真にステルスのフリゲートを造りたかったら「無航跡」を実現しなければダメだという話。

 ストラテジーペイジの2021-11-20記事。
    今月、中共は3機編隊の「遥感衛星」(リモセン衛星)をLEO(高度600kmより低い軌道)に投入した。
 「遥感35号」と称している。
 3機編隊衛星は、合成開口レーダーやマルチスペクトラム光学センサーや電波受信アンテナを備え、傾斜軌道を周回しながら、米空母艦隊の動静を追いかける目的をもつ。

 表向きは、農業省がコントロールする農地の作柄観測用であるなどと言っているが、誰も信じていない。
 旧ソ連も、「コスモス」スパイ衛星シリーズはぜんぶ民生用だなどと平然と嘘をついていたものだ。

 南シナ海の緯度範囲を見張れる傾斜軌道の衛星をげんざい中共は10機ぐらい廻している。

 もし、3m×3mの海面物体を探知したければ、合成開口レーダー衛星1機で、幅40kmの海面を斜めにスウィープできる。
 もし、もっと解像度を悪くし、20m×20mの海面物体を探知できるだけでよいとするならば、合成開口レーダーで幅100kmの海面を斜めにスウィープできる。

 3機編隊ならその3倍の幅でスウィープできるわけである。

 衛星情報の他に、中共は、海中に設置した多数のセンサーによっても、米海軍の動きを把握したいと思っている。パラセル諸島内には、そのASW情報を統合する施設がある。

 米海軍は、偵察用のUUVを2000機も持っており、これを放ってシナ大陸沿岸の海中を探らせている。

 2021年の中共の衛星投入活動はかつてなく活発で、「遥感」35号の打ち上げは、今年になって43番目の宇宙ロケットでなされている。

 ※80年代末から思っていることなのだが、初期の日本のマルチスペクトラムの資源探査衛星や測地衛星のカラー処理画像を見れば、すでに、小船艇の「航跡」までバッチリ写っているのである。それも雲を透過して。航跡は何kmもの線分模様だから、空母やマンモスタンカーの全長よりもとうぜんに大きく、低解像度でも必ず映る。フネそのものがマイクロサイズでも、あるいは、そのフネが衛星の視界外へ逃れても、航跡の温度差だけは何時間も海面にずっと残り続けるものなので、90年代以降、ある海域や海岸にこっそりとフネで近づくということは不可能になっているはずなのである。この宇宙からの海洋監視が実効的に機能しないのは、傾斜軌道衛星の数が足りないからなので、その数をやたらに増やしさえすれば、広い海域の「ニア」常続監視は可能になる。ようやく中共はその実験ができるようになったのではないかと疑う。

 次。
 コンビニエンスストアニューズの2021-11-18記事「A Game-Changer for Managing Fuel Inventory」。
    米国ではコンビニでガソリンを売っているのだが、悪いことを考えるやつはどこにもいるもので、「中間窃盗」が可能なのである。
 具体的にはどうするかというと、これはガソリン運搬トラックのドライバーと、コンビニ店主とで、やり方が違ってくる。

 タンクローリーのドライバーは、〔たとえば月イチのペースで〕4000ガロンを届けるときに、そこから500ガロンを抜いて窃取してしまう。そのあと、500ガロンの水を継ぎ足し、全体量には不足がないようにするのだ。

 コンビニ店主の場合は、帳簿外でガソリンを売ってその代金を私服し、地下タンクに同量の水を注入するか、コンソールを不正に操作して帳尻を合わせる。

 この手の中間窃盗は長年の悪慣行だという。これを不可能にしてやるために、「IoT」技術を応用する提案がなされている。

 ガソリン小売店の地下タンクの在庫量と、そこに含まれている水の割合をリアルタイムで弁別できるセンサーがあるので、それを仕掛けるという。

 ※noteについて教えてくださった方、ありがとうございます。意見交換をしたいのでよろしければ連絡先をこっそり知らせてください。


(管理人Uより)

 Twitterでご意見下さった方の事かと思います。直接の連絡先をご存知なければお問合せよりご連絡いただければ幸いです。


戦略備蓄石油の取り崩しは大いにやるべし。なぜなら対支有事にはSSMで簡単に炎上させられてしまうのだから。

 AFPの2021-11-20記事「Protests cast spotlight on Chinese factories in Serbia」。
   今週水曜日、セルビアにあるシナ系資本 Linglong 社のタイヤ工場で、ベトナム人労働者がストライキに入り、セルビアのニュースになっている。

 このベトナム人たちは、ドイツ人が経営する工場で働くのだと騙されてセルビアまでやってきたが、着いたとたんにシナ人親方にパスポートを取り上げられ、奴隷労働を強いられていた。

 窮状を訴えているグエンさんは工場敷地のタコ部屋からビデオメッセージをAFPに送った。ここはまるで刑務所ですよ。

 労働搾取のためのヒューマントラフィッキングが疑われている。
 取材した記者によると、タコ部屋には暖房がなく、温水も出ない。下水道設備もないという。

 その上、給料は遅配。食事も出されないため、ストライキに踏み切った。

 Linglong社によると、この工場は直営ではなく、下請け会社がやっているのだという。

 2019年にはこんなことがあった。英仏トンネルを通って英国入りした保冷トラックの荷室を開けたら、39人のカチンコチンのベトナム人の死体が転がり出できたのである。

 セルビアは、武漢ウイルス流行の初期、中共製ワクチンをヨーロッパで真っ先に頂戴して大感謝を表明している国である。

 中共からの投資は9億ドルにのぼり、これを排除する気はない、とセルビア政府は言明している。

 次。
 Brandon Webb 記者による記事「Navy SEAL Combat Swimmer and Diving Against Attack Dolphins」。
    EOD=水中爆発物処分隊員 の4週間の潜水教程の最後に待っているのは「対アシカ」「対イルカ」戦闘術であった。

 軍港を、イルカやアシカに警備させている国があるのだ。そのイルカやアシカの頭部には、圧搾ガスを放出する「針」が括りつけられていて、その先端でフロッグマンを小突くと、人体内に圧搾空気が注入され、塞栓症を起こしてそのダイバーはただちに死ぬ。

 この訓練ではホンモノの針は使わないが、イルカがダイバーを小突くことに成功すると気泡が出て海面まで達するので、その生徒が水中格闘をしくじって「殺された」ことは判定ができるのである。

 イルカはご褒美にイワシを貰える。

 この訓練用の「擬似針」、刺さらぬ構造にはなっているけれども、イルカパワーでつつかれれば、さすがに数日間は、そこが痛むそうである。

 どだい、水中でイルカと戦って勝てる人間なんているわけがない。生き残る道はただひとつ。ソナーを攪乱するのだ。
 できるだけ浅い水面や、防波堤脇に位置取りすれば、イルカのソナーは有効範囲が狭まり、人間にはチャンスが生ずる。

 深いところでは、変温層を利用するしかないだろう。

 ※対フロッグマンには「ダツ」ロボットが役に立つだろう。そのくちばしから圧搾空気を発射させればいいのだ。イルカと違って、もはや目にもとまらない。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-11-19記事。
    10月のことだが、レバノン領内でイラン製の武器を運搬していたトラック・コンヴォイを、イスラエルの「タムズ」ミサイルが吹き飛ばした。これは輸出商品名「スパイクNLOS」と呼ばれる対戦車ミサイルだ。

 トラックはイスラエル国境近くまでやってきたので、イスラエル領内から対戦車ミサイルが届いたのである。

 「スパイクNLOS」は1発22万ドルで、F-16から空対地ミサイルを発射するのに比べたら、はるかに安あがり。どうもごっつぁんです—という出来事だった。
 ちなみに「スパイクNLOS」を発射した母機はヘリコプターであった。

 イスラエルは、こうした長射程の対戦車ミサイルを、砲兵隊に扱わせている。「タムズ」(開発コード名で、ユダヤ暦の第四月の名)は、最初はM113APCから発射するものであった。敵が望遠鏡で見て「タムズ」部隊だと分かってはいけないので、キャニスター・ランチャーはふだんは完全にAPC内部に収納されているのだ。

 「タムズ」は、陸上から発射すれば射程20kmだが、ヘリコプターから発射すれば50km先まで届かせることができる。
 誘導は、斥候兵、または母機のヘリから直接照射するレーザーによる。

 2007年から英軍はこれを600発以上大量購入してアフガニスタンで使用した。その手ごたえについて英軍は、外部にペラペラと喋ることなく、厳重に秘密にしている。

 次。
 Plane & Pilot の2021-11-19記事「Breaking News: Rolls-Royce Blows Away Electric Speed Record」。
   ロールズロイス社が、電動プロペラ飛行機「スピリット・オヴ・イノヴェイション」号を飛ばし、時速387マイル=622km の世界新記録をつくった。

 これまでのスピード記録は、「エクストラ300」機による、時速213マイルだった。

 今回、「SoI」機は、上昇スピード記録も樹立した。h=3000mまで3分22秒でかけのぼったという。

 搭載モーターは400キロワット。これは内燃機関だと535馬力くらいに相当する。機体はオール複合材のレース機である。



東地中海はロシアの海でもあるから、大急ぎでF-35を海底から引き揚げるらしい。

 退役海軍中佐 Larry Parker 記者による2021-11『プロシーディングズ』記事「Tanks, But No Tanks」。
   M4A3シャーマンの75ミリ砲内に「マーク1 火炎放射器」を現地でとりつけたのは、シービーズだった。レンジ150ヤード。硫黄島に投入。

 海兵隊が戦車を全廃することにしたのは、さんざん検討した末の結論なのだろう。だがワシは予言する。ぜったいに後悔するぞ。

 次。
 John Maurer 記者による2021-11-19記事「The Washington Conference 100 Years Later: Averting Great-Power Conflict in Asia」。
   じつは今年は「華府会議百周年」なのであ~る。

 H.G.ウェルズは1921ワシントン軍縮会議をジャーナリストとして取材し、会議呼びかけ人のウォーレン・ハーディング大統領が大男で見栄えがし、声も好かったと書いている。

 そして、続くチャールズ・ヒューズ国務長官の提議は、会議参集諸国の代表たちの度肝を抜いた。

 すなわち、各国とも、ポストジュトランド型の新鋭戦艦の新造は禁じ、旧式戦艦は廃棄を進めることにより、海上で攻勢を取る戦争の準備は誰もできなくするようにしよう、というのだ。

 英国代表のアーサー・バルフォアは、この米側提案を、大胆で大政治家らしいと評した。

 英日米の三国で現在進行中の主力艦建造計画を削減するなどという海軍軍縮は、いままでなら、不可能だと看做されていたことだ。

 そもそも第一次大戦直後の海軍大軍拡を主導した張本人は米国の民主党のウィルソン大統領だったのである。
 ウィルソンは「比較を絶して世界最強な海軍」を建設せねばならない、と叫んで、英国の海上覇権を凌駕する企図を明らかにした。

 ウィルソンの考えでは、WWI後の米国は「国際連盟」に加わるべきなのだが、それができないとすれば、次の戦争に備えるしかない。

 米国と列強が「連盟」に加わってはじめて世界の軍縮は可能になる。しかるに上院が反対して米国の加盟は阻止された。こうなった以上はもはや、孤立した米国は、安全保障のために単独で強武装するしかないのであると。

 大統領選挙に勝ったハーディングは就任前の1920-12にカリブ海の休養から戻り、米国は「大海軍と大商船隊」を保持しなければならぬと声明し、前政権からの建艦計画を引き継いだ。

 いかなる国家も、十分な海軍力による通商権の擁護なくして、卓越した商業国家とはなり得ないのである、とハーディングは説明した。

 しかし米国内にも、WWI後に海軍軍拡を続けていることに対しての不満や反対意見は強かった。
 連邦議会で、海軍予算に反対する強硬派は、アイダホ州選出のウィリアム・ボラー上院議員(共和党)だった。

 ボラーは進歩主義者であった。ボラーはヴェルサイユ条約の批准に反対し、また米国を国際連盟に加入させようとしたウィルソンの理念を葬り去った男である。

 米国は国際連盟にも入るべきではないし、海軍建設もすべきではない、という特異な立場の政治家であった。

 ボラーは議会決議を主唱した。すなわち、ハーディング新大統領は、英国と日本を呼び集め、その三大海軍国が、海軍軍拡予算を直ちに縮減するという合意を目指すべし、と。

 このボラーの決議案には、米国輿論の後押しがあった。それは米国納税者の気分を代表していた。

 ハーディングは、英日その他の海軍国に正式の招待状を送った。首都ワシントンで海軍軍縮を話し合いたい、と。

 上院外交委員会の委員長は、ヘンリー・カボット・ロッジだった。大統領はロッジをホワイトハウスでのディナーに招き、意見交換した。
 ロッジの印象では、ハーディングは6隻の巡洋戦艦の新造について意欲的であった。

 ロッジは、日本も英国も海軍軍縮は拒否すると思うが、そうなったら、世界軍縮失敗の責任は日英に被せられるので、米国に損は無いだろうと思った。

 ハーディングも新聞記者を使ってブラフをかました。英日が同意しないなら、われわれは予定通り海軍大軍拡を進めるだけだ、と。

 ハーディングの肚積もりでは、ワシントン会議が決裂したら、上院も海軍拡張予算に反対できなくなるはずで、つまりはどっちに転んでも大統領の指導力は強化されるのである。

 ハーディングは国務長官ヒューズを腹心として信頼し、会議を仕切らせた。

 じっさい、ヒューズは英国代表に位負けしない、得がたい人材だった。NYCの法律事務所からキャリアをスタートしてまずNY州知事に当選。最高裁判事の席に連なったあと、1916には共和党の大統領候補にまでなったが、敵手の民主党ウッドロー・ウィルソンに惜敗しているのである。

 ヒューズは完璧に秘密を保って会議の準備を進め、開会冒頭の爆弾提案で列強代表を驚倒せしめたのであった。

 英国は、WWI終結時点で、世界最強の海軍国であった。ドイツを屈服させることができたのも、多くは英国のシーパワーのおかげだと思われた。

 時の英国首相デイヴィッド・ロイド・ジョージの心境は複雑だった。
 彼は、英国戦後財政は確かに厳しいのだが、米国海軍が英国海軍を凌ぐことを阻止するためならば、じぶんのシャツを質屋に入れたっていい、と思っていた。

 英海軍制服ボスのデイヴィッド・ビーティ提督も、海上覇権を米国に譲るのを見るくらいなら、オレは海軍卿を辞任する、と言っていた。

 しかし英国政府には、米国から多額の戦費を借金したままで、当面返せるあてがないという弱みがあった。
 対米全面経済競争に突入すれば、勝ち目はない。

 また内政も危うかった。1921の英国GDPは9.7%落ち込んでいた。このままでは社会不安が激甚化する。ロシア型の共産革命が。

 英国内の保守系新聞も、建艦費を削って景気対策と国民厚生にまわせ、と主張していた。とうじは梅毒の治療が大課題であった。癌も、科学研究費を突っ込めば克服できると信じられていた。そっちが優先だろう、と。

 ロイドジョージは、戦艦の時代は終わったと思っていた。彼は海軍専門家を信じなかった。
 WWIいらい新技術が多数登場し、海戦の勝敗を決める要素は流動する、と彼は読んでいた。

 だからヒューズ提案に接して英政府は、即座に賛意を表明したのである。閣内にいたウィンストン・チャーチルもまた、ヒューズ提案を喜んだ。

 日本のGNPも1921には8パーセント下がっていた。八八艦隊整備計画などを執行したら財政破綻は必至だった。

 日本海軍は対米7割を望んだが、米海軍は6割しか認める気はなかった。
 加藤友三郎は、だったらグァムとフィリピンを基地化するなと言った。これは渡りに船だった。米国議会も、グァムやフィリピンのために予算を使いたくはなかったのである。海外領土などに予算をつけても、じぶんの票にならないからだ。

 ワシントン会議は米国の隆盛を象徴していた。じつは1916年、すなわちヴェルダンとソンムで死闘がくりひろげられていたときに、英帝国の経済規模は、米国に抜かれていたのである。

 まさにその1916年の8月29日、ウィルソン大統領は、大海軍建設法に署名したのだった。

 ※この記事は、山本五十六がなんで米英に怒っていたかの把握が皮相的だ。というか、そもそもロンドン条約を視野に入れてない。

 ※末筆ながら釧路の御方、どなたかは存じませんが、いつも有難う御座います。



炭酸飲料に環境終末論者の矛先が向かうのは時間の問題だから、炭酸類似の人工味覚を研究する価値がありそう。

 The Maritime Executive の2021-11-18記事「MOL Reports Collected Microplastics Can Become Energy Source」。
   日本の「三井O.S.K.Lines」社は、汽船が巡航するついでに海中のマイクロプラスチックと微少藻類を集め、それを新燃料に換えてしまうという試みに進捗があったと報告している。

 ※馬鹿じゃねえの? なんでこういう発表をCOP26の前にしない? それで自社株も上がるだろうに。経営陣にこんなドジしかいねえからテスラ如きに会社価値で負けるんだ。

 この研究は「エコ・トリニティ」という。水を浄化すると同時に燃料になる資源を取り出す。「シー・ユニコーン」という大きな研究の一環である。

 MOLいわく。木質ペレットに比肩し得る燃料ペレットが、回収マイクロプラスチックからできあがる。
 マイクロプラスチックが、新燃料源になり得るのである。

 MOLは昨年、企画を発表している。ウッドチップを運搬するばら積み貨物船の、バラスト水調節装置を利用して、その航海中に海中からマイクロプラスチックを集めてみると。

 試験成績は有望であったので、2022に就役させる新造の木材チップ運搬船には、最初からこの濾過回収装置をとりつけてみる、と。

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 Jesse Klein 記者による2020-10-7記事「Are the bubbles in your beer made from sustainable CO2?」。
    ビール製造業者は、これまで必然的に二酸化炭素を大気中に放出してきた。
 イースト菌が発酵するとき、二酸化炭素が作り出される。だがこれは、大気中に逃げてしまう。
 そこでビール製造業者は、わざわざ外部の工場から純粋な二酸化炭素(エタンの製造過程で副産物として集められる)を買い求めてきて、その圧搾ガスをあらためて原液に注入して、3日ぐらいで炭酸ビールに仕上げていたのである。

 近代以前には、2週間ぐらい樽に放置していたら、ビールの液体に自然に発酵副産物の二酸化炭素が混じってくれた。しかしビールを工業的に大量生産したい現代米国の業者は、その2週間が待てないわけである。

 さすがに今日の業界の課題としては、ビール酵母が発酵するときに出る二酸化炭素を大気中へ逃がしてしまわずに、それを集めて原液に混ぜ、商品のビールを完成させるというプロセスを開発するのが、現今の時代の要求だとは自覚されている。

 しかし現実的には、そのような設備投資が必要とするコストが大きすぎて、ビール醸造大手にも、手が出せないでいた。

 このたび「アースリー・ラブズ」というベンチャーが、家庭用大型冷蔵庫サイズの器材の追加だけで、その工程を実現できるように考えたという。

 醸造樽から集めた二酸化炭素を、液体ガスの形で貯蔵する。これなら場所も取らず、後で自在に再利用ができる。

 パンデミックは二酸化炭素の値段も吊り上げている。これはベンチャー会社にとっては追い風だ。

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 2021-11-19記事「Thermal energy storage could play major role in decarbonizing buildings」。
    「脱炭素ビルディング」は可能だろうか?
 水に代わる、蓄熱媒体を開発したら、それは可能だと、「バークレー研究所」の面々は考えている。

 米国では、全エネルギー消費のうち40%が、ビルディングにおいて消費されている。

 その40%のうちの半分は、「暖房+温水給湯+冷房+冷蔵庫」用のエネルギーなのである。

 言い換えると、全米のエネルギー消費の20%は、ビルの中の「暖房+温水給湯+冷房+冷蔵庫」のために消費されているのだ。

 これまで、蓄熱媒体としては、専ら「水」が使われてきた。
 水よりも効率で勝る蓄熱媒体があれば、ビルの省エネ化は、半ば実現したようなものである。

 液体相が固体相に、あるいはその逆に変化するときに、吸熱したり放熱したりする新物質。これが、研究されている。
 たとえばビル壁の中にその媒体を満たしておけば、もうエアコンは要らなくなる。

 バークレー研は、電池でもあると同時に、蓄熱媒体でもあるような物質を、見つけたという。
 これで、地域のソーラーや風車で発電しすぎて余ってしまった電力を、いくらでもビルの中に一時蓄積することが可能になる。電気の形で充電しにくくなったら、こんどは熱に変えて溜めればいいわけだ。深夜電力も合理的に活用できるようになるだろう。



ハエトリグサの花茎は異常に長い。そうでないと、せっかくの花粉伝送昆虫を、あやまって捕食してしまうから。

 David Choi 記者による2021-11-18記事「US ambassador vacancy in Seoul is ‘legislative malpractice’ in Washington, former envoy says」。
    1月に駐ソウル大使を降板したハリー・ハリス提督が、水曜日に発言。いまだに後任大使が空席であるのは遺憾であると。

 発言場所は、NYCの韓国協会が主催したパネル。

 このパネルには、以前の在韓米軍司令官だったロバート・アダムズ大将とウォルター・シャープ大将、以前の太平洋艦隊司令官スコット・スウィフト提督(いずれも退役)も招かれた。

 ハリス提督は2018-7から大使に起用されていた。トランプ政権人事として。

 2021-1-20にスタートしたバイデン政権は、ハリス大使の後任をノミネートすらしないで放置している。そのためげんざい、元海兵隊でプロ外交官のクリストファー・デルコルソが、公使代弁(シャルジェ・ダフェール)を務めている。

 ハリスは、後任がノミネートされるまで6ヵ月間、ひきつづき大使にとどまりますよ、と米政府に申し出たそうである。

 ハリスいわく。大使を決定するのは連邦上院だが、ホワイトハウスがノミネートすらしないのでは上院にもどうしようもない。
 この状態は遺憾である。早く決める必要がある。

 じつは駐韓大使だけではない。駐比島大使、駐泰大使、駐イタリア大使、駐サウジアラビア大使も、いまだに空席のままだ。
 駐北京大使と駐東京大使は、ほぼ決まった(上院の正式承認待ち)。

 ※キョードー電によると、2022年度の在日米軍の駐留費の負担増額について日米はすでに合意に達し、来月にも正式決定する。駐日大使など存在せずとも日米懸案はテキパキと片付くというところをわが外務省は韓国や米民主党にみせつけている。さすがである。

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 Joseph Trevithick 記者による2021-11-17記事「Top Gun: Maverick’s Massive Support From The U.S. Military Is Laid Out In These Documents」。
  『トップガン』の続編映画を撮影するにさいし、米海軍と映画会社がどんな契約書を作っていたか、その詳細が明らかになって、興味深い。

 ※F-35の機内もとうぜんに撮影することになるので、とうぜんに軍の「お目付け」が「ここは消せ」とラッシュを見て指示することになるわけである。そういった細部の取り決めの「文言」が、これから軍に協力を依頼するかもしれない映画会社にとっては、参考になるだろう。またたとえば軍人のアドバイザーには製作会社から賃金を払うのだということもキッチリと明記されている。

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 Matthew M. Burke 記者による2021-11-18記事「‘Incredible life’: Navy mourns ‘Daddy Mike,’ a Sasebo Naval Base legend」。
   佐世保で米水兵から「ダディ・マイク」と呼ばれていたミノル・ヨネダが11-3に肺炎のため91歳で死去。
 ヨネダは1930にカリフォルニア州サンマルティンの丸木小屋で生まれた。彼の父は米国に不法入国したのだという。母親は写真見合婚で渡米しており合法的に市民権を得ていた。
 ミノルには15人もきょうだいがおり、10歳まで靴を履いたことがなかったという。

 WWII中、よねだ一家は4年間、強制収容所に入れられた。

 1949年にミノルは海軍予備兵に志願し、執拗に運動して現役水兵になった。

 朝鮮戦争とベトナム戦争に参加し、兵曹として1982に除隊したあと、佐世保の基地内レストラン「ハーバー・ヴュー・クラブ」のマネージャーになった。同時に複数の厚生支援活動を兼務。
 それを40年近く、続けた。今の提督たちがまだ少尉だった頃から、知っているのである。

 2019に引退しているのだが、その後も時々、顔を出していた。

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 Evan Bleier 記者による2021-11-18記事「Is Bill Belichick, The Highest Paid Coach in American Sports, Overpaid?」。
   NFLの「ニューイングランド・パトリオッツ」のコーチは69歳のビル・ベリチックである。彼の長年の年俸は、平均すると、なんと、1800万ドル=20億5600まんえん になるということが分かった。

 これはアメフトのみならず、米国のすべてのスポーツ界で、コーチが得ている最高額のはず。

 他のNFLコーチだと、1400万ドル(シアトルおよびニューオリンズ)、1200万ドル(カンザスシティ)が続く。

 NBAのコーチでいちばん高給取りなのは「サンアントニオスパーズ」のグレッグ・ポポヴィッチで1150万ドルである。

 ちなみにMLBのトップコーチは400万ドルしか貰っていない。これはNHLのトップコーチよりも100万ドル少ない。



くまったくまった

 AFPの2021-11-17記事「Suspect arrested in China digital yuan scam」。
   米ドルにして数千ドルの電子人民元を、シナ中央銀行の「eウォレット」から詐取したとして、シナ人1名が逮捕された。水曜日、中共警察の発表。

 中共では2019年後半から、実験的に10都市で、デジタル人民元を流通させている。北京も含まれる。

 こんかいの逮捕者は江蘇省の高郵市に住所あり。
 まず警官になりすまし、被害者女性の個人情報をいろいろ聞き出し、被害者名義で「eウォレット」口座を開設した。

 そして被害者女性の普通銀行口座にあった30万元(4万7000米ドル相当)が、デジタル人民元に転換された。犯人は次にそれを、おのれの「eウォレット」口座へ転送したのである。

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 『スプートニク』の2021-11-18記事「Russian Military Publishes First Video From Successful Anti-Satellite Missile Test」。
   ロシアの新聞&ツイッター発表。
 ASAT実験で破壊したのは、機能を停止していた古い衛星「ツェリナ-D」。1982年に軌道投入されたもの。

 ロシア国防省によれば、爆砕によって生じたデブリは、ISSの軌道よりも40kmから60km高いところを通り過ぎたそうである。

 「ツェリナ-D」は「電波調査衛星」だったと説明されている。

 ※それはエリント/シギント衛星だったのかもしれない。それをもし「X-37」のようなヴィークルによって接近調査されると、技術レベルや軍の関心範囲がバレてしまう。あるいはもっとまずい何かも搭載されていたかもしれない。それで証拠を消すための爆破処分を焦ったのかもしれない。

 次。
 AFPの2021-11-12記事「Two Russian paratroopers die in Belarus drills jump」。
   ベラルーシ領内で露軍がパラシュート降下をしたのだが、強風のため傘体がよじれ、2人が墜死した。即死ではなかったが、けっきょく助からなかった。

 ※四角いやつだったようだ。パラグライダーのようにコントロールできるメリットがある代わりに、突風に弱い。

 この訓練は「抜き打ち動員演習」で、隊員には事前に準備時間を与えないやり方であった。
 ベラルーシ軍との合同演習の一環である。
 場所は、「難民兵器」にポーランド国境で挑発騒動をさせている現場のすぐ近くである。

 つまりポーランド国境警察が、投石やレーザー照射を繰り返すクルド人どもに怒って発砲したら、すぐ戦争を始めようという態勢だ。

 ベラルーシ側も降下兵を訓練参加させた。どちらも大隊規模。

 露軍の輸送機は「イリューシン76」で、ロシア国内から飛ばした。ベラルーシはヘリコプターを飛ばした。

 次。
 Mun Dong Hui 記者による2021-11-2記事「Some N. Korean workers welcome blackouts in Chinese factories」。
   吉林省の工場では北鮮人の出稼ぎ労働者が数千人も雇用されているが、停電のおかげで、たっぷりと休憩ができて嬉しいそうである。
 なんと、ふだんは1日16時間以上もみっちりと労働させられているのだ。殺人的である。

 北鮮からのでかせぎ労働者は、米ドル換算で8ドルくらいを、毎月、実家に送金できる。
 ピンハネ率は99%とされるので、ほんらいならどれほど貰う資格があるのか、計算できるだろう。

 石炭不足で停電になれば、まず夜勤をしなくて済む。これが非常にありがたいという。

 次。
 indomilitary の2021-11-17記事「Turkish Netizens Proud, Akinci Drone Becomes The Sukhoi Su-75 Checkmate」。
    ロシアの「ロステック」社の宣伝プロモがやらかした。
 「スホイ75 チェックメイト」が対抗する仮想敵機として、トルコのバイラクタル社製の双発無人機「アキンジー」の映像(アニメ?)を使ってしまったのだ。米国製のF-35ではなくて。

 トルコ人、大喜びである。最高の宣伝だとして。



ハイテンにいわせると中共の新設のICBM基地は、対米第一撃用にしか見えない。

 しかしFOBS実験は、往年のスプートニクショックになぞらえるほどのイベントではない、と。
 CBSのインタビュー。

 次。
 Matthew M. Burke and Mari Higa 記者による2021-11-17記事「Japan complains to US military after Marine with coronavirus takes commercial flight」。
    国外から来日した米海兵隊員1名が、新コロに罹患しているのに隔離手続きを無視し、そのまま東京から沖縄まで民航機で移動していた件について、日本政府は在日米軍に文句を付けた。

 この男子海兵隊員は20代で、キャンプ・フォスターに所属。10-30に成田に到着し、テストで新コロ陽性と出た。この場合、横田基地で一定期間、隔離されなければいけないはずのところ、翌日、民航機で沖縄に飛んでいる。

 その民航便の男の近くの席に乗り合わせた27名の乗客について沖縄県が追跡調査したところ、さいわい、この男から新コロは移されていなかった。

 米海兵隊は沖縄県にこの件を11月1日に知らせた。海兵隊の把握によれば、この海兵隊員はワクチン注射を受けており、症状も出ていなかったとのこと。

 この海兵隊員は、成田で、じぶんは横田基地に赴任するのだと嘘の申告をしていた。

 この一件は11-10に沖縄県から外務省に対して正式に調査を申し入れたことで、世間に対して隠せなくなった。

 2020-7にはこういう事件があった。米軍関係の4人家族が羽田から錦帯橋空港(=海兵隊岩国基地。軍民共用の飛行場)に民航機で飛んだ。ところが羽田で採取したサンプルから後日、そのうちの3人は新コロ陽性であると判明した。この4人は日本を出国したが、在日米軍は、10年間、基地への立ち入りを禁ずるとしている。

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 APの2021-11-17記事「Turkey, Spain discuss sale of aircraft carrier, submarine」。
    トルコのエルドアンが、スペインのサンチェス首相と共同記者会見。その席上、トルコはスペインから第二の空母を購入するかもしれず、別に潜水艦1隻の購入も考えていると発言。

 げんざい、スペイン設計の強襲揚陸艦が建造中である。やがてトルコ海軍が運用するこの強襲揚陸艦のことをエルドアンは、《第一の空母》だと看做しているわけだ。

 さらにエルドアンは、スペインとの間で、あたらしい軍用無人機も共同開発するかもしれないと述べた。

  ※搭載の艦上機として「TB2改」が検討されている。その方向での新型機もアリだろう。

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 ストラテジーペイジの2021-11-17記事。
    この10月、ウクライナ軍が運用するトルコ製の「TB2」無人機が、ロシア軍の自走砲×1両を破壊した。この自走砲は先に停戦協定を破ってウクライナ軍陣地を砲撃し、兵隊1人を殺し、2人を負傷させていた。その仇を討った。

 これはドンバス戦線における「TB2」の初戦果である。

 ウクライナは2018に6900万ドルを支払って「TB2」を2セット(12機)購入。2019と2020に1セットずつ納入された。以来ウクライナ軍が運用していたが、エスカレーションを懸念していままでレーザー誘導爆弾の投下を控えていた。
 しかし偵察ミッションを重ねるにつれて、こいつはロシア製のSAMではめったに落とされないと理解するようになったのである。

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 Thomas Newdick 記者による2021-11-17記事「F-35 From The Carrier HMS Queen Elizabeth Has Crashed Into The Sea (Updated)」。
    英軍所属のF-35Bが、空母『QE』から発艦した直後に墜落。
 パイロットはエジェクトして無事。

 場所は地中海の東部。

 英空母艦隊には、空母1隻を中心に『45型』の駆逐艦×2、『23型』のフリゲート×2、補給艦×1、艦隊給油艦×1、SSN×1が随行している。

 ※2019年にディスカバリーチャネルが制作した番組で、5万トンくらいの世界最大級のコンテナ船を韓国の造船所で建造する模様が取材されていたが、ディーゼル主機はMAN社からの輸入頼み、スクリューはイタリア製の輸入であった。5万トンのフラットデッキで、かりに25ノット出せるなら、なんでそのまま「準空母」を「国産」しないのかと思ったが、ダメコンや神経システムを考えるとそうも行かないのだろう。おそらく英国からQEもどきの空母システムの建造ライセンスを韓国が買おうとする場合、コンポーネントごとの守秘義務契約の細部が甚だしく面倒なことになると分かってきて、韓国軍は空母の早期建造に二の足を踏まされているのだろう。



時給893円の清掃のバイト募集に応募したら、門前払いされたでござる。

 ……というわけでまたユグドアのご支援をお願いします。

 次。
 Tyler Durden 記者による2021-11-17記事「Fresh Armenia-Azerbaijan Fighting Erupts, Multiple Casualties, As Yerevan Urges Russian Military Help」。
   またナゴルノ・カラバフで戦闘再開だ。

 いまのところ、アルメニア側からの情報発信だけが比較的に詳しい。

 ※露軍が駐留していたはずだが、ウクライナへ出張して隙ができたかな?

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 2021-11-12記事「Airbus demonstrates aircraft inspection by drone at Farnborough」。
   ジェット旅客機の機体上部の目視点検は通常、2時間かかるが、ハイレゾ撮影ができるドローン(クォッドコプター・タイプ)を使えば15分に短縮できる。
 そのデモンストレーションがファンバラでエアバス社によってなされた。「エアバスA330」の機体を使って。

 飛行は自動プログラムなので、誤ってぶつけてしまうこともない。
 写真はしっかり記録されるので、あとから解析すれば塗装ハゲなども仔細に把握ができる。

 次。
 Anne Trafton 記者による2021-11-16記事「This light-powered catalyst mimics photosynthesis」。
   MITの研究チームが、光触媒の新型を設計。
 光を吸収した上で、いろいろな光合成をさせられる。

 この「バイオハイブリッド光触媒」から、たとえばバイオフュールを製造できるかもしれない。HIV用の製薬などもできそうであるという。

 光をよく吸収する蛋白質としては、赤い海草内にあるRPEという物質が知られている。
 これを光触媒に組み合わせる。

 リグニンの「解重合」も、あたらしい触媒反応によって可能になるかもしれないという。もしそれに成功すれば、建材としては使えないような山林の雑木が、バイオフュールに化けるであろう。

 ※森林植物から燃料を取り出せたって、70億人の消費量においつくわけがない。そんなものよりも、人工触媒で炭水化物や糖を製造できるようにするのが先だ。それによって、「働かなくとも喰える社会」が実現するのだから。大衆が働かなくていいなら、燃料需要も激減する。これで地球問題はすべて解決だ。世の大金持ちは、こういうところに投資して人類の未来に貢献するべきじゃないのか? それが面倒だというのなら、せめてユグドアで兵頭二十八を支援しよう!


(管理人Uより)

 先日は小売系のアルバイトが不採用だったらしい。今度は清掃のアルバイトが。
 どうして? ちゃんと面接にも行ってらっしゃるのに、どうして兵頭先生のアルバイトが決まらないの?
 もう11月も半ばを過ぎた。兵頭先生はちゃんと年を越せるの?

 右や左の旦那様、どうか兵頭先生にお仕事のオファーを!
 私は兵頭先生の『あたらしいマッカーサー伝』が読んでみたいです。

 ユグドアの事はこちらに記載しております


屋上支線形風力発電装置はなぜ有望か。

 支線塔(guyed mast・ガイドマスト)は、わが国の中波ラジオ放送用の電波塔でよく見られる型式だ。

 通例、角度120度の間隔で3方位に地表のアンカーまで引っ張った鋼鉄ワイヤーの支線で、中心の主檣(非自立構造)をささえている。

 支線は一段(3本)のこともあれば、二段(6本)のこともある。主檣の頂冠までの地上高が100mもあるのなら、支線は二段にされるのが普通だ。

 主檣は今日では中空鋼鉄管のことが多いが、昔は鉄骨トラス構造のこともあった。

 以上は一般的な形式だが、提案したい屋上発電設備では、このスタイルを反転させる。

 すなわち、中心に直立させるのを、自立式鉄塔とする。装置の中心のこのタワーは、装置全体の「主柱」である。

 その主柱の頂部や中間部から、3方向といわずに、4方向、5方向、6方向、……多方向に、斜めの鋼鉄ワイヤーを張り下ろす。さながら、Maypole(五月柱)のリボンの如く。

 このワイヤーは、途切れの無い連続縒り線ではなく、途中で多数の「継ぎ手」がある。
 その継ぎ手の単位ごとに、数珠あるいは管状ビーズのように、多数の小直径の風圧感応ローターが、ワイヤーに串刺しにされる格好で配列される。

 発電力を欲張ると、この風車を大径化させたくなるだろうが、それはよくない。暴風時に自壊しやすくなるからだ。
 発電力を欲張らずに、ひとつひとつの風車を小直径にしておけば、台風に吹きまくられても、自壊し難いであろう。

 もちろん、微風時にはまったく発電しなくなるが、それでOKだと割り切るべし。
 ビルのオーナーが「再生可能エネルギー」に関して「意識が高い」と世間に示すことのできる、視覚的宣伝になってくれることが、この装置の最大の眼目である。

 日本のビル街の単調な矩形のスカイラインも、複雑化して、あらたな美観を呈するだろう。

 発電した電力は、ビルの揚水ポンプの駆動エネルギーの一助にする。それだけでいい。

 既にビルの屋上にヘリポートが設けられている高層ビルや病院ビルには、この発電システムを設置することはできないだろう。

 しかし、ヘリポートの設けがない低層~高層ビルには、この発電システムは、問題なく適応する。
 空調用クーリングタワーや無線のパラボラアンテナ等の機能に、ワイヤーが悪干渉することもない。
 干渉しそうなワイヤーは、張らなければいい。それだけなのだ。

 この方式の強みとして、「着雪・着氷を気にしなくて済む」ことも挙げられるだろう。

 風を受ける回転体が、算盤珠状に区切れて並んでいるため、支線上には雪は積もらない。着雪しなければ、着氷も大きく発達しにくい道理だ。

 大都市の、ビルの屋上の面積は、合計すれば、膨大なものである。
 いままで、その屋上の直上の空間は、まったく無駄に放置され、すこしも有効利用されてこなかった。
 ビルの屋上部こそ、恒常風の宝庫であったというのに……。

 メイポール形風力発電設備は、この空間と自然エネルギーをフルに活用する。
 設備の総重量は、十分に軽くできる。よって、ビルの耐震強度に悪影響を及ぼさない。

 ところで、これに関連する業界の用語を調べていて、面白いことを知った。

 英国では「送電鉄塔」のことを「パイロン」と通称する。米語では「トランスミッション・タワー」である。
 ところが米国で「パイロン」と言えば、それは道路上に置き並べる「コーン」の意味になるらしい。

 また「ハイドロタワー」という英語があって、水道管でも渡すのかと思ったら、そうではなく、これは、水力発電ダムから電力を送り出す送電線の経路に樹つ鉄塔のことなのだそうである。



さて、またバイト探しなわけだが……。

 Thom Patterson, and Meg Scarbrough 記者による記事「Major eVTOL Companies Ramping Up Flight Schools」。
   カリフォルニアにある「ジョビー・アビエーション」社が火曜日に発表。
 この会社が製造する、電池モーター動力の小型VTOL機のための、操縦学校を自前で設立すると。

 電動の小型VTOL機には、政府のレギュレーションが未だない。市場に投入されている製品がゼロだから当然だ。
 よってメーカーがその学校を創り、この学校で学んだ生徒には、このメーカーの社員になる道も用意してやる。

 たぶんFAAは2023年にはこのタイプの航空機のレギュレーションを定めるだろう。それを待ってはいられない。

 ジョビー社は、パイロット1名+客4人のVTOL機「eVTOL」を開発中。
 航続距離は、満充電で150マイル。そのさいの巡航速度は200マイル/時である。

 すでに試作機は、1回の充電で154マイルを飛んでいる。
 ティルトローターが6基。つまりモーターが6個だ。

 ジョビー社はまずロサンゼルスでこの飛行機300機による輸送ビジネスを、Uberをパートナーにして、2024から始めたい。スマホで飛行機を呼びつける、ライドシェアのエアタクシーのようなものを考えている。

 次。
 LeRoy Cook 記者による2021-10-29記事「Off Airport Landings Are Risky Business」。
    小型機で、飛行場でない不整地に降りるときは、まず、高度800フィートから、よさそうな地形を見渡す。ついでに、地上で吹いている風の向きを見極めねばならない。

 ついで、200~300フィートまで高度を下げて、着陸の予行フライパスをしてみる。これで、着地滑走中にハマってはまずい水溜りなどを視認できるはずだ。

 フラップ半開でアプローチし、着地直前に、フラップを全部引き出す。
 もちろん、途中でゴーアラウンドできる心構えが必要だ。

 荒地着陸の素人がやってしまいがちな失敗は、失速速度よりも10ノット高速でタッチダウンすること。その方が安全余幅が得られると思うのだろうが、その10ノットが破滅を引き起こす。

 荒地着陸は、着地の瞬間には失速速度に落ちていなければいけない。

 地面から12インチしか離れていないところで機体が失速しても、何の問題もないのだ。それに慣れることだ。

 座席ベルトは、きつく締めておけ。

 荒地で離陸するときは、座席をできるだけ前へ出しておく。下方視界を得るためだ。
 首輪式の飛行機であれば、できるだけ首輪は浮かせ気味にして滑走する。特に植生のボサは踏まないように。
 尾輪式の飛行機では、ボサを越すとき以外は機首上げを焦ってはならない。揚力を稼げなくなる。高速にすることなく、低速で空中浮揚してしまうことが肝要である。

 もし、離陸滑走地面に全面的に丈の長い草が茂っていたなら、何度かそのコースをタクシングし、草を圧してから、離陸滑走するとよいだろう。