000マイルの高速鉄道を国内に敷設し、今年だけでもそれに1200マイルを追加する。
 ただしこの契約、未だ決定した話ではない。加州は、日、独、韓、スペイン、仏、伊からも、別々に高速鉄道納入のオファーを受けている。
 シナはこれから10年で、北京とロンドンを弾丸鉄道で結ぼうという提案もしているところだ。
 シナは、ヴェネズエラとサウジアラビアとトルコにおいて、弾丸鉄道を建設している。さらに、ドイツ、イラン、チェコにも売り込み中。
 次。
 JONATHAN WEISMAN記者の2010-4-8記事「Obama, Medvedev Sign Treaty to Cut Nuclear Arms」をみて、昨日の疑問が解けました。
 次の交渉は、配備数の上限をそれぞれ1000発づつにまで減らそうと狙うだろうが、米国はモスボールの核弾頭で優っている――とあります。 Those talks would aim at bringing nuclear weapons caps to 1,000 or below, and would include Russia’s advantage in tactical “battlefield” nuclear weapons and the U.S. advantage in mothballed nuclear warheads, still functional but not counted under the caps because they are not deployed.
 つまりお互いに1万発以上のバッファーがあるから、シナの弾頭数を気にしないで、2国間の「削減」交渉ができるのですね。
 ということは、重爆撃機とF-16、特に後者の意義は今後、相対的に大きくなるでしょう。飛行機は何度でも反復出撃できるので、じっさいには1550発の上限を超えて、空対地巡航ミサイルと重力投下爆弾(それはB-61だけでなく、モスボールの多種類の水爆を利用できるはず)をさいげんなく敵地へ運搬できるわけです。米国内の条約批判派は、ここを指摘して新聞に投書したりしていますね。日本の新聞の投書欄とは、質が違う。
 関連して。
 Nathan Hodge 記者の2010-4-8記事「New Nuke Treaty: Trust, but Verify」。
 条約本文と、プロトコルとの二部建てだが、後者が重要だ。査察検証について定めているからだ。
 そのプロトコルいわく、両国のICBMは、すべて人工衛星から見えるようにしておかなければならない。
 ※つまり地下トンネル機動式などは、ゆるされない。囮サイロ設置や真サイロの念入りな秘匿も許されない。おそらく次は北京にも同じ要求をつきつけることになるんじゃないか。
 なお、露外相は、もし米国がMD能力を顕著に向上させたらロシアは条約から抜ける、と6日にマスコミに対して語った。
 次。
 David A. Fulghum 記者の2010-4-8アップ「Cyber-Warriors Begin Training」。
 これはわが空自幹部必読の記事と思いました。
 空軍の中から一粒選りでサイバー適材1000人(下士官を半分含むか)をあつめて、サイバー戦の特訓中。もちろん、サイバー戦のルールや遵守手順も叩き込む。
 空軍長官Donley氏いわく、戦略空輸部隊の拡大テンポは鈍るし、戦術空軍は削減されるので、空軍の今の若い下士官と将校が、中年以降に就くべきポストがなくなってしまわないように、何かあたらしいキャリアコースを開拓しておいてやらないといけないのだ。サイバーもしくは、UAVオペレーターだね。C-17の製造が終わるので、その予算を回せばいい。
 敵のネットワークに入り込んで撹乱するには単に敵の電気信号を模倣するだけではダメで、自然なタイミングや送り先というものを考えなくてはいけないのだ。だから敵の癖を理解する行動科学の素養のある将校【behavioral scientists】も混ぜている。
 初代学校長いわく。
 このサイバー戦学校は、軍人だけをリクルートしていては追っつかないので、民間からも適材をみつけてくるつもりだ。
 将来のサイバー戦闘は、軍人だけではなく、軍と契約した民間人や、連邦政府機関の文民も、その任務を分担することになるだろう。
 いま、空軍では、新兵が4年で staff sergeant [E-5] に昇進することは難しい。
 サイバー特技兵を、 warrant officer【下級准尉】または専門技術将校(specialist limited-duty officer)にとりたてて、長く空軍で働いてもらうインセンティヴを与えたい。たとえば多くの米陸軍のパイロットは、 warrant officers【下級准尉】だね。
 また2010-2-24に空軍は公式に決定した。remotely piloted aircraft (RPA)に携わる者には、その給与に奨励報償金を加算する、と。
 ※さもなきゃUAV分野に良い人材が集らない。よほどの変わり者以外は、誰しも有人機で飛び回りたいだろうからね。思うに、五体不満足な傷痍軍人をUAV要員に積極採用してはいけないのか?
 その報奨手当の額は、現行の「飛行勤務手当」と等しい。
 いま、米空軍には、400人のRPAキャリア将校がいる。これは数年以内に1000人に達するだろう。
 発電機は、コンピューター・コードの数行の変更で、破壊され得る。
 F-16のフライ・バイ・ワイヤは、強いマイクロ波照射で神経崩壊する。
 2007にイスラエルがシリアの北鮮製核濃縮施設を破壊したときには、飛行機が爆弾を落す前に、シリアの防空は麻痺していた。空からのネットワーク破壊が行なわれていたという。
 次。
 Rebecca Boyle記者の2010-4-8記事「 Navy Submarine Runs Eternally on Thermal Power from Ocean Currents」。
 米海軍研究所が資金を提供した、無人潜航ロボット「SOLO-TREC (Sounding Oceanographic Lagrangian Observer — Thermal RECharging)」は、海水の熱をエネルギー源にして、動き続ける、ほとんど永久機関。
 多数の筒の中にワックス状の物質が充填されていて、海面近くではそれは膨張する。海水温が下がったり、深度を増したときには、それは収縮する。熱によって位相が徐々に変わる物質なのだ。
 その収縮時に、油圧モーターが回る。そのモーターは発電機を回し、バッテリーに充電する。そして電動ポンプが、フロートの浮力を変化させて、機体を浮かんだり沈んだりさせる。
 この熱エンジンの設計は、ジェット推進研究所とONR。重さ180ポンドで大型のスクーバ・ボンベのような機体の設計は、カリフォルニア大のスクリップス研究所。
 すでに2009-11に初回のテストは成功していた。
 今週、SOLO-TRECは、深度500mまでの430回のダイブをやってのけ、その都度、1.6ワットの電力を生じた。GPS受信機と通信機をつけておけば、大洋のどこを漂流していても位置を把握できる。


「まあ座れ」党に、一票!

 これからマヌケな質問をするので、詳しい人は答えを教えて欲しい。
 NYTのEditorial欄、2010-4-6付けアップの「Mr. Obama’s Nuclear Policy」という記事によると、げんざい米軍は500の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している。そして、対するロシアは3000以上の戦術核兵器(弾頭とは書いてない)を保有している――とある。
 また、同記事にもあるけれども、現在、米露両国は、戦術と戦略あわせて2万発以上の核弾頭をもっているとされる。そして、2010-4-8のプラハ調印では、配備されている戦略核弾頭の数を、双方、いまの 2,200 発から 1,550発に減らす。これは、NYTでなくとも、他の報道でも皆、同じことが書いてある。
 さて、そこで試みに、2万発から、現在の米露の戦略核弾頭数だという「2200発×2国」(=4400発)を引いてみると、15600発となるだろう。
 その15600発からまた、現在の米露の戦術核弾頭数と思われる「500発+3000発」(=3500発)を引くと、12100という数字が残ってしまう。
 この、米露あわせて12100(発?)という、「戦略核でも戦術核でもない現有の核弾頭(核兵器?)」は、いったいぜんたい、どんな形でどこに存在しているのか? 工場や倉庫の中の、すぐには使えない「素材」「部品」あるいは「中古保管品」のような形なのだろうか?
 次。
 おなじみネイサン・ホッジ記者の2010-4-7アップ「Nuclear Upgrade for the Pentagon’s Gajillion-Dollar F…」。
 米政府は、F-35に核兵器を運用させるという計画を公表した。
 今回のリビュー、ふだんめったに議論しない核抑止部門に照明を当てた。
 すなわち、欧州に配備している戦術核兵器だ。
 ゲイツは6日、これらの戦術核はNATOの重要な防盾として残される、と言った。
 ただしその数量はこれから考えなくちゃならん、とも。
 その非戦略的核兵器のひとつが、「B-61」である。これはイールド可変式なのだ。
 そしてリビューによると、米空軍は、この投下式核爆弾の兵器としての寿命を最大に延ばし、F-35から運用できるようにする計画であるという。
 またリビューいわく、米空軍は、F-16のように、通常爆弾も核爆弾も運搬できる「dual-capable fighter」を、F-16の退役後も持ち続けたい。すなわちF-16の後継機であるF-35にもそれをさせたいのだ、と。
 げんざい、F-35は、完成が遅れ、開発コストがみるみる膨れ上がっており、かつまた、量産と配備までのスケジュールも、遅れに遅れそうである。
  2015までに米空軍はそれを戦力化できそうにはない。ほんらい2013には初配備のはずだったのに……。
 『Inside Defense』 (subscription only) が4-6に報じたところでは、ペンタゴンは連邦議会に対して、F-35の納入単価が、 $158.1 million にまで高騰し、新記録を塗り替えそうだと4-1に通知したらしい。
 次。
 DAVID E. SANGER and THOM SHANKER記者が2010-4-6にアップしている「Obama’s Nuclear Strategy Intended as a Message」。
 50ページからなる“Nuclear Posture Review”でいわく。
 冷戦時代から引き継いだ核兵器は、自爆テロリストや、核武装を目指す非友好的体制に対して 適当なaddress【構え】にならない、と。
 イランと北鮮に対しては “outliers”【離層、戸外に寝る人】 と呼び、ブッシュ時代のような “rogue states”とは言わず。
 これすなわち、今後の態度によっては核のターゲットから外してやってもよいぞよ、というメッセージを込めている。
 非核国が、化学兵器、生物兵器、サイバー兵器をもっていても良いが、ルールに従わずにそれを使うなら、または、拡散をさせるなら、米国は all options are on the table である。
 拡散しようとする国には、核報復もあり得る。“The message we’re sending here,” he said, was that countries that “actively pursue a proliferation agenda” would not be immune from any form of American retaliation, including nuclear.
 しかしもしNYでバックパック核爆弾が炸裂し、その兵器DNAから原材料国を特定できるとして、それに対する「核報復」をどこにするのか? 絶対確実に犯人を証明できないなら、核報復などできまい、と。
 次。
 Jeremy Hsu 記者による2010-4-7アップ「Air Force Calls for Reusable Booster Vehicles for Military Space Planes」。
 宇宙飛行機を打ち上げると、180度ターンして無人操縦で発射基地近くに戻り、滑走路に着陸するという、再使用可能な、有翼の宇宙ブースターを、空軍は、今年から開発する。
 この Reusable Booster System (RBS)は、プロジェクト名Pathfinder である。
 戻るとき、ただの滑空にするか、ジェットエンジン等を使うかは、未定。
 2035までには実用化したい。
 類似のモノのテストが4-19に打ち上げられる予定の Boeing X-37B だ。こいつは、宇宙軌道飛行機も、再使用型ブースターも、どっちも、戻ってくる予定。
 もちろん、とうぶんは Atlas または Delta rockets が打ち上げ機であり続ける。
 次。
 2010-4-6の記事「France Backs Away From The Chinese Threat」。
 インドと米国は圧力をかけ、フランスがパキスタン軍のF-17戦闘機用に進歩したレーダーや電子装備を供給せぬようにさせた。
 米国の懸念は、パキに供与されるフランスの技術が、すべてシナへ渡って、シナがコピー品を作って世界に拡散させるであろうこと。
 パキは軍事技術情報を第三国に洩らさないという約束を破ることで悪名高い。
 インドはフランス兵器の大得意先なので、インドの要請をフランスは蹴ることは不可能だった。
 パキはシナからさらに42機の JF-17 を追加で輸入するつもりだ。その単価は、 $14.3 million である。
 この飛行機はパキ国内でも組み立てられており、やがては1機が $12 million にコストダウンするであろう。なお、エンジンはロシア製の輸入(MiG-29と同じRD-93エンジン)。他の主要部品はシナ製 FC-1 の輸入。
 古いMiG-21や Mirage IIIをリプレイスしたがっている国々にとって、この価格は魅力的だ。
 パキが最初にJF-17 を買ったのは3年前。
 シナはこの機体を Super 7 fighter として20年間も開発してきた。ロシアがカネが無くなって途中でブン投げた「MiG-33」プロジェクトを引き継いだものだ。
 13トンの JF-17 は、むかしパキに売られたF-16とは互角だろうが、最新のF-16の性能にくらべると8割ほどの性能だろう。
 JF-17 は 3.6トンの兵装を搭載できる。空戦任務よりも爆撃任務向きの機体。
 作戦半径は 1,300 kmである。
 シナはすでに J-10 があるので、自国軍用としては採用してない。
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 2010-4-7の記事「Forbidden Weapons Won’t Go Away」。
 対人地雷は 1999 Ottawa Convention で多くの国が放棄したが、いまだに毎年5000人以上がひっかかっている。
 うち2割は死亡する。被害者の9割は男性である。
 被害者の1/3は、警察官もしくは軍人である。
 オタワの合意に加わっていない国が製造した地雷や、ゲリラの手製地雷が使われている。
 1999合意から数年以内で、15カ国以上が、 over 25 million landminesを処分した。※日本の場合は海洋投棄したと聞いている。白老の弾薬庫の人にかつて取材して聞いたところでは。
 the largest manufacturers of land mines は、 Russia and China である。この2国はオタワ合意に署名していない。
 シナ製地雷は世界の闇市場で入手可能になっている。
 China is believed to have a stockpile of over a hundred million land mines (mostly anti-personnel). その中から、古くなって廃用する寸前の物が、市場に出回り、1個5~10ドルで売られるのだ。
 コロンビアでは左翼ゲリラが、社会主義独裁政権をつくろうとして40年間も活動している。そして対人地雷をしかけまくっている。シンパでない市民に対しても使っている。
 ゲリラたちはシナ製中古地雷すら買えないので、手製地雷を作っている。だいたい1個3ドル未満でできる。そのつくりかたはインターネットで調べれば誰でも知ることができる。
 コロンビアでは対車両用の大型手製地雷も増えてきた。泥道で、乗客満載のバスが、それにひっかかるようになるだろう。よってコロンビアでの地雷犠牲者は、今年から急増すると予想されている。
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 2010-4-6の記事「Tanks In Afghanistan」。
 カナダとデンマークは、数十両の Leopard II tanks をアフガンに持ち込んでいる。
 こいつの120ミリ砲は、タリバンの砦をぶっこわすのに最適だぜ。IEDにも強いしね。
 装輪装甲車の護衛にも活躍する。
 しかるに米軍はアフガンに戦車を持ち込んでいない。Despite those advantages, the United States did not bring in tanks ※うかつにも知りませんでした。


新入生諸君、「読書余論」を申し込もう!

 まずNathan Hodge記者の2010-4- 6記事「Nuke Review: Deploying, De-MIRVing, and De-Targeting」。
 なんと、すべての米国のICBMは、単弾頭化される。
 ※これが、ロシアに対し、もう先制攻撃はしかけませんという、この上ない約束になる。もし1本が偶発発射されても、ロシア側は冷静に見守ることができる。と同時にこれは、もはや米国のICBMサイロが外国からの先制攻撃で芟除されるような事態はありえなくなったという米国の大自信の表明だ。ちなみに、弾頭を単発化すると、ミッドコースのバスの仕事も単純化されるので、命中率と信頼性は極限まで向上するだろうと考えられます。
 もし許可のない、または事故によるICBMまたはSLBMの発射が起きた場合には、それは必ず大洋中に落下するようにプログラム中である。ICBMの場合は、それは北極海だ。
 米国はヨーロッパ域に、戦略兵器ではない核兵器をいくつか、前方展開しておきたい。それは少数だけ残すであろう、とリビューは書いている。
 重爆撃機からだけではなく、戦術用戦闘攻撃機からも運用できる核兵器を前方展開する能力も残すべし。同時に、「B-61」核爆弾の現役年数を極限まで延ばすべし。
 関連して。
 Stuart Fox記者の2010-4-6記事「In Sharp Turn, Obama’s New Nuclear Strategy Ends U.S. Warhead Development」。
 化学兵器や生物兵器で攻撃されても、その敵国が核武装していない場合は、米国は核による報復や反撃はしないという、新たなガイダンスが公表された。
 しかし例外とするものいくつかある。敵が、今日存在しない、遺伝子工学を使った将来型の生物兵器を使った場合。または、ならず者国家である場合。※するとベネズエラはヤバそうだな(w)。
 前のブッシュ(子)大統領が開発させたがっていた、イランや北鮮に対する外科手術的先制核攻撃に用いることのできる特殊な地下侵徹式マイクロ・ニューク弾頭の開発は、これで、なくなった。
 その代わり、すでに保有している米軍の核弾頭の機能を永く保たせるための研究にはカネをつぎこむ。
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 Bettina H. Chavanne記者による2010-4-6記事「Pentagon Rolls Out Nuclear Posture Review」。
 核兵器の開発よりも、原発インフラに巨費を投ぜよという米国の大方針が明瞭に打ち出されたのである。2011予算では、$5 billion もが、ペンタゴンからDOE(エネルギー省)へ移される。
 エネルギー省の、核非拡散のための予算も増やされる。
 New Strategic Arms Reduction Treaty (New START)は、米国の兵器庫から、 Tomahawk(nuclear-equipped, sea-launched cruise missile)を抹消させる。
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 Lisa M. Novak記者の2010-4-7記事「Navy considers smoking ban aboard submarines」。
 何ヶ月も艦内の循環空気を吸わねばならぬ乗員の健康のため、艦内での完全禁煙に踏み切るか。
 ペンタゴンの2008調査によると、軍人喫煙率は2002には34%だったが、2008には31%である。
 非喫煙者がその煙でどのくらい害を受けるかどうかも米海軍は調査したが結果は未公表である。
 2005の海軍方針のよると、軍艦内の喫煙室は換気を良好にし、見張り所から遠いところに設けなければならない。寝台室、食堂、休憩室、体育室を喫煙可能な場所としてはならない。換気能力を超えぬ人数しか同時に利用させてはならない。
 スモーカーは、タバコが手に入らなくなったら、何でもする。ある潜水艦乗りは、1箱を60ドルで戦友から買っていた。頭の良い水兵は、大量に買い込んでから乗艦する。
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 JOHN REED記者による2010-4-5記事「DoD Report: Other Countries Leveling Space Playing Field」。
 これから通信衛星の世界的な需要と供給が増す。すると使える周波数帯が制約されるようになるだろう。電波の出力や、カバーする地表域が、制限されるようになるだろう。
 次。
 Amy Butler記者による2010-4-6記事「GBI Test Failure Result Of Two Problems」。
 2010-1-31の迎撃実験失敗の原因が2つあったと判明した。
 第一原因は、標的ロケットLV-2(古くなったトライデントC-4ブースターを転用したもの)がマーシャル群島の Kwajalein Atoll から 3:40 PSTに発射されたときに、chuffing を起こしたこと。
 チャフィングとは、自動車エンジンがバスンバスンと息をつく音を模した名詞だ。
 今回の場合、固体燃料の燃焼速度・燃焼圧が変化してしまったのだ。
 古い固体ロケットではよくあること。なにしろ LV-2 に転用している Trident C4 boosters は、製造してから25~35年も経過しているのだ。
 チャフィングは、あり得ることとして織り込み済みの現象のはずであったが、今回は、標的の複雑なチャフィングのために、SBX(Sea-Based X-band radar)のボーイングの予測ソフトウェアがパンクしてしまったのだ。
 SBXは、標的ロケットの筒体、ノーズコーン、囮、弾頭、その他一切を同時に視野にとらえていなくてはならない。すべてを計算しなくてはならないのだ。
 今回は、標的のチャフィングを無視するアルゴリズムが働かなかったと反省されている。
 ※てことは速度がブースト途中で何度も変わる「ムダに多段式」BMをつくれば、ミッドコースで迎撃不可能ってことだな?
 第二の原因。
 Exoatmospheric Kill Vehicle (EKV) の機能不全。
 あきらかに、〔複数ついているうちの〕1個のスラスターが機械的故障を起こしていた。コネクターが不良品だったのだと思われる。
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 RIA NovostiのТарас Литвиненко記者の2010-4-3記事「Russia’s Black Sea Fleet may lose all warships by 2015」。
 黒海艦隊の主要な艦艇は艦齢30年を超えており、2015までに戦力としては消滅するであろう。
 すでに艦底が錆びて穴が開きかかっている状態。
 1982建造のディーゼル潜水艦×1、その他が、さいきん除籍されている。
 当面、新顔艦艇が黒海艦隊に入るという計画はない。年々、減る一方。
 ロシアは「20380計画」型コルヴェット艦を大量生産すべきである。これはバルト海と黒海で、沖合いの油井、ガス油井や油送船を守るために特に設計された艦である。
 すでにその第一艦は2008-10にバルチック艦隊に所属した。第二艦も進水しており、第三、第四艦は建造中である。
 しかし、造船所の能力に余裕がなく、これを大量生産できない。
 どこも、何年も先まで、外国から受注したフネの予定で一杯なのだ。熟練工が他にいるわけでもないから、能力の急拡大は無理。
 希望は、ウクライナの造船所でつくったもらうことだ、と。
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 ディフェンスニューズの Vago Muradian 記者が、シンガポールの国防相 Teo Chee Hean氏にインタビューしている2010-4-5記事。
 氏は、元海軍長官であり、2003から現職。
 同国は、1年前から軍医を中心にアフガンに将兵40名を派し、ソマリア沖では海賊討伐戦に参加中。
 ゲイツはアジアに年に1回は来ている。
 現在のシンガポールの国防費は about 4.5 percent of GDPだ。
  G550 という早期警戒機もつくった。
  Terrex という歩兵戦闘車もつくった。
 グローバルホークを買うか、もしくはシンガポール内の基地に受け入れるつもりは?
 ――可能性は否定しない。
 ※朝雲新聞で、先月下旬に都内でグロホの実物大模型展示があったと知りました。水面下でそうとう話が進んでいるのか。
 古くなっているはずの フォッカー哨戒機は、無人機または有人機で更新するつもりか?
 ――更新はせねばならない。機種は未定。
  F-15SG の導入中だが、F-35の評価もせねばならない。
 アフリカの角での海賊退治で学んだこと。協同作戦が必要であること。沖合いだけでなく、沿岸の陸地を攻略せねばならない。敵は陸上を拠点に活動しているのだから。
 シンガポールの国防費は米ドルにして $8.2 billionである。
 国軍は、常備5万5000人だが、即応30万人動員できる。
 次。
 AFPの2010-4-5報道。「U.S. Warns Venezuela On Weapon Proliferation」。
 ワシントンはベネズエラのチャヴェスに詰問した。「おまえ、ロシアから top five billion dollars もの大量の兵器を買って、ラ米の周辺国に拡散させる気だろ?」
  Chavez は、隣国(仮想敵国) Colombia の麻薬ゲリラ組織に武器を渡している――と米国から非難されている。
 スペインの裁判所は、ヴェネズエラ政府がスペイン国内で、コロンビアのFARC rebels 、およびバスク分離運動集団 ETA による、コロンビア政府高官たち(President Alvaro Uribeを含む)を暗殺せんとする計画を幇助した――と主張している。
 2009にも米国政府は、ヴェネズエラがなんでロシアと宇宙事業で協同しようとするのかと問うた。ヴェネズエラは産油国なのに、国内での電力供給すら満足にはできていないのだ。
 次。
 Jeremy Hsu記者の2010-4-5記事「 Process That Converts Cotton to Boron Carbide Cou……」
 ボロンカーバイドは防弾着の挿入プレートや戦車装甲として既に使われているが、ついに、それを繊維(ナノワイヤー)化してTシャツにできるようになった。
 自動車や飛行機の材料になる日も遠くない。
 木綿のTシャツを、ボロン粉末とニッケル触媒の溶液に浸し、燃えてしまうのをアルゴンで防ぎつつ摂氏1100度に加熱してやる。
 すると木綿繊維が炭素繊維になり、さらにボロン・カーバイドに変わる。
 この繊維は紫外線も遮断してくれる。
 次。
  Clay Dillow記者の2010-4-6記事「 Solving the Mystery of the Green LED For Pure, Efficient White Light」。
 いままで、赤と青のLEDはあった。が、緑のLEDがなかった。それができた。gallium nitride に indium を混ぜたらグリーンができた。
 これにより三原色がぜんぶ揃った。さらに研究を進めて、10年以内に、白色照明を革命的に低廉にしたい。
 次。
 Matthew Cox記者の2010-4-5記事「Marksmanship changes to prep GIs for war zone」。
 米陸軍は、正確な狙撃だけ重視してきた従来の小銃教育を変更する。もっとたくさんタマを発射し、ジャムをすぐに直し、弾倉を確実に交換できるような訓練到達目標に変える。それが今日の戦闘では死活的だからだ。
 いままで兵隊の小銃検定は、40個のポップアップ標的に40発発射して23発が当たったらマークスマンに認定していた。
 これをどう改めたか?
 まず射撃位置は、バリケードの背後から、とする。
  reload がすばやく確実にできるか、を見る。
 すぐに move in a tactical setting できるか。
 そして、標的が倒れるまで、発射し続けなければならない。shoot until the targets are “dead.”
 こんご、Benning 基地では、歩兵の新兵は730発、非歩兵の新兵は500発射つことになる。従来は 300 発くらいであった。
 冷戦期いらいの歩兵射撃訓練メニューは、〈友軍は、圧倒的な数の敵から攻勢を仕掛けられる〉という対ソ戦のシナリオを想定し続けていた。これを見直さねばならぬと、2007年から検討が始められていた。
 .223のタマ1発ではアフガン人は死なないことが8年の経験でハッキリした。2発以上当てねばならない。
 小銃兵には、複雑化した照準器材のゼロ規正ができるスキルも要求される。